JP6024409B2 - フラーレン誘導体、並びに極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物 - Google Patents

フラーレン誘導体、並びに極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、新規フラーレン誘導体、及びこのフラーレン誘導体を用いた極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物に関する。詳しくは、フェノール性水酸基が、2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護されたフラーレン誘導体と、このフラーレン誘導体を含有する極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物に関する。
1990年にC60の大量合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成され、その多様な機能が明らかにされてきた。それに伴い、各種用途開発が進められている。
フラーレン誘導体を電子材料に利用したり、他のフラーレン誘導体の中間体として使用するためには、フラーレン誘導体が有機溶媒に対して高い溶解性を示すことが好ましい。その中でも、フラーレンに特定の置換基を10個結合させたフラーレン誘導体(以下適宜、10重付加フラーレン誘導体と記述する)は、高選択的に合成が可能なフラーレン誘導体であり、導入する置換基の種類を変えることによって、有機溶媒及びアルカリ水に対する溶解性を制御することができる点で有用性が注目されている。
一方、半導体回路、リソグラフィー用マスクの製造などの分野では、化学増幅型のフォトレジストが盛んに検討されており、そのレジスト材料として用いられるポリマーの開発が進められている。化学増幅型のフォトレジストは、光酸発生剤の作用によって露光部に酸が発生し、この酸の触媒作用によって露光部の溶解性が変化する機構を持つレジストである。このような化学増幅型レジストに用いられるポリマーとしては、アルカリ可溶性ポリマー中のアルカリ可溶性基を酸分解性保護基で保護したものが用いられている。例えば、ポリマー中の水酸基やカルボキシル基の保護を行うことによって、アセタール基やエステル基といった酸分解性保護基へと変換したもの等が挙げられる。
近年では、極紫外(Extream Ultra Violet、EUV)光又は電子線(EB)によるリソグラフィーが、半導体等の製造において、高生産性、高解像度の微細加工方法として注目を集めており、それに用いる高感度、高解像度のフォトレジストを開発することが求められている。EUV等の超微細加工のリソグラフィーにおいて使用するフォトレジストは、高感度であることに加えて、レジストアウトガス及びラインエッジラフネス(LER)の低減、高いドライエッチング耐性などが求められている。
一方で、フラーレンおよびフラーレン誘導体は分子量が小さく、また製造手法によっては単一化合物での製造も可能であるため、上記のようなレジスト材料として用いた場合に、微細パターン形成において有利である。また、レジスト膜の炭素濃度とドライエッチング耐性については相関があるといわれており、炭素濃度が非常に高いフラーレンやフラーレン誘導体はエッチング耐性に優れるといった特徴を有している。
このようなことから、従来、レジスト用途に用いられる溶媒への溶解性を付与したフラーレン誘導体が開発され(特許文献1,2)、実際にEUV露光、EB露光が行われ、それらの有用性が確認されている(特許文献3、非特許文献1)。
特開2006−56878号公報 特開2010−24221号公報 特開2011−28201号公報
J.Journal of Applied Physics.2010,49,06GF04
しかしながら、従来のフラーレン誘導体と酸解離性保護基による組み合わせでは、レジスト感度が十分ではなく、また微細加工においてパターンが倒れる等の課題があり、これら性能の改善が求められている。
本発明は、極微細パターンが形成可能なEUV又はEBリソグラフィーにおいて、パターン倒れが少なく、感度が高いレジスト膜を与えるフラーレン誘導体及びこれを用いたレジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、フラーレン誘導体に含まれるフェノール性水酸基が、二官能酸分解性保護剤により保護されたフラーレン誘導体が、レジスト用途において高感度であり、パターン倒れ抑制が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[]に存する。
[1] フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体中のフェノール性水酸基を、一分子中に2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護してなるフラーレン誘導体であって、前記二官能酸分解性保護剤が、下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造、又は下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有し、前記フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体が、下記一般式(3)で表されるフラーレンC 60 誘導体であり、前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造を有する場合、式(1)中のビニル基を構成する2つの炭素原子のうち酸素原子の隣の炭素原子が前記フェノール性水酸基の酸素原子と結合してアセタール構造を形成し、前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有する場合、式(2)中のZで表されるハロゲン原子と前記フェノール性水酸基の水素原子とが脱離し、Zの隣の炭素原子と前記フェノール性水酸基の酸素原子が結合しているフラーレン誘導体。
Figure 0006024409
(上記一般式(1)中において、X、Yはそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基又は水素原子を表し、Lは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。2個のXは互いに異なっていても同一であってもよく、2個のYは互いに異なっていても同一であってもよい。)
Figure 0006024409
(上記一般式(2)中において、Zはハロゲン原子を表し、2個のZは互いに異なっていても同一であってもよい。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、Lは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。これらのうち、RとR、RとR、RとR、R〜RのいずれかとLとが相互に結合して環を形成していても良い。)
Figure 0006024409
(上記一般式(3)中、丸で囲まれたFLNで表される構造はC60フラーレン骨格を表し、R10は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R20はフェノール性水酸基を有する芳香族基を表す。2個のR10は互いに異なっていても同一であってもよい。10個のR20は互いに異なっていても同一であってもよく、R20のフェノール性水酸基を有する芳香族基はフェノール性水酸基以外の置換基を有していてもよい。)
[2] 前記フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体が、下記式(X)で表わされるフラーレン骨格の部分構造を2箇所有することを特徴とする[1]に記載のフラーレン誘導体。
Figure 0006024409
(上記式(X)中、C 1 〜C 10 は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表し、C 1 は前記R 10 と結合しており、C 〜C 10 は各々独立に前記R 20 と結合している)
] 前記一般式(3)中のR10が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする[又は[2]に記載のフラーレン誘導体。
] 前記一般式(3)中のR20が、ヒドロキシフェニル基であることを特徴とする[ないしのいずれかに記載のフラーレン誘導体。
] [1]〜[]のいずれかに記載のフラーレン誘導体が溶媒に溶解してなることを特徴とするフラーレン誘導体溶液。
] [1]〜[]のいずれかに記載のフラーレン誘導体を含むことを特徴とするフラーレン誘導体膜。
] [1]〜[]のいずれかに記載のフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とする極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
] さらに架橋剤成分(E)を含有するネガ型レジスト組成物であることを特徴とする[]に記載の極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
本発明のフラーレン誘導体を極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物の基材成分として用いることにより、極微細パターンが形成可能なEUV又はEBリソグラフィーにおいて、パターン倒れが少なく、感度が高いレジスト膜を与えるレジスト組成物を提供することができる。
即ち、本発明のフラーレン誘導体は、そのフェノール性水酸基が2つの酸解離性基と2つの水酸基の保護基を有する二官能酸分解性保護剤により保護されているため、酸解離性基を2つと水酸基の保護基を1つ有する構造(保護剤が1つ付加した状態の場合)となっている。この二官能酸分解性保護剤の残基により、フラーレン誘導体同士が結合して二量体〜多量体を形成し、これによって分子間のネットワークが形成され、レジストのパターン倒れが防止される。
また、分子間のネットワーク形成によりレジスト膜密度が向上し、アルカリ現像液等の浸入を抑制することができるため、レジスト基板への密着性も向上する。
また、同じ保護基の導入量であっても、分子間ネットワークにより酸解離性基濃度が高くなり、脱保護効率が向上し、かつ本発明に係る保護基の分子サイズが大きいためフラーレン誘導体に対する保護化合物の使用量が少なくても、アルカリ現像液耐性を付与可能で脱保護反応数を少なくできるので、レジスト感度も向上する。
なお、本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性の水酸基と極性の高いエステル骨格やアセタール骨格を有しているので、レジスト用途に用いられるPGMEA等のエステル系溶媒やアルカリ性溶媒に対して高い溶解性を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
なお、本明細書において、置換基の炭素数は、当該置換基が更に置換基を有する場合、その置換基の炭素数も含めた合計の炭素数を意味する。
[フラーレン誘導体]
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体(以下「原料フラーレン誘導体」と称す場合がある。)中のフェノール性水酸基を、一分子中に2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基(以下、「OH保護基」と記載する場合がある)を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護してなることを特徴とする。
即ち、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体のフェノール性水酸基の水素原子が、2つの酸解離性基と1つのOH保護基を有する基である二官能性の保護基により置換された構造を有するフラーレン誘導体であり、このフラーレン誘導体はその少なくとも一つの水酸基を保護する(二官能酸分解性保護剤由来の)保護基の他方の(フリーな)OH保護基が、他のフラーレン誘導体が有する水酸基を保護(結合)することにより2量体〜多量体を形成する。即ち、この2量体(〜多量体)も本発明のフラーレン誘導体に該当する。
<原料フラーレン誘導体>
本発明に係る原料フラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体であればよく、特に制限はないが、エステル系溶媒やアルカリ性溶媒に対する溶解性及びフラーレン誘導体の電子捕捉性を制御するという点から、フェノール性水酸基を有する芳香族基が10個以上付加していることが好ましく、またフラーレン誘導体の付加数の分布を制御できる点から、下記一般式(3)で表されるフラーレンC60誘導体であることが好ましい。
Figure 0006024409
(上記一般式(3)中、丸で囲まれたFLNで表される構造はC60フラーレン骨格を表し、R10は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R20はフェノール性水酸基を有する芳香族基を表す。2個のR10は互いに異なっていても同一であってもよい。10個のR20は互いに異なっていても同一であってもよく、R20のフェノール性水酸基を有する芳香族基はフェノール性水酸基以外の置換基を有していてもよい。)
「フラーレン」とは、閉殻構造を有する炭素クラスターであり、フラーレンの炭素原子数は、通常60〜130の偶数であり、その具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96及びこれらよりも多くの炭素原子を有する高次の炭素クラスター等が存在するが、本発明に好ましい原料フラーレン誘導体は、炭素原子が60のフラーレンの誘導体であり、本明細書では、炭素原子数60のフラーレン骨格を、一般式「C60」で表す。
また、「フラーレン誘導体」とは、フラーレン骨格を有する化合物又は組成物の総称である。即ち、フラーレン誘導体には、フラーレン骨格上に置換基を有するものの他、フラーレン骨格の内部に金属や化合物等を内包するもの及び他の金属原子や化合物と錯体を形成したもの等も含まれる。
<R10について>
原料フラーレン誘導体がC60フラーレン骨格上に有するR10は、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜24の炭化水素基であり、2個のR10は互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、合成が容易であることから同一であることが好ましい。ここで、炭素数1〜24の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基などの鎖状(直鎖であっても分岐鎖であってもよい)アルキル基と、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基が挙げられる。また、アルケニル基としては、具体的には、ビニル基、アリル基などが挙げられ、また、アルキニル基としては、具体的には、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。また、アリール基としては、具体的にはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピリジル基、チオフェニル基、フリル基などが挙げられる。
また、R10の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、酸素、窒素、硫黄、ケイ素などの原子、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、又はフェニル基、トリル基、ナフチル基、ピリジル基などの芳香環基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホン基、スルホニル基、リン酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、アルデヒド基、エステル基、アシル基、イミド基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、アルキルシリル基、ホスフィン基などが挙げられる。また、ビニル基やアリル基のようなアルケニル基、エチニル基やプロパルギル基等のアルキニル基を有していてもよい。
10としては、合成の容易さの点において、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更に、耐酸化性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に露光時のアウトガス低減の観点から、安定性の高いメチル基であることが好ましい。
<R20について>
原料フラーレン誘導体がC60フラーレン骨格上に有するR20は、フェノール性水酸基を有する芳香族基であり、10個のR20は互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、合成が容易であることから同一であることが好ましい。なお、R20のフェノール性水酸基を有する芳香族基は、フェノール性水酸基以外の置換基を有していてもよい。
20の芳香族基としては、炭素数6〜18の芳香族性を有する炭化水素基が好ましく、その具体的な例としては、フェニル基、ビニルフェニル基、ジビニルフェニル基、トリビニルフェニル基等のビニルフェニル基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオラセニル基、アセフェナンチレニル基、アセアンチレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。
これらの中で、原料調達の観点からフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナレニル基、ピレニル基が好ましく、合成の容易さからフェニル基、ナフチル基が特に好ましく、フェニル基がとりわけ好ましい。
20のフェノール性水酸基を有する芳香族基が、フェノール性水酸基以外の置換基を有する場合、その置換基としては、後述のX、Y等の有機基が有していてもよい置換基として例示したものが挙げられる。
20の芳香族基が有するフェノール性水酸基(即ち、芳香族基に直接結合しているヒドロキシル基)の数は、1〜3個であることが好ましく、合成が容易である観点からは1個であることが好ましく、また現像液溶解性や露光時のプロトン源の増大という観点では、2個もしくは3個が好ましい。
芳香族基がC60フラーレン骨格と結合する位置は限定されず任意であるが、例えばナフタレン骨格の場合、原料調達の観点や合成の容易さからβ−位で結合していることが好ましい。他の骨格に関しては、上記観点で好ましい結合位置を各々決めることができる。
また、フェノール性水酸基が芳香族基に結合する位置についても任意であり、複数のフェノール性水酸基がある場合、その相対的な位置関係も任意であるが、例えばナフトール基の場合、原料調達の観点からamphi(アンフィ)の位置、即ちβ位(2位)でC60フラーレン骨格と結合し、6位の位置にフェノール性水酸基が結合していることが好ましい。
また、ヒドロキシフェニル基の場合は、p−ヒドロキシフェニル基又はm−ヒドロキシフェニル基であることが好ましく、ジヒドロキシフェニル基の場合は、3,4−ジヒドロキシフェニル基、3,5−ジヒドロキシフェニル基であることが好ましく、トリヒドロキシフェニル基の場合は、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基が好ましい。
本発明において、R20は原料調達や合成の容易さの観点から、特にヒドロキシフェニル基であることが好ましく、とりわけp−ヒドロキシフェニル基であることが好ましい。
本発明において、R10とR20の位置関係は任意であるが、下記式(X)で表わされるフラーレン骨格の部分構造(以下、「部分構造(X)」と称す場合がある。)を2箇所有することが、製造上容易であり、フラーレン誘導体の付加数の分布を制御できる点で好ましい。
Figure 0006024409
(上記式(X)中、C1〜C10は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表し、C1は前記R10と結合しており、C〜C10は各々独立に前記R20と結合している)
また、部分構造(X)の相対的な位置関係も任意であるが、これまでに合成例が報告されている位置が、製造上容易な点で好ましい。原料フラーレン誘導体の合成方法については、非特許文献のAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,P2844−2847を参照することが可能である。
<二官能酸分解性保護剤>
本発明に係る二官能酸分解性保護剤としては、一分子中に2つの酸解離性基と2つの水酸基の保護基を有する化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤(1)」と称す場合がある。)あるいは、下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤(2)」と称す場合がある。)が挙げられる。
Figure 0006024409
(上記一般式(1)中において、X、Yはそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基又は水素原子を表し、Lは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。2個のXは互いに異なっていても同一であってもよく、2個のYは互いに異なっていても同一であってもよい。)
Figure 0006024409
(上記一般式(2)中において、Zはハロゲン原子を表し、2個のZは互いに異なっていても同一であってもよい。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、Lは炭素数1〜20の2価の有機基を表す。これらのうち、RとR、RとR、RとR、R〜RのいずれかとLとが相互に結合して環を形成していても良い。)
なお、二官能酸分解性保護剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(二官能酸分解性保護剤(1)について)
前記一般式(1)において、X,Yの炭素数1〜20の有機基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシフェニル基、アラルキル基、複素環基、アルコキシ基、エステル基などが挙げられる。
上記有機基のうち、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環状アルケニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基、メチルエチニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)等のアルキニル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トルイル基等が挙げられる。アルコキシフェニル基としては、メトキシフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。複素環基としては、チエニル基、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。エステル基としては、エチルエステル基、ブチルエステル基などが挙げられる。
上記の有機基は任意の置換基を有していてもよい。X,Yの有機基が有していてもよい置換基としては、本発明のフラーレン誘導体の優れた物性を大幅に損ねるものでなければよく特に制限はないが、具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原子、チオール基、チオエーテル基、アルコキシフェニル基、有機珪素基などが挙げられる。また、これらの置換基は更に置換基を有していてもよく、この置換基としても炭素数1〜20の上記のような有機基が挙げられる。
X,Yとしては、原料の入手が容易であることから、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基が好ましく、特に反応性が良好である点から、X,Yともに水素原子であることが好ましい。
の炭素数1〜20の2価の有機基としては、上記のX,Yの炭素数1〜20の有機基として例示した有機基から水素原子を一つ除いた基が挙げられる。また、上記範囲内で複数種の2価の有機基が組み合わされた構造であってもよい。
としては、エッチング耐性向上の点で炭素数6〜16のシクロアルキレン基、−CH−Ch−CH−基(ここで、「Ch」は1,4−シクロヘキシレン基を表す。)が好ましく、また、基板との密着性の点で、炭素数4〜16のアルキレンオキシアルキレン基(すなわち、−(CH−O−(CH−で表される基。ここで、n、mはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、n+m=4〜16である。)が好ましい。特に原料入手が容易で反応性が良好な炭素数8〜14のシクロアルキレン基、−CH−Ch−CH−基が好ましい。
二官能酸分解性保護剤(1)の具体例としては、以下の(1a)〜(1f)などが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 0006024409
(二官能酸分解性保護剤(2)について)
前記一般式(2)において、Zのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が挙げられるが、原料入手の容易さと反応性に優れていることから、特に塩素原子、臭素原子が好ましい。
〜Rの炭素数1〜20の有機基としては、式(1)におけるX、Yの有機基として例示したものが挙げられる。
〜Rとしては、脱保護反応の反応性の点で、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
としては、式(1)におけるLと同様のものが挙げられ、二官能酸分解性保護剤(2)の合成の簡便性の点で、炭素数2〜12のアルキレン基やシクロアルキレン基が好ましく、特にエッチング耐性向上の点でシクロアルキレン基が好ましい。
また、RとR、RとR、RとR、R〜RのいずれかとLとが相互に結合して形成される環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ノルボルナン環、アダマンタン環が挙げられ、これらのうちシクロヘキサン環が原料の入手のしやすさの点で好ましい。
二官能酸分解性保護剤(2)の具体例としては、以下の(2a)〜(2i)などが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 0006024409
<フェノール性水酸基の保護化率>
本発明のフラーレン誘導体において、原料フラーレン誘導体中のフェノール性水酸基のうち、二官能酸分解性保護剤で保護されたフェノール性水酸基の割合(モル%、以下「保護化率」と称し、単位は「%」で表す。)は、20〜80%、特に30〜60%であることが好ましい。フェノール性水酸基の保護化率が上記下限未満では、二官能性保護基を導入したことによる本発明の効果を十分に得ることができず、上記上限を超えると脱保護のために必要な処理回数が多くなり、レジストの感度が低下するおそれがある。
なお、本発明のフラーレン誘導体は、後述する本発明のフラーレン誘導体の製造方法により製造することができるが、生成物中には、二官能性保護基の導入量の異なるフラーレン誘導体が混在するため、分析値としての保護化率はこれらの平均値として求められる。保護化率は、後述の実施例の項に示されるように、NMR測定で求めることができる。
<多量体について>
本発明のフラーレン誘導体は、その製造工程において、原料フラーレン誘導体に反応させた二官能酸分解性保護剤が一分子の原料フラーレン誘導体に対して2分子以上反応し、かつ二官能酸分解性保護剤の反応性官能基がそれぞれ異なる原料フラーレン誘導体と反応することによって、2量体以上の多量体が生成する。
本発明において、フラーレン誘導体中の2量体以上の多量体が占める割合は、2量体以上の多量体を構成する単量体基準で、10〜90モル%、特に20〜70モル%であることが好ましい。即ち、生成した単量体基準のフラーレン誘導体のうちの10〜90%、特に20〜70%が2量体以上の多量体を形成していることが好ましい。
この割合が上記下限未満では分子間のネットワークが弱く、本発明の効果を十分に得ることができず、一方、上記上限を超えると溶媒への溶解性が低下して塗布が困難になるおそれがある。
なお、この割合は、本発明のフラーレン誘導体の製造工程において、二官能酸分解性保護剤の量や反応液中の濃度、反応時間、反応温度を調整することにより、制御することができる。
[フラーレン誘導体の製造方法]
本発明のフラーレン誘導体の製造方法には特に制限はなく、任意の方法に従って製造することができるが、例えば、本発明のフラーレン誘導体は、次のようにして製造することができる。
<原料フラーレン誘導体と二官能酸分解性保護剤(1)との反応>
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体に、二官能酸分解性保護剤(1)を反応させることにより、製造することができる。
上記反応は無触媒でも進行するが、酸触媒を用いることにより反応を促進できる場合がある。酸触媒の種類は特に限定されず、無機酸及び有機酸の何れも使用できる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの鉱酸;リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸;ゼオライト等の固体触媒などが挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸及びそのピリジニウム塩などが挙げられ、その使用量は触媒の種類によっても異なるが、反応に用いる原料フラーレン誘導体に対して通常0.05〜10当量程度である。
二官能酸分解性保護剤(1)の量は、本発明のフラーレン誘導体における保護化率、2量体以上の比率により任意に反応させることができるが、原料フラーレン誘導体の水酸基数に対して、通常0.1〜5当量、好ましくは0.1〜2当量である。この割合が上記下限未満では反応が十分に進行せず、上記上限を超えると製造コストの観点から好ましくない。
反応溶媒は、上記の反応が十分な反応速度で進行するものであれば任意であるが、通常、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒又はベンゾニトリルといった芳香族系溶媒が好ましい。特にTHFは、本発明のフラーレン誘導体や原料フラーレン誘導体の溶解性が高いので好ましい。溶媒の使用量は、目的とする反応が十分な反応速度で進行するものであれば任意であるが、通常、反応に用いる原料フラーレン誘導体の質量(g)に対する溶媒の体積(mL)の割合が、1〜500mL/gとなる溶媒量が好ましい。
反応は通常、原料フラーレン誘導体と二官能酸分解性保護剤(1)、必要に応じて酸触媒を溶媒に溶解させ、0〜100℃、好ましくは20℃〜60℃で数分〜数十時間、好ましくは30分〜10時間反応させることにより行われる。
通常、反応終了後に、生成した本発明のフラーレン誘導体を反応液から常法により単離する。例えば、イオン交換水を滴下して反応を停止させ、有機層を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、溶媒を留去することにより、生成物を単離することができる。得られたフラーレン誘導体は、必要に応じて、晶析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、カラムクロマトグラフィーなどの手法で精製してもよい。
<原料フラーレン誘導体と二官能酸分解性保護剤(2)との反応>
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体に、塩基性条件下で二官能酸分解性保護剤(2)を反応させることにより、製造することができる。
上記反応に用いられる塩基は、反応が進行すればどのような塩基でもよいが、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;ピリジン、2−メチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物;トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基などの塩基性化合物が挙げられる。反応性および後処理が容易である点から、特に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属塩が好ましい。
塩基は、通常、原料フラーレン誘導体が有する水酸基の数に対して、1〜20当量、好ましくは2〜10当量用いられる。塩基の使用量が多過ぎると製造コストの点から好ましくなく、少な過ぎると反応速度又は転化率が不十分になることがある。
二官能酸分解性保護剤(2)の量は、本発明のフラーレン誘導体における保護化率、2量体以上の比率により任意に反応させることができるが、通常原料フラーレン誘導体の水酸基数に対して、0.05〜5当量、好ましくは0.1〜2当量である。この割合が上記下限未満では反応が十分に進行せず、上記上限を超えると製造コストの観点から好ましくない。
反応溶媒は、上記の反応が十分な反応速度で進行するものであれば任意であるが、通常、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒が好ましい。フラーレン誘導体と塩基の両方を溶解させるためには、THFとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒が更に好ましい。溶媒の使用量は、目的とする反応が十分な反応速度で進行するものであれば任意であるが、通常、反応に用いる原料フラーレン誘導体の質量(g)に対する溶媒の体積(mL)の割合が、1〜500mL/gとなる溶媒量が好ましい。
また、混合溶媒の場合は、溶媒の組み合わせ並びに比率は任意で選択することができる。
本反応では、上記の原料フラーレン誘導体、塩基、二官能酸分解性保護剤(2)、溶媒以外に反応を加速させるためにヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属を添加しても構わない。これらハロゲン化アルカリ金属は、通常原料フラーレン誘導体の水酸基数に対して、0.1〜5当量、好ましくは0.2〜3当量である。この割合が上記下限未満では反応が十分に進行せず、上記上限を超えると製造コストの点から好ましくない。
本反応は通常、原料フラーレン誘導体と二官能酸分解性保護剤(2)と塩基、必要に応じてハロゲン化アルカリ金属を溶媒に溶解させ、0〜120℃、好ましくは20℃〜80℃で数分〜数十時間、好ましくは30分〜10時間反応させることにより行われる。
通常、反応終了後に、生成した本発明のフラーレン誘導体を反応液から常法により単離する。例えば、希塩酸を滴下して反応を停止させ、有機層を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、溶媒を留去することにより、生成物を単離することができる。得られたフラーレン誘導体は、必要に応じて、晶析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、カラムクロマトグラフィーなどの手法で精製してもよい。
[フラーレン誘導体溶液]
本発明のフラーレン誘導体は、適切な溶媒に溶解させてフラーレン誘導体溶液とすることにより、様々な用途に用いることができる。
本発明のフラーレン誘導体溶液における溶媒の種類は任意であるが、溶媒として有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒として任意の有機溶媒を用いることができるが、中でも、本発明のフラーレン誘導体はヒドロキシル基を有し、エステル系溶媒等の極性有機溶媒に対して高い溶解性を示すので、極性を有する有機溶媒(極性有機溶媒)を使用することが好ましい。なお、溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
極性有機溶媒の種類は制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール(アルコール系溶媒);アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル(エステル系溶媒);テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のエーテルアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の上記エーテルアルコール類と酢酸等の酸とのエステル化合物であるエーテルエステル(エステル系溶媒);N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
中でも、工業的な用途で用いられることが多い点から、本発明のフラーレン誘導体溶液に用いる溶媒として、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、エステル系溶媒を用いることが好ましく、特に、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、乳酸エチル等のエステル系溶媒を用いることが好ましい。
また、本発明のフラーレン誘導体溶液における溶媒として、アルカリ性溶媒も好ましく用いられる。アルカリ性溶媒の種類は、本発明のフラーレン誘導体が溶解するものであれば制限されないが、例えば、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、メチルジエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン、ジメチルエタノールアミン等のアルカリ有機溶媒;水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液、炭酸カルシウム水溶液、アンモニア水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等のアルカリ水溶液等が挙げられる。なお、アルカリ水溶液の場合、その溶質の濃度は任意である。
本発明のフラーレン誘導体溶液における本発明のフラーレン誘導体の濃度は任意である。また、本発明のフラーレン誘導体溶液中、本発明のフラーレン誘導体は溶媒に完全溶解していることが好ましいが、一部溶解できずに懸濁していてもよく、又は沈殿していても構わない。
本発明のフラーレン誘導体の優れた物性を大幅に損ねるものでなければ、本発明のフラーレン誘導体溶液は、本発明のフラーレン誘導体及び溶媒に加えて、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分は1種のみを含有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。
本発明のフラーレン誘導体を溶媒に溶解させることができれば、本発明のフラーレン誘導体溶液の調製方法に制限はないが、通常、所定の装置で攪拌しながら溶解させる手法、超音波を照射する手法等により調製することができる。また、本発明のフラーレン誘導体及び溶媒、並びに必要に応じて用いられるその他の成分の混合順序も、特に制限はない。
本発明のフラーレン誘導体溶液は、安定性、操作性等の観点から通常25℃前後で調製されるが、溶媒の沸点以下であれば、加熱しながら溶解させ、保管することができる。また、本発明のフラーレン誘導体が析出する可能性があるが、25℃以下の低温下で調製、保管することもできる。
[フラーレン誘導体膜]
本発明のフラーレン誘導体は、エステル系溶媒等に高溶解性を示すため、通常は、本発明のフラーレン誘導体溶液を塗布し、溶媒を除去(例えば加熱乾燥等)することでフラーレン誘導体膜を製造することができる。この際用いる溶液には、本発明のフラーレン誘導体、溶媒のほか、本発明のフラーレン誘導体が有する優れた物性を大幅に損ねるものでなければ、他の任意の成分が含有されていてもよい。なお、その他の成分は1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。
また、本発明のフラーレン誘導体膜は、同一組成の単層膜であってもよく、異なる組成を有する層が2層以上積層された多層膜であってもよい。
本発明のフラーレン誘導体溶液の塗布方法としては、例えばスプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法など任意の方法を選択することができる。複数の方法を組み合わせて行ってもよい。また、塗布する基板にも制限はなく、例えば、有機被膜、シリコン基板、ポリシリコン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜などのシリコン被膜、金属配線などの無機被膜が挙げられる。この際、1種の基板を単独で用いてもよく、2種以上の基板を任意に組み合わせて用いてもよい。
フラーレン誘導体溶液の塗布後、溶媒を除去するための方法は任意であるが、通常は塗布膜の加熱乾燥処理を行って溶媒を除去する。加熱乾燥処理は、通常80℃以上300℃以下で、通常10秒以上300秒以下の範囲で加熱を行うことが好ましい。本発明のフラーレン誘導体は、通常の有機化合物に比べて熱安定性に優れるため、熱分解することなく安定な膜を形成することができる。また、加熱は、大気下、又はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、不活性ガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明のフラーレン誘導体膜における膜厚は、用途によって大きく異なり一律に限定することはできないが、通常10nm以上であり、好ましくは30nm以上であり、また通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは300nm以下である。
[用途]
本発明のフラーレン誘導体、本発明のフラーレン誘導体溶液、及び本発明のフラーレン誘導体膜の代表的な用途として、後述のEUV光又はEB露光用レジスト組成物が挙げられるが、その他の用途の例を以下に具体的に説明する。ただし、本発明のフラーレン誘導体の機能が発揮できる用途に関しては、以下の記載に限定されるものではない。
<フォトレジスト用途>
従来、フォトレジストは、被膜形成成分として(メタ)アクリル系、ポリヒドロキシスチレン系またはノボラック系の樹脂等の樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤、感光剤等とを組み合わせた組成物が広く用いられている。本発明のフラーレン誘導体は、通常、フォトレジストに使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度でフォトレジストに複合化が可能である。また、フラーレン誘導体単独でもレジスト膜を形成することが可能である。なお、フォトレジストの露光源としては、従来開発されているKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーに加えて、EUVやEBなども適応が可能である。
このように本発明のフラーレン誘導体をフォトレジストの分野に用いた場合、フラーレン骨格を有することにより、超芳香族分子としての高耐熱性、高エッチング耐性を有し、エッジラフネスの低減が可能であり、高解像度のフォトレジストの再現ができる。また、本発明のフラーレン誘導体又は本発明のフラーレン誘導体溶液を用いて形成したレジスト膜は、反射防止膜としての機能も有することより、多層膜の一層として、特に反射防止膜や塗布型のマスク材(ハードマスク)としても優れた機能を発揮することが期待される。
<半導体製造用途>
半導体製造等の分野では、例えば500μm以下の微細パターンを生産効率良く形成する方法としてナノインプリント法が検討されている。ナノインプリント法とは、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層に転写する微細パターンの形成方法である。
このようなナノインプリント法としては、例えば、熱可塑性重合体からなる転写層を加熱して軟化させる工程と、転写層とモールドとを圧着してモールドのパターンを転写層に形成する工程と、モールドを転写層から離脱させる工程とを順次行なう方法;硬化性単量体からなる転写層をモールドに接触させる工程と、硬化性単量体を硬化させる工程と、硬化性単量体の硬化物からモールドを離脱させる工程とを順次行なう方法;などが知られている。本発明のフラーレン誘導体は、通常、上記の熱可塑性重合体、硬化性物質等に使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、上記熱可塑性重合体に高濃度で充填することが可能である。
このように本発明のフラーレン誘導体をナノインプリント法に用いた場合、溶媒に対する本発明のフラーレン誘導体の溶解性が高いことから、本発明のフラーレン誘導体の熱可塑性重合体中での凝集が抑制され、分子状分散となる。このため、高解像度を実現することが可能である。さらに、本発明のフラーレン誘導体又は本発明のフラーレン誘導体溶液をナノインプリント法に用いることにより、転写層の機械的強度、耐熱性及びエッチング耐性を向上させることが可能であることから、従来のナノインプリント材料の特性を大幅に改善することが可能となる。
<低誘電率絶縁材料用途>
近年、コンピュータの中央処理装置(CPU)用回路基盤には、樹脂薄膜を層間絶縁膜とする高密度かつ微細な多層配線に適した樹脂薄膜配線が適用されるようになってきた。将来のより高速な処理能力を有するコンピュータを実現するには、高密度かつ繊細な多層配線を活かし、かつ信号の高速伝播に適した低誘電率絶縁材料の開発が求められている。本発明のフラーレン誘導体は、通常、上記用途に使用される溶媒への溶解度が高いことより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度で他の材料と複合化することが可能である。また、フラーレン誘導体単独で成膜することも可能である。この際、本発明のフラーレン誘導体は、フラーレン構造が本質的に有する高抵抗、低誘電率の性質を保持しており、複合化して用いる際にはフィラーとしての機械的強度の向上効果を有することができ、これにより、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。
<太陽電池用途>
有機太陽電池は、シリコン系の無機太陽電池と比較して、優位な点が多数あるものの、エネルギー変換効率が低く、実用レベルに十分には達していないことが多い。この点を克服するためのものとして、最近、電子供与体である導電性高分子と、電子受容体であるフラーレン並びにフラーレン誘導体とを混合した活性層を有するバルクヘテロ接合型有機太陽電池が提案されている。このバルクヘテロ接合型有機太陽電池では、導電性高分子とフラーレン誘導体それぞれとが分子レベルで混じり合い、その結果非常に大きな界面を作り出すことに成功し、変換効率の大幅な向上が実現されている。
本発明のフラーレン誘導体は、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いため、p型半導体と効率的なバルクへテロ接合構造を構成することが容易である。また、本発明のフラーレン誘導体は、本質的にn型半導体としてのフラーレンの性質を有している。従って、本発明のフラーレン誘導体又は本発明のフラーレン誘導体溶液を用いることで、極めて高性能な有機太陽電池の実現が可能となる。さらにこの高溶解性を利用し、導電性高分子等の電子供与体層との層分離制御や誘導体分子の整列配向性・細密充填性などのモルフォロジー制御を可能にし、これにより特性の向上が実現できる上、デバイス設計において高い柔軟性を与える。また、製造上も通常の印刷法やインクジェットによる印刷、更にはスプレー法等により、低コストで容易に大面積化を実現する事が可能である。
<半導体用途>
光センサー、整流素子等への応用が期待できる電界効果トランジスタの有機材料として、フラーレン及びフラーレン誘導体を使用することが研究されている。一般的に、フラーレン及びフラーレン誘導体を半導体に用いて電界効果トランジスタを作製した場合、当該電界効果トランジスタはn型のトランジスタとして機能することが知られている。
本発明のフラーレン誘導体は、上記用途で使用される溶媒への溶解度が高いことにより、塗布による成膜が容易であり、また、n型半導体としてのフラーレンの本質的な性質は保持している。これにより、本発明のフラーレン誘導体は、低コスト、高性能な有機半導体として利用されることが期待できる。
<原料中間体としての用途>
本発明のフラーレン誘導体を出発原料として、例えば、本発明のフラーレン誘導体が有するフェノール性水酸基に更に特定の有機基(保護基)を導入する工程を経て、新たな機能を有するフラーレン誘導体を製造することができる。以下、その有機基の導入方法に関して代表例を記すが、以下の例に限定されるものではない。
具体的な有機基の導入方法は、導入する有機基の種類に応じて様々である。その例を挙げると、以下のようなものが挙げられる。
(1)本発明のフラーレン誘導体をエステル化剤と反応させて、エステル化する。
(2)本発明のフラーレン誘導体をカーボネート化剤と反応させて、カーボネート化する。
(3)本発明のフラーレン誘導体をエーテル化剤と反応させて、エーテル化する。
(4)本発明のフラーレン誘導体をウレタン化剤と反応させて、ウレタン化する。
さらに、上記(1)〜(4)の方法のほかにも、本発明のフラーレン誘導体に有機基を導入する条件は、例えば特開2006−56878号公報等に記載の方法を参照することができる。
[レジスト組成物]
本発明のEUV光又はEB露光用レジスト組成物(以下、「本発明のレジスト組成物」と称す場合がある。)は、本発明のフラーレン誘導体(A)(以下、単に「フラーレン誘導体(A)」と称す。)を基材成分として含み、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とする。
本発明のレジスト組成物に含まれるフラーレン誘導体(A)は、酸の作用によりアルカリ現像液溶解性が増大するものであってもよく、また低減するものであってもよい。本発明のレジスト組成物は、フラーレン誘導体(A)が前者の場合はポジ型レジスト組成物となり、後者の場合はネガ型レジスト組成物となる。即ち、本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物である場合、通常フラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)並びに含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)に加えて、必要に応じて更に架橋剤成分(E)を含有している。
ネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に露光により酸が発生すると、当該酸が作用してフラーレン誘導体(A)と架橋剤成分(E)との間で架橋が起こり、レジスト組成物が露光部においてアルカリ現像液可溶性から不溶性へと変化し、アルカリ現像が可能となる。
ポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に露光により酸が発生すると、当該酸が作用して前述の二官能性保護基の酸解離性基が反応し、解離することによって、レジスト組成物が露光部においてアルカリ現像液不溶性から可溶性へと変化し、アルカリ現像工程が可能となる。
<フラーレン誘導体(A)の含有量>
本発明のレジスト組成物において、基材成分であるフラーレン誘導体(A)の含有量は、酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、更に、ネガ型レジスト組成物の場合に含まれる架橋剤成分(E)が、それぞれ、フラーレン誘導体(A)に対する好適範囲でレジスト組成物中に含有され、その量は有機溶媒(D)により、後述の好適な固形分濃度に調整される範囲において任意である。具体的には、レジスト組成物の塗布性と、感度やパターン形成性等のレジストとしての性能とのバランスの点において、レジスト組成物中の全固形分の合計に対して40〜98重量%、特に50〜90重量%であることが好ましい。なお、ここで「固形分」とは、レジスト組成物中の有機溶媒(D)以外の成分をさす。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、EUV光又はEB露光により酸を発生させて、その作用により基材成分であるフラーレン誘導体(A)のアルカリ溶解性を変化させるものである。
本発明で用いる酸発生剤(B)としては特に限定されず、従来、化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、グリオキシム系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等が挙げられる。中でも、オニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤が好ましく、オニウム塩系酸発生剤がより好ましく、特にスルホニウム塩系(下記式(11))又はヨードニウム塩系(下記式(12))の酸発生剤が好ましい。
Figure 0006024409
(式(11)、(12)中、R21〜R23は、各々独立に炭素数1〜20の有機基を表し、R24は直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を表す。R21とR22は相互に結合して環を形成していてもよい。)
式(11)中のR21〜R23、式(12)のR21,R22の炭素数1〜20の有機基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状の、アルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基又はオキシアルケニル基や、置換基を有していてもよいアリール基、アラルキル基又はアリールオキシアルキル基が挙げられる。これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R21とR22とは互いに結合して環を形成していてもよく、環を形成する場合はR21とR22はそれぞれ炭素数1〜10のアルキレン基を示す、即ち、S又はIを含めて員数3〜21の環を形成するものが挙げられる。また、R21〜R23は互いに同一であっても異なっていてもよい。
21〜R23の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;2−オキシシクロペンチル基、2−オキシシクロヘキシル基、2−オキシプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキシエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキシエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキシエチル基等のオキシアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert―ブトキシフェニル基、m−tert―ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert―ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフル基、ジエチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基などの置換基を有するアリール基;ベンジル基、フェネチル基(フェニルエチル基)等のアラルキル基、2−フェニル−2−オキシエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキシエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキシエチル基等の2−アリール−2−オキシアルキル基等が挙げられる。
これらの中でも、アリール基が好ましく、特にフェニル基やナフチル基が好ましい。
式(11)及び式(12)中のR24は、直鎖状、分岐鎖状又は環状の、アルキル基又はフッ素化アルキル基を表す。直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、通常炭素数1〜12であることが好ましく、また炭素数1〜8であることが更に好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、また炭素数5〜10であることが更に好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
これらのアルキル基の水素原子の少なくとも一部はフッ素原子によって置換されていることが好ましい。フッ素原子への置換率は、通常10〜100%であり、好ましくは50〜100%である。特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したパーフルオロアルキル基が、酸の強度(pKa)が強くなる点で好ましい。
酸発生剤(B)としては、これらの酸発生剤の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
本発明においては、酸発生剤(B)として、特にフッ素化アルキルスルホン酸イオン又はジアルキルアリールヨードニウムイオンを与えるオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)の含有量は、基材成分であるフラーレン誘導体(A)に対して通常1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%が更に好ましく、5〜30重量%が最も好ましい。上記範囲とすることで、EUV光又はEB露光によるパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<含窒素有機化合物(C)>
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等を向上させるために、含窒素有機化合物(C)を含有する。この含窒素有機化合物(C)はこれまでに報告されている任意のものを使用すればよいが、環状アミン、脂肪族アミンが好ましい。特に、第2級脂肪族アミン、第3級脂肪族アミンが好ましく、第3級脂肪族アミンが最も好ましい。ここで脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、その炭素数は1〜15が好ましい。
含窒素有機化合物(C)の具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等の第1級脂肪族アルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の第2級脂肪族アルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等の第3級脂肪族アルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
また、他の具体例としては、ピペリジン、ピペラジン等の脂肪族単環式アミン;1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン、ヘキサメチレンテトラミン等の脂肪族多環式アミンが挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10の第3級脂肪族アミンが好ましく、特に炭素数8のトリ−n−オクチルアミンが好ましい。
含窒素有機化合物(C)としては、これらの含窒素有機化合物の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
本発明のレジスト組成物における含窒素有機化合物(C)の含有量は、基材成分であるフラーレン誘導体(A)に対して通常0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましく、1〜5重量%が最も好ましい。含窒素有機化合物(C)の含有量が多すぎる場合はレジスト組成物中の酸を過剰に捕捉しEUV光感度又はEB感度が低くなることがあり、少なすぎる場合はレジスト組成物中の酸を充分に捕捉できずLER、LWR、解像度が悪化することがある。
<有機溶媒(D)>
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、有機溶媒(D)を含有する。この有機溶媒(D)は使用する各成分を溶解させ、均一な溶液になるものであればよく、従来の化学増幅型レジスト組成物の有機溶媒としてこれまでに報告されている任意のものを使用することができる。
有機溶媒(D)の具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル化合物;前記多価アルコール類又は前記エステル化合物のモノメチルエーテル体、モノエチルエーテル体、モノプロピルエーテル体、モノブチルエーテル体等のモノアルキルエーテル体が挙げられる。
また、ジオキサン等の環状エーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族系有機溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミン類などが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、とりわけプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒が好ましい。
有機溶媒(D)としては、これらの有機溶媒の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
有機溶媒(D)の使用量は特に制限はないが、本発明のレジスト組成物を基板等に塗布可能な粘度及び濃度となるように、塗布膜厚に応じて適宜設定すればよい。有機溶媒(D)は、本発明のレジスト組成物の固形分濃度が通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲になるように用いられる。
<架橋剤成分(E)>
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物として用いる場合には、架橋剤成分(E)を含有することが好ましい。この架橋剤成分(E)は特に限定されず、従来の化学増幅型ネガレジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意のものを使用することができる。
架橋剤成分(E)の具体例としては、2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8−トリヒドロキシトリシクロデカン、3,4,9−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン等のヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環状炭化水素、又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基、又は低級アルコキシメチル基等で置換した化合物が挙げられる。
これらのうち、アミノ基含有化合物としてメラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素等を用いたものを尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。これらのうち、メラミン系架橋剤が特に好ましい。
メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデヒドを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、メラミンとホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物等が挙げられる。具体例としては、ヘキサメトキシメチルメラニン、ヘキサエトキシメチルメラニン、ヘキサプロポキシメチルメラニン、ヘキサブトキシメチルメラニン等が挙げられ、中でもヘキサメトキシメチルメラニンが好ましい。
架橋剤成分(E)としては、これらの架橋剤成分の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせる場合は、その種類と比率は任意である。
本発明のネガ型レジスト組成物における架橋剤成分(E)の含有量は、基材成分であるフラーレン誘導体(A)に対して通常1〜50重量%が好ましく、3〜40重量%が更に好ましく、5〜30重量%が最も好ましい。上記範囲とすることで、上記基材成分(A)との架橋反応が十分進行し、良好なレジストパターンが形成される上、レジスト組成物の保存安定性が良好であり、EUV光感度又はEB感度の経時的劣化が抑制される。
<レジスト組成物の調製方法>
本発明のレジスト組成物の調製方法に制限はないが、基材成分であるフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)、更に、ネガ型レジスト組成物の場合には架橋剤成分(E)を所定の装置で攪拌しながら溶解させる手法、超音波を照射する手法等により調製することができる。調製されたレジスト組成物は、必要に応じてフィルター濾過を行って精製をしてもよい。
なお、本発明のレジスト組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、基材成分であるフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)、更に、ネガ型レジスト組成物に用いられる架橋剤成分(E)以外の他の成分、例えば界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料等が含まれていてもよい。
[レジストパターン形成方法]
本発明のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成するには、通常、本発明のレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、形成されたレジスト膜を加熱処理する工程、加熱処理後のレジスト膜を選択的にEUV光又はEB露光する工程、及びEUV光又はEB露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を順次行う。なお、露光後のレジスト膜は、現像前に必要に応じて再度加熱処理してもよい。
<レジスト膜を形成する工程:塗布工程>
本発明のレジスト組成物を、基板上に、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法などの任意の塗布方法を用いて塗布することによりレジスト膜を形成することができるが、塗布方法としては、均一な薄膜が形成できる観点でスピンコート法が好ましい。
塗布対象となる基板に制限はなく、その寸法、形状は任意である。また、基板の材質にも制限はないが、例えば半導体集積回路の製造プロセスにおいては、通常シリコン(Si)基板、さらにSiC、窒化物半導体、ダイヤモンド等のワイドギャップ半導体、GaAsやAlGaAsなどの化合物半導体基板が用いられる。また、レジスト膜が形成される基板で、ドライエッチングなどにより所望のパターンに加工したい薄膜材料としては、ポリシリコン薄膜、又はポリシリコン薄膜と金属薄膜との積層膜、Al、W、Cu、Moなどの金属薄膜、Si酸化膜、Si窒化膜、Si酸窒化膜などの絶縁体薄膜などが挙げられる。また上記所望のパターンに加工したい薄膜材料上に有機膜を1nm以上、30nm以下、好ましくは3nm以上、25nm以下、最も好ましくは5nm以上、20nm以下に形成し、その上層に本発明のレジスト組成物のレジスト膜を形成することもある。
さらにいわゆる多層レジスト構造における上層レジストとして本発明のレジスト組成物のレジスト膜が表面に形成されることもある。典型的な多層レジスト構造は、表面から上層レジスト、中間層、下層構造となる。又は、必要に応じてさらに層数が増えることもある。たとえば上記所望の加工対象薄膜上に、下層として塗布型カーボン膜、中間層として有機Si系膜、その上層に有機膜、最上層に本発明のレジスト組成物のレジスト膜といった順に形成される。下層としては塗布型カーボン膜の他に、スパッタにより形成されたカーボン膜、スピンコートにより形成され、熱処理を施した有機膜なども用いられる。また、中間層としては有機Si系膜の他にSi酸化膜、Si窒化膜、Si酸窒化膜、スピンオングラス(SOG)膜、TiN膜なども用いられる。
通常、EUV光又はEBを用いる場合のレジスト膜厚は、10nm以上、200nm以下、好ましくは20nm以上、100nm以下、最も好ましくは30nm以上、80nm以下である。また、所望のパターンの最小加工寸法に応じても膜厚が決定される。
レジスト膜厚が薄すぎるとレジストパターンの寸法が所望の寸法から大きく変動する傾向があり、厚すぎると解像不良となる傾向がある。
<レジスト膜を加熱する工程:プレベーク>
上記の本発明のレジスト組成物により形成したレジスト膜は、加熱することによりレジスト膜に含まれる有機溶媒を除去する。加熱温度は、通常70〜250℃、好ましくは90〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは60〜100秒間加熱する。加熱温度が低過ぎると有機溶媒の除去効率が悪く、高過ぎるとレジスト組成物が分解するおそれがある。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあり、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
<選択的にEUV露光する工程>
加熱により有機溶媒を除去した後のレジスト膜に対して、LPPと呼ばれる、レーザー光をSnやその化合物、Xeなどのターゲットに照射して発生させたプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;DPPと呼ばれる、WやSiCなどからなる電極に、Snやその化合物、Xeをその電極近傍に存在させて、高電圧をかけて放電により発生したプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;レーザー光をターゲットに照射しかつ放電させて生したプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;又は、放射光光源からEUV光を取り出すEUV露光源;等の光源を用いて、所望のマスクパターンを介して露光する。上記各EUV露光源の光源からEUV光を取り出すには反射型又は透過型のフィルターが使用される。
この際、露光量により、現像後形成されるレジストパターンの寸法が変動する。露光量は所望の寸法となる露光量が望ましいが、所望の寸法に対してプラスマイナス10%以内にする露光量が好ましく、プラスマイナス5%以内にする露光量が特に好ましい。このとき、所望の寸法となる露光量を、各パターン寸法における感度と称することがある。
<選択的にEB露光する工程>
加熱により有機溶媒を除去した後のレジスト膜に対して、電子銃から発せられる電子線(EB)を照射して所望のパターンを描画して露光する。EBの加速電圧としては、1〜200kVが好ましく、10〜150kVが更に好ましく、30〜125kVが特に好ましい。上記範囲とすることで、高解像度のパターン形成と高い生産性を確保することができる。
<再加熱する工程:ポストエクスポージャーベーク>
選択的EUV光又はEB露光後の膜に対して、必要に応じて露光により発生した酸をレジスト膜中に効果的に拡散させるために加熱してもよい。この場合の加熱温度は、通常70〜200℃、好ましくは80〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは60〜100秒間加熱する。加熱温度が低過ぎると酸の拡散効率が悪く感度が低下するおそれがあり、高過ぎると酸の拡散効率が高くなりすぎて、良好な解像度、LER,LWRが得られないおそれがある。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあり、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
<現像工程>
上記工程を施した膜に対して、アルカリ現像液を用いて現像処理することにより、レジストパターンを形成することができる。
アルカリ現像液としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)などのアルカリ水溶液が挙げられ、通常TMAH濃度0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、更に好ましくは2〜3重量%の水溶液を用い、10〜180秒間、好ましくは20〜120秒間、浸漬法、パドル法、スプレー法等の定法により現像が行われる。
本発明のレジストパターン形成方法が有する優れた特性を大幅に損ねるものでなければ、現像液の中に界面活性剤などの他の任意の化合物が含有されていてもかまわない。
アルカリ現像後は、通常純水による洗浄処理が行われる。
なお、本発明に従って、EUV光又はEB露光を行うことにより、現在開発されている他の露光源を用いるよりも、解像度が小さい微細パターニングが可能である。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
なお、本明細書の記載において、「DMSO」はジメチルスルホキシドを、「THF」はテトラヒドロフランを、「DMF」はジメチルホルムアミドを、「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを、「CHN」はシクロヘキサノンをそれぞれ表す。また、「Me」はメチル基を、「Ph」はフェニル基を、「PhOH」はヒドロキシフェニル基をそれぞれ表す。
また、以下の実施例及び比較例において、得られた生成物のH−NMRはDMSO−dを溶媒とし、400MHzにて測定した。また、GPCは、500ppmのTHF溶液を調製し、以下の測定条件で測定した。
<GPC測定条件>
カラム:PLgel 5μ Mixed−D×2本、40℃
移動層:特級THF、1mL/min
検出 :RI
較正 :単分散ポリスチレン換算
〔フラーレン誘導体の製造〕
[実施例1:フラーレン誘導体(FP−1)の製造]
Figure 0006024409
フラーレン誘導体(F−1:C60(PhOH)10Me)(0.50g、0.30mmol)のTHF溶液(20mL)に、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム(15mg、0.06mmol)を25℃で加えた後、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(0.33g、1.69mmol)を添加し、25℃で6時間攪拌した。反応終了後、THFを留去し、50mLの酢酸エチルで抽出し、30mLのイオン交換水で洗浄を2回行った。有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。その後、目的物を5mLの酢酸エチルに溶解し、ヘキサン200mLで晶析を行った結果、フラーレン誘導体(FP−1:上記構造は分子間で反応し、10%保護された例を示している)を含む生成物を黄色固体(0.58g)として得た。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
HNMR(400MHz、DMSO−d)の測定結果>
6.2〜8.2ppm(Ph、40H)に対して、9.2〜9.8ppm(OH、4.2H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は58%と見積もった。他に、5.1〜5.9ppm(OCHCHO)、3.8〜4.1ppm(OCHCHO)、3.3〜3.6ppm(OCH)、0.8〜1.9ppm(シクロヘキサン骨格、C60−CH)のピークが観測された。
<GPCの測定結果>
単量体(リテンションタイム15.6min)が70.2%、2量体以上(リテンションタイム15.6min未満)が29.8%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以上の結果より、得られた生成物は、原料フラーレン誘導体(F−1)のフェノール性水酸基のうち58%に保護基が導入され、且つその29.8%が2量体以上となっているフラーレン誘導体の混合物であることが明らかとなった。
[実施例2:フラーレン誘導体(FP−2)の製造]
Figure 0006024409
フラーレン誘導体(F−1:C60(PhOH)10Me)(1.00g、0.60mmol)のTHF(30mL)/DMF(10mL)の混合溶液に、炭酸カリウム(5g、36.2mmol)、ヨウ化カリウム(1.25g、7.5mmol)、2官能3級ジエステルである化合物(DES−1)(0.35g、1.17mmol)を25℃で加えた後、66℃で6時間攪拌した。反応終了後、セライト濾過(展開液:THF)を行い、溶媒を留去した。100mLの酢酸エチルで抽出し、1Nの塩酸30mLで中和後、30mLのイオン交換水で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。その後、目的物を10mLの酢酸エチルに溶解し、ヘキサン300mLで晶析を行った結果、フラーレン誘導体(FP−2:上記構造は分子間で反応し、10%保護された例を示している)を含む生成物を黄色固体(0.29g)として得た。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
HNMR(400MHz、DMSO−d)の測定結果>
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.0H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は50%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCHCOO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH)のピークが観測された。
<GPCの測定結果>
単量体(リテンションタイム16.1min)が62.3%、2量体以上(リテンションタイム16.1min未満)が37.7%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以上の結果より、得られた生成物は、原料フラーレン誘導体(F−1)のフェノール性水酸基のうち50%に保護基が導入され、且つその37.7%が2量体以上となっているフラーレン誘導体の混合物であることが明らかとなった。
[実施例3:フラーレン誘導体(FP−3)の製造]
Figure 0006024409
フラーレン誘導体(F−1:C60(PhOH)10Me)(0.50g、0.30mmol)のTHF(15mL)/DMF(5mL)の混合溶液に、炭酸カリウム(2.5g、18.1mmol)、ヨウ化カリウム(0.63g、3.8mmol)、2官能3級ジエステルである化合物(DES−2)(0.15g、0.43mmol)を25℃で加えた後、66℃で6時間攪拌した。反応終了後、セライト濾過(展開液:THF)を行い、溶媒を留去した。50mLの酢酸エチルで抽出し、1Nの塩酸20mLで中和後、20mLのイオン交換水で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。その後、目的物を10mLの酢酸エチルに溶解し、ヘキサン200mLで晶析を行った結果、フラーレン誘導体(FP−3:上記構造は分子間で反応し、10%保護された例を示している)を含む生成物を黄色固体(0.16g)として得た。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
HNMR(400MHz、DMSO−d)の測定結果>
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.9H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は41%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCHCOO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH)のピークが観測された。
<GPCの測定結果>
GPC分析の結果、単量体(リテンションタイム16.8min)が78.8%、2量体以上(リテンションタイム16.8min未満)が21.2%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以上の結果より、得られた生成物は、原料フラーレン誘導体(F−1)のフェノール性水酸基のうち41%に保護基が導入され、且つその21.2%が2量体以上となっているフラーレン誘導体の混合物であることが明らかとなった。
[実施例4:フラーレン誘導体(FP−4)の製造]
Figure 0006024409
フラーレン誘導体(F−1:C60(PhOH)10Me)(0.50g、0.30mmol)のTHF(15mL)/DMF(5mL)の混合溶液に、炭酸カリウム(2.5g、18.1mmol)、ヨウ化カリウム(0.63g、3.8mmol)、2官能3級ジエステルである化合物(DES−3)(0.19g、0.59mmol)を25℃で加えた後、66℃で6時間攪拌した。反応終了後、セライト濾過(展開液:THF)を行い、溶媒を留去した。50mLの酢酸エチルで抽出し、1Nの塩酸20mLで中和後、20mLのイオン交換水で洗浄を3回行った。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。その後、目的物を5mLの酢酸エチル、5mLのTHFに溶解し、ヘキサン200mLで晶析を行った結果、フラーレン誘導体(FP−4:上記構造は分子間で反応し、10%保護された例を示している)を含む生成物を黄色固体(0.30g)として得た。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
HNMR(400MHz、DMSO−d)の測定結果>
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、4.9H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は51%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCHCOO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH)のピークが観測された。
<GPCの測定結果>
単量体(リテンションタイム16.8min)が55.1%、2量体以上(リテンションタイム16.8min未満)が44.9%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以上の結果より、得られた生成物は、原料フラーレン誘導体(F−1)のフェノール性水酸基のうち51%に保護基が導入され、且つその44.9%が2量体以上となっているフラーレン誘導体の混合物であることが明らかとなった。
[比較例1:フラーレン誘導体(FP−5)の製造]
Figure 0006024409
フラーレン誘導体(F−1:C60(PhOH)10Me)(14.4g、8.57mmol)のTHF(432mL)の溶液に、炭酸カリウム(72g、521.0mmol)、単官能3級エステルである化合物(ES−1)(9.68g、33.7mmol)を25℃で加えた後、66℃で7時間攪拌した。反応終了後、セライト濾過(展開液:THF)を行い、溶媒を留去した。600mLの酢酸エチルで抽出し、1Nの塩酸375mLで中和後、250mLのイオン交換水で洗浄を5回行った。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥、濾過した後、溶媒を留去した。その後、目的物を20mLの酢酸エチに溶解し、ヘキサン750mLで晶析を行った結果、フラーレン誘導体(FP−5:上記構造はそれぞれ10%保護された例を示している)を含む生成物を黄色固体(18.05g)として得た。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
HNMR(400MHz、DMSO−d)の測定結果>
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.7H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は43%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCHCOO)、0.7〜2.3ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH)のピークが観測された。
<GPCの測定結果>
単量体(リテンションタイム15.6min)が100%であり、2量体以上のピークは観測されなかった。
以上の結果より、得られた生成物は、原料フラーレン誘導体(F−1)のフェノール性水酸基のうち43%に保護基が導入された単量体であることが明らかとなった。
〔レジストの調製及び評価〕
[実施例5]
(i)実施例1で製造されたフラーレン誘導体(FP−1)をPGMEA/CHN=80/20(重量比)の混合溶媒に対して2.00重量%となるように添加し、スターラーにて攪拌した。
(ii)得られたフラーレン誘導体溶液に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩ノナフレート(みどり化学製BBI−109)及びn−トリオクチルアミンをそれぞれフラーレン誘導体に対して20重量%並びに3重量%添加し、また、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC製)をフラーレン誘導体に対して0.1重量%添加し、スターラーにて攪拌した。
(iii)攪拌後、孔径0.2μmのフィルターで濾過し、ポジ型レジスト組成物を得た。
[実施例6]
実施例2で製造されたフラーレン誘導体(FP−2)を使用し、溶媒をPGMEA/CHN=95/5(重量比)の混合溶媒に変更したこと以外は、実施例5と同様にレジスト組成物を調製した。
[実施例7]
実施例3で製造されたフラーレン誘導体(FP−3)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
[実施例8]
実施例4で製造されたフラーレン誘導体(FP−4)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
[比較例2]
比較例1で製造されたフラーレン誘導体(FP−5)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
[EB感度評価]
以下の手順でレジスト膜を形成し、そのEB感度を評価した。
(1)実施例5〜8及び比較例2で調製したレジスト組成物を、それぞれSi基板上に厚さ60nmとなるように1000rpmで30秒間回転塗布し(塗布工程)、110℃で90秒間、加熱処理を行った(プレベーク)。
(2)EB露光装置:JBX−6300JS(日本電子製)を用い、加速電圧50kVで露光を行い、露光時間を調整して露光量を変化させた(露光工程)。
(3)EB露光した膜を110℃で90秒間、加熱処理を行った(ポストエクスポージャーベーク)。
(4)現像液として、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、30秒間浸漬した(現像工程)。その後、リンス液として純水を用い、これに30秒間浸漬して現像液をすすぎ落とした(洗浄工程)。
(5)パターン形成後、段差測定を行い、露光した箇所のフラーレン誘導体膜が完全に除去できた最低露光量をフラーレン誘導体ポジ型レジストのEB感度とした。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006024409
表1より、本発明のフラーレン誘導体を用いて高感度のレジスト組成物を得ることができることが分かる。

Claims (8)

  1. フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体中のフェノール性水酸基を、一分子中に2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護してなるフラーレン誘導体であって、
    前記二官能酸分解性保護剤が、下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造、又は下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有し、
    前記フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体が、下記一般式(3)で表されるフラーレンC 60 誘導体であり、
    前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造を有する場合、式(1)中のビニル基を構成する2つの炭素原子のうち酸素原子の隣の炭素原子が前記フェノール性水酸基の酸素原子と結合してアセタール構造を形成し、
    前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有する場合、式(2)中のZで表されるハロゲン原子と前記フェノール性水酸基の水素原子とが脱離し、Zの隣の炭素原子と前記フェノール性水酸基の酸素原子が結合しているフラーレン誘導体。
    Figure 0006024409
    (上記一般式(1)中において、X、Yはそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基又は水素原子を表し、L は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。2個のXは互いに異なっていても同一であってもよく、2個のYは互いに異なっていても同一であってもよい。)
    Figure 0006024409
    (上記一般式(2)中において、Zはハロゲン原子を表し、2個のZは互いに異なっていても同一であってもよい。R 〜R はそれぞれ独立に炭素数1〜20の有機基を表し、L は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。これらのうち、R とR 、R とR 、R とR 、R 〜R のいずれかとL とが相互に結合して環を形成していても良い。)
    Figure 0006024409
    (上記一般式(3)中、丸で囲まれたFLNで表される構造はC 60 フラーレン骨格を表し、R 10 は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、R 20 はフェノール性水酸基を有する芳香族基を表す。2個のR 10 は互いに異なっていても同一であってもよい。10個のR 20 は互いに異なっていても同一であってもよく、R 20 のフェノール性水酸基を有する芳香族基はフェノール性水酸基以外の置換基を有していてもよい。)
  2. 前記フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体が、下記式(X)で表わされるフラーレン骨格の部分構造を2箇所有することを特徴とする請求項1に記載のフラーレン誘導体。
    Figure 0006024409
    (上記式(X)中、C 1 〜C 10 は、フラーレン骨格を構成する炭素原子を表し、C 1 は前記R 10 と結合しており、C 〜C 10 は各々独立に前記R 20 と結合している)
  3. 前記一般式(3)中のR10が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラーレン誘導体。
  4. 前記一般式(3)中のR20が、ヒドロキシフェニル基であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のフラーレン誘導体が溶媒に溶解してなることを特徴とするフラーレン誘導体溶液。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のフラーレン誘導体を含むことを特徴とするフラーレン誘導体膜。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とする極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
  8. さらに架橋剤成分(E)を含有するネガ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項に記載の極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
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