JPH0627641A - ペリクル - Google Patents

ペリクル

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JPH0627641A
JPH0627641A JP20176192A JP20176192A JPH0627641A JP H0627641 A JPH0627641 A JP H0627641A JP 20176192 A JP20176192 A JP 20176192A JP 20176192 A JP20176192 A JP 20176192A JP H0627641 A JPH0627641 A JP H0627641A
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JP
Japan
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pellicle
pellicle film
film
adhesive
curable resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP20176192A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamamoto
隆 山本
Kenichi Sekimoto
謙一 関本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異物の発生の防止、ペリクルのエアーブロー
による洗浄作業の際のペリクル膜の切れや剥れ落ちが発
生しない高品質なペリクルを提供する。 【構成】 ペリクル膜をペリクル枠体に固着するための
接着剤として、硬化後表面鉛筆硬度1B以上の紫外線硬
化型樹脂組成物及び/又は硬化収縮率10%以下で、か
つ、未硬化状態でペリクル膜上に滴下した場合、滴下後
10分〜24時間でペリクル膜を膨潤させることのでき
る紫外線硬化型樹脂組成物を用いるペリクル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォトレジストやレチク
ル(以下単にマスクという)の保護、防塵の目的で使用
されるペリクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体集積回路の高密度化に伴
い、マスクの保護や微少異物の付着防止は生産される回
路の生産歩留りを決定する重要な因子となっており、マ
スクへのペリクルの装着が盛んになりつつある。
【0003】ペリクルは、通常、基板上にスピンコート
法等によって製膜したペリクル膜を剥離してペリクル枠
の一端面に固着し、その後ペリクル枠の外側の余分な膜
をペリクル枠の外側端部で切断することによって得られ
る。
【0004】このペリクル膜とペリクル枠とを固着する
ための接着剤としては、従来、固着処理速度、固着剤の
ポットライフ、固着処理作業の容易性等の問題からアク
リル系の紫外線硬化型樹脂が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の接着剤を用いた方法で得られたペリクルには依然とし
て以下のような問題点があった。
【0006】すなわち、第1番目の問題点としては、接
着部からの異物の発生があることである。これを防止す
る方法として異物の発生しない接着剤を使用する方法
(特開平2−176659号)が提案されている。この
方法によればペリクル膜とペリクル枠との接着部を触ら
ないようにして取り扱う限りにおいては有効である。し
かしながら、ペリクルにおいてはケースに保管した状態
での移送やマスクに装着するためのハンドリング中にペ
リクル膜とペリクル枠との接着面外側端部がケース、治
具、手等と擦れることがあり、この際に接着剤が欠け落
ちるなどして異物が発生する問題があることが本発明者
らの検討により新たに明らかとなった。
【0007】2番目の問題点としては、エアーブローに
よるペリクルの洗浄作業の際、ペリクル膜がペリクル枠
との接着面内側端部で切れるといったトラブルがしばし
ば発生することである。これを防止する方法としてペリ
クル枠の接着面内側端部を面取りしたペリクル枠を使用
する方法(特開昭63−298245号)が開示されて
いる。これらの方法によれば、上記トラブルの発生はか
なり低減できるものの完全に解決するに至らず、吹き付
けるエアーブローの強度、吹き付け位置、角度によって
は依然として接着面内側端部が切れる場合があった。
【0008】第3番目の問題点としては、同様なエアー
ブローによるペリクルの洗浄作業の際、ペリクル膜がペ
リクル枠よりしばしばペリクル膜と接着剤との間で剥れ
落ちるといった問題があった。
【0009】本発明は以上のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的はペリクル膜とペリクル枠と
の固着に用いられる接着剤の欠け落ちによって発生する
異物の発生の防止、ペリクルのエアーブローによる洗浄
作業の際のペリクル膜の剥れ落ちや切れの発生しない高
品質なペリクルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、以下の知見
を見出し本発明を解決するに至ったものである。すなわ
ち、本発明は、ペリクル膜をペリクル枠体に固着するた
めの接着剤として所定の性質を有する紫外線硬化型樹脂
組成物を用いることを特徴とするペリクルである。
【0011】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】第1に本発明における接着剤としては、硬
化後の表面鉛筆硬度1B以上の紫外線硬化型樹脂組成物
を用いるものである。これにより、接着剤の欠け落ちに
よる異物の発生を防止することができるものである。
【0013】ここに使用される紫外線硬化型樹脂組成物
としては、硬化後の表面鉛筆硬度が1B以上であること
が必要であり、異物の発生をさらに防止するためには1
H以上であることが好ましい。1Bより表面硬度が柔ら
かい接着剤を使用した場合、ケースに保管して移送した
ペリクルの接着面内側端部の変形、ペリクル膜面上の異
物の増加がみられ、移送後の時点でペリクル面上に異物
増加がみられなかった場合においても、その後のハンド
リングによる治具、手などの接触や、ペリクルのエアー
ブロー洗浄の際に接着面外側端部から異物が発生するお
それがある。
【0014】第2に本発明における接着剤としては、硬
化収縮率が10%以下で、かつ、未硬化状態でペリクル
膜上に滴下した場合、滴下後10分〜24時間でペリク
ル膜を膨潤させることのできる紫外線硬化型樹脂組成物
を用いるものである。これにより、ペリクルのエアーブ
ローによる洗浄作業の際のペリクル膜の切れや剥れ落ち
を防止することができるものである。
【0015】ここに使用される紫外線硬化型樹脂組成物
としては、硬化収縮率が10%以下であることが必要で
あり、ペリクル膜の切れや剥れ落ちをさらに防止するた
めには8%以下であることが好ましい。
【0016】本発明者らはエアーブロー洗浄時に発生し
たペリクル膜の切断部を顕微鏡等で詳細に観察した結
果、いずれもこの部分の周辺部のペリクル膜がペリクル
枠に沿って局部的に薄く引き伸ばされたり、微細なシワ
が発生したようになっており、このペリクル膜の切れの
問題が使用する紫外線硬化型樹脂の硬化時の収縮により
生じたペリクル膜への局部的なストレスに由来するもの
であることが推定された。このため硬化収縮の弱い紫外
線硬化型樹脂を使用した結果、上述した伸びやシワの発
生がなく、より強いエアーブローによっても切れの発生
し難いペリクルが得られることを見出したものである。
【0017】また、ここに使用される紫外線硬化型樹脂
組成物としては、未硬化状態でペリクル膜上に滴下した
場合、滴下後10分〜24時間でペリクル膜を膨潤させ
ることのできることが必要であり、ペリクル膜の剥れ落
ちをさらに防止するためには20分〜12時間でペリク
ル膜を膨潤させることのできるものであることが好まし
い。膨潤までの時間が10分より短いものの場合、ペリ
クル膜の枠付け作業から紫外線照射による固着作業まで
の時間が極端に制限されてしまうため現実的には使用で
きず、また、膨潤までの時間が24時間を超えるものの
場合では、接着強度の向上効果が顕著に得られない。接
着剤の特性としてペリクルフィルムを弱く侵すものを用
いることで、接着強度が向上するものである。この結果
は接着剤のペリクル膜の溶解効果により接着剤層とペリ
クル膜層との界面に両者が相溶してなる層が形成された
ことによるものと推定される。
【0018】さらに、本発明の接着剤として、上記の2
つの条件を満たす、硬化後表面鉛筆硬度1B以上で、硬
化収縮率10%以下で、かつ、未硬化状態でペリクル膜
上に滴下した場合、滴下後10分〜24時間でペリクル
膜を膨潤させることのできる紫外線硬化型樹脂組成物を
用いれば、異物の発生を防止し、しかも、ペリクル膜の
切れや剥れ落ちを防止できるためさらに好ましい。
【0019】本発明における紫外線硬化型樹脂組成物
は、上記の性質を有するものであれば特に限定するもの
ではなく、アクリレート系紫外線硬化型樹脂組成物、エ
ポキシ系紫外線硬化型樹脂組成物、ウレタン系紫外線硬
化型樹脂組成物等の組成物から選ぶことができる。
【0020】このような紫外線硬化型樹脂組成物の具体
例としては、アクリレート系の場合は、エポキシアクリ
レート樹脂(例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピルアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキシ
−メタクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートE
O付加物等)またはウレタンアクリレート樹脂(例え
ば、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメ
チレンジイソシアネートウレタン樹脂、グリセリンジメ
タクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタン
樹脂、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメ
チレンジイソシアネートウレタン樹脂等)に、光重合開
始剤(例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、アセトフェ
ノン、アントロン、フェナントレン、ニトロピレン、5
−ニトロアセナフテン、ベンゾイン、ベンジルジメチル
ケタール、4,4´−ビスジメチルアミノベンゾフェノ
ン、チオキサントン等)を添加し、さらに、例えば、硬
化硬度向上のためにアクリレートモノマー(例えば、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、イソシアヌール酸トリアクリレー
ト、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステ
ル、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート等)を適当量配合したり、
例えば、硬化収縮率低減のためにアクリレートモノマー
(例えば、ラウリルアクリレート、セチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、イソオクチルアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボニルアクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、ジシクロペンタジエニ
ルジアクリレート等)を適当量配合したり、例えば、接
着性向上のためにアクリレートモノマー(例えば、2−
アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイル
オキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチル
アシッドフォスフェート、トリスアクリロイルオキシエ
チルフォスフェート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、モルホリノエチルアクリレート、N−ビニル−2−
ピロリドン等)を適当量配合した組成物があげられる。
また、これらの組成物には、必要に応じて耐衝撃性付与
のためにアクリレートモノマー(例えば、1,9−ノナ
ンジオールジアクリレート、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、イソデシルメタクリレート等)、耐
候性付与のためのアクリレートモノマー(フェノキシエ
チルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールア
クリレート、1,3−ブチレングリコールメタクリレー
ト等)、熱重合禁止剤、界面活性剤等を添加してもよ
い。
【0021】エポキシ系の場合には、エポキシ樹脂(例
えば、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン樹脂、臭
素化ビスフェノールA−エピクロロヒドリン樹脂、エポ
キシノボラック樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン−エピクロロヒドリン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート等)に、光カチオン重合開始触媒(例え
ば、ジフェニル−(4−チオフェニル)フェニルスルホ
ニウムパーフロロフォスフェート、ジフェニルヨードニ
ウムパーフロロボレート、4,4´−ジ−tert−ブ
チルジフェニルヨードニウムパーフロロアンチモネー
ト、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェ
ニルピリリウムパークロレート、4−メトキシ−2,6
−ジフェニルチオピリリウムパークロレート等)を添加
し、さらに、例えば、硬化硬度向上のために低分子エポ
キシ(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセロールゾグリシ
ジルエーテル、ブタジエンオキサイド、ジメチルペンタ
ジエンオキサイド、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキサンカルボキシレート、ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、リモネンジオキサイド、ジビニルベンゼ
ンジオキサイド、レゾルシン−ジグリシジルエーテル、
ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(2,3−エ
ポキシシクロペンテル)エーテル、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシメ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、2−グリシジル
フェニルグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエノー
ルエポキサイド−グリシジルエーテル、エポキシシクロ
ヘキサンカルボン酸エチレングリコールジエステル、ソ
ルビトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールト
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリ
シジルエーテル等)を適当量配合したり、例えば、接着
性向上および衝撃強さ向上のために低分子エポキシ(例
えば、オレフィンオキサイド、オクチレンオキサイド、
ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェ
ニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシ
ジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、3(ペン
タデシル)フェニルグリシジルエーテル、プロピレンオ
キサイド、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、シクロヘキセンビニルモノオキシド、ジペ
ンテンモノオキシド、α−ビネンオキシド、リモネンモ
ノオキシド等)等を適当量配合した組成物があげられ
る。また、これらの組成物には必要に応じて界面活性剤
等を添加してもよい。
【0022】本発明において用いられるペリクル膜とし
ては樹脂フィルムが用いられ、樹脂材料としてはセルロ
ースエステル類、ポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリビニルアセタタール類をあげることがで
き、具体的にはニトロセルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネート、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルプロピオナール、ポリビニルブチラールが好ましい
例としてあげられる。また、ペリクル膜構造としては単
層構造又は反射防止層を有する多層構造のいずれであっ
ても構わない。
【0023】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0024】実施例1 アルミニウム合金からなるペリクル枠に、光カチオン重
合開始触媒を含むエポキシ樹脂系の紫外線硬化型樹脂
(協立化学産業(株)製、X−8700:鉛筆硬度3
H)を塗布し、別に用意しておいたポリビニルブチラー
ルからなるペリクル膜体をアルミ枠上に載せ、この状態
で紫外線を接着面に照射して紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せペリクル膜をペリクル枠に固着した。この後、ペリク
ル枠の接着面外側にはみ出した余分なペリクル膜を接着
面外側端部にそってカッターナイフで切り取りペリクル
を作製した。このペリクルの接着面外側端部の形状およ
び膜面上の付着異物量については記録しておいた。
【0025】このペリクルを専用のケースに収納した
後、ケースを10分間激しく浸振した。この後、ペリク
ルをケースより取り出し、接着面外側端部を顕微鏡で観
察した。同様にして作製したペリクル50枚について同
じ試験を実施したところ、接着面外側端部についてケー
ス挿入前と比較して変化した部分が認められたペリクル
は見られなかった。
【0026】続いてこのペリクル50枚についてそれぞ
れ接着面外側端部をクリーンスティックで全面に渡って
2度軽く擦った後、ペリクルに対して接着面外側から膜
面にむかってクリーンエアーを吹き付けた。吹き付け後
のペリクルの膜面上の異物を目視検査によって行なっ
た。この結果、ケース挿入前の状態と比較して異物の増
加が認められたペリクルは5枚であり、増加した異物数
は5枚の平均で3.2個/枚と良好な結果であった。
【0027】実施例2 アルミニウム合金からなるペリクル枠に、アクリレート
系の紫外線硬化型樹脂(電気化学工業(株)製、ハード
ロックRCK−201:硬化収縮率6.53%、ポリビ
ニルブチラールからなるペリクル膜が膨潤するまでの時
間22分)を塗布し、別に用意しておいたポリビニルブ
チラールからなるペリクル膜体をアルミ枠上に載せ、こ
の状態で紫外線を接着面に照射して紫外線硬化型樹脂を
硬化させペリクル膜をペリクル枠に固着した。この後、
ペリクル枠の接着面外側にはみ出した余分なペリクル膜
を接着面外側端部にそってカッターナイフで切り取りペ
リクルを作製した。
【0028】次に、このペリクル5枚に対し、エアー吹
き付けによる破壊試験を実施した。試験方法としては接
着面内側付近のペリクル膜に対し、ペリクル膜のペリク
ル枠面側の方向からクリーンエアーを吹き付け、破壊に
至る吹き付け圧および破壊位置を試験した。クリーンエ
アーの吹き出しノズル径は1mmφ、ノズルとペリクル
膜の距離は30mm、吹き付け方法および時間について
は走査速度3秒/cmとするペリクル枠に沿った走査を
行なった。この方法で吹き付け圧を2kg/cmから
序々にあげていったところ、これらのペリクルは5枚と
も吹き付け圧3.4kg/cmまで破壊が認められず
良好な結果であった。
【0029】実施例3 アルミニウム合金からなるペリクル枠に、エポキシ変成
アクリレート系の紫外線硬化型樹脂(東邦化成工業
(株)製、UV−600:鉛筆硬度4H、硬化収縮率2
%以下、ポリビニルブチラールからなるペリクル膜が膨
潤するまでの時間6時間)を塗布し、別に用意しておい
たポリビニルブチラールからなるペリクル膜体をアルミ
枠上に載せ、この状態で紫外線を接着面に照射して紫外
線硬化型樹脂を硬化させペリクル膜をペリクル枠に固着
した。この後、ペリクル枠の接着面外側にはみ出した余
分なペリクル膜を接着面外側端部にそってカッターナイ
フで切り取りペリクルを作製した。このペリクルの接着
面外側端部の形状および膜面上の付着異物量については
記録しておいた。
【0030】このペリクルを専用のケースに収納した
後、ケースを10分間激しく浸振した。この後、ペリク
ルをケースより取り出し、接着面外側端部を顕微鏡で観
察した。同様にして作製したペリクル50枚について同
じ試験を実施したところ、接着面外側端部についてケー
ス挿入前と比較して変化した部分が認められたペリクル
は見られなかった。
【0031】続いてこのペリクル50枚についてそれぞ
れ接着面外側端部をクリーンスティックで全面に渡って
2度軽く擦った後、ペリクルに対して接着面外側から膜
面にむかってクリーンエアーを吹き付けた。吹き付け後
のペリクルの膜面上の異物を目視検査によっておこなっ
た。この結果、ケース挿入前の状態と比較して異物の増
加が認められたペリクルは7枚であり、増加した異物数
は7枚の平均で2.6個/枚と良好な結果であった。
【0032】次に、このペリクル5枚を任意に選び、各
々のペリクルに対し、実施例2と同様の方法によりエア
ー吹き付けによる破壊試験を実施した。この方法により
吹き付け圧を2kg/cmから序々にあげていったと
ころ、これらのペリクルは5枚とも吹き付け圧3.5k
g/cmまで破壊が認められず良好であった。
【0033】実施例4 紫外線硬化型樹脂組成物を光カチオン重合開始触媒を含
むエポキシ樹脂系の紫外線硬化型樹脂(協立化学産業
(株)製、X−8791:鉛筆硬度3H、硬化収縮率3
%以下、ポリビニルブチラールからなるペリクル膜が膨
潤するまでの時間12時間)とした以外は実施例1と同
様にしてペリクル50枚を作製し、実施例1と同様の試
験を実施した。接着面外側端部のケースによる変形試験
の結果については、ケース挿入前と比較して変形した部
分が認められたペリクルは見られなかった。
【0034】エアーを吹き付けによるペリクル膜面上の
異物増加試験の結果については、ケース挿入前の状態と
比較して異物の増加が認められたペリクルは9枚であ
り、増加した異物数は9枚の平均で2.1個/枚と良好
な結果であった。
【0035】次に、このペリクル5枚を任意に選び、各
々のペリクルに対し、実施例1と同様の方法によりエア
ー吹き付けによる破壊試験を実施した。その結果、これ
らのペリクルは5枚とも吹き付け圧3.8kg/cm
まで破壊が認められず良好であった。
【0036】比較例1 紫外線硬化型樹脂組成物をアクリレート系の紫外線硬化
型樹脂(東邦化成工業(株)製UV−590:鉛筆硬度
2B、硬化収縮率3%以下、ポリビニルブチラールから
なるペリクル膜が膨潤するまでの時間6時間)とした以
外は実施例1と同様にしてペリクル50枚を作製し、実
施例1と同様の試験を実施した。
【0037】接着面外側端部のケースによる変形試験の
結果については、ケース挿入前と比較して全数変形した
部分が認められた。
【0038】エアーを吹き付けによるペリクル膜面上の
異物増加試験の結果については、ケース挿入前の状態と
比較して異物の増加が認められたペリクルは46枚であ
り、増加した異物数については、そのほとんどが無数発
生しており計測不能であった。
【0039】比較例2 紫外線硬化型樹脂組成物をアクリレート系の紫外線硬化
型樹脂(アイカ工業(株)製Z−700:鉛筆硬度3
H、硬化収縮率11%、ポリビニルブチラールからなる
ペリクル膜が膨潤するまでの時間18時間)とした以外
は実施例1と同様にしてペリクル50枚を作製し、実施
例1と同様のテストを実施した。
【0040】このペリクル5枚の実施例1と同様の方法
によるエアー吹き付けによる破壊試験の結果、これらの
ペリクルは吹き付け圧2.2〜2.6kg/cmで破
壊され、また破壊位置は5枚全てペリクル膜の接着面内
側端部で破裂された。このペリクルの被破壊部を顕微鏡
で観察したところ、接着面上のペリクル膜に一様な亀裂
状のシワがみられ、また破壊されなかった接着面内側端
部付近のペリクル膜にも一部薄く伸ばされたような部分
が認められた。
【0041】比較例3 紫外線硬化型樹脂をエポキシ系の紫外線硬化型樹脂
((株)スリーボンド製、3112:鉛筆硬度4H、硬
化収縮率3.3%、ポリビニルブチラールからなるペリ
クル膜が膨潤するまでの時間が24時間を超えるもの)
とした以外は実施例1と同様にしてペリクル50枚を作
製し、実施例1と同様の試験を実施した。
【0042】このペリクル5枚の実施例1と同様の方法
によるエアー吹き付けによる破壊試験の結果、これらの
ペリクルは吹き付け圧2.1〜2.3kg/cmで破
壊され、また破壊位置は5枚全てペリクル膜と紫外線硬
化型樹脂との界面での剥離であった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればペ
リクル膜とペリクル枠との固着に用いられる接着剤の変
形や欠け落ちによる異物の発生、ペリクルのエアーブロ
ーによる洗浄作業の際に発生するペリクル膜の切れや剥
れ落ちが低減でき、信頼性の高い高品質なペリクルを提
供することができる効果を有するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリクル膜をペリクル枠体に固着するた
    めの接着剤として、硬化後表面鉛筆硬度1B以上の紫外
    線硬化型樹脂組成物を用いることを特徴とするペリク
    ル。
  2. 【請求項2】 ペリクル膜をペリクル枠体に固着するた
    めの接着剤として、硬化収縮率10%以下で、かつ、未
    硬化状態でペリクル膜上に滴下した場合、滴下後10分
    〜24時間でペリクル膜を膨潤させることのできる紫外
    線硬化型樹脂組成物を用いることを特徴とするペリク
    ル。
  3. 【請求項3】 ペリクル膜をペリクル枠体に固着するた
    めの接着剤として、請求項1及び請求項2に記載の要件
    を満たす紫外線硬化型樹脂組成物であることを特徴とす
    るペリクル。
JP20176192A 1992-07-07 1992-07-07 ペリクル Pending JPH0627641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20176192A JPH0627641A (ja) 1992-07-07 1992-07-07 ペリクル

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