JP6027319B2 - 塗装材及びペリクル - Google Patents

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Description

本発明は、例えばIC(Integrated Circuit:集積回路)、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、TFT型LCD(ThinFilmTransistor,Liquid Crystal Display:薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマクスやレティクルに異物が付着することを防止するために用いるペリクルのペリクル枠体に塗布される塗装材、及びペリクルに関する。
従来、半導体回路パターン等の製造においては、フォトマスクやレティクルの両面側にペリクルと称する防塵手段を配置して、フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。
ペリクルの一般的な構造としては、金属、セラミックス、又はポリマー製のペリクル枠体の片側に、ポリマー又はガラス等の透明な薄膜を貼り付け、その反対側に、マスクに貼り付けるための貼着剤層(粘着材)を設けたものが挙げられる。例えば、ペリクルは、フォトマスクやレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度のペリクル枠体の一方の縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース又はセルロース誘導体等の透明な高分子膜から成るペリクル膜を展張して接着し、且つペリクル枠体の他方の縁面に粘着材を介してフォトマスクやレティクルの表面に貼着している。
フォトマスクやレティクルの表面に異物が付着した場合、その異物が半導体ウエハ上に形成されたフォトレジスト上に結像して回路パターン欠陥の原因となるが、フォトマスクやレティクルの少なくともパターン面にペリクルを配置した場合、ペリクルの表面に付着した異物はフォーカス位置がずれるため、半導体ウエハ上に形成されたフォトレジスト上に結像することがなく、回路パターンに欠陥を生じさせることがない。
また、近年では、各種のマルチメディアの普及により、高画質・高精細表示が可能な大型のカラーTFTLCDのフォトリソグラフィ工程で使用される大型のフォトマスクに適用できるペリクルが要望されている。
上述のペリクル枠体は、通常、黒色となるように処理されている。例えば、特許文献1には、ペリクル枠体にアルマイト処理を施し、封孔処理を行うことで黒色化させることが開示されている。また、特許文献2には、電着塗装によってペリクル枠体を黒色化させることが開示されている。また、特許文献3には、エポキシ系樹脂の電着塗装によって適度な膜強度と高い耐薬品性を有するペリクル枠体が開示されている。
特開平06−250383号公報 特開2007−333910号公報 国際公開WO2011−007523号公報
ところで、ペリクル枠体は、1枚のシート状母材を打ち抜くことにより作製され、接合部のない一体型のものが多い。これは、ペリクルの平坦性を確保する観点等に基づくものである。母材の平坦性によってはペリクル枠体の作製に使用できない母材もあり、ペリクル枠体が大型化するほど、ペリクル枠体の平坦性の精度を出すことは容易ではない。そのため、製造工程にも手間がかかり、歩留まり低下やペリクル枠体作製のコスト向上の原因となっている。これに加えて、ペリクル枠体を黒色化するべく、ペリクル枠体に対してアルマイト処理や電着塗装処理を施すためには大規模な槽が必要となるため、設備の増大によりコストの増大を招来していた。更には、大型のペリクル枠体では、均一にアルマイト処理や電着塗装処理を実施することが困難であり、平坦性の精度を向上させることが難しかった。
そこで、ペリクル枠体に塗装を施すことが提案されているが、塗装材と枠部材との密着性を確保できないため剥がれ易く、また、ハンドリング治具にて操作する際に塗装が削れるため、アウトガスや異物等が発生し、現実性に乏しかった。また、塗装表面状態によっては、膜接着剤やマスク粘着剤の塗布ムラが発生することもあった。
また、ペリクルは発塵を嫌う性質上、実際に露光機で使用されるまでに数回の検査が行われる。そのため、塗装の色は、検査の効率と異物を発見し易くするために、黒色、濃紺系色、濃茶系色等の濃い色が好ましいとされている。また、ペリクル枠体に塗装材が斑に塗装されると、それを異物と誤認することもあり、検査に長く時間がかかることがある。したがって、ペリクル枠体では、均一な塗装表面が求められている。
また、ペリクル枠体と塗装材との密着性がよい場合でも、その表面が硬すぎると、ハンドリング時においてペリクル枠体が撓ったときにその撓りに追随しない。これにより、塗膜に亀裂が入り、発塵する懼れがある。そのため、塗装材により形成される塗膜は、素材(ペリクル枠体)との密着性がよく、その表面がハンドリング時の撓りに追随できる柔らかさが必要とされる。更には、塗膜は、ペリクル膜の余分な部分を例えばカミソリを使用してカッティングする工程において、カミソリにより表面が削れないことが望まれる。このような条件を満たす塗膜は、電着塗装以外は現実性に乏しかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ハンドリング時の破損を抑制して発塵を抑制できると共に、削れに対する耐性を有し、検査性の向上が図れる塗装材、及びペリクルを提供することを目的とする。
本発明らは、鋭意研究を重ねた結果、枠部材に特定の塗装材をコーティングすることで、塗装の破損を抑制できると共に耐性も備えることを見出した。特に、本発明では、通常は着色性や強度の改善のために混合剤として用いられる無機粉末剤を塗装材に含有させる。
従来、ペリクル枠体には、一般的にアルマイト処理が施されてきた。このアルマイト処理には、染料が使用されるが、無機粉末剤は不要であった。また、アルマイト処理以外で現実性のある電着塗装の場合、着色用としてカーボンブラック等の着色顔料を入れることは知られているが、ペリクル分野では発塵性の観点から、分散性である無機粉末剤は極力添加したくない傾向にある。これは、無機粉末剤の分散性により、ペリクル枠体表面の粗面化が起こり易くなり発塵に繋がる、または、密着性が悪くなることが容易に想定されるためである。
本発明者らは、合成樹脂に無機粉末剤を含有させることで、塗装材により形成した塗膜の破損による発塵を抑制しつつ、ハンドリング時の塗膜の削れ耐性に優れ、さらに、検査性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る塗装材は、開口部を覆うペリクル膜を展張支持するペリクル枠体に塗布される塗装材であって、合成樹脂と無機粉末剤とを含むことを特徴とする。
一実施形態においては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤を0質量部より多く60質量部以下含む。
一実施形態においては、塗布して乾燥した後の鉛筆硬度がB以上8H以下である。
一実施形態においては、ペリクル枠体との接触角が、65°以上98°以下である。
一実施形態においては、合成樹脂は、エポキシ系、アクリル系、及びフッ素系の樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの合成樹脂であるである。
本発明に係るペリクルは、上記の塗装材で覆われるペリクル枠体と、当該ペリクル枠体の開口部を覆うようにペリクル膜を展張支持されたペリクル膜とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ハンドリング時の破損を抑制して発塵を抑制できると共に、削れに対する耐性を有し、検査性の向上が図れるといった効果が得られる。
本発明の一実施形態に係るペリクルを示す斜視図である。 図1に示すペリクルを上から見た図である。 図2におけるIII-III線断面図である。 評価結果を示す表である。 実施例のペリクル枠体を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1に示すペリクルを上から見た図である。各図に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠体2と、ペリクル枠体2の上縁面2eに展張支持されたペリクル膜3とを備えている。なお、図示しないが、ペリクル1は、ペリクル枠体2の下縁面に塗布された貼着剤層と、貼着剤層に粘着され、この貼着剤層を保護する保護フィルムとを更に備えている。ペリクル1は、大型ペリクルであり、ペリクル枠体2は、大型のペリクル用枠体である。
ペリクル枠体2は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)、鉄及び鉄系合金、セラミックス(SiC、AlN、Al2O3等)、セラミックスと金属との複合材料(Al−SiC、Al−AlN、Al−Al2O3等)、炭素鋼、工具鋼、ステンレスシリーズ、ポリマー等からなり、平面視略矩形状を呈している。これらの中でも、アルミニウム、アルミニウム合金が、ペリクル枠体として利用するために密着性、耐湿性、ハンドリング時の枠体の撓りに追随する柔軟性と硬さを兼ね備えているためより好ましい。
このペリクル枠体2は、対向する一対の長辺2a,2bと、この長辺2a,2bよりも短い対向する一対の短辺2c,2dとから構成されている。ペリクル枠体2において、長辺2aと長辺2bとの長さは等しく形成されており、短辺2cと短辺2dとの長さは等しく形成されている。ペリクル枠体2は、矩形状の開口部4を有しており、長辺2a,2b及び短辺2c,2dは、開口部4の周縁を形成している。この開口部4の開口面積は、好ましくは1000cm以上、より好ましくは2000cm以上、35000cm以下である。なお、ペリクル枠体2は、接合部を有していても有していなくてもよい。
一対の長辺2a,2bは、幅が例えば9.0mmの柱部材からなり、その長さは、例えば800mmである。一対の短辺2c,2dは、幅が例えば7.0mmの柱部材からなり、その長さは、例えば480mmである。つまり、短辺2c,2dの平面視(上面視)における幅は、長辺2a,2bの幅よりも狭い。ペリクル枠体2の角部5の曲率は、例えば、R=2mmである。ペリクル枠体2の側面6には、溝部7が長手方向(辺方向)に沿って設けられている。
ペリクル枠体2の各辺2a〜2dの幅は、露光面積を確保する観点からは細ければ細いほど好ましいが、細すぎるとペリクル膜3の展張時にペリクル膜3の張力でペリクル枠体2が撓んでしまうという問題が生じるおそれがある。各辺の長さに対して剛性を考慮した幅の太さになるため、各辺2a〜2dは、3mm〜25mm程度とすることができる。
また、ペリクル枠体2の厚みに関しても、薄ければ薄いほど軽くて扱いやすいペリクル1となるが、薄すぎるとペリクル膜3の展張時にペリクル膜3の張力でペリクル枠体2が撓んでしまうという問題が生じるおそれがある。各辺2a〜2dの長さに応じた両者のバランスから、ペリクル枠体2の厚みは、好ましくは3.5mm〜12mm程度とすることができる。
ペリクル枠体2は、前述のとおり、1枚のシート状母材を打ち抜くことにより作製され、接合部を有さない一体型のものが多い。接合部を有する構成では、その接合部においてアルマイト処理され難く、接合部が明確に認識できるため、強い酸やアルカリによるアルマイト処理によって接合部に隙間ができたり、ペリクル枠体2の寸法変形が生じたり、接合部を起点に表面の風合いが変わるおそれがある。そのため、ペリクル枠体2に接合部を設けた構成では、表面処理法として、塗装材を用いることがより好ましい。
ペリクル膜3は、例えばニトロセルロースやセルロース誘導体、フッ素系ポリマー、又はシクロオレフィン系ポリマー等の透明な高分子膜からなり、その厚さは、例えば10μm以下0.1μm以上が好ましい。このペリクル膜3は、ペリクル枠体2の開口部4を覆うように上縁面2eに展張され、ペリクル枠体2に貼着支持されている。
ペリクル膜3をペリクル枠体2の上縁面2eに接着する接着剤は、例えば、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、又は含フッ素シリコーン接着剤等のフッ素系ポリマーを用いることができる。
また、貼着支持する粘着材としては、スチレンエチレンブチレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、もしくはオレフィン系等のホットメルト粘着材、シリコーン系粘着材、アクリル系粘着材、又は発泡体を基材とした粘着テープを用いることができる。粘着材層の厚さは、ペリクル枠体2の厚さと粘着材厚さの合計が規定されたペリクル膜3とフォトマスクの距離を越えない範囲で設定するものであり、例えば、10mm以下0.01mm以上が好ましい。
また、ペリクル膜3をフォトマスクに貼り付けた際に、貼着剤層の内側に空間が存在すると、該空間に異物が滞留する可能性がある。そのため、ペリクル枠体2の下縁面に粘着剤を塗布する際には、ペリクル1をフォトマスクに貼り付ける際の加圧で粘着剤層が潰れて広がることを考慮した上で、加圧時に開口部4に粘着剤がはみ出さない程度にペリクル枠体2の開口部4内側寄りに塗布することが好ましい。具体的には、貼着剤層内側の空間が粘着剤層の塗布幅の0.35倍以内となるように塗布することが好ましい。粘着剤層の塗布幅はペリクル枠体2の各辺2a〜2dの幅に対し0.3〜0.6倍であることが好ましく、ペリクル枠体2の各辺2a〜2dに沿って塗布することが好ましい。
粘着材を保護する保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、又はポリエチレン樹脂からなるフィルムを用いることができる。また、粘着材の粘着力に応じて、離型剤、例えばシリコーン系離型剤、又はフッ素系離型剤を、保護フィルムの表面に塗布してもよい。保護フィルムの厚さは、例えば、1mm以下0.01mm以上が好ましい。
図3に示すように、上述の構成を有するペリクル枠体2の表面全体には、塗膜Pが形成されている。ペリクル枠体2の表面をコーティングする塗膜Pは、塗装材によって形成されている。図3は、図2におけるIII-III線断面図である。
ここで、塗装材は、ペリクル1のハンドリング中にペリクル枠体2が撓んだり、ハンドリング冶具の接触や輸送中の衝撃に耐え得る材料でなければならない。ペリクル枠体2の撓みによる接触や衝撃に耐え得るためには、塗装材に柔軟性がなくてはならない。一方で、ハンドリング冶具や輸送中の衝撃に塗膜Pが耐え得るためには、硬さとペリクル枠体素材との密着性を兼ね備えておく必要もある。つまり、塗装材の物性には、柔軟性と硬さの相反する特性が必要とされる。
本実施形態では、塗膜を形成する塗装材に合成樹脂と無機粉末剤とを含んでいる。合成樹脂は、特に制限はないが、ハンドリング時の削れの観点から、エポキシ系、アクリル系、及びフッ素系の樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの合成樹脂であることが好ましい。これらの樹脂と、無機粉末剤とが合わさったときに、ハンドリング時の削れ耐性が飛躍的に向上する。
無機粉末剤としては、塗装材に機能性をもたせるものがよく、顔料類が好ましい。顔料類の中でも、艶消しと耐傷つき性と無色であることが好ましいため、体質顔料が特に好ましい。無機粉末剤には、艶消しと耐傷つき性の特性もあるため好ましい。更には、無機粉末剤としては、屈折率が1.4〜1.8程度の天然の岩石、粘土類、あるいは、酸化鉄類が好ましい。上記の岩石、粘土類は、例えば、カオリン、タルク、シリカ、四三酸化鉄、酸化鉄類、珪藻類、カルシウム類、マグネシウム類、酸化鉄類、酸化珪素、けい砂、クレー類、無水珪酸類、チタン酸またはチタン酸塩、珪酸また珪酸塩、ジルコン酸塩等が特に好ましい。また、上記の無機粉末剤であれば、塗料中でも透明かそれに近い状態となるため、色彩に悪い影響を与えることがないため好ましい。また、無機粉末剤の粒径としては、0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.2〜15μmである。この範囲であれば、塗装材の光沢を抑制でき、色彩に影響を与えることがないため好ましい。
無機粉末剤の形状としては、扁平形状、球形状、立体状形状等、どのような形状でもよいが、より好ましくは扁平形状である。無機粉末剤が扁平形状である場合には、塗膜面と平行に配列されて塗膜面方向の収縮を抑制するため、内部ひずみを低下する方向に働き、内部応力が緩和される方向に働くため好ましい。また、溶剤が塗膜を透過する際に迂回する距離が長くなり、溶剤の蒸発が遅くなるため、塗膜中の溶剤が長時間残留し、塗膜の内部応力が緩和される方向に働くため好ましい。
更に、合成樹脂における無機粉末剤の割合としては、合成樹脂100質量部に対して0質量部より多く60質量部以下が好ましく、7〜40質量部がより好ましく、更に10〜30質量部が最も好ましい。
無機粉末剤を含む場合、光沢を有さないため、ペリクル枠体2の検査性時に集光灯の光が散乱して異物検査性が向上し、更には、密着性及び柔軟性ともに改善される。また、無機粉末剤の割合が40質量部以下の場合、無機粉末剤は塗装材の中で適度に分散されるため、ペリクル枠体2の母材と主成分との結合力が向上し、密着性が良くなる。また、粘度が高くなることを抑止でき、流動性が保たれるため、作業性に優れる。更に、塗膜Pの弾性率の増加を抑止できるため、塗膜Pの剥れや割れ、反り等の欠陥の発生を抑制できる。
塗装材のガラス転移点は、50℃以上350℃以下のものが好ましく、更に好ましくはガラス転移点が50℃以上200℃以下のものであることが好ましく、更には、80℃以上150℃以下であることが好ましい。
50℃よりもガラス転移点が高ければ、輸送中に高温高湿になった場合でもと塗装面が柔らかくなることを抑制することができ、膜接着剤や貼着剤層との密着性の悪化を防ぐことができるため好ましい。350℃よりもガラス転移点が低ければ、内部応力が増加を抑えることができるため、ボイドや粒状の膨れ等の発生を抑止し、異物と混合されて検査に時間がかかることを防ぐと共に輸送中に異物となることを抑制できるため好ましい。また、枠部材と線膨張率の差が大きいと、内部応力が大きくなるため、塗膜Pの膨潤、剥離、割れ等が発生するおそれがあるが、ガラス転移点が上記範囲内であれば塗膜Pとしての熱膨張が抑制されるため、線膨張率の差を考慮しなくてよいため好ましい。
また、塗装材を塗布して形成された塗膜Pの鉛筆硬度は、B以上で8H以下となることが好ましく、F以上6H以下となることがより好ましく、F以上5H以下であることが更に好ましい。鉛筆硬度がBよりも大きいと、塗膜Pが柔らかくなりすぎることを抑制できるため、ハンドリング治具と擦れ難くなり異物の発生を抑止することができる。また、鉛筆硬度が8Hよりも小さいと、硬すぎないため、瞬間的な伸縮運動に耐えることができ、ハンドリング時の撓みに追随でき、割れや剥れ等の発生を抑制できる。
このような物性を有する塗装材は、塗布型であることが好ましい。ここで言う塗布型の塗装材とは、液体状のままでコーティングを行い、その後加熱することで重合が進み塗膜Pを形成するものである。塗装材を液体状のままコーティングする方法としては、エアスプレー、静電塗装、浸漬塗装、ロールコートが望ましく、その中でもエアスプレー方式の塗装方法が好ましい。
塗装材のペリクル枠体2との接触角としては、65°〜98°が好ましい。好ましくは、70°〜97°であり、更に好ましくは、75°〜95°である。ペリクル枠体2の一端面(上縁面2e)に膜接着剤を塗布してペリクル膜3を展張する工程の際、ペリクル枠体2の一端面に均一に薄く膜接着剤が塗布される必要がある。このとき、接触角が上記範囲内であれば、膜接着剤の伸びが適度であるため塗装ムラが発生し難く、ペリクル膜3との密着性もよくなる。
ペリクル枠体2の製造工程においては、塗装材を塗布した後、加熱処理が行われる。このときの加熱温度は、100℃以上であることが好ましい。そして、100℃以上の温度にて上記のガラス転移点と鉛筆硬度の範囲内に収まるように塗布方法や加熱温度を調整し、最適な重合度を選択する。最良の塗装のためには、塗装材として、主成分がエポキシ系、アクリル系、フッ素系の材料を用いることが好ましく、フッ素系またはアクリル系の材料の使用が最も好ましい。塗膜Pは一層でもよいし、多層コーティングであればアルミニウムとの密着性を向上させることができる。
また、ペリクル枠体2の検査は、光の反射によって異物の有無を検査するため、黒色、濃紺系色、濃茶系色等が好ましい。そのため、黒色顔料としてカーボンブラック等が含まれている。
一般的に使用されているペリクル枠体2は、アルミニウム合金により構成される。アルミニウム合金の熱膨張係数の観点から、塗膜Pを形成する塗装材としては伸びが大きい樹脂であることが好ましいが、塗膜Pの硬さの低下を抑制する必要もあるため、上述の特性を有する塗装材が好ましい。更に、上記アルミニウム合金は化学的、物理的な吸着水で覆われていると考えられるため、吸着水(表面のOH基)と架橋反応や水素結合を示す化合物が上記塗装材の末端や側鎖にあることが好ましい。
例えば、有機珪素化合物等をもつ場合は、有機珪素化合物の加水分解、縮合反応等により、吸着水とシロキサン結合を形成することで、密着性をよくしている。また、カルボキシル基等の極性基をもつ場合は、吸着水に対して強い相互作用、例えば水素結合や酸―塩基相互作用等により密着性がよくなると考えられる。極性基としては、カルボキシル基が最も好ましく、水酸基、カルボン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩等)やアルキルエステル類、フェノール類、アミノ酸類、脂肪族アミン等が挙げられる。これらの化合物は、表面のOH基の数と同等であることが好ましい。ここでいう同等とは、極性基:OH基=1:0.8〜1.2の範囲である。上記化合物が過剰に存在すると界面において水分を吸着し、塗膜の膨潤や剥離等を生じるおそれがある。具体的には、エポナシリーズ(オリジン電気株式会社製)、オリジツークシリーズ(オリジン電気株式会社製)、ファスコートシリーズ(ミリオンペイント株式会社製)、ARBtシリーズ(久保孝ペイント株式会社製)、スーパーラックエコ(日本ペイント製)等が挙げられる。
また、ペリクル枠体2は、長辺2a,2b又は短辺2c,2dの所定部分(角部5)の塗膜Pの厚みを、他の部分(中央部)の20倍以下程度の厚みとすることが好ましい。角部には、ハンドリング治具の装着等で無理な力が加わることがある。また、角部は剛性が高いために、マスクに強度に貼り付けられている傾向があり、マスクからペリクルを剥離する際、中央付近よりも角部に強い力が加わる可能性がある。このとき、角部の塗膜が他の部分より20倍以上厚いと、密着性が悪くなるために塗膜の剥がれ等が生じる可能性がある。したがって、角部5の塗膜Pの厚みとしては、他の部分の20倍以下とすることが好ましく、より好ましくは他の部分の0.05倍〜20倍である。また、塗膜Pの膜厚そのものとしては、5μm〜100μmあればよい。この特異的な特性を施す箇所は、ペリクル枠体2の角部5であることが好ましく、更には4つの角部5よりも1つの角部5であれば好ましいが、特に個数を限定するものではなく1箇所以上であるとより効果が顕著となる。
続いて、ペリクル枠体2の製造方法について説明する。まず、例えばアルミミウム又はアルミニウム合金から成る長辺2a,2b及び短辺2c,2dを有する枠部材を準備する。次に、枠部材に対して、上述の塗装材を例えばエアスプレー方式によって塗布する。このとき、角部5においては、塗装厚みを他の部分よりも厚くする。そして、塗装材が塗布された枠部材に加熱処理を施し、枠部材の表面に塗膜Pを形成する。以上により、ペリクル枠体2が形成される。その後、ペリクル枠体2にペリクル膜3が展張されることで、ペリクル1が形成される。
以上説明したように、ペリクル1のペリクル枠体2をコーティングする塗装材では、合成樹脂と無機粉末剤とを含んでいる。これにより、ペリクル枠体2に撓みが生じた場合であっても、ペリクル枠体2と塗装材との密着性を確保できているため、塗膜Pの剥がれを防止できる。また、所定の強度を有するため、ハンドリング治具等による塗膜Pの削れも防止できる。したがって、塗膜Pの亀裂等の破損の発生を抑制できる。また、塗膜Pの破損を抑制することにより、塗膜Pの剥がれ等に起因するアウトガスや異物の発生(発塵)を防止できる。その結果、ヘイズを抑制できる。また、大規模な装置を必要としないため、コストの低減も図れる。特に、ペリクル1が大型の場合には、本実施形態の構成が更に効果的となる。
また、塗装材を用いることで、塗装のムラも少なくなり、平坦性を維持することができる。更に、熱を加えて塗装材を重合させることが多いため、アルミニウムの熱処理も同時に行うことができ、ペリクルの使用中に熱が加わって寸法が変形してしまうことを防止できる。
また、塗膜Pの鉛筆硬度がB以上8H以下である。このような鉛筆硬度とすることにより、ハンドリング冶具や輸送中の衝撃に耐え得る強度を確保することができる。また、所定の強度を有しているため、ペリクル枠体2にペリクル膜3を展張支持した際、ペリクル膜3の余分な部分をカッティングする工程において、一般的なカミソリを使用することができる。これにより、製造過程において特殊な機器・器具等を用いなくてもよく、設備の増大を防止できる。
塗膜Pの形成に用いられる塗装材は、塗布型である。このように、塗布型の塗装材を用いることで、エアスプレー、静電塗装、浸漬塗装、ロールコート等といった塗装方法を使用できる。これにより、塗膜Pを均一に形成することができ、ペリクル枠体2の平坦性を確保することができる。
ペリクル枠体2は、対向する一対の長辺2a,2bと、対向する一対の短辺2c,2dとから構成されており、長辺2a,2b及び短辺2c,2dによって形成される少なくとも一つの角部5の塗膜Pの厚みは、長辺2a,2b又は短辺2c,2dの中央部の厚みの20倍以下である。このような構成によれば、角部5に無理な力が加わった場合も密着性がよいため、剥がれやクラック等を抑制できる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、厚みを4.0mm、長辺の幅を6.0mm、長さを430mmとした。また、短辺は、幅を6.0mm、長さを300mmとし、短辺側全長に渡って溝を設け、溝の深さを2mm、溝の高さを1.5mmとした。また、角部の曲率をR=2mmとした。その他の構成は、図2に示す構成にてペリクル枠体を形成した。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤として(四三酸化鉄)を17質量部入れたエポキシ系樹脂塗料(商品名「エポナシリーズ」 オリジン電気社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、140度で加熱を30分行うことでガラス転移点を80℃、鉛筆硬度をHとした塗膜を形成した。評価結果を図4に示す。
[アウトガス評価]
長さ10cmの棒状のサンプルを作製し、加熱脱着法にてGC−MS(SUPELCO製)で測定した。加熱温度50℃、加熱時間60分、吸着剤CarbopackB+CarbosieveSIII、キャリアガス(He)の条件とした。
[ハンドリング性]
ハンドリングジグで装着作業を5回行い、装着時の削れ等を集光灯にて目視検査した。5回とも結果がよいものを「○」、1回傷が生じたがペリクルとして問題ないレベルを「△」、1回以上削れが発生し、ペリクルとして不具合があるものを「×」とした。
[鉛筆硬度]
長さ10cmの棒状のサンプルを作製し、引っかき硬度試験(JIS K5600−5−4)にて鉛筆硬度を測定した。
[密着性テスト]
長さ10cmの棒状のサンプルを作製し、密着性テスト(JIS K5600−5−6)にて、密着性テストを実施した。分類0〜1を「○」、分類2を「△」、分類3〜5を「×」とした。
[接触角測定]
長さ10cmの棒状のサンプルを作製し、FACE 型式CA S−150(協和界面科学(株)社製)を使用して測定を実施した。
[検査性]
暗室にて、製作したペリクル枠体に集光灯を照射して異物を目視検査した。目視検査は、10名の作業者で確認し、異物の判明のしやすさを確認した。10名中8〜10名が異物を判明しやすいと判断した場合を「○」、10名中5〜7名が異物を判明しやすいと判断した場合を「△」、それ以外を「×」とした。
[実施例2]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を9.0mm、長さを800mmとし、短辺の幅を7.0mm、長さを480mmとして、角部は曲率をR=0mmとした。それ以外の溝の長さ・深さ、枠体の厚みは実施例1と同様に作製した。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(含水珪酸マグネシウム)を26質量部、カーボンブラック5質量部入れたシリコンアクリル系樹脂塗料(商品名「オリジツークシリーズ」 オリジン電気社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、140℃で加熱を30分行うことでガラス転移点を100℃、鉛筆硬度をHとした塗膜を形成した。評価結果を図4に示す。
[実施例3]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を21.0mm、長さを2000mmとし、短辺の幅を19.5mm、長さを1800mmとして、角部の曲率をR=0mmとした、また、枠体の厚みを6.0mmとした。それ以外の溝の長さ深さは実施例1と同様にした。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(含水珪酸マグネシウム)を5質量部、カーボンブラック5質量部入れたシリコンアクリル系樹脂塗料(商品名「オリジツークシリーズ」 オリジン電気社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、140℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を100℃、鉛筆硬度をHとした塗膜を作成した。評価結果を図4に示す。
[実施例4]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を21.0mm、長さを2000mmとし、短辺の幅を19.5mm、長さを1800mmとして、角部の曲率をR=0mmとした、また、枠体の厚みを6.0mmとした。それ以外の溝の長さ深さは実施例1と同様にした。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(含水珪酸マグネシウム)を11質量部、カーボンブラック3質量部入れたシリコンアクリル系樹脂塗料(商品名「オリジツークシリーズ」 オリジン電気社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、100℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を100℃、鉛筆硬度をHとした塗膜を作成した。評価結果を図4に示す。
[実施例5]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を21.0mm、長さを2000mmとし、短辺の幅を19.5mm、長さを1800mmとして、角部の曲率をR=0mmとした、また、枠体の厚みを6.0mmとした。それ以外の溝の長さ深さは実施例1と同様にした。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(タルク)を25質量部、カーボンブラック5質量部入れたアクリル系樹脂塗料(商品名「ファスコートシリーズ」 ミリオンペイント社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、100℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を100℃、鉛筆硬度を2Hとした塗膜を作成した。評価結果を図4に示す。
[実施例6]
ペリクル枠体は、図5に示すように、接合部を有するものを用いた。接合部を含むペリクル枠体の材質(全ての分割枠体の材質)は、アルミニウム合金であり、厚みを4.0mm、長辺の幅を9.0mm、長さを790mmとし、短辺の幅を7.0mm、長さを480mmとして、角部の曲率をR=0mmとした。短辺の側面全長にわたって溝を設け、溝の深さを2.0mm、溝の高さを1.5mmとした。接合部は、図5に示す形状とした。各々の接合端面の最大接合距離を上記幅に対して1.5mm、各々の接合部内面の最大接合距離を2.0mm、接合部各面の大きさに対して0.02mmの嵌め合い時に潰れる部分(余剰部分)を設けた。そして、接着剤は使用せずに上下方向から嵌め合わせてペリクル枠体を作製した。
塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(タルク)を25質量部、カーボンブラック5質量部入れたアクリルフッ素系樹脂塗料(商品名「ファスコートシリーズ」 ミリオンペイント社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、100℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を120℃、鉛筆硬度を5Hとした塗膜を作成した。評価結果を図4に示す。
[実施例7]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を21.0mm、長さを2000mmとし、短辺の幅を19.5mm、長さを1800mmとして、角部の曲率をR=0mmとした、また、枠体の厚みを6.0mmとした。それ以外の溝の長さ深さは実施例1と同様にした。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、無機粉末剤(タルクとシリカ粉の混合)を20質量部、カーボンブラック5質量部入れたウレタン系樹脂塗料(商品名「ミリウレタンシリーズ」 ミリオンペイント社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、100℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を90℃、鉛筆硬度をFとした塗膜を作成した。評価結果を図4に示す。
[比較例1]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、厚みを4.0mm、長辺の幅を6.0mm、長さを430mmとした。また、短辺は、幅を6.0mm、長さを300mmとし、短辺側全長に渡って溝を設け、溝の深さを2mm、溝の高さを1.5mmとした。また、角部の曲率をR=2mmとした。その他の構成は、図2に示す構成にてペリクル枠体を形成した。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、カーボンブラック5質量部、無機粉末剤無しのシリコンアクリル系樹脂塗料(商品名「オリジツークシリーズ」 オリジン電気社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、140℃の加熱を30分行うことでガラス転移点を100℃、鉛筆硬度を2Hとした塗膜を形成した。評価結果を図4に示す。
[比較例2]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を9.0mm、長さを800mmとし、短辺の幅を7.0mm、長さを480mmとして、角部の曲率をR=0mmとした。それ以外の溝の長さ・深さ、枠体の厚みは実施例1と同様に作製した。塗装材としては、無機粉末剤無しのエポキシ系樹脂塗料(商品名「オーデックス」 神東塗料社製)を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、120℃の加熱を20分の行うことでガラス転移点を30℃、鉛筆硬度を2Bとした塗膜を形成した。評価結果を図4に示す。
[比較例3]
ペリクル枠体は、材質がアルミニウム合金であり、長辺の幅を9.0mm、長さを800mmとし、短辺の幅を7.0mm、長さを480mmとして、角部の曲率をR=0mmとした。それ以外の溝の長さ・深さ、枠体の厚みは実施例1と同様に作製した。塗布材としては、合成樹脂100質量部に対して、カーボンブラック5質量部、無機粉末剤無しのウレタン系樹脂塗料(商品名「BYKETOL 住友バイエルウレタン社製」を使用し、塗装ムラや材料のダレが発生しないようにスプレー塗装を行い、120℃の加熱を20分の行うことでガラス転移点を40℃、鉛筆硬度を3Bとした塗膜を形成した。評価結果を図4に示す。
[比較例4]
合成樹脂100質量部に対して無機粉末剤を70質量部にした以外は、実施例2と同じものを作製した。顔料が多すぎて分散性が悪く塗布できなかった。
1…ペリクル、2…ペリクル枠体、3…ペリクル膜、4…開口部。

Claims (3)

  1. 開口部を覆うペリクル膜を展張支持するペリクル枠体に塗布される塗装材であって、
    エポキシ系、アクリル系、フッ素系及びウレタン系の樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの合成樹脂及び体質顔料を含み、
    前記体質顔料は、前記合成樹脂100質量部に対して5質量部より多く30質量部以下含み、
    前記体質顔料の形状は、偏平形状であり、
    前記体質顔料の粒径は、0.1μm〜30μmであり、
    塗布して乾燥した後の鉛筆硬度が以上H以下である、塗装材。
  2. 前記ペリクル枠体との接触角が、65°以上98°以下である、請求項1に記載の塗装材。
  3. 請求項1又は2に記載の塗装材で覆われたペリクル枠体と、当該ペリクル枠体の開口部を覆うようにペリクル膜を展張支持されたペリクル膜とを備えることを特徴とするペリクル。
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