JP6015131B2 - 樹脂組成物、それを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、金属粒子は樹脂成分に比べて比重が大きいため、樹脂の粘度が下がると使用中や放置中に金属粒子の沈降速度が速くなってしまう。そのため、金属粒子を多量に含む樹脂組成物は不安定で粘度の経時的変化が大きく取り扱いにくかった。
更に熱伝導性の良い金属として銀を使用するのが一般的だが、銀は非常に高価であり、それを使用した樹脂組成物もまた高価になってしまう欠点があった。
あって、かつD50が0.5μm以上8μm以下である熱伝導性粒子(A)、フロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD50が3μm以上10μm以下である粒子(B)および全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂を含む成分(C)を含有し、
前記熱伝導性粒子(A)が銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛またはこれらの金属の合金粒子、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭酸カルシウムからなる群から選択される一種以上の粒子であって、
前記熱伝導性粒子(A)の量をX体積部、前記粒子(B)の量をY体積部、全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂含む成分(C)の量をZ体積部としたとき、
X+Y+Z=100体積%であり、
かつX/(X+Z)が12体積%以上であって、
(X+Y)/(X+Y+Z)が10体積%以上48体積%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
脂組成物。
[3]前記熱伝導性粒子(A)が銀粒子である[2]に記載の樹脂組成物。
[5] 前記粒子(B)の形状が、鱗片状、楕円球形状、もしくは球状である[1]乃至[
4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6]前記成分(C)の配合量が、全樹脂組成物中に対し5質量%以上35質量%以下である[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[7]前記樹脂組成物の粘度が1Pa・s以上100Pa・s以下である[1]乃至[6
]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
体の接着層に備える半導体装置。
図1は、本実施の形態の半導体装置10の構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示す半導体装置10の一部を拡大した図である。
本実施の形態の半導体装置10は、基材(ダイパッド2)と、半導体素子3と、基材および半導体素子の間に介在し、両者を接着する接着層1と、を備える。半導体装置10は、接着層1中に本発明の熱伝導性粒子(A)および粒子(B)が分散している。
本実施形態における樹脂組成物はフロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD95が10μm以下である熱伝導性粒子(A)、フロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD50が3μm以上10μm以下である粒子(B)および全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂を含む成分(C)を含有し、
前記熱伝導性粒子(A)の量をX体積部、前記粒子(B)の量をY体積部、全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂含む成分(C)の量をZ体積部としたとき、
X+Y+Z=100体積%であり、
かつX/(X+Z)が12体積%以上であって、
(X+Y)/(X+Y+Z)が10体積%以上48体積%以下であることを特徴とする樹脂組成物である。
ここで、D95とは、累積体積割合が95%となる粒子径を示す。
本発明の熱伝導性粒子(A)はフロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD95が10μm以下である熱伝導性粒子(A)である。前記熱伝導性とは、好ましくは20℃における熱伝導率が60W/(m・K)以上の材質で、−30〜200℃の温度範囲において粒子の形状を維持できるものであれば特に限定されない。粒子の形状を維持できるものとしては、好ましくは粒子の材質の融点、ガラス転移温度等の温度に依存して塑性変形に関わる特性が200℃以上であるか、架橋構造を有している等で200℃においても容易に溶融しないものである。このような粒子としては、例えば銅、金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛などからなる金属粒子、またはこれら金属の合金粒子、またはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの非金属粒子等などから好ましくは60W/(m・K)以上の材質であるものを少なくとも1種以上を使用する。特に導電性や熱伝導性に優れるため、銀粒子が好ましい。
また本発明の熱伝導性粒子(A)はフロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるメジアン径d50が0.5μm以上8μm以下であるのが好ましく、0.6μm以上6μm以下であるのがより好ましい。メジアン径d50が0.5μm未満の場合には粘度が高くなり、メジアン径d50が8μmを越えると塗布または硬化時に樹脂成分が流出しやすくなりブリードが発生するため好ましくない。また、メジアン径d50が8μmを越えるとディスペンサーで樹脂組成物を塗布するときに、ニードルの出口を塞ぎ長時間の連続使用ができない場合がある。
測定モード:HPF
定量カウント
対物レンズ:20倍
光学システム:明視野
温度:室温(20〜30℃)
圧力:0.22MPa
粒子(B)は、フロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD50が3μm以上10μm以下であれば特に限定されないが、形状としては鱗片形状または楕円球形状、球状であることが好ましい。特に楕円球状もしくは球状であることが望ましい。粒子(B)の形状が楕円球状もしくは球状であると、後述する接着層は特に熱伝導性や導電性が優れる。粒子(B)の材質としては、−30〜200℃の温度範囲において粒子の形状を維持できるものであれば特に限定されない。粒子の形状を維持できるものとしては、好ましくは粒子の材質の融点、ガラス転移温度等の温度に依存して塑性変形に関わる特性が200℃以上であるか、架橋構造を有している等で200℃においても容易に溶融しないものであり、熱伝導性の大小に影響されず使用することができる。例えば銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛などからなる金属粒子、またはこれら金属の合金粒子、またはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの非金属粒子等が挙げられる。またスチレン系、スチレン/イソプレン系、スチレン/アクリル系、メチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、アクリル酸系、エチルメタクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、メタクリレート系、ジビニルベンゼン系、n−ブチルアクリレート系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アクリルゴム/メタクリレート系、エチレン系、エチレン/アクリル酸系、ポリプロピレンまたはベンゾグアナミン系、フェノール系、フッ素系、塩化ビニリデンなどの高分子重合体などの有機フィラーから少なくとも1種以上を使用することができる。
また本発明では熱伝導性粒子(A)の量をX体積部、前記粒子(B)の量をY体積部、全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂含む成分(C)の量をZ体積部としたとき、X+Y+Z=100体積%であり、かつX/(X+Z)が12体積%以上であって、(X+Y)/(X+Y+Z)が10体積%以上48体積%以下であればよいが、好ましくは、X/(X+Z)が12体積%以上50体積%以下、より好ましくは13体積%以上30体積%以下であると、吐出性、熱拡散性に優れるものとなる。
また(X+Y)/(X+Y+Z)は10体積%以上48体積%以下であればよいが、15体積%以上48体積%以下であればより好ましく、18体積%以上48体積%であればさらに好ましい。前記範囲とすることで吐出性、熱拡散性に優れるものとなる。
また本発明の粒子(B)の(X+Y+Z)の総体積に対するYの比率が0体積%より大きく40体積%以下であることが好ましく、3体積%以上40体積%であることがより好ましく、5体積%以上39体積%であることがさらに好ましい。前記範囲とすることで吐出性、熱拡散性に優れるものとなる。
本発明の樹脂組成物において、上記熱伝導性粒子(A)および粒子(B)以外の成分を、成分(C)とする。成分(C)には、熱硬化性樹脂が含まれる。また、熱硬化性樹脂以外に、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、ラジカル重合開始剤およびその他の添加剤等を含んでもよい。熱硬化性樹脂と、成分(C)に含まれうる熱硬化性樹脂以外の成分について、以下に詳述する。ただし、本発明では、後述する熱硬化性樹脂と実質的に反応しない有機溶剤は前記Z体積部には算入しない。
本発明における熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、液状樹脂組成物を形成する材料であることが好ましく、室温で液状であることが望ましい。例えば、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂、マレイミド樹脂などが挙げられる。
熱により−NCO基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂であり、硬化する多官能シアネート化合物又はその低分子重合体である。熱硬化性樹脂に係るシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4'−ジシアナトビフェニル、ビス(4−シアナ
トフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4n−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラック樹脂とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などが挙げられ、これらの多官能シアネート樹脂のシアネート基を三量化することによって形成されるトリアジン環を有するプレポリマーも挙げられる。このプレポリマーは、上記の多官能シアネート樹脂モノマーを、分子間反応させる条件で反応させればよいが、必要に応じて例えば、鉱酸、ルイス酸などの酸、ナトリウムアルコラート、第三級アミン類などの塩基、炭酸ナトリウムなどの塩類を触媒として重合させることにより得られる。
また、シアネート樹脂と、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂、マレイミド樹脂などの他の樹脂と併用することも可能である。
熱硬化性樹脂に係るエポキシ樹脂のうち、グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられるが、これらに限定されない。また樹脂組成物として室温で液状であることが好ましいので、熱硬化性樹脂に係るエポキシ樹脂は、単独または混合物として室温で液状のものが好ましい。ジオールまたはその誘導体をエポキシ化する方法としては、ジオールまたはその誘導体の2つの水酸基と、エピクロルヒドリンとを反応させて、グリシジルエーテルに変換することにより、エポキシ化する方法などが挙げられる。また、3官能以上のものについても、同様である。
通常行われるように反応性の希釈剤を使用することも可能である。反応性の希釈剤としては、フェニルグリシジルエーテル、ターシャリーブチルフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルなどの1官能の芳香族グリシジルエーテル類、脂肪族グリシジルエーテル類などが挙げられる。
熱硬化性樹脂(C)に係るエポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂の硬化剤としての酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸などが挙げられる。
熱硬化性樹脂に係るエポキシ樹脂の硬化剤としてのフェノール樹脂は1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物であることが好ましい。特に、熱硬化性樹脂に係るエポキシ樹脂の硬化剤としてのフェノール樹脂は、1分子内にフェノール性水酸基を2以上5以下有することが好ましく、1分子内のフェノール性水酸基を2つまたは3つ有することがより好ましい。フェノール樹脂の1分子内のフェノール性水酸基の数を前記範囲とすることにより、硬化物特性と作業時の樹脂組成物の粘度が好適な範囲となるようエポキシ樹脂の重量分子量を制御することができる。このような化合物としては、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールなどのビスフェノール類およびその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンなどの3官能のフェノール類およびその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体または3核体がメインのものおよびその誘導体などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂は、シアネート樹脂、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂、マレイミド樹脂との併用も好ましい。
応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。
以下に好ましいラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂を例示するがこれらに限定されるわけではない。
が500以上5,0000以下のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン、ブタジエンアクリロニトリル共重合体でアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物である。
上有する化合物の重量分子量は上述のように500以上、50,000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5,000以下であり、特に好ましいのは500以上、2,000以下である。上記範囲とすることにより、作業性が良好で、弾性率が低い接着層が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエーテ
ル化合物は、たとえば、ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
上有する化合物の重量分子量は上述のように500以上、50,000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5,000以下であり、特に好ましいのは500以上、2,000以下である。上記範囲であれば作業性が良好で、弾性率が低い接着層が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエステル化合物は
、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5,000以下であり、特に好ましいのは500以上2,000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、弾性率が低い接着層が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリカ
ーボネート化合物は、ポリカーボネートポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
リレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体などが好ましい。
またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の重量分子量は上述のように500以
上50,000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上25,000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、弾性率が低い接着層が得られるからである。
このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物は、
カルボキシル基を有する共重合体の場合はカルボキシル基が水酸基を有する(メタ)アクリレートあるいはグリシジル基を有する(メタ)アクリレートと反応することで、
水酸基を有する共重合体の場合は水酸基が(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで、グリシジル基を有する共重合体の場合はグリシジル基が(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで得ることが可能である。
0以上50,000以下のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ブタジエンアクリロニトリル共重合体でアリル基を有する化合物、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体といったジカルボン酸及びその誘導体とアリルアルコールを反応することで得られるジアリルエステル化合物や、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールといったジオールとアリルアルコールとの反応物などである。
N'−(4,4'−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド化合物が挙げられる。より好ましいものは、ダイマー酸ジアミンと無水マレイン酸の反応により得られる化合物、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸といったマレイミド化アミノ酸とポリオールの反応により得られる化合物である。マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸とアミノ酢酸またはアミノカプロン酸とを反応することで得られ、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリメタクリレートポリオールが好ましく、芳香族環を含まないものが特に好ましい。芳香族環を含む場合にはマレイミド基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度に
なり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。
ルプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートやこれら水酸基を有する(メタ)アクリレートとジカルボン酸またはその誘導体を反応して得られるカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで使用可能なジカルボン酸としては、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体が挙げられる。
ス(メタ)アクリルアミド、N,N'−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−
ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体などを使用することも可能である。
これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロ
ピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α,α'−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキ
シネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3'
,4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられ
るが、これらは単独または硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。また、上記のラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂は、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂との併用も好ましい。
エタノール、モルホリン、N−エチルモルホリン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。これらは特に限定されず利用でき、2種以上併用してもよい。樹脂組成物にこれらの溶剤を添加することにより、樹脂組成物の粘度を任意に調整することができる。
これにより、半導体装置において効率よく熱を拡散し、過熱による不具合を防止することができる。
つぎに、本実施形態における樹脂組成物を使用して作製した半導体装置について説明する。図1は、本実施形態における半導体装置10の構成を示す断面図である。
本実施形態における半導体装置10は、基材2と、半導体素子3と、基材2および半導体素子3の間に介在し、両者を接着する接着層1と、を備えている。
従来の樹脂組成物では、特にチップ幅が小さい半導体素子を接着する場合に、適量の樹脂組成物を塗布することが困難で、半導体素子から樹脂組成物がはみ出してしまう場合があった。本実施形態における樹脂組成物は粘度変化が小さく作業性に優れているため、極細ニードルによるディスペンスまたはスタンピングによって、少量の樹脂組成物を厚み精
度よく基材に塗布することができる。
本実施形態における樹脂組成物を用いて半導体装置10を作製する方法は、特に限定されないが、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、基材2の所定の部位に樹脂組成物をディスペンスまたはスタンピング塗布した後、基材2と半導体素子3を圧着し、加熱硬化して接着層1を形成する。
その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いて封止材層5を形成することによって半導体装置10を作製する。またはフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGA(Ball Grid Array)などの半導体チップ裏面に樹脂組成物をディスペンス等を行いヒートスプレッダー、リッドなどの放熱部品を搭載し加熱硬化するなどである。
熱伝導性粒子(A1):DOWAエレクトロニクス社製、AG2−1−C、D95=3.6μm、比重10.5
熱伝導性粒子(A2):福田金属箔粉工業社製、AgC−221A、D95=35.0μm、比重10.5
粒子(B1):Ni(ニッケル)、D50=1.1μm、比重8.9
粒子(B2):Ni(ニッケル)、D50=5.5μm、比重8.9
粒子(B3):Ni(ニッケル)、D50=12.41μm、比重8.9
粒子(B4):架橋PMMA(根上工業社製アートパールJ−4P)、D50=1.2μm、比重1.2
粒子(B5):架橋PMMA(根上工業社製アートパールJ−7P)、D50=4.5μm、比重1.2
粒子(B6):架橋PMMA(根上工業社製アートパールGR−400)、D50=11.9μm、比重1.2
粒子(B7):アルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社AX3−15R)、D50=3.9μm、比重4.0
測定モード:HPF
定量カウント
対物レンズ:20倍
光学システム:明視野
温度:室温(20〜30℃)
圧力:0.22MPa
3−1.熱硬化性樹脂を含む成分(C)における熱硬化性樹脂
エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製、SB−403S)
エポキシ樹脂2:m,p−クレジルグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、m,p−CGE、エポキシ当量165)
マレイミド樹脂1:マレイミド化合物(大日本インキ化学工業社製、MIA−200)
アリルエステル樹脂1:アリルエステル化合物(昭和電工社製、DA101)
硬化剤1:ビスフェノールF(大日本インキ化学工業社製、DIC−BPF、水酸基当量100)
硬化剤2:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製、キュアゾール2P4MHZ)
硬化剤3::ジシアンジアミド(ADEKA社製、EH−3636AS)
粘度調整剤:ジアクリレート(共栄社化学社製、ライトエステル4EG)
:水酸基含有アクリレート(日本化成社製、CHDMMA)
:カルボキシル基含有アクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルHOMS)
:トリアクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルTMP)
重合開始剤1:過酸化物(化薬アクゾ社製、パーカドックスBC)
上記の成分を表1の割合で配合し、3本ロールを用いて混練し、真空チャンバーにて2mmHgで15分脱泡することで樹脂組成物をそれぞれ作製した。配合割合は重量部である。
熱伝導性粒子(A),粒子(B)、全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂を含む成分(C)のそれぞれの体積%をX、Y及びZとした。
上記より得られた樹脂組成物について以下の評価試験をそれぞれおこなった。評価結果を表1に示す。
2枚の8.4x8.4mm(厚み350μm)シリコンチップを貼り合わせた。そのさいに接着層の厚みは20μmとし、サンプル全体の厚みを720μmとした。これを175℃、30分硬化し、評価用サンプルを得た。このサンプルをレーザーフラッシュ熱伝導計(アルバック理工株式会社製、TC7000)にて、以下の条件下で熱拡散係数を測定される。
測定条件:
・環境:室温(20〜30℃)
・サンプリングタイム:2〜10μs(オートで変更)
・ショット数:10ショット
・ショット間の間隔:60s
ノズル径が内径150μmのニードルとディスペンサーを用いて、樹脂組成物を吐出する際の作業性を評価した。各符号は、以下の通りである。
○:樹脂組成物の吐出速度および広がり共に問題無し。
×:樹脂組成物を吐出できず。
2 基材
3 半導体素子
4 リード
5 封止材層
6 ボンディングワイヤ
7 パッド
10 半導体装置
Claims (8)
- フロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD95が10μm以下であって、かつD50が0.5μm以上8μm以下である熱伝導性粒子(A)、フロー式粒子像解析装置による体積基準粒度分布におけるD50が3μm以上10μm以下である粒子(B)および全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂を含む成分(C)を含有し、
前記熱伝導性粒子(A)が銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛またはこれらの金属の合金粒子、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭酸カルシウムからなる群から選択される一種以上の粒子であって、
前記熱伝導性粒子(A)の量をX体積部、前記粒子(B)の量をY体積部、全樹脂組成物中(A)及び(B)以外の熱硬化性樹脂含む成分(C)の量をZ体積部としたとき、
X+Y+Z=100体積%であり、
かつX/(X+Z)が12体積%以上であって、
(X+Y)/(X+Y+Z)が10体積%以上48体積%以下であることを特徴とする樹脂組成物。 - 前記熱伝導性粒子(A)が60W/(m・K)以上の材質である請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記熱伝導性粒子(A)が銀粒子である請求項2記載の樹脂組成物。
- 前記粒子(B)が銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、アルミナ、シリカ、有機フィラーの中から少なくとも一種類以上を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記粒子(B)の形状が、鱗片状、楕円球形状、もしくは球状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(C)の配合量が、全樹脂組成物中に対し5質量%以上35質量%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物の粘度が、25℃、2.5rpmの条件下において1Pa・s以上100
Pa・s以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物を半導体素子と支持体の接着
層に備える半導体装置。
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