JP6024527B2 - 送風装置及び送風システム並びに建物 - Google Patents

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本発明は、室内空気を任意のエリアから他のエリアへ送風し、建物内部の温度、湿度、空気汚染物質濃度の均等化を促進する送風装置及び送風システム並びに建物に関する。
近年、建物の高気密、高断熱化により、建物内部の温熱環境の制御が空調機器により比較的容易かつ、低エネルギーで達成できるようになり、日射の取り込みによる省エネルギーも促進されている。しかし、建物の構造や建物内部の様々なエリアの配置によっては、温湿度の不均等が課題となっている。
また、空気質を建物全体で適正に保つためには排気と建物内への給気を適切に行う全般換気設備が必須となっている。全般換気の目的は、建物内の室内環境を適切に維持するため、絶えず必要な換気量を確保し、室内で発生する揮発性有機化合物の濃度を適正な水準以下に維持することにあるが、建物内部の様々なエリアでの空気質の均等化も課題となっている。
このような建物内部の温度、湿度、空気汚染物質濃度の均等化に関し、従来から吹き抜けなどの大空間での上部暖気の吹降ろしや建物上層エリアから下層エリアへの送風などの措置が一部ではなされてきた。
しかしながら、前述したような建物内部の温度、湿度、空気汚染物質濃度の均等化の措置は、空調機器自体の省エネルギーには寄与するものの、送風装置などの送風エネルギーが別途必要である。したがって建物全体の省エネルギーを考慮すると、実際省エネルギーに繋がる効果や空気質改善の効果が認められる場合のみ運転するように温度、湿度、空気汚染物質濃度の精度などより良い検出手段と適正な制御が必要となる。
また、室内の揮発性有機化合物を吸着又は除去して室内濃度を低下させて所定量の全般換気量を低減させる処置も法に適合する上で認められている。これらの処置によれば、建築基準法で定められた0.5回/時の機械換気設備による全般換気量を低減することができ、全般換気に伴う動力、空調負荷を低減して省エネルギーを推進することができる。
従来の冷気または暖気を所定の作用環境内に供給する空気調和装置として、送風方向を切替えられる送風ファンを備えた室内機と、室内機の上下方向に設けた充分長い流路と、流路の上下両端に備えた開口部で構成したものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。これは、流路の上下両端のいずれかの温度あるいは、上下両端の温度差の値に応じて運転制御し室内温度の均等化を図っている。この特許文献1の温度コントロールに関して、サーモセンサーは上部あるいは下部もしくは上部、下部の両方の開口部付近に位置させて、室内温度あるいは上部、下部の温度差をキャッチできるようにしている。
特開平5−180459号公報
特許文献1には空気調和装置として、送風方向を切り替え得る送風ファンを備え、上下方向に充分長い流路に設けた室内機の上下両端に開口部を備え、サーモセンサーは上部あるいは下部もしくは上部、下部の両方の開口部付近に位置させている。また、室内機上下両端のいずれかの温度あるいは上下両端の温度差の値に応じて運転制御をしている。したがって、距離が離れたエリアの温度の均等化を図ろうとする場合、本体が長大になるとともにサーモセンサーの配線が長くなるという不具合があった。また、装置本体上下方向の流路に代えてダクト風路を接続することも可能であるが、サーモセンサーの施工は電気配線を行うことになり、電気配線が煩雑になるという課題があった。さらには、上下の開口部を複数設ける場合には、適切な温度検出のために、複数のサーモセンサーが必要になり施工はより煩雑になるという不具合があった。
また、上下に設けられたサーモセンサーの温度差により空気調和装置の運転停止を制御する場合には、各サーモセンサーの温度検出精度を高める事が必要となる。この検出精度をより高くするためには、各サーモセンサーの個体差を無くすとともに、制御回路がより複雑化する他、回路に搭載する部品も高精度な部品が求められる。したがって、製造工程に手間がかかり、生産性が悪くなるという問題や製造コストも高くなるという課題があった。更に、温度検出精度を高めたとしても、空気調和装置の頻繁な運転、停止を回避するためには、運転を開始する温度差に測定誤差も加味した閾値を設定する必要があり、この閾値未満の空気温度での均等化は不可能となり、空気調和装置の効果を損なうという課題もあった。
また、建物内の室内環境適正化のためには、温度だけ対象とするのではなく、湿度並びに揮発性化学物質等の空気汚染物質濃度や粉塵等の浮遊物質濃度なども対象とするものが求められている。
本発明は、前述のような状況に鑑みてなされたものであり、建物内部の温湿度、空気汚染物質濃度等の室内空気状態を精度良く検出し、適正な制御をすることにより建物内部の室内環境の均等化を実現する。また空調機器の省エネルギーを促進するとともに、装置の施工を簡便なものとして、製造工程も簡略化された送風装置及び送風システムを提供することを目的とする。
駆動モーターと羽根を備えた送風装置と、住宅など建物内の任意の空間第一のエリアに備えた第一の開口と、前記第一のエリア以外の空間第二のエリアに備えた第二の開口と、第一の開口と第二の開口とは送風装置を介し送風経路で連通する。
送風装置は、第一の開口と第二の開口との間の風向・風量を任意に切替え可能に備え、送風経路内には、建物内の空気状態を検出する空気状態検出手段を設ける。
また、第一の開口から第二の開口への送風時に検出する第一のエリアの空気状態と、第二の開口から第一の開口への送風時に検出する第二のエリアの空気状態の双方の空気状態を空気状態記憶手段に記憶する。
そして、空気状態記憶手段に記憶した第一のエリア、第二のエリア双方の空気状態より、送風装置の風向・風量を任意に設定する送風装置制御手段を備え、前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲以内である場合は、前記第一の開口から第二の開口への送風及び前記第二の開口から第一の開口への送風を小風量で相互に所定時間毎繰り返すものである。
本発明によれば、送風装置を小型にすることが可能で、送風経路内部に空気状態検出手段を内蔵することから、サーモセンサーの複雑な配線が必要なく施工性に優れた送風装置を得ることが可能である。また、省施工性ながら建物内部の離隔したエリア間の送風により、温度、湿度、空気汚染物質濃度等の均等化を継続して行なうことが可能で空調機器の省エネルギーを低減できる。さらには、空気状態検出手段は一つで複数のエリアの空気状態を検出できることが可能なため、制御回路を複雑化することなく生産性も優れた送風装置とすることが可能である。
本発明の実施の形態1に係る送風システムを建物内に設置した設置状態を示す建物断面より模式的に示す設置概略図である。 本発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を示す送風装置の斜め上方より見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る送風装置の主要部のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る送風システムの制御を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態に係る送風装置及び送風システムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る送風システムの設置状態を示す概略図である。図1では、本実施の形態1に係る送風システムを住宅などの建物に設置した状態を断面模式図で示している。図1に例示する建物は、一階と二階にそれぞれ居室を有する二階建ての住戸であり、建物の内部を室内61と称し、建物の外部を室外62と称する。
本実施の形態1に係る送風システムについて設置状態を説明する。
送風システムは、室内61の、第一のエリアである一階の下層エリア41と第二のエリアである二階の上層エリア42の間相互の室内空気の送風を行う。本実施の形態1に係る送風装置1は、前述の両エリア間の送風の風向を経時的に変更して、両空間の空気状態を各々検出しながら送風装置の風向・風量を設定し、両エリアの空気状態を均等化するように運転する。
図1に示す送風システムは、2階の上層エリア42には天井面に第二の開口12を設置し、一階の下層エリア41は、一階ホール41a、一階洗面所41b、基礎断熱された一階床下41Cに、第一の開口11a、11b、11cをそれぞれ設けている。送風装置1は、建物の一階と2階の間の空間の壁内等に設置し、複数のダクト50で第一の開口11a〜11c及び第二の開口12と接続している。図1では、建物の躯体内に配設するダクト50は破線で記し、概略を模式的に示している。送風装置1と第一の開口11a〜11cはダクト50bで接続し、ダクト50bは下層の一階エリアで3方向に分岐する。分岐したダクト50は一階ホール41aの開口11aとダクト50c、一階洗面所41bの開口11bとダクト50d、一階床下41cの開口11cとダクト50eがそれぞれ接続している。また送風装置1と第2の開口12はダクト50aで接続している。このように、一階の下層エリア(第一のエリア)41と2階の上層エリア(第二のエリア)42は送風装置1を介在させて連通し、室内61に設置している。
送風装置1は、内部に送風手段2a、2bを備え、二階の上層エリア41と一階下層エリア42の間の送風を行う。
送風手段2a、2bは、それぞれ送風方向の切替えが可能となっている。即ち、送風装置1は、二階の上層エリア42から空気を吸込んで一階下層エリア41に送風することができ、逆に一階の下層エリア41から空気を吸込んで二階の上層エリア42に送風することもできる。
一方のエリアから他方のエリアに送風を行った時の空気の還流は、本実施の形態1であれば、各エリアの建具アンダーカット等の通気口、階段を経由して行われる。
次に、図2を用いて送風装置1の構成を詳細に説明する。
図2は、実施の形態1に係る送風装置を斜め上方より見た斜視図であり、内部を確認できるよう透視した図である。
送風装置1は外形を略円筒状に形成している。これは、小形で施工性も良く、円筒状のため、ダクト50との接続も容易で、さらに室内61の壁、天井裏等などへの納まりも良くしている。送風装置1の内部には送風手段2a、2bを送風方向に対し直列に配置している。このように送風手段2a、2bを直列に配置することで、送風装置1は高静圧が得られる、また略円筒状の内径ほぼ中心の同一線上に直列に配置するため圧力損失も少ない。送風手段2a、2bは駆動モーター4a、4bと、駆動モーター4a、4bのシャフトにそれぞれ軸流羽根3a、3bを備えて構成している。前述のように、送風手段を直列に配置しているため、軸流羽根3a、3bのような軸流型の羽根でも高静圧が得られる。駆動モーター4a、4bは、回転方向の切替えが可能なように構成されており、送風装置1は、軸流羽根3a、3bの回転方向を切替えることで送風方向を切替え可能としている。したがって、送風手段2aは運転-停止-逆回転が選択でき、同様に送風手段2bも運転-停止-逆回転運転が選択できる。
次に送風装置1の風向と風量について説明する。
送風装置1は前述のように送風方向を2通りに切替えることができる。一つは、送風手段2a、2bとも軸流羽根3a、3bの側から駆動モーター4a、4bの側へ空気が流れる方向であり、もう一つは、駆動モーター4a、4bの側から軸流羽根3a,3bの側に空気が流れる方向の2通りを切替える。
軸流羽根3aから駆動モーター4aへ、また軸流羽根3bの側から駆動モーター4bの側に空気が流れる方向を便宜上、吹降ろし方向とし、二階の上層エリア42から一階下層エリア41へ送風する。また、駆動モーター4aの側から軸流羽根3aへ、また駆動モーター4bの側から軸流羽根3bの側に空気が流れる方向を便宜上、吹上げ方向とし、一階下層エリア41から二階の上層エリア42へ送風する。
また、送風手段2a、2bはそれぞれ単独で運転することが可能となっている。即ち送風装置1は、送風手段2aもしくは2bのどちらか片方のみを運転した時は小風量で、送風手段2a、2b両方運転した場合は大風量として運転することができる。
このようにすることで、送風装置1は、二階上層エリア42から1階下層エリア41に大風量で送風する大風量吹降ろし運転と、小風量で吹き降ろす小風量吹降ろし運転が選択できる。また同様に一階下層エリア41から二階の上層エリア42へ大風量で送風する大風量吹上げ運転と、小風量で吹上げる小風量吹上げ運転が選択できるように構成されている。
また、このように2個の軸流羽根3a、3bを用い、正逆回転することで、送風装置1は簡易的な構成ながら、送風方向、風量を4段階に切替えることが可能で、送風装置自体を小形化でき施工性も良い。また送風装置の送風方向、風量の切替えに際し複雑な機構や複雑な制御装置などを必要とせず、生産性が良くまた、故障も少ない。
次に空気状態検出手段5について説明する。送風装置1の内部流路には、流通する空気の温度を検出する空気状態検出手段5が設けられている。空気状態検出手段5は、送風手段2a、2bの送風方向に直交して配置し、図2では送風手段2aと送風手段2bの間に備えている。このように空気状態検出手段5を送風方向に直列に配置することで、検出精度が良く、また空気のよどみ等もなく反応のよい検出が可能となる。
送風装置1が吹降ろし運転の時は、2階の上層エリア42から1階の下層エリア41に向けて送風することから、空気状態検出手段5は2階の上層エリア42の空気状態を検出することができる。また同様に、送風装置1が吹上げ運転の時は、1階の下層エリア41から2階の上層エリア42に向けて送風することから、空気状態検出手段5は1階の下層エリア41の空気状態を検出することができる。
また、吹降ろし運転、吹上げ運転を交互にすることで、下層エリア41と、上層エリア42の空気状態が交互に確認することができる。このように構成することで、送風装置1の送風方向を交互に切替えることにより、下層のエリア41並びに上層のエリア42の複数の空気状態を交互に検出することができ、空気状態検出手段5を複数備える必要がない。また、送風装置1の内部に配置することで、各エリアまでの空気状態検出手段の配線等が不要で、施工性が良い。さらには、複数のエリアの空気状態を単独の空気状態検出手段5で検出することから、精度の良い空気状態の検出が可能である。
なお、吹降ろし運転、吹上げ運転を小風量で交互に運転することで、下層エリア41と上層エリア42の空気状態を均等化しつつ、同時に空気状態も検出できるため空調機器の省エネルギー化が可能となるばかりか、建物内の快適性も向上できる。
次に送風装置1の運転、制御に関する構成を説明する。
図3は、実施の形態1に係る送風装置の主要部のブロック図である。
空気状態検出手段5で検出した、1階の下層エリア41並びに2階の上層エリア42の温湿度などの空気状態の情報は一旦空気状態記憶手段6に記憶する。送風装置制御手段7は空気状態記憶手段6に記憶している下層エリア41、上層エリア42の空気状態を随時読み込んで双方を比較演算する。また、送風装置制御手段7は、空気状態を比較、演算した結果、大風量吹降ろし運転、小風量吹降ろし運転、大風量吹上げ運転、小風量吹上げ運転のいずれかの運転状態を選択して駆動モーター4a、4bを運転、制御する。
なお、空気状態検出手段5は吹降ろし運転、吹上げ運転のそれぞれの運転中は継続して空気状態を数回測定しても良い。送風装置制御手段7は、空気状態記憶手段6に記憶した下層エリア41並びに上層エリア42を継続して数回測定した値の空気状態の情報より、異常な値を排除することや平均値として算出し比較、演算することもでき、安定した制御が可能となる。
以上説明した構成において、送風装置1の動作を詳細に説明する。
図4は、実施の形態1に係る送風装置の制御フローチャートである。また、空気状態検出手段5により検出する温湿度などの空気状態を、ここでは温度として説明する。
ステップS1において、送風装置制御手段7は、まず送風装置1の運転開始時、送風手段2bのみを使用して二階の上層エリア42から一階の下層エリア41へ小風量で吹降ろす、小風量吹降ろし運転で運転を開始する。
ステップS2において、小風量吹降ろし運転は、空気状態記憶手段6で設定した温度判定時間Ts時間継続する。この間空気状態検出手段5は、流通する上層エリア42の吹き降ろし空気の温度を継続して測定し空気状態記憶手段6へ送る。空気状態記憶手段6では
空気状態検出手段が継続して測定した空気の温度情報を記憶する。
空気状態記憶手段6は、温度判定時間Ts時間経過後のステップS3において、空気状態検出手段5により継続して測定した空気状態の値を温度DB1として記憶する。この記憶する温度DB1は、継続して測定した測定値群の平均値を算出する方法や、最大値、最小値を除いた測定値群の平均値を算出するなど、測定する空気状態の対象によって最適となるよう任意に設定する。記憶した吹降ろし空気の温度DB1は、即ち上層エリア42の空気状態の温度である。
次に、温度判定時間Ts時間経過後のステップS4において、送風装置制御手段7は、送風手段2bの駆動モーターのみを逆回転運転させて、一階下層エリア41から二階の上層エリア42へ小風量で送風する小風量吹上げ運転に切り替えて運転を開始する。
ステップS5では、ステップS2と同様、小風量吹上げ運転は、空気状態記憶手段6で設定した温度判定時間Ts時間継続する。この間空気状態検出手段5は、流通する下層エリア41の吹上げ空気の温度を継続して測定し空気状態記憶手段6へ送る。空気状態記憶手段6では空気状態検出手段が継続して測定した空気の温度情報を記憶する。
空気状態記憶手段6は、温度判定時間Ts時間経過後のステップS6において、空気状態検出手段5により継続して測定した空気状態の値を温度DB2として記憶する。この記憶する温度DB2の値は、ステップS3同様に測定する空気状態の対象によって最適となるよう任意に設定する。記憶した吹上げ空気の温度DB2は、即ち下層エリア41の空気状態である。
ステップS7において、送風装置制御手段7は、前述した空気状態記憶手段6の記憶領域に記憶された上層エリア42の空気温度DB1及び下層エリア41の空気温度DB2の比較を行う。両者の差異が1℃以下であれば、ステップS1に戻って小風量吹降ろし運転から、小風量吹上げ運転のステップS6を繰り返す。当該温度DB1及び温度DB2の差異が1℃を超えている場合は、ステップS8に移行する。
なお、説明では例えば1℃としているが、使用者が適宜設定可能としても、夏、冬など季節によって設定を変更可能としても良く、最適な値を選択できるようにしておく。
ステップS8においては、空気状態記憶手段6に記憶した、上層エリア42の空気温度DB1と下層エリア41の空気温度DB2とを比較し、どちらが高温であるか判断する。上層エリア42の空気温度DB1が下層エリア41の空気温度DB2より1℃を超えて高温の場合、即ち上層エリア42が下層エリア41よりも高温であれば、ステップS9に移行する。
ステップS9では、送風装置制御手段7は、送風装置1の送風手段2a及び送風手段2bを二階の上層エリア42から一階の下層エリア41へ大風量で送風する吹降ろし方向とする大風量吹降ろし運転を開始する。
大風量吹降ろし運転はステップS10において、空気状態記憶手段6で設定した温度判定時間Tl時間継続される。この間、空気状態検出手段5は、流通する吹降ろし空気の温度を継続して測定し空気状態記憶手段6へ送る。空気状態記憶手段6では空気状態検出手段が継続して測定した空気の温度情報を記憶する。
温度判定時間Tl時時間経過後は、前述のステップS3に移行し、小風量吹上げ運転を開始する。
前記ステップS8において、温度DB1及び温度DB2の比較を行い、温度DB1が温度DB2より1℃を超えて高温でなければ、即ち、ステップS7での比較結果と合わせると、温度DB1が温度DB2より1℃を超えて低温であれば、ステップS11に移行する。即ち、上層エリア42が下層エリア41よりも1℃を越えて低温な場合、送風装置制御手段7は、送風手段2a及び送風手段2bを一階の下層エリア41から二階の上層エリア42へ大風量で送風する吹上げ方向とする大風量吹上げ運転を開始する。
ステップS12において、大風量吹上げ運転モードでの運転は、空気状態記憶手段6で設定された温度判定時間Tl時間継続し、この間空気状態検出手段5では、流通する吹降ろし空気の温度を継続して測定する。温度判定時間Tl時間経過後は、前述のステップS1に移行する。
このように、建物の二階の上層エリア42の空気温度DB1と一階下層エリア41の空気温度DB2の温度の差異が設定より小さければ、小風量吹降ろし運転と小風量吹上げ運転を温度判定時間Ts時間毎に切り替えて交互運転し、上層エリア42と下層エリア41の温度環境の均等化を図ることができる。
その際、上層エリア42の空気温度DB1と一階下層エリア41の空気温度DB2の温度は、同じ空気状態検出手段5で検出されて算定されるため、温度検出素子の個々のバラツキによる検出誤差がなく、測定精度の高いものである。さらには、下層エリア41の同じエリアから一階ホール41a、一階洗面所41b、一階床下41Cのように複数個所の送風を行う場合には、空気状態検出手段5は流通する空気の加重平均温度を検出する。したがって、温度測定の精度が向上し、温度環境の均等化をより促進でき、空調機器の省エネルギー化が可能となるばかりか、建物内の快適性も向上できる。
なお、説明では上層エリア42の第二の開口12は一箇としているが、2階ホール、小屋裏、ロフト等複数個所に配置することもできる。このようにすれば、上層エリア42の空気温度の測定精度がさらに向上でき、また上層エリア42も広い空間で温度環境の均等化が促進でき、さらに空調機器の省エネルギー化、建物内の快適性が可能である。
また、冬季など日射や室内の暖房空気の上昇による熱供給により、建物の二階の上層エリア42の温度が一階下層エリア41の温度よりも設定温度を超えて高くなることがある。前述の小風量吹降ろし運転と小風量吹上げ運転の交互運転から、大風量吹降ろし運転(温度判定時間Tl)と小風量吹上げ運転モード(温度判定時間Ts)の交互運転となり、高温側の二階の上層エリア42から低温側一階下層エリア41に大風量で熱搬送し両エリアの温度の均等化をさらに図ることができる。
加えて、冬季の夜間などで一階下層エリア41での暖房機などの運転により、一階下層エリア41の温度が二階の上層エリア42の温度よりも設定温度を超えて高くなれば、前述の小風量吹降ろし運転と小風量吹上げ運転の交互運転から、大風量吹上げ運転(温度判定時間Tl)から小風量吹降ろし運転(温度判定時間Ts)さらに小風量吹上げ運転(温度判定時間Ts)の順送り運転となり、高温側の一階下層エリア41から低温側の二階の上層エリア42に大風量で熱搬送し両エリアの温度の均等化を図ることができる。
本実施の形態では、第一のエリア、第二のエリアを、室内61の一階の下層エリア41と二階の上層エリア42として、相互の室内空気の送風による室内温度の均等化について説明したが、同じ空間や同じ階層のホールや居間など相互に送風を行うエリアであっても、同様の効果が得ることができる。
また、説明では、第一の開口11を一階下層エリア41の一階ホール11a、一階洗面所11b、基礎断熱された一階床下11Cと複数配置したものを説明したが、同じ階層のホールや居間などでは、第一の開口、第二の開口ともそれぞれ一箇所として簡易的な送風システムとしても良い。さらには、図示はしないが送風装置1の端部に開口を備えることにより、ダクト50が不要となり、小形で施工性、メンテナンス性に優れた送風システムを得る事ができる。
また、空気状態検出手段5で検出し、均等化を図る対象は空気の温度に限らず、空気の湿度、空気汚染物質の濃度、空気中浮遊物質、粉塵などの濃度又は単位体積当りの個数であっても同様の効果を奏することができる。
さらに、本発明の送風装置を備えた建物において、室内61の日射等による受熱が多いエリアを第一のエリア、日射等による受熱が少ないエリアを第二のエリアとすることもできる。この場合も相互のエリア間を送風することにより、両エリア間の温熱環境の均等化により冷暖房負荷を軽減し、省エネルギー性の高い室内環境を実現できる。
加えて、湿度を含む空気質が良好なエリアを第一のエリアとし、他の空気質を改善すべきエリアを第二のエリアとして、相互に送風を行うことにより、両エリア間の空気質の均等化により居住者の快適性や健康を維持し、建物の耐久性を改善する効果がある。
前記の本実施の形態1に係る送風装置1を備えた送風システムにおいて、空気状態検出手段5で検出し、均等化を図る対象について、その対象の水準をより適正化する別部材を組み合わせることも可能である。例えば、空気調和ユニット、即ち、温度であれば、暖冷房ユニット、湿度であれば、除加湿ユニット、空気汚染物質であれば、それらを吸着または分解するフィルターユニットを、送風システムの送風経路内に組み込むこともできる。このようにすることで、送風エリアの空気質の均等化と適正化がさらに促進でき、居住者の快適性や健康、建物の耐久性向上にさらなる効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る送風装置は、建物内部の離隔したエリア間の送風により、温度、湿度、空気汚染物質濃度等の均等化を継続して行って空調機器の省エネルギーを低減し、居住者の健康、建物の耐久性を向上させ、送風装置の施工、製造工程を簡便、簡略化できるため有用である。
1 送風装置、2a 送風手段、2b 送風手段、3a 軸流羽根、3b 軸流羽根、4a 駆動モーター、4b 駆動モーター、5 空気状態検出手段、6 空気状態記憶手段、7 送風装置制御手段、11a 1階ホール開口、11b 一階洗面所開口、11c 一階床下開口、12 二階開口、41 下層エリア、42 上層エリア、41a 一階ホール、41b 一階洗面所、41c 一階床下、50 ダクト、61 室内、62 室外、

Claims (9)

  1. 駆動モータと羽根を備えた送風手段を内蔵した送風装置と、住宅など建物内の任意の空間第一のエリアに備えた第一の開口と、前記第一のエリア以外の空間第二のエリアに備えた第二の開口と、前記第一の開口と第二の開口とを前記送風装置を介して連通する送風経路を備え、前記送風装置は、前記第一の開口と第二の開口との間の風向、風量を任意に切り替え可能とし、前記送風経路内に配設し空気状態を検出する空気状態検出手段と、
    前記第一の開口から第二の開口への送風時に空気状態検出手段により検出する前記第一のエリアの空気状態と、前記第二の開口から第一の開口への送風時に空気状態検出手段により検出する前記第二のエリアの空気状態とを記憶する空気状態記憶手段と、前記空気状態記憶手段の前記第一のエリア、第二のエリア双方の空気状態より、前記送風装置の風向、風量を任意に設定する送風装置制御手段を備え、前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲以内である場合は、前記第一の開口から第二の開口への送風及び前記第二の開口から第一の開口への送風を小風量で相互に所定時間毎繰り返すことを特徴とする送風装置並びに送風システム。
  2. 前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲を超えている場合は、前記送風装置は大風量で前記第一の開口から第二の開口もしくは前記第二の開口から第一の開口へどちらかの方向に所定の時間送風し所定時間経過後、小風量で前記第一の開口から第二の開口及び前記第二の開口から第一の開口へと送風を相互に繰り返すことを特徴とする請求項記載の送風装置並びに送風システム。
  3. 前記第一の開口もしくは前記第二の開口を複数の箇所に設けたことを特徴とする請求項1、2いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
  4. 前記送風装置の羽根は軸流型の羽根で構成したことを特徴とする請求項1記載の送風装置並びに送風システム。
  5. 前記送風装置は前記送風手段を複数内蔵し、前記送風手段は送風方向に直列に配置したことを特徴とする請求項1、4いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
  6. 前記第一の開口もしくは第二の開口が送風装置の端部に形成されていること、または、第一の開口及び第二の開口がどちらも送風装置の端部に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4、5いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
  7. 前記空気状態検出手段は、空気の温度、空気の湿度、空気中の汚染物質の濃度、空気中の浮遊物質の濃度又は単位体積当りの個数のうち少なくとも一つを検出することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
  8. 前記建物内の日射による受熱が多い空間を前記第一のエリアとして、
    日射による受熱が少ない空間を前記第二のエリアとしたことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の送風システム及び建物。
  9. 前記建物内の空調機が運転された空間を前記第一のエリアとして、
    空調機が運転されない空間を前記第二のエリアとしたことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の送風システム及び建物。
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