JP4810296B2 - 住宅用換気装置 - Google Patents
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Description
近年、京都議定書が発効し、私たちにはより一層地球環境に配慮した暮らしをすることが求められている。京都議定書は、二酸化炭素の排出量の規制を行うものであるが、京都議定書を遵守する際には、産業界のみならず、一般家庭においても二酸化炭素の排出量の削減に努めなければならない。一般家庭における具体的な対策としては、冷暖房効率のよい住宅に居住すること等が挙げられる。
すなわち本発明は、基礎コンクリート部と、該基礎コンクリート部に一体形成され、住宅構造体を支持すると共に該住宅構造体の床下空間を形成する起立壁部と、前記住宅構造体の側壁面と、天井部と屋根裏との間を仕切る仕切り板とのそれぞれに取り付けられた断熱材により取り囲まれてなる室内空間と、前記側壁面に取り付けられた断熱材と内壁部との間において前記床下空間に連通させた状態で形成されると共に、前記室内空間の内壁部に設けられた吸気口を介して前記室内空間にも連通させたエア流路を有する高気密性および高断熱性を有する住宅に設けられる住宅用換気装置であって、室外空気を前記床下空間に取り込む外気導入ダクトと、前記天井に開口して前記室内空間内の空気を排気する排気口と、一端部が前記排気口に接続され、他端部が外部空間に連通する排気ダクトと、前記外気導入ダクトの中途位置に配設された吸込みファンと、前記排気ダクトの中途位置に配設された排出ファンとを有し、前記外気導入ダクトから取り込まれた室外空気と、前記排気ダクトから外部空間に排出される室内空間の排出空気との間で、熱交換作用をなす熱交換器と、前記吸込みファンと前記排出ファンとの運転のオンオフ動作を個別に切り替え制御可能な制御部と、前記排気ダクト内の排出空気の温度を計測すると共に、該計測データを前記制御部に送信する室内空気用温度センサと、室外空気の温度を計測すると共に、該計測データを前記制御部に送信する室外空気用温度計と、を有し、前記制御部は、前記室外空気用温度計による計測データおよび前記室内空気用温度センサによる計測データから算出した温度差が所定温度差以上である場合においては、前記吸込みファンと前記排出ファンとのすべてを作動させ、前記室外空気用温度計による計測データおよび前記室内空気用温度センサによる計測データから算出した温度差が所定温度差以下である場合においては、前記排出ファンのみ作動させることを特徴とする住宅用換気装置である。
これにより、吸込みファンが作動しなくても、十分な量の新鮮空気を室内に取り込むことが可能になる。特に夏場においては、新鮮空気を床下空間が有する自然エネルギーにより一旦冷却させた後に室内空間に取り込むことができるため、より省エネルギーになる。
これにより、新鮮空気を、一定温度を維持している地中温度に近づけることができ、更なる省エネルギー化が可能になる。
以上により、従来の住宅用換気装置に比べ、快適性は同等レベルに維持しつつも、住宅用換気装置のランニングコストを大幅に低減することができる。
以下、本発明の好適な実施例につき添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る住宅用換気装置の第1の実施形態を示す説明図である。本実施例の住宅200は、室内空間を断熱材10,10aで取り囲むようにすることによって高度の気密性を保持するとともに、断熱材10で形成した壁体内で外気を取り込んで強制的に空気を通流させるようして換気するシステムとすることによって住宅内に新鮮空気を循環させる環境を維持できるようにしたものである。
基礎コンクリート部20は床下面全体にコンクリートを打設し、これによって床下部分から湿気が入り込むことを防止している。また、基礎コンクリート部20を一定の厚さで設け基礎コンクリート部20を地中の熱を蓄える蓄熱体として利用することができるようにしている。
32は室内の内壁部である。この内壁部32と壁体を構成する断熱材10との間もまた床下空間25からのエアを通流させるエア流路34となる。このエア流路34は断熱材10と内壁部32との間で層空間として形成し、床下空間25からの空気が断熱材10の内面に沿ってエア流路34内を上昇するように形成する。
本実施の形態においては、このような熱交換換気扇42の動作を制御部60により制御している。
このように、室外空気と室内空気の温度差に応じて、換気装置100の作動状態を適切に変化させることにより、不要な電力エネルギーの消費を防止し、さらに省エネルギーな換気装置100とすることが可能になるため好適である。
また、春季や秋季等のように室外空気と室内空気との温度差や湿度差がさほど大きくない場合には、熱交換換気扇42の、吸込みファン42a、排出ファン42b、ロータリーファン42cのすべてを作動させて室外空気と室内空気の全熱交換をすると、かえって不経済になるため、吸込みファン42aの運転と、ロータリーファン42cの運転をストップさせ、排出ファン42bのみを作動させている。このような換気方法であっても、室外空気は床下空間25における自然エネルギーを用いた熱交換がなされるため快適性は維持され、経済的な換気が可能になるため好適である。
図2は本発明に係る住宅用換気装置の第2の実施形態を示す説明図である。本実施の形態においては、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明を省略している。
吸込みファン42aとロータリーファン42cの運転を停止させ、排出ファン42bのみを作動させた状態であっても、住宅内空気の入れ替えは可能ではあるが、室外空気の取り込みにおいては各種の吸気抵抗により、十分な室外空気を得ることができない場合がある。そこで、本実施の形態においては、基礎コンクリート部20の底面に、住宅の外部から取り込んだ室外空気が地中を経由した後に床下空間25に放出させるための室外空気取込部70を連結している。室外空気取込部70の空気取り込み側端部は、雨や埃が侵入しないように、下方に曲折されている。また防塵フィルタ等のフィルタ部材を配設しておけば好適である。
例えば、基礎コンクリート部20の起立壁部22に床下空間25と室外とを連通する連通孔(図示せず)を形成し、この連通孔を室外空気取込部70として用いることもできる。
以上に説明した実施形態の他、上記実施形態を自由に組み合わせた実施形態としてもよい。
12 外部通気層
14 外部壁体
20 基礎コンクリート部
22 起立壁部
25 床下空間
30 床部
32 内壁部
34 エア流路
36 開口部
38 天井
40 排気口
42 熱交換換気扇
42a 吸込みファン
42b 排出ファン
42c ロータリーファン
44 排気ダクト
50 外気導入ダクト
60 制御部
70 室外空気取込部
100 換気装置
200 住宅
Claims (3)
- 基礎コンクリート部と、
該基礎コンクリート部に一体形成され、住宅構造体を支持すると共に該住宅構造体の床下空間を形成する起立壁部と、
前記住宅構造体の側壁面と、天井部と屋根裏との間を仕切る仕切り板とのそれぞれに取り付けられた断熱材により取り囲まれてなる室内空間と、前記側壁面に取り付けられた断熱材と内壁部との間において前記床下空間に連通させた状態で形成されると共に、前記室内空間の内壁部に設けられた吸気口を介して前記室内空間にも連通させたエア流路を有する高気密性および高断熱性を有する住宅に設けられる住宅用換気装置であって、
室外空気を前記床下空間に取り込む外気導入ダクトと、
前記天井に開口して前記室内空間内の空気を排気する排気口と、
一端部が前記排気口に接続され、他端部が外部空間に連通する排気ダクトと、
前記外気導入ダクトの中途位置に配設された吸込みファンと、前記排気ダクトの中途位置に配設された排出ファンとを有し、前記外気導入ダクトから取り込まれた室外空気と、前記排気ダクトから外部空間に排出される室内空間の排出空気との間で、熱交換作用をなす熱交換器と、
前記吸込みファンと前記排出ファンとの運転のオンオフ動作を個別に切り替え制御可能な制御部と、
前記排気ダクト内の排出空気の温度を計測すると共に、該計測データを前記制御部に送信する室内空気用温度センサと、
室外空気の温度を計測すると共に、該計測データを前記制御部に送信する室外空気用温度計と、を有し、
前記制御部は、
前記室外空気用温度計による計測データおよび前記室内空気用温度センサによる計測データから算出した温度差が所定温度差以上である場合においては、前記吸込みファンと前記排出ファンとのすべてを作動させ、
前記室外空気用温度計による計測データおよび前記室内空気用温度センサによる計測データから算出した温度差が所定温度差以下である場合においては、前記排出ファンのみ作動させることを特徴とする住宅用換気装置。 - 前記吸込みファンとは別に、前記熱交換器を経由せずに室外空気を前記床下空間に供給する室外空気取込部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の住宅用換気装置。
- 前記室外空気取込部から取り込まれた室外空気は、地中を経由させた後に前記床下空間に供給されていることを特徴とする請求項2記載の住宅用換気装置。
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