JP6016715B2 - 圧延材の板厚制御方法 - Google Patents
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Description
圧延装置は板厚を制御するための板厚制御部を有しており、この板厚制御部では、自動板厚制御(AGC、Automatic Gauge Control)として、フィードフォワードAGC、BISRA−AGC、モニタAGC、絶対値AGC(ABS−AGC)が採用されている。
本発明に係る板厚制御方法は、圧延材を圧延する一対のワークロールを備えた圧延機において、前記ワークロール間のロールギャップ量を制御する板厚制御方法において、
BISRA−AGCと、比例制御および/または積分制御を行う絶対値AGC制御とを併用して前記圧延機のロールギャップ量を制御するに際し、圧延中に変わる鋼板の特性に応じて、BISRA−AGCのチューニング率を変更する場合に、再度荷重をロックオンして、前記ロックオンのタイミングで前記チューニング率を変更することを特徴とする。
さらに好ましくは、前記チューニング率を変更するタイミングは、圧延材の全長の割合で設定可能とされているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記チューニング率を変更するタイミングは、圧延材の噛み込み時刻からの経過時間により設定することが可能であるように構成することができる。
図1を参照して、厚鋼板等の圧延材を圧延する圧延装置1は、その上流側に圧延材2を加熱する加熱炉3を有し、加熱炉3の下流側には、圧延材2の粗圧延を行う粗圧延機4が備えられている。粗圧延機4の下流側には、仕上げ圧延を行う仕上げ圧延機5が備えられている。加熱炉3で加熱されたスラブは、粗圧延機4や仕上げ圧延機5で複数回(複数パス)圧延されて、製品の厚鋼板となる。
さらに、圧延機5には、ワークロール6,6の間隙長(以下、ロールギャップ量Sと呼ぶ)を調整する油圧駆動の圧下装置が備えられている。圧下装置は、たとえば油圧シリンダ8と、油圧シリンダ8を制御してワークロール6の圧下位置を調整する油圧圧下位置制御部9とを有している。
また、ロールチョック10と圧延機5のフレーム11の間には、油圧シリンダ8に沿ってフレーム11からロールチョック10までの距離を測定するリニアゲージ13が設けられており、このリニアゲージ13で測定した距離から、ロールギャップ量Sまたはロールギャップ量の変化量ΔSが得られる。
圧延機5には、ロードセル12が計測した圧延荷重とリニアゲージ13が計測したロールギャップ量と板厚計14が計測した出側板厚(または後述するように推定された出側板厚)とを受けて、圧延材2の出側板厚が所定のものとなるように油圧圧下位置制御部9を制御する板厚制御部15aが設けられている。この板厚制御部15aはプロコンやPLCから構成されており、内部には、後述するAGC制御系やベンダ制御系などがプログラムの形で組み込まれている。
厚板圧延のようなプレートミルの場合には、絶対値AGCは、圧延機5の弾性を考慮した上で、圧延機5の出側板厚を求めるものであって、たとえば、圧延荷重とロールギャップ量とを基にミル定数などを用いて出側板厚を推定し、その推定された出側板厚に基づいて設定された目標板厚へ近づけようと圧延機5のフィードバック制御を行うものである。
を求めるものであって、たとえば、圧延荷重を基にミル定数などを用いてミル伸び量を推定し、ある基準点からのミル伸び量の変化量に基づいて圧延機5のフィードバック制御を行うものである。
このように、本実施形態による板厚制御部15aは、絶対値AGCのPI制御とBISRA−AGCとを併用している。ところが、PI制御とBISRA−AGCとを併用する場合に制御安定性を確保するには、上述した問題点が存在する。この問題点を説明するにあたり、まず、BISRA−AGCと絶対値AGCとを併用した場合の圧延機5の動作(各出力波形)を図4を参照して説明する。
この特徴の作用効果を説明するために、BISRA−AGCのチューニング率をロックオン方式により変化させる制御と、BISRA−AGCのチューニング率をステップ状に変化させる制御およびBISRA−AGCのチューニング率をランプ状に変化させる制御とを比較する。このため、BISRA−AGCのチューニング率の可変方法としてのステップ変化、ランプ変化、再ロックオン方式による変化について、まず説明する。
図5(C)に示すように、再ロックオン方式は、可変タイミング時に再度荷重ロックオンし、そのタイミングでBISRA−AGCのチューニング率も変更する。BISRA−AGCのチューニング率を、ステップ状またはランプ状に変更すると不自然なBISRA出力を生じて板厚変動が増加するので好ましくないが、再ロックオン方式を用いて変更す
ると適切にゲインを変更することが可能となる。なお、BISRA−AGCのチューニング率を変更する際には、図4を用いて説明した問題があるので、直前のBISRA出力値をホールドすることが必要となる。そうしないと、BISRA出力が一旦リセットされて0になってしまい、ABS出力との平衡状態が崩れて不自然なBISRA出力を生じてしまい、板厚変動が増加してしまう。
図6にBISRA−AGCのチューニング率をロックオン方式で変更させた場合の各出力の変化を、図7にBISRA−AGCのチューニング率をステップ状に変更させた場合の各出力の変化を、図8にBISRA−AGCのチューニング率をランプ状に変化させた場合の各出力の変化を、それぞれ示す。なお、図6〜図8の説明において、図4の説明と同じ説明については繰り返さない。
一方、図7を参照して、BISRA−AGCのチューニング率をステップ状に変更した場合には、図7(D)に示すように、BISRA−AGCのチューニング率をステップ状に変更することにより、BISRA出力が不適切な挙動を示す。このBISRA出力の不適切な挙動を修正しようと、図7(D)に示すように、ABS出力が逆方向へ変更される。この場合には、BISRA出力はロールギャップを締める方向であって、ABS出力はロールギャップを開ける方向である。このため、図7(B)に示すように、出側板厚は目標板厚に一旦収束した後に、好ましくない偏差が発生してしまう。
以上のようにして、本実施形態に係る板厚制御方法を適用した圧延装置によると、BISRA−AGCのチューニング率を変更する場合に、再度荷重をロックオンして、そのタイミングでチューニング率を変更するようにした。このため、安定したBISRA出力を実現でき、出側板厚に偏差を発生させるという問題点を解消することができる。
2 圧延材
3 加熱炉
4 粗圧延機
5 仕上げ圧延機
6 ワークロール
7 バックアップロール
8 油圧シリンダ
9 油圧圧下位置制御部
10 ロールチョック
11 フレーム
12 ロードセル
13 リニアゲージ
14 板厚計
15a,15b 板厚制御部
Claims (4)
- 圧延材を圧延する一対のワークロールを備えた圧延機において、前記ワークロール間のロールギャップ量を制御する板厚制御方法において、
BISRA−AGCと、比例制御および/または積分制御を行う絶対値AGC制御とを併用して前記圧延機のロールギャップ量を制御するに際し、
圧延中に変わる鋼板の特性に応じて、BISRA−AGCのチューニング率を変更する場合に、再度荷重をロックオンして、前記ロックオンのタイミングで前記チューニング率を変更することを特徴とする圧延機の板厚制御方法。 - 前記チューニング率を変更する場合に、変更直前のBISRA−AGCの出力値をホールドすることを特徴とする、請求項1に記載の圧延機の板厚制御方法。
- 前記チューニング率を変更するタイミングは、圧延材の全長の割合で設定可能とされていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧延機の板厚制御方法。
- 前記チューニング率を変更するタイミングは、圧延材の噛み込み時刻からの経過時間により設定可能とされていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧延機の板厚制御方法。
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JP2013122752A JP6016715B2 (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 圧延材の板厚制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013122752A JP6016715B2 (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 圧延材の板厚制御方法 |
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2013
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