まず、第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の説明図である。尚、図1は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の要部外観模式図であって、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C),(D)は側面図である。図2は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例の要部断面模式図であって、(A)は図1(D)のL1−L1断面図、(B)は図1(D)のL2−L2断面図である。
図1に示す半導体装置100は、三次元積層チップ(積層体)10、及び三次元積層チップ10の側面10a,10b,10c,10d(10a〜10d)を被覆するアライメントチップ(被覆部材)20を有している。
三次元積層チップ10は、図2に示すように、各々半導体素子を含み半導体素子の動作によって発熱する複数の基板(発熱基板)11と、各々冷媒が流通される冷媒通路(溝)12aが設けられた複数の基板(冷却基板)12とが、積層された構造を有している。尚、図2には一例として、平面サイズの異なる発熱基板11と冷却基板12とを、交互に積層した三次元積層チップ10を例示している。
発熱基板11には、トランジスタ等の半導体素子を含んだ単体の半導体チップを用いることができる。このほか、そのような半導体チップを複数、樹脂等の所定の層内に埋設した擬似SOC(System On Chip)等と称される基板を、発熱基板11に用いることもできる。発熱基板11は、それに含まれる半導体素子の動作に伴い発熱する。
冷却基板12の冷媒通路12aは、積層される発熱基板11に対応する領域に、三次元積層チップ10の一の側面10aからその側面10aと対向する側面10cまで(図1(A)のY方向に)延在するように設けられている。冷却基板12には、冷媒通路12aとして、例えば、複数本のマイクロチャネルを設けることができる。その場合、冷却基板12は、マイクロチャネル基板、マイクロチャネル層等とも称される。
尚、図2には、冷却基板12に複数本の冷媒通路12aを設けた場合を例示したが、冷媒通路12aの本数は図2の例に限定されるものではない。また、冷媒通路12aのサイズ(幅)は、積層される発熱基板11に対応する領域内において任意に設定することができ、例えば、幅広の1本の冷媒通路12aを冷却基板12に設けることもできる。
また、図2には、冷却基板12を発熱基板11と交互に積層した場合を例示したが、発熱基板11の層(段)数、冷却基板12の層(段)数及び配置は、図2の形態に限定されるものではない。例えば、三次元積層チップ10内のある一対の発熱基板11間に複数層の冷却基板12が設けられるような形態を採用することもできる。
冷却基板12には、例えば、図2に示すように、その上下に積層される発熱基板11の間(或いは三次元積層チップ10の形態によっては発熱基板11と別の冷却基板12の間)を電気的に接続する貫通ビア等の導電部12bが設けられる。導電部12bは、冷媒通路12aを避けて、冷却基板12に設けられる(或いは、導電部12bを避けて、冷媒通路12aが設けられる)。また、ここでは図示を省略するが、発熱基板11にも同様に、貫通ビア等の導電部が設けられていてもよい。
冷却基板12は、発熱基板11に用いられる材料と近い熱膨張係数を有する材料を用いて形成されることが望ましい。例えば、発熱基板11がシリコン等の半導体材料を用いて形成された半導体チップである場合には、冷却基板12をシリコン等の半導体材料を用いて形成することができる。半導体装置100の動作時に発熱基板11が発熱すると、発熱基板11とそれに積層される冷却基板12との熱膨張係数差が大きい場合ほど、発熱基板11と冷却基板12との接続部に大きな応力がかかるようになる。冷却基板12に、発熱基板11に用いられる材料と熱膨張係数が近い材料を用いることで、発熱基板11の発熱に伴ってそれらの接続部にかかる応力を低減することができるようになる。尚、冷却基板12に用いる材料は、発熱基板11に用いる材料と熱膨張係数が近い材料であれは、必ずしも同じ材料であることを要しない。
上記のような構成を有する三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、図1及び図2に示すように、アライメントチップ20が設けられている。
ここではアライメントチップ20として、2つのL字型のアライメントチップ(被覆部)21及びアライメントチップ(被覆部)22が組み合わされて用いられている。一方のL字型のアライメントチップ21は、三次元積層チップ10の隣接する側面10aと側面10bのコーナー部10sを被覆し、そのコーナー部10sから側面10a及び側面10bとを被覆するように設けられている。もう一方のL字型のアライメントチップ22は、三次元積層チップ10の隣接する側面10cと側面10dのコーナー部10tを被覆し、そのコーナー部10tから側面10c及び側面10dとを被覆するように設けられている。
このように三次元積層チップ10の側面10a〜10dに設けられる2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22は、互いの端部同士が接合される。即ち、アライメントチップ21の、側面10aと接合される部分21Aの側端面21Aaが、アライメントチップ22の、側面10dと接合される部分22Aの端部22Aaに接合される。アライメントチップ22の、側面10cと接合される部分22Bの側端面22Baが、アライメントチップ21の、側面10bと接合される部分21Bの端部21Baに接合される。
このように、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22が組み合わされ、それらによって三次元積層チップ10の側面10a〜10dが被覆されている。
発熱基板11と冷却基板12に、平面サイズの異なるものを用いている場合、それらが積層された三次元積層チップ10の側面10a〜10dには、段差13ができる。図2の例では、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、発熱基板11の側面が凹部13aとなって現れ、より大きな平面サイズである冷却基板12の側面が凸部13bとなって現れている。アライメントチップ21は、三次元積層チップ10の側面10a及び側面10bと対向する内面に、側面10a及び側面10bに存在する段差13の凹部13aと凸部13bにそれぞれ対応した凸部21aと凹部21b(段差)が設けられている。もう一方のアライメントチップ22も同様に、三次元積層チップ10の側面10c及び側面10dと対向する内面に、側面10c及び側面10dに存在する段差13の凹部13aと凸部13bにそれぞれ対応した凸部22aと凹部22b(段差)が設けられている。
このように、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22は、被覆する三次元積層チップ10の側面10a〜10dの形状に合わせて、側面10a〜10dにフィットするような内面形状とされている。
尚、このような内面形状を有するL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22の形成方法については後述する。
上記のような2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに接合し、三次元積層チップ10の側面10a〜10dをアライメントチップ21及びアライメントチップ22で被覆する。アライメントチップ21及びアライメントチップ22と三次元積層チップ10の接合法は、特に限定されないが、発熱基板11及び冷却基板12の耐熱温度に制限されるため、できるだけ低温で行うことのできる接合法を用いることが望ましい。例えば、表面活性化接合法、常温接合法、原子拡散接合法等は、比較的低温で強固な接合を得ることのできる有効な方法である。その他の接合法としては、接合する面に設けたシリコン酸化膜を親水化加工し、その水酸基を使って接合する酸化膜接合法、金属原子の拡散を利用する金属接合法等がある。更に、BCB(ベンゾシクロブテン)等の樹脂材料を中間層(接合層)に用いて接合する接合法を用いることもできる。
三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を接合することにより、三次元積層チップ10の周囲をアライメントチップ21及びアライメントチップ22によって固定する。これにより、三次元積層チップ10の動作時に発熱基板11が発熱した場合でも、発熱基板11の反り等の変形が抑制されるようになる。
例えば、このようなアライメントチップ21及びアライメントチップ22を設けていない場合、三次元積層チップ10には、その動作時に発熱基板11が発熱した際、熱膨張により、図3に示すような発熱基板11の反り等の変形が生じてしまう場合がある。発熱基板11の変形は、三次元積層チップ10の最上層の発熱基板11で発生し易く、特にそのエッジ部で変形量が大きくなり易い。このような変形によって、発熱基板11と冷却基板12の接続部が破損する等、三次元積層チップ10の接続信頼性が損なわれてしまう恐れがある。図1及び図2に示すように、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22で三次元積層チップ10の側面10a〜10dを被覆し、その周囲(エッジ部)を固定することで、発熱基板11の反りを効果的に抑制することができる。
更に、三次元積層チップ10にアライメントチップ21及びアライメントチップ22を設けていない場合には、発熱基板11と冷却基板12の接続部が、冷却基板12の冷媒通路12aを流通される冷媒の圧力に耐えきれず、破損してしまう恐れもある。アライメントチップ21及びアライメントチップ22で三次元積層チップ10の周囲(エッジ部)を固定することで、このような冷媒圧力による接続部の破損も効果的に抑制することができる。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22は、三次元積層チップ10と同じか若しくは近い熱膨張係数、或いは三次元積層チップ10よりも小さい熱膨張係数を有する材料を用いて形成されることが望ましい。例えば、発熱基板11がシリコン等の半導体材料を用いて形成された半導体チップであり、冷却基板12がシリコン等の半導体材料を用いて形成されている場合には、アライメントチップ20をシリコン等の半導体材料を用いて形成することができる。このようなアライメントチップ20を三次元積層チップ10の周囲に設けることにより、三次元積層チップ10の動作時に発熱基板11が発熱した場合でも、その発熱に起因した各発熱基板11の変形を効果的に抑制することができる。三次元積層チップ10に含まれる発熱基板11毎に発熱量が異なるような場合、即ち発熱によって生じる応力が発熱基板11毎に異なるような場合でも、各発熱基板11の変形を効果的に抑制することができる。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22には、三次元積層チップ10の冷却基板12の冷媒通路12aに連通する貫通孔23が設けられている。この例では、アライメントチップ21の、三次元積層チップ10の側面10aと対向する部分21A、及びアライメントチップ22の、三次元積層チップ10の側面10cと対向する部分22Bに、それぞれ貫通孔23が設けられている。各貫通孔23は、三次元積層チップ10の冷却基板12の各冷媒通路12aに対応して、設けられている。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22の外面側に設けられた凹部21d及び凹部22dにはそれぞれ、後述のように、冷媒の供給用と排出用の配管が接合され得る。その場合、三次元積層チップ10の冷媒通路12aには、一方の配管からアライメントチップ20の一方(例えばアライメントチップ21)の貫通孔23を通じて冷媒が供給される。冷媒通路12aに供給された冷媒は、冷媒通路12a内を流れ、アライメントチップ20のもう一方(例えばアライメントチップ22)の貫通孔23を通じて他方の配管に排出される。
冷媒通路12aを流通させる冷媒には、液体又は気体の冷媒を用いることができる。液体の冷媒としては、例えば、水を利用することができ、より熱伝導率を高めるためのフィラーを水に分散させたものを用いることもできる。気体の冷媒としては、例えば、空気を利用することができる。
続いて、上記のような半導体装置100の製造方法について説明する。
図4及び図5は第1の実施の形態に係る半導体装置製造方法の一例の説明図である。尚、図4(A)はアライメントチップ接合工程の一例の要部平面模式図、図4(B)はアライメントチップ接合配設工程の一例の要部側面模式図である。図5(A)はアライメントチップ接合後の状態の一例の要部平面模式図、図5(B)はアライメントチップ接合後の状態の一例の要部側面模式図である。
図4には、回路基板210上に実装された三次元積層チップ10の側面10a〜10dにアライメントチップ21及びアライメントチップ22(アライメントチップ20)を設ける場合を例示している。
まず、回路基板210上に、三次元積層チップ10が実装される。三次元積層チップ10は、半田ボール等のバンプ110を介して、回路基板210に実装され、電気的に接続される(フリップチップ接続)。
このようにして回路基板210上に実装された三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22が接合される。尚、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の内部には、側面10aから側面10cに達する上記冷媒通路12aが設けられている。また、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の側面10a〜10dには、発熱基板11と冷却基板12のサイズに応じた上記段差13が存在している。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22は、予め、L字型の外形で形成され、三次元積層チップ10に接合される内面が、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに存在する段差13に対応する形状となるように形成される。図4及び図5に示すように、アライメントチップ21は、三次元積層チップ10のコーナー部10sと側面10a及び側面10bとに跨って接合され、アライメントチップ22は、三次元積層チップ10のコーナー部10tと側面10c及び側面10dとに跨って接合される。このとき、アライメントチップ21の側端面21Aaとアライメントチップ22の端部22Aaとが接合され、アライメントチップ22の側端面22Baとアライメントチップ21の端部21Baとが接合される。
三次元積層チップ10とアライメントチップ21及びアライメントチップ22との接合の際は、各々の側面に存在する、対応する段差(図2の凹部13a及び凸部13bと、凸部21a,22a及び凹部21b,22b)を利用して、アライメントを行うことができる。そのため、三次元積層チップ10とアライメントチップ21及びアライメントチップ22とのアライメントを容易に行うことができ、大掛かりなアライメント作業、アライメント装置は不要である。
尚、ここでは図示を省略するが、このアライメントチップ21及びアライメントチップ22の接合により、側面10aと対向する部分21A及び側面10cと対向する部分22Bに設けられた上記貫通孔23が、三次元積層チップ10の冷媒通路12aと連通する。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22の三次元積層チップ10への接合は、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等の中間層(接合層)24を用いて行うことができる。この場合は、まずアライメントチップ21及びアライメントチップ22の、三次元積層チップ10と接合する面に、PDMSを設ける。そして、そのPDMSにエキシマー光を照射して表面を活性化させた後、アライメントチップ21及びアライメントチップ22を三次元積層チップ10に圧接して接合する。
PDMS等の中間層24の材料は、アライメントチップ21及びアライメントチップ22に、スプレーコート、ディップコート等の方法を用いて塗布することで、設けることができる。PDMS等の中間層24は、三次元積層チップ10とアライメントチップ21及びアライメントチップ22とを接合する役割のほか、それらの接合部にかかる応力を緩和する役割を果たす。このような接合及び応力緩和の観点から、PDMS等の中間層24の厚さは10μm程度とすることが望ましい。
尚、ここではPDMS等の中間層24を用いた接合法を例示したが、三次元積層チップ10とアライメントチップ21及びアライメントチップ22との接合強度が保て、三次元積層チップ10の耐熱温度以下で行えるものであれば、他の接合法を用いてもよい。
このように、アライメントチップ21及びアライメントチップ22は、L字型で、三次元積層チップ10の側面10a〜10d及びコーナー部10s,10tに対応する内面形状を有している。そのため、三次元積層チップ10への接合の際、その側面10a〜10d及びコーナー部10s,10tの適正な位置にアライメントチップ21及びアライメントチップ22を容易に位置合わせし、接合することができる。
また、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を用いると、三次元積層チップ10の4つの側面10a〜10dに各々4つのアライメントチップを用いる場合に比べ、アライメントチップ同士の接合部(継ぎ目)を減らすことができる。更に、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を用いることで、4つのアライメントチップを用いる場合に比べて、三次元積層チップ10との位置ずれを抑制することができる。
例えば、三次元積層チップ10の4つの側面10a〜10dに各々4つのアライメントチップを用いる場合には、それら4つのアライメントチップにそれぞれ位置ずれ(三次元積層チップ10の側面10a〜10dに沿った位置ずれ等)が発生し得る。アライメントチップに位置ずれが生じると、アライメントチップ間(継ぎ目)に隙間ができ、そこから冷媒がリークしてしまう恐れがある。これに対し、上記のような2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を用いると、継ぎ目が減り、且つ、位置ずれが生じ難いため、冷媒のリークに対する信頼性を向上させることができる。
図4に示すような方法により、図5に示すような、三次元積層チップ10の側面10a〜10dが2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22で被覆された半導体装置100が得られる。また、この例では、回路基板210上にそのような半導体装置100が搭載された電子装置200が得られる。
上記のようにしてアライメントチップ21及びアライメントチップ22を三次元積層チップ10に接合した後、アライメントチップ21及びアライメントチップ22には、それぞれ配管を接合することができる。
図6及び図7は第1の実施の形態に係る配管接合工程の一例の説明図である。尚、図6(A)は配管接合工程の一例の要部平面模式図、図6(B)は配管接合工程の一例の要部側面模式図である。図7は図6(A)のL3−L3断面模式図である。
三次元積層チップ10の側面10a〜10dを被覆するアライメントチップ21及びアライメントチップ22に、それぞれ配管220(配管221及び配管222)が接合される。一方の配管221は、アライメントチップ21の、冷媒通路12aに連通する貫通孔23が設けられている面側(部分21A)に、接合される。もう一方の配管222は、アライメントチップ22の、冷媒通路12aに連通する貫通孔23が設けられている面側(部分22B)に、接合される。
アライメントチップ21には、図7に示すように、配管221との接合時にその位置合わせを行うための凹凸等の構造部21cを設けておくことができる。同様にアライメントチップ22には、図7に示すように、配管222との接合時にその位置合わせを行うための凹凸等の構造部22cを設けておくことができる。その場合、配管221及び配管222は、構造部21c及び構造部22cの形状に対応した先端部形状とされる。このような構造部21c及び構造部22cを利用することで、配管221及び配管222を適正な位置に容易に位置合わせし、接合することができる。
配管221及び配管222の接合法は、特に限定されない。例えば、配管221及び配管222の先端部をシリコンで作製し、その表面(アライメントチップ21及びアライメントチップ22との接合面)に、中間層(接合層)223として、PDMSを厚さ10μmで塗布する。そして、このようにしてPDMSを塗布した配管221及び配管222のシリコンの先端部に、エキシマー光を照射して表面活性化を行った後、それらの先端部をそれぞれアライメントチップ21及びアライメントチップ22に圧接する。このように中間層223にPDMSを用いる接合法によれば、PDMSがパッキンの役割を果たし、且つ、強固な接着が行えるため、信頼性の高い配管221及び配管222の接合を実現することができる。
このほか、配管221及び配管222の接合には、バネを用いる治具で配管221及び配管222を固定して接合する接合法、表面活性化接合法、常温接合法、樹脂や金属等を中間層に用いた接合法等を利用することもできる。
これらの接合法によって配管221及び配管222を、それぞれアライメントチップ21及びアライメントチップ22の所定の部分に接合することにより、それらの接合部からの冷媒の漏れ等を効果的に抑制することができる。
図6及び図7に示したような方法により、回路基板210上に搭載された半導体装置100のアライメントチップ21及びアライメントチップ22にそれぞれ配管221及び配管222が接合された電子装置200aが得られる。
続いて、アライメントチップ21及びアライメントチップ22(アライメントチップ20)の形成方法について説明する。
上記のようなL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22は、以下に例示するような方法で形成することができる。
アライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成する基板としては、例えば三次元積層チップ10に接合することを考慮して、その熱膨張係数に近い材料の基板を用いることが望ましい。ここでは一例として、厚さ500μmのシリコン基板を使用する。尚、シリコン基板の厚みは、目的のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成できる厚みがあれば、特に限定されない。ここで例示するアライメントチップ21及びアライメントチップ22の形成方法では、後述のように、両面にフォトレジスト等のパターン形成、エッチングを行うため、両面共に鏡面加工を施したシリコン基板を用いることが好ましい。
図8〜図11は第1の実施の形態に係るアライメントチップ形成方法の一例の説明図である。尚、図8はアライメントチップと三次元積層チップとの配置関係の一例を示す図である。図9はアライメントチップ形成フローの一例を示す図であって、(A)はパーツ準備工程の一例を示す図、(B)はパーツ嵌合工程の一例を示す図、(C)はパーツ切断工程の一例を示す図である。図10(A)は図9(A)のL4−L4断面模式図、図10(B)は図9(A)のL5−L5断面模式図、図11(A)は図9(A)のL6−L6断面模式図、図11(B)は図9(A)のL7−L7断面模式図である。
この例では、アライメントチップ21及びアライメントチップ22(アライメントチップ20)と、三次元積層チップ10との間に、図8に示すような配置(対応)関係があるものとする。
即ち、アライメントチップ21の第1面21_1が三次元積層チップ10の側面10aと対応する面であり、第1面21_1と反対側の面がアライメントチップ21の第2面21_2である。また、アライメントチップ21の第3面21_3が三次元積層チップ10の側面10bと対応する面であり、第3面21_3と反対側の面がアライメントチップ21の第4面21_4である。
同様に、アライメントチップ22の第1面22_1が三次元積層チップ10の側面10cと対応する面であり、第1面22_1と反対側の面がアライメントチップ22の第2面22_2である。また、アライメントチップ22の第3面22_3が三次元積層チップ10の側面10dと対応する面であり、第3面22_3と反対側の面がアライメントチップ22の第4面22_4である。
このようなアライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成するために、図9(A)並びに図10及び図11に示すような、2種類の板状のパーツ310及びパーツ320(板状体)を準備する。
一方のパーツ310には、切り欠き部313が設けられると共に、その切り欠き部313を挟んだ両側の第1部分311及び第2部分312にそれぞれ、図10(A),(B)に示すような断面形状の開口部311a及び開口部312aが設けられる。
ここで、パーツ310の第1部分311の表面がアライメントチップ21の第1面21_1(内面)となり、第1部分311の裏面がアライメントチップ21の第2面21_2(外面)となる。また、パーツ310の第2部分312の表面がアライメントチップ22の第2面22_2(外面)となり、第2部分312の裏面がアライメントチップ22の第1面22_1(内面)となる。
パーツ310の第1部分311の開口部311aには、貫通孔23、アライメントチップ21の第1面21_1側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20a、第2面21_2側に配置される配管221に対応した凹部20bが含まれる。パーツ310の第2部分312の開口部312aには、貫通孔23、アライメントチップ22の第1面22_1側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20a、第2面22_2側に配置される配管222に対応した凹部20bが含まれる。開口部311aの凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部21bに相当し、開口部311aの凹部20bは、上記した配管221が接合される凹部21dに相当する。開口部312aの凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部22bに相当し、開口部312aの凹部20bは、上記した配管222が接合される凹部22dに相当する。
もう一方のパーツ320には、切り欠き部323が設けられると共に、その切り欠き部323を挟んだ両側の第1部分321及び第2部分322にそれぞれ、図11(A),(B)に示すような断面形状の開口部321a及び開口部322aが設けられる。
ここで、パーツ320の第1部分321の表面がアライメントチップ21の第4面21_4(外面)となり、第1部分321の裏面がアライメントチップ21の第3面21_3(内面)となる。また、パーツ320の第2部分322の表面がアライメントチップ22の第3面22_3(内面)となり、第2部分322の裏面がアライメントチップ22の第4面22_4(外面)となる。
パーツ320の第1部分321の開口部321aには、アライメントチップ21の第3面21_3側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20aが含まれる。パーツ320の第2部分322の開口部322aには、アライメントチップ22の第3面22_3側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20aが含まれる。開口部321aの凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部21bに相当する。開口部322aの凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部22bに相当する。
尚、パーツ310の開口部311a及び開口部312a、並びにパーツ320の開口部321a及び開口部322aの形成方法の詳細については後述する。
上記のようなパーツ310及びパーツ320を形成した後、これらを、図9(B)に示すように、互いの切り欠き部313及び切り欠き部323で嵌合し、十字型のパーツに一体化する。その際は、パーツ310の第1部分311の表面(アライメントチップ21の第1面21_1)と、パーツ320の第1部分321の裏面(アライメントチップ21の第3面21_3)とが内側を向くように、嵌合する。同時に、パーツ310の第2部分312の裏面(アライメントチップ22の第1面22_1)と、パーツ320の第2部分322の表面(アライメントチップ22の第3面22_3)とが内側を向くように、嵌合する。
パーツ310とパーツ320の嵌合による一体化の際は、温度の制約がないため、どのような接合法も採用することができる。例えば、加熱によるシリコン−シリコンの直接接合法、表面活性化接合法、水酸基を利用した酸化膜接合法、樹脂や金属を中間層に用いた接合法等を採用することができる。
パーツ310及びパーツ320を嵌合して一体化した後、第1部分311と第1部分321の側と、第2部分312と第2部分322の側とに分離されるように、パーツ310とパーツ320の嵌合部を斜めに切断する。これにより、図9(C)に示すようなアライメントチップ21及びアライメントチップ22が形成される。
このようにしてアライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成する際の、上記図10及び図11に示したような開口部311a、開口部312a、開口部321a及び開口部322aは、以下のような手順で形成することができる。
まず、パーツ310の形成方法について説明する。
図12〜図14は第1の実施の形態に係るパーツ形成方法の一例の説明図である。尚、図12〜図14の(A)〜(D)にはそれぞれ、パーツ310の形成においてアライメントチップ20(アライメントチップ21及びアライメントチップ22)の内面になる側と外面になる側に対して行う処理の説明図を、並べて図示している。
まず、図12(A)に示すように、パーツ310を形成する基板310aの両面に、例えば厚さ1μm〜2μm程度のシリコン酸化膜310bを形成する。シリコン酸化膜310bは、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により形成することができる。
次いで、図12(B)に示すように、シリコン酸化膜310b上に、フォトレジスト400を形成する。フォトレジスト400は、スピンコート法等により、例えば厚さ5μm程度の膜として形成することができる。その場合、例えば、フォトレジスト400は、そのレジスト材料を2000回転のスピンコートで塗布し、塗布後、120℃の加熱処理を行うことで、形成することができる。
次いで、図12(C)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、基板310aの一方の面(表面)側に形成されたフォトレジスト400のパターニングを行う。ここでは、基板310aの、アライメントチップ20の内面になる側に、貫通孔23の形成領域に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト400のパターニングを行う。尚、この段階では、基板310aの、アライメントチップ20の外面になる側、及び基板310aの他方の面(裏面)側に形成されたフォトレジスト400に対しては、パターニングは行わない。
次いで、図12(D)に示すように、パターニングしたフォトレジスト400をマスクにして、表面側の露出するシリコン酸化膜310bをエッチングする。例えば、バッファードフッ酸を用いたウェットエッチングにより、シリコン酸化膜310bをエッチングする。エッチング後のシリコン酸化膜310bは、後述のように深堀エッチングで貫通孔23を形成する際(図13(C))のマスクになる。尚、基板310aの、アライメントチップ20の外面になる側、及び裏面側のシリコン酸化膜310bは、その上に形成されているフォトレジスト400により、このときのエッチングからは保護される。
シリコン酸化膜310bのエッチング後、図13(A)に示すように、表面側のフォトレジスト400をアッシング等で除去する。裏面側のフォトレジスト400は、以下に述べる表面側のエッチングの間、裏面側のシリコン酸化膜310bが保護されるように、残しておく。
表面側のフォトレジスト400の除去後、図13(B)に示すように、再度フォトレジスト401を形成し、そのパターニングを行う。フォトレジスト401の形成及びパターニングには、上記のフォトレジスト400について述べたのと同様の手法を用いることができる。ここでは、基板310aの、アライメントチップ20の内面になる側については、冷却基板12に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト401のパターニングを行う。基板310aの、アライメントチップ20の外面になる側については、配管220が接合される領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト401のパターニングを行う。
次いで、図13(C)に示すように、表面側のシリコン酸化膜310b及びフォトレジスト401をマスクにして、基板310aを表面側から300μm程度の深さまでエッチングする。即ち、基板310aの表面側のシリコン酸化膜310bから露出した、貫通孔23の形成領域に対応する領域に、深堀エッチングが施され、貫通孔23が形成される。
この深堀エッチングには、例えば、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法が好適に用いられる。DRIE法の第1のステップは、コイルパワー600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5Torr(1Torr=133.32Pa)とし、八フッ化ブテン(C4F8)ガスを流量130sccm(standard cubic centimeter per minutes)で7.5秒導入する処理を適用することができる。第2のステップとしてはコイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5Torrとし、基板310aへのRFパワーを380kHzで23Wとした状態で、六フッ化硫黄(SF6)ガスを流量130sccmで7.5秒導入する処理を適用することができる。この第1のステップと第2のステップを交互に繰り返すことで、基板310aの深堀エッチングを行うことができる。
次いで、図13(D)に示すように、フォトレジスト401をマスクにしてドライエッチングを行い、フォトレジスト401から露出する表面側のシリコン酸化膜310bを除去する。
表面側の所定領域のシリコン酸化膜310bを除去した後、図14(A)に示すように、フォトレジスト401及びシリコン酸化膜310bをマスクにして、基板310aを表面側から100μm程度の深さまでエッチングする。エッチングは、DRIE法により、上記同様の条件を用いて、行うことができる。このエッチングにより、基板310aの、アライメントチップ20の内面になる側については、冷却基板12に対応する凹部20aが形成される。基板310aの、アライメントチップ20の外面になる側については、配管220が接合される凹部20bが形成される。
その後、図14(B)に示すように、基板310aの表面側に残るフォトレジスト401及びシリコン酸化膜310bを除去する。フォトレジスト401はアッシングで、シリコン酸化膜310bはドライエッチングで、それぞれ除去することができる。
図14(B)に示した工程まで行った後は、図14(C)に示すように、基板310aの表面にサポート基板410を貼り合わせる。サポート基板410には、熱剥離シート等を用いることができる。サポート基板410の厚さは、例えば、525μmとする。サポート基板410は、図14(B)までの処理を終えた基板310aの表面側を以後の工程で保護すると共に、以後の工程で基板310aの取り扱いを容易にしてその破損を回避する役割を果たす。
このように基板310aの表面側にサポート基板410を貼り合わせた後は、基板310aの裏面側について、図12(C)〜図14(B)で述べたのと同様の処理を行う。このような処理を行い、図14(D)のように、先に表面側から形成した凹部20bに連通するように、裏面側から貫通孔23及び凹部20aを形成し、先に表面側から形成した貫通孔23(及び凹部20a)と連通するように、裏面側から凹部20bを形成する。これにより、図10(A)のような開口部311aを有する第1部分311と、図10(B)のような開口部312aを有する第2部分312とを備えた1枚のパーツ310が完成する。
尚、第1部分311と第2部分312の間に設ける切り欠き部313は、図12〜図14に示したような基板310aの処理時に、切り欠き部313を形成する領域に対し、同様に基板310aを表面側、裏面側からエッチングすることで、形成することができる。基板310aには、その表面側、裏面側からエッチングを行うことで、貫通する開口(貫通孔23、凹部20a及び凹部20b)が形成されるため、そのような開口と共に、所定の領域に切り欠き部313を形成することが可能である。
続いて、パーツ320の形成方法について説明する。
図15及び図16は第1の実施の形態に係るパーツ形成方法の一例の説明図である。尚、図15の(A)〜(D)及び図16の(A),(B)にはそれぞれ、パーツ320の形成においてアライメントチップ20(アライメントチップ21及びアライメントチップ22)の内面になる側と外面になる側に対して行う処理の説明図を、並べて図示している。
まず、図15(A)に示すように、パーツ320を形成する基板320aの一方の面(表面)に、フォトレジスト402を形成する。フォトレジスト402は、スピンコート法等により、例えば厚さ5μm程度の膜として形成することができる。その場合、例えば、フォトレジスト402は、そのレジスト材料を2000回転のスピンコートで塗布し、塗布後、120℃の加熱処理を行うことで、形成することができる。
次いで、図15(B)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト402のパターニングを行う。ここでは、基板320aの、アライメントチップ20の内面になる側に、冷却基板12に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト402のパターニングを行う。尚、基板310aの、アライメントチップ20の外面になる側に形成されたフォトレジスト402に対しては、パターニングは行わない。
次いで、図15(C)に示すように、パターニングしたフォトレジスト402をマスクにして、基板320aを表面側から100μm程度の深さまでエッチングする。エッチングは、DRIE法により、上記のパーツ310の形成で行ったのと同様の条件を用いて、行うことができる。このエッチングにより、基板320aの、アライメントチップ20の内面になる側に、冷却基板12に対応する凹部20aが形成される。
その後、図15(D)に示すように、基板320aの表面側のフォトレジスト402をアッシング等で除去する。
図15(D)に示した工程まで行った後は、図16(A)に示すように、基板320aの表面にサポート基板420を貼り合わせる。サポート基板420には、熱剥離シート等を用いることができる。サポート基板420の厚さは、例えば、525μmとする。サポート基板410は、図15(D)までの処理を終えた基板320aの表面側を以後の工程で保護すると共に、以後の工程で基板320aの取り扱いを容易にしてその破損を回避する役割を果たす。
このように基板320aの表面側にサポート基板420を貼り合わせた後は、基板320aの裏面側について、図15(A)〜(D)で述べたのと同様の処理を行う。これにより、図11(A)のような開口部321aを有する第1部分321と、図11(B)のような開口部322aを有する第2部分322とを備えた1枚のパーツ320が完成する。
尚、第1部分321と第2部分322の間に設ける切り欠き部323は、基板320aの、切り欠き部323を形成する領域に対し、表面側、裏面側からエッチングを行うことで、形成することができる。
このようにして形成されたパーツ310及びパーツ320(図9(A))を、互いの切り欠き部313及び切り欠き部323で嵌合して一体化し(図9(B))、嵌合部で所定方向に斜めに切断することで、アライメントチップ21及びアライメントチップ22を得る(図9(C))。そして、このようにして得られた2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、所定の接合法を用いて接合し、半導体装置100、電子装置200を得る(図4及び図5)。また、アライメントチップ21及びアライメントチップ22に配管221及び配管222を接合し、電子装置200aを得る(図6及び図7)。
以上説明したように、2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22によって三次元積層チップ10の周囲、熱膨張に起因して反り等が生じ易いエッジ部を被覆することで、三次元積層チップ10の接続信頼性を高めることができる。
また、L字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を用い、三次元積層チップ10のコーナー部10s及びコーナー部10t、段差13を利用してアライメントを行う。そのため、アライメントチップ21及びアライメントチップ22の位置合わせが容易になり、精密で複雑な位置合わせ機構を不要にできる。
更に、三次元積層チップ10の側面方向に冷媒の供給口、排出口を設け、アライメントチップ21及びアライメントチップ22の外面に設けた凹凸を利用して配管221及び配管222を接合する。そのため、アライメントチップ21及びアライメントチップ22で被覆された三次元積層チップ10を含む半導体装置100周辺のレイアウト設計を、柔軟に行うことが可能になる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
ここでは、上記第1の実施の形態で述べたアライメントチップ21及びアライメントチップ22の形成方法の別例を、第2の実施の形態として説明する。尚、三次元積層チップ10の構成、配管221及び配管222の接合等は、上記第1の実施の形態で述べたのと同様とすることができる。
図17〜図19は第2の実施の形態に係るアライメントチップ形成方法の一例の説明図である。尚、図17はアライメントチップ形成フローの一例を示す図であって、(A)はパーツ準備工程の一例を示す図、(B)はパーツ嵌合工程の一例を示す図、(C)はパーツ嵌合後の状態の一例を示す図である。図18は図17(A)のL8−L8断面模式図、図19は図17(A)のL9−L9断面模式図である。
この第2の実施の形態に係る例においても、アライメントチップ21及びアライメントチップ22と、三次元積層チップ10との間には、上記図8に示したような配置(対応)関係があるものとする。このようなアライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成するために、この例では、図17(A)並びに図18及び図19に示すような、2種類の板状のパーツ330及びパーツ340(板状体)を形成する。
一方のパーツ330には、対向する側端部にそれぞれ切り欠き部333が設けられると共に、図18に示すような断面形状の開口部332が設けられる。
ここで、パーツ330の表面がアライメントチップ21の第1面21_1(内面)となり、パーツ330の裏面がアライメントチップ21の第2面21_2(外面)となる。或いは、パーツ330の表面がアライメントチップ22の第1面22_1(内面)となり、パーツ330の裏面がアライメントチップ22の第2面22_2(外面)となる。
パーツ330の開口部332には、貫通孔23、アライメントチップ21の第1面21_1側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20a、第2面21_2側に配置される配管221に対応した凹部20bが含まれる。或いは、パーツ330の開口部332には、貫通孔23、アライメントチップ22の第1面22_1側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20a、第2面22_2側に配置される配管222に対応した凹部20bが含まれる。開口部332の凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部21bに相当し、開口部332の凹部20bは、上記した配管221が接合される凹部21dに相当する。或いは、開口部332の凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部22bに相当し、開口部332の凹部20bは、上記した配管222が接合される凹部22dに相当する。
もう一方のパーツ340には、対向する側端部にそれぞれ、上記のパーツ330の切り欠き部333と噛み合う形状の切り欠き部343が設けられると共に、図19に示すような断面形状の開口部342が設けられる。
ここで、パーツ340の表面がアライメントチップ21の第3面21_3(内面)となり、パーツ340の裏面がアライメントチップ21の第4面21_4(外面)となる。或いは、パーツ340の表面がアライメントチップ22の第3面22_3(内面)となり、パーツ340の裏面がアライメントチップ22の第4面22_4(外面)となる。
パーツ340の開口部342には、アライメントチップ21の第3面21_3側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20aが含まれる。或いは、パーツ340の開口部342には、アライメントチップ22の第3面22_3側に配置される三次元積層チップ10の冷却基板12に対応した凹部20aが含まれる。開口部342の凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部21bに相当する。或いは、開口部342の凹部20aは、上記した三次元積層チップ10の段差13の凸部13bに対応した凹部22bに相当する。
尚、パーツ330の開口部332、並びにパーツ340の開口部342の形成方法の詳細については後述する。
上記のようなパーツ330及びパーツ340を形成した後、これらを、図17(B)に示すように、互いの切り欠き部333及び切り欠き部343で嵌合する。その際は、パーツ330の表面(アライメントチップ21の第1面21_1又はアライメントチップ22の第1面22_1)と、パーツ340の表面(アライメントチップ21の第3面21_3又はアライメントチップ22の第3面22_3)とを内側にして嵌合する。パーツ330とパーツ340の嵌合による一体化の際は、温度の制約がないため、どのような接合法も採用することができる。例えば、加熱によるシリコン−シリコンの直接接合法、表面活性化接合法、水酸基を利用した酸化膜接合法、樹脂や金属を中間層に用いた接合法等を採用することができる。
図17(B)のようにパーツ330とパーツ340を嵌合して一体化することで、図17(C)に示すようなL字型のアライメントチップ21、アライメントチップ22が形成される。
このようにしてアライメントチップ21、アライメントチップ22を形成する際の、上記図18及び図19に示したような開口部332及び開口部342は、以下のような手順で形成することができる。
まず、パーツ330の形成方法について説明する。
図20〜図22は第2の実施の形態に係るパーツ形成方法の一例の説明図である。
まず、図20(A)に示すように、パーツ330を形成する基板330aの一方の面(表面)に、例えば厚さ1μm〜2μm程度のシリコン酸化膜330bを形成する。シリコン酸化膜310bは、プラズマCVD法等により形成することができる。
次いで、図20(B)に示すように、基板330aの上に、フォトレジスト403を形成する。フォトレジスト403は、スピンコート法等により、例えば厚さ5μm程度の膜として形成することができる。その場合、例えば、フォトレジスト403は、そのレジスト材料を2000回転のスピンコートで塗布し、塗布後、120℃の加熱処理を行うことで、形成することができる。
次いで、図20(C)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、基板330aの表面側に形成されたフォトレジスト403のパターニングを行う。ここでは、貫通孔23の形成領域に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト403のパターニングを行う。尚、この段階では、基板330aの他方の面(裏面)側に形成されたフォトレジスト403に対しては、パターニングは行わない。
次いで、図20(D)に示すように、パターニングしたフォトレジスト403をマスクにして、露出するシリコン酸化膜330bをエッチングする。例えば、バッファードフッ酸を用いたウェットエッチングにより、シリコン酸化膜330bをエッチングする。エッチング後のシリコン酸化膜330bは、後述のように深堀エッチングで貫通孔23を形成する際(図21(C))のマスクになる。
シリコン酸化膜330bのエッチング後、図21(A)に示すように、フォトレジスト403をアッシング等で除去する。
その後、図21(B)に示すように、再度フォトレジスト404を形成し、そのパターニングを行う。フォトレジスト404の形成及びパターニングには、上記のフォトレジスト403について述べたのと同様の手法を用いることができる。ここでは、冷却基板12に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト404のパターニングを行う。
次いで、図21(C)に示すように、表面側のシリコン酸化膜330b及びフォトレジスト404をマスクにして、基板330aを表面側から300μm程度の深さまでエッチングする。即ち、基板330aの表面側のシリコン酸化膜330bから露出した、貫通孔23の形成領域に対応する領域に、深堀エッチングが施され、貫通孔23が形成される。
この深堀エッチングには、例えば、DRIE法が好適に用いられる。DRIE法の第1のステップは、コイルパワー600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5Torrとし、C4F8ガスを流量130sccmで7.5秒導入する処理を適用することができる。第2のステップとしてはコイルパワーを600W、プロセスチャンバ内の圧力を14.5Torrとし、基板330aへのRFパワーを380kHzで23Wとした状態で、SF6ガスを流量130sccmで7.5秒導入する処理を適用することができる。この第1のステップと第2のステップを交互に繰り返すことで、基板330aの深堀エッチングを行うことができる。
次いで、図21(D)に示すように、フォトレジスト404をマスクにしてドライエッチングを行い、フォトレジスト404から露出するシリコン酸化膜330bを除去する。
表面側の所定領域のシリコン酸化膜330bを除去した後、図22(A)に示すように、フォトレジスト404及びシリコン酸化膜330bをマスクにして、基板330aを表面側から100μm程度の深さまでエッチングする。エッチングは、DRIE法により、上記同様の条件を用いて、行うことができる。このエッチングにより、冷却基板12に対応する凹部20aが形成される。
その後、図22(B)に示すように、基板330aの表面側に残るフォトレジスト404及びシリコン酸化膜330bを除去する。フォトレジスト404はアッシングで、シリコン酸化膜330bはドライエッチングで、それぞれ除去することができる。
図22(B)に示した工程まで行った後は、図22(C)に示すように、基板330aの表面にサポート基板430を貼り合わせる。サポート基板430には、熱剥離シート等を用いることができる。サポート基板430の厚さは、例えば、525μmとする。サポート基板430は、図22(B)までの処理を終えた基板330aの表面側を以後の工程で保護すると共に、以後の工程で基板330aの取り扱いを容易にしてその破損を回避する役割を果たす。
このように基板330aの表面側にサポート基板430を貼り合わせた後は、基板330aの裏面側について、フォトレジストの塗布とそのパターニングを行う。ここでは、配管220が接合される領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジストのパターニングを行う。そして、そのようにパターニングを行ったフォトレジストをマスクにして、基板330aを裏面側から100μm程度の深さまでエッチングする。エッチングは、DRIE法により、上記同様の条件を用いて、行うことができる。このエッチングにより、図22(D)に示すような、配管220が接合される凹部20bを形成する。このように基板330aの裏面側から形成する凹部20bは、先に表面側から形成した貫通孔23(及び凹部20a)と連通するように、形成される。
これにより、図18のような開口部332を有する1枚のパーツ330が完成する。
尚、切り欠き部333は、図20〜図22に示したような基板330aの処理時に、切り欠き部333を形成する領域に対し、同様に基板330aを表面側、裏面側からエッチングすることで、形成することができる。
続いて、パーツ340の形成方法について説明する。
図23は第2の実施の形態に係るパーツ形成方法の一例の説明図である。
まず、図23(A)に示すように、パーツ340を形成する基板340aの一方の面(表面)に、フォトレジスト405を形成する。フォトレジスト405は、スピンコート法等により、例えば厚さ5μm程度の膜として形成することができる。その場合、例えば、フォトレジスト405は、そのレジスト材料を2000回転のスピンコートで塗布し、塗布後、120℃の加熱処理を行うことで、形成することができる。
次いで、図23(B)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト405のパターニングを行う。ここでは、冷却基板12に対応する領域に開口を有するパターンが形成されるように、フォトレジスト405のパターニングを行う。
次いで、図23(C)に示すように、パターニングしたフォトレジスト405をマスクにして、基板340aを表面側から100μm程度の深さまでエッチングする。エッチングは、DRIE法により、上記のパーツ330の形成で行ったのと同様の条件を用いて、行うことができる。このエッチングにより、冷却基板12に対応する凹部20aが形成される。
その後、図23(D)に示すように、基板340aの表面側のフォトレジスト405をアッシング等で除去する。
これにより、図19のような開口部342を有する1枚のパーツ340が完成する。
尚、切り欠き部343は、基板340aの、切り欠き部343を形成する領域に対し、表面側、裏面側からエッチングを行うことで、形成することができる。
このようにして形成されたパーツ330及びパーツ340(図17(A))を、互いの切り欠き部333及び切り欠き部343で嵌合して一体化する(図17(B))ことで、アライメントチップ21、アライメントチップ22を得る(図17(C))。そして、このようにして得られた2つのL字型のアライメントチップ21及びアライメントチップ22を、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに、所定の接合法を用いて接合し、半導体装置100、電子装置200を得る(図4及び図5)。また、アライメントチップ21及びアライメントチップ22に配管221及び配管222を接合し、電子装置200aを得る(図6及び図7)。
次に、第3の実施の形態について説明する。
ここでは、アライメントチップ21及びアライメントチップ22の形成方法の更に別の例を、第3の実施の形態として説明する。尚、三次元積層チップ10の構成、配管221及び配管222の接合等は、上記第1の実施の形態で述べたのと同様とすることができる。
図24は第3の実施の形態に係るアライメントチップ形成方法の一例の説明図である。尚、図24はアライメントチップ形成フローを示す図であって、(A)はパーツ準備工程の一例を示す図、(B)はパーツ積層工程の一例を示す図である。
この第3の実施の形態に係る例においても、アライメントチップ21及びアライメントチップ22と、三次元積層チップ10との間には、上記図8に示したような配置(対応)関係があるものとする。このようなアライメントチップ21及びアライメントチップ22を形成するために、この例では、アライメントチップ21及びアライメントチップ22の各々について、図24(A)に示すような、三次元積層チップ10の各層(段)、即ち発熱基板11と冷却基板12にそれぞれ対応する2種類のL字型のパーツ350及びパーツ360(部材)を形成する。
三次元積層チップ10の各発熱基板11に対応するパーツ350はそれぞれ、各発熱基板11の隣接する2側面のコーナー部とその2側面とに対応する内面を有するパーツとして形成する。三次元積層チップ10の各冷却基板12に対応するパーツ360はそれぞれ、各冷却基板12の隣接する2側面のコーナー部とその2側面とに対応する内面、及び冷媒通路12aに連通する上記貫通孔23を有するパーツとして形成する。三次元積層チップ10の各発熱基板11及び各冷却基板12に対応するパーツ350及びパーツ360の外面は、後述のように積層されて一体化された時に、配管220が接合される凹部が形成されるような形状とする。
このようなパーツ350及びパーツ360は、上記第1の実施の形態、第2の実施の形態で述べたのと同様に、1枚の基板に対するフォトレジストパターンの形成及びそれを用いたエッチングによって、形成することができる。
アライメントチップ21、アライメントチップ22について、所定の内面形状及び外面形状を有する各層のパーツ350及びパーツ360を形成した後、図24(B)に示すように、それらを所定の順序で積層して接合する。これにより、アライメントチップ21、アライメントチップ22を形成する。パーツ350とパーツ360の接合は、温度の制約がないため、どのような接合法も採用することができる。例えば、加熱によるシリコン−シリコンの直接接合法、表面活性化接合法、水酸基を利用した酸化膜接合法、樹脂や金属を中間層に用いた接合法等を採用することができる。
尚、ここでは、各層毎のL字型のパーツ350及びパーツ360を形成し、それらを積層して接合する方法を例示した。このほか、ウエハレベルで各層を形成し、それらを積層して接合し、その後、その積層体をダイシング等により切断することで、アライメントチップ21、アライメントチップ22を形成することもできる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図25は第4の実施の形態に係る半導体装置の一例の説明図である。尚、図25において、(A)はアライメントチップ接合前の状態の一例の要部平面模式図、(B)はアライメントチップ接合後の状態の一例の要部平面模式図、(C)配管接合後の状態の一例の要部平面模式図である。
三次元積層チップ10の側面を被覆するアライメントチップ20としては、図25に示すように、4つのL字型のアライメントチップ31,32,33,34(31〜34)を用いることもできる。
ここで、アライメントチップ31は、三次元積層チップ10の隣接する側面10a及び側面10bの各一部とそれらのコーナー部10sを被覆する。アライメントチップ32は、三次元積層チップ10の隣接する側面10b及び側面10cの各一部とそれらのコーナー部10uを被覆する。アライメントチップ33は、三次元積層チップ10の隣接する側面10c及び側面10dの各一部とそれらのコーナー部10tを被覆する。アライメントチップ34は、三次元積層チップ10の隣接する側面10d及び側面10aの各一部とそれらのコーナー部10vを被覆する。アライメントチップ31は、アライメントチップ32及びアライメントチップ34と、互いの側端面同士が接合され、アライメントチップ33も同様に、アライメントチップ32及びアライメントチップ34と、互いの側端面同士が接合される。
尚、三次元積層チップ10と各アライメントチップ31〜34との接合は、中間層(図示せず)を用いる接合法をはじめ、上記のアライメントチップ21及びアライメントチップ22と同様の接合法を用いることができる。また、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の内部には、側面10aから側面10cに達する冷媒通路12aが設けられている。また、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の側面10a〜10dには、発熱基板11と冷却基板12のサイズに応じた段差13が存在している。
4つのL字型のアライメントチップ31〜34はそれぞれ、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに存在する上記段差13に対応した内面形状(冷却基板12に対応する上記凹部20aを有する内面形状)とされる。また、三次元積層チップ10の冷媒通路12aが存在する一方の側面10aを被覆するアライメントチップ31,34の部分には、冷媒通路12aに連通する上記貫通孔23が設けられ、その外面側には、配管221が接合される上記凹部20bが設けられる。同様に、三次元積層チップ10の冷媒通路12aが存在するもう一方の側面10cを被覆するアライメントチップ32,33の部分には、冷媒通路12aに連通する上記貫通孔23が設けられ、その外面側には、配管222が接合される上記凹部20bが設けられる。
このような4つのL字型のアライメントチップ31〜34を、図25(A)に示すように、三次元積層チップ10に接合し、その側面10a〜10dを被覆することで、図25(B)に示すような半導体装置100Aが得られる。図25(B)に示す半導体装置100Aは、このように4つのL字型のアライメントチップ31〜34が用いられている点で、上記第1の実施の形態等で述べた半導体装置100と相違する。
尚、図25(B)には、回路基板210上に実装された三次元積層チップ10の側面10a〜10dを、4つのL字型のアライメントチップ31〜34で被覆した半導体装置100Aを図示している。また、図25(B)には、回路基板210上にそのような半導体装置100Aが搭載された電子装置200Aを図示している。
また、半導体装置100Aには、図25(C)に示すように、アライメントチップ31,34の、冷媒通路12aが存在する側面10aを被覆している部分の外面(上記凹部20b)に、配管221が接合される。同様に、半導体装置100Aには、図25(C)に示すように、アライメントチップ32,33の、冷媒通路12aが存在する側面10cを被覆している部分の外面(上記凹部20b)に、配管222が接合される。これにより、回路基板210上に搭載された半導体装置100Aのアライメントチップ31,34及びアライメントチップ32,33にそれぞれ配管221及び配管222が接合された電子装置200Aaが得られる。
上記のような4つのL字型のアライメントチップ31〜34を三次元積層チップ10の周囲に設けることで、三次元積層チップ10に含まれる発熱基板11の反り等の変形を抑制し、三次元積層チップ10の接続信頼性を高めることができる。
また、上記のような4つのL字型のアライメントチップ31〜34では、三次元積層チップ10のコーナー部10s,10u,10t,10v及び側面の段差13を利用してアライメントが行えるため、それらの位置合わせを精度良く、容易に行うことができる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図26は第5の実施の形態に係る半導体装置の一例の説明図である。尚、図26において、(A)はアライメントチップ接合前の状態の一例の要部平面模式図、(B)はアライメントチップ接合後の状態の一例の要部平面模式図、(C)配管接合後の状態の一例の要部平面模式図である。
三次元積層チップ10の側面を被覆するアライメントチップ20としては、図26に示すように、2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36を用いることもできる。
ここで、アライメントチップ35は、例えば、三次元積層チップ10の側面10a全体とそれに隣接する側面10b及び側面10dの各一部、並びにそれらのコーナー部10s及びコーナー部10vを被覆する。アライメントチップ36は、例えば、三次元積層チップ10の側面10c全体とそれに隣接する側面10b及び側面10dの各一部、並びにそれらのコーナー部10u及びコーナー部10tを被覆する。アライメントチップ35とアライメントチップ36は、互いの側端面同士が接合される。
尚、三次元積層チップ10とアライメントチップ35及びアライメントチップ36との接合は、中間層(図示せず)を用いる接合法をはじめ、上記のアライメントチップ21及びアライメントチップ22と同様の接合法を用いることができる。また、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の内部には、側面10aから側面10cに達する冷媒通路12aが設けられている。また、ここでは図示を省略するが、三次元積層チップ10の側面10a〜10dには、発熱基板11と冷却基板12のサイズに応じた段差13が存在している。
2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36はそれぞれ、三次元積層チップ10の側面10a〜10dに存在する上記段差13に対応した内面形状(冷却基板12に対応する上記凹部20aを有する内面形状)とされる。また、三次元積層チップ10の冷媒通路12aが存在する一方の側面10aを被覆するアライメントチップ35の部分には、冷媒通路12aに連通する上記貫通孔23が設けられ、その外面には、配管221が接合される上記凹部20bが設けられる。同様に、三次元積層チップ10の冷媒通路12aが存在するもう一方の側面10cを被覆するアライメントチップ36の部分には、冷媒通路12aに連通する上記貫通孔23が設けられ、その外面には、配管222が接合される上記凹部20bが設けられる。
このような2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36を、図26(A)に示すように、三次元積層チップ10に接合し、その側面10a〜10dを被覆することで、図26(B)に示すような半導体装置100Bが得られる。図26(B)に示す半導体装置100Bは、このように2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36が用いられている点で、上記第1の実施の形態等で述べた半導体装置100と相違する。
尚、図26(B)には、回路基板210上に実装された三次元積層チップ10の側面10a〜10dを、2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36で被覆した半導体装置100Bを図示している。また、図26(B)には、回路基板210上にそのような半導体装置100Bが搭載された電子装置200Bを図示している。
また、半導体装置100Bには、図26(C)に示すように、アライメントチップ35の、冷媒通路12aが存在する側面10aを被覆している部分の外面(上記凹部20b)に、配管221が接合される。同様に、半導体装置100Bには、図26(C)に示すように、アライメントチップ36の、冷媒通路12aが存在する側面10cを被覆している部分の外面(上記凹部20b)に、配管222が接合される。これにより、回路基板210上に搭載された半導体装置100Bのアライメントチップ35及びアライメントチップ36にそれぞれ配管221及び配管222が接合された電子装置200Baが得られる。
上記のような2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36を三次元積層チップ10の周囲に設けることで、三次元積層チップ10に含まれる発熱基板11の反り等の変形を抑制し、三次元積層チップ10の接続信頼性を高めることができる。
また、上記のような2つのコ字型のアライメントチップ35及びアライメントチップ36では、三次元積層チップ10のコーナー部10s,10v及びコーナー部10u,10t及び側面の段差を利用してアライメントが行える。そのため、アライメントチップ35及びアライメントチップ36の位置合わせを精度良く、容易に行うことができる。更に、継ぎ目の数が少なく、位置ずれが生じ難いため、冷媒のリークに対する信頼性を高めることができる。
尚、以上述べたアライメントチップ20(21,22,31〜34,35,36)は、三次元積層チップ10の側面と共に、その最上層基板のエッジ部を上方から被覆できるような形状とすることができる。また、三次元積層チップ10の側面と共に、その最下層基板のエッジ部を下方から被覆できるような形状とすることもできる。このような構造とすることで、三次元積層チップ10のエッジ部がアライメントチップ20によって上方、下方から押さえられ、三次元積層チップ10に含まれる基板の、エッジ部の反り等の変形を、より一層効果的に抑制することが可能になる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 各々半導体素子を含む複数の第1基板と、各々冷媒通路を備える複数の第2基板とが積層された積層体と、
前記冷媒通路に連通する第1貫通孔を有し、前記積層体の側面を被覆する被覆部材と
を含み、
前記被覆部材は、前記積層体の隣接する第1側面と第2側面の第1コーナー部を被覆し、前記第1コーナー部から前記第1側面の少なくとも一部及び前記第2側面の少なくとも一部を被覆する第1被覆部を含む
ことを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記第1被覆部は、前記積層体の、前記第1側面、前記第2側面の少なくとも一部、前記第1側面と前記第1側面に隣接する第3側面との第2コーナー部、及び前記第3側面の少なくとも一部を被覆する
ことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記積層体は、前記第1被覆部と対向する面に第1凹部と第1凸部を有し、
前記第1被覆部は、前記第1凹部と前記第1凸部にそれぞれ対応した第2凸部と第2凹部を有する内面を備える
ことを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記第1被覆部は、前記第1貫通孔を有する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5) 前記被覆部材の前記第1貫通孔を有する面に配設された配管を含む
ことを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6) 前記被覆部材は、前記第1被覆部に接合され、前記第1被覆部と共に前記積層体の側面を被覆する第2被覆部を含む
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7) 前記第2基板は、積層される前記第1基板に電気的に接続された導電部を含む
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8) 各々半導体素子を含む複数の第1基板と、各々冷媒通路を備える複数の第2基板とが積層された積層体を形成する工程と、
前記冷媒通路に連通する貫通孔を有し、前記積層体の側面を被覆する被覆部材を配設する工程と
を含み、
前記被覆部材を配設する工程は、
前記積層体の隣接する第1側面と第2側面のコーナー部を被覆し、前記コーナー部から前記第1側面の少なくとも一部及び前記第2側面の少なくとも一部を被覆する被覆部を準備する工程と、
準備された前記被覆部を前記積層体に配設する工程と
を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記被覆部を準備する工程は、
第1切り欠き部と、前記第1側面に対応した第1凹凸部とを設けた第1板状体を準備する工程と、
第2切り欠き部と、前記第2側面に対応した第2凹凸部とを設けた第2板状体を準備する工程と、
前記第1板状体と前記第2板状体を、前記第1凹凸部と前記第2凹凸部が共に内側を向くように、前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部で嵌合して一体化する工程と
を含む
ことを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記第1凹凸部と前記第2凹凸部のいずれか一方に、前記貫通孔が含まれる
ことを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11) 前記第1板状体は、前記第1切り欠き部を挟んだ第1部分と第2部分とを有し、
前記第2板状体は、前記第2切り欠き部を挟んだ第3部分と第4部分とを有し、
前記第1板状体を準備する工程は、前記第1凹凸部を、前記第1部分の一主面側と、前記第2部分の他主面側とにそれぞれ設ける工程を含み、
前記第2板状体を準備する工程は、前記第2凹凸部を、前記第3部分の一主面側と、前記第4部分の他主面側とにそれぞれ設ける工程を含み、
前記第1板状体と前記第2板状体を、前記第1凹凸部と前記第2凹凸部が共に内側を向くように、前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部で嵌合して一体化する工程後に、
前記第1板状体と前記第2板状体の嵌合した部位を斜めに切断し、前記第1部分と前記第3部分とを含む第1部材と、前記第2部分と前記第4部分とを含む第2部材とに切り分ける工程を含む
ことを特徴とする付記8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12) 前記被覆部を準備する工程は、
前記コーナー部、前記第1側面及び前記第2側面における一部に対応した内面を有する第1部材を準備する工程と、
前記コーナー部、前記第1側面及び前記第2側面における他の一部に対応した内面を有する第2部材を準備する工程と、
前記第1部材と前記第2部材とを積層して一体化する工程と
を含む
ことを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記第1部材は、前記第1基板に対応した内面を有し、
前記第2部材は、前記第2基板に対応した内面を有する
ことを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14) 前記第2部材は、前記貫通孔を有する
ことを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15) 回路基板と、
前記回路基板に搭載された半導体装置と
を含み、
前記半導体装置は、
各々半導体素子を含む複数の第1基板と、各々冷媒通路を備える複数の第2基板とが積層された積層体と、
前記積層体の側面を被覆する被覆部材と
を含み、
前記被覆部材は、前記冷媒通路に連通する貫通孔を有し、前記積層体の隣接する第1側面と第2側面のコーナー部を被覆し、前記コーナー部から前記第1側面の少なくとも一部及び前記第2側面の少なくとも一部を被覆する被覆部を含む
ことを特徴とする電子装置。