JP6022609B2 - 酵素安定化のための適合溶質エクトインおよびその誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、酵素活性を維持および保持するための手段および方法に関する。特には、本発明は脱水素酵素、酸化還元補因子、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の光学的特性における少なくとも一つの光学的変化を導くことのできる試剤、指示試薬、および、エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質を含む乾燥組成物に関する。本発明はさらに、体液サンプル由来の分析物の測定のための診断用試験エレメント、および、そのような試験エレメントを製造するための方法を意図している。本発明がさらに想定することは、乾燥条件下、組成物中の少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を低減するための、上述されるような少なくとも一つの適合溶質の使用である。さらに、本発明の試験エレメントに基づく体液サンプル中の分析物の存在または量を測定するための方法が意図される。
診断用試験エレメントは、通常、患者の身近な場所での適用における使用のために製造される。したがって、エレメントは取扱いおよび保管に関して頑強でなければならない。これは、特には、試験エレメントの試験化学に対して適用される(非特許文献1を参照のこと)。
しかしながら、多くの診断用試験エレメントは、試験エレメント上に存在するかなり複雑な酵素の試験化学に基づいている。具体的には、試験エレメントは、担体および検出層を含み、ここで、検出層が通常、酵素を含む。試験エレメントの適切な機能のために、これらの酵素が保管のあいだおよび処理に際して生物学的に活性を保っていることは非常に重要である。個々の測定に対する較正は通常可能ではないため、試験エレメントは通常、バッチ式で較正される。試験エレメントのバッチのための較正情報が保管され、そして、処理および保管におけるそれぞれの違いとは無関係にバッチのそれぞれのエレメントとして使用される。
しかしながら、試験エレメントの前処理および保管条件は、酵素の活性に重篤な影響を及ぼし得る。例えば、試験エレメントの製造のあいだまたは保管のあいだの熱処理は、試験エレメント上に存在する酵素の全体的な活性が顕著に低下されるほどに酵素を変性させ、これは、そのような試験エレメントが使用された場合に誤った試験結果をもたらすであろう。同様に、多くの酵素は、同様に変性および不可逆的な酵素不活性化をもたらす酸化プロセスに対して感応性である。しかしながら、試験エレメント上の多くの酵素は、そのような酸化プロセスをより増進させるかもしれない無溶媒環境中に、少なくとも保管期間のあいだ存在している。さらに、検出層は、例えば酸化還元補因子および他の酸化還元関連成分などの、酸化プロセスをさらにより促進させる追加の成分を含んでいるかもしれない。
しかしながら、このような好ましくない条件下で酵素活性を保持するという課題は、試験エレメントに適用されるだけではない。むしろ、より一般的には、多くの酵素調製物が、例えば凍結乾燥された処方などの実質的に溶媒を含まない形状で提供および保管されている。
様々な、いわゆる適合溶質、すなわち、例えば糖、ポリオール、遊離アミノ酸、アミノ酸誘導体、アミンおよび硫黄類似体、硫酸エステル、短鎖ペプチドならびに環状2,3−ジホスホグリセリン酸などの種々の化学的分類の低分子化合物が、それらの、溶液中および乾燥条件下におけるタンパク質に対する保存剤特性に関して研究されてきた(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、特許文献1、特許文献2を参照のこと)。
溶液中のグルコースの電気化学的測定のためのバイオセンサーにおける、エクトインおよびヒドロキシエクトインによるグルコース酸化酵素の安定化が以前に報告されている(特許文献3、非特許文献6)。しかしながら、グルコース酸化酵素は、酸化ストレスおよび熱に対して比較的安定な酵素であることが知られている。一方、ヒドロキシエクトインは、乳酸脱水素酵素に対して溶液中でのタンパク質凝集を防止することができないことが報告された(非特許文献7)。一般的な脱水素酵素、および、特にはグルコース脱水素酵素は、酸化ストレスおよび熱処理に対してかなり感応性である。しかしながら、これらは重要な診断用ツールである。
エクトインはまた、酵素活性の電気化学的検出を目的とした、コレステロール脱水素酵素を含むコレステロールバイオセンサーにおける試剤として報告されている(特許文献4または特許文献5)。
国際公開第2007/002657号 米国特許出願公開第2010/0255120号明細書 国際公開第2007/097653号 国際公開第2007/132226号 国際公開第2006/067424号
Hoenes 2008, Diabetes Technology & Therapeutics 10: S10 Arakawa 1985, Biophys J 47: 411 Lippert 1992, Appl Microbiol Biotechnol 37: 61 Goeller 1999, J Mol Catal B Enzymatic 7:37 Lentzen 2006, Appl Microbiol Biotechnol 72: 623 Loose 2006, Proceedings of the 24th IASTED International Multi-conference Biomedical Engineering, 167-173, Innsbruck, AT Andersson 2000, Biotechnol Appl Biochem 32: 145-153
しかしながら、診断用途のため、および、特には、例えばグルコース脱水素酵素などの脱水素酵素群のために使用される、保管および温度感応性酵素の酵素活性の保持の必要性が存在する。
本発明の根底にある技術的課題は、上述の必要性を満たすための手段および方法の提供と考えられ得る。課題は、クレームおよび本明細書の以下の記載において特徴づけられる実施形態によって解決される。
したがって、本発明は、成分
(a)脱水素酵素、
(b)酸化還元補因子、
(c)酸化還元等価物の存在下で指示試薬の光学的特性における少なくとも一つの光学的変化を導くことのできる試剤、
(d)指示試薬、および
(e)エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質
を含む乾燥組成物に関する。
本明細書において使用される用語「乾燥(dry)」とは、組成物が本質的に溶媒または溶媒の混合物を含まないことを意味する。本明細書において使用される、本質的に含まない(essentially free)」とは、組成物の溶液中に当初存在していた溶媒または溶媒の混合物の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、または少なくとも98%が、組成物から除去されていることを意味する。したがって、好ましくは、溶媒または溶媒の混合物は、本発明の乾燥組成物中に、15%まで、および、好ましくは10%まで、8%まで、5%まで、2%までの量で存在することが想定される。量を規定するために使用される、前述の割合の値および本明細書において参照される他の割合の値は、重量パーセント(w/w)を意味している。
本発明のこのような組成物は、好ましくは、通常の条件下、すなわち室温および通常の圧力下における、固体組成物である。
本発明の溶媒は、本発明の組成物の成分を、組成物の成分の機能、および特には、脱水素酵素の酵素活性を不可逆的に損なわせないような条件下で溶解することが可能である溶媒である。さらに、溶媒は、好ましくは、標準気圧、好ましくは1bar +/− 10%である条件下、5〜40℃の範囲内の温度で、および、より好ましくは、室温、好ましくは20℃ +/− 10℃の範囲内の温度で、成分を溶解することが想定される。本発明の適切な溶媒としては、好ましくは、水、例えばリン酸緩衝生理食塩水もしくはトリスバッファーなどの水性緩衝液、例えばヘキサノール、2−メトキシ−プロパノール、2−メチル−2−ブタノールなどのアルコール、クエン酸緩衝液、グリセリンリン酸(glycerine phosphate)、またはグッドバッファー(好ましくは、トリスバッファーに加えて)が挙げられる。本発明に従い、使用される溶媒は、二または三以上の前述の溶媒の混合物であってもよいことが理解されるであろう。この意味において想定される溶媒の好ましい混合物は、水または水性緩衝液の、アルコールとの混合物、および特には、下記の実施例で参照されている溶媒混合物である。
本発明の乾燥組成物は、好ましくは、本発明の組成物の成分を初めに溶媒または溶媒混合物中に溶解させ、そしてその後、残存組成物が本質的に前記溶媒または溶媒混合物を含まないように、前記溶媒または溶媒混合物を適切な処理によって除去することによって提供され得る。本発明によって好ましく想定されるであろう適切な処理としては、例えば、熱処理、エバポレーション法、凍結乾燥などが挙げられる。好ましくは、想定される処理は熱処理、および、具体的には、以下の条件下での熱処理である:熱循環をともなうおよそ20〜45分間約60℃もしくはそれ以上での、または、およそ1〜2分間約95℃での熱処理;20μm〜200μm以下である組成物の厚さ;1barまたは0.1barである圧力。さらに、組成物を乾燥状態下で維持するために、保管は、好ましくは、乾燥剤の存在下で行われることが理解されるであろう。適切な乾燥剤としては、好ましくは、例えばシリカゲル、ゼオライト、炭酸カルシウムまたは硫酸マグネシウムなどが挙げられる。
本明細書で使用される用語「脱水素酵素(dehydrogenase)」とは、水素化物(H-)を酸化還元等価物としてアクセプター分子へと、好ましくは、本明細書の他の部分で参照されるような酸化還元補因子へと移動することによって、基質の酸化を触媒することのできるポリペプチドを意味する。本発明により想定される脱水素酵素は、好ましくは、例えばピロロキノリンキノン(PQQ)、ニコチンアミド−アデニン−ジヌクレオチド(NAD)もしくはその誘導体、または、例えばフラビン−アデニン−ジヌクレオチド(FAD)もしくはフラビンモノヌクレオチド(FMN)などのフラビン補酵素などの酸化還元補因子(またはしばしば補酵素と称される)依存性のものである。好ましい脱水素酵素は、具体的には、乳酸脱水素酵素(EC番号 1.1.1.27または1.1.1.28)、グルコース脱水素酵素(以下を参照のこと)、アルコール脱水素酵素(EC番号 1.1.1.1または1.1.1.2)、L−アミノ酸脱水素酵素(EC番号 1.4.1.5)、グリセリン脱水素酵素(EC番号 1.1.1.6)、リンゴ酸脱水素酵素(EC番号 1.1.1.37)、3−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素(EC番号 1.1.1.30)、または、ソルビトール脱水素酵素(EC番号 1.1.1.14)である。
より好ましくは、前記脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素である。最も好ましくは、前記グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.1.47)、キノプロテイングルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.5.2)、特にはピロロキノリンキノン(PQQ)依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.5.2)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(EC番号 1.1.1.49)、ニコチンアミド−アデニン−ジヌクレオチド(NAD)−依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.1.119)およびフラビン−アデニン−ジヌクレオチド(FAD)−依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.99.10)、または、それらの酵素的に活性な変異体からなる群より選択される。本発明において好ましいものは、国際公開第2011/020856号に開示の、少なくとも96、172および/または252位のアミノ酸に変異を有するグルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.1.47)変異体であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。これらのアミノ酸位置における好ましい変異は、Glu96Gly、Glu170ArgもしくはLysおよび/またはLys252Lである置換である。
前記酵素ファミリーの好ましいメンバーの構造および特性は、当該技術分野において公知である(Olsthoorn 1998, Biochemistry 37: 13854-13861; Pauly 1976, Hoppe Seylers Z Physiol Chem 356: 1613-1623; Tsujimura 2006, Biosci Biotechnol Biochem 70: 654-659を参照のこと)。前述の酵素の酵素的に活性な変異体は、上記で列挙されている従来技術の前述の野生型酵素に関して報告されているアミノ酸配列からの一または二以上のアミノ酸の置換、付加または欠失によって得られ得る。好ましい変異体は、米国特許第7,132,270号または米国特許第7,547,535号に開示されている、それらの野生型対照物と比較して改良された基質特異性を有するPQQ−依存性グルコース脱水素酵素の変異体である。変異体に関して、両方の文献が本明細書中に参照によって組み込まれる。さらなる変異体は、Baikら((Baik 2005, Appl Environ Microbiol 71: 3285)、Vasquez−Figueraら(Vasquez-Figuera 2007, Chem BioChem 8: 2295)、および国際公開第2005/045016号に開示されているものである。
本明細書で使用される用語「酸化還元補因子(redox cofactor)」とは、酵素的に移動された酸化還元等価物および特には水素化物(H-)のためのアクセプターとして作用し得る分子を意味する。好ましくは、酸化還元補因子は、PQQ、NADまたはFADである。本発明の組成物中に含まれるであろう酸化還元補因子が、想定される脱水素酵素の特性に依存することが理解されるであろう。例えば、PQQは本発明の組成物中で、PQQ依存性グルコース脱水素酵素と組み合わせられ、NADは、本発明の組成物中で、NAD依存性グルコース脱水素酵素と組み合わせられ、および、FADは本発明の組成物中で、FAD依存性グルコース脱水素酵素と組み合わせられる。本発明の酸化還元補因子はまた、好ましくはPQQ、NADまたはFADの誘導体であってもよい。NADの好ましい誘導体は、国際公開第2007/012494号に開示されているものであり、開示されているNAD/NADHおよび/またはNADP/NADPH誘導体に関して前記文献は参照によって本明細書中に組み込まれる。より好ましくは、本発明による酸化還元補因子は、国際公開第2007/012494号に開示されるような、カルバNADである。
エクトイン(CAS番号:96702−03−3)は、バクテリア中で天然に分泌される、C61022の分子式を有する公知の有機化合物である。これはまた、(S)−2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸とも称される。エクトインは、様々なバクテリアから、具体的にはハロモナダセアエ(Halomonadaceae)属またはファーミキューテス(Firmicutes)属であるバクテリアから、当該技術分野において公知の方法によって(国際公開公報1994/15923を参照のこと)、得られ得る。
本発明によって参照されるエクトインの「誘導体(derivative)」とは、本明細書中で参照される少なくとも一つの酵素の、溶液中および乾燥状態における酵素活性の低下を防ぐ能力のある、構造的に相関している有機分子である。好ましくは、前記酵素活性の低下は、エクトインについて見いだされているものと類似のまたは同じ様式で、および/または、類似または同じ程度で防止される。より好ましくは、エクトインの誘導体は、本発明の組成物中に存在する場合、製造および/または保管、特には、室温、または、例えば45℃もしくは50℃などのより高い温度、または、60℃に至るまでもの温度での保管のあいだに統計学的に有意な程度まで起こる酵素活性の低下を防ぐ能力を有する。好ましくは、誘導体は、本発明の組成物中に存在する場合、前記エクトイン誘導体を含まない対照組成物中に見いだされる酵素活性と比較して、組成物中の少なくとも一つの酵素活性の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%を維持する能力があるであろう。乾燥条件下での酵素活性の低下の防止は、本明細書中の他の部分で、例えば下記の実施例において記載されるように測定され得る。好ましくは、前記エクトインの誘導体は、ヒドロキシエクトイン、ホモエクトイン、ヒドロキシエクトインエステル、ヒドロキシエクトインエーテル、エクトインのスルホニル誘導体、エステル化されたエクトインのスルホニル誘導体およびエクトインのスルホニル誘導体のアミドからなる群より選択される。エクトインに関しては、ヒドロキシエクトインは様々なバクテリアから、具体的にはハロモナダセアエまたはファーミキューテス属のバクテリアから、当該技術分野において公知の方法によって(国際公開公報1994/15923を参照のこと)、得られ得る。前述の他のエクトイン誘導体は、例えば、ヒドロキシエクトインのインビトロでの化学的誘導体化などによって得られ得る。
本明細書において参照される少なくとも一つの適合溶質とは、二または三以上の適合溶質が本発明の組成物中において一緒に使用されてもよいことを意味している。好ましくは、エクトインおよびその一または二以上の誘導体が、本発明の組成物中に適用され得る。ヒドロキシエクトインは、このような意味における好ましい誘導体である。さらに、エクトインの誘導体の組合せ、例えばヒドロキシエクトインおよびホモエクトインなどもまた適用され得る。
本明細書で使用される用語「酸化還元等価物(redox equivalents)」とは、脱水素酵素の基質から酸化還元補因子へと移動される水素化物(H-)、または、酸化還元補因子から指示試薬へと移動される電子を意味する。
用語「酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤(agent capable of eliciting a change in at least one optical property of an indicator reagent in the presence of redox equivalents)」とは、酸化還元等価物の存在下、少なくとも一つの光学的特性における変化を指示試薬に誘導することのできる分子を意味する。本発明にしたがい、試剤はまた、指示試薬の二以上の光学的特性における、後に検出され得る変化を導き得ることが理解されるべきである。本明細書において参照される光学的特性とは、例えば、光の吸収もしくは放射、緩和、反射または偏光およびそれらに関連する特性などの光学的に検出され得る指示試薬の特性を意味する。本明細書で使用される、少なくとも一つの光学的特性のこのような変化とは、先には検出されなかった特性の存在の検出、先には検出されていた特性の消失、および特性の定量的変化の検出、すなわち少なくとも一つの光学的特性の変化の程度に相関するシグナル強度の変化の検出を含むことが理解されるであろう。本発明によって想定される好ましい光学的特性は、色、蛍光、燐光または屈折率測定である。本発明によって想定される試剤によって変化されるであろう光学的特性は、指示試薬の種類に依存する。検出される所望の光学的特性および組成物中で使用される試剤に依存して、当業者であれば、適切な指示試薬を、具体的には本明細書中の他の部分で参照される物質のなかから、過度の負担なく選択できるものである。
上記で参照される試剤は、好ましくは、直接的に、または間接的に、すなわちメディエーターを介して、酸化還元等価物を酸化還元補因子から指示試薬へと移動することができる。酸化還元等価物の前記移動の結果として、指示試薬は、少なくとも一つの光学的特性における変化が起きるように修飾されるであろう。例えば、酸化状態において無色または非蛍光性の指示試薬が、還元状態にある試剤によって媒介される酸化還元等価物の移動によって、着色または蛍光指示試薬へと変換されてもよい。酸化還元等価物の移動は直接的であってもよく、ここで、酸化還元等価物は試剤によって指示試薬へと移動され、または、移動は間接的であってもよい。後者の場合、酸化還元等価物は試剤から中間体メディエーターへと移動され、中間体メディエーターは続いて酸化還元等価物を指示試薬へと移動する。好ましくは、二以上のメディエーターが使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、試剤は、酸化還元等価物を第一のメディエーターへと移動させ、前記メディエーターが続いて酸化還元等価物を第二のメディエーターへと移動させ、そして、前記第二のメディエーターがその後、酸化還元等価物を指示試薬へと移動させてもよい。このようなメディエーターカスケードにおいて、三以上のメディエーターが使用され得るであろうことが理解される。酸化還元等価物の指示試薬への移動のために一または二以上のメディエーターを使用することの利点は、光学的検出のタイミングが改良され得ることである。
本発明において適用され得るメディエーターは、当該技術分野において公知であり、および、例えば、フェリシアン化カリウム、キノン誘導体、ナイルブルー(CAS番号:3625−57−8)、メルドラブルー(CAS番号:7057−57−0)、欧州特許第1457572号明細書に開示されるようなオスミウム錯体(参照によってこれらは本明細書中に組み入れられる)、または例えばヘキサミンルテニウム塩化物などの遷移金属錯体などが含まれる。
本発明の試剤であって、好ましく想定される試剤は、フェナジンである。より好ましくは、前記フェナジンは、フェナジンエトサルフェート、フェナジンメトサルフェート、1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナジニウムトリフルオロメタンスルホネートまたは1−メトキシフェナジンメトサルフェートである。このようなフェナジンは、指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くために適用され得る。検出に関する、および、どのようにこのようなフェナジンが適用されるべきであるのかに関する詳細は、欧州特許出願公開第0654079号明細書に見出すことができ、前記文献は参照によって本明細書中に組み込まれる。
また、本文脈において想定される試剤は、好ましくは、キノンである。より好ましくは、前記キノンは、フェナントレンキノン、フェナントロリンキノンまたはベンゾ[h]−キノリンキノンである。
本文脈において想定される別の試剤は、ニトロソアニリンである。より好ましくは、前記ニトロソアニリンは、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩である。
本発明によって好ましく想定される試剤としてはまた、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤であって、前記試剤は、酸化還元補因子からの指示試薬への酸化還元等価物の移動を触媒することのできる酵素である。より好ましくは、本発明の本文脈において想定される酵素は、ジアホラーゼ(EC番号 1.6.99.2)であり、好ましくは、リポアミド脱水素酵素またはNADH脱水素酵素またはそれらの酵素的に活性な変異体である。好ましいジアホラーゼとしては、ブタ心臓由来のクロストリジウム クルイベリ(Clostridium kluyverii)またはバチルス ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)由来のものが挙げられる。前記酵素の構造は、当該技術分野において公知であり、そして例えば独国特許発明第2 061 984号明細書などに記載されている。酵素的に活性な変異体は本明細書の別の部分に記載されるように提供され得る。本発明にしたがって想定される特に好ましいジアホラーゼとしては、米国特許出願公開第2007/0196899号明細書に記載されるような、改善された熱安定性および触媒機能を有するジアホラーゼであり、ここで、前記文献は、該当する開示内容に関し参照として本明細書に組み込まれる。
好ましくは、適合溶質は、乾燥条件下、組成物中の少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を低減する。より好ましくは、前記少なくとも一つの酵素は脱水素酵素である。しかしながら、より好ましくは、前記少なくとも一つの酵素はまた、脱水素酵素、および、酵素、好ましくは上記で特定されるようなジアホラーゼであって、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤として本発明の組成物中に適用される酵素の両方であってもよい。より好ましくは、酵素活性の低下は、本発明の組成物において、少なくとも一つの適合溶質によって、製造および/または室温もしくは上記で参照されるようなそれよりさらに高い温度での保管のあいだ、前記適合溶質を含まない対照組成物と比較して一つの酵素または両方の酵素の酵素活性の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%が維持されるように防がれるか、または少なくとも顕著に低減される。
本明細書で使用される用語「指示試薬(indicator reagent)」とは、酸化還元等価物の移動の結果として少なくとも一つの光学的特性における変化が起こるように修飾される分子または分子物を意味する。
本発明の組成物中に適用される好ましい指示試薬としては、ヘテロポリ酸、好ましくは、2,18−リンモリブデン酸、キノン、好ましくは、レザズリン、ジクロロフェノールインドフェノール、および/または、テトラゾリウム塩、好ましくは、市販されているWST−3、WST−4およびWST−5塩(Dojindo社、米国)が挙げられる。これらの指示試薬は、酸化還元等価物の移動に際して還元され、そして、この還元は、少なくとも一つの光学的特性および特には色における変化を伴う。
本発明にしたがって想定されるさらに好ましい指示試薬は、例えば蛍光体などであって、その蛍光が酸化還元等価物の移動にもとづき変化される蛍光体などの試薬である。適切な蛍光体としては、例えば、酸化還元補因子の関連においても本明細書中で参照されているフラビンヌクレオチドおよびニコチン−アデニン−ジヌクレオチドなどが挙げられる。例えばカルバ−NAD(carba-NAD)またはNADなどの酸化還元補因子が指示試薬として本発明の組成物中に適用された場合、本発明の組成物の成分(b)、(c)および(d)が全て同じ分子、すなわちカルバ−NADまたはNAD、で表されてもよい。したがって、成分(b)、(c)および(d)は本発明の組成物において同じ化学物質によって表され得る。さらに、欧州特許第0620283号明細書または欧州特許第0831327号明細書(その開示内容のそれぞれは本明細書中に参照によって組み込まれる)に記載されている修飾ニトロソアミンが、好ましくは、成分(c)および成分(d)として使用され得る。したがって、成分(c)および(d)は、本発明の組成物において同じ化学物質によって示されてもよい。
本明細書中において上記で参照される組成物から溶媒を除去するための手法、および特には、熱処理は、酵素活性、具体的には例えば脱水素酵素などの感応性酵素の酵素活性に影響を与えることが知られている。さらに、乾燥条件下では、例えば脱水素酵素などの酵素は、酸化プロセスに対しより感受性が上昇し、および、酵素の変性を伴うようになる(Andersson 2000, Biotechnol. Appl. Biochem 32: 145-153)。したがって、酵素的検出アッセイのための複雑な乾燥組成物の製造およびそれらの保管は、しばしば、変性、凝集または他のプロセスによる酵素の増大された不活性化を伴う。溶媒を含む環境中での酵素の再構成に際し、低下した酵素活性がしばしば観察される。有利には、本発明の根底にある研究において、本発明の複雑な乾燥組成物の製造および/または保管のあいだに起こる、前記酵素活性の低下は、本明細書において別の部分で詳細に特定される少なくとも一つの適合溶質の添加によって顕著に防がれ得ることが発見された。この発見は、エクトインおよびその誘導体が、例えば乳酸脱水素酵素などの凝集(これはまた、酵素活性の低下をもたらす)を防ぐためには不十分であることが報告されている(上記Andersson 2000文献、同頁)ことから驚くべきことである。さらに、その保存効果が、本発明の比較的複雑な、溶媒を含まない組成物中に存在する酸化還元感応性条件下ですら生じるということもまた驚くべきことである。興味深いことに、そしてまた驚くべきことに、エクトインの保存効果は、調査された脱水素酵素の溶液中では観察されなかった。具体的には、少なくとも一つの適合溶質以外の本発明の組成物の成分を有する乾燥組成物中の酵素活性は、本発明の根底となる研究において、乾燥状態において、ならびに、乾燥条件および4℃より高い温度下での保管のあいだに、低下することが発見された。具体的には、約50%の酵素活性、例えばグルコース脱水素酵素などの活性しか、45℃での3週間の保管の後には存在していないこと、および、約55%の酵素活性、例えばジアホラーゼなどの活性のみが前述の条件下で維持されることが発見された。しかしながら、エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質が組成物中に存在していた場合に、本発明の根底となる研究において、顕著により高い酵素活性が維持され得た。本発明の組成物のさらなる利点は、組成物中に適用された適合溶質が光学的検出システムを妨げないことである。具体的には、それは生成される光学的シグナルを妨げず、そして、指示試薬、酸化還元補因子または少なくとも一つの光学的変化を導くことのできる試剤の安定性または機能も妨げない。さらに、酵素的転換および転換率は、好ましくは、適合溶質によって妨げられない。
本発明の組成物の好ましい実施形態において、適合溶質は、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%または少なくとも8重量%の量で存在する。
本発明の組成物の好ましい実施形態において、前記組成物は、少なくとも一つの安定剤、界面活性剤、膨張剤、塗膜形成剤および/または固体粒子をさらに含む。本発明の組成物中で使用される、適切な安定剤、界面活性剤、膨張剤、塗膜形成剤、酸化剤および/または固体粒子は、当業者にとって公知である。
好ましくは、前記少なくとも一つの安定剤は、ポリビニルピロリドンであり、および、より具体的には、PVP K25である。
好ましくは、前記少なくとも一つの界面活性剤は、N−メチル−N−オレオイルタウリンナトリウム、N−オクタノイル−N−メチル−グルカミド、MEGA−8(N−メチル−N−オクタノイルグルカミド)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DONS)、Rhodapex(登録商標)(好ましくは、CO−433またはCO−436)からなる群より選択される。
好ましくは、前記少なくとも一つの膨張剤は、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、キサンタンガムおよびメチルビニルエーテルマレイン酸共重合体からなる群より選択される。
好ましくは、前記少なくとも一つの塗膜形成剤は、ポリプロピオン酸ビニル分散剤、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミド、ポリアミド、ポリスチレンからなる群より選択され、そして、例えばブタジエン、スチレンまたはマレイン酸エステルなどの混合重合物もまた適している。
好ましくは、前記少なくとも一つの固体粒子は、シリカ粒子、特には二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸アルミニウム、珪藻土、金属酸化物、特には酸化チタンおよび/または酸化アルミニウム、合成酸化物材料、特には、例えば二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、または酸化チタンのナノ粒子などの酸化材料のナノ粒子、カオリン、粉末ガラス、アモルファスシリカ、硫酸カルシウム、および硫酸バリウムからなる群より選択される。
本発明の組成物の特に好ましい実施形態において、前記組成物は、以下の実施例に記載の表1に挙げられている成分を含む、および、さらにより好ましくは、本質的にそれら成分からなる。
用語に関し、本明細書中上記でなされた全ての定義および説明は、以下で記載される実施形態に準用される。以下でさらになされる追加の定義および説明もまた、本明細書中に記載される全ての実施形態に準用される。
本発明は、本発明の組成物および担体を備える体液サンプルからの分析物の測定のための診断用試験エレメントに関する。
本発明の意味において用語「担体(carrier)」とは、その上に本発明の組成物が適用され得る固体の支持部材を意味する。好ましくは、組成物は担体上に固定化され得る。さらに、組成物が担体上に空間的に配置され得ることもまた想定される。担体は、指示試薬の少なくとも一つの光学的特性の変化の検出を可能にするような様式で配置されるべきであり、すなわち、それは好ましくは、少なくとも一つの光学的特性の検出を妨げるであろう組成物または空間的配置を含まない。適切な担体としては、例えばウェルプレートの形式に配置されているバイアルなどの、本発明の組成物を含むバイアルが挙げられ得る。他のアッセイとして光導波路または半導体プレートを適用してもよい。しかしながら、好ましい担体は、テストストリップとして使用されるものである。前記テストストリップは、通常、固体の担体を形成するための一または二以上の層を備える。
本発明において使用される用語「体液のサンプル(body fluid sample)」とは、測定される分析物を含んでいることが公知である、または含んでいると疑われる全ての体液を意味する。複数の診断関連の分析物を含むことが公知の好ましい体液としては、全血、血漿および血清、尿、唾液、髄液、滑液、および汗が挙げられる。より好ましくは、本発明の体液サンプルは、全血サンプルである。
本発明において使用される用語「分析物(analyte)」とは、体液サンプル中に存在する生物学的分子を意味し、その存在、非存在または量が本発明にしたがって測定されるであろう。本明細書で記載されている測定が、脱水素酵素の酵素活性にもとづいているため、前記分析物は、組成物により含まれる脱水素酵素の基質であることが理解されるであろう。例えば前述の診断用試験エレメントなどにより、本発明にしたがって測定されることが想定される好ましい分析物は、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、グルタミン酸塩、グルコース−6−リン酸塩、エタノールまたはラクトースであり、および、より好ましくは、グルコースである。
好ましくは本発明の診断用試験エレメントは、前記組成物を含む試験フィールドを備え、前記試験フィールドはその上に体液サンプルが適用されるサンプル適用面と、分析物が組成物と反応した際の光学的特性における変化を検出することを可能にする検出面と、を備える。サンプルは、サンプル適用面へと適用され、および、好ましくは、例えば血液サンプル中に存在する赤血球などの細胞は、検出面へと到達しないことが想定される。
このような試験エレメントおよびその製造に関する詳細は、欧州特許第0821234号明細書に見出だすことができ、その開示は本明細書中に参照によって組み込まれる。本発明にしたがって想定されるさらなる試験エレメントは、欧州特許第1035919号明細書または欧州特許第1035920号明細書に開示されるものであり、それぞれの開示内容は本明細書中に参照によって組み込まれる。
特には、本発明の診断用試験エレメントの試験フィールドは、好ましくは、その上に第一および第二のフィルム層がこの順番で互いに重なりあって存在するように適用される透明なホイルを備える。透明なホイル上に位置する第一の層が、上を覆う第二の層と比較して顕著により少ない光しか散乱しないことが重要である。透明なホイルのコーティングされていない面は検出面と称され、そして、その面をもって第二の層が第一の層の上に重なる面の反対側にある、第二の層の面は、サンプル適用面と称される。
本発明による診断用試験エレメントのフィルム層は、高分子塗膜形成剤の分散剤または乳濁液から製造される。分散剤である塗膜形成剤は、キャリアの液体(通常は水)に不溶であり、かつ、液体キャリア中に細かく分散されている、微視的な高分子粒子を含む。フィルム形成のあいだに液体がエバポレーションによって除去されると、粒子は接近し合い、そして微細に互いに接触し合う。このプロセスにおいて生じる大きな力およびフィルム形成を伴う表面エネルギーの増大は、粒子を実質的に閉じたフィルム層の状態にさせる。代替的に、その中の溶媒中に塗膜形成剤が溶解している塗膜形成剤の乳濁液を使用することもまた可能である。溶解されたポリマーは、溶媒とは非混和性である液体キャリア中に乳化される。ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミド、ポリアミドおよびポリスチレンが、このような塗膜形成剤のためのポリマーとして特に適している。加えて、例えばブタジエン、スチレンまたはマレイン酸エステルなどのホモポリマーが混合された重合物もまた適している。
二つのいわゆるフィルム層は、本発明による診断用試験担体の試験フィールド内の透明なホイル上に位置される。このため、液体に不浸透性であるプラスチックホイルが考慮される。ポリカーボネートホイルが特に適していることが証明された。
二つのフィルム層は、同じ高分子塗膜形成剤を含むコーティング化合物から製造されてもよく、また、異なる高分子塗膜形成剤を含むコーティング化合物から製造されてもよい。
第一の層は、膨張剤および任意には弱い光散乱フィラーを含み、一方、第二の層は、膨張剤およびいずれの場合においても光を強く散乱する少なくとも一つの色素を必要とする。加えて、第二の層はまた、無孔性フィラーおよび多孔性フィラーを含んでいてもよい。
良好に膨張する膨張剤(すなわち、水を吸い上げた場合にその容量を増大させる物質)を添加することによって、サンプル液体によって比較的迅速に浸透され得る層を得ることができるだけでなく、膨張剤のこの開口効果にもかかわらず、例えば赤血球および追加的にはまた血色素などの細胞の良好な分離特性が得られる。少なくとも一つの光学的特性の変化が、サンプル液体の層を貫通する浸透に主に依存している試験において、膨張特性は、光学的特性の変化が最長で1分後に測定可能であるほどに良好であるべきである。特に適切な膨張剤は、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、キサンタンガムおよびメチルビニルエーテルマレイン酸共重合体であることが証明された。
第二の層中の強く光を散乱する色素の量は、乾燥状態のすぐに使える状態である試験フィールドの二重層に対して少なくとも25重量%である。弱い光散乱性フィラーおよび強い光散乱性色素がフィルム層の光学的特性のために必須であるため、第一および第二のフィルム層は、異なるフィラーおよび色素を備える。
第一のフィルム層は、フィラーを全く含まないか、または、その屈折率が水の屈折率に近いフィラーを含むべきである。二酸化ケイ素、ケイ酸塩およびケイ酸アルミニウムがこのため特に適切であることが証明された。市販名Transpafill.RTM(登録商標)であるケイ酸アルミニウムナトリウムが特に好ましい。これは、66重量%のSiO2、26重量%のAl23、7重量%のNa2Oおよび1重量%のSO3である平均の組成を有する。特に好ましい主要な粒子の平均の粒子の大きさは、約0.06μmである。
本発明による第二の層は、非常に強力に光を散乱するべきである。理想的には、第二のフィルム層中の色素の屈折率は、少なくとも2.5であるべきである。これゆえ、二酸化チタンが好ましく使用される。約0.2〜0.8μmである平均の直径を有する粒子が、特に有利であることが証明された。処理が容易であるアナターゼ型の二酸化チタンがとりわけ非常に好ましい。
本発明の組成物が一つのフィルム層に、好ましくは第一のフィルム層に含まれることが可能である。しかしながら、本発明の組成物が両方のフィルム層中に存在することもまた可能である。
本発明の診断用試験担体中の試験フィールドを最適化するために、両方のフィルム層が非溶血性の湿潤剤を含んでいる場合が特に有利であることが証明された。中性の、すなわち帯電していない湿潤剤がこのために特に好ましい。N−オクタノイル−N−メチル−グルカミドが最も特に好ましい。
本発明の診断用試験エレメントの試験フィールドを製造するために、それぞれのフィルム層は、前記成分の均一な分散から成功裏にそれぞれ製造される。このため、透明なホイルが第一のフィルム層のためのコーティング化合物を形成するためのベースとして使用される。第一のフィルム層のためのコーティング化合物が特定の層厚で適用された後、層は乾燥される。その後第二の層のためのコーティング化合物が、同様に薄い層厚でこの層へ適用され、そして乾燥される。乾燥後、第一および第二のフィルム層の厚みは、あわせて0.20mm以下、好ましくは0.12mm以下、特に好ましくは0.08mm以下であるべきである。
この方法によって製造される試験フィールドは、より良好な取扱いのために支持層上に備え付けられてもよく、そのような層のための材料としては、試験される液体を取り込まない材料が考慮に入れられ得る。これらは、いわゆる非吸収性材料であり、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリアミドで作られているプラスチックホイルが特に好ましい。金属ホイルまたはガラスが、さらなる支持材料として適切である。
本発明の試験エレメントの好ましい実施形態において、指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を観察し、および測定するためのものである試験フィールドの検出面は、体液サンプル中の検出される分析物を測定するために支持層を通して見ることができなければならない。これは、透明な支持層によって達成され得る。しかしながら、支持層が試験フィールドの検出面によって覆われている穿孔を有することも可能である。これにより検出面を穿孔を通して見ることができる。好ましくは本発明の診断用試験エレメントにおいて、試験フィールドの検出面の下の支持層中に、それを通して試験フィールドの検出面が観察され得る孔が存在する。孔は、試験フィールドの最も小さな線寸法よりも多少小さい直径を有し、これにより孔の外側の試験フィールドが支持層上に広がっており、そして、そこで取り付けられることが可能である。
本発明はさらに、固体の担体上に本発明の組成物を作製するための工程を含む、診断用試験エレメントを製造するための方法に関する。
本発明の前記方法の好ましい実施形態において、前記作製は、以下の工程
(i)本発明の組成物の成分(a)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を担体上の試験フィールドへと適用する工程、および
(ii)前記溶媒を組成物から除去する工程
または、
(i)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(c)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
または
(i)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
または
(i)本発明の組成物の成分(a)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
または
(i)本発明の組成物の成分(c)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
または
(i)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
または
(i)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
(ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
(iii)本発明の組成物の成分(a)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
(iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程、
を含む。
好ましくは、組成物は、試験フィールド中の検出層へと適用される。検出層は、特には、少なくとも一つのウェットケミカルプロセスによって、より具体的には一または二以上の分散剤、好ましくは本発明の組成物の水性分散剤から生成され得る。一または二以上の分散剤からのこのような層形成プロセスは、原則的に当該技術分野における当業者に公知であり、および、例えば、前述の先行技術文献、より特には欧州特許第0821234号明細書などが例として参照され得る。
溶媒は、試験エレメントの試験フィールドへの前記組成物の適用後、溶媒を除去するための公知の全ての技術、例えば、熱処理、エバポレーションまたは凍結乾燥などによって、組成物から除去され得る。好ましくは、工程(b)における前記溶媒は、実質的に熱処理によって除去される。
また好ましくは、前記適合溶質は、組成物中、ならびに、特には、工程(b)における例えば熱処理などで達成される実質的な溶媒の除去のあいだおよび試験エレメント上での乾燥条件下での組成物の維持のあいだ、少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を低減する。
本発明はまた、原則的に、乾燥条件下、組成物中の少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を防ぐための、エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質の使用を意図しており、ここで、前記組成物は、脱水素酵素、酸化還元補因子、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤、および指示試薬を含む。
好ましくは、乾燥条件下の組成物中の前記少なくとも一つの適合溶質は、診断用試験エレメント、好ましくは上記で詳細に特定されているような診断用試験エレメント中に含まれる。
本発明はまた、以下の工程:
(a)本発明の診断用試験エレメントを、少なくとも一つの酵素を再構成状態へと転換するために適切な条件下で、分析物を含むことが予想される体液と接触させる工程、
(b)診断用試験エレメント上で再構成状態にある少なくとも一つの酵素を含む湿潤組成物中の指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を測定し、それによって体液サンプル中の分析物の存在または量が決定される工程
を含む、体液サンプル中の分析物の存在または量を測定するための方法に関する。
本明細書中の他の部分に既に示されているように、診断用試験エレメント上の組成物中で使用される脱水素酵素の基質特異性に依存して、種々の分析物が本発明の方法によって測定され得る。
本明細書において使用される接触とは、体液サンプルが、担体によって含まれる本発明の組成物と体液サンプルとの物理的接触を可能にするような方法で担体へと適用されることを意味する。特には、接触は、脱水素酵素が再構成される、すなわち、湿潤され、および溶解され、そしてこれにより生物学的に活性となることを可能にするために充分である時間のあいだおよび条件のもとで行われる。適切な条件は、診断用担体に依存し、および、当該技術分野において公知である。試験エレメントへと適用される体液サンプルは、好ましくは、2マイクロリットル未満、より特には、1マイクロリットル未満の体積を有する。
前記生物学的に活性な脱水素酵素の再構成にあたり、酵素はその基質、すなわち体液サンプル中に含まれている分析物に結合し、そして、それを各生成物および酸化還元等価物へと転換する。脱水素酵素によって触媒される酵素的転換によって生成された酸化還元等価物は、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる、組成物中に含まれる試剤によって、指示試薬へと移動されるため、脱水素酵素によって生成される酸化還元等価物は、脱水素酵素活性の測定を可能にする。指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化がその後測定され得る。診断用試験エレメントに依存して、光学的特性の変化の測定は、本明細書中において別の部分でより詳細に記載されている種々の技術によって為され得る。例えば色などの光学的特性の変化を検出するため、空間分解光学検出器が使用されてもよい。空間分解光学検出器とは、検出層の検出面の領域を記録することのできる、完全に合致しているわけではない複数の光学的センサーを備える光学的検出器を意味するものと理解されるべきである。より具体的には、空間分解光学検出器は、少なくとも一つのイメージセンサー、即ち、一次元であってもまたは二次元であってさえもよい光学的検出器のアレイを含み得る。したがって、より具体的には、光学的検出器は、CCDチップおよび/またはCMOSチップを備えていてもよい。加えて、空間分解光学的検出器は、検出面および/または検出層を、空間分解光学的検出器のイメージ感知面上へとイメージングするための少なくとも一つの光学エレメントを含み得る。
上記の方法によって測定される少なくとも一つの光学的特性における変化は、分析物の存在を示すものである。当業者であれば、分析物の量を測定するために、光学的特性の変化の程度を比較することが必要であるかもしれないことを理解するであろう。この結果、さらに、光学的変化を伴う検出シグナルを公知の量の分析物によって引き起こされる光学的変化を伴うシグナル、すなわち較正シグナルと比較する必要があるかもしれない。このような較正をどのように規定するかは当業者にとって広く公知である。
本明細書において使用される用語「量(amount)」とは、診断用試験エレメントへと適用されるサンプル中に存在する分析物の絶対的または相対的な量を意味する。本発明における好ましい相対的な量とは、濃度、すなわち、体積に関連する量である。
本明細書中において参照される全ての参考文献は、その全ての開示内容および上記で参照された特定の開示内容に関し、ここで参照によって本明細書に組み込まれる。
活性の平均値が、安定剤(適合溶質)の量と比較して示されている。安定剤なしの試験エレメントにおいて測定された活性が差し引きされた。 エクトインおよびヒドロキシエクトインの、グルコース脱水素酵素およびジアホラーゼに対する安定化効果のグラフ図である。 酵素活性に関する指標としての測定グルコースレベルに対する保管温度のグラフ図である。安定剤無しの場合。 酵素活性に関する指標としての測定グルコースレベルに対する保管温度のグラフ図である。エクトイン、1g/100gの組成物の場合。 酵素活性に関する指標としての測定グルコースレベルに対する保管温度のグラフ図である。ヒドロキシエクトイン、1g/100gの組成物の場合。 コーティング組成物中で使用される種々の緩衝液の影響を示す図である。PO4緩衝液 pH6.8、安定剤無し、45日後、45℃〜4℃。 コーティング組成物中で使用される種々の緩衝液の影響を示す図である。PO4緩衝液 pH6.8、100gRFあたりエクトイン2g、45日後、45℃〜4℃。 コーティング組成物中で使用される種々の緩衝液の影響を示す図である。HEPES pH7.1、安定剤無し、45日後、45℃〜4℃。 コーティング組成物中で使用される種々の緩衝液の影響を示す図である。HEPES pH7.1、100gRFあたりエクトイン2g、45日後、45℃〜4℃。 Gluc−DORおよびGluc−DOR 31突然変異体に対するエクトインの安定化効果は、45℃で3週間後にすでに観察可能である。
実施例1 テストストリップの作製
グルコースレベルを測定するための4つの異なる反応フィルムが作製され、そして、欧州特許第0821234号明細書 実施例1に本質的に記載されているホイル上にコーティングされた。組成物の処方は、以下の表1に示されている。
Figure 0006022609
pHが6.8に調整され、そして、組成物が、ポリカーボネートホイル(125μm)上にフィルム(約120μm)としてコーティングされた。コーティングされた組成物は、その後、50℃で乾燥された。
第二のコーティングが、ホイル上の第一のコーティングへ、以下のように適用された。
Figure 0006022609
pHが6.8に調整され、そして、組成物が、ホイル上にコーティングされた第一のフィルム上に、第二のフィルム(約25μm)としてコーティングされた。コーティングされた組成物は、その後、50℃で乾燥された。グルコース測定のためのテストストリップが、欧州特許第0821234号明細書、段落[0063]〜[0067]に記載されているように作製された。
実施例2
試験エレメントは、乾燥剤の存在下、45℃で6週間のあいだプラスチックバイアル中で保管された。続く工程において、試験エレメントの試験フィールドが、溶出緩衝液を用いて超音波処理によって溶出された。上澄み中で、酵素活性が測定された。
Figure 0006022609
結果は図1に示される。図は、100gのコーティング組成物あたり0.3gより多いエクトインの濃度において、顕著な安定化効果(10%より大きい)があることを示している。同様の効果が、図2に示されるように、ヒドロキシエクトインにおいても観察され得る。さらに、図は、脱水素酵素と同様にジアホラーゼもまた安定化されることを示している。
実施例3
試験エレメントは、乾燥剤の存在下、4℃(KS)、24℃(RT)、35℃(DT)および45℃(HT)で63日間のあいだプラスチックバイアル中で保管された。試験エレメントは、複数の静脈血サンプルの血糖レベルを測定するために使用された。サンプルは、並行して参照方法(Hitachi)とともに測定された。結果は、KSで保管された試験エレメントに対して正規化された。
図3には、保管温度とともに、酵素活性のための指標としての、測定されたグルコースレベルが示されている。エクトインおよびヒドロキシエクトインが安定剤として作用し、および、酵素活性を保持していることが明らかである。
実施例4 種々の緩衝液を用いた試験エレメントにおける酵素活性の測定
試験エレメントは、本質的に実施例3で記載されているように保管され、および、処理された。種々の緩衝液、すなわち、リン酸緩衝液 pH6.8、安定剤なし、リン酸緩衝液 pH6.8、第一のコーティングフィルム100gあたり2gのエクトイン、HEPES緩衝液 pH7.1、安定剤なし、および、HEPES緩衝液 pH7.1、第一のコーティングフィルム100gあたり2gのエクトイン、が図4に示されているように、コーティング組成物中に使用された。図より明らかなように、エクトインの安定化能は緩衝液系とは無関係に観察された。
実施例5 溶液中におけるグルコース脱水素酵素突然変異体2の酵素活性の測定およびエクトインまたはヒドロキシエクトイン依存性
国際公開公報2011/020856号に記載されているグルコース脱水素酵素突然変異体2を含む溶液の一定分量が、表4に示されるように、種々の量のエクトインまたはヒドロキシエクトインと合わせられた。
Figure 0006022609
一定分量は種々の保管条件下(8日間、4℃;8日間、35℃;4日間、4℃の後4日間、45℃)で保管され、そして酵素活性が保管後に測定された。結果は表5に示されている。溶液中ではエクトインまたはヒドロキシエクトインいずれの安定化効果も見出され得なかった。
Figure 0006022609
実施例6 Gluc−DOR(=PQQ依存性グルコース脱水素酵素)を用いた試験エレメントの評価
Gluc−DORおよびその変異体(Gluc−DOR 31)を用いた試験エレメントが、上の実施例1に記載されるように作製された。試験エレメントは、上の実施例2に記載されるように分析された。酵素活性の測定は、欧州特許第0620283号明細書に記載されるようにニトロソアニリンを用いて行われた。図5より明らかなように、安定化効果は、45℃で3週間後にすでに観察可能である。

Claims (19)

  1. 以下の成分
    (a)脱水素酵素、
    (b)酸化還元補因子、
    (c)酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤、
    (d)指示試薬、および
    (e)エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質
    を含む乾燥組成物であって、前記脱水素酵素がグルコース脱水素酵素であり、および、前記エクトインの誘導体が、ヒドロキシエクトイン、ホモエクトイン、ヒドロキシエクトインエステル、ヒドロキシエクトインエーテル、エクトインのスルホニル誘導体またはエステル化されたエクトインのスルホニル誘導体およびエクトインのスルホニル誘導体のアミドからなる群より選択される組成物。
  2. 前記グルコース脱水素酵素が、グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.1.47)、キノプロテイングルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.5.2)、グルコース−6−リン酸脱水素酵素(EC番号 1.1.1.49)、ニコチンアミド−アデニン−ジヌクレオチド(NAD)−依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.1.119)およびフラビン−アデニン−ジヌクレオチド(FAD)−依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.99.10)、または、それらの酵素的に活性な変異体からなる群より選択される請求項1記載の組成物。
  3. 前記キノプロテイングルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.5.2)が、ピロロキノリンキノン(PQQ)依存性グルコース脱水素酵素(EC番号 1.1.5.2)である請求項2記載の組成物。
  4. 前記酸化還元等価物の存在下で少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤が、前記酸化還元等価物を前記酸化還元補因子から前記指示試薬へと移動させる能力を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記試剤が、
    (i)ジアホラーゼ
    (ii)フェナジン
    (iii)ニトロソアニリン、または
    (iv)キノ
    である請求項記載の組成物。
  6. 前記ジアホラーゼが、リポアミド脱水素酵素またはNADH脱水素酵素である請求項5記載の組成物。
  7. 前記フェナジンが、フェナジンエトサルフェート、フェナジンメトサルフェート、1−(3−カルボキシプロポキシ)−5−エチルフェナジニウムトリフルオロメタンスルホネートまたは1−メトキシフェナジンメトサルフェートである請求項5記載の組成物。
  8. 前記ニトロソアニリンが、[(4−ニトロソフェニル)イミノ]ジメタノール塩酸塩である請求項5記載の組成物。
  9. 前記キノンが、フェナントレンキノン、フェナントロリンキノンまたはベンゾ[h]−キノリンキノンである請求項5記載の組成物。
  10. 前記酸化還元補因子が、カルバ−NAD、NAD、FADおよびPQQからなる群より選択される請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を担体上に含む、体液サンプルからの分析物の測定のための診断用試験エレメント。
  12. 前記担体が、前記組成物を含む試験フィールドを備え、前記試験フィールドはその上に前記体液サンプルが適用されるサンプル適用面と、前記分析物が前記組成物と反応した際の前記試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を検出することを可能にする検出面と、を備える請求項11記載の試験エレメント。
  13. 固体の担体上に請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を作製するための工程を含む、診断用試験エレメントを製造するための方法。
  14. 前記作製が、以下の工程
    (i)本発明の組成物の成分(a)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を担体上の試験フィールドへと適用する工程、および
    (ii)前記溶媒を組成物から除去する工程
    または、
    (i)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(c)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
    または
    (i)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
    または
    (i)本発明の組成物の成分(a)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
    または
    (i)本発明の組成物の成分(c)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
    または
    (i)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(a)、(b)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程
    または
    (i)本発明の組成物の成分(b)〜(e)および溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層中の担体上の試験フィールドへと適用する工程、
    (ii)前記溶媒を第一の層の組成物から除去する工程、
    (iii)本発明の組成物の成分(a)、(d)および(e)ならびに溶媒を含む組成物(すなわち、乾燥状態ではなく溶解された状態にある成分を含む組成物)を第一の層上の第二の層中に適用する工程、および
    (iv)前記溶媒を第二の層の組成物から除去する工程、
    を含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記適合溶質が、乾燥条件下、組成物中の少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を低減する請求項13または14記載の方法。
  16. 乾燥条件下、組成物中の少なくとも一つの酵素の酵素活性の低下を低減するための、エクトインまたはその誘導体である少なくとも一つの適合溶質の使用であって、前記組成物が、脱水素酵素、酸化還元補因子、酸化還元等価物の存在下で指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を導くことのできる試剤、および指示試薬を含み、前記エクトインの誘導体が、ヒドロキシエクトイン、ホモエクトイン、ヒドロキシエクトインエステル、ヒドロキシエクトインエーテル、エクトインのスルホニル誘導体またはエステル化されたエクトインのスルホニル誘導体およびエクトインのスルホニル誘導体のアミドからなる群より選択され、および、前記脱水素酵素がグルコース脱水素酵素である使用。
  17. 乾燥条件下の前記組成物中の前記少なくとも一つの適合溶質が、診断用試験エレメント中に含まれる請求項16記載の使用。
  18. 前記診断用試験エレメントが、請求項11または12記載の診断用試験エレメントである請求項17記載の使用。
  19. 以下の工程:
    (a)請求項11または12記載の診断用試験エレメントを、少なくとも一つの酵素を再構成状態へと転換するために適切な条件下で、分析物を含むことが予想される体液と接触させる工程、
    (b)前記診断用試験エレメント上で再構成状態にある少なくとも一つの酵素を含む湿潤組成物中の指示試薬の少なくとも一つの光学的特性における変化を測定し、それによって体液サンプル中の前記分析物の存在または量が決定される工程
    を含む、体液サンプル中の分析物の存在または量を測定するための方法。
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