JP6024409B2 - フラーレン誘導体、並びに極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物 - Google Patents
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Description
[3] 前記一般式(3)中のR10が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のフラーレン誘導体。
即ち、本発明のフラーレン誘導体は、そのフェノール性水酸基が2つの酸解離性基と2つの水酸基の保護基を有する二官能酸分解性保護剤により保護されているため、酸解離性基を2つと水酸基の保護基を1つ有する構造(保護剤が1つ付加した状態の場合)となっている。この二官能酸分解性保護剤の残基により、フラーレン誘導体同士が結合して二量体〜多量体を形成し、これによって分子間のネットワークが形成され、レジストのパターン倒れが防止される。
また、分子間のネットワーク形成によりレジスト膜密度が向上し、アルカリ現像液等の浸入を抑制することができるため、レジスト基板への密着性も向上する。
また、同じ保護基の導入量であっても、分子間ネットワークにより酸解離性基濃度が高くなり、脱保護効率が向上し、かつ本発明に係る保護基の分子サイズが大きいためフラーレン誘導体に対する保護化合物の使用量が少なくても、アルカリ現像液耐性を付与可能で脱保護反応数を少なくできるので、レジスト感度も向上する。
なお、本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性の水酸基と極性の高いエステル骨格やアセタール骨格を有しているので、レジスト用途に用いられるPGMEA等のエステル系溶媒やアルカリ性溶媒に対して高い溶解性を示す。
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体(以下「原料フラーレン誘導体」と称す場合がある。)中のフェノール性水酸基を、一分子中に2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基(以下、「OH保護基」と記載する場合がある)を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護してなることを特徴とする。
即ち、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体のフェノール性水酸基の水素原子が、2つの酸解離性基と1つのOH保護基を有する基である二官能性の保護基により置換された構造を有するフラーレン誘導体であり、このフラーレン誘導体はその少なくとも一つの水酸基を保護する(二官能酸分解性保護剤由来の)保護基の他方の(フリーな)OH保護基が、他のフラーレン誘導体が有する水酸基を保護(結合)することにより2量体〜多量体を形成する。即ち、この2量体(〜多量体)も本発明のフラーレン誘導体に該当する。
本発明に係る原料フラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体であればよく、特に制限はないが、エステル系溶媒やアルカリ性溶媒に対する溶解性及びフラーレン誘導体の電子捕捉性を制御するという点から、フェノール性水酸基を有する芳香族基が10個以上付加していることが好ましく、またフラーレン誘導体の付加数の分布を制御できる点から、下記一般式(3)で表されるフラーレンC60誘導体であることが好ましい。
原料フラーレン誘導体がC60フラーレン骨格上に有するR10は、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜24の炭化水素基であり、2個のR10は互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、合成が容易であることから同一であることが好ましい。ここで、炭素数1〜24の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基などの鎖状(直鎖であっても分岐鎖であってもよい)アルキル基と、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基が挙げられる。また、アルケニル基としては、具体的には、ビニル基、アリル基などが挙げられ、また、アルキニル基としては、具体的には、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。また、アリール基としては、具体的にはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ピリジル基、チオフェニル基、フリル基などが挙げられる。
原料フラーレン誘導体がC60フラーレン骨格上に有するR20は、フェノール性水酸基を有する芳香族基であり、10個のR20は互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、合成が容易であることから同一であることが好ましい。なお、R20のフェノール性水酸基を有する芳香族基は、フェノール性水酸基以外の置換基を有していてもよい。
本発明に係る二官能酸分解性保護剤としては、一分子中に2つの酸解離性基と2つの水酸基の保護基を有する化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤(1)」と称す場合がある。)あるいは、下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤(2)」と称す場合がある。)が挙げられる。
前記一般式(1)において、X,Yの炭素数1〜20の有機基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシフェニル基、アラルキル基、複素環基、アルコキシ基、エステル基などが挙げられる。
前記一般式(2)において、Zのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が挙げられるが、原料入手の容易さと反応性に優れていることから、特に塩素原子、臭素原子が好ましい。
本発明のフラーレン誘導体において、原料フラーレン誘導体中のフェノール性水酸基のうち、二官能酸分解性保護剤で保護されたフェノール性水酸基の割合(モル%、以下「保護化率」と称し、単位は「%」で表す。)は、20〜80%、特に30〜60%であることが好ましい。フェノール性水酸基の保護化率が上記下限未満では、二官能性保護基を導入したことによる本発明の効果を十分に得ることができず、上記上限を超えると脱保護のために必要な処理回数が多くなり、レジストの感度が低下するおそれがある。
本発明のフラーレン誘導体は、その製造工程において、原料フラーレン誘導体に反応させた二官能酸分解性保護剤が一分子の原料フラーレン誘導体に対して2分子以上反応し、かつ二官能酸分解性保護剤の反応性官能基がそれぞれ異なる原料フラーレン誘導体と反応することによって、2量体以上の多量体が生成する。
この割合が上記下限未満では分子間のネットワークが弱く、本発明の効果を十分に得ることができず、一方、上記上限を超えると溶媒への溶解性が低下して塗布が困難になるおそれがある。
本発明のフラーレン誘導体の製造方法には特に制限はなく、任意の方法に従って製造することができるが、例えば、本発明のフラーレン誘導体は、次のようにして製造することができる。
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体に、二官能酸分解性保護剤(1)を反応させることにより、製造することができる。
通常、反応終了後に、生成した本発明のフラーレン誘導体を反応液から常法により単離する。例えば、イオン交換水を滴下して反応を停止させ、有機層を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、溶媒を留去することにより、生成物を単離することができる。得られたフラーレン誘導体は、必要に応じて、晶析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、カラムクロマトグラフィーなどの手法で精製してもよい。
本発明のフラーレン誘導体は、フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体に、塩基性条件下で二官能酸分解性保護剤(2)を反応させることにより、製造することができる。
塩基は、通常、原料フラーレン誘導体が有する水酸基の数に対して、1〜20当量、好ましくは2〜10当量用いられる。塩基の使用量が多過ぎると製造コストの点から好ましくなく、少な過ぎると反応速度又は転化率が不十分になることがある。
また、混合溶媒の場合は、溶媒の組み合わせ並びに比率は任意で選択することができる。
通常、反応終了後に、生成した本発明のフラーレン誘導体を反応液から常法により単離する。例えば、希塩酸を滴下して反応を停止させ、有機層を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、溶媒を留去することにより、生成物を単離することができる。得られたフラーレン誘導体は、必要に応じて、晶析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、カラムクロマトグラフィーなどの手法で精製してもよい。
本発明のフラーレン誘導体は、適切な溶媒に溶解させてフラーレン誘導体溶液とすることにより、様々な用途に用いることができる。
本発明のフラーレン誘導体は、エステル系溶媒等に高溶解性を示すため、通常は、本発明のフラーレン誘導体溶液を塗布し、溶媒を除去(例えば加熱乾燥等)することでフラーレン誘導体膜を製造することができる。この際用いる溶液には、本発明のフラーレン誘導体、溶媒のほか、本発明のフラーレン誘導体が有する優れた物性を大幅に損ねるものでなければ、他の任意の成分が含有されていてもよい。なお、その他の成分は1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。
また、本発明のフラーレン誘導体膜は、同一組成の単層膜であってもよく、異なる組成を有する層が2層以上積層された多層膜であってもよい。
本発明のフラーレン誘導体、本発明のフラーレン誘導体溶液、及び本発明のフラーレン誘導体膜の代表的な用途として、後述のEUV光又はEB露光用レジスト組成物が挙げられるが、その他の用途の例を以下に具体的に説明する。ただし、本発明のフラーレン誘導体の機能が発揮できる用途に関しては、以下の記載に限定されるものではない。
従来、フォトレジストは、被膜形成成分として(メタ)アクリル系、ポリヒドロキシスチレン系またはノボラック系の樹脂等の樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤、感光剤等とを組み合わせた組成物が広く用いられている。本発明のフラーレン誘導体は、通常、フォトレジストに使用される溶媒への溶解度が高いことにより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度でフォトレジストに複合化が可能である。また、フラーレン誘導体単独でもレジスト膜を形成することが可能である。なお、フォトレジストの露光源としては、従来開発されているKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーに加えて、EUVやEBなども適応が可能である。
半導体製造等の分野では、例えば500μm以下の微細パターンを生産効率良く形成する方法としてナノインプリント法が検討されている。ナノインプリント法とは、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層に転写する微細パターンの形成方法である。
近年、コンピュータの中央処理装置(CPU)用回路基盤には、樹脂薄膜を層間絶縁膜とする高密度かつ微細な多層配線に適した樹脂薄膜配線が適用されるようになってきた。将来のより高速な処理能力を有するコンピュータを実現するには、高密度かつ繊細な多層配線を活かし、かつ信号の高速伝播に適した低誘電率絶縁材料の開発が求められている。本発明のフラーレン誘導体は、通常、上記用途に使用される溶媒への溶解度が高いことより、特殊な溶媒を用いることなく、より高濃度で他の材料と複合化することが可能である。また、フラーレン誘導体単独で成膜することも可能である。この際、本発明のフラーレン誘導体は、フラーレン構造が本質的に有する高抵抗、低誘電率の性質を保持しており、複合化して用いる際にはフィラーとしての機械的強度の向上効果を有することができ、これにより、従来無かった優れた性能の低誘電率の層間絶縁膜の実現が可能となる。
有機太陽電池は、シリコン系の無機太陽電池と比較して、優位な点が多数あるものの、エネルギー変換効率が低く、実用レベルに十分には達していないことが多い。この点を克服するためのものとして、最近、電子供与体である導電性高分子と、電子受容体であるフラーレン並びにフラーレン誘導体とを混合した活性層を有するバルクヘテロ接合型有機太陽電池が提案されている。このバルクヘテロ接合型有機太陽電池では、導電性高分子とフラーレン誘導体それぞれとが分子レベルで混じり合い、その結果非常に大きな界面を作り出すことに成功し、変換効率の大幅な向上が実現されている。
光センサー、整流素子等への応用が期待できる電界効果トランジスタの有機材料として、フラーレン及びフラーレン誘導体を使用することが研究されている。一般的に、フラーレン及びフラーレン誘導体を半導体に用いて電界効果トランジスタを作製した場合、当該電界効果トランジスタはn型のトランジスタとして機能することが知られている。
本発明のフラーレン誘導体を出発原料として、例えば、本発明のフラーレン誘導体が有するフェノール性水酸基に更に特定の有機基(保護基)を導入する工程を経て、新たな機能を有するフラーレン誘導体を製造することができる。以下、その有機基の導入方法に関して代表例を記すが、以下の例に限定されるものではない。
(1)本発明のフラーレン誘導体をエステル化剤と反応させて、エステル化する。
(2)本発明のフラーレン誘導体をカーボネート化剤と反応させて、カーボネート化する。
(3)本発明のフラーレン誘導体をエーテル化剤と反応させて、エーテル化する。
(4)本発明のフラーレン誘導体をウレタン化剤と反応させて、ウレタン化する。
本発明のEUV光又はEB露光用レジスト組成物(以下、「本発明のレジスト組成物」と称す場合がある。)は、本発明のフラーレン誘導体(A)(以下、単に「フラーレン誘導体(A)」と称す。)を基材成分として含み、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とする。
ネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に露光により酸が発生すると、当該酸が作用してフラーレン誘導体(A)と架橋剤成分(E)との間で架橋が起こり、レジスト組成物が露光部においてアルカリ現像液可溶性から不溶性へと変化し、アルカリ現像が可能となる。
本発明のレジスト組成物において、基材成分であるフラーレン誘導体(A)の含有量は、酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、更に、ネガ型レジスト組成物の場合に含まれる架橋剤成分(E)が、それぞれ、フラーレン誘導体(A)に対する好適範囲でレジスト組成物中に含有され、その量は有機溶媒(D)により、後述の好適な固形分濃度に調整される範囲において任意である。具体的には、レジスト組成物の塗布性と、感度やパターン形成性等のレジストとしての性能とのバランスの点において、レジスト組成物中の全固形分の合計に対して40〜98重量%、特に50〜90重量%であることが好ましい。なお、ここで「固形分」とは、レジスト組成物中の有機溶媒(D)以外の成分をさす。
酸発生剤(B)は、EUV光又はEB露光により酸を発生させて、その作用により基材成分であるフラーレン誘導体(A)のアルカリ溶解性を変化させるものである。
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等を向上させるために、含窒素有機化合物(C)を含有する。この含窒素有機化合物(C)はこれまでに報告されている任意のものを使用すればよいが、環状アミン、脂肪族アミンが好ましい。特に、第2級脂肪族アミン、第3級脂肪族アミンが好ましく、第3級脂肪族アミンが最も好ましい。ここで脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、その炭素数は1〜15が好ましい。
本発明のレジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれの場合においても、有機溶媒(D)を含有する。この有機溶媒(D)は使用する各成分を溶解させ、均一な溶液になるものであればよく、従来の化学増幅型レジスト組成物の有機溶媒としてこれまでに報告されている任意のものを使用することができる。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物として用いる場合には、架橋剤成分(E)を含有することが好ましい。この架橋剤成分(E)は特に限定されず、従来の化学増幅型ネガレジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意のものを使用することができる。
本発明のレジスト組成物の調製方法に制限はないが、基材成分であるフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)及び有機溶媒(D)、更に、ネガ型レジスト組成物の場合には架橋剤成分(E)を所定の装置で攪拌しながら溶解させる手法、超音波を照射する手法等により調製することができる。調製されたレジスト組成物は、必要に応じてフィルター濾過を行って精製をしてもよい。
本発明のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成するには、通常、本発明のレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、形成されたレジスト膜を加熱処理する工程、加熱処理後のレジスト膜を選択的にEUV光又はEB露光する工程、及びEUV光又はEB露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を順次行う。なお、露光後のレジスト膜は、現像前に必要に応じて再度加熱処理してもよい。
本発明のレジスト組成物を、基板上に、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法などの任意の塗布方法を用いて塗布することによりレジスト膜を形成することができるが、塗布方法としては、均一な薄膜が形成できる観点でスピンコート法が好ましい。
レジスト膜厚が薄すぎるとレジストパターンの寸法が所望の寸法から大きく変動する傾向があり、厚すぎると解像不良となる傾向がある。
上記の本発明のレジスト組成物により形成したレジスト膜は、加熱することによりレジスト膜に含まれる有機溶媒を除去する。加熱温度は、通常70〜250℃、好ましくは90〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは60〜100秒間加熱する。加熱温度が低過ぎると有機溶媒の除去効率が悪く、高過ぎるとレジスト組成物が分解するおそれがある。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあり、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
加熱により有機溶媒を除去した後のレジスト膜に対して、LPPと呼ばれる、レーザー光をSnやその化合物、Xeなどのターゲットに照射して発生させたプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;DPPと呼ばれる、WやSiCなどからなる電極に、Snやその化合物、Xeをその電極近傍に存在させて、高電圧をかけて放電により発生したプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;レーザー光をターゲットに照射しかつ放電させて生したプラズマからEUV光を取り出すEUV露光源;又は、放射光光源からEUV光を取り出すEUV露光源;等の光源を用いて、所望のマスクパターンを介して露光する。上記各EUV露光源の光源からEUV光を取り出すには反射型又は透過型のフィルターが使用される。
この際、露光量により、現像後形成されるレジストパターンの寸法が変動する。露光量は所望の寸法となる露光量が望ましいが、所望の寸法に対してプラスマイナス10%以内にする露光量が好ましく、プラスマイナス5%以内にする露光量が特に好ましい。このとき、所望の寸法となる露光量を、各パターン寸法における感度と称することがある。
加熱により有機溶媒を除去した後のレジスト膜に対して、電子銃から発せられる電子線(EB)を照射して所望のパターンを描画して露光する。EBの加速電圧としては、1〜200kVが好ましく、10〜150kVが更に好ましく、30〜125kVが特に好ましい。上記範囲とすることで、高解像度のパターン形成と高い生産性を確保することができる。
選択的EUV光又はEB露光後の膜に対して、必要に応じて露光により発生した酸をレジスト膜中に効果的に拡散させるために加熱してもよい。この場合の加熱温度は、通常70〜200℃、好ましくは80〜150℃の範囲で、10〜300秒間、好ましくは30〜150秒間、更に好ましくは60〜100秒間加熱する。加熱温度が低過ぎると酸の拡散効率が悪く感度が低下するおそれがあり、高過ぎると酸の拡散効率が高くなりすぎて、良好な解像度、LER,LWRが得られないおそれがある。加熱時間が長すぎると製造時の生産性が低下する傾向にあり、短すぎると熱が十分に伝わらず、加熱効果にばらつきが生じるおそれがある。
上記工程を施した膜に対して、アルカリ現像液を用いて現像処理することにより、レジストパターンを形成することができる。
本発明のレジストパターン形成方法が有する優れた特性を大幅に損ねるものでなければ、現像液の中に界面活性剤などの他の任意の化合物が含有されていてもかまわない。
アルカリ現像後は、通常純水による洗浄処理が行われる。
<GPC測定条件>
カラム:PLgel 5μ Mixed−D×2本、40℃
移動層:特級THF、1mL/min
検出 :RI
較正 :単分散ポリスチレン換算
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
6.2〜8.2ppm(Ph、40H)に対して、9.2〜9.8ppm(OH、4.2H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は58%と見積もった。他に、5.1〜5.9ppm(OCHCH3O)、3.8〜4.1ppm(OCHCH3O)、3.3〜3.6ppm(OCH2)、0.8〜1.9ppm(シクロヘキサン骨格、C60−CH3)のピークが観測された。
単量体(リテンションタイム15.6min)が70.2%、2量体以上(リテンションタイム15.6min未満)が29.8%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.0H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は50%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCH2COO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH3)のピークが観測された。
単量体(リテンションタイム16.1min)が62.3%、2量体以上(リテンションタイム16.1min未満)が37.7%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.9H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は41%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCH2COO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH3)のピークが観測された。
GPC分析の結果、単量体(リテンションタイム16.8min)が78.8%、2量体以上(リテンションタイム16.8min未満)が21.2%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、4.9H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は51%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCH2COO)、0.7〜2.0ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH3)のピークが観測された。
単量体(リテンションタイム16.8min)が55.1%、2量体以上(リテンションタイム16.8min未満)が44.9%であり、一部が分子間架橋していることが明らかとなった。
以下に得られた生成物の機器分析データを示す。
6.0〜8.0ppm(Ph、40H)に対して、9.0〜9.8ppm(OH、5.7H)であったことから、フェノール性水酸基の保護化率は43%と見積もった。他に、4.3〜5.0ppm(OCH2COO)、0.7〜2.3ppm(3級エステルのCH部分、C60−CH3)のピークが観測された。
単量体(リテンションタイム15.6min)が100%であり、2量体以上のピークは観測されなかった。
[実施例5]
(i)実施例1で製造されたフラーレン誘導体(FP−1)をPGMEA/CHN=80/20(重量比)の混合溶媒に対して2.00重量%となるように添加し、スターラーにて攪拌した。
(ii)得られたフラーレン誘導体溶液に、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩ノナフレート(みどり化学製BBI−109)及びn−トリオクチルアミンをそれぞれフラーレン誘導体に対して20重量%並びに3重量%添加し、また、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC製)をフラーレン誘導体に対して0.1重量%添加し、スターラーにて攪拌した。
(iii)攪拌後、孔径0.2μmのフィルターで濾過し、ポジ型レジスト組成物を得た。
実施例2で製造されたフラーレン誘導体(FP−2)を使用し、溶媒をPGMEA/CHN=95/5(重量比)の混合溶媒に変更したこと以外は、実施例5と同様にレジスト組成物を調製した。
実施例3で製造されたフラーレン誘導体(FP−3)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
実施例4で製造されたフラーレン誘導体(FP−4)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
比較例1で製造されたフラーレン誘導体(FP−5)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレジスト組成物を調製した。
以下の手順でレジスト膜を形成し、そのEB感度を評価した。
(1)実施例5〜8及び比較例2で調製したレジスト組成物を、それぞれSi基板上に厚さ60nmとなるように1000rpmで30秒間回転塗布し(塗布工程)、110℃で90秒間、加熱処理を行った(プレベーク)。
(2)EB露光装置:JBX−6300JS(日本電子製)を用い、加速電圧50kVで露光を行い、露光時間を調整して露光量を変化させた(露光工程)。
(3)EB露光した膜を110℃で90秒間、加熱処理を行った(ポストエクスポージャーベーク)。
(4)現像液として、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、30秒間浸漬した(現像工程)。その後、リンス液として純水を用い、これに30秒間浸漬して現像液をすすぎ落とした(洗浄工程)。
(5)パターン形成後、段差測定を行い、露光した箇所のフラーレン誘導体膜が完全に除去できた最低露光量をフラーレン誘導体ポジ型レジストのEB感度とした。
Claims (8)
- フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体中のフェノール性水酸基を、一分子中に2つの酸解離性基及び2つの水酸基の保護基を有する化合物(以下、「二官能酸分解性保護剤」と記す)により保護してなるフラーレン誘導体であって、
前記二官能酸分解性保護剤が、下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造、又は下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有し、
前記フェノール性水酸基を有する芳香族基を有するフラーレン誘導体が、下記一般式(3)で表されるフラーレンC 60 誘導体であり、
前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(1)で表されるジビニルエーテル構造を有する場合、式(1)中のビニル基を構成する2つの炭素原子のうち酸素原子の隣の炭素原子が前記フェノール性水酸基の酸素原子と結合してアセタール構造を形成し、
前記二官能酸分解性保護剤が下記一般式(2)で表される2官能3級ジエステル構造を有する場合、式(2)中のZで表されるハロゲン原子と前記フェノール性水酸基の水素原子とが脱離し、Zの隣の炭素原子と前記フェノール性水酸基の酸素原子が結合しているフラーレン誘導体。
- 前記一般式(3)中のR10が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラーレン誘導体。
- 前記一般式(3)中のR20が、ヒドロキシフェニル基であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフラーレン誘導体が溶媒に溶解してなることを特徴とするフラーレン誘導体溶液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフラーレン誘導体を含むことを特徴とするフラーレン誘導体膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフラーレン誘導体(A)、露光により酸を発生する酸発生剤(B)、含窒素有機化合物(C)、及び有機溶媒(D)を含有することを特徴とする極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
- さらに架橋剤成分(E)を含有するネガ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項7に記載の極紫外線光又は電子ビーム露光用レジスト組成物。
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