JP6015908B2 - 洗濯方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯方法に関し、更に詳しくは、連続洗濯機システムを用いた塊状汚れの付着した被洗物の洗濯方法に関する。
高齢化と共に進む被介護人口の増加に伴い、介護サービスの普及、質向上と共に、介護費用低減の努力が払われている。介護の中でも介護者に負担の大きな作業として汚れたオムツの洗濯がある。従来は特許文献1で示されるように、大便など塊状汚れを先ずトイレなどの便器に排出した後、自動洗濯機などで洗濯、殺菌処理を行った後、乾燥、使用されていた。しかしながら、この方法では煩雑な作業が多く、多量の被洗物を処理する上で効率が悪い上に、バラつきが大きく洗い直しの割合(再洗率)が高いため、経費が大きく、また非衛生的で感染症などのリスクも伴うものであった。
従来から病院などで出される多量の被洗物を洗濯する方法の例として、特許文献2に記載されているようなカウンターフロー方式連続洗濯機システムがある。これは一端に被洗物の投入口を備えると共に他端に搬出口を備え、内部に連結された複数の槽に槽内の被洗物を移送する移送手段を備えた処理ドラムと、洗濯水や濯ぎ水を供給及び排出する供給装置及び排出部を備え、被洗物を投入口から搬出口に、洗濯水の流れと逆方向に順次移送して、洗濯及び濯ぎを行う方式である(図1)。この方式はシーツなど一般的な被洗物を洗濯する場合には良好な結果が得られたとしても、同じ洗濯条件下でオムツなど塊状汚れの付着した被洗物を洗濯しても良好な結果が得られない。
一方、連続洗濯機システムを用いてオムツを洗濯する方法が特許文献3により知られている。この方法は、吸水性ポリマーを内蔵した布製オムツを、酵素分解槽を備えた連続式洗濯機に投入し、前記吸水性ポリマーを酵素分解して洗濯処理することを特徴とする洗濯方法であり、主たる目的は吸水ポリマーの布製オムツからの分解除去速度を速め、布の再利用を行いやすくすることにある。このような連続運転を可能にする洗濯装置としては、特許文献2で示されるカウンターフロー方式以外に、特許文献3に知られるバッチフロー方式なども使用できる。
しかしながらいずれの連続洗濯方法を用いて洗濯しても、オムツや下着に付着した塊状汚れは、小さな塊に分散された汚れが濯ぎ後においてもなお残りやすく、その結果再洗が必要となって工程の効率を著しく低下させるため、その解決が望まれていた。
特開2003−24678号公報 特開2007−159660号公報 特開2007−82646号公報
本発明は連続洗濯機システムを用いて、被洗物に付着した塊状汚れを、高い信頼性で洗濯・除去できるのみならず、洗濯中の衛生環境を損なわず、かつ作業者の負担、介護費用の低減を可能にする方法を提供することにある。
本発明者らは、特許文献2などに記載の方法では、何故、十分な洗濯ができないのかその理由について、種々検討した。その結果、大便などの塊状汚れが洗濯槽に投入され、洗濯水と共に回転しても、布と布の間に挟まれると十分な旋断力が塊状汚れに作用せず、その結果布と布の間から流出すことができないことがその理由の一つとして考えられた。このような布と布の間に挟まれた塊状汚れを排出するためには、十分な予洗水を供給して、塊状汚れが予洗槽下部の排水孔に近づきやすくすることが効果があると推定された。
しかしながら予洗水供給量だけを大きくするだけでは、塊状汚れを効率よく除去することはできない。その理由は、塊状汚れが有機繊維質を多く含むため比重が比較的小さく、更に予洗洗剤の泡が付着するとその浮力が作用して浮き上がりやすく、その結果予洗槽下部の排水孔からの排出を遅くしていることが推定された。
そこで、本発明者らは、このような知見に基づいて更に検討したところ、予洗槽で予洗を実施する際に、浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水を除去しつつ被洗物を洗濯することにより、塊状汚れを効率よく除去でき、再洗い率を著しく低下させることが可能なことを見出した。更にこの予洗槽下部の排水孔からの排水と槽内上層の予洗水の排水の上下からの排水を併用して行うことが特に好ましいことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
1. 少なくとも予洗槽及び本洗槽をそれぞれ一つまたはそれ以上含む連続洗濯機システムを用いて、塊状汚れが付着した被洗物を洗濯する方法であって、少なくとも一つの予洗槽において、浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水を排水しつつ、洗濯することを特徴とする上記方法;
2. 槽内上層の予洗水の排水が、槽からの予洗水のオーバーフローによって行われることを特徴とする、上記1に記載の方法;
3. 槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽において、槽内下層の予洗水の排水も行うことを特徴とする上記1または2に記載の方法;
4. 槽内下層の予洗水の排水量(q)に対する、槽内上層の予洗水の排水量(p)の比率(p/q)が、0.5以上であることを特徴とする上記3に記載の洗濯方法;
5. 予洗槽及び本洗槽が内外胴からなり、
前記内外胴が、その外胴に水位を所定位置に保つための開口部を有し、
予洗槽のうち、少なくとも、槽内上層の予洗水の排水を行う槽が、下部に排水孔及び排水孔からの排水を制御する排水バルブを有し、
浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水の排水が、前記開口部以下の水位を保つよりも過剰量に予洗水を供給し、その開口部から予洗水をオーバーフローにより排水して行われることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つに記載の方法;
6. 槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽において、排水バルブを開いて予洗槽下部の前記排水孔を介して排水を行うことも含む、上記5に記載の洗濯方法;
7. 槽内上層の予洗水の排水を行う前記予洗槽において、被洗物投入から次の槽への移送までの1タクトが、
(1) 予洗槽に洗剤、被洗物を投入すること、予洗槽中に予洗水を供給すること、及び予洗水の供給を続けて開口部から予洗水をオーバーフローにより排水しながら被洗物を洗濯することを含む第一予洗工程、
(2) 予洗水の供給を続けてまたは停止した状態で、予洗槽の排水バルブを開いて、予洗水を排水する工程、
(3) 排水バルブを閉じた後、再び予洗水を供給し、洗濯する第二予洗工程、
(4) 第二予洗工程後、被洗物を次の槽に移送する工程、
を含むことを特徴とする、上記5または6に記載の洗濯方法;
8. 槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽において、内胴の搖動角度が200°〜300°であることを特徴とする上記5〜7のいずれか一つに記載の洗濯方法;
9. 予洗水のオーバーフローによる排水を第一予洗工程のみで行うことを特徴とする上記7または8に記載の洗濯方法;
10. 予洗水のオーバーフローによる排水を第一予洗工程及び第二予洗工程の両方で行うことを特徴とする上記7または8に記載の洗濯方法;
11. 槽内下層の予洗水の排水量(q)に対する、槽内上層の予洗水の排水量(p)の比率(p/q)が、0.5以上であることを特徴とする上記9又は10に記載の洗濯方法;
12. 工程(2)において、予洗水の供給を停止した状態で、排水バルブを開くことを特徴とする上記7〜11のいずれか一つに記載の洗濯方法;
13. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、一つまたはそれ以上の濯ぎ槽を含み、そのうち任意の少なくとも一つの濯ぎ槽からの排水が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする上記1〜12のいずれか一つに記載の洗濯方法;
14. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、脱水機を含み、脱水機からの排水が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする上記1〜12のいずれか一つの洗濯方法;
15. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、一つまたはそれ以上の濯ぎ槽及び脱水機を含み、そのうち任意の少なくとも一つの濯ぎ槽からの排水及び脱水機からの排水の両方が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする、上記1〜12に記載の洗濯方法;
16. 被洗物の搬送方式がカウンターフロー方式である連続洗濯機システムを使用することを特徴とする上記1〜15のいずれか一つに記載の洗濯方法。
17.被洗物が、オムツ及び清拭タオルであることを特徴とする上記1〜16のいずれか一つに記載の洗濯方法;
に関する。
本発明の洗濯方法によれば、塊状汚れの付着した被洗物を予洗槽に投入し、被洗物から脱着、浮遊した塊状汚れを含む予洗槽内上層の予洗水を予洗槽から排出しつつ洗濯することにより、浮遊する塊状汚れを予洗水と共に排出することができる。また予洗槽内上層の予洗槽の排水と共に、予洗槽内下層の予洗水の排水を併用することにより、塊状汚れを上下両方向から効率よく排出することができる。この効果により本洗槽まで持ち込まれる塊状汚れの量を極力少なくすることが出来、更に予洗水として濯ぎ槽、脱水機絞り水からのリサイクル水を使用することにより、洗濯水を節約しつつ再洗い率が低いエコロジーの点で好ましい洗濯が可能となった。
図1は、洗濯水が被洗物の動きと反対方向から流れるカウンターフロー方式の連続洗濯機システムの実施形態の一例を示す概略図面である。 図2(a)は、内胴の揺動運動を示す図である。図2(b)は、被洗物を次の槽に移送するための構成を示す図である。 図3は、予洗工程の1タクトに含まれる工程の模式図である。
本発明で使用される連続洗濯機システムは、少なくとも一つの予洗槽及び少なくとも一つの本洗槽を含む。予洗槽の数は好ましくは1〜3、特に1であり、本洗槽の数は好ましくは1〜15、特に好ましくは4〜10、特に6である。本発明では、これらの予洗槽の少なくとも一つ、好ましくは被洗物が最初に投入される予洗槽において、被洗物から脱着し浮遊した塊状汚れを含む予洗槽上層の予洗水を排水しつつ、洗濯を行う。この予洗水の排水は、一つの態様では、槽からの予洗水のオーバーフローによって行うことができる。
ここで予洗槽上層における上層とは、予洗槽の高さ方向について、概略中心から上部の部分を指したものであり、特定された部分を限定したものではない。予洗槽下層についても同様に、概略中心から下部の部分を指した表現である。
塊状汚れを洗濯するための方法として何故本発明の方法が知られていなかったか、その理由は不明である。従来フラッシュ水の役割は、被洗物を予洗槽に流し込んだ後、その水で予洗することにあると考えられており、オーバーフローさせるのは水や洗剤の節約の点で好ましくないという意識が強かったこと、特許文献3で示されるように、また予洗で残った塊状汚れ除去のために、本洗工程の洗浄力を強化する方法を中心として努力が払われていたこと、などがその理由として考えられる。
本発明の好ましい態様の一つでは、更に、上記の予洗水の排水を行う予洗槽において、槽内下層の予洗水の排水も行われる。この槽内下層の予洗水の排水は、一つの態様では、予洗槽の下部、好ましくは底部に設けられた排水孔及びこの排水孔からの排水を制御する排水バルブを用いて行うことができる。このように槽内上層の予洗水の排水と、槽内下層の予洗水の排水との両方を行うことによって、塊状汚れを上下両方向から効率よく排出することができる。この効果により本洗槽まで持ち込まれる塊状汚れの量を極力少なくすることができる。
この場合、有利な形態の一つにおいて、槽内上層の予洗水の排水量pと、槽内下層の予洗水の排水量qとの比率は、p/q=0.5以上であることが好ましい。この範囲以下であると、塊状汚れ除去が不十分となりやすい。特に好ましいのはp/q=0.5〜4.0、就中好ましくは1.0〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲である。この範囲超とすることは可能であり、塊状汚れの除去効果には影響はないが、この場合、予洗水の消費量が多くなり、コストと節水の点で好ましくない。
本発明の態様の一つでは、上記の予洗槽及び/または本洗槽は、固定された外胴と揺動する内胴とから構成される内外胴からなる。予洗、本洗用に供給された水は、外胴の水槽に貯められ、多数のパンチング孔が空けられた内胴はその水に浸漬した状態で揺動する。ここで揺動とは、図2(a)で示されるように、右方向、および左方向に時計の振り子運動のように振動する運動である。
本発明の態様の一つでは、前記内外胴は、従来既知の連続洗濯システムと同様に、その外胴に水位を所定位置に保つための開口を有する。本発明においては、一つの態様において、浮遊した塊状汚れを含む予洗槽の槽内上層の予洗水の排水は、この開口を介して予洗水をオーバーフローにより排水することによって行うことができる。この場合のオーバーフローは、従来技術による連続洗濯システムの操業方式において前記開口部以下の水位を保つために供給される予洗水量と比べて、過剰量に予洗水を供給することによって行うことができる。この際、本発明の方法では、内胴の揺動角度、すなわち静止状態において中心を通る水平線が揺動する角度は、従来技術通りでかまわないが、特にオーバーフローを行う予洗槽においては、好ましくは180°〜320°である。180°未満では、洗濯時のせんだん力が小さいため洗濯不良となる虞がある。320°を越えると、十分な洗濯が行われる前に予洗水がオーバーフローされやすく、同様に洗濯不良を伴いやすい。揺動角度を200°〜300°の範囲にすると予洗水のオーバーフローが特に適切に増強され、特に好ましい。
本発明の態様の一つでは、浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水の排水を行う前記予洗槽において、被洗物投入から次の槽への移送までの1タクトが、好ましくは
(1) 予洗槽に洗剤、被洗物を投入すること、予洗槽中に予洗水を供給すること、及び予洗水の供給を続けて開口部から予洗水をオーバーフローにより排水しながら被洗物を洗濯することを含む第一予洗工程、
(2) 予洗水の供給を続けてまたは停止した状態で、予洗槽下部の排水バルブを開いて、予洗水を排水する工程、
(3) 排水バルブを閉じた後、再び予洗水を供給し、洗濯する第二予洗工程、
(4) 第二予洗工程後、被洗物を次の槽に移送する工程、
を含む。予洗水のオーバーフローによる排水は、第一予洗工程のみで、または第一予洗工程及び第二予洗工程の両方で行うことができる。工程(2)の排水バルブの開放は、好ましくは、予洗水の供給を停止した状態で行われる。
本発明においては第一予洗工程と第二予洗工程を分けずに、予洗を行った後に排水バルブを開き、予洗水を排水した後に、第二予洗を経ずに被洗物を次槽に移送する方式も可能である。しかしながら上記好ましい態様のように、第二予洗を設けることにより、第一予洗の汚水を一旦排水し、第二予洗の濯ぎ効果により、次槽への汚れ持ち込みを極力減らすことできるため、より好ましい結果が得られる。
予洗水のオーバーフローが第一予洗工程のみで行われる場合には、槽内上層の予洗水の排水量pと、槽内下層の予洗水の排水量qはそれぞれ第一予洗工程における上層の排水量、下層の排水量を示し、その比率は、p/q=0.5以上であることが好ましい。p/q<0.5の場合、塊状汚れ除去が不十分となりやすい。特に好ましいのはp/q=0.5〜4.0、就中好ましくは1.0〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲である。この範囲超とすることは可能であり、塊状汚れの除去効果には影響はないが、この場合、予洗水の消費量が多くなり、コストと節水の点で好ましくない。
予洗水のオーバーフローが第一予洗工程及び第二予洗工程の両方で行われる場合には、槽内上層の予洗水の排水量pと、槽内下層の予洗水の排水量qはそれぞれ第一予洗工程、第二予洗工程における上層の排水量の合計、下層の排水量の合計を示し、その比率は、p/q=0.5以上であることが好ましい。p/q<0.5の場合、塊状汚れ除去が不十分となりやすい。特に好ましいのはp/q=0.5〜4.0、就中好ましくは1.0〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲である。この範囲超とすることは可能であり、塊状汚れの除去効果には影響はないが、この場合、予洗水の消費量が多くなり、コストと節水の点で好ましくない。
本発明の方法においては、洗濯温度(予洗水中の予洗水、本洗中の本洗水の温度)は、特に限定されるものではないが、40〜80℃であることが好ましい。40℃以下では洗浄不良となりやすく、80°以上では加熱エネルギーが大きくなり、コスト的に不利となる。
予洗槽及び本洗槽には洗剤液が供給される。それぞれ一つまたはそれ以上の予洗槽及び本洗槽の任意の槽に洗剤液を投入することができる。特に、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に洗浄液を供給することが効果的である。
供給される洗剤液を構成する洗剤成分としては、被洗物の種類、量等により好適な洗浄剤成分が選択されるものであり、特に限定されないが、一般的には界面活性剤、ビルダーなどから構成される。
予洗及び本洗は、好ましくは、アルカリ洗剤、中性洗剤等の洗剤を含む水により実施することができる。ここで、アルカリ洗剤の濃度は、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%であり、中性洗剤の濃度は、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.3質量%である。これらの洗剤のpHは、固形分濃度0.1質量%の水溶液において、好ましくは7.0以上である。このようなアルカリ洗剤又は中性洗剤は、特に限定されるものではなく、慣用の洗濯用洗剤を使用することができる。また、必要に応じて添加剤、例えば、再汚染防止剤、酵素、消泡剤などを含むことができる。
上記の洗剤に含める界面活性剤としては、アニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤を用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、(1)炭素数10〜20の脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩)、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のセッケン;(2)炭素数10〜20のα―スルホ脂肪酸エステルナトリウム等のα―スルホ脂肪酸エステル;(3)炭素数10〜14のアルキルを有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;(4)ドデシル硫酸ナトリウム等の炭素数10〜20の高級アルコール硫酸エステル塩などが挙げられる。また、ノニオン界面活性剤としては、例えば、(1)アルキル基の炭素数が6〜14であるポリオキシエチレンアルキルエーテル;(2)アルキル基の炭素数が6〜18であるポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどが挙げられる。
上記の洗剤に含めるビルダーは、洗剤のpHを調整するために使用される。該ビルダーとしては、アルカリビルダーが好ましい。該アルカリビルダーとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩などが挙げられる。また、その他のビルダーとして、例えば、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩等の無機系リン酸塩、炭酸水素塩などを用いることもできる。
更に本発明の態様の一つでは、一つまたはそれ以上、好ましくは一つの本洗槽に殺菌剤が供給される。
本発明の殺菌剤としては、次亜塩素酸水溶液、過酢酸水溶液などの一般的な洗濯用殺菌剤が用いられる。その中で次亜塩素酸水溶液が殺菌力、コストなどの点で最も好ましい。
純次亜塩素酸は塩素のオキソ酸の一種であり、カルキ臭がする。本発明の殺菌には、次亜塩素酸は低濃度水溶液として用いられるが、殺菌剤としての濃度は一般的に10〜100ppm程度であり、好ましくは20〜50ppm程度である。
次亜塩素酸は、殺菌と共に漂白用としての機能も併せ持つ。本発明において漂白機能を持たせる場合には、殺菌用よりも高濃度に設定することが好ましく、一般的には100〜500ppm、特に好ましくは300〜400ppmで使用すると、汚れの強い被洗物でも殺菌と漂白の両機能を持たせることができる。
殺菌剤は、一つまたはそれ以上の本洗槽のうちのいずれか一つの任意の槽に供給することができるが、特に殺菌剤として次亜塩素酸の水溶液を使用する場合は、これはpHが9程度以上のアルカリ性では消毒作用が小さくなるので、本洗槽への洗浄液としてアルカリ洗剤を使用する場合には、本洗槽のうち洗剤濃度が低くなり、pHが十分に低まった槽に、例えば最後の本洗槽に殺菌剤を供給することが有利であり、そうすることで有効な消毒作用を発揮させることができる。
本発明の態様の一つでは、該連続洗濯システムは、更に、少なくとも一つの濯ぎ槽、少なくとも一つの仕上げ槽、及び/または少なくとも一つの脱水機を備える。濯ぎ槽の数は好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜6、特に3であり、仕上げ槽の数は、好ましくは1〜3、特に1であり、脱水機の数は通常1である。濯ぎ槽と仕上げ槽の両方を含む場合は、その順序は、通常は、濯ぎ槽、次いで仕上げ槽であり、更に脱水機を含む場合は、通常、脱水機は仕上げ槽の下流に配置される。濯ぎ槽及び仕上げ槽は、上記予洗槽及び本洗槽と同様に内外胴からなることができ、その外胴も、同様に水位を一定に保つための開口部をその外胴に有することができる。
本発明の態様の一つでは、予洗槽へ供給される予洗水として、濯ぎ槽、好ましくは、濯ぎ槽のうち、本洗後に被洗物が最初に投入される濯ぎ槽からの排水、及び/または脱水機からの排水がリサイクルされて使用される。そうすることで、洗濯水を節約しつつ再洗い率が低いエコロジーの点で好ましい洗濯が可能となる。濯ぎ槽及び/または脱水機からの排水は、好ましくは、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給される。
仕上げ槽には、仕上げ剤が適量投入されるが、場合によっては仕上げ剤を投入しなくともよい。仕上げ剤としては、被洗物を柔軟にする一般的な柔軟剤、芳香を与える芳香剤などの中から適宜選択されて使用される。また必要に応じて抗菌剤などを仕上げ剤として使用することも可能である。
本発明では、カウンターフロー方式、バッチフロー方式、及びコフロー方式と呼ばれる連続洗濯方式の何れをも使用することができるが、その中でも特にカウンターフロー方式の洗濯機が本洗槽に持ち込まれる汚れの量が少なく、再洗い率が低い点で本発明にとって最も好ましい。
本発明の方法は、大便、吐瀉物等の塊状汚れを有する任意の被洗物に適用でき、例えばオムツ及び清拭タオルなどが挙げられる。
以下、本発明の方法を添付の図面に基づいてより詳細に説明する。ここでは、カウンターフロー方式を例にとって、以下に説明する。
図1は、洗濯水が被洗物の動きと反対方向から流れるカウンターフロー方式の連続洗濯機システムの実施形態の一例を示す概略図面である。このような連続洗濯機システムそれ自体は、ミルナー連続洗濯機とも呼ばれ、その構成自体は既知である(例えば特許文献2及び3)。
本実施形態の連続洗濯機システムは、図1に示すように、被洗物投入口B、内外胴(二重ドラム)をもつ独立した予洗部C(予洗槽1)、本洗部D(本洗槽2〜7)、濯ぎ部E(槽8〜10)〕、仕上げ部F(槽11)からなる複数のモジュール1〜11で構成される連続洗濯機システムAとそれに接続した脱水機G、該連続洗濯機システムAの濯ぎ部E(8〜10)の少なくとも一の槽に新水を供給する新水供給バルブ31と、該連続洗濯機システムAの予洗槽1,本洗槽2〜7に洗剤を洗剤ストックタンク21から供給する洗剤供給ライン34、殺菌剤ストックタンク22から殺菌剤を本洗槽に供給する殺菌剤供給ライン35、仕上げ剤を仕上げ剤ストックタンク23から仕上げ槽11に供給する仕上げ剤供給ライン36と、予洗槽1の下部に設けられ予洗水を排出する予洗水排水バルブ42、本洗槽2から洗濯水を排出する本洗排水配管43と、該連続洗濯機システムAの濯ぎ部Eから排出されるリサイクル水をリサイクル水分配タンク25に流すライン44、リサイクル水をポンプ52を経て該連続洗濯機システムAの本洗槽5及び7へ戻す第1のリサイクル洗濯水供給ライン37と、リサイクル水分配タンク25から、ポンプ53を経てリサイクル水が供給されるフラッシュタンク24、フラッシュタンク24に新水を供給するための新水補充バルブ32、ポンプ54、バルブ41を経て該連続洗濯機システムAの予洗槽1へフラッシュ水を供給する第2のフラッシュ水供給ライン33とを備えている。
また、本実施形態では、連続洗濯機システムAの本洗部Dに殺菌剤である次亜塩素酸水溶液を供給するライン35、仕上げ槽11に仕上剤を供給するライン36、仕上げ部Fに連結する脱水機Gを有し、更に、濯ぎ槽8からの排水をリサイクル水分配タンク25を介してフラッシュタンク24に供給するリサイクル水予洗水供給ライン38、並びに脱水機Gの排水(リサイクル水)を配管45を介して回収タンク26で回収し、ポンプ51を経てフラッシュタンク24に供給する回収水供給ライン39を備えている。被洗物71はベルトコンベヤーなどの方法により、連続洗濯機Aの投入口Bの上部に搬送され、投入口Bに投下される。
内外胴(二重ドラム)をもつ独立した予洗部C、本洗部D、濯ぎ部E、及び仕上げ部Fからなる複数のモジュール1〜11は、図2(a)に示すように、内胴80が同期しながら揺動運動を行っている。ここで予洗水などの水は二重ドラムの外胴としての水槽に貯められ、多数のパンチング孔が開けられた内胴はその水に浸漬した状態で揺動している。
揺動は、ドラム内の4本の大きな突起部(桟)81が被洗物を強く叩き、掻き上げ、落下を繰り返し、その間、洗濯水の中で被洗物は強く攪拌され、洗いの効果または濯ぎの効果を高める機能を有するものである。なお、内外胴(二重ドラム)をもつ独立した予洗部、本洗部、濯ぎ部及び仕上げ部からなる複数のモジュール(槽1〜槽11)は、各槽で加熱機構により各設定温度に調節することができる。
また、各モジュールの間は、図2(b)に示すように、各モジュールに備える孔92を有するスクープ(螺旋シュート)91ですくい上げて、次の槽に移送する構成となっている。なお、スクープの代わりに、スライド移送式であってもよい。
連続洗濯機システムAの予洗部Cと本洗部D、本洗部Dと濯ぎ部E、濯ぎ部Eと仕上げ部Fの境には、それぞれフローノットバルブ12、13、14が備えられており、それぞれの境を仕切っている。
予洗槽1の下には排水バルブ42が設けられ、汚水が排出される。また予洗槽1の内外胴の外胴には、開口部61が設けられており、予洗水の供給量が大きくなると、その開口部から予洗水がオーバーフローして排出される。この開口部の高さは調節可能であり、被洗物の汚れの程度により適宜調整される。この開口部は槽2〜11についても同様のものが設けられている。
以下に、図1のカウンターフロー方式の連続洗濯機システムAを用いた場合について、本発明の洗濯方法を説明する。
予洗槽1には被洗物の投入口Bが設けられ、コンベヤーなどで移送された被洗物71の1バッチ分が投入される。投入口付近には、フラッシュ水供給バルブ41が設けられ、脱水機及び濯ぎ槽からのリサイクル水がフラッシュタンク24から予洗水として供給され、投入された被洗物を予洗槽1の中に押し込みつつ流し込む。
予洗槽1には被洗物と予洗水が供給され、また洗剤ストックタンク21からはアルカリ洗剤が1バッチ分投入される。アルカリ洗剤の投入はシリンダーに貯められた洗剤水を空気圧で押し込む方法により行われ、その投入のタイミングは被洗物投入前、投入直後、または投入と同時の何れでよい。ここで投入される洗剤としてはアルカリ洗剤に代えて中性洗剤、もしくはアルカリ洗剤と中性洗剤の混合洗剤を用いることもできる。予洗槽1中の被洗物は、揺動されながら予洗される。この際、過剰の予洗水を供給することにより、予洗水が塊状汚れともに開口部61からオーバーフローされる(第一予洗工程)。
被洗物は予洗槽1の中で揺動運動を行いつつ、予洗水を供給しながら所定の時間をかけて洗濯処理される。この際、十分な水量がオーバーフローされるように予洗水の供給量、槽下部の排水バルブを開けるまでの時間、開口部61の高さを調整する。
一つの態様では、第一予洗を終えて、予洗槽下部の排水バルブ42を所定時間開放して汚水を排出する(水抜き)。このバルブ操作により、洗剤で落とされた細かな汚れは汚染水と共に排出される。再度バルブを閉めた後、予洗水が投入されて第二予洗が開始される。この第二予洗工程は、第一予洗で残った塊状汚れを濯ぎ落とすことにその目的があり、洗剤投入は不要であるが、汚れが強い場合には、洗剤を投入してもよい。またこの第二予洗においては、予洗水のオーバーフローを行わずともよいが、タクトタイムに余裕があり、また汚れがひどい場合には第二予洗でオーバーフローを行うことも好ましい。
予洗槽1内には移送手段となるスクープ91が設けられ、予洗槽1を一方向に回転させることにより、移送スクープが被洗物を掬い上げて次の本洗槽へ移送することができる。この際に、被洗物に付着せずに予洗槽に残留した第二予洗の水は次のバッチの予洗に使用される。
それ故、本発明の方法の一つの有利な形態では、第一予洗とその後の水抜き、水抜き後の第二予洗を1セットとして行うことを特徴とする。この第一予洗の後の第二予洗による濯ぎ効果により、次の本洗槽に持ち込まれる塊状汚れが急減し、信頼性の高い洗濯が可能となる。本発明の方法においては、予洗の回数は2回に限定されるものではなく、必要によって第二予洗の後に水抜きと第三予洗を付加して行うことも可能であり、更にタクトタイムに余裕がある場合には、第四予洗も可能である。
またフラッシュタンク24中のフラッシュ水に余裕がある場合には、被洗物の移送の後で、次のバッチに移る際に残留した予洗水を排水バルブ42を開放して排出することも可能であり、その結果、よりよい洗濯結果を期待できる。
図1において、槽2〜槽7は本洗槽で、予洗槽から移送された被洗物の十分な洗濯を行うと共に、槽7から供給される殺菌剤により殺菌が行われる。洗濯水は槽5にリサイクル水が供給され、洗剤液の供給は例えば槽4に行われる。洗濯水は槽5から槽2に向かってカスケード状に流される。被洗物はそのカスケードに対向して移動する。槽6を通過して槽7に入ると、洗剤濃度は急減すると共に、殺菌剤濃度が高まり、殺菌が効率よく行われて、本洗が終了する。
上記のように予洗、続く本洗により、順次、洗濯及び殺菌がなされた被洗物は、次いで濯ぎ工程において濯がれる。濯ぎ用の水として例えば水道水が槽10に投入され、この水がカスケード状に槽8に向かって流され、その中に被洗物が移送されて常法に従い濯ぎが実施され、洗濯が終了する。洗濯された被洗物は、その後、脱水、乾燥機等で乾燥される。乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
洗剤、殺菌剤の効果を上げるためには、洗濯水の加熱が有効である。そのために水蒸気配管が設置され(図示せず)、本洗槽2〜7に水蒸気を直接吹き込み、温度計による温度計測を行いつつ、温度調整を行う。
各槽での処理速度はタクトタイムで評価される。タクトタイムは、直接、生産性及びコストに反映されるために、短いほど好ましいが、短すぎると汚れの除去、殺菌などが十分でなくなることがある。本発明においてタクトタイムは、好ましくは1.5〜20分間、より好ましくは2〜10分間、更に好ましくは2〜5分間である。ここで、タクトタイムとは、各槽に被洗物が移動した時点から、被洗物がその槽から次の槽に移送された時点までの槽内での滞留時間を意味する。従って、例えば、同一槽において、水の投入、洗浄、及び水抜きが実施されるときは、これらの合計を含めた時間を言う。
ここで本発明の目的を達成するためには、予洗により生ずる汚水をオーバーフローさせて排出させることが必要である。オーバーフローさせることにより、洗剤泡の浮力などで沈みにくい塊状汚れを効率よく予洗槽から排除することができる。その場合、オーバーフローを行う予洗槽において被洗物の投入から次の槽への移送までの1タクトの間に、次の工程を含むことが特に好ましい。
(1) 内胴を揺動させた予洗槽1に予洗水(フラッシュ水)の供給、洗剤の供給及び被洗物71の投入を行い洗濯する(第一予洗)。
(2) 洗濯しながら予洗水の供給、揺動を続け、オーバーフローさせる。
(3) フラッシュ水供給バルブ41を閉じる。
(4) 必要によりフラッシュ水供給停止後も揺動、予洗を継続する。
(5) 予洗槽下部の排水バルブ42を開き、汚れた予洗水を排水する。
(6) 排水バルブ42を閉める。
(7) フラッシュ水供給バルブ41を開き、予洗水を供給する。
(8) 所定時間予洗(第二予洗)後、被洗物をスクープ91ですくい上げ、次の槽に移送する。
この工程を模式的に示すと図3のようになる。ここで予洗槽の揺動、被洗物の投入、予洗水の供給、洗剤の供給開始のタイミングは必ずしも同時に行う必要はなく、本発明の目的を達成できる範囲内でそれぞれの工程を前後したり、タイミングを適宜ずらすことは可能である。
次に、実施例をもつて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
実施例に先立ち、評価方法を以下に示す。
〔洗浄力評価方法〕介護老人ホームから出された被洗物(布製オムツ)を50kgずつに7分割し、それぞれ異なった洗濯条件で洗濯、脱水、乾燥を行った。
洗濯は、図1の洗濯機と同様の構造を有する東京洗染機械製作所製LCBW−11(槽数11)を用いて行った。下記表1〜2に示される条件で洗濯、乾燥を行い、シミの有無、シミ有りの場合にはその大きさ及び濃さを検査項目として標準サンプルと比較しながら全数の目視検査を行い、洗濯不良品を抜き取りその数から下記の式により不良品率(再洗い率)を求めた。
再洗い率(%)=[(不良品数)÷(良品数+不良品数)]×100
洗濯液及び殺菌液の処方を表1に示す。
仕上げ槽11では一般的な市販の柔軟仕上げ剤を使用した。
Figure 0006015908
洗濯機の標準運転条件は表2によった。
Figure 0006015908
実施例1
予洗槽での予洗における各工程の時間を、図3を参照しながら説明する。
予洗槽を揺動しながら、フラッシュ水供給バルブ41を開けフラッシュ水を被洗物投入口に供給し(時間t=0)、それと同時にアルカリ洗剤を所定量予洗槽1に供給した(時間T2は2秒)。それと同時に被洗物71を1バッチ分を投入口に投入、被洗物を予洗槽に流し込み、予洗(第一予洗)を開始した。第一予洗時のフラッシュ水の供給も被洗物投入と同時に開始し、その供給は40秒(=T1)間行った。ここにおいて揺動と並行して行われるフラッシュ水の供給の途中で、予洗水の水位が開口部を越えてオーバーフローするが、所定時間(T1=40秒)に達するまでフラッシュ水の供給とオーバーフローは継続される。その後、予洗水の供給は停止したまま88秒間揺動しながら予洗を継続した。時間T(=128秒)まで第一予洗を行った後、予洗槽下部の排水バルブ42をT=10秒間開放し、汚水を排出した後、バルブを閉じ、フラッシュ水供給バルブ41を再度開けてT=10秒間フラッシュ水を供給しながら、第二予洗をT(=T)10秒間行った。次いでスクープにより被洗物をすくいあげて、槽2(本洗)にT=20秒間の間移送した。被洗物投入の際のフラッシュ水供給開始から、槽2への移送終了までのタクトTは一定とした。
ここで第一予洗で洗濯と共にオーバーフローが行われ、オーバーフロー水量pは270リッター、排水バルブ42からの排水量qは245リッター、であった。ここにおいてオーバーフロー水量p、排水バルブからの排水量qは、それぞれの配管から測定用タンクに流し込み、水量を測定した。また第二予洗工程ではオーバーフローは行われなかった。このようにして洗濯したときの、再洗い率は5%であった。
実施例2〜4、比較例1〜3
実施例1における第一予洗水供給時間Tを、種々変化させてp/qを変化させる以外は、実施例1と同様の条件で連続洗濯実験を行い、それらを実施例2〜5、比較例1〜3として表3に結果を示した。
ここにおいて、再洗い率5%以下を工程良否の基準レベルとして評価した。
Figure 0006015908
ここで ○;良好、△;合格レベル、 ×;不良
この結果から、p/qの値が0.5以上で再洗い率が急減し、ほぼ良好な結果が得られることが判明した。p/qの値をより高くすることは可能であり、再洗い率の低下が小さくなるが、予洗水の補充量が応じて多くなる。
A 連続洗濯機システム
B 被洗物投入口
C 予洗部
D 本洗部
E 濯ぎ部
F 仕上げ部
G 脱水機
1 予洗槽
2〜7 本洗槽
8〜10 濯ぎ槽
11 仕上げ槽
12〜14 フローノットバルブ
21 洗剤ストックタンク
22 殺菌剤ストックタンク
23 仕上げ剤ストックタンク
24 フラッシュタンク
25 リサイクル水分配タンク
26 回収タンク
31 新水供給バルブ
32 新水補充バルブ
33 フラッシュ水供給ライン
34 洗剤供給ライン
35 殺菌剤供給ライン
36 仕上げ剤供給ライン
37 リサイクル洗濯水供給ライン
38 リサイクル予洗水供給ライン
39 回収水予洗水供給ライン
41 フラッシュ水供給バルブ
42 予洗水排水バルブ
43 本洗排水配管
44 リサイクル水ライン
45 脱水回収配管
51〜54 ポンプ
61、62 開口部
71 被洗物
80 内胴
81 突起
91 スクープ
92 孔
タクトタイム
第一予洗工程のための予洗水供給時間
洗剤投入時間
被洗物投入時間
第一予洗時間
排水バルブ開放時間
第二予洗水供給時間
第二予洗時間
被洗物移送時間

Claims (11)

  1. 少なくとも予洗槽及び本洗槽をそれぞれ一つまたはそれ以上含む連続洗濯機システムを用いて、塊状汚れが付着した被洗物を洗濯する方法であって、
    少なくとも一つの予洗槽において、浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水を排水しつつ、洗濯し、
    予洗槽及び本洗槽が内外胴からなり、
    前記内外胴が、その外胴に水位を所定位置に保つための開口部を有し、
    予洗槽のうち、少なくとも、槽内上層の予洗水の排水を行う槽が、下部に排水孔及び排水孔からの排水を制御する排水バルブを有し、
    浮遊した塊状汚れを含む槽内上層の予洗水の排水が、前記開口部以下の水位を保つよりも過剰量に予洗水を供給し、その開口部から予洗水をオーバーフローにより排水して行われる方法において、
    槽内上層の予洗水の排水を行う前記予洗槽において、被洗物投入から次の槽への移送までの1タクトが、
    (1)予洗槽に洗剤、被洗物を投入すること、予洗槽中に予洗水を供給すること、及び予洗水の供給を続けて開口部から予洗水をオーバーフローにより排水しながら被洗物を洗濯することを含む第一予洗工程、
    (2)予洗水の供給を続けてまたは停止した状態で、予洗槽の排水バルブを開いて、予洗水を排水する工程、
    (3)排水バルブを閉じた後、再び予洗水を供給し、洗濯する第二予洗工程、
    (4)第二予洗工程後、被洗物を次の槽に移送する工程、
    を含むことを特徴とする、上記方法。
  2. 槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽において、内胴の搖動角度が200°〜300°であることを特徴とする請求項に記載の洗濯方法。
  3. 予洗水のオーバーフローによる排水を第一予洗工程のみで行うことを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯方法。
  4. 予洗水のオーバーフローによる排水を第一予洗工程及び第二予洗工程の両方で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯方法。
  5. 槽内下層の予洗水の排水量(q)に対する、槽内上層の予洗水の排水量(p)の比率(p/q)が、0.5以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の洗濯方法。
  6. 工程(2)において、予洗水の供給を停止した状態で、排水バルブを開くことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の洗濯方法。
  7. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、一つまたはそれ以上の濯ぎ槽を含み、そのうち任意の少なくとも一つの濯ぎ槽からの排水が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の洗濯方法。
  8. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、脱水機を含み、脱水機からの排水が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つの洗濯方法。
  9. 連続洗濯機システムが、本洗槽の下流に更に、一つまたはそれ以上の濯ぎ槽及び脱水機を含み、そのうち任意の少なくとも一つの濯ぎ槽からの排水及び脱水機からの排水の両方が予洗水として、槽内上層の予洗水の排水を行う予洗槽に供給されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の洗濯方法。
  10. 被洗物の搬送方式がカウンターフロー方式である連続洗濯機システムを使用することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の洗濯方法。
  11. 被洗物が、オムツ及び清拭タオルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の洗濯方法。
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