JP6012891B1 - ドラムを搬送するためのパレット及び搬送方法 - Google Patents
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<パレット1の基本構造>
図1及び図2は、第1実施形態のパレット1の斜視図である。図1は、支柱60を収容した状態のパレット1の斜視図である。図2は、支柱60を取り出して、一方の固定具30を上に持ち上げた状態のパレット1の斜視図である。図3は、パレット1に2つのドラム3を固定したときの斜視図である。
外枠11は、4本の角パイプを四角形状に固定した外側のフレームである。外枠11の四隅には、それぞれ脚部40が形成されている。
内側フレーム12は、外枠11の内側に配置されたフレームである。内側フレーム12として、中間ビーム13と、補助ビーム14とが設けられている。
中間ビーム13は、外枠11を構成する前側と後側の角パイプの間に連結された梁部材であり、前後方向に沿って配置されている。中間ビーム13は、パレット1を前から見たときに左右中央に配置されている。また、中間ビーム13は、外枠11よりも下側に配置されている。中間ビーム13の左右外側の空間(中間ビーム13と脚部40との間の空間)は、フォーク挿入空間S1である。言い換えると、パレット1を前から見たときに、パレット1を載置する載置面、外枠11、中間ビーム13及び脚部40で囲まれた空間が、フォーク挿入空間S1である。フォーク挿入空間S1は、フォークリフト80のフォーク81(図6参照)を挿入するために前後方向に沿って形成された空間である。フォークリフト80のフォーク81の挿入位置を誤らないようにするために、中間ビーム13の端面(前後方向を向いた面)は金属板によるカバー13Aで塞がれている。
補助ビーム14は、中間ビーム13と、外枠11を構成する左右の角パイプとの間に連結された梁部材であり、左右方向に沿って配置されている。仮にフォーク81の先が後側の外枠11に達しなかったとしても、フォーク81が補助ビーム14を支持することによって、フォークリフト80はパレット1を持ち上げることができる(後述)。
筒状部41は、支柱60を立てるための部位である。ここでは、筒状部41の内側に支柱60が挿入されることによって、支柱60を立てることができる。筒状部41の内側は空洞になっており、この空洞部は、支柱60の外形に適合した断面形状になっている。
椀状部42は、筒状部41の下側に設けられた部位であり、パレット1の載置面上から枠体10を支持する部位である。また、椀状部42は、支柱60の上で枠体10を支持するための部位でもある。後述するようにパレット1を2段に積載させるとき(図11参照)、上段となるパレット1の椀状部42に支柱60の端部を挿入することになる。また、椀状部42は、別のパレット1の筒状部41の上で枠体10を支持するための部位でもある。後述するように空のパレット1を回収するとき(図15参照)、椀状部42に下側のパレット1の筒状部41の上端を挿入することになる。椀状部42は、下面が開口している。この下面の開口に支柱60や筒状部41の端部を挿入し易くするために、椀状部42は、下側ほど広がっている。
支柱60は、前後方向に沿ってパレット1に収容される(図1参照)。このため、支柱60の向きを変えずに支柱60を取り出そうとすると、支柱60を左右方向に移動させることになるため、取り出した支柱60によってフォーク挿入口(フォーク挿入空間S1の開口)が塞がれてしまうことを自然に防止できる(図2参照)。
図5は、ドラム3をパレット1に固定するときの作業手順のフロー図である。
本実施形態では、パレット1を2段に積載させることが可能である。図10は、下段となるパレット1に支柱60を立てた様子の説明図である。図11は、パレット1を2段に積載させた様子の説明図である。
図12は、ドラム3を固定したパレット1をフォークリフト80で搬送する様子の説明図である。図13は、パレット1を積み込んだコンテナ100の内部の様子の説明図である。
ドラム3やパレット1の荷降ろし作業手順は、上記とは逆の作業手順となる。すなわち、まず、作業者は、フォークリフト80を用いて、2段積みのパレット1を2組ずつコンテナ100から下ろす。次に、作業者は、フォークリフト80を用いて、2段積みのパレット1の上段のパレット1を下段のパレット1(支柱60)から外す。そして、作業者は、下段のパレット1から支柱60を取り外す。その後、作業者は、各パレット1からドラム3を降ろす。
図15は、空のパレット1の回収時の様子の説明図である。本実施形態では、空のパレット1を積載させることができる。空のパレット1を積載させるとき、下側のパレット1の筒状部41の上端を上側のパレット1の椀状部42に挿入させると良い。
・圧縮試験
空のパレット1に支柱60を立て、支柱60の上端に荷重をかけて、圧縮試験を行った(図10のドラムの無い状態で圧縮試験を行った)。なお、パレット1の外寸法は、1200×1130×1093mmである。負荷速度を0.20FS/minとし、座屈するまで圧縮試験機で荷重を加えて、最大荷重値を調べた。
圧縮試験では、座屈などの現象が生じないまま、圧縮試験機の最大荷重値である200kNに達したため、圧縮試験は中断された。すなわち、パレット1及び支柱60に十分な圧縮強度があることが確認された。
図11に示すようにドラムを載置させつつ2段に積載したパレット1の振動試験を行った。振動試験方法は、JIS Z 0200(包装貨物−性能試験方法一般通則)における「8.4.3輸送振動試験 ランダム振動試験」のレベル2(長距離の国内輸送又は国際輸送で、温帯気候における適切な輸送が行われる)に準拠した条件とした。加振方向は3方向(X,Y,Z方向、前述の左右方向、前後方向及び上下方向に相当)同時とし、加振時間は90分とし、加速度パワースペクトル密度(PSD)は、次表に示す通りである。
本実施形態のパレット1は、枠体10と、中心部に向かって下降する一対の斜面21Aを有する支持部20と、固定具30とを備えている。固定具30は、ドラム3のフランジ3Bの中心穴5に引っ掛けるためのドラム用フック32と、枠体10側の端部(固定端31、又はチェーン用フック11Aに引っ掛けたチェーン34の中間部の環)との長さを調整するための調整部(ターンバックル33)とを有する。これにより、ドラム用フック32をドラム3の中心穴5に引っ掛けた状態で固定具30の長さを調整することによって、ドラム3がパレット1から外れにくくなる。また、一方のフランジ3Bの中心穴5から他方のフランジ3Bの中心穴5まで例えばベルト等を挿通させるような作業と比べると、本実施形態では、ドラム用フック32をドラム3のフランジ3Bの中心穴5に引っ掛けるだけで良いため、ドラム3をパレット1に固定する作業が簡易になる。
前述の実施形態では、枠体10は、4本の角パイプを四角形状に固定した外枠11や、内側フレーム12(中間ビーム13及び補助ビーム14)によって構成されていた。但し、枠体10は、このような構成に限られるものではなく、パレット1のフレームを構成できれば、他の構造でも良い。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
3A 胴部、3B フランジ、5 中心穴、
10 枠体、11 外枠、
11A チェーン用フック、11B 誘導部、
12 内側フレーム、13 中間ビーム、
13A カバー、14 補助ビーム、
20 支持部、21 傾斜板、21A 斜面、
30 固定具、31 固定端、
32 ドラム用フック、33 ターンバックル(微調整部、締付部)、
34 チェーン(粗調整部)、35 回転部、
40 脚部、41 筒状部、42 椀状部、
50 収容部、60 支柱、
80 フォークリフト、81 フォーク、
100 コンテナ、S フォーク挿入空間
Claims (16)
- ドラムを搬送するためのパレットであって、
枠体と、
中心部に向かって下降する一対の斜面を有する支持部と、
前記ドラムのフランジの中心穴の縁に引っ掛けるためのドラム用フックと、前記枠体側の端部と前記ドラム用フックとの長さを調整するための調整部とを有する固定具と
を備えたパレット。 - 請求項1に記載のパレットであって、
前記フランジは、前記ドラムの両側にそれぞれ設けられ、
前記ドラム用フックは、前記固定具と同じ側のフランジの中心穴の縁に引っ掛けることを特徴とするパレット。 - 請求項1又は2に記載のパレットであって、
前記ドラム用フックを前記中心穴の縁に引っ掛けた状態で前記調整部によって前記固定具の長さを短くすることによって、前記ドラムの前記フランジを前記固定具で締め付け可能であることを特徴とするパレット。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のパレットであって、
前記調整部は、ターンバックルであり、
前記パレットは、前記ターンバックルとは別に、前記枠体側の端部と前記ドラム用フックとの長さを粗く調整可能な粗調整部を更に有する
ことを特徴とするパレット。 - 請求項4に記載のパレットであって、
前記粗調整部は、チェーンで構成されており、
前記枠体には、前記チェーンの中間部の環を引っ掛けるためのチェーン用フックが設けられている
ことを特徴とするパレット。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のパレットであって、
前記支持部の端部には、前記ドラムの前記フランジを前記支持部へ誘導するための誘導部が設けられていることを特徴とするパレット。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のパレットであって、
前記パレットは、前記固定具を収容するための収容部を有することを特徴とするパレット。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のパレットであって、
前記パレットは、前記枠体を支持するための脚部を有し、
前記脚部は、支柱を立てることが可能であると共に、前記支柱の上で前記枠体を支持可能に構成されている
ことを特徴とするパレット。 - 請求項8に記載のパレットであって、
前記脚部は、支柱を立てるための筒状部と、前記筒状部の下側に設けられ下側ほど広がって開口した椀状部とを有することを特徴とするパレット。 - 請求項8又は9に記載のパレットであって、
前記脚部は、別のパレットの前記脚部の上で前記枠体を支持可能に構成されていることを特徴とするパレット。 - 請求項8〜10のいずれかに記載のパレットであって、
前記パレットは、前記支柱を収容可能に構成されていることを特徴とするパレット。 - 請求項11に記載のパレットであって、
前記パレットは、フォークリフトのフォークを差し込む方向に沿って前記支柱を収容可能に構成されていることを特徴とするパレット。 - 請求項1〜11のいずれかに記載のパレットであって、
前記支持部は、前記フランジ同士を近接させて並べた2つのドラムを載置可能であることを特徴とするパレット。 - 請求項13に記載のパレットであって、
2つの前記ドラムの並ぶ方向における前記支持部の両端部に前記固定具がそれぞれ配置されていることを特徴とするパレット。 - 請求項1〜14のいずれかに記載のパレットであって、
前記固定具は、ドラムの片側のフランジを固定するように配置されていることを特徴とするパレット。 - ドラムをパレットで搬送する搬送方法であって、
中心部に向かって下降する一対の斜面を有する支持部にドラムを載置すること、
前記ドラムのフランジの中心穴の縁に、前記パレットに設けられた固定具のドラム用フックを引っ掛けること、及び
前記固定具の長さを短く調整すること
を行う搬送方法。
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