JP2011141961A - 透明導電膜およびその製造方法、並びにこれを備えた電子素子および電子機器 - Google Patents

透明導電膜およびその製造方法、並びにこれを備えた電子素子および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】透過性および導電性を高めると共に下地材料へのダメージを小さくすることが可能な透明導電膜およびその製造方法、並びにこれを備えた電子素子および電子機器を提供する。
【解決手段】基材10に導電性を有する透明樹脂を塗布し、平行格子状または交差格子状の凹部を有する型を透明樹脂の表面に配置して透明樹脂を硬化させ、凹部の形状を透明樹脂の表面に転写することにより、平行格子状または交差格子状の凸部21を有する凹凸構造層20を形成する。この凹凸構造層20の表面の法線に対して斜め方向からITOなどの導電材料を成膜することにより、凸部21の上面および側面に導電層30を形成すると共に、凹凸構造層20の凸部21以外の領域に導電層30が形成されない隙間31を設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、透明電極または電磁シールドなどに用いられる透明導電膜およびその製造方法、並びにこの透明導電膜を備えた電子素子および電子機器に関する。
近年、電子デバイスに実用化されている透明導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)(登録商標)、AZO(アルミニウム(Al)を添加した酸化亜鉛(ZnO))などの金属酸化物よりなる透明導電材料を用いている。
また、特許文献1では、ステンレス鋼などの金属板をあらかじめエッチングを行うことでメッシュ状にし、これを透明基板表面に貼合して半透明導電層を形成する手法が提案されている。
特開平11−26980号公報
上述した金属酸化物よりなる透明導電材料は、高融点材料であるため蒸着法による成膜ができず、スパッタ法で成膜される。スパッタ法は、成膜時にプラズマを発生させるため、基板に対するダメージを避けられず、特に有機EL(Electroluminescence)表示素子や有機薄膜太陽電池等のように下地に有機材料層が存在し、その上に透明電極の形成が必要な場合には、有機材料がダメージを受け、デバイス特性が劣化してしまうといった問題点があった。下地材料にダメージを与えにくく高融点材料を成膜する手法としては、PLD(Pulsed Laser Deposition)法があるが、大面積に対する成膜ができないため量産には不向きであった。
特許文献1の手法では、メッシュの金属線幅が数十μm程度有り、透過性がITOに比べて劣ることや、目視でメッシュが認識できてしまうといった問題点があった。これを解決するためにはメッシュを細かくする必要があるが、金属線幅を数μmレベルにすると、メッシュが崩れやすく基板表面に貼合することが難しくなってしまっていた。
一方、近年では、電気を流すことのできる導電性高分子材料が実用化され、電解コンデンサー等の電極材料として利用され始めている。しかし、導電性ポリマー材料はITOに比較してまだ抵抗値が高かった。また、カーボンナノチューブや金属ナノワイヤーを樹脂に混合させたものも提案されているが、いずれも表示素子等の透明電極材料としては、抵抗値的に不十分なレベルであった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、透過性および導電性を高めると共に下地材料へのダメージを小さくすることが可能な透明導電膜およびその製造方法、並びにこの透明導電膜を備えた電子素子および電子機器を提供することにある。
本発明による透明導電膜は、表面に平行格子状または交差格子状の凸部を有し、導電性を有する透明樹脂よりなる凹凸構造層と、凸部の表面の少なくとも一部に設けられ、凹凸構造層の凸部以外の領域に隙間を有する導電層とを備えたものである。
本発明による透明導電膜の製造方法は、以下の(A),(B)の工程を含むものである。
(A)基材に導電性を有する透明樹脂を塗布し、平行格子状または交差格子状の凹部を有する型を透明樹脂の表面に配置して透明樹脂を硬化させ、凹部の形状を透明樹脂の表面に転写することにより、平行格子状または交差格子状の凸部を有する凹凸構造層を形成する工程
(B)凹凸構造層の表面の法線に対して斜め方向から導電材料を成膜することにより、凸部の表面の少なくとも一部に導電層を形成すると共に、凹凸構造層の凸部以外の領域に導電層が形成されない隙間を設ける工程
本発明による電子素子は、上記本発明による透明導電膜を備えたものである。また、本発明による電子機器は、上記本発明による電子素子を備えたものである。
本発明の透明導電膜、または本発明の電子素子あるいは本発明の電子機器では、凹凸構造層の表面に平行格子状または交差格子状の凸部が設けられており、この凸部の表面の少なくとも一部に導電層が設けられているので、抵抗値が低くなり、高い導電性が得られる。また、導電層は、凹凸構造層の凸部以外の領域に隙間を有しているので、光はこの隙間を透過し、光透過率が向上すると共に、下地材料へのダメージが小さくなっている。
本発明の透明導電膜によれば、凹凸構造層の表面に平行格子状または交差格子状の凸部を設け、この凸部の表面の少なくとも一部に導電層を設け、この導電層に、凹凸構造層の凸部以外の領域に隙間を設けるようにしたので、透過性および導電性を高めると共に下地材料へのダメージを小さくすることが可能となる。よって、この透明導電膜を用いて電子素子および電子機器を構成すれば、透明有機ELディスプレイ等の完全透明なデバイスの実現が可能となる。
本発明の透明導電膜の製造方法によれば、基材に導電性を有する透明樹脂を塗布し、平行格子状または交差格子状の凹部を有する型を透明樹脂の表面に配置して透明樹脂を硬化させ、凹部の形状を透明樹脂の表面に転写することにより、平行格子状または交差格子状の凸部を有する凹凸構造層を形成し、この凹凸構造層の表面の法線に対して斜め方向から導電材料を成膜することにより、凸部の表面の少なくとも一部に導電層を形成すると共に、凹凸構造層の凸部以外の領域に導電層が形成されない隙間を設けるようにしたので、本発明の透明導電膜を容易に製造することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る透明導電膜の構成を表す断面図である。 図1に示した凹凸構造層の構成例を表す平面図および断面図である。 凹凸構造層の他の構成例を表す平面図および断面図である。 凹凸構造層の更に他の構成例を表す平面図および断面図である。 凹凸構造層の更に他の構成例を表す平面図および断面図である。 図1に示した透明導電膜の製造方法を工程順に表す断面図である。 図6に続く工程を表す断面図である。 図7に示した工程における成膜方向を説明するための図である。 成膜方向を変えた場合を表す図である。 図1に示した透明導電膜の変形例を表す断面図である。 電子素子への適用例1を表す平面図および断面図である。 図11に示した電子素子の適用例である電子機器の外観を表す斜視図である。 電子素子への適用例2を表す平面図である。 電子素子への適用例3を表す平面図である。 電子素子への適用例4を表す平面図である。 有機EL素子への適用例を表す断面図である。 図16に示した有機EL素子を各画素として備えた表示装置の概略構成例を表す図である。 図17に示した画素駆動回路の一例を表す図である。 図17に示した表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。 表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は表示装置の適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 表示装置の適用例3の外観を表す斜視図である。 表示装置の適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は表示装置の適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)電子素子への適用例
(3)有機EL素子への適用例および表示装置の適用例
図1は本発明の一実施の形態に係る透明導電膜1の断面構成を表したものである。この透明導電膜1は、透明有機ELディスプレイなどの透明電極として用いられるものであり、基材10に、透明樹脂よりなる凹凸構造層20と、導電層30とを有している。
基材10は、例えば、樹脂(プラスチック)または、ガラスあるいは石英等の無機材料により構成されている。樹脂としては、ポリテレフタル酸ポリエチレン(PET,polyethylene terephthalate)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA,polymethylmethacrylate)、ポリプロピレン(PP,polypropylene)およびポリスチレン(PS,polystyrene)等が挙げられる。中でも、PETが好ましい。耐熱性および耐薬品性に優れているからである。基材10は、透明導電膜1の用途に応じて光透過性を有することが望ましい。
凹凸構造層20は、例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキキシチオフェン)あるいはPPy(ポリピロール)等の導電性高分子材料、または、筒状炭素分子(カーボンナノチューブ、CNT),金属ナノワイヤーあるいは金属ナノ粒子を混合させることにより導電性をもたせた樹脂により構成されている。
凹凸構造層20の表面には、図2に示したような平行格子状、または図3ないし図5に示したような交差格子状の凸部21が設けられており、導電層30は凸部21の上面および側面に設けられている。導電層30は、凹凸構造層20の凸部21以外の領域に隙間31を有している。これにより、この透明導電膜1では、透過性および導電性を高めると共に下地材料へのダメージを小さくすることが可能となっている。
導電層30は、上述したように凸部21の上面および側面に設けられることによって凹凸構造層20のもつ比較的高い抵抗値を補い、全体として低抵抗な透明導電膜1を得るためのものである。凸部21が図2に示したような平行格子状の場合には、導電層30が設けられていることにより、凸部21の長手方向(延長方向)においては抵抗が小さくなる。一方、凸部21の長手方向と直交する方向では導電層30がつながっていないので、抵抗値が大きく変化する。これに対して、凸部21が図3ないし図5に示したような交差格子状である場合には、導電層30が凹凸構造層20の広がる平面全体でつながっているので、面抵抗を小さくすることが可能である。凸部21の平面形状は、図3に示したような矩形(正方形)のほか、図4に示した円形、図5に示した多角形(六角形)、図示しないが三角形または楕円形など特に限定されない。
導電層30は、例えば、金(Au)あるいは銀(Ag)等の金属材料、またはITO,IZO(登録商標)、AZO等の金属酸化物よりなる透明導電材料により構成されている。導電層30はベタ膜ではなく、凹凸構造層20の凸部21以外の領域に隙間31があいた状態となっているので、光は隙間31を通過することができる。よって、導電層30が金(Au)または銀(Ag)等の金属材料により構成されている場合でも、透明導電膜1は光を透過することが可能である。隙間31すなわち隣接する凸部21間の距離gsは、凸部21を後述するナノインプリント法で作製する場合には、数10nmまで狭くすることが可能である。よって、従来の特許文献1のような金属板のエッチングにより形成したメッシュと異なり、透過性を著しく向上させると共に視認されにくくすることが可能である。更に、導電層30がITOやIZO(登録商標)、AZO等の金属酸化物よりなる透明導電材料により構成されている場合には、導電層30にも光透過性をもたせることができ、極めて光透過率の高い、かつ低抵抗な透明導電膜1を実現可能となる。なお、導電層30は、凸部21の表面の全体(上面および側面の上端から下端まで)に設けられていてもよいが、上面のみに設けられていてもよいし、上面と側面の一部とに設けられていてもよい。
凸部21の間隔gp(ピッチ、凸部21の中央から隣接する凸部21の中央までの距離)は、例えば、凸部21をナノインプリント法で作製する場合には100nm程度、凸部21をフォトリソグラフィで作製する場合には10μm程度とすることができる。凸部21のアスペクト比(隣接する凸部21間の距離gsと、凸部21の高さghとの比gs:gh)は、できるだけ大きいほうが望ましい。後述する製造方法において導電層30を形成する際に下地材料へのダメージを小さくすることができるからである。凸部21をナノインプリント法で作製する場合には、凸部21のアスペクト比を、例えばgs:gh=1:4程度まで大きくすることが可能である。
この透明導電膜1は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、図6(A)ないし図6(C)に示したように、上述した材料よりなる基材10を用意し、この基材10に、例えばナノインプリント法により、平行格子状または交差格子状の凸部21を有する凹凸構造層20を形成する。
すなわち、図6(A)に示したように、基材10に、例えばスピンコート法により、導電性を有する透明樹脂20A、例えば紫外線硬化型のPEDOTを塗布する。次いで、同じく図6(A)に示したように、平行格子状または交差格子状の凹部41を有する石英よりなる型(モールド)40を製作し、この型40を透明樹脂20Aの表面に押し当てる。続いて、図6(B)に示したように、石英の型40越しに紫外線UVを照射して透明樹脂20Aを硬化させ、凹部41の形状を透明樹脂21Aの表面に転写する。これにより、凹部41の反転した形状の平行格子状または交差格子状の凸部21を有する凹凸構造層20が形成される。
ナノインプリント法では、アスペクト比の高い凸部21を容易に形成することができる。ナノインプリント用の型40は、数十nmピッチまでの細かい凹凸構造を形成可能である。また、ナノインプリント用の型40をロール形状とすれば、大面積の基材10に対しても凸部21を容易に形成可能である。
凹凸構造層20を形成したのち、図7(A)に示したように、例えばITOなどの導電材料のターゲット42の下方に、基材10を傾けてセットし、スパッタ法により斜め方向からの成膜を行い、凸部21の上面および左側面に導電層30を形成する。
続いて、図7(B)に示したように、ターゲット42の下方に、基材10を図7(A)とは反対方向に傾けてセットし、スパッタ法により斜め方向からの成膜を行い、凸部21の上面および右側面に導電層30を形成する。凸部21が図2に示した平行格子状である場合には、以上により、凸部21の上面および側面に、左右対称に導電層30を成膜可能である。
凸部21が図3ないし図5に示したような交差格子状である場合には、図7(A)および図7(B)に示した左右斜め方向からの成膜に加えて、前後斜め方向からの成膜を行うことによって、凸部21の上面および前後左右の側面に平均的に成膜を行うことができる。前後左右斜め方向からの成膜は、成膜装置が対応していれば別々に行う必要はなく、同時に成膜してもよい。これにより、図1に示した透明導電膜1が完成する。
導電材料の成膜方向43は、図8に示したように、凸部21の上部角21Aと隣接する凸部21における根元の角21Bとを結ぶ方向とすることが好ましい。つまり成膜角度θ(成膜方向43が透明樹脂層20の表面の法線44に対してなす角度)(rad)を、θ=atan(gs/gh)を満たす角度とすることが好ましい。これにより、凸部21の上面および側面のみに選択的に導電層30を形成し、凹凸構造層20の凸部21以外の領域に導電材料を堆積させることなく隙間31を設けることが可能となる。
また、スパッタ法は生産性が高い反面でプラズマによる基材10へのダメージが発生しやすい。しかし、成膜角度θを上述のように制御することにより、プラズマによるダメージは、凹凸構造層20の凸部21のみが吸収することになる。従って、凹凸構造層20の下地(この場合は基材10)がダメージを受けやすい材料であったとしても、下地層にダメージが及ぶことなく、透過率の高い低抵抗な透明導電膜1を形成することができる。
図9に示したように、成膜角度θ1を大きくした場合には、導電層30を凸部21の上面と側面の一部とに形成することが可能である。
また、図10に示したように、成膜時間を長くすることにより、導電層30を凸部21の間で連続させることも可能である。その場合も、凹凸構造層20の凸部21以外の領域には隙間31が形成されるので、下地材料へのダメージは回避される。
このようにして形成された透明導電膜1は、図示しないが、必要に応じて、導電層30を用途に合わせた所望の形状に加工することも可能である。加工方法としては、例えば、前工程で基材10の導電層30が不要な領域にマスキングを施しておく、または、基材10の全面に導電層30を形成したのちに不要な部分を後工程でエッチングにより除去する、などが挙げられる。
この透明導電膜1では、凹凸構造層20の表面に平行格子状または交差格子状の凸部21が設けられており、この凸部21の上面および側面に導電層30が設けられているので、凹凸構造層20を構成する導電性高分子材料のもつ比較的高い抵抗値は、より抵抗値が低い導電層30によって補われ、全体として抵抗値が低くなり、高い導電性が得られる。また、凹凸構造層20の凸部21以外の領域は、導電層30が形成されず、隙間31となっているので、光は隙間31を透過し、光透過率が向上すると共に、下地材料へのダメージが小さくなっている。
このように本実施の形態の透明導電膜1では、凹凸構造層20の表面に平行格子状または交差格子状の凸部21を設け、この凸部21の上面および側面に導電層30を設けるようにしたので、透過性および導電性を高めると共に下地材料へのダメージを小さくすることが可能となる。よって、この透明導電膜1を用いて電子素子および電子機器を構成すれば、熱等のエネルギーダメージを受けやすい材料の上に極めて低抵抗な透明導電膜1を形成することが可能となり、透明有機ELディスプレイ等の完全透明なデバイスの実現が可能となる。
本実施の形態の透明導電膜1の製造方法では、基材10に透明樹脂20Aを塗布し、平行格子状または交差格子状の凹部41を有する型40を透明樹脂20Aの表面に配置して透明樹脂20Aを硬化させ、凹部41の形状を透明樹脂20Aの表面に転写することにより、平行格子状または交差格子状の凸部21を有する凹凸構造層20を形成し、この透明樹脂層20の表面の法線44に対して斜め方向から導電材料を成膜することにより、凸部21の上面および側面に導電層30を形成するようにしたので、エッチング工程を用いることなく成膜工程のみで、透明導電膜1を容易に製造することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、導電層30の成膜方法としてスパッタ法を用いる場合について説明したが、導電層30は、蒸着法など他の成膜方法により形成することも可能である。
また、上記実施の形態では、凹凸構造層20が導電性高分子材料または導電性をもたせた樹脂などの、導電性を有する透明樹脂により構成されている場合について説明したが、凹凸構造層20の下地材料との電気的接続を必要としない電磁シールドのような用途であれば、凹凸構造層20は導電性をもたない材料により構成されていてもよい。
(電子素子および電子機器)
上記実施の形態の透明導電膜1は、例えば、静電容量型タッチパネルセンサの検出電極、非接触式ICカード等のアンテナ、透明フィルムヒータ、透明キャパシタなどの電子素子、またはこの電子素子を備えた電子機器として、多岐にわたる応用が可能である。
(適用例1)
図11は、上記実施の形態の透明導電膜1が適用される静電容量型タッチパネルの構成を表したものである。この静電容量型タッチパネル110は、基材10の上面10Aに、検出電極として複数(例えば図7では8本)の直線状の凹凸構造層20および導電層30Aを有している。各凹凸構造層20および導電層30Aは接続線61Aを介して切替装置62Aに接続されている。一方、基材10の下面10Bには、検出電極として複数(例えば図7では4本)の直線状の凹凸構造層20および導電層30Bが、導電層30Aと直交する方向に設けられている。各凹凸構造層20および導電層30Bは接続線61Bを介して切替装置62Bに接続されている。切替装置62A,62Bは一定時間ごとに導電層30A,30Bを走査し、その結果を静電容量検出部63に供給する。人の指やペンなどの接触体50でタッチされている導電層30A,30Bでは静電容量が増加することからタッチの有無が認識できる。
この静電容量型タッチパネル110は、例えば図12に示したテレビジョン装置などの電子機器に適用される。このテレビジョン装置200は、例えば、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含む映像表示画面部230を有しており、この映像表示画面部230に、静電容量型タッチパネル110が設けられている。
(適用例2)
図13は、上記実施の形態の透明導電膜1が適用されるヒータの平面構成を表したものである。このヒータ120は、基材10にミアンダ(ジグザグ)形状の凹凸構造層20および導電層30を設けたものである。凹凸構造層20および導電層30の一端と他端との間には電源70が接続されている。電源70から電流を流すと、凹凸構造層20および導電層30を電流が流れ、ジュール熱により発熱する。
(適用例3)
図14は、上記実施の形態の透明導電膜1が適用されるキャパシタの断面構成を表したものである。このキャパシタ130は、誘電体層としての基材10の上面10Aおよび下面10Bに、電極としての凹凸構造層20および導電層30A,30Bがそれぞれ設けられている。導電層30Aと導電層30Bとの間には、電源70が接続されている。電源70により電圧を印加すると、誘電体層としての基材10が分極し、電荷が蓄積される。
(適用例4)
図15は、上記実施の形態の積層体1が適用されるアンテナの平面構成を表したものである。このアンテナ140は、基材10に渦巻きパターンの凹凸構造層20および導電層30を有している。導電層30の一端と他端との間には送信部または受信部80が設けられている。
(有機EL素子および表示装置)
上記実施の形態の透明導電膜1は、例えば、有機EL素子およびこれを用いた有機EL表示装置への適用が可能である。
(有機EL素子への適用例)
図16は、上記実施の形態の透明導電膜1が適用される有機EL素子の構成を表したものである。この有機EL素子150は、基材10に、例えばITOよりなる下部電極91、正孔輸送層,発光層および電子輸送層などを含む有機層92、並びに上部電極93が順に設けられ、必要に応じて保護膜(図示せず)により覆われたものである。上部電極93は、上記実施の形態の透明導電膜1により構成されている。これにより、この有機EL素子150では、有機層92へダメージを与えずに透明な上部電極93を形成することができ、上部電極93と下部電極91の両方が透明なウィンドウディスプレイ(透明有機ELディスプレイ)の実現が可能となっている。
これに対して従来では、透明導電材料として用いられるITO、IZO(登録商標)、AZO等が高融点材料であるため蒸着法による成膜ができず、スパッタ法による成膜を行わなければならないので、有機層へダメージを与えずに透明な上部電極を形成することは困難であった。従って、透明な下部電極の上に有機層を形成し、上部電極は、Mg−Ag合金またはカルシウム(Ca)等の金属材料を、比較的下地材料へのダメージが少ない蒸着法によって成膜し、光を下部電極側から取り出しており、ウインドウディスプレイ(透明有機ELディスプレイ)のような完全透明なデバイスを実現することは困難であった。
なお、有機EL素子150が単純マトリクス駆動方式のものである場合には、下部電極91および上部電極93は、互いに直交するストライプ状に設けられている。有機EL素子150がアクティブマトリクス駆動方式のものである場合には、下部電極91は個々の有機EL素子ごとに設けられ、上部電極93は全部の有機EL素子の共通電極として設けられる。
この有機EL素子150は、基材10に、下部電極91および有機層92を順に形成したのち、上記実施の形態と同様にして凹凸構造層20および導電層30を形成し、透明導電膜1よりなる上部電極93を形成することにより製造することができる。
(表示装置)
図17は、図16に示した有機EL素子150を備えた表示装置の構成を表すものである。この表示装置は、有機ELテレビジョン装置などとして用いられるものであり、例えば、基材10の上に、表示領域310として、複数の有機EL素子150R,150G,150Bがマトリクス状に配置されたものである。表示領域110の周辺には、映像表示用のドライバである信号線駆動回路320および走査線駆動回路330が設けられている。
表示領域310内には画素駆動回路340が設けられている。図18は、画素駆動回路340の一例を表したものである。画素駆動回路340は、下部電極91の下層に形成されたアクティブ型の駆動回路である。すなわち、この画素駆動回路340は、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、これらトランジスタTr1,Tr2の間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機EL素子150R(または150G,150B)とを有する。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガ構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガ構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
画素駆動回路340において、列方向には信号線320Aが複数配置され、行方向には走査線330Aが複数配置されている。各信号線320Aと各走査線330Aとの交差点が、有機EL素子150R,150G,150Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線320Aは、信号線駆動回路320に接続され、この信号線駆動回路320から信号線320Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線330Aは走査線駆動回路330に接続され、この走査線駆動回路330から走査線330Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
この表示装置では、各画素に対して走査線駆動回路330から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路320から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。すなわち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、各有機EL素子150R,150G,150Bに駆動電流Idが注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、下部電極91と、透明導電膜1よりなる上部電極93との両方の側から取り出される。
(表示装置のモジュールおよび適用例)
以下、この表示装置の適用例について説明する。上記の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュール)
上記の表示装置は、例えば、図19に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基材10の一辺に、保護層(図示せず)から露出した領域350を設け、この露出した領域350に、信号線駆動回路320および走査線駆動回路330の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)360が設けられていてもよい。
(表示装置の適用例1)
図20は、上記の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル411およびフィルターガラス412を含む映像表示画面部410を有しており、この映像表示画面部410は、上記の表示装置により構成されている。
(表示装置の適用例2)
図21は、上記の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部421、表示部422、メニュースイッチ423およびシャッターボタン424を有しており、その表示部422は、上記の表示装置により構成されている。
(表示装置の適用例3)
図22は、上記の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体431,文字等の入力操作のためのキーボード432および画像を表示する表示部433を有しており、その表示部433は、上記の表示装置により構成されている。
(表示装置の適用例4)
図23は、上記の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部441,この本体部441の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ442,撮影時のスタート/ストップスイッチ443および表示部444を有しており、その表示部444は、上記の表示装置により構成されている。
(表示装置の適用例5)
図24は、上記の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体451と下側筐体452とを連結部(ヒンジ部)453で連結したものであり、ディスプレイ454,サブディスプレイ455,ピクチャーライト456およびカメラ457を有している。そのディスプレイ454またはサブディスプレイ456は、上記の表示装置により構成されている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、凸部21が矩形の断面を有し、凸部21の側面が垂直である場合について説明したが、凸部21の側面は傾斜していてもよく、その断面形状は、基材10に近づくにつれて幅が大きくなる順テーパ状の台形断面でもよいし、基材10に近づくにつれて幅が小さくなる逆テーパ状の台形断面でもよい。更に、凸部21は、三角形の断面を有していてもよい。その場合、凸部21は側面のみを有し、上面を有しないが、導電層30は、凸部21の表面(側面)の少なくとも一部に設けられていればよい。
また、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法,成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法,成膜条件としてもよい。
更に、上記実施の形態では、有機EL素子の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
加えて、上記実施の形態で説明したアクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路320や走査線駆動回路330のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
1…透明導電膜、10…基材、20…凹凸構造層、21…凸部、30…導電層、40…型、41…凹部、70…電源、61…接続線、62…切替装置、63…静電容量検出部

Claims (6)

  1. 表面に平行格子状または交差格子状の凸部を有し、導電性を有する透明樹脂よりなる凹凸構造層と、
    前記凸部の表面の少なくとも一部に設けられ、前記凹凸構造層の前記凸部以外の領域に隙間を有する導電層と
    を備えた透明導電膜。
  2. 前記導電層は、透明導電材料により構成されている
    請求項1記載の透明導電膜。
  3. 基材に導電性を有する透明樹脂を塗布し、平行格子状または交差格子状の凹部を有する型を前記透明樹脂の表面に配置して前記透明樹脂を硬化させ、前記凹部の形状を前記透明樹脂の表面に転写することにより、平行格子状または交差格子状の凸部を有する凹凸構造層を形成する工程と、
    前記凹凸構造層の表面の法線に対して斜め方向から導電材料を成膜することにより、前記凸部の表面の少なくとも一部に導電層を形成すると共に、前記凹凸構造層の前記凸部以外の領域に前記導電層が形成されない隙間を設ける工程と
    を含む透明導電膜の製造方法。
  4. 前記導電層を形成する工程において、前記導電材料の成膜方向が前記凹凸構造層の表面の法線に対してなす角度θ(rad)を、θ=atan(gs/gh)(gsは隣接する前記凸部の間の距離、ghは前記凸部の高さ)を満たす角度とする
    請求項3記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 透明導電膜を有し、
    前記透明導電膜は、
    表面に平行格子状または交差格子状の凸部を有し、導電性を有する透明樹脂よりなる凹凸構造層と、
    前記凸部の表面の少なくとも一部に設けられ、前記凹凸構造層の前記凸部以外の領域に隙間を有する導電層と
    を備えた電子素子。
  6. 透明導電膜を有する電子素子を備え、
    前記透明導電膜は、
    表面に平行格子状または交差格子状の凸部を有し、導電性を有する透明樹脂よりなる凹凸構造層と、
    前記凸部の表面の少なくとも一部に設けられ、前記凹凸構造層の前記凸部以外の領域に隙間を有する導電層と
    を備えた電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014102547A (ja) * 2012-11-16 2014-06-05 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電パターン形成基板および静電容量式センサーシート並びにその製造方法
WO2014188683A1 (ja) * 2013-05-20 2014-11-27 コニカミノルタ株式会社 タッチパネル用電極基板、これを含むタッチパネル、及び表示パネル

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