JP6024527B2 - 送風装置及び送風システム並びに建物 - Google Patents
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また、空気質を建物全体で適正に保つためには排気と建物内への給気を適切に行う全般換気設備が必須となっている。全般換気の目的は、建物内の室内環境を適切に維持するため、絶えず必要な換気量を確保し、室内で発生する揮発性有機化合物の濃度を適正な水準以下に維持することにあるが、建物内部の様々なエリアでの空気質の均等化も課題となっている。
送風装置は、第一の開口と第二の開口との間の風向・風量を任意に切替え可能に備え、送風経路内には、建物内の空気状態を検出する空気状態検出手段を設ける。
また、第一の開口から第二の開口への送風時に検出する第一のエリアの空気状態と、第二の開口から第一の開口への送風時に検出する第二のエリアの空気状態の双方の空気状態を空気状態記憶手段に記憶する。
そして、空気状態記憶手段に記憶した第一のエリア、第二のエリア双方の空気状態より、送風装置の風向・風量を任意に設定する送風装置制御手段を備え、前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲以内である場合は、前記第一の開口から第二の開口への送風及び前記第二の開口から第一の開口への送風を小風量で相互に所定時間毎繰り返すものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係る送風システムの設置状態を示す概略図である。図1では、本実施の形態1に係る送風システムを住宅などの建物に設置した状態を断面模式図で示している。図1に例示する建物は、一階と二階にそれぞれ居室を有する二階建ての住戸であり、建物の内部を室内61と称し、建物の外部を室外62と称する。
送風システムは、室内61の、第一のエリアである一階の下層エリア41と第二のエリアである二階の上層エリア42の間相互の室内空気の送風を行う。本実施の形態1に係る送風装置1は、前述の両エリア間の送風の風向を経時的に変更して、両空間の空気状態を各々検出しながら送風装置の風向・風量を設定し、両エリアの空気状態を均等化するように運転する。
送風装置1は、内部に送風手段2a、2bを備え、二階の上層エリア41と一階下層エリア42の間の送風を行う。
一方のエリアから他方のエリアに送風を行った時の空気の還流は、本実施の形態1であれば、各エリアの建具アンダーカット等の通気口、階段を経由して行われる。
図2は、実施の形態1に係る送風装置を斜め上方より見た斜視図であり、内部を確認できるよう透視した図である。
送風装置1は外形を略円筒状に形成している。これは、小形で施工性も良く、円筒状のため、ダクト50との接続も容易で、さらに室内61の壁、天井裏等などへの納まりも良くしている。送風装置1の内部には送風手段2a、2bを送風方向に対し直列に配置している。このように送風手段2a、2bを直列に配置することで、送風装置1は高静圧が得られる、また略円筒状の内径ほぼ中心の同一線上に直列に配置するため圧力損失も少ない。送風手段2a、2bは駆動モーター4a、4bと、駆動モーター4a、4bのシャフトにそれぞれ軸流羽根3a、3bを備えて構成している。前述のように、送風手段を直列に配置しているため、軸流羽根3a、3bのような軸流型の羽根でも高静圧が得られる。駆動モーター4a、4bは、回転方向の切替えが可能なように構成されており、送風装置1は、軸流羽根3a、3bの回転方向を切替えることで送風方向を切替え可能としている。したがって、送風手段2aは運転-停止-逆回転が選択でき、同様に送風手段2bも運転-停止-逆回転運転が選択できる。
送風装置1は前述のように送風方向を2通りに切替えることができる。一つは、送風手段2a、2bとも軸流羽根3a、3bの側から駆動モーター4a、4bの側へ空気が流れる方向であり、もう一つは、駆動モーター4a、4bの側から軸流羽根3a,3bの側に空気が流れる方向の2通りを切替える。
軸流羽根3aから駆動モーター4aへ、また軸流羽根3bの側から駆動モーター4bの側に空気が流れる方向を便宜上、吹降ろし方向とし、二階の上層エリア42から一階下層エリア41へ送風する。また、駆動モーター4aの側から軸流羽根3aへ、また駆動モーター4bの側から軸流羽根3bの側に空気が流れる方向を便宜上、吹上げ方向とし、一階下層エリア41から二階の上層エリア42へ送風する。
また、このように2個の軸流羽根3a、3bを用い、正逆回転することで、送風装置1は簡易的な構成ながら、送風方向、風量を4段階に切替えることが可能で、送風装置自体を小形化でき施工性も良い。また送風装置の送風方向、風量の切替えに際し複雑な機構や複雑な制御装置などを必要とせず、生産性が良くまた、故障も少ない。
なお、吹降ろし運転、吹上げ運転を小風量で交互に運転することで、下層エリア41と上層エリア42の空気状態を均等化しつつ、同時に空気状態も検出できるため空調機器の省エネルギー化が可能となるばかりか、建物内の快適性も向上できる。
図3は、実施の形態1に係る送風装置の主要部のブロック図である。
空気状態検出手段5で検出した、1階の下層エリア41並びに2階の上層エリア42の温湿度などの空気状態の情報は一旦空気状態記憶手段6に記憶する。送風装置制御手段7は空気状態記憶手段6に記憶している下層エリア41、上層エリア42の空気状態を随時読み込んで双方を比較演算する。また、送風装置制御手段7は、空気状態を比較、演算した結果、大風量吹降ろし運転、小風量吹降ろし運転、大風量吹上げ運転、小風量吹上げ運転のいずれかの運転状態を選択して駆動モーター4a、4bを運転、制御する。
なお、空気状態検出手段5は吹降ろし運転、吹上げ運転のそれぞれの運転中は継続して空気状態を数回測定しても良い。送風装置制御手段7は、空気状態記憶手段6に記憶した下層エリア41並びに上層エリア42を継続して数回測定した値の空気状態の情報より、異常な値を排除することや平均値として算出し比較、演算することもでき、安定した制御が可能となる。
図4は、実施の形態1に係る送風装置の制御フローチャートである。また、空気状態検出手段5により検出する温湿度などの空気状態を、ここでは温度として説明する。
空気状態検出手段が継続して測定した空気の温度情報を記憶する。
なお、説明では例えば1℃としているが、使用者が適宜設定可能としても、夏、冬など季節によって設定を変更可能としても良く、最適な値を選択できるようにしておく。
温度判定時間Tl時時間経過後は、前述のステップS3に移行し、小風量吹上げ運転を開始する。
その際、上層エリア42の空気温度DB1と一階下層エリア41の空気温度DB2の温度は、同じ空気状態検出手段5で検出されて算定されるため、温度検出素子の個々のバラツキによる検出誤差がなく、測定精度の高いものである。さらには、下層エリア41の同じエリアから一階ホール41a、一階洗面所41b、一階床下41Cのように複数個所の送風を行う場合には、空気状態検出手段5は流通する空気の加重平均温度を検出する。したがって、温度測定の精度が向上し、温度環境の均等化をより促進でき、空調機器の省エネルギー化が可能となるばかりか、建物内の快適性も向上できる。
Claims (9)
- 駆動モータと羽根を備えた送風手段を内蔵した送風装置と、住宅など建物内の任意の空間第一のエリアに備えた第一の開口と、前記第一のエリア以外の空間第二のエリアに備えた第二の開口と、前記第一の開口と第二の開口とを前記送風装置を介して連通する送風経路を備え、前記送風装置は、前記第一の開口と第二の開口との間の風向、風量を任意に切り替え可能とし、前記送風経路内に配設し空気状態を検出する空気状態検出手段と、
前記第一の開口から第二の開口への送風時に空気状態検出手段により検出する前記第一のエリアの空気状態と、前記第二の開口から第一の開口への送風時に空気状態検出手段により検出する前記第二のエリアの空気状態とを記憶する空気状態記憶手段と、前記空気状態記憶手段の前記第一のエリア、第二のエリア双方の空気状態より、前記送風装置の風向、風量を任意に設定する送風装置制御手段を備え、前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲以内である場合は、前記第一の開口から第二の開口への送風及び前記第二の開口から第一の開口への送風を小風量で相互に所定時間毎繰り返すことを特徴とする送風装置並びに送風システム。 - 前記第一のエリアの空気状態と、前記第二のエリアの空気状態との差異が設定範囲を超えている場合は、前記送風装置は大風量で前記第一の開口から第二の開口もしくは前記第二の開口から第一の開口へどちらかの方向に所定の時間送風し所定時間経過後、小風量で前記第一の開口から第二の開口及び前記第二の開口から第一の開口へと送風を相互に繰り返すことを特徴とする請求項1記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記第一の開口もしくは前記第二の開口を複数の箇所に設けたことを特徴とする請求項1、2いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記送風装置の羽根は軸流型の羽根で構成したことを特徴とする請求項1記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記送風装置は前記送風手段を複数内蔵し、前記送風手段は送風方向に直列に配置したことを特徴とする請求項1、4いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記第一の開口もしくは第二の開口が送風装置の端部に形成されていること、または、第一の開口及び第二の開口がどちらも送風装置の端部に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4、5いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記空気状態検出手段は、空気の温度、空気の湿度、空気中の汚染物質の濃度、空気中の浮遊物質の濃度又は単位体積当りの個数のうち少なくとも一つを検出することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の送風装置並びに送風システム。
- 前記建物内の日射による受熱が多い空間を前記第一のエリアとして、
日射による受熱が少ない空間を前記第二のエリアとしたことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の送風システム及び建物。 - 前記建物内の空調機が運転された空間を前記第一のエリアとして、
空調機が運転されない空間を前記第二のエリアとしたことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の送風システム及び建物。
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