JP6018495B2 - オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記オレフィン系樹脂発泡体の10%圧縮硬度が、0.001MPa以上0.008MPa以下であることが好ましい。
前記オレフィン系樹脂発泡体の動摩擦係数が、2.4以上10以下であることが好ましい。
前記オレフィン系樹脂発泡体の密度が、20kg/m3以上70kg/m3以下であることが好ましい。
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
さらに、前記ポリプロピレン系樹脂が、ホモポリプロピレンであることが好ましい。
前記オレフィン系樹脂発泡体は、前記オレフィン系樹脂組成物中に、発泡核剤を更に含有していてもよい。
前記不活性ガスが、二酸化炭素であることが好ましい。
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの合計の配合量が、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して23質量%以上であることが好ましい。
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーが、直鎖状ポリエチレンをハードセグメントとして有し、エチレン−オクテン共重合体をソフトセグメントとして有するブロック共重合体であることが好ましい。
また、本発明によれば、ポリオレフィンマトリックス中に結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有するオレフィン系樹脂組成物が発泡した複数のセルを有するシート状のオレフィン系樹脂発泡体であって、前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量が、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して3質量%以上32質量%以下であり、前記発泡体の表層つまりスキン層をスライサー等を用いて裁断した断面における流れ方向に引いた長さ1mmの仮想直線に接触するセルの数が、10個以上であり、少なくとも一方の表面に、外部に露出したセル断面を有する、オレフィン系樹脂発泡体が提供される。
また、本発明によれば、ポリオレフィンマトリックス中に結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合し、オレフィン系樹脂組成物を得る工程と、溶融状態の前記オレフィン系樹脂組成物に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後、前記不活性ガスが含浸された前記オレフィン系樹脂組成物を減圧しながら押出し成形することで、複数のセルを有するシート状の発泡体を得る工程と、前記シート状の発泡体の少なくとも一方の表面側のセル断面を外部に露出させる工程と、を含み、前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量を、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して3質量%以上32質量%以下とする、オレフィン系樹脂発泡体の製造方法が提供される。
前記ポリオレフィンとしてポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としてホモポリプロピレンを用いることが好ましい。
前記オレフィン系樹脂組成物中に、発泡核剤を更に添加してもよい。
前記不活性ガスとして二酸化炭素を用いることが好ましい。
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの合計の配合量を、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して23質量%以上とすることが好ましい。
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーとして、直鎖状ポリエチレンをハードセグメントとして有し、エチレン−オクテン共重合体をソフトセグメントとして有するブロック共重合体を用いることが好ましい。
1 オレフィン系樹脂発泡体の構成
2 オレフィン系樹脂発泡体の製造方法
3 オレフィン系樹脂発泡体の作用効果
4 オレフィン系樹脂発泡体の用途
ここでは、本形態に係るオレフィン系樹脂発泡体の構造、オレフィン系樹脂発泡体の発泡方法、オレフィン系樹脂組成物の組成、オレフィン系樹脂発泡体の物性の順に説明する。
まず、図1を参照しながら、本形態に係るオレフィン系樹脂発泡体の構造について説明する。図1は、本形態に係るオレフィン系樹脂発泡体の構成を模式的に示す垂直断面図である。
〔形状〕
発泡体100は、後述するように、超臨界状態の不活性ガスを用いた発泡成形によりシート状に形成されている。このシートの厚みは特に制限されるものではないが、例えば、発泡体100を人工皮革や合成皮革に用いる場合には、0.3mm〜2.0mm程度とすればよい。
発泡体100は、オレフィン系樹脂組成物110を超臨界状態の不活性ガスを用いた発泡成形によりシート状に成形することにより得られる。より具体的には、溶融状態のオレフィン系樹脂組成物110に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後に減圧しながら押出し成形することにより、シート状の発泡体100を得ることができる。なお、当該発泡方法の詳細、特に、超臨界の条件、不活性ガスの種類、押出し成形の方法等については、後述する。
オレフィン系樹脂組成物110は、ポリオレフィンマトリックス中に、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー(結晶性エラストマー)及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有する(混合させた)樹脂の混合物である。このように、ポリオレフィンマトリックス中にゴム状の弾性力を有するエラストマー成分を添加することで、これら混合樹脂を発泡させた発泡体100に柔軟性や良好な感触を持たせることができる。ただし、ポリオレフィンマトリックス中に添加されるエラストマー成分が非結晶性エラストマーのみであると、発泡剤として樹脂混合物中に含浸させた不活性ガスによる気泡がすぐに外部に抜けてしまい、高発泡倍率(概ね15倍以上)つまり低密度の発泡体を得ることができない。
ポリオレフィンマトリックスは、オレフィン系樹脂組成物110におけるマトリックス樹脂となる成分である。ポリオレフィンマトリックスとして用いられるポリマーは、特に限定されないが、該ポリマーとしては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、(メタ)アクリル系高分子とエチレンとのアイオノマー等が挙げられる。
−(C(CH3)−C)n− (1)
(化2)
−(C(CH3)−C)n−(C−C)m− (2)
(化3)
−(C−C)m− (3)
次に、図2を参照しながら、本形態に係る結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーに(結晶性エラストマー)ついて説明する。図2は、本形態に係る結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの分子構造モデルを模式的に示す説明図である。
オレフィン系樹脂組成物110中に混合する本形態に係る非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー(非結晶性エラストマー)は、結晶化温度を持たないため、結晶化温度以下での結晶性エラストマーが有するような物理的架橋点(ハードブロック)を有しないポリマーである。このような非結晶性エラストマーとしては、粘度が高くゴム的性質を有するものであれば特に限定されないが、例えば、スチレン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
次に、図3及び図4を参照しながら、本形態に係る結晶性エラストマーと非結晶性エラストマーとの判別方法について説明する。図3は、本形態に係る結晶性エラストマーに対する示差走査熱量測定(DSC)の測定結果の一例を示すグラフであり、図4は、本形態に係る非結晶性エラストマーに対する示差走査熱量測定(DSC)の測定結果の一例を示すグラフである。
サンプル質量:12.633mg
昇温条件:10℃/min(25℃〜200℃)
降温条件: 5℃/min(200〜0℃)
サンプル質量:12.818mg
昇温条件:10℃/min(25℃〜200℃)
降温条件: 5℃/min(200〜0℃)
以上説明した結晶性エラストマーと非結晶性エラストマーは、その合計の配合量が、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して23質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることが更に好ましい。結晶性エラストマーと非結晶性エラストマーの合計の配合量を23質量%以上とすることで、発泡体100の柔軟性を向上させることができる。
また、結晶性エラストマーの配合量は、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して3質量%以上32質量%以下とする。結晶性エラストマーの配合量が3質量%未満であると、その添加効果、すなわち、気泡を抜け難くしてセル111を安定して形成される効果が十分でない。一方、押出発泡性で高発泡倍率の発泡体を得る観点から、オレフィン系樹脂組成物の組成物としての粘度が高い方が好ましいため、結晶性エラストマーの配合量を32質量%以下とする。また、結晶性エラストマーの添加効果をより向上させるためには、結晶性エラストマーの配合量が、5質量%以上32質量%以下であることが好ましく、10質量%以上32質量%以下であることがより好ましい。
本形態に係るオレフィン系樹脂組成物110は、前述した成分の他に、発泡核剤を更に含有していてもよい。本形態で使用できる発泡核剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、シリカ、ゼオライト、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。
その他、オレフィン系樹脂組成物110の中には、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、結晶核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤等の他の添加剤が含まれていてもよい。
本形態に係るオレフィン系樹脂組成物110は、必要に応じて、結晶核剤を更に含有していてもよい。本形態で使用できる結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ヒドロキシ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム、リン酸ビス(4−tブチル−フェニル)ナトリウム、メチレンビス(2,4−ジtブチル−フェニル)ホスフェートナトリウム塩、ロジン酸カリウム、ロジン酸マグネシウム、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド、N,N’,N”−トリス(2−メチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−1,2,3−トリイルカルボキサミド等が挙げられる。これらの結晶核剤として市販されているものを用いてもよく、市販品としては、新日本理化株式会社のゲルオールや株式会社ADEKAのアデカスタブNA11等が挙げられる。
本形態に係るオレフィン系樹脂組成物110は、必要に応じて、顔料を更に含有していてもよい。本形態で使用できる顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、イソインドリンイエロー、モノアゾレッド、ガンマキナクリドン、銅フタロシアニンブルー等が挙げられ、発泡体100の発泡倍率を低下させなければ種類および含有量に特に制限はない。
本形態に係るオレフィン系樹脂組成物110は、必要に応じて、酸化防止剤を更に含有していてもよい。本形態で使用できる酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられ、発泡体100の発泡倍率を低下させなければ特に制限はない。これらの酸化防止剤として市販されているものを用いてもよく、市販品としては、例えば、フェノール系酸化防止剤として株式会社ADEKA社製アデカスタブAO−60やBASFジャパン株式会社製イルガノックス1010等が挙げられる。
再び図1を参照すると、発泡体100は、その内部に複数のセル111を有する。ここでいう「セル」とは、オレフィン系樹脂組成物を発泡させる際に発泡剤として含浸させた不活性ガスの気泡が残存してできた独立気泡又は連続気泡(空隙部分)である。このセル111は、後述するように、オレフィン系樹脂組成物に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後に減圧することにより形成される。
また、セル111の数は、以下の指標を用いて評価することができる。
図1に示すように、発泡体100は、シート状の形状を有しており、その少なくとも一方の面に外部に露出したセル断面120を有する。ここでいう「セル断面」とは、発泡体100の少なくとも一方の面の表層が裁断、切断又は剥離等されることで、発泡体100内部のセル111の内壁が外部に露出される部位であって、発泡体100の少なくとも一方の表面に形成されるセル111由来の凹部121のことをいう。
次に、前述した構造を有する本形態に係る発泡体100の物性について説明する。以下では、発泡体100の10%圧縮硬度、動摩擦係数、密度の順に述べる。
本形態において、10%圧縮硬度は、発泡体100の柔軟性を表す指標であり、10%圧縮硬度が小さいほど発泡体100の柔軟性が高くなる。この10%圧縮硬度は、JIS−K6767に準拠して測定される値である。具体的には、本形態の圧縮硬度としては、所定の条件にて、発泡体100の試験片を所定の圧縮速度で連続的に圧縮させ、10%圧縮させた時の荷重から算出される。この10%圧縮硬度の値が大きいと、発泡体100は「底つき」という現象に近づき、柔軟性が低くなる(硬くなる)。
本形態では、特に、発泡体100の10%圧縮硬度が、0.008MPa以下であることが好ましく、0.007MPa以下であることがより好ましく、0.006MPa以下であることが更に好ましい。10%圧縮硬度を上記範囲とすることで、発泡体100が優れた柔軟性を有し、質感を良好にすることができる。なお、10%圧縮硬度は、低ければ低いほど好ましく、下限値については特に定めない。
10%圧縮硬度は、例えば、以下のようにして測定する。JIS−K6767を参考し、環境温度23±5℃、環境湿度50(+20、−10)%に管理された測定室にて、静的試験機(商品名:オートグラフAG−X、(株)島津製作所製)を用いて、発泡体100の圧縮強度を評価する。試験片は50mm×50mmとし、圧縮速度1mm/分で連続的に発泡体を圧縮させ、10%圧縮させた時の試験力(荷重)をロードセルで読み取り、試験力から、圧縮硬度(圧縮応力)を算出することができる。n数は例えば3とし、3回の測定値の平均値を10%圧縮硬度として用いる。
本形態において、動摩擦係数は、発泡体100表面の感触の良さ(特に、しっとり感)や高級感を表す指標であり、発泡体100表面(セル断面120が形成されている側の表面)の動摩擦係数が大きいほど、感触が良く高級感があると評価できる。この動摩擦係数は、JIS−K7312を参考にして測定された値である。
本形態では、特に、発泡体100のセル断面120が形成されている側の表面の動摩擦係数が、2.4以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましく、8.0以上であることが更に好ましい。動摩擦係数を上記範囲とすることで、発泡体100に優れた感触(特に、しっとりとした感触)や外観における高級感を付与することができる。なお、動摩擦係数の上限値については特に規定するものではないが、概ね10以下とすればよい。
動摩擦係数は、例えば、以下のようにして測定する。厚みが1mmで、発泡体100の流れ方向が試験片の長手方向に対して直交するような、100mm×200mmのサイズの試験片を準備した。次いで、動摩擦係数測定用の試験片を滑り片に粘着テープで張り付け、JIS−K7312を参考にして、試験環境を23℃、50%RHとし、試験速度150mm/minで同一箇所を3回測定した平均値を、発泡体100の動摩擦係数とする。
本形態において、密度は、発泡体100の発泡倍率を表す指標であり、発泡体100の密度が小さいほど、発泡体100が高発泡であると評価できる。この発泡体100の密度は、JIS−K7112に準拠した水中置換法で測定された値である。
本形態では、発泡体100の密度が、20kg/m3以上70kg/m3以下であることが好ましく、30kg/m3以上70kg/m3以下であることがより好ましく、35kg/m3以上70kg/m3以下であることが更に好ましい。密度を上記範囲とすることで、発泡体100を高発泡(概ね発泡倍率が15倍以上)とすることができ、発泡体100に柔軟性や優れた感触や高級感を付与することができる。
発泡体100の密度は、例えば、JIS−K7112に準拠し、ミラージュ貿易(株)製の電子比重計MD−200Sを用いて水中置換法にて求めることができる。あるいは、発泡体100の密度を、JIS−K7222に準じて測定してもよい。
以上、本形態に係る発泡体100の構成について詳細に説明したが、続いて、図5を参照しながら、前述した構成を有する発泡体100の製造方法について説明する。図5は、本形態に係るオレフィン系樹脂発泡体の製造方法の流れを模式的に示す説明図である。
オレフィン系樹脂組成物調製工程は、ポリオレフィンマトリックス中に結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー等を混合し、オレフィン系樹脂組成物110(図5(a)を参照)を得る工程である。より詳細には、オレフィン系樹脂組成物110の各成分を単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の樹脂混合機械に投入し、溶融混合によってオレフィン系樹脂組成物110を得る。オレフィン系樹脂組成物110はペレット化したものを用いることが好適である。
ここで、本形態では、前述したように、細かい(気泡径の小さな)セル111を形成するという観点から、ポリオレフィンとしてポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましく、更に、このポリプロピレン系樹脂としてホモポリプロピレンを用いることが好ましい。また、オレフィン系樹脂組成物110中から気泡を抜け難くするという観点から、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーとして、直鎖状ポリエチレンをハードセグメントとして有し、エチレン−オクテン共重合体をソフトセグメントとして有するブロック共重合体を用いることが好ましい。更に、細かい(気泡径の小さな)セル111を形成するという観点からは、オレフィン系樹脂組成物110中に、発泡核剤を更に添加することが好ましい。
また、本形態では、柔軟性、感触の良さ、高級感等を得るために、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーと非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの合計の配合量を、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して23質量%以上とすることが好ましい。さらに、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量を、オレフィン系樹脂組成物の全体に対して3質量%以上32質量%以下とする。
発泡成形工程は、前述したオレフィン系樹脂組成物調製工程で得られたオレフィン系樹脂組成物110を押出機を用いて溶融可塑化した後に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後(図5(b)、但し発泡剤含浸の様子を破線で示したが、オレフィン系樹脂組成物110に均一に溶解していることを示すものである。)、この不活性ガスが含浸されたオレフィン系樹脂組成物を減圧しながら押出成形することで、複数のセルを有するシート状の発泡体(図5(c)を参照)を得る工程である。
一般に、樹脂組成物の発泡方法としては、化学発泡剤を使用する方法、水蒸気発泡、超臨界発泡等があるが、より細かいセルを形成する(気泡径を小さくする)ために、本形態では、超臨界発泡を用いて発泡成形を行う。以下、本発泡成形工程についてより詳細に説明する。
本工程では、まず、溶融したオレフィン系樹脂組成物110に対して発泡剤として、超臨界状態の不活性ガスを含浸する。ここで用いる不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素等のガスを用いることができるが、これらのうち二酸化炭素を用いることが好ましい。発泡剤として二酸化炭素の方が好ましいのは、窒素がオレフィン系樹脂組成物110に比較的少量しか含浸できないのに対し、二酸化炭素はオレフィン系樹脂組成物110に多量に含浸することができるからである。発泡剤である不活性ガスをオレフィン系樹脂組成物110に多量に含浸させることができれば、オレフィン系樹脂組成物110の発泡倍率を高めることができるため、高発泡倍率の発泡体100を得ることができるためである。また、二酸化炭素の方が窒素よりも分子の大きさが大きいため、オレフィン系樹脂組成物110から抜け難いという理由もある。
発泡剤の含浸方法としては、例えば、オレフィン系樹脂組成物110が溶融可塑化された後、溶融ゾーン付近に設けられたインジェクションノズルよりガス供給機により昇圧され超臨界状態になった不活性ガス(発泡剤)を押出機内に吐出し、溶融されたオレフィン系樹脂組成物110中に溶解させる。このように、超臨界状態の不活性ガスを押出機中に導入して、溶融したオレフィン系樹脂組成物110に溶解させることで発泡剤がオレフィン系樹脂組成物110に溶解した状態とする。(図5(b)、但し、発泡剤含浸の様子を破線で示したが、オレフィン系樹脂組成物110に均一に溶解していることを示すものである。)
ここで、超臨界状態の不活性ガスを発泡剤として用いることにより、発泡体100のセル111の径を微細化できるが、このようにセル111の径を微細化するための超臨界の条件としては、以下の通りである。不活性ガスが二酸化炭素の場合には、圧力を7.3MPa以上かつ温度を31℃以上としなければならない。圧力に関しては8MPa以上とすることがより好ましく、9MPa以上とすることが更に好ましい。二酸化炭素の圧力上限は特に限定されないが、例えば、20MPa以下とすることが現実的である。二酸化炭素の温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂組成物110が熱分解しない程度の温度を設定することができ、例えば、300℃である。また、不活性ガスが窒素の場合には、圧力を3.4MPa以上かつ温度を−147℃以上とすることで超臨界状態が担保される。
次に、前記発泡剤を含浸させたオレフィン系樹脂組成物110を減圧して発泡体100を得る。押出機の中で溶融したオレフィン系樹脂組成物110に対して超臨界状態の不活性ガスを導入し、所定の超臨界条件で(例えば、不活性ガスが二酸化炭素の場合、温度31℃以上、かつ圧力7.3MPa以上の状態として)、ダイ口から吐出して大気圧まで急激に減圧し、冷却することにより小さくきめの細かいセル111を有する発泡体100を得ることができる。なお、例えば、不活性ガスが二酸化炭素の場合、温度を31℃以上、かつ圧力を7.3MPa以上とすることにより、二酸化炭素が超臨界状態を保つことができるため、オレフィン系樹脂組成物110と超臨界二酸化炭素とが均一に混合される。
セル断面形成工程は、前述した発泡成形工程に得られたシート状の発泡体100の少なくとも一方の表面側のセル断面120を外部に露出させる工程である。
セル断面120を外部に露出させる方法としては、特に限定されないが、例えば、発泡体100の少なくとも一方の面の表層を裁断、切断又は剥離等する方法が挙げられる。このような方法でセル断面120を外部に露出させることにより、発泡体100内部のセル111の内壁が外部に露出され、発泡体100の少なくとも一方の表面に、セル111由来の凹部121が形成される(例えば図5(d))。このセル断面120により、発泡体100の表面にしっとりとした感触(しっとり感)や高級感を与えることができる点については、前述のとおりである。
なお、本形態では、発泡体100の一方の面にセル断面120を形成した場合を例に挙げて説明しているが、発泡体100の両面にセル断面120を形成してもよい。
以上説明したオレフィン系樹脂組成物調製工程、発泡成形工程及びセル断面形成工程を経ることで、前述した構成を有する発泡体100を得ることができる。
次に、図6を参照しながら、前述した構成を有し、前述した製造方法により得られる、本形態に係る発泡体100が奏する作用効果について説明する。図6は、本形態に係る発泡体と比較するために、セル径(気泡径)が粗い場合のセル断面を示す説明図である。
ここで、図5(c)、(d)と図6を比較しながら、本形態における発泡体100が、細かいセル111を有することにより奏する効果について説明する。
前述のように、本形態によれば、高発泡倍率の発泡体100を得ることができるのであるが、このように高発泡倍率の発泡体を得るために必要な構成要素としては、以下の(1−1)が挙げられる。さらに、高発泡倍率の発泡体を得るために好適な構成要素としては、以下の(1−2)及び(1−3)が挙げられる。なお、発泡体の発泡倍率は、未発泡の樹脂組成物の密度を所定密度に設定し(例えば、後述する実施例では、900kg/m3)、発泡後の発泡体の密度の値を用いて、(未発泡の樹脂組成物の密度/発泡後の発泡体の密度)の式から算出することができる。すなわち、ここでの発泡倍率は、発泡前の密度に対する発泡後の密度の比の逆数となる。
(1−1)オレフィン系樹脂組成物110中に結晶性のエラストマーを配合すること
(1−2)結晶性エラストマーの配合比率を、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して3質量%以上32質量%以下とすること
(1−3)分散剤(不活性ガス)として二酸化炭素を用いること
前述のように、本形態によれば、細かいセル111を有する発泡体100を得ることができるのであるが、このように細かいセルを有する発泡体を得るために必要な構成要素としては、以下の(2−1)及び(2−2)が挙げられる。さらに、細かいセルを有する発泡体を得るために好適な構成要素としては、以下の(2−3)〜(2−5)が挙げられる。
(2−1)オレフィン系樹脂組成物110中に結晶性のエラストマーを配合すること
(2−2)超臨界発泡により発泡体100を成形すること
(2−3)結晶性エラストマーの配合比率を、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して3質量%以上32質量%以下とすること
(2−4)ポリオレフィンマトリックスとしてホモポリプロピレンを用いること
(2−5)オレフィン系樹脂組成物110中に発泡核剤を配合すること
前述のように、本形態によれば、柔軟な発泡体100を得ることができるのであるが、このように柔軟な発泡体を得るために必要な構成要素としては、以下の(3−1)が挙げられる。さらに、柔軟な発泡体を得るために好適な構成要素としては、以下の(3−2)が挙げられる。
(3−1)オレフィン系樹脂組成物110中にエラストマー成分を配合すること
(3−2)結晶性エラストマーと非結晶性エラストマーの合計の配合量を、オレフィン系樹脂組成物110の全体に対して23質量%以上とすること
その他、本形態に係る発泡体100は、以下のような作用効果を奏する。
本形態に係る発泡体100の用途としては、特に限定されないが、例えば、トレイ下敷きの滑り止め、スリーブ、容器表皮等の容器包装用途、バッドやラケットのグリップ等のスポーツ用品用途、コースター、ランチョンマット、壁紙等のインテリア用品用途、ハンドルやシフトノブ等の自動車内装材用途、帽子、衣服、カバン、履物、靴の中敷き等の服飾用途、メイクアップ部材やパフ等の化粧品用途、絆創膏やハップ材、アンダーラップテープ等のメディカル用途、ブックカバーやランプシェード、雨具、マフラー等の雑貨用途等、各種用途に適用することができる。
まず、本実施例及び比較例の評価に用いた試料の作成方法について説明する。
ポリオレフィン系マトリックスとして、所望の溶融張力となるように混合したポリプロピレンAとポリプロピレンBとを合計で100質量部と、非結晶性エラストマーとして熱可塑性エラストマーC 30質量部と、結晶性エラストマーとして熱可塑性エラストマーD 8質量部と、発泡核剤としてシリカE 8質量部と、顔料として酸化チタンF 15質量部と、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤H 0.2質量部と、を混合したオレフィン系樹脂組成物を日本製鋼所製2軸押出機で溶融・調製し、超臨界二酸化炭素を温度31℃以上、圧力7.3MPa以上の条件で含浸させた後、溶融材料を押出して実施例1のシート状の発泡体(以下、「発泡シート」と記載する。)を製造した。なお、ポリプロピレンA、ポリプロピレンB、熱可塑性エラストマーC、熱可塑性エラストマーD、シリカE、酸化チタンF、フェノール系酸化防止剤Hの詳細は、以下の通りである。
ポリプロピレンAは、ホモポリプロピレン(H−PP)であって、JIS−K7210に規定される230℃、2.16kgでのメルトフローレイト(MFR)が0.5g/10分であり、示差走査熱量測定(DSC)で測定した融解温度が172℃であり、結晶化温度が113℃である。
(ポリプロピレンB)
ポリプロピレンBは、ホモポリプロピレン(H−PP)系の高溶融張力ポリプロピレン(PP)であって、JIS−K7210に規定される230℃、2.16kgでのメルトフローレイト(MFR)が2.4g/10分であり、示差走査熱量測定(DSC)で測定した融解温度が164℃であり、結晶化温度が131℃であり、溶融張力が32cNである。
(熱可塑性エラストマーC)
熱可塑性エラストマーCは、結晶成分を有しないエチレン−プロピレン−ジエンの三元共重合体である。この三元共重合体は、オルトジクロロベンゼンをキャリーとした高温ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算を用いた重量平均分子量が30万以上であって、エチレン含量が67重量%であって、ジエン含量が5重量%である。
(熱可塑性エラストマーD)
熱可塑性エラストマーDは、直鎖状ポリエチレン(LLDPE)をハードセグメントとして有し、エチレン−オクテン共重合体(EOR)をソフトセグメントとして有するオレフィン系ブロック共重合体である。このブロック共重合体は、JISK6922−2に規定される190℃、2.16kgでのメルトフローレイト(MFR)が0.5g/10分であり、示差走査熱量測定(DSC)で測定した融解温度が119℃であり、結晶化温度が93℃である。
(シリカE)
シリカEは、湿式沈降シリカである。
(酸化チタンF)
酸化チタンFは、色粉として酸化チタンをハンドリングよく使うために、マスターバッチ化したものである。
(フェノール系酸化防止剤H)
フェノール系酸化防止剤Hは、フェノール系酸化防止剤として一般的な「ADEKA アデカスタブAO−60(ADEKA社製)」である。
熱可塑性エラストマーCの配合量を40質量部、熱可塑性エラストマーDの配合量を15質量部とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーDの配合量を30質量部とした点を除いては、実施例2と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCの配合量を50質量部、熱可塑性エラストマーDの配合量を40質量部とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーDの配合量を60質量部とした点を除いては、実施例4と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCの配合量を55質量部、熱可塑性エラストマーDの配合量を80質量部とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーDを配合しなかった点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCの配合量を55質量部とし、熱可塑性エラストマーDを配合しなかった点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCを配合せず、熱可塑性エラストマーDの配合量を55質量部とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCの配合量を70質量部、熱可塑性エラストマーDの配合量を110質量部とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
熱可塑性エラストマーCの配合量を135質量部とし、熱可塑性エラストマーDを配合しなかった点を除いては、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
次に、前述のようにして作成した実施例1〜6及び比較例1〜5の試料の評価方法について説明する。また、下記方法により評価した評価結果を下記表1に示した。
気泡数の測定を以下のようにして行った。まず、得られた発泡シートの表層をスライサーを用いて裁断して剥離させた。次いで、電子顕微鏡((株)キーエンス製 マイクロスコープVHX−D510)を用いて観察倍率200倍で発泡シート表面の写真を撮影した。さらに、図7に示すように、同測定機内で得られた画像のコントラストを調整し、最も鮮明な画像に対して、発泡体の流れ方向に水平になるように1mmの直線(図7に破線で示した。)を引き、直線に接触する気泡数をカウントした(図7の例の場合は8個/1mm)。なお、図7は、実施例及び比較例における気泡数のカウント方法の一例を示す説明図である。
圧縮硬度の評価を以下のようにして行った。JIS−K6767を参考とし、環境温度 23±5℃、環境湿度 50(+20、−10)%に管理された測定室にて、静的試験機(商品名:オートグラフAG−X、(株)島津製作所製)を用いて、発泡シートの圧縮強度を評価した。試験片は50mm×50mmとし、圧縮速度1mm/分で連続的に発泡シートを圧縮させ、10%圧縮させた時の試験力(荷重)をロードセルで読み取り、試験力から、圧縮硬度(圧縮応力)を算出した。なお、n数は3とし、表1には、3回の測定の平均値を記載している。
発泡体の密度を以下のようにして求めた。JIS−K7112に準拠し、ミラージュ貿易(株)製の電子比重計MD−200Sを用いて水中置換法にて発泡体の密度を求めた。
発泡倍率を以下のようにして求めた。未発泡の材料(オレフィン系樹脂組成物)の密度を900kg/m3とし、上記の方法で求めた発泡体の密度から発泡倍率を算出した。具体的には、未発泡の材料の密度/各発泡シートの密度を求める発泡倍率とした。
オレフィン系樹脂組成物のMFRを以下のようにして測定した。発泡前のオレフィン系樹脂組成物110を東洋精機製作所(株)製のラボプラストミル10C100のミキサータイプを用いてジャケット容量に対して約80%の充満率として、180℃、100rpmで8分間混練した試料について、JIS−K7210に規定される230℃、2.16kgでのメルトフローレイト(MFR)を測定した。
発泡シートの動摩擦係数を以下のようにして測定した。図8(a)に示すように、厚みが1mmで、発泡体100の流れ方向が試験片の長手方向に対して直交するような、100mm×200mmのサイズの試験片を準備した。次いで、図8(b)に示すような摩擦係数の測定器を用いて、動摩擦係数測定用の試験片を滑り片と試料台に粘着テープで張り付け、JIS−K7312を参考にして、試験環境を23℃、50%RHとし、試験速度150mm/minで同一箇所を3回測定した平均値を、発泡シートの動摩擦係数とした。なお、図8は、実施例及び比較例における動摩擦係数の測定方法の一例を示す説明図である。
表1に示すように、実施例1〜6の発泡シートはいずれも、気泡数も多く(適正な数であり)、圧縮硬度も低く(軟らかく)、動摩擦係数も大きく(感触も良く)、密度も適正な範囲であり、発泡倍率も高いものとなった。特に、結晶性エラストマーの配合量が10質量%以上32質量%以下の範囲にある実施例3〜6では、圧縮硬度、動摩擦係数、密度、発泡倍率の評価が非常に良いものとなった。
なお、本発明におけるオレフィン系樹脂発泡体では、超臨界発泡を用いて発泡させているが、この超臨界発泡による効果を検証するために、実施例3の発泡シートと、汎用の発泡方法として化学発泡剤による発泡方法を用いた発泡シートの発泡の様子を比較した。化学発泡剤により発泡させた発泡シートとしては、株式会社イノアックコーポレーション製のPEライトA−8を用いた。
110 オレフィン系樹脂組成物
111 セル(気泡)
120 セル断面
121 (セル由来の)凹部
Claims (12)
- ポリオレフィンマトリックス中に結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有するオレフィン系樹脂組成物が発泡した複数のセルを有するシート状のオレフィン系樹脂発泡体であって、
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量が、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して3質量%以上32質量%以下であり、
前記発泡体の断面において前記発泡体の流れ方向に引いた長さ1mmの仮想直線に接触するセルの数が、10個以上であり、
少なくとも一方の表面に、外部に露出したセル断面を有する、オレフィン系樹脂発泡体。 - 10%圧縮硬度が、0.008MPa以下である、請求項1に記載のオレフィン系樹脂発泡体。
- 動摩擦係数が、2.4以上である、請求項1又は2に記載のオレフィン系樹脂発泡体。
- 密度が、20kg/m 3 以上70kg/m 3 以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリオレフィンマトリックス中に結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合し、オレフィン系樹脂組成物を得る工程と、
溶融状態の前記オレフィン系樹脂組成物に、発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを含浸させた後、前記不活性ガスが含浸された前記オレフィン系樹脂組成物を減圧しながら押出し成形することで、複数のセルを有するシート状の発泡体を得る工程と、
前記シート状の発泡体の少なくとも一方の表面側のセル断面を外部に露出させる工程と、
を含み、
前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量を、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して3質量%以上32質量%以下とする、オレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 前記ポリオレフィンとしてポリプロピレン系樹脂を用いる、請求項6に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記ポリプロピレン系樹脂としてホモポリプロピレンを用いる、請求項7に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記オレフィン系樹脂組成物中に、発泡核剤を更に添加する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記不活性ガスとして二酸化炭素を用いる、請求項6〜9のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの合計の配合量を、前記オレフィン系樹脂組成物の全体に対して23質量%以上とする、請求項6〜10のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーとして、直鎖状ポリエチレンをハードセグメントとして有し、エチレン−オクテン共重合体をソフトセグメントとして有するブロック共重合体を用いる、請求項6〜11のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
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