JP6018885B2 - 導電パターン形成基板および静電容量式センサーシート並びにその製造方法 - Google Patents
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本発明の一態様は、一方向に長い少なくとも1本の溝部を含む凹部が表面に設けられた光透過性の絶縁体層と、前記表面のうち前記凹部の縁および前記凹部内に設けられた光透過性導電膜と、を備え、前記絶縁体層の層厚方向における前記光透過性導電膜の厚さは、前記層厚方向から見たときに前記凹部と重なる領域における厚さが、前記縁における厚さよりも厚く、前記光透過性導電膜の上面は、前記絶縁体層の表面に沿い且つ前記溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って前記光透過性導電膜の層厚が薄くなるように湾曲していることを特徴とする導電パターン形成基板である。
以下、本発明の導電パターン形成基板の第1実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の導電パターン形成基板の第1実施形態の構成図で、(a)は平面図、(b)および(c)は、(a)のA−A矢視断面図である。なお、図1(b)と図1(c)は、凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図となっている。
本実施形態の導電パターン形成基板は、静電容量タッチパネルの静電容量式センサーシートに好適に適用できるものである。
基材11の材質としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどの樹脂材料や、ガラス等が挙げられる。
人の目の視認性に関わる分解能力を考えた場合、溝部12の幅をたとえば30μm以下、好ましくは20μm以下に設定すれば、人の目で溝部12を認識するのが困難となるので、視認性の妨げになることがない。また、溝部12の深さは、0.1μm〜0.7μmであることが望ましい。
なお、透明絶縁体膜14の材料としては、たとえば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン、ウレタンアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコールやこれらの混合物等を挙げることができる。
また、溝部12を覆う透明電極13は、基材11の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして且つ前記一方向と交差する方向に一定間隔をあけて複数配列されている。また、透明電極13の材料としては、ウェット形成できる透明導電材料が適しており、ITOインク、金属ナノワイヤー、導電性微粒子、カーボン材料などの導体を溶媒中に分散させた溶液を採用することができる。
本実施形態では、電極形成面11aに形成された溝部12内に、透明電極13が積層されている。このため、基材11の層厚方向における透明電極の厚さは、溝部12内の方が溝部11外よりも厚い。その結果、溝部12を埋めた部分での透明電極13の厚みt2を他の部分の透明電極13の厚みt1よりも厚くすることができるので、溝部12が設けられていない場合と比較して、溝部12が設けられている場合の方が、透明電極13の抵抗値が小さい。
溝部12を形成する方法としては、プレス成形やその他の機械加工、あるいは、エッチング等の化学的な方法を挙げることができる。
次に、本発明の導電パターン形成基板の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の導電パターン形成基板の第2実施形態の構成図で、(a)は平面図、(b)および(c)は、(a)のB−B矢視断面図であり、基材の表面の凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態の導電パターン形成基板10Bでは、溝部12を1列の透明電極13あたり3本ずつ設けている。溝部12は、図3(b)に示すように、基材11の電極形成面11aに直接エッチング等により形成してもよい。また、溝部12は、図3(c)に示すように、基材11の電極形成面11aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成してもよい。
また、透明絶縁体膜14は、基材11上にまず一様に塗工され、その後インクジェット印刷等によって溝部12以外の部分がパターン状に塗工されることによって形成されてもよい。
この場合、両層の透明電極13の交差部(シートの厚み方向から見て重なる位置)では、溝部12が重なることにより透明電極13が局部的に厚くなり、透明電極13が重なっている部分と重なっていない部分で色調の差が生じる可能性がある。このような場合には、透明電極13が交差する部分において溝部12を省略したり、溝部12の寸法を減じることで、色調の差が目立たなくなる。
次に、本発明の導電パターン形成基板の第3実施形態について説明する。図4は、本発明の導電パターン形成基板の第3実施形態の導電パターン形成基板10Cの構成図で、(a)は平面図、(b)〜(d)は、(a)のC−C矢視断面図であり、(b)および(c)は基材の表面の凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図、(d)は変形例を示す断面図である。
本実施形態の導電パターン形成基板10Cでは、図4(a)に示すように、基材11の面方向のうちの一方向に平行に延び且つ前記一方向と交差する方向に一定間隔をあけて複数配列された透明電極23が、基材11の面方向に対して直交する方向(基材11の層厚方向)から見た場合に相対的に大面積の正方形状のパッド部23Aと相対的に小面積の細線部23Bとを有している。
溝部22は、図4(b)に示すように、基材11の電極形成面11aに直接エッチング等により形成してもよい。また、溝部22は、図4(c)に示すように、基材11の電極形成面11aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成して構成してもよい。溝部22の幅(基材11の表面に沿い且つ溝部22が延びる方向と直交する方向に測った大きさ)は、透明電極23の細線部23Bの下に隠れる寸法に設定されており、透明電極23の細線部23Bは、少なくとも溝部22と基材11の電極形成面11aの一部とを覆っている。
次に、上記第3実施形態の変形例について説明する。図5は、本変形例の構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D矢視断面図である。
図5に示すように、本実施形態の導電パターン形成基板10Dでは、溝部22がパッド部23Aと細線部23Bの下側に直線的に連続して延びている。
このような構成であっても、上記第3実施形態と同様の効果を奏する。また、本変形例では、溝部22内に配された透明電極13は、上記第3実施形態に示したように細線部23Bの抵抗値を低減させることに加えて、パッド部23Aの抵抗値を低減させるようになっている。
また、細線部23Bに対応する領域のみに溝部22を形成する場合と比較して、本変形例では、直線的に連続した溝を形成することによって溝部22が構成されるので、製造が容易である。
次に、上記第3実施形態の他の変形例について説明する。図6は、本変形例の構成を示す平面図である。
図6に示すように、本変形例の導電パターン形成基板10Eでは、パッド部23Aの下側に、直線的に連続して延びる溝部22と交差する別の溝部22Bが設けられている点が上記第4実施形態及びその変形例1と異なっている。
本変形例では、別の溝部22Bは、別の溝部22Bの内部に透明電極13が配されることにより、パッド部23Aの抵抗値をさらに低下させることができる。
次に、本発明の静電容量式センサーシートの製造方法の第1実施形態について説明する。
本実施形態では、互いに直交する2方向(X方向、Y方向)により規定される2次元平面(XY平面)における位置を検出するセンサーシートの製造方法を例示する。
図7(a)ないし図7(i)は、静電容量式センサーシートの製造方法の第1実施形態の工程説明図である。
エッチングにより溝部12Xを形成する場合には、微細な機械加工をするよりも溝部12Xの形成が容易であり、機械加工により溝部12Xを形成する場合には溝部12Xのエッチング条件のバラつきがないので寸法精度を高めることができる。
第1の透明電極13Xの形成方法としては、例えば、まず図7(d)に示すように基材11において溝部12X及びその他の表面を覆うように光透過性導電膜13Pの溶液を一定厚さで全面塗布し、続いて図7(e)に示すように光透過性導電膜13Pの溶液の硬化後にパターニングすることができる。
第1の透明電極13Xを形成するための別の方法としては、例えば、光透過性導電膜13Pの溶液をスクリーン印刷により基材11の電極形成面11aに印刷する方法を採用することができる。
また、第1の透明電極13Xを形成するためのさらに別の方法としては、例えば、光透過性導電膜13Pの溶液を、インクジェット印刷によってパターン形状に印刷してもよい。
さらに、図7(i)に示すように、光透過性導電膜13Pの硬化後に、光透過性導電膜13Pの硬化物をパターニングすることで、第2の溝部24Yを覆いY方向に延びる第2の透明電極13Yを形成する。
以上により静電容量式センサーシート30Aが完成する。
次に、本発明の静電容量式センサーシートの製造方法の第2実施形態について説明する。
図8(a)ないし図8(j)は静電容量式センサーシートの製造方法の第2実施形態の工程説明図である。
本実施形態の方法では、図8(a)〜(f)に示す工程で、基板11の電極形成面11aのX方向に沿った溝部12Xを覆うように、X方向に沿った透明電極13Xを形成して、第1の導電パターン形成基板10Xを作成する。
また、図8(g)〜(i)に示す工程で、絶縁体層21の電極形成面21aのY方向に沿った溝部12Yを覆うように、Y方向に沿った透明電極13Yを形成して、第2の導電パターン形成基板10Yを作成する。
続いて、図8(c)および図8(d)に示すように、溝部12Xを覆うように、光透過性導電膜13Pが一様に塗布され、図8(e)に示すように、エッチング等によって第1の透明電極13Xがパターニングされる。
また、図8(g)〜(i)に示すように、第2の導電パターン形成基板10Yは、絶縁体層21の電極形成面21aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成し、透明絶縁体膜14の欠如部14Sで溝部12Yを構成する。
なお、溝部12X,12Yの形成方法は上記の組み合わせには限られない。
11 基材(絶縁体層,第1の絶縁体層)
11a,21a 電極形成面(表面)
12,12X,12Y,22,22B,24Y 溝部(凹部)
13,13X,13Y,23 透明電極
13a 上面
14 透明絶縁体膜
14S 欠如部
20 透明粘着層
21 第2の絶縁体層
23A パッド部
23B 細線部
30A,30B 静電容量式センサーシート
Claims (11)
- 一方向に長い少なくとも1本の溝部を含む凹部が表面に設けられた光透過性の絶縁体層と、
前記表面のうち前記凹部の縁および前記凹部内に設けられた光透過性導電膜と、
を備え、
前記絶縁体層の層厚方向における前記光透過性導電膜の厚さは、前記層厚方向から見たときに前記凹部と重なる領域における厚さが、前記縁における厚さよりも厚く、
前記光透過性導電膜の上面は、前記絶縁体層の表面に沿い且つ前記溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って前記光透過性導電膜の層厚が薄くなるように湾曲している
ことを特徴とする導電パターン形成基板。 - 前記凹部が前記絶縁体層の表面に直接形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板。
- 前記絶縁体層は、
基材と、
前記基材の表面の一部に設けられた透明絶縁体膜と、
を有し、
前記凹部は、前記透明絶縁体膜の隙間において前記基材が露出された領域である
ことを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板。 - 前記絶縁体層は、
基材と、
前記基材の表面に積層された透明絶縁体膜と、
を有し、
前記凹部は、前記透明絶縁体膜の表面に形成され、
前記光透過性導電膜は、前記透明絶縁体膜の表面に積層されている
ことを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板。 - 前記光透過性導電膜は、前記溝部を覆っている
ことを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板。 - 前記溝部を覆う光透過性導電膜は、前記絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして且つ前記一方向と交差する方向に間隔をあけて複数配列されていることを特徴とする請求項5に記載の導電パターン形成基板。
- 前記複数の光透過性導電膜が帯状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の導電パターン形成基板。
- 前記複数の光透過性導電膜が、前記層厚方向から見た場合に相対的に大面積のパッド部と相対的に小面積な細線部とを有し、
前記細線部は、前記溝部に沿って延ばして設けられ前記層厚方向から見た場合に前記パッド部と重なるように前記パッド部と一体成形されており、
前記パッド部は、前記層厚方向から見たときに前記溝部が延びる方向に互いに隙間を空けて複数設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の導電パターン形成基板。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載の導電パターン形成基板からなる第1層と、
請求項5〜8のいずれか1項に記載の導電パターン形成基板からなる第2層と、
を有し、
前記第2層は、前記第2層における前記溝部が延びる方向が前記層厚方向から見たときに前記第1層における前記溝部と交差する方向となるように前記第1層に重ねて設けられた第2層と、
を備えることを特徴とする静電容量式センサーシート。 - 一方向に長い少なくとも1本の第1の溝部を含む第1の凹部を表面に有する第1の絶縁体層を作成する第1絶縁体層形成工程と、
前記第1の凹部を埋めると共に、上面が前記第1の絶縁体層の表面に沿い且つ前記第1の溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記第1の絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる第1の透明電極を、前記第1の絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして積層する第1電極形成工程と、
前記第1の透明電極の上面を覆うように前記第1の絶縁体層の上に、一方向に長い少なくとも1本の第2の溝部を含む第2の凹部を表面に有する第2の絶縁体層を積層する第2絶縁体層形成工程と、
前記第2の凹部を埋めると共に、上面が前記第1の絶縁体層の表面に沿い且つ前記第2の溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記第2の絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる第2の透明電極を、前記第2の絶縁体層の面方向に沿い且つ前記第1の透明電極と交差する方向へ互いに平行に延ばして積層する第2電極形成工程と、
を具備することを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法。 - 一方向に長い少なくとも1本の溝部を含む凹部を表面に有する絶縁体層を作成する絶縁体層形成工程と、
その凹部を埋めると共に、上面が前記絶縁体層の表面に沿い且つ前記溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる透明電極を、前記絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして積層する電極形成工程と、
前記絶縁体層形成工程及び前記電極形成工程にて得られた2枚の導電パターン形成基板に対して、2枚の導電パターン形成基板のうちの1枚を下層とするとともに2枚の導電パターン形成基板のうち他の1枚を上層とし、下層の導電パターン形成基板の透明電極と上層の導電パターン形成基板の透明電極とが互いに交差する方向に向くように組み合わせて、透明粘着層を介して積層し一体化する重ね合わせ工程と、
を具備することを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法。
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