JP6015284B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制動時に、検出されたドライバの要求総制動トルクに応じて回生制動装置と液圧制動装置との制動トルクを制御する車両用制動制御装置に関する。
従来、制動時に、検出されたドライバの要求総制動トルクに応じて回生制動装置と液圧制動装置とを作動させる回生協調制御による制動を行う車両用制動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、この従来技術では、液圧制動装置として、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、この入力部材に相対移動可能に配置されたアシスト部材と、このアシスト部材を進退移動させる電動アクチュエータとを備えた電動倍力装置を用いている。この電動倍力装置は、ブレーキペダルによる入力部材の移動に応じて電動アクチュエータによりアシスト部材に付与されるアシスト推力によりマスタシリンダ内に倍力されたブレーキ液圧を発生させるようになっている。
特開2007−112426号公報
しかしながら、上述のような電動アクチュエータによりアシスト力を付与する液圧制動装置を用いて回生協調制御を実行した場合、以下に述べる問題が生じるおそれがあった。
ブレーキペダルの踏込を増していく制動時には、液圧制動装置では、ブレーキペダルに対して、マスタシリンダ圧反力とバネ反力とが作用している。
一方、回生協調制動時には、回生制動トルクを上昇させていったときに、液圧制動トルクを減少させる場合が生じる。このとき、ブレーキペダルに作用するマスタシリンダ圧反力が減少することにより、ペダル反力が変化し、ドライバに違和感を与え、ペダルフィールが悪化するおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ペダルフィールを改善することができる車両用制動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用制動制御装置は、
回生制動装置とブレーキ装置との駆動を制御し、回生制動トルクと液圧制動トルクとにより目標制動トルクを発生させる回生協調制動制御を行う制動トルク制御部が、回生協調制御時に、前記目標制動トルクの増加に応じて前記回生制動トルクを増加させる際の増加勾配を設定する回生制動トルク増加勾配設定部を備え、
この回生制動トルク増加勾配設定部は、前記目標制動トルクの変化量に応じ、前記変化量が予め設定された変化量設定値未満の場合には、前記増加勾配を予め設定された設定増加勾配に設定し、前記変化量が前記変化量設定値以上の場合には、前記増加勾配を、前記変化量の変化率以下の可変増加勾配に設定することを特徴とする車両用制動制御装置とした。
本発明では、制動時に、回生制動トルク増加勾配設定部は、目標制動トルクの変化量に応じ、その変化量が変化量設定値以上の場合は、回生制動トルクの増加勾配を、変化量の変化率以下の可変増加勾配に設定する。
このため、目標制動トルクの増加に伴って回生制動トルクを増加させた際に、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧)が、低下しないようにすることができる。
よって、この状況で、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧)が低下するものと比較して、ペダル反力変化を抑えることができ、ペダルフィールを改善できる。
一方、目標制動トルクの変化量が変化量設定値未満の場合は、増加勾配を予め設定された設定増加勾配に設定する。このため、変化量が設定値未満の場合も可変増加勾配として細かに回生制動トルクの増加勾配を制御すると、マスタシリンダ圧が細かに変化して違和感を与えるおそれがあるが、この違和感の発生を抑制し、良好なペダルフィールを確保できる。
実施の形態1の車両用制動制御装置のシステム構成図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置に適用した電動倍力装置を含むブレーキ装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置における電動倍力装置の駆動モータによる液圧制動トルク(マスタシリンダ圧)制御の処理の流れを示すフローチャートである。 図3のフローチャートにおいて、ステップS103の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置において統合制御装置およびモータコントロールユニットにより実行する回生制動トルクの設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置における予圧回生制動トルク減少制御を含むすり替え制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置における基準すり替え車速線および予圧開始車速線の他の例を示す特性図であり、(a)は予圧開始車速線を、回生制動トルクが大きいほど基準すり替え開始車速線との車速幅が広がるように設定した例であり、(b)は予圧開始車速線を、基準すり替え開始車速線と略平行に設定した例である。 実施の形態1の車両用制動制御装置のすり替え制御時の動作を示すタイムチャートであり、(a)は車速変化を示し、(b)は回生制動トルクおよび液圧制動トルクの変化を示し、(c)はペダルストロークの変化を示している。 実施の形態1の車両用制動制御装置の作用説明のための比較例の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。 図10の要部を拡大して示すタイムチャートである。 実施の形態2の車両用制動制御装置の回生制動トルク増加勾配設定部における処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2の車両用制動制御装置の回生制動トルク増加勾配設定部における比率設定特性を示す比率設定特性図である。 実施の形態2の車両用制動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態3の車両用制動制御装置の回生制動トルク増加勾配設定部における処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態3の車両用制動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両用制動制御装置を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の車両用制動制御装置の全体構成を、この車両用制動制御装置のシステム構成図である図1に基づいて説明する。
実施の形態1の車両用制動制御装置は、モータ/ジェネレータ1(以下、単にモータ1と表記する)により駆動輪(図1に示す車輪WH)を駆動させる電動車両に適用されており、液圧制動装置Aと回生制動装置Bを備えている。
液圧制動装置Aは、ブレーキペダルBP、マスタシリンダMC、ブレーキコントロールユニット2、VDCコントロールユニット3を備え、回生制動装置Bはモータコントロールユニット4を備え、制動時には、統合制御装置5により、各コントロールユニット2,3,4が制御される。
具体的には、制動時には、統合制御装置5は、制動操作に応じたドライバ要求総制動トルクを求める。そして、統合制御装置5は、制動時に、必要に応じて回生協調制御を実行する。この回生協調制御は、モータ1の回生時に生じる制動トルク( 回生制動トルク)に対応する液圧を減じてマスタシリンダMCの液圧を発生させるものである。
以下、液圧制動装置Aおよび回生制動装置Bについて説明する。
(液圧制動装置)
まず、液圧制動装置Aについて説明する。
この液圧制動装置Aは、ブレーキ装置10、VDCアクチュエータ30、を備えている。
ブレーキ装置10では、運転者が踏み込むブレーキペダルBPに対する踏力に応じた制動液圧がマスタシリンダMCで発生し、この制動液圧が、ブレーキ液圧回路(プライマリ回路11およびセカンダリ回路12)を介して各車輪WHに設けられたホイールシリンダWCへ供給されて制動力を発生する。
また、ブレーキ装置10は、電動倍力装置20を備え、ブレーキペダルBPの踏力(操作量)は、電動倍力装置20によりあらかじめ設定された倍力比で倍力され、マスタシリンダMCでは、この倍力された入力が液圧に変換されて制動液圧が形成される。
ここで、図2に基づいて、電動倍力装置20を含むブレーキ装置10の構成について説明する。
ブレーキ装置10は、車輪WHを制動するホイールシリンダWCと、ホイールシリンダWCに作動油を供給するマスタシリンダMCと、作動油を貯留するリザーバタンクRESと、ブレーキペダルBPの操作により進退移動するインプットシャフト13とを備える。なお、電動倍力装置20は、インプットシャフト13に付与された推進力を倍力する。また、ブレーキコントロールユニット2は、インプットシャフト13の変位量を検出するストロークセンサ14が検出した変位量に応じて電動倍力装置20を制御する。
インプットシャフト13は、ブレーキペダルBPと共にストローク(進退)する入力部材であって、インプットシャフト13のストロークにより、マスタシリンダMCのプライマリピストン15が移動する。なお、インプットシャフト13には、後述するプライマリピストン15との相対変位量を検出する相対変位センサ101が設けられている。
マスタシリンダMCは、インプットシャフト13のアシスト部材としてのプライマリピストン15を進退移動させる。
電動倍力装置20は、インプットシャフト13の移動に応じてプライマリピストン15に推進量を付与し、その推進力によりマスタシリンダMC内の液圧(以下、マスタシリンダ圧Pmc)を倍力する。
ストロークセンサ14は、インプットシャフト13の一端部に設けられている。ストロークセンサ14は、ドライバの制動操作の操作量として、インプットシャフト13のストロークの変位量を検出する検出部である。ストロークセンサ14は、検出した変位量に応じた検出信号をブレーキコントロールユニット2に出力する。
ブレーキコントロールユニット2は、ストロークセンサ14から検出信号を受け付け、検出信号に応じたインプットシャフト13のストロークの変位量を示す変位量情報を統合制御装置5(図1参照)に送信する。ブレーキコントロールユニット2は、統合制御装置5(からの制御指令に従って電動倍力装置20を駆動して、インプットシャフト13の変位量に応じた推進力をプライマリピストン15に付与する。
以下、マスタシリンダMCの軸方向をx軸方向とし、図において左方向であるマスタシリンダMCの底部側をx軸正方向とし、ブレーキペダルBP側をx軸負方向とする。
マスタシリンダMCは、いわゆるタンデム型のシリンダである。マスタシリンダMCのシリンダ16内には、アシスト部材としてのプライマリピストン15と、セカンダリピストン17とが設けられており、両者15,17はギャップL2だけ軸方向に離間して配置されている。
シリンダ16では、プライマリピストン15のx軸正方向側の端面と、セカンダリピストン17のx軸負方向側の端面とによりプライマリ液圧室16aが形成される。プライマリ液圧室16aは、プライマリ回路11と連通可能に接続されている。
プライマリ液圧室16aの容積は、プライマリピストン15とセカンダリピストン17がシリンダ16内をストロークすることにより変化する。プライマリ液圧室16aには、プライマリピストン15をx軸負方向側に付勢する戻しバネ15bが設置されている。
また、シリンダ16では、シリンダ16内の底面と、セカンダリピストン17におけるx軸正方向側の端面とにより、セカンダリ液圧室16bが形成される。セカンダリ液圧室16bは、セカンダリ回路12と連通可能に接続されている。
セカンダリ液圧室16bの容積は、セカンダリピストン17がシリンダ16内をストロークすることにより変化する。セカンダリ液圧室16bには、セカンダリピストン17をx軸負方向側に付勢する戻しバネ17bが設置されている。
プライマリ回路11には、プライマリ液圧センサ11Sが設けられている。プライマリ液圧センサ11Sは、摩擦制動トルクを調整するために、プライマリ液圧室16aの液圧を検出し、検出結果を示す液圧情報をブレーキコントロールユニット2に送信する。
セカンダリ回路12には、セカンダリ液圧センサ12Sが設けられている。セカンダリ液圧センサ12Sは、摩擦制動トルクを調整するために、セカンダリ液圧室16bの液圧を検出し、検出結果を示す液圧情報をブレーキコントロールユニット2に送信する。なお、両回路11,12の途中に、VDCアクチュエータ30が設けられている。
インプットシャフト13のx軸正方向側の端部は、プライマリピストン15の隔壁15aを貫通し、プライマリ液圧室16a内に接地している。インプットシャフト13の端部とプライマリピストン15の隔壁15aとの間はシールされており、液密性を確保するとともに、インプットシャフト13の端部は、隔壁15aに対して軸方向に摺動可能に設けられている。
一方、インプットシャフト13のx軸負方向側の端部は、ブレーキペダルBPに連結されている。ドライバがブレーキペダルBPを踏むと、インプットシャフト13はx軸正方向側に移動し、ドライバがブレーキペダルBPを戻すと、インプットシャフト13はx軸負方向側に移動する。
また、インプットシャフト13には、フランジ部13fの外径よりも小径かつ、プライマリピストン15の隔壁15aの内周よりも大径の大径部13aが形成されている。ブレーキ操作が行われていないブレーキ非作動時には、大径部13aのx軸正方向側の端面と隔壁15aのx軸負方向側の端面との間にギャップL1が設けられる。このギャップL1により、プライマリピストン15がインプットシャフト13に対してx軸負方向に相対移動することが可能となる。これにより、統合制御装置5から回生協調制御指令を受けたときに、ブレーキコントロールユニット2が回生制動トルク分だけ摩擦制動トルクを減じることができる。
また、ギャップL1により、インプットシャフト13がプライマリピストン15に対してx軸正方向にギャップL1分だけ相対変位すると、大径部13aのx軸正方向側の端面と隔壁15aとが当接して、インプットシャフト13とプライマリピストン15とが一体的に移動する。これによってプライマリ液圧室16aの作動液が加圧され、加圧された作動液がプライマリ回路11に供給される。
プライマリ液圧室16aの圧力により、セカンダリピストン17がx軸正方向側へ移動する。これによってセカンダリ液圧室16bの作動液が加圧され、加圧された作動液がセカンダリ回路12に供給される。
また、ホイールシリンダWCは、車輪WHに摩擦制動トルクを付与する摩擦制動装置であって、シリンダ16からの作動液によってピストン(図示省略)が移動し、ピストンに連結したパッド(図示省略)がディスクロータDR(図1参照)を押圧する。
リザーバタンクRESは、不図示の隔壁によって互いに仕切られた少なくとも2つの液室を有する。リザーバタンクRES内の一方の液室は、ブレーキ回路18aを介して、マスタシリンダMCのプライマリ液圧室16aと連通可能に接続されている。他の液室は、ブレーキ回路18bを介してセカンダリ液圧室16bと連通可能に接続されている。
次に、電動倍力装置20について説明する。
電動倍力装置20は、ブレーキコントロールユニット2からの制御指令に従ってプライマリピストン15の変位量、すなわちマスタシリンダ圧Pmcを調整するものである。電動倍力装置20は、インプットシャフト13の変位量に応じた回転力を発生させる駆動モータ21と、駆動モータ21の回転力を増大させる減速装置22と、減速装置22の回転力をマスタシリンダMCに伝達する回転−並進変換装置23と、を有する。
駆動モータ21は、三相DC(Direct Current)ブラシレスモータである。駆動モータ21は、ブレーキコントロールユニット2からの制御指令に従ってストロークセンサ14からの検出信号に応じた回転トルクを発生させる。駆動モータ21は、プライマリピストン15を進退移動させるアクチュエータの役割を果たす。
減速装置22は、駆動モータ21の出力回転をプーリ減速方式により減速する。減速装置22は、駆動モータ21の出力軸に設けられた小径の駆動側プーリ22aと、回転−並進変換装置23のボールネジナット23aに設けられた大径の従動側プーリ22bと、駆動側プーリ22a及び従動側プーリ22bに巻き掛けられたベルト22cと、を有する。
減速装置22は、駆動側プーリ22aと従動側プーリ22bの半径比により定まる減速比に応じて駆動モータ21の回転トルクを増幅し、増幅されたトルクを回転−並進変換装置23に伝達する。
回転−並進変換装置23は、駆動モータ21の回転動力を並進動力に変換し、並進動力によりプライマリピストン15を押圧する。回転−並進変換装置23は、ボールネジ方式を採用しており、ボールネジナット23aと、ボールネジ軸23bと、可動部材23cと、戻しバネ23dと、を有する。
マスタシリンダMCのx軸負方向側にはハウジング部材HSG1が設けられ、ハウジング部材HSG1のx軸負方向側にはハウジング部材HSG2が設けられている。ハウジング部材HSG2内に設けられたベアリングBRGの内周には、ボールネジナット23aが軸回転可能に設置されている。
ボールネジナット23aは、従動側プーリ22bに嵌合されている。ボールネジナット23a内には、中空のボールネジ軸23bが螺合している。ボールネジナット23aとボールネジ軸23bとの隙間には、複数のボールが回転移動可能に設置されている。
ボールネジ軸23bのx軸正方向側の端部には可動部材23cが一体に設けられ、可動部材23cのx軸正方向側の端面にはプライマリピストン15が接合されている。プライマリピストン15は、ハウジング部材HSG1に収容されている。プライマリピストン15のx軸正方向側の端部は、ハウジング部材HSG1から突出してマスタシリンダMCの内周に嵌合されている。
ハウジング部材HSG1の内周とプライマリピストン15の外周との間には、戻しバネ23dが設置されている。戻しバネ23dは、x軸正方向側の端部がハウジング部材HSG1内のx軸正方向側の底面に固定され、x軸負方向側の端部が可動部材23cに係合されている。戻しバネ23dは、前記底面と可動部材23cとの間で軸方向に押し縮めて設置されており、可動部材23cとボールネジ軸23bをx軸負方向側に付勢している。
従動側プーリ22bが回転すると、ボールネジナット23aが一体的に回転し、ボールネジナット23aの回転運動により、ボールネジ軸23bが軸方向に並進運動する。x軸正方向側へのボールネジ軸23bの並進運動の推力により、可動部材23cを介してプライマリピストン15をx軸正方向側に押圧する。なお、図2には、ブレーキ非作動時にボールネジ軸23bがx軸負方向側に最大変位したときの状態が示されている。この状態がボールネジ軸23bの初期位置である。
一方、ボールネジ軸23bには、並進運動の推力と反対方向(x軸負方向側)に戻しバネ23dの弾性力が作用する。例えば、ブレーキ操作が行われているとき、すなわちプライマリピストン15をx軸正方向側に押圧してマスタシリンダ圧Pmcを加圧している状態でも、x軸負方向側に弾性力が作用する。
また、インプットシャフト13とプライマリピストン15との間に画成した環状空間19には、一対のバネ19a及び19bが配設されている。バネ19aの一端はインプットシャフト13に設けられたフランジ部13fに係止され、バネ19aの他端はプライマリピストン15の隔壁15aに係止されている。バネ19bの一端はフランジ部13fに係止され、バネ19bの他端は可動部材23cに係止されている。
バネ19a及び19bは、プライマリピストン15に対してインプットシャフト13を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢し、ブレーキ非作動時にインプットシャフト13とプライマリピストン15とを相対移動の中立位置に保持する役割を果たす。バネ19a及び19bにより、インプットシャフト13とプライマリピストン15とが中立位置からいずれかの方向に相対変位したとき、プライマリピストン15に対してインプットシャフト13を中立位置に戻す付勢力が作用する。
したがって、ブレーキ装置10では、プライマリピストン15の変位分(前進および後退)がインプットシャフト13の変位に加算されて、マスタシリンダ圧Pmcが調整されるが、この液圧調整は、下記の式(1)で示される圧力平衡関係をもって行われる。
ここで、圧力平衡の式(1)における各要素は、以下のようになっている。
Pb:マスタシリンダMC内の圧力室(プライマリ液圧室16a)内の液圧
Fi: 入力推力
Fb: ブースタ推力
Ai:インプットシャフト13の受圧面積
Ab:プライマリピストン15の受圧面積
K:バネ19a、19bのバネ定数
ΔX:インプットシャフト13とプライマリピストン15との相対変位量
また、相対変位量ΔXはインプットシャフト13の変位をXi、プライマリピストン15の変位をXbとして、ΔX=Xi−Xbと定義している。したがって、ΔXは、相対移動の中立位置では0、インプットシャフト13に対してプライマリピストン15が後退する方向では正符号、その逆方向では負符号となる。なお、圧力平衡の式(1)ではシールの摺動抵抗を無視している。この圧力平衡の式(1)において、ブースタ推力Fbは、駆動モータ21の電流値から推定できる。
Pb=(Fi−K×△X)/Ai=(Fb+K×△X)/Ab ・・・(1)
一方、倍力比Bαは、下記(2 )式のように表わされ、したがって、この(2)式に上記圧力平衡式(1)のPbを代入すると、倍力比Bαは下記(3)式のようになる。
Bα=Pb× (Ab+Ai)/Fi … (2)
Bα=(1−K×ΔX/Fi)×(Ab/Ai+1) … (3)。
この場合、背景技術である一定倍力制御を行う場合には、ストロークセンサ14の検出結果に基づいて相対変位量ΔXが0となるように駆動モータ21の回転を制御(フィードバック制御)する。そうすると、倍力比Bαは、Bα=Ab/Ai+1 となり、真空倍力装置や背景技術と同様にプライマリピストン15の受圧面積Abとインプットシャフト13の受圧面積Aiとの面積比で一義的に定まる。
これに対して、相対変位量ΔXを負の所定値に設定することもできる。この場合、ブレーキ液圧を増加する方向へインプットシャフト13が移動するのに伴い、インプットシャフト13の絶対変位量に比べてプライマリピストン15の絶対変位量が大きくなるように駆動モータ21の回転を制御する。このようにすれば、倍力比Bαは、(1−K×ΔX/Fi)倍の大きさとなり、すなわち、倍力比Bαが可変となり、駆動モータ21が倍力源として作用し、ペダル踏力の大きな低減を図ることができる。
なお、図1に示すVDC(Vehicle Dynamics Controlの略)アクチュエータ30は、周知のものである(例えば、特開2004−196064号公報参照)。すなわち、VDCアクチュエータ30は、内部に図示を省略したポンプ、増圧弁および減圧弁を備え、ホイールシリンダ圧Pwcを増減させて調整することができる。したがって、ドライバが制動を行なったときに、駆動輪を含む車輪WHがロックしないようにホイールシリンダ圧Pwcを調整する、いわゆるABS制御を実行可能である。
さらに、VDCアクチュエータ30は、図示を省略したポンプを内蔵している。したがって、VDCアクチュエータ30は、マスタシリンダMCにおいて制動液圧が発生していない状態において、この内蔵ポンプで形成した制動液圧により駆動輪を含む車輪WHに液圧制動トルクを生じさせることができる。そして、この液圧制動トルクを、4輪のうちの任意の車輪において任意の制動力を発生させることにより、車両の運動制御(以下、これをVDC制御という)を実行可能である。
なお、VDCアクチュエータ30の駆動は、VDCコントロールユニット3により制御される。
(回生制動装置)
次に、回生制動装置Bについて説明する。
回生制動装置Bは、図1に示す駆動輪(車輪WH)に減速機及びディファレンシャル6を介して駆動結合されたモータ(モータ/ジェネレータ)1により車輪回転エネルギを電力に変換する。すなわち、モータ1は、モータコントロールユニット4からの3相PWM信号によりインバータ41での交流・直流変換を介して制御される。そして、駆動輪(図1に示す車輪WH)の駆動が必要なEV走行モードでは、強電バッテリ42からの電力でモータ1をモータとして駆動させて駆動輪(図1に示す車輪WH)を回転させる。一方、制動が必要な制動モードでは、回生制動トルク制御を行なって、モータ1をジェネレータとして駆動させて車両運動エネルギを電力に変換して強電バッテリ42に回収する。
VDCコントロールユニット3およびモータコントロールユニット4は、統合制御装置5からの指令により、液圧制動装置Aおよび回生制動装置Bを制御する。
これによりモータコントロールユニット4は、統合制御装置5からの回生制動トルク指令値に基づいてモータ1による回生制動トルクを制御する。
また、VDCコントロールユニット3は、統合制御装置5およびブレーキコントロールユニット2からの指令値に基づいてホイールシリンダWCにおける液圧制動トルクを制御する。
なお、センサ群100には、前述したストロークセンサ14および相対変位センサ101の他に、図示を省略したバッテリ温度センサ、車輪速センサ、マスタシリンダ圧センサ、ホイールシリンダ液圧センサなどが含まれている。
また、モータコントロールユニット4は、バッテリ温度や推定される強電バッテリ42の充電容量(以下、これをバッテリSOCと称する)から、モータ1の最大許容回生制動トルクを算出して統合制御装置5へ送信する。
また、VDCコントロールユニット3は、入力された車輪速度Vw、マスタシリンダ圧Pmcおよびホイールシリンダ圧Pwcを統合制御装置5へ送信する。
(制動トルク制御)
統合制御装置5は、運転手が制動操作を行った際に、各種入力情報に基づいて、ドライバ要求総制動トルクTreqを求める。そして、このドライバ要求総制動トルクTreqを目標制動トルクとして、ブレーキコントロールユニット2およびモータコントロールユニット4の制御に基づいて、回生制動トルクおよび液圧制動トルクにより目標制動トルクを発生させる制動トルク制御を実行する。
この制動トルク制御において、ブレーキコントロールユニット2および統合制御装置5による、電動倍力装置20における駆動モータ21による液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)制御を図3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS101では、ストロークセンサ14が検出したペダルストローク量SAを読込む。ステップS102では、回生協調フラグが生成されているか否かを判定する。なお、この回生協調フラグは、回生協調制動制御の実行時に生成される。
ステップS102にてYESと判定すると、ステップS103にて回生協調制御の目標変位量算出特性データなどを用いて目標変位量C1を算出し、ステップS105に進む。すなわち、ステップS103では、目標制動トルクから回生制動トルクを差し引いた制動力を、液圧制動力により発生させるべく、プライマリピストン15の目標変位量C1を算出する。
ステップS102にてNOと判定すると、ステップS104に進み、可変倍力制御の目標変位量算出特性データを用いて目標変位量C2を算出し、ステップS105に進む。すなわち、回生制動トルクが発生していない場合には、ブレーキペダルBPの踏込量(ペダルストローク量)に応じて予め設定された倍力比Bαが得られるように、プライマリピストン15の目標変位量C2を算出する。
ステップS105では、現在、相対変位センサ101が検出する相対変位検出値SBを読み込み、次のステップでは、相対変位検出値SBが、各ステップS103,104の何れかにより算出された目標変位量C1,C2の何れかと成るように駆動モータ21を制御する。
次に、上述のステップS103における目標変位量C1の算出処理の詳細について図4のフローチャートに基づいて説明する。
モータコントロールユニット4あるいは統合制御装置5から、回生制動指令値を読み込み、この回生制動指令値に応じたマスタシリンダ圧Pmcの減圧量ΔPを演算し、ステップS202に進む。
ステップS202では、ストロークセンサ14が検出するペダルストローク量SAを読み込み、ステップS203に進む。
ステップS203では、予め設定されているペダルストローク量に対応する相対変位量およびマスタシリンダ圧特性に基づいて、ペダルストローク量SAに応じたマスタシリンダ圧P1を算出する。
続くステップS204では、ステップS203で得られたマスタシリンダ圧P1からステップS201で得られた減圧量ΔPを差し引いて、相対変位量−X2を算出する。
続くステップS205では、相対変位量(−X2)を、目標変位量C1に設定し、リターンに進む。
以上の処理により、回生制動トルクを発生させた分だけ、マスタシリンダ圧Pmcを減圧するのに必要な、プライマリピストン15の移動量を目標変位量C1として算出することができる。
次に、統合制御装置5およびモータコントロールユニット4により実行する回生制動トルクの設定処理について図5のフローチャートにより説明する。
ステップS301では、ペダルストローク量SAに応じた目標制動トルクを算出した後、ステップS302に進む。ここで、目標制動トルクは、図5のステップS301内に示したストローク量−目標制動トルク特性に基づいて、ストロークセンサ14の検出値に応じて設定する。
ステップS302では、今回ストローク量と前回ストローク量との差が予め設定された操作中判定値未満であるか否かに基づいて、ブレーキペダルBPの操作中か、踏込保持状態であるかを判定する。そして、踏込保持中であれば、ステップS303に進み、ブレーキペダル操作中であれば、ステップS304に進む。すなわち、ステップS302では、ブレーキペダルBPの踏み増しあるいは踏み込みを緩めて、ブレーキペダルBPの踏込量に所定以上の変化量が生じているか否かにより、ペダル操作中か保持中かを判定する。
踏込保持状態の場合に進むステップS303では、回生指令前回値に、予め設定された設定増加勾配に基づく値を加算して今回回生指令値(回生制動トルク)を演算した後、ステップS306に進む。この設定増加勾配は、図10において、t5〜t6の間に示す増加勾配であり、図示のように緩やかに増加する勾配に設定されている。
一方、ステップS302にて、ブレーキペダル操作中の場合に進むステップS304では、ブレーキペダルBPの操作の変化量に応じた目標制動トルク変化量であるΔ目標制動トルクを求めた後、ステップS305に進む。すなわち、今回のペダルストローク量SAに応じて演算した今回目標制動トルクから前回目標制動トルクを差し引いて目標制動トルク変化量(Δ目標制動トルク)を求める。
ステップS305では、回生指令前回値に、ステップS304で得られたΔ目標制動トルクを加算して今回回生指令値を演算した後、ステップS306に進む。すなわち、ステップS305で演算される今回回生指令値の増加勾配は、図11において一点鎖線により示すように、目標制動トルクの増加勾配と同じ増加勾配に設定される。したがって、目標制動トルクに1以下の係数を乗じた値となる。
ステップS306では、ステップS303またはS305で得られた今回回生指令値と、ステップS301で得られた目標制動トルクとの低い方の値(セレクトロー)を最終今回回生指令値としてステップS307に進む。そして、ステップS307では、この最終今回回生指令値を前回値として保存し、リターン(Return)に進む。
さらに、本実施の形態1では、回生制動トルクおよび液圧制動トルクを制御するのにあたり、下記のすり替え制御を実行する。このすり替え制御は、制動トルクの制御において低車速で回生協調制御を実行した場合に、車速Vが低下するのに伴い、回生制動トルクのみが発生している状態から、回生制動トルクを減少させつつ、液圧制動トルクを立ち上げる制御である。このすり替え制御では、最終的に、停車寸前には、制動トルクを液圧制動トルクのみにより得る。
このすり替え制御について図6のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS401では、ドライバ要求総制動トルクTreqを演算し、次のステップS402に進む。本実施の形態1では、ストロークセンサ14により検出されるドライバのブレーキペダルBPの動作に基づいて、そのストロークで発生し得る液圧制動トルクを演算し、これをドライバ要求総制動トルクTreqとしている。また、クルーズコントロールのような自動減速制御手段を有している場合は、上記液圧制動トルクとのセレクトハイ値を最終的なドライバ要求総制動トルクTreqとしてもよい。
ステップS402では、演算された車速Vを入力し、次のステップS403へ進む。ここで車速Vは、車輪速センサから得られる車輪速パルスセンサの平均値に一定のローパスフィルタをかけたものを使用すればよい。
ステップS403では、実行回生制動トルクTRBを入力し、次のステップS404へ進む。この実行回生制動トルクTRBは、回生制動指令値に基づいてモータ1において実際に実現されている回生制動トルクであって、モータコントロールユニット4から出力される回生制動指令値を入力し、これに基づいて演算する。
なお、この回生制動指令値は、最終目標回生制動トルクに基づいて形成される。
また、最終目標回生制動トルクは、回生最大制限値および基本目標回生制動トルクに基づいて演算される。回生最大制限値は、モータ1の最大出力や電流値、回生協調を行う液圧制動装置Aの仕様などから設定され、その時点で、発生することが可能な回生制動トルクの最大値である。また、基本目標回生制動トルクは、車速に応じて予め設定されたその車速で得られる最大回生制動トルクである車速制限値の範囲内で、ドライバ要求総制動トルクに応じて決定される回生制動トルクである。
ステップS404では、基準すり替え車速線を設定した後、ステップS405へ進む。この基準すり替え車速線は、図7(a)に示すように、車速に対応して設定された回生制動トルクの制限値である。そして、この基準すり替え車速線は、図示のように、低車速の下限車速Vmin以下では、回生制動トルクの制限値が0に設定され、また、上限車速Vmax以上では、回生制動トルクの制限値が一定値に設定されている。そして、両車速Vmin,Vmax間では、回生制動トルクの制限値が、車速の上昇に比例して上記一定値に向かう一次比例特性となっている。
ステップS405では、予圧開始車速線の設定を行った後、ステップS406に進む。
ここで、予圧開始車速線について説明する。
予圧開始車速線は、図7(a)において点線により示すように、基準すり替え車速線に対し、高車速側にある幅を持って設定する。すなわち、本実施の形態1では、基準すり替え開始車速線に対し、回生制動トルクの制限値が大きい側ほど、基準すり替え車速線との幅を広く設定している。
なお、予圧開始車速線は、図7(b)に示すように、基準すり替え開始車速線と略平行になるように設定をしてもよい。
ところで、ドライバ要求総制動トルクTreqと実行回生制動トルクTRBとの差が摩擦制動トルクTFBとして作用することになる。この摩擦制動トルクTFBが一定以上作用している場合は、液圧制動装置Aの初期非線形領域をある程度超えており、予圧回生制動トルク減少処理による予圧を与えなくてもペダルフィールの悪化がほとんど発生しない。このため、本実施の形態1では、ステップS405の予圧開始車速線の設定において、ドライバ要求総制動トルクTreqが予め設定された設定値以上あるいは摩擦制動トルクTFBが予め設定された設定値以上の場合には、予圧開始車速線を基準すり替え車速線に一致させる。これにより、ドライバ要求総制動トルクTreqが予め設定された設定値以上あるいは摩擦制動トルクTFBが予め設定された設定値以上の場合、後述する予圧回生制動トルク減少処理を実行しないようにしている。
ステップS406では、予圧開始回生制動トルクTPREを演算した後、ステップS407に進む。すなわち、現在の車速Vと予圧開始車速線との交点から予圧開始回生制動トルクTPREを求める。
ステップS407では、現在の実行回生制動トルクTRBが予圧開始回生制動トルクTPREを越えているか否か判定する。そして、現在の実行回生制動トルクTRBが予圧開始回生制動トルクTPREを越えている場合は、予圧回生制動トルク減少処理を行う必要があるとして、ステップS408に進み、予圧回生制限トルクTRATEを演算する。
なお、予圧回生制限トルクTRATEは、予圧回生制動トルク減少処理の実行時の回生制動トルクである。
一方、ステップS407にて実行回生制動トルクTRBが予圧開始回生制動トルクTPREを越えて超えていない場合、予圧をかける必要が無いため、予圧回生制限トルクTRATEを、車速に応じた上限値に張り付かせたまま、ステップS408をスキップしてステップS409に進む。
なお、ステップS408における予圧回生制限トルクTRATEは、現在の実行回生制動トルクTRBから一定量(Tstep)を減じて求めるものであり、具体的には、下記の式(2)により演算する。
RATE=TRB−Tstep ・・・・(2)
ステップS409では、基準回生制限トルクTDECを、現在の車体速Vrefと基準すり替え車速線との交点より設定し、ステップS410に進む。
ステップS410では、低速域回生制限トルクTVELを決定した後、ステップS411に進む。この低速域回生制限トルクTVELは、車両停止間際の低車速域において車速に応じて、制動トルクを、回生制動トルクから液圧制動トルク(摩擦制動トルク)にすり替えるためのものである。具体的には、この低速域回生制限トルクTVELは、予圧回生制限トルクTRATEと基準回生制限トルクTDECとのセレクトローにより決定する。したがって、予圧回生制動トルク減少処理の実行時には、低速域回生制限トルクTVEL=予圧回生制限トルクTRATEに設定され、予圧回生制動トルク減少処理の非実行時には、低速域回生制限トルクTVEL=基準回生制限トルクTDECに設定される。
ステップS411では、ステップS110にて決定した低速域回生制限トルクTVELを含め、それ以外の回生制限値をセレクトローして最終的な回生制限トルクを決定する。そして、この最終的な回生制限トルクを、モータコントロールユニット4に回生制動トルク指令値として送信する。
上記の図6のフローチャートのすり替え制御を実行することにより、制動時に車速Vが低下した際には、図8に示すように、車速Vが基準すり替え車速に達するTの時点よりも前の時点(T)において、予圧開始車速線に基づいて、予圧回生制限トルクTRATEによる回生制動トルクの低下が開始される。そして、それに伴って、液圧制動トルクの立ち上げが開始される。
その後、実行回生制動トルクTRBが、基準すり替え車速線に達したTの時点から、基準回生制限トルクTDECによる回生制動トルクの減少が開始される。また、それに伴って、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)の増加勾配も急になる。
次に、タイムチャートに基づいて実施の形態1の作用を説明する。
<比較例>
ここで、本実施の形態1の作用と比較するために、本願発明を適用しない従来技術の場合の動作の一例を図9に示し説明する。
図9では、t01の時点で制動操作を開始した例を示している。この制動操作は、t01の時点でブレーキペダルBPの踏み込みを開始し、その後、t05の時点まで踏込代を徐々に増加させ、t05の時点以降は、その踏込状態を維持している(ペダルストローク参照)。
このような踏込操作を行った場合、ブレーキ装置10では、ブレーキペダルBPの踏込に応じて、t01の時点からマスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)が立ち上げられる。
その後、ペダルストローク量がSAとなった時点(t02)から、回生制動装置Bにより、回生制動が開始されている。また、回生制動トルクの立ち上がりにより、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)は、この回生制動トルクの立ち上げた分だけ、減少される。このため、マスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)は、t02の時点のPMaから低下され、t03の時点のマスタシリンダ圧Pmc=PMb(≒0MPa)に低下され、この状態は、回生制動トルクが、予め設定された制限値に達するt04の時点まで継続されている。そして、この回生制動トルクが、制限値に達するt04の時点以降は、再び、マスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)が、目標制動トルクの増加に応じて上昇し、ペダルストローク量が一定に保持されるt05の時点以降は、マスタシリンダ圧Pmcも、一定圧(PMd)に保持される。
このような動作が行われた場合、インプットシャフト13に作用する反力として、バネ力およびマスタシリンダ圧Pmcが作用する。すなわち、インプットシャフト13に対してプライマリピストン15が相対変位することにより、両者13,15に設けられているバネ19a,19bが伸縮する。これにより、バネ力は、プライマリピストン15がx軸負方向へ移動すると高まり、正方向へ移動すると低下するため、図示のように、SPa,SPb,SPc,SPdと変化する。一方、マスタシリンダ圧Pmcは、前述のように、PMa,PMb,PMc,PMdと変化する。
このため、その合力であるペダル反力は、図示のように、t02の時点からt05の時点にかけて、図において点線に示すペダルストローク量SAに応じたペダル反力に対して、図において実線にて示すように、反力が強まる。
この反力の変化が、ドライバに違和感を与え、ペダルフィールの悪化を招いていた。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の作用を図10、図11により説明する。
実施の形態1では、t1の時点で制動操作を開始し、マスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)が立ち上がる。
このとき、t2の時点で、回生制動トルクが立ち上がるのは、比較例と同様である。しかしながら、実施の形態1では、回生制動トルクの立ち上がり方が比較例と異なる。すなわち、実施の形態1では、このようにt1〜t5までの間、ブレーキペダルBPを時間経過と共に深く踏み込んでいるペダル操作中の場合、今回回生指令値は、回生指令前回値に目標制動トルク変化量(Δ目標制動トルク)を加算した値とする(ステップS4〜S6)。この場合、図11に拡大して示すように、回生制動トルクの立ち上がり時点から、t5の時点までの間、目標制動トルクに平行な増加勾配(可変増加勾配)となる。すなわち、回生制動トルクは、目標制動トルクに対して1よりも小さな値を乗算した値に設定される。
このように制御した場合、回生制動トルクが立ち上がるt2の時点以降、マスタシリンダ圧Pmcは、前回値に維持される。
そして、ブレーキペダルBPの踏込量が一定の保持状態となったt5の時点以降は、今回回生指令値は、回生指令前回値に設定増加勾配に基づく値が加算されて設定増加勾配で増加する。
したがって、t5の時点以降は、回生制動トルクの増加勾配は、緩やかになる。そして、ブレーキペダルBPの踏込変化が無くなり、踏込量が一定の状態に維持されると、回生制動トルクは、回生制動トルク制限値Tlim(上限値)に制御される。
このように制御することにより、その後、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)は、目標制動トルクと回生制動トルクとの差分に制御される。
なお、図10および図11において、点線は前述した比較例の場合の値を示している。
したがって、実施の形態1では、マスタシリンダ圧Pmcは、回生制動トルクが立ち上がるt2の時点以降も、点線で示す従来技術のように低下することなく、前回値に保持される。このため、インプットシャフト13に作用するバネ力も、比較例のように、t2の時点以降に急に増加することなく、緩やかに上昇する。
さらに、ブレーキペダルBPのストローク増加方向の変位が無くなって、踏込保持状態となった場合、それ以後(t5の時点以降)は、回生制動トルクが緩やかに増加されるため、マスタシリンダ圧Pmcは、緩やかに減少する。
以上のように、実施の形態1では、回生制動トルクの増加勾配を、目標制動トルクの増加勾配に一致させるため、マスタシリンダ圧Pmcは、減少されること無く、前回値に保持される。このため、インプットシャフト13に作用する反力は、比較例(点線により示す)のように、上下することなく、略一定の勾配で増加する。
よって、本実施の形態1では、ペダルフィールの悪化を抑制できる。
その後、車速Vのさらなる低下により、実行回生制動トルクTRBが予圧開始車速線を横切ると、図8示すように、回生制動トルクが低下されつつ、液圧制動トルクが増加するすり替え制御が開始される。
したがって、回生制動トルクは、車速が予め設定された下限車速Vminに達した時点で0となるよう減少され、同時に、液圧制動トルクは、回生制動トルクの減少に応じて、上昇し、上記のように回生制動トルクが0となった時点で、目標制動トルクとなる。
以上説明してきたように、本実施の形態1では、回生制動トルクの上昇時に、その増加勾配が、目標制動トルクに1未満の所定の比率を乗算したように、目標制動トルクに平行な増加勾配で増加する。このため、マスタシリンダ圧は、回生制動トルクが立ち上がる時点t2の圧力に維持される。
よって、図11に示すように、インプットシャフト13に作用する反力(ペダル反力)は、略一定に保たれ、点線に示す比較例のように変動することが無い。よって、比較例のように、ペダル反力が変化してペダルフィールが悪化するのを抑制し、ペダルフィールを改善できる。
以下に、実施の形態1の車両用制動制御装置の効果を説明する。
(1)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
車両の車輪WHに加えられる回生制動トルクを制御する回生制動装置Bと、
車両におけるドライバの制動操作の実行に伴って液圧制動トルクを発生させるマスタシリンダ圧Pmcを形成するとともに、アクチュエータとしての駆動モータ21の駆動によりマスタシリンダ圧Pmcを増減可能なブレーキ装置10と、
制動操作時に、目標制動トルクを検出する目標制動トルク検出部としてのストロークセンサ14およびステップS301の処理を実行する部分と、
回生制動装置Bとブレーキ装置10との駆動を制御し、回生制動トルクと液圧制動トルクとにより目標制動トルクを発生させる回生協調制動制御を行う制動トルク制御部としてのブレーキコントロールユニット2、モータコントロールユニット4、統合制御装置5と、
を備えた車両用制動制御装置であって、
制動トルク制御部は、回生協調制御時に、目標制動トルクの増加に応じて回生制動トルクを増加させる際の増加勾配を設定する回生制動トルク増加勾配設定部(図5のステップS302〜S306の処理を実行する部分)を備え、
この回生制動トルク増加勾配設定部は、目標制動トルクの変化量に応じ、変化量が予め設定された変化量設定値(操作中判定値)未満の場合には、増加勾配を予め設定された設定増加勾配に設定し(ステップS303)、変化量が変化量設定値(操作中判定値)以上の場合には、増加勾配を、変化量の変化率(Δ目標制動力)以下の可変増加勾配に設定することを特徴とする。
制動時に、回生制動トルク増加勾配設定部は、目標制動トルクの変化量に応じ、その変化量が変化量設定値以上の場合は、回生制動トルクの増加勾配を、変化量の変化率以下の可変増加勾配に設定する。
このため、目標制動トルクの増加に伴って回生制動トルクを増加させた際に、図10および図11に示したように、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)が、低下しないようにすることができる。
よって、図10,図11において、点線により示すように、液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)が、t2の時点以降で低下するものと比較して、ペダル反力変化を抑えることができ、ペダルフィールを改善できる。
一方、目標制動トルクの変化量が変化量設定値未満の場合は、t5の時点以降に示すように、回生制動トルクの増加勾配を予め設定された設定増加勾配に設定する。このため、変化量が設定値未満(ステップS302においてYES判定)の場合も可変増加勾配として細かに回生制動トルクの増加勾配を制御すると、マスタシリンダ圧Pmcが細かに変化して違和感を与えるおそれがあるが、設定増加勾配に制御することにより、この違和感の発生を抑制し、良好なペダルフィールを確保できる。
2)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
ブレーキ装置10は、ブレーキペダルBPの操作により進退移動する入力部材としてのインプットシャフト13と、このインプットシャフト13に相対移動可能に配置されたアシスト部材としてのプライマリピストン15と、このプライマリピストン15を進退移動させる駆動モータ21と、インプットシャフト13とプライマリピストン15との間に設けられ、プライマリピストン15に対してインプットシャフト13を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢する付勢手段としてのバネ19a,19bと、を備え、ブレーキペダルBPによるインプットシャフト13の移動に応じてプライマリピストン15に付与されるアシスト推力によりマスタシリンダMC内に倍力されたブレーキ液圧(マスタシリンダ圧Pmc)を発生させる電動倍力装置20を備えていることを特徴とする。
このような電動倍力装置20を用いて、回生協調制御を実施した場合、駆動モータ21の駆動によりマスタシリンダ圧Pmcを増減させた場合、インプットシャフト13に作用するバネ19a,19bおよびマスタシリンダ圧Pmcによる反力が変化し、ブレーキペダルBPの反力が変化する。
そこで、回生制動トルク増加勾配設定手段が、増加勾配を上述のように目標制動トルクの変化量に応じて設定増加勾配および可変増加勾配に設定することにより、ブレーキペダル反力の変化を抑えて、ペダルフィールを改善することができる。
3)実施の形態1の車両用制動装置では、
回生制動トルク増加勾配設定部は、増加勾配を、変化量の変化率(Δ目標制動力)以下の可変増加勾配に設定するのにあたり、変化量の変化率に設定するようにしたことを特徴とする。
したがって、可変増加勾配に設定したt2の時点以降は、マスタシリンダ圧Pmcが保持状態となり、マスタシリンダ圧Pmcが低下するものと比較して、ペダル反力変化を抑えてペダルフィールを改善できる。また、マスタシリンダ圧Pmcが増加するものと比較して、良好な回生効率を確保できる。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態の車両制動制御装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2の車両制動制御装置について説明する。
この実施の形態2は、回生制動トルク増加勾配設定部としての、実施の形態1で示した可変増加勾配の設定の処理が実施の形態1と異なる。
すなわち、実施の形態2では、回生制動トルク増加勾配設定部に相当する構成が実施の形態1とは異なるもので、図5におけるステップS304およびS305の処理に代えて、図12に示す処理を実行する。
この図12のフローチャートにおいてステップS2−1では、目標制動トルクと実行回生制動トルクTRBとを比較し両者の差分ΔFの演算を行う(比較部)。つまり、目標制動トルクから実行回生制動トルクTRBを差し引いて差分ΔFを演算する。
ステップS2−2では、ステップS2−1で得られた差分ΔFに基づいて、可変増加勾配を求めるための比率αを設定する。すなわち、実施の形態2では、図13に示すように、差分ΔFに応じ、差分ΔFが小さいほど、比率αを小さく設定する比率特性が設定されている(比率設定部)。なお、比率αは、差分ΔFが、図13に示す設定値ΔF0よりも大きい場合に、その上限値である「1」に設定され、設定値ΔF0未満では、差分ΔFに比例して1未満の値に設定される。
ステップS2−3では、Δ目標制動トルクに比率αを乗算して、今回回生制動トルク指令値を設定する。したがって、差分ΔFが小さいほど、今回回生指令値が小さな値に設定される。
次に、実施の形態2の作用について説明する。
図14は、実施の形態2の動作例を示すタイムチャートである。
図14では、一点鎖線が目標制動トルクを示している。すなわち、この動作例では、t21の時点からブレーキペダルBPを踏み込み、t23の時点以降、一旦、踏込量を一定とし、その後、t25の時点から、さらに僅かに踏込量を増し、t27の時点以降、踏込量を一定とする制動操作を行っている。
図14において、最初のブレーキペダルBPの踏込開始時点(t21の時点)から、その踏込量を一定とする(t25の時点)までの動作は、実施の形態1と同様である。つまり、t21の時点からのブレーキペダルBPの踏み込みでは、目標制動トルクから実行回生制動トルクを差し引いた差分ΔFは、相対的に大きな値となり、比率αは、上限値である1に設定される。このため、回生制動トルク(今回回生制動トルク)は、目標制動トルクと同様の増加勾配(可変増加勾配)で立ち上げられ、ブレーキペダルBPの踏込量が一定となったt23の時点からt24の時点までは、ステップS303にて設定された設定増加勾配で増加する。
その後、回生制動トルクは、目標制動トルクに達したt24の時点以降は、目標制動トルクに制御される。
次に、前述したようにブレーキペダルBPの踏み増しを行ったt25の時点以降の動作を説明する。
このように回生制動トルクと目標制動トルクとが一致している状態から、目標制動トルクが上昇した場合、目標制動トルクと実行回生制動トルクとの差分ΔFは、相対的に小さな値となり、比率αも相対的に小さな値に設定される。
このため、図14においてt25の時点からの回生制動トルク(図において一点鎖線EXにより示す部分)は、目標制動トルクの増加勾配に比べ、緩やかな増加勾配となる。したがって、その差分相当の制動トルクは、液圧制動トルク、すなわち、マスタシリンダ圧Pmcにより補填される。よって、ブレーキ装置10において、インプットシャフト13に作用するマスタシリンダ反力が低下することが無く、ペダルフィール悪化を抑制できる。
なお、この実施の形態2では、t25の時点以降の回生制動トルクの増加により、上記差分ΔFは、徐々に減少するため、比率αは徐々に増加され、t26の時点以降は、比率α1=1に設定される。したがって、回生制動トルクは、目標制動トルクの増加勾配と同勾配で増加する。
その後、ブレーキペダルBPの踏み増しが停止された時点(t27の時点)以降は、回生制動トルクの増加勾配として設定増加勾配が用いられ、回生制動トルクは目標制動トルクに収束する。
(実施の形態2の効果)
4)実施の形態2の車両用制動制御装置は、
回生制動トルク増加勾配設定部(ステップS2−1〜S2−3の処理を実行する部分)は、可変増加勾配の設定時に、回生制動トルクの減少が予測される場合には、可変増加勾配を設定するのにあたり、可変増加勾配を、予測が成されない場合よりも緩やかに設定することを特徴とする。
制動操作によるブレーキペダルBPの保持状態から再度ブレーキペダルBPの踏み込みを行った場合、下記のペダルフィール悪化を招くおそれがある。
すなわち、ブレーキペダルBPを踏み込んで保持状態とした場合、回生制動トルクが目標制動トルクの100%あるいはそれに近い状態となる。この状態から、ブレーキペダルBPを踏み込んだ場合、例えば、比率αに基づく可変増加勾配により回生制動トルクを増加させると、マスタシリンダ圧Pmcは、0MPa付近に制御され、その反力が不足し、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
それに対し、本実施の形態2では、上記のようなブレーキペダルBPの再踏込時に、目標制動トルクと実行回生制動トルクTRBとの差分ΔFに応じ、差分ΔFが小さいほど、比率αを小さく制御することにより、回生制動トルクの増加を抑える。
これにより、液圧制動トルクを増加させ、マスタシリンダ圧Pmcを確実に増加させることにより、ペダル反力変化を抑え、ペダルフィールの改善を図ることができる。
なお、可変増加勾配(比率α)の設定時に、目標制動トルクと実行回生制動トルクとの差分ΔFが小さいほど、変化量としてのΔ目標制動トルクに乗算する比率αを小さく設定してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3の車両制動制御装置について説明する。
実施の形態3は、実施の形態1において説明したすり替え制御に移行する前に回生制動トルクを減少させる制御を追加し、ペダルフィールをさらに改善可能とした例である。
実施の形態3では、実施の形態1で示したステップS306においてセレクトローによる選択して最終今回回生指令値を求める処理において、図15のフローチャートにより示す制限値設定処理により得られた回生制動トルク制限値Tlimを加えている。
この図15のフローチャートに示す制限値設定処理について説明する。
ステップS501では、現在の車速Vが予め設定された減少用判定値V以上であるか否か判定し、減少用判定値V以上の場合はステップS502に進み、減少用判定値V未満の場合はステップS503に進む。なお、この減少用判定値Vは、予め設定された低速走行を示す値であって、すり替え制御に移行する前の時点であることを判定できる値である。
車速Vが減少用判定値V以上の場合に進むステップS502では、回生制動トルク制限値Tlimを、最大値TMAXに設定した後、リターンに進む。なお、この最大値TMAXは、ステップS306において、最終今回回生指令値として回生制動トルク制限値Tlimが選択されることがないことを示しており、ステップS305などにより得られた今回回生指令値に置き換えてよい。
車速Vが減少用判定値V未満の場合に進むステップS503では、車速Vが予め設定された第1設定車速V以上であるか否か判定し、第1設定車速V以上の場合はステップS504に進み、第1設定車速V1未満の場合はステップS505に進む。この第1設定値Vおよび後述する第2設定車速Vおよび第3設定車速Vは、回生制動トルクの減少を予測するための判定値である。すなわち、いずれの設定車速V〜Vも、実施の形態1にて説明した基準すり替え車速線よりも高速側に設定されており、第1設定車速Vから第3設定車速Vに向けてすり替え車速線に近付き、回生制動トルクの減少予測タイミングにより近付いたことを判定するのに用いる。
車速Vが第1設定車速V以上の場合に進むステップS504では、回生制動トルク制限値Tlimを決定する加算値ΔTlimを演算した後、ステップS510に進む。このステップS504では、加算値ΔTlimを、下記の式(3−1)により演算する。
ΔTlim=max(0,ΔTDRQ)/M ・・・(3−1)
ここで、ΔTDRQは、目標制動トルクの前回値から目標制動トルクの今回値を差し引いた目標制動トルク変化量である。また、max(0,ΔTDRQ)は、目標制動トルク変化量ΔTDRQと0とのセレクトハイを意味する。さらに、Mは、本実施の形態3では、1に設定されている。なお、加算値ΔTlimの演算に使用する、後述するM,Mとの関係は、M=1<M<Mの関係にある。
なお、ステップS510では、実行回生制動トルクTRBに、加算値ΔTlimを加算した値を回生制動トルク制限値Tlimとして演算する。
ステップS503にてNOと判定されて進むステップS505では、現在の車速Vが第2設定車速V以上であるか否か判定し、第2設定車速V以上の場合は、ステップS506に進み、第2設定車速V未満の場合はステップS507に進む。ステップS506では、加算値ΔTlimを、下記の式(3−2)により演算する。この演算において分母として使用する値Mが前述したステップS504で使用するMよりも大きいことにより、加算値ΔTlimは相対的に小さな値に設定される。
ΔTlim=max(0,ΔTDRQ)/M ・・・(3−2)
ステップS505にてNOと判定されて進むステップS507では、現在の車速Vが第3設定車速V以上であるか否か判定し、第3設定車速V以上の場合は、ステップS508に進み、第3設定車速V未満の場合はステップS509に進む。ステップS508では、加算値ΔTlimを、下記の式(3−3)により演算する。この演算において分母として使用する値Mが前述したステップS504,S506で使用するM,Mよりも大きいことにより、加算値ΔTlimは相対的に小さな値に設定される。
ΔTlim=max(0,ΔTDRQ)/M ・・・(3−3)
なお、ステップS507においてNOと判定された場合に進むステップS509では、加算値ΔTlim=0に設定した後、ステップS510に進む。
そして、ステップS510では、前述したように、実行回生制動トルクTRBに加算値ΔTlimを加算して回生制動トルク制限値を設定する。
すなわち、制動操作により車速Vが基準すり替え車速線に近付くに連れ、回生制動トルク制限値は、実行回生制動トルクTRBに対する加算値が小さくなり、つまり、増加勾配が緩やかになるように設定される。
(実施の形態3の作用)
以下に、実施の形態3の動作例を図16のタイムチャートに基づいて説明する。
このタイムチャートでは、t31の時点で制動操作を開始している。これに伴い、t31の時点からマスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)が立ち上がっている。そして、t32の時点で回生制動トルクが立ち上げられ、その分、その時点からマスタシリンダ圧Pmc(液圧制動トルク)の増加が抑えられている。この場合、実施の形態1と同様に、目標制動トルクの上昇分は、回生制動トルクにより形成されるため、マスタシリンダ圧Pmcは、ほぼ横ばい状態となる。これにより、マスタシリンダ圧Pmcが低下した場合と比べて、インプットシャフト13に対する反力が確保され、ペダルフィールの悪化を抑制できるのは、実施の形態1,2と同様である。
その後、車速Vが低下すると、回生制動トルクを0MPaに向けて低下させるすり替え制御が実行される。このとき、本実施の形態3では、このすり替え制御による回生制動トルクの減少が予測される場合には、可変増加勾配を設定するのに用いる比率αを、小さく設定した制限値を設定する処理を実行する。
すなわち、車速Vが、すり替え制御を実行する基準すり替え車速Vbに近付く第1段階である、減少用判定値V未満、かつ、第1設定車速V以上の範囲となったt33の時点では、ステップS504およびS510により、回生制動トルク制限値Tlimが演算される。
この場合、回生制動トルク制限値Tlimは、目標制動トルク変化量ΔTDRQと0とのセレクトハイにより設定される。したがって、車速Vが減少用判定値Vよりも低下し、かつ、第1設定車速V以上の範囲では、回生制動トルクは、目標制動トルク変化量ΔTDRQに維持、すなわち、目標制動トルクに一致するように制御される。
その後、車速Vが第1設定車速V未満となり、かつ、第2設定車速V以上の間、すなわち、図16のタイムチャートにおいて、t33の時点からt34までの時点では、回生制動トルク制限値Tlimは、ステップS506およびS510により演算される。つまり、回生制動トルクは、目標制動トルク変化量ΔTDRQよりも緩やかな傾きで増加される。
その後、車速Vが第2設定車速V未満となり、かつ、第3設定車速V以上の間、すなわち、図16のタイムチャートにおいて、t34の時点からt35までの時点では、回生制動トルク制限値Tlimは、ステップS508およびS510により演算される。つまり、回生制動トルクは、さらに、緩やかな傾きで増加される。
そして、すり替え制御が開始される直前であって、車速Vが第3設定車速V未満となった後、すなわち、t35の時点以降は、回生制動トルク制限値Tlimは、ステップS509の処理により0に設定される。よって、回生制動トルクの傾きは、実行回生制動トルクに維持され、横ばい状態となる。
そして、実行回生制動トルクTRBが基準すり替え車速線を横切って、すり替え制御が開始されると(車速V≦Vbとなったt36の時点)、回生制動トルクは、図16に示すように、所定の傾きで減少されつつ、その減少分に相当する液圧制動トルク(マスタシリンダ圧Pmc)が立ち上げられる。
これにより、図示のように、t36の時点以降、回生制動トルクは、車速Vが下限車速Vminに達した時点で0MPaとなるように低下され、液圧制動トルクは、逆に上昇される。また、この液圧制動トルクの上昇は、ブレーキペダルBPの踏込量(目標制動トルク)が一定となった時点(t37)以降は、緩められる。
以上のように、本実施の形態3では、マスタシリンダ圧Pmcが、低下することがないため、実施の形態1と同様にペダル反力の変化が抑えられ、ペダルフィールの悪化を浴せできる。
さらに、すり替え制御の実行により、回生制動トルクが減少される時点でも、その前の段階から、回生制動トルクの増加勾配を、目標制動トルクの上昇傾きよりも緩やかに制御するため、回生制動トルクの増加から減少へ転じる際の勾配変化を緩やかにできる。これにより、マスタシリンダ圧Pmcの変化を抑え、このように、回生制動トルクの減少前に、増加勾配を緩やかにしないものと比較して、マスタシリンダ圧Pmcの変化によるペダルフィール悪化を抑制できる。
(実施の形態3の効果)
5)実施の形態3の車両用制動制御装置では、
回生制動トルク増加勾配設定部(図15のフローを実行する部分)は、可変増加勾配の設定時に、回生制動トルクの減少が予測される場合には、可変増加勾配を設定するのにあたり、可変増加勾配を、前記予測が成されない場合よりも緩やかに設定することを特徴とする。
したがって、回生制動トルクの減少が予測される場合には、前もって増加勾配を緩やかにし、回生制動トルクが増加から減少に転じた際に伴うマスタシリンダ圧の変化を小さく抑え、この変化に伴うペダルフィールの悪化を抑制できる。
なお、回生制動トルク増加勾配設定部(図15のフローを実行する部分)は、可変増加勾配の設定時に、回生制動トルクの減少が予測される場合には、可変増加勾配を設定するのにあたり、変化量に乗算する比率αを、予測が成されない場合よりも小さく設定してもよい。
6)実施の形態3の車両用制動制御装置では、
回生制動トルク増加勾配設定部(図15のフローを実行する部分)は、可変増加勾配を設定するのにあたり、回生制動トルクの減少が予測されるタイミングに近付くほど、可変増加勾配を緩やかに設定することを特徴とする。具体的には、回生制動トルク制限値Tlimを演算するために実行回生制動トルクTRBに加算する加算値ΔTlimは、すり替え制御の開始タイミングに近付くに連れて、小さな値に設定することにより、可変増加勾配を緩やかに設定するようにした。すなわち、実施の形態3では、車速Vの変化に応じ、回生制動トルクの減少が予測されるタイミングに近付くに連れて、4段階で増加勾配を緩やかに設定するようにした。
したがって、回生制動トルクの減少予測時に、1段階だけ、あるいは3段階未満で増加勾配を緩やかに設定するものと比較して、回生制動トルクが増加から減少へ転じることに伴うマスタシリンダ圧の変化を、より小さく抑え、ペダルフィール悪化をいっそう抑制可能となる。
なお、回生制動トルク増加勾配設定部は、可変増加勾配を設定するのにあたり、回生制動トルクの減少が予測されるタイミングに近付くほど、変化量に乗算する比率αを、小さく設定するようにしてもよい。
以上、本発明の車両用制動制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、本発明の車両用制動制御装置を、電動車両に適用した例を示したが、本発明の適用対象としては、液圧制動装置と回生制動装置とを備えた車両であれば、電動車両に限定されない。例えば、駆動輪の駆動源として、エンジンとモータ/ジェネレータとを搭載した、いわゆるハイブリッド車両や、駆動輪の駆動はエンジンの駆動力のみにより行うが、回生制動を行うことができるようにした車両にも適用することができる。
2 ブレーキコントロールユニット(制動トルク制御部)
4 モータコントロールユニット(制動トルク制御部)
5 統合制御装置(制動トルク制御部)
10 ブレーキ装置
13 インプットシャフト(入力部材)
14 ストロークセンサ(目標制動トルク検出部)
15 プライマリピストン(アシスト部材)
20 電動倍力装置
21 駆動モータ(アクチュエータ)
A 液圧制動装置
B 回生制動装置
BP ブレーキペダル
MC マスタシリンダ
Pmc マスタシリンダ圧
RB 実行回生制動トルク
Treq ドライバ要求総制動トルク(目標制動トルク)
V 車速

Claims (5)

  1. 車両の車輪に加えられる回生制動トルクを制御する回生制動装置と、
    前記車両におけるドライバの制動操作の実行に伴って液圧制動トルクを発生させるマスタシリンダ圧を形成するとともに、アクチュエータの駆動により前記マスタシリンダ圧を増減可能なブレーキ装置と、
    前記制動操作時に、目標制動トルクを検出する目標制動トルク検出部と、
    前記回生制動装置と前記ブレーキ装置との駆動を制御し、前記回生制動トルクと前記液圧制動トルクとにより前記目標制動トルクを発生させる回生協調制動制御を行う制動トルク制御部と、
    を備えた車両用制動制御装置であって、
    前記制動トルク制御部は、前記回生協調制御時に、前記目標制動トルクの増加に応じて前記回生制動トルクを増加させる際の増加勾配を設定する回生制動トルク増加勾配設定部を備え、
    この回生制動トルク増加勾配設定部は、前記目標制動トルクの変化量に応じ、前記変化量が予め設定された変化量設定値未満の場合には、前記増加勾配を予め設定された設定増加勾配に設定し、前記変化量が前記変化量設定値以上の場合には、前記増加勾配を、前記変化量の変化率以下の可変増加勾配に設定することを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記回生制動トルク増加勾配設定部は、前記目標制動トルクと実際に生じている回生制動トルクである実行回生制動トルクとを比較する比較部を備え、かつ、前記可変増加勾配の設定時に、前記目標制動トルクと前記実行回生制動トルクとの差が小さいほど、前記可変増加勾配を緩やかに設定することを特徴とする車両用制動制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記回生制動トルク増加勾配設定部は、前記可変増加勾配の設定時に、前記回生制動トルクの減少が予測される場合には、前記可変増加勾配を設定するのにあたり、前記可変増加勾配を、前記予測が成されない場合よりも緩やかに設定することを特徴とする車両用制動制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両用制動制御装置において、
    前記回生制動トルク増加勾配設定部は、前記可変増加勾配を設定するのにあたり、前記回生制動トルクの減少が予測されるタイミングに近付くほど、前記可変増加勾配を緩やかに設定することを特徴とする車両用制動制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記ブレーキ装置は、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、この入力部材に相対移動可能に配置されたアシスト部材と、このアシスト部材を進退移動させる前記アクチュエータと、前記入力部材と前記アシスト部材との間に設けられ、前記アシスト部材に対して前記入力部材を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢する付勢手段と、を備え、前記ブレーキペダルによる前記入力部材の移動に応じて前記アシスト部材に付与されるアシスト推力によりマスタシリンダ内に倍力されたブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置を備えていることを特徴とする車両用制動制御装置。
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