JP6019333B2 - 嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法に関する。
有機物を含む有機性排水の処理方法として、多量の曝気動力を要し、余剰汚泥発生量も多い活性汚泥法に代えて、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性汚泥床)法やEGSB(Expanded Granular Sludge Bed:膨張粒状汚泥床)法などの高速メタン発酵法が普及してきている。これらのメタン発酵法等の嫌気性処理を用いた排水処理システムとしては、例えば特許文献1記載のものがある。特許文献1記載の排水処理システムのように、メタン発酵槽では、嫌気性のメタン生成菌によって有機酸がメタンガスや炭酸ガスに変換除去され、これにより処理水の水質向上が図られる。
特開2000−263084号公報
嫌気性処理におけるメタン発酵は、還元状態で進行する生物反応である。ここで、メタン発酵を行う嫌気性処理槽に酸素を含む排水が流入したり、槽内に空気(酸素)が混入したりすることで酸化還元電位が上昇して酸化状態になると反応が停止するため、酸素が混入しない状態でメタン発酵を行うことが理想である。ただし、実際には、排水や汚泥に含まれる微生物(通性嫌気性菌等)が槽内の有機物を分解する際に酸素を消費するため、酸素の量を厳密に管理しなくても槽内の嫌気状態を維持することができる。
しかしながら、有機物濃度が低い排水を嫌気性処理する場合には、微生物の有機物の分解量が減り、酸素の消費量が減るため、酸化還元電位の上昇する可能性がある。また、排水の温度が5〜20℃程度の低温状況下にある場合でも、それ以上の温度の場合と比べて排水中の溶存酸素濃度が上昇するため、酸化還元電位が上昇する可能性がある。酸化還元電位が上昇すると、メタン発酵の効率が低下し、水質の悪化やメタン生成量(回収量)の低下が懸念される。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、嫌気性処理槽内の有機性排水の酸化還元電位の上昇を抑制し、好適に嫌気性処理を行うことができる嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る嫌気性処理システムは、有機性排水を嫌気性処理することでバイオガスを発生させる嫌気性処理槽と、前記有機性排水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽と、前記嫌気性処理槽で発生した前記バイオガスの少なくとも一部を前記嫌気性処理槽より前段に返送するガス返送手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る嫌気性処理方法は、嫌気性処理槽において有機性排水を嫌気性処理することでバイオガスを発生する嫌気性処理工程と、前記有機性排水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理工程と、前記嫌気性処理槽で発生した前記バイオガスの少なくとも一部を前記嫌気性処理槽よりも前段に返送するガス返送工程と、を備えたことを特徴とする。
上記の嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法では、嫌気性処理槽で発生したバイオガスの少なくとも一部が嫌気性処理槽より前段に返送される。嫌気性処理槽より前段に返送されるバイオガスには、硫化水素が含まれている。このため、嫌気性処理槽より前段において、バイオガスが有機性排水と接することで、硫化水素が有機性排水に溶け込み、有機性排水の酸化還元電位を低下させる。これにより、嫌気性処理槽において酸化還元電位が上昇することを抑制し、好適に嫌気性処理を行うことができる。
ここで、上記作用を効果的に奏する構成として、具体的には、前記ガス返送手段は、前記バイオガスの少なくとも一部を前記前段処理槽へ返送する第1のガス返送路を有する態様が挙げられる。
また、上記作用を効果的に奏する他の構成として、具体的には、前記前段処理槽の前段に設けられ、前記有機性排水を還元処理する還元槽を更に備え、前記ガス返送手段は、前記バイオガスの少なくとも一部を前記還元槽へ返送する第2のガス返送路を有する態様が挙げられる。
また、前記前段処理槽の前段に設けられ、前記有機性排水を還元処理する還元槽を更に備え、前記ガス返送手段は、前記前段処理槽内のガスの一部を前記還元槽へ返送するガス移送路を有する態様とすることもできる。
このように嫌気性処理槽からのバイオガスを前段処理槽に返送し、さらにその前段処理槽におけるガスを還元槽へ移送する移送ラインを備える構成とすることで、還元槽に直接バイオガスを返送するガス返送ラインを備えずとも、還元槽においてもバイオガスと有機性排水とが接触可能となり、有機性排水に硫化水素が溶け込むことが可能となり、嫌気性処理槽内の有機性排水の酸化還元電位の上昇を抑制することができる。
本発明によれば、嫌気性処理槽内の有機性排水の酸化還元電位の上昇を抑制し、好適に嫌気性処理を行うことができる嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法が提供される。
本実施形態に係る嫌気性処理システムの構成を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る嫌気性処理システムの構成を示す概略図である。嫌気性処理システム1は、原水流入管L1を通ってきた有機性排水を受け入れる調整槽9と、その後段の酸生成槽11と、更にその後段の嫌気性処理槽12と、を備える。
調整槽(還元槽)9は、後段に送出する有機性排水の流量調整処理を行う槽である。また、調整槽9は、還元処理を行う還元槽としての機能を有している。調整槽9では、有機性排水の酸化還元電位を低下させる。有機性排水の酸化還元電位を低下させる方法としては、硫化ナトリウム等の還元剤や硫酸塩等を調整槽9内の有機性排水と混合させる方法が挙げられる。調整槽9からは、送水管L2を通じて酸生成槽11に所定の流量で有機性排水が送られる。
酸生成槽(前段処理槽)11は、酸生成菌により有機性排水に含まれる有機物を酢酸等に分解する。また、酸生成槽11において、中和剤としてアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム)を添加することも好ましい。酸生成槽11には、送水管L3が接続されており、酸生成槽11内の有機性排水が上向流式の嫌気性処理槽12に流入するようになっている。
嫌気性処理槽12は、直方体状や円柱状の容器等からなり、EGSB(Expanded Granular Sludge Bed)反応槽などと呼ばれるタイプの水処理槽である。嫌気性処理槽12の下部には、流入部13が設けられている。流入部13は、送水管L3に連絡しており有機性排水Wを嫌気性処理槽12内に流入させる。流入部13は、例えば、長手方向に均一に穴部が設けられた送水管である。嫌気性処理槽12内には、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥が収納されている。有機性排水Wは、グラニュール汚泥に接触することにより、グラニュール汚泥中の嫌気性菌によって嫌気性処理される。このようなグラニュール汚泥が、有機性排水中で下部に沈降して溜まることにより、嫌気性処理槽12の下部にはグラニュール汚泥層14が形成されている。
嫌気性処理槽12では、その下部に設けられた流入部13から有機性排水Wを内部に導入することによって上向きの流動を生じさせ、嫌気性微生物が凝集しているグラニュール汚泥層14に有機性排水Wを通して、有機性排水Wを嫌気性処理する。グラニュール汚泥層14の上部には、当該グラニュール汚泥層14を通過し嫌気性処理を経た有機性排水Wの液層が形成されている。この液層の有機性排水Wには、グラニュール汚泥層14から浮上した浮上グラニュール汚泥や、嫌気性処理によって発生したバイオガス(例えば、メタンガス)が含まれている。なお、浮上グラニュール汚泥は、グラニュール汚泥が浮いたものであり、例えば、グラニュール汚泥にガスが付着したり、ガスが内包されたりなどしたものである。バイオガスの主な構成成分はメタンと二酸化炭素であり、硫化水素、窒素、水素等の他の成分も少量含まれる。
また、嫌気性処理槽12の上部には、有機性排水Wと浮上グラニュール汚泥とバイオガスとを分離するための三相分離部18が、配置されている。
三相分離部18の下端部には、有機性排水Wを三相分離部18の内部に導入する導入口18aが形成されている。この導入口18aに有機性排水Wを導くために、三相分離部18の下方であって導入口18aの周囲には、三相分離部18の底部に沿って設置された導入板19が設けられている。また、導入板19には、導入口18aに導入されなかった有機性排水Wを下側に返送するための返送口19aが形成されている。また、導入板19の更に下方には、導入板19の返送口19aを通って返送される有機性排水Wの流れを整えるための整流板20が設けられている。
有機性排水Wは、上記グラニュール汚泥層14を通過し上向きに流動し、導入板19によって導入板19と三相分離部18との間に形成された導入路に外側から流入する。上記導入路を通った有機性排水Wの一部は、導入口18aから三相分離部18内に流入し、他の部分は、導入板19の返送口19aから下側に流れるようになっている。
三相分離部18内に流入した有機性排水Wは、三相分離部18の側壁18bから外側に溢れ、処理水として処理水排出部23に集められる。側壁18bの上端の高さに、有機性排水Wの液面Hが形成される。処理水排出部23の処理水の一部は、処理水返送路L4を通じて酸生成槽11に返送され、処理水排出部23の処理水の残部は、排水管L5を通じて系外に排出される。三相分離部18において、三相分離部18の側壁18bの内側には、導入口18aから流入した有機性排水Wが直接処理水排出部23に流入しないようにするための隔壁24が設けられている。
また、嫌気性処理槽12内で、液面Hよりも上方の閉鎖空間31には、前述のバイオガスが一時的に貯留される。液面H下の嫌気性処理空間33には、有機性排水Wが貯留される。
嫌気性処理槽12では、嫌気性処理空間33で有機性排水Wの嫌気性処理が行われ、バイオガスが発生する。当該バイオガスが浮上し液面Hまで到達することで、ガス貯留空間31にバイオガスが一時的に貯留される。ガス貯留空間31のバイオガスは、ガス回収ラインL6を通じて外部に排出され有用なエネルギー源として回収される。
さらにガス回収ラインL6から分岐してバイオガスを前段に返送するための返送ラインL7(ガス返送手段)が設けられている。ガス返送ラインL7は、更にバイオガスの一部を前段処理槽9に返送するガス返送ラインL8(ガス返送手段:第2のガス返送路)とバイオガスの一部を酸生成槽11へ返送するガス返送ラインL9(ガス返送手段:第1のガス返送路)とに分岐する。なお、ガス返送ラインL8,L9の前段処理槽9,酸生成槽11側の端部は、各槽に貯留される有機性排水の内部とし、有機性排水中に返送されるバイオガスを吹き込む構成であることが好ましい。このような構成を有することにより、ガス返送ラインL8,L9により返送されるバイオガスが各槽内の有機性排水と好適に混合される。
また、ガス返送ラインL8,L9には、それぞれ、ラインを開閉可能とするバルブV8,V9が設けられている。
続いて、上記嫌気性処理システム1による嫌気性処理方法について説明する。
(還元処理工程/前段処理工程)
調整槽9に有機性排水が導入されると、調整槽9では、還元剤等を添加することで還元処理が行われる。これにより調整槽9内の有機性排水の酸化還元電位が低下される。還元処理後の有機性排水は、流量を調整されながら、調整槽9から酸生成槽11へ送られる。
(酸生成槽処理工程)
調整槽9で調整された流量で、酸生成槽11に対し有機性排水が導入されると、酸生成槽11では、酸生成菌により有機性排水に含まれる有機物が酢酸等に分解される。これにより酢酸等の有機酸を多く含む有機性排水が、酸生成槽11から嫌気性処理槽12に送られる。
(嫌気性処理工程)
嫌気性処理槽12の流入部13から導入された有機性排水Wは、嫌気性処理空間33内を上向きに流動する。このとき、有機性排水Wは、グラニュール汚泥層14を通過しながらグラニュール汚泥に接触し、嫌気性処理される。
(処理水排出工程)
その後、液面Hまで到達した有機性排水Wは、側壁18bの上端を越えて処理水排出部23に溢れ、処理水として排水管L5を通じて系外に排出される。なお、排出された処理水には、後段で更なる所定の水処理が施される。
(ガス回収工程)
上記嫌気性処理工程では、嫌気性反応によるバイオガス(メタンガス、二酸化炭素等)が発生し、液面Hまで浮上することでガス貯留空間31に一時的に貯留され、バイオガスの量が増加すると、ガス貯留空間31のバイオガスが、ガス貯留空間31の圧力によってガス回収ラインL6を流動し排出される。
(ガス返送工程)
ガス回収ラインL6から分岐されたガス返送ラインL7、さらにガス返送ラインL7から分岐されたガス返送ラインL8を通って、バイオガスが調整槽9に送られる。また、ガス返送ラインL7から分岐されたガス返送ラインL9を通って、バイオガスが酸生成槽11に送られる。ガス返送ラインL8,L9へのバイオガスの返送量の調節は、バルブV8,V9によって行われる。
続いて、以上説明した嫌気性処理システム1及び嫌気性処理方法による作用効果について説明する。
嫌気性処理槽12における嫌気性処理は、還元状態において進行するメタン生成菌等の嫌気性菌(偏性嫌気性菌)による生物反応である。したがって、酸化還元電位が−200mV以上の酸化状態になると、生物反応が停止する。嫌気性菌による嫌気性処理を好適に行うためには、有機性排水に酸素が混入していない状態で嫌気性処理を行うことが好ましい。しかし、実際には、有機性排水に多少酸素が混入していても、グラニュール汚泥層14の汚泥に存在する微生物(通性嫌気性菌)が有機物の分解時に酸素を消費することから、若干量の酸素が有機性排水に混入していてもメタン発酵は進行し、嫌気性処理が好適に行われる。
ただし、嫌気性処理槽に一定量以上の酸素が供給された場合、酸素を消費しきることができず、酸化還元電位は上昇し、その結果嫌気性処理が好適に行われないことが考えられる。酸化還元電位が上昇する例として、有機性排水に含まれる有機物の濃度が低く、酸素を消費するための微生物の活動が十分に行われない場合が挙げられる。微生物による有機物分解の活動量が少ない場合には、その活動量の減少に応じて消費される酸素が減少する。また、5〜20℃の低温域において嫌気性処理をする場合には、中温域(30〜40℃)や高温域(50〜60℃)の場合と比べて、有機性排水中の溶存酸素濃度が高くなり、微生物による酸素の分解を十分に行うことができない場合が考えられる。このように、有機性排水中の酸素の除去が十分に行われず、酸化還元電位が上昇し、−200mVを上回ると、嫌気性処理が十分に行われなくなり、処理水の水質が悪化する可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る嫌気性処理システム1では、嫌気性処理槽12における嫌気性処理で発生したバイオガスの一部を嫌気性処理槽12より前段の調整槽9及び酸生成槽11に返送する構成を備える。
これにより、バイオガスに含まれる硫化水素が有機性排水に溶け込む。硫化水素は還元性の高いガスであり、これが有機性排水に溶け込んで有機性排水中の硫化物イオンの濃度を高めることにより、有機性排水の酸化還元電位を低く維持することができる。したがって、有機性排水中の有機物濃度が低い場合や、低温での嫌気性処理等、微生物による有機物分解が十分に行われず酸素の消費が十分ではない場合であっても、有機性排水の酸化還元電位の上昇を抑制し、嫌気性処理を好適に行うことができる。
また、嫌気性処理槽12のグラニュール汚泥層14の汚泥には、硫酸還元反応を行う微生物も含まれていて、嫌気性処理によって有機性排水中の硫酸塩類は、硫黄イオン等の還元性硫黄に変化し、これにより有機性排水の酸化還元電位低く保たれる。しかしながら、有機性排水中の有機物濃度が低い場合や、低温での嫌気性処理等、有機物分解が十分に行われず酸素の消費が十分ではない環境は、硫酸還元反応を行う微生物にとっても活発に活動できない環境である。したがって、嫌気性処理槽12よりも前段において、バイオガスに含まれる硫化水素が有機性排水に溶け込む構成とすることで、有機性排水中の硫化水素の欠乏を防止し、排水の酸化還元電位を低く維持することができる。
なお、バイオガスは、図1に示す嫌気性処理システム1のように、調整槽9と酸生成槽11との双方に返送する構成としてもよいし、いずれか一方にのみ返送する構成としてもよい。
また、調整槽9と酸生成槽11とを比較した場合、酸生成槽11では酸生成菌により有機性排水に含まれる有機物を酢酸等に分解する工程が行われるため、有機性排水のpHが調整槽9と比較して低くなる。このようにpHが低くなると、バイオガス中の硫化水素が有機性排水に溶け込みにくくなるため、有機性排水のpHがより高い調整槽9にバイオガスを返送する構成とすることで、バイオガスの硫化水素が有機性排水に溶け込みやすくなると考えられる。
また、酸生成槽11において硫化水素の溶解が不十分である場合には、例えば、ガス返送ラインL9に加えて、酸生成槽11の上部のガスを回収して調整槽9に送るガス移送路であるガス移送ラインL10(図1では破線で示す)をさらに設ける構成としてもよい。なお、ガス移送ラインL10を有する構成とする場合は、酸生成槽11へのガス返送ラインL9が設けられることが前提である。嫌気性処理槽12からのバイオガスを酸生成槽11に返送し、さらにその酸生成槽11におけるガスを調整槽9へ移送する構成とすることで、調整槽9に直接バイオガスを返送するガス返送ラインL8を備えずとも、調整槽9においてもバイオガスと有機性排水とが接触可能となり、有機性排水に硫化水素が溶け込むことが可能となる。
また、送水管L2又は送水管L3にガス返送ラインを接続し、送水管内を流れる有機性排水とバイオガスを混合させる構成としてもよい。すなわち、嫌気性処理槽12よりも前段において、嫌気性処理槽12から返送されるバイオガスと有機性排水とを混合させることによって、硫化水素が有機性排水に溶け込むことで酸化還元電位が低下する。この構成を有することで、嫌気性処理槽12における有機性排水の酸化還元電位の上昇を抑制することができ、嫌気性処理を好適に行うことができる。
また、有機性排水の酸化還元電位に応じて、例えば、バルブV8,V9の開閉等によって、返送するバイオガスの返送量を調整する構成としてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、嫌気性処理槽12は、EGSB反応槽に限られず、例えばUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)反応槽であってもよい。
また、上記実施形態では、調整槽9において還元剤を有機性排水中に添加する構成について説明したが、還元剤の添加等の還元処理を調整槽9で行わず、流量の調整のみを行う構成としてもよい。
1…嫌気性処理システム、9…調整槽(還元槽)、11…酸生成槽(前段処理槽)、12…嫌気性処理槽、L6…ガス回収ライン、L7,L8,L9…ガス返送ライン、W…有機性廃水。

Claims (5)

  1. 流入する有機性排水を嫌気性処理することでバイオガスを発生させる嫌気性処理槽を備えた嫌気性処理システムであって、
    前記バイオガスは還元性の高いガスを含み、
    前記嫌気性処理槽で発生した前記バイオガスの少なくとも一部を前記嫌気性処理槽に流入する有機性排水へ返送し、酸化還元電位が−200mV以上の酸化状態である当該有機性排水に対して前記バイオガス中の還元性の高いガスを溶け込ませることにより、当該有機性排水の酸化還元電位を低下させるガス返送手段を備え、
    前記嫌気性処理槽において、酸化還元電位が低下した前記有機性排水を嫌気性処理することを特徴とする嫌気性処理システム。
  2. 前記有機性排水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽をさらに備え、
    前記ガス返送手段は、前記バイオガスの少なくとも一部を前記前段処理槽へ返送する第1のガス返送路を有することを特徴とする請求項1記載の嫌気性処理システム。
  3. 前記有機性排水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽をさらに備え、
    前記前段処理槽の前段に設けられ、前記有機性排水を還元処理する還元槽を更に備え、
    前記ガス返送手段は、前記バイオガスの少なくとも一部を前記還元槽へ返送する第2のガス返送路を有することを特徴とする請求項1又は2記載の嫌気性処理システム。
  4. 前記前段処理槽の前段に設けられ、前記有機性排水を還元処理する還元槽を更に備え、
    前記ガス返送手段は、前記前段処理槽内のガスの一部を前記還元槽へ移送するガス移送路を有することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性処理システム。
  5. 嫌気性処理槽において流入する有機性排水を嫌気性処理することでバイオガスを発生させる嫌気性処理工程を備えた嫌気性処理方法であって、
    前記バイオガスは還元性の高いガスを含み、
    前記嫌気性処理槽で発生した前記バイオガスの少なくとも一部を前記嫌気性処理槽に流入する有機性排水へ返送し、酸化還元電位が−200mV以上の酸化状態である当該有機性排水に対して前記バイオガス中の還元性の高いガスを溶け込ませることにより、当該有機性排水の酸化還元電位を低下させるガス返送工程を備え、
    前記嫌気性処理工程において、酸化還元電位が低下した前記有機性排水を嫌気性処理することを特徴とする嫌気性処理方法。
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