JP6012376B2 - 電動補助自転車の補助力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人がペダルを漕ぐことで生じる踏力に対して、踏力による駆動力を補助するためのモータを備えた電動補助自転車に関し、特に、モータの動力源となるバッテリの充電量に対して効率良く補助を行う電動補助自転車の補助力制御装置に関する。
電動補助自転車は、ペダルに生じる踏力を検出する踏力センサと、前記踏力センサの出力に応じて駆動力の補助を行うモータと、ペダルが連結されるクランク軸の角度を検出するクランク角センサと、クランク軸の回転数を検出するクランク回転数センサを備えて構成されている。
モータにより踏力に対して補助を行う場合、例えば、踏力の値に対して、補助力の割合を一定にする手法が開示されている。
また、疲労度が小さい運転者が乗る場合に、モータ補助力が過大にならないよう踏力だけでなく疲労度合いを考慮して駆動力の補助を行う電動自転車としては、特許文献1に示されるように、運転者の心拍数や呼吸数の走行中の変化を測定して人体指標として出力し、踏力に対するモータのアシストトルクを設定する構成が提案されている。
特許第3276420号公報
前者の構成によれば、同じ値の踏力に対しては補助力が同じになりアシスト量も同じになる。
後者の構成によれば、心拍数や呼吸回数から算出する人体指標で駆動力の補助率を変化させているので、人体指標が同じであれば駆動力の補助率も同じになりアシスト量も同じになる。
しかしながら、アシスト量を一定にした場合、その値が低い時には、アシスト力が低くなってユーザに対して疲労感を生じさせてしまうという課題が生じる一方、アシスト率を高く設定した時には、疲労感の軽減は期待できるが、走行予定距離を走行中にバッテリ容量が少なくなり、アシスト率を低下させなければならないという現象が生じる可能性がある。
本発明は上記実情に鑑みて提案されたもので、ユーザにより入力される予定走行距離を考慮した適切なアシスト率を決定することで、バッテリの充電量に対して効率良くモータによる補助を行うことができる電動補助自転車の補助力制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は、従来の電動補助自転車が、踏力及び車速を検出することで通常(基本)アシスト量を設定し、それに応じた出力指令を行ってモータによる駆動力を発生させるのに対して、1充電あたりの予定走行距離、1日あたりの予定走行距離、平均車速等をユーザが予め入力することで、バッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用するように補助量遷移を行って通常(基本)アシスト量に対するモータ出力の増減補正するものである(図1)。また、使用可能量から補助量遷移を行う場合に、運転者の疲労度(人間の出力)、走行時間や走行距離による疲労度合いを考慮してもよい。
すなわち請求項1は、自転車のペダルに対して印加される踏力を検知する踏力検出手段(2)と、バッテリを動力源とし前記踏力に対して補助力を印加するモータ(5)と、前記踏力に応じて補助力の印加度合となるアシスト率を決定するアシスト量制御部(10)とを備えた電動補助自転車の補助力制御装置において、
ユーザにより自転車使用に際しての予定走行距離を入力する予定走行距離入力手段(8a)を備え、
前記アシスト量制御部(10)は、前記予定走行距離を考慮して前記アシスト率を変更することを特徴としている。
請求項2は、請求項1の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記予定走行距離入力手段(8a)に入力される予定走行距離は、1日あたりの走行距離であることを特徴としている。
請求項3は、請求項1の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記予定走行距離入力手段(8a)に入力される予定走行距離は、前記バッテリの1充電あたりの走行距離であることを特徴としている。
請求項4は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置において、ユーザにより自転車使用に際しての申告平均車速を入力する平均車速入力手段(8b)を備え、前記アシスト量制御部(10)は、前記申告平均車速を考慮して予定走行距離における前記アシスト率を変更することを特徴としている。
請求項5は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記アシスト量制御部(10)が前記予定走行距離に応じて前記アシスト率を変更するに際し、予定走行距離入力後に既に走行した距離を考慮した残りの距離でアシスト量を決定することを特徴としている。
請求項6は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記踏力、前記自転車の車速等のパラメータに基づいてユーザの疲労状態を検知する疲労強度を推定する疲労強度推定部(12)を備え、前記アシスト量制御部(10)は、前記疲労強度を考慮して前記アシスト率を変更することを特徴としている。
請求項7は、請求項6の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記疲労状態を考慮して前記アシスト率を変更するか否かをユーザが選択可能にする選択手段を備えたことを特徴としている。
請求項8は、請求項1の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記アシスト量制御部(10)は、運転者の走行履歴における平均車速付近に対する踏力のバラツキを考慮して減速器(変速ギヤ)による出力補正を行ってアシスト率を算出することを特徴としている。
請求項9は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置において、ユーザにより自転車使用に際しての始点位置と終点位置の地図データを入力する地図データ入力手段を備え、前記アシスト量制御部(10)は、前記地図データから得られた距離、高低差を考慮して前記アシスト率を変更することを特徴としている。
請求項10は、請求項9の電動補助自転車の補助力制御装置において、前記地図データは、位置情報を取得可能な移動体端末を介して前記地図データ入力手段に入力されることを特徴としている。
請求項1の電動補助自転車の補助力制御装置によれば、電動自転車の使用に際してユーザが予定走行距離を予め入力することで、バッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用する(予定走行距離に対してバッテリ充電量を使い切る)ようにアシスト率を変更にすることができる。
請求項2の構成によれば、1日あたりの予定走行距離を入力することで、ユーザが予定する1日の走行において、バッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用するようにアシスト率を変更にすることができる。
請求項3の構成によれば、1充電あたりの予定走行距離を入力することで、1充電期間中での走行において、バッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用するようにアシスト率を変更にすることができる。
請求項4の構成によれば、希望する平均車速をユーザが予め入力することで、平均車速を維持してバッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用するようにアシスト率を変更することができる。
請求項5の構成によれば、予定走行距離入力後に既に走行した距離を考慮した残りの距離でアシスト量を決定することにより、バッテリがフル充電されていない時に予定走行距離を入力する場合においても、残存するバッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用するようにアシスト率を変更することができる。
請求項6の構成によれば、疲労強度を考慮してアシスト率を変更することで、ユーザの体力状況に応じた補助を行うことができる。
請求項7の構成によれば、選択手段を設けたことで、疲労状態を考慮してアシスト率を変更するか否かをユーザが選択することができる。
請求項8の構成によれば、減速器(変速ギヤ)を使用することで出力が大きく変動した場合において、踏力のバラツキを考慮して出力補正を行うことで、適切なアシスト率を算出することができる。
請求項9の構成によれば、始点位置と終点位置の地図データを入力するだけで、走行距離や高低差が自動的に読み込まれることで、バッテリ充電量(使用可能量)を効果的に使用した補助を行うことができる。
請求項10の構成によれば、位置情報を取得可能な移動体端末を使用して地図データを入力することができる。
本発明の電動補助自転車の補助力制御装置の概要を説明するためのモデル図である。 電動補助自転車の側面説明図である。 クランク軸の位相を説明するためのモデル図である。 電動補助自転車のアシスト駆動力制御装置のブロック図である。 本発明の電動補助自転車の補助力制御装置による効果を説明するためのグラフ図であり、使用時間とアシスト量との関係を示す。 アシスト駆動力制御装置を構成する駆動力アシスト量設定手段のブロック図である。 駆動力アシスト量設定手段におけるアシスト量の設定手順を説明するためのフローチャート図である。 図7のフローチャートにおける「運動継続時間・距離計算」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図8のフローチャートにおける「残りの距離計算」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図8のフローチャートにおける「残りの距離計算」の手順の他の例を説明するフローチャート図である。 図8のフローチャートにおける「残りの距離計算」の手順の他の例を説明するためのフローチャート図である。 図8のフローチャートにおける「平均車速の計算」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図7のフローチャートにおける「走行パターンの推定」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図13のフローチャートにおける「1日走行あたりの出力分布計算」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図14のフローチャートにおける「前回運転の履歴補正」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図15のフローチャートにおける「今回アシスト係数の決定」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図13のフローチャートにおける「実績・目標値の乖離分を補正」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図7のフローチャートにおける「走行パターンの推定」の他の手順を説明するためのフローチャート図である。 図18のフローチャートにおける「1日走行あたりの入力踏力分布計算」の手順を説明するためのフローチャート図である。 1日走行当たりのペダル回転数に対する出力分布を基に作成した平均出力値に対する分布特性グラフを説明するための図である。 1日走行当たりの踏力に対する車速分布を基に作成した踏力に対する分布特性グラフを説明するための図である。 図18のフローチャートにおける「人間の疲労を推定」の手順(疲労度合い推定手順)を説明するためのフローチャート図である。 図22のフローチャートにおける「体力回復の確認」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図22のフローチャートにおける「停止・再発進履歴の確認」の手順を説明するためのフローチャート図である。 図18のフローチャートにおける「人間の疲労を推定」の手順(疲労度合い推定手順)の他の例を説明するためのフローチャート図である。 運転者による出力経過時間に対する持久系比率と瞬発系比率の一般的な関係を示すグラフであり、判定閾値を示す。 運転者による出力経過時間に対する持久系比率と瞬発系比率の一般的な関係を示すグラフであり、バイアス閾値を示す。
本発明の電動補助自転車の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の特徴的な構成であるアシスト駆動力制御装置を備えた電動補助自転車の側面図である。アシスト駆動力制御装置は、運転者の疲労度の度合いを推定してアシスト量を決めることで、モータによる駆動力のアシストを効率良く行うものである。
電動補助自転車50は、車体前方に位置するヘッドパイプ51と、該ヘッドパイプ51から後方かつ下方に延びるダウンフレーム52と、ダウンフレーム52の後端から上方に立ち上がるシートパイプ53とを備える。ヘッドパイプ51には、下方に延びるフロントフォーク54が操舵可能に接続され、このフロントフォーク54の下端には前輪WFが軸支されている。前輪WFには、電動補助自転車50の車速を検出するための車速センサ1が配設されている。ヘッドパイプ51の上方にはハンドル55が設けられている。
ダウンフレーム52の後端には、後方に延びるリヤフォーク56が配設され、このリヤフォーク56の後端に後輪WRが軸支されている。また、シートパイプ53の上部とリヤフォーク56の後部との間には、左右一対のステー57が配設されている。
ダウンフレーム52及びリヤフォーク56には、アシスト駆動ユニット61が支持されている。シートパイプ53には、上端にシート58を有するシートポスト59がシート58の上下位置を調整可能に装着されている。シートパイプ53の後方には、アシスト駆動ユニット60に電力を供給するためのバッテリ62が着脱可能にシートパイプ53のステー63に取り付けられている。
クランク軸71は、アシスト駆動ユニット60及びスプロケット(出力部)64に貫通して車体の幅方向に延びるように設けられ、クランク軸71の両側には、ペダル72Lを有するクランク73L、ペダル72Rを有するクランク73Rが接続されている。運転者がペダル72L,72Rを漕ぐことにより、クランク軸71に回転トルク(動力)が与えられる。クランク軸71に与えられた回転トルクに起因してスプロケット64が回転し、スプロケット64の回転は、チェーン65を介して後輪WR側のスプロケット66に伝達されて後輪WRが回転する。また、スプロケット64の回転は、減速器(変速ギヤ)を備えたスプロケット66に伝達されるようにしてもよい。
クランク軸71に与えられた回転トルク値fを検出する踏力センサ(磁歪式トルクセンサ)2は、クランク軸38上に配置される。なお、踏力センサ2は、所定の周期でクランク軸71の回転トルク値fを検出する。
運転者によりクランク軸71に与えられるペダル踏力(回転トルク値f)は、図3に示すように、運転者がペダル72を漕いだときに発生する踏力Fの回転方向の分力であり、実際に運転者がペダルに与えた踏力(踏力実効値)Fとは異なる。回転トルク値fと踏力Fとは、回転トルク値f=踏力F×cosθの関係式で表すことができる。運転者は、ペダル72L,72Rを漕ぐときには、ペダル72L,72Rを鉛直方向に踏むので、踏力Fの方向は鉛直方向となる。
また、クランク軸71の近傍位置には、クランク軸71に連結されるクランク73のクランク角度を検出するクランク角センサ3が装着されている。
アシスト駆動ユニット60は、モータ5と、モータ5を駆動させるモータ駆動回路(駆動ドライバ)と、踏力センサ2によって検出された回転トルク値fに基づいてモータ駆動回路のPWM制御を行うアシスト量制御部10と、モータ5のモータ駆動軸67から駆動力が伝達されて回転するアシストスプロケット61とをケース内に一体的に保持して構成される。アシストスプロケット61にはチェーン65が取り付けられることで、アシスト駆動ユニット60は、モータ5の駆動力を前記駆動系機構に伝達する。
アシスト制御部10は、踏力センサ2によって検出された回転トルク値fを基に算出したアシストトルク(アシスト力)をモータ5が発生するように、モータ駆動回路をPWM制御する(アシスト制御を行う)。
アシストトルク(アシスト力)は、踏力センサ2の出力に応じて決定される。その際、踏力と車速から運転者の運転状況に応じるとともに、ユーザが入力した予定走行距離や平均車速、更には、運転者の走行パターン推定や運転者の疲労強度を推定してアシスト量を増減補正するように制御する。アシスト量の演算によるアシストトルクの算出手順の詳細については後述する。
モータ5が発生したアシストトルクは、アシストスプロケット61を介してチェーン65に伝達される。したがって、運転者がペダル72L,72Rを漕ぐことによって、クランク軸71に与えられた回転トルクf(駆動力)とモータ5が発生したアシストトルクとが、チェーン65を介して後輪側のスプロケット66に伝達され、後輪WRが回転する。なお、アシストスプロケット61の後方には、チェーン65の巻き付け角を大きく取るためのアイドラ68が設けられている。
また、アシスト駆動ユニット60は、電動補助自転車50が前に進む方向(正方向)に、ペダル72L,72Rを漕いだ場合にスプロケット64を回転させ、正方向とは反対の方向にペダル72L,72Rを漕いだ場合にスプロケット64を回転させない機構を有している。
次に、電動補助自転車のアシスト駆動力制御装置について、図4〜図6を参照して説明する。
アシスト駆動力制御装置は、図4に示すように、車両の速度を検知する車速センサを有する停止履歴・疲労回復検出手段1と、踏力センサを備えてペダルに生じる踏力(回転トルク値)を検出する踏力検出手段2と、前記ペダルが連結されるクランク軸の角度を検出するクランク角センサを備えるクランク角検出手段3と、運転者の疲労を検出する疲労検出手段7と、駆動力の補助を行うモータ5と、駆動力のアシスト量を制御するアシスト量制御部10と、アシスト量制御部10からの駆動信号に基づいてモータ5の駆動を行うモータ駆動回路6を備えて構成されている。
また、アシスト駆動力制御装置は、電動補助自転車の使用に際して予定走行距離等のユーザが申告する情報を入力するユーザ入力手段8を備えている。
停止履歴・疲労回復検出手段1は、車速センサからの信号を一定期間毎に入力して車速を計算するとともに、一定時間毎に車速変化を算出する。そして、車速及び車速変化量から停止履歴を算出して記憶することで疲労回復のための情報を取得し、アシスト量制御部10へ出力する。疲労回復のための情報とは、例えば、停止履歴の回数や時間から演算される運転継続時間や運転停止時間等、予め設定した演算式に入力して求められる値を疲労回復度と設定する。
踏力検出手段2は、踏力センサで検出された走行中のペダル踏力(クランク軸に対して直角方向に作用する回転トルク値f)から、鉛直方向下方に働く力である踏力実効値(実際に運転者がペダル72に与えた踏力)Fを推定して検出し、アシスト量制御部10へ出力する。
クランク角検出手段3は、クランク角センサからクランク角度を検出するとともに、クランク回転数及びクランク回転数変化量を算出し、アシスト量制御部10へ出力する。
疲労検出手段7は、筋肉状態を電気信号で検出する筋電センサ7a、心拍数を検出する心拍センサ7b、呼吸成分検出器7c等、運転者の疲労状態を検出可能とする疲労検知センサにより構成されている。これらの疲労検知センサは、運転者の手や足等に巻付可能なバンド等により構成され、運転者に装着することで疲労状態を検出できるようになっている。
ユーザ入力手段8は、電動補助自転車の使用に際して、予定走行距離を入力する予定走行距離入力手段8aと、走行中の希望平均速度を入力する平均車速入力手段8bを有している。予定走行距離入力手段8aは、例えば、電動補助自転車を使用する場合の1日の予定走行距離や、モータの動力源となるバッテリについての1充電あたりの予定走行距離を入力する。平均車速入力手段8bは、電動補助自転車の走行時に希望する平均速度(停止時間を除いた平均速度)を入力する。
また、ユーザ入力手段8が地図データを有し、ユーザにより自転車使用に際しての始点位置と終点位置の地図データを入力することで、アシスト量制御部10が地図データから得られた距離、高低差から勾配を検出し、走行抵抗を考慮したアシスト率を算出するようにしてもよい。
更に、ユーザ入力手段8にスマートフォン等の位置情報を取得可能な移動体端末を接続可能とし、所望のアプリ起動時の端末を介して走行に関するデータが入力されるようにしてもよい。
この場合、走行に関するデータは、距離や高低差だけでなく、天気、湿度、風(向かい風、追い風)等の気象情報をアシスト率可変のデータとして使用することも可能である。
更には、ユーザの運動履歴(電動自転車使用以外)や生理周期等の個人情報をアシスト率可変のデータとして使用してもよい。
アシスト量制御部10は、停止履歴・疲労回復検出手段1からの車速及び車速変化量,踏力検出手段2からの回転トルク値及び踏力実効値,クランク角検出手段3からのクランク角度から駆動力アシスト量を設定する駆動力アシスト量設定手段20と、予定走行距離入力手段8a及び平均車速入力手段8bに入力されたユーザによる申告情報とバッテリ充電量を考慮したアシスト量を算出するアシスト量設定部11と、停止履歴・疲労回復検出手段1から検出された疲労回復度,疲労検出手段7の各種センサから検出された疲労状態から疲労度を推定してアシスト量を増減補正する疲労強度推定部12と、ユーザによる過去の走行履歴等から走行パターンを推定してアシスト量を増減補正する走行パターン推定部13を備えて構成されている。
アシスト量設定部11では、駆動力アシスト量を設定するためのアシスト量について、踏力検出手段2からの踏力(実効値)と、停止履歴・疲労回復検出手段(車速センサ)1からの車速と、予定走行距離入力手段から入力された予定走行距離と、平均車速入力手段から入力された申告平均車速と、バッテリの充電量を考慮して設定される。アシスト量は、予め、踏力と車速を変数とする基本アシスト量の演算式が記憶され、踏力及び車速を代入することで基本アシスト量が求められ、それに対して予定走行距離、申告平均車速が入力されることで、走行終了時にバッテリ上がりが生じることなくバッテリの容量(充電量)を最大限に利用した効果的な駆動力の補助が行えるように、アシスト量が補正される。例えば、入力された予定走行距離を完走できる範囲で最大限にアシスト率を高くして走行することで、バッテリの容量(残量)を効果的に使用することができる。
バッテリの容量(残量)を効果的に使用することにより、図5に示すように、アシスト率を高く設定した時に走行予定距離を走行中にバッテリ容量が少なくなりアシスト率が必然的に低下する現象(従来アシストA)や、アシスト率を低く設定して走行予定距離を完走した場合にバッテリ容量を使い切っていないような現象(従来アシストB)を回避し、バッテリの容量(充電量)を効果的に補助力として使用(本発明アシスト)することができる。
なお、基本アシスト量の演算式は、基本的に、車速が低い状態で踏力が大きいときほど大きな値が得られるようになっている。
また、アシスト量は、後述する疲労強度推定部12により推定される疲労強度や走行パターン推定部13により推定される走行パターンを考慮して補正されるようになっている。
疲労強度推定部12で推定される疲労強度は、例えば、踏力又は車速の計時時間、運転者に装着された筋電センサ7a、心拍センサ7b、呼気成分検出器7cで得られたデータ、踏力及び車速により推定する。筋電センサ7aは運転者の筋肉の疲労状態を、心拍センサ7bは運転者の心拍数を、呼気成分検出器7cは運転者の呼吸におけるCO2の割合(呼気成分)をそれぞれ検知するものであり、得られたデータにより瞬発系又は持続系の疲労時状態を検知することができる。
また、疲労強度推定部12は、踏力や車速の履歴から運転継続時間を算出し、この運転継続時間が所定時間以下であれば、運動量が少ないと判断して疲労強度を無と推定することが行われる。
疲労強度推定部12は、踏力や車速の履歴から車両停止及び再発進の回数を検出し、検出されたデータを疲労強度に反映させる。すなわち、再発進の回数が多くなるに従って疲労強度の値を増加させる。
疲労強度推定部12は、踏力や車速の履歴から検出された車両停止時間から疲労回復を推定して疲労強度に反映させる。例えば、連続した車両停止時間が所定値以上になった場合に、疲労回復したと判断し、疲労強度の値を減少させる制御を行う。
走行パターン推定部13では、ユーザによる申告平均車速(目標値)と現実の走行履歴(実績)等の情報から個別ユーザの特性に応じて乖離分を考慮した走行パターンを推定し、走行パターンに応じたアシスト量の補正を行うものである。
申告情報と現実の走行履歴情報を比較することで、ユーザの申告状況(申告情報との差が大きいか小さいか)に応じたバッテリ容量(残量)のより効果的な使用を実現できる。
走行パターンの推定手順の詳細については後述する。
駆動力アシスト量設定手段20は、アシスト量設定部11により設定されたアシスト量と、必要に応じて疲労強度推定部12が推定した疲労強度や走行パターン推定部13が推定した走行パターンが入力されることで駆動アシスト量を計算するアシスト量計算手段22と、計算した駆動力アシスト量に対応する電流値のデューティ比を算出するデューティ比計算手段24とを備えている(図6)。駆動力アシスト量設定手段20は、例えばCPUから構成され、予め設定されたプログラム又はハード回路により、前記した各手段が実行される。
アシスト量計算手段22は、アシスト量設定部11により設定されたアシスト量に対して、必要に応じて疲労強度推定部12が推定した疲労強度と走行パターン推定部13が推定した走行パターンを考慮した値がアシスト量として算出される。
デューティ計算手段24は、駆動パルスのデューティ比が算出され、PWM出力としてモータ駆動回路6に出力される。
モータ駆動回路6では、PWM出力に応じてトルク制御が行われてモータ5が駆動される。モータ駆動回路6は、複数相(UVWの3相)の各スイッチング素子を有し、アシスト制御部10は、決められたデューティ比でUVW相の各スイッチング素子をオン・オフ制御することで、モータ駆動回路6をPWM制御する。このPWM制御により、モータ駆動回路6は、バッテリ62の直流電力を3相交流電力に変換して、3相の交流電流をモータ5のU相のステータコイル、V相のステータコイル、W相のステータコイルに通電し、モータ5のモータ駆動軸67が回転する。
続いて、駆動力アシスト量設定手段20での駆動力アシスト量を設定する場合の全体の流れについて、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
電動補助自転車の走行時において、アシスト走行のモードが選択されている場合(ステップ100)、停止履歴・疲労回復検出手段(車速センサ)1で検出された運転持続時間や停止・再運転回数等の運転履歴が保存される(ステップ101)。
次に、走行パターンを推定するため入力された予定走行距離から運転継続時間・距離計算が行われる(ステップ102)。運転継続時間・距離計算について詳細説明は後述する。
続いて、走行パターンの推定有無の判定が行われる(ステップ103)。走行パターン推定の有無は、ユーザによる選択で行われるようなっている。
走行パターンを推定しない場合、踏力実効値が計算され(ステップ110)、踏力実効値に比例したアシスト量(踏力比例制御)を基本とし、入力された予定走行距離及び平均速度、バッテリの充電量を考慮したアシスト量が計算され(ステップ111)、踏力実効値に比例するトルクピーク値で駆動力(加工トルク値)が付与される。
また、アシスト制御では、踏力比例制御に代えて、車速比例制御によりアシスト量を算出しても良い。
走行パターンを推定する(ステップ104)場合は、アシスト量設定部11で設定されたアシスト量に対する走行パターン推定等を考慮した駆動アシスト量を計算(アシスト量の計算1)が行われる(ステップ105)。ステップ104における走行パターン推定についての詳細説明は後述する。
前回周期のペダル踏力(回転トルク値)の呼び出し(ステップ106)、前回踏力との変動が大きくなるのを抑えるため前回周期の踏力を考慮した駆動アシスト量の計算(アシスト量の計算2)が行われる(ステップ107)。
駆動アシスト量でモータ駆動を行う場合には、車速に対してアシスト量が適当であるかを判断する走行状態確認を行って(ステップ108)、モータ駆動回路6を介してアシスト量をモータ5へ指令してモータ5の駆動が行われる。走行状態確認では、例えば、一定の車速以上である場合にはアシストを行わない等の独自の設定に該当しているか(若しくは、車速に対してアシスト量が適当であるか)等を判断する。
次に、図7のステップ102における運転継続時間・距離計算手順について説明する。
運転継続時間・距離計算は、図8に記載されるように、先ず、「残りの距離計算」が行われ(ステップ201)、続いて「平均の車速計算」(ステップ202)が行われて運転継続時間・距離計算を終了する(ステップ203)。
「残りの距離計算」(ステップ201)における手順は、「1充電あたりの予定走行距離入力時」「1日あたりの予定走行距離入力時」「1日・1充電あたり両方の予定走行距離入力時」の三種類によって異なる。
1充電あたりの予定走行距離入力時の場合、図9に示すように、「残りの距離計算」するに際して(ステップ201)、先ず、1充電あたりの予定走行距離の入力が行われる(ステップ211)。
次に、過去の走行距離を考慮するか否か(過去の距離を含むかどうか)を判断する(ステップ212)。この判断は、ユーザにより選択できるようになっている。
ステップ212において、ユーザにより「過去の走行距離を考慮する」が選択されている場合、「過去の走行距離データ」が読み出し可能かどうかを判断する(ステップ213)。これは、新車の電動自転車の初期設定時のように、過去データが記録されていない場合に対処するためである。
ステップ212において、過去の走行距離を考慮しない(過去の距離を含まない)場合、及び、ステップ213において「過去の走行距離データ」の読み出しが出来ない場合は、入力された「1充電あたりの予定走行距離」を「残り走行距離」に変換し(ステップ214)、「残りの距離計算」を終了し(ステップ215)、走行パターン推定することなくステップ110の処理が行われる。
ステップ213において、「過去の走行距離データ」の読み出しが可能である場合、過去の走行距離の読み出しを行い(ステップ216)、「1充電あたりの予定走行距離」から「過去に走行した距離」を差し引いた「残り走行距離」を計算し(ステップ217)、「残りの距離計算」を終了し(ステップ218)、走行パターン推定することなくステップ110の処理が行われる。
1日あたりの予定走行距離入力時の場合のフローチャートを図10に示す。図10中、図9と同じ手順は同じ符号を付している。この場合、図9におけるステップ211の「1充電あたりの予定走行距離の入力」が「1日あたりの予定走行距離入力」に代わる(ステップ221)だけで、他の手順は図9と同じである。
1日・1充電あたり両方の予定走行距離入力時の場合、図11に示すように、「残りの距離計算」するに際して(ステップ201)、1日あたりの予定走行距離の入力が行われ(ステップ231)、続いて、1充電あたりの予定走行距離の入力が行われる(ステップ232)。
次に、過去の走行距離を考慮するか否か(過去の距離を含むかどうか)を判断する(ステップ233)。この判断は、ユーザにより選択できるようになっている。
ステップ233において、ユーザにより「過去の走行距離を考慮する」が選択されている場合、「過去の走行距離データ」が読み出し可能かどうかを判断する(ステップ234)。
ステップ233において、過去の走行距離を考慮しない(過去の距離を含まない)場合、及び、ステップ234において「過去の走行距離データ」の読み出しが出来ない場合は、入力された「1日あたりの予定走行距離」を「1日の走行距離」に変換し(ステップ235)、「残りの距離計算」を終了し(ステップ236)、続いて走行パターン推定する処理が行われる(ステップ104)。
ステップ234において、「過去の走行距離データ」の読み出しが可能である場合、過去の走行距離の読み出しを行い(ステップ237)、「1充電あたりの予定走行距離」及び「1日あたりの予定走行距離」から「残り総計・1日の走行距離」を計算し(ステップ238)、「残りの距離計算」を終了し(ステップ239)、続いて走行パターン推定する処理が行われる(ステップ104)。
図8のフローチャートにおいて「残りの距離計算」が計算された後(ステップ201)の平均の車速計算(ステップ202)は、図12のような手順で行われる。
ユーザが申告する平均車速を読み込む(ステップ241)。
過去の走行データから平均車速を読み出すかどうかを判断する(ステップ242)。この判断は、ユーザにより選択できるようになっている。
ステップ242において、ユーザにより「平均車速を読み出す」が選択されている場合、「過去データ」が読み出し可能かどうかを判断する(ステップ243)。これは、新車の電動自転車の初期設定時のように、過去データが記録されていない場合に対処するためである。
ステップ242において、平均車速を読み出さない場合、及び、ステップ243において、「平均速度」の読み出しが出来ない場合は、入力された平均車速(ユーザ申告値)を使用し(ステップ244)、「残りの距離計算」を終了し(ステップ245)、走行パターン推定することなくステップ110の処理が行われる。
ステップ243において、「過去の走行距離データ」の読み出しが可能である場合、過去の走行距離の読み出しを行い(ステップ246)、平均車速を計算し(ステップ247)、ユーザ申告値を目標値、過去の読み出しを実績値として保存し(ステップ248)、平均車速の計算を終了し(ステップ249)、走行パターン推定することなくステップ110の処理が行われる。
次に、図7のステップ104における走行パターン推定の手順について説明する。
走行パターン推定には、疲労推定モードを備えないもの(走行パターンの推定(a))と、疲労推定モードを備えたもの(走行パターンの推定(b))が存在する。疲労推定モードを備えない場合(走行パターンの推定(a))について、図13を参照しながら説明する。
先ず、1日走行あたりの出力分布を計算する(ステップ251)。
予定走行距離や平均車速についてユーザによる申告があったかどうかを判断する(ステップ252)。
予定走行距離や平均車速について、ユーザ申告以外のデータを使用する場合、実績・目標値の乖離分を補正する(ステップ253)。
予定走行距離や平均車速がユーザ申告のみの場合、踏力に応じて(ペダル入力量違いで)基準となるアシスト量を決定する(ステップ254)。
ユーザ申告のみではない場合は、乖離分を補正した後、踏力に応じて(ペダル入力量違いで)基準となるアシスト量を決定する(ステップ254)。
基準アシスト量に対してバッテリ残量が十分であるかについて確認する(ステップ255)。
使用エネルギー分布率を計算し(ステップ256)、計算を終了する(ステップ257)。
図13のステップ251における1日走行あたりの出力分布を計算は、図14に示す手順で行われる。
前回運転の履歴補正を行う(ステップ261)。
前回運転の履歴補正は、図15に示す手順で行われる。
運転履歴の有無を確認する(ステップ262)。
運転履歴無しの場合、計算終了する(ステップ267)。
運転履歴有の場合、前回アシスト係数を呼び出す(263)。
今回のアシスト係数を決定する(ステップ264)。
アシスト係数の決定は、図16に示すように、疲労軽減効果を評価し(ステップ265)、分布率比較によるアシスト量の増減を決定し(ステップ266)、計算を終了する(ステップ267)。
図14における前回運転の履歴補正(ステップ261)に続いて、1日当たりの出力分布を計算する(ステップ268)。
1日当たりの出力分布は、図20に示すように、ペダル回転数に対する出力点をプロットし、ユーザの出力平均値付近のプロットの分布グラフ(横軸がペダル回転数、縦軸が分布率)を作成する。このグラフから一定出力範囲に対する分布が求められる。自転車走行においては、平坦な道であれば一定出力で走行する状況が多いので、出力分布のバラツキが多い場合は「疲労している」と判断することができる。
分布グラフから最頻値と最小値との差分(分布率差分)を算出し、分布率差分よりアシスト係数を決定する(ステップ269)。最頻値の他に、中央値、平均値を利用してもよい。アシスト係数は、係数×(閾値−分布率差分)で与えられる。係数は、予め定められた値であり、閾値は予め設定された値であるが、運転持続時間が長くなると増加するように設定されている。これは、運転持続時間の増加に伴ってアシスト量を多くするためである。
アシスト係数を考慮してアシスト量が計算され(ステップ270)、計算終了する(ステップ271)。したがって、分布率差分が少ないほど「疲労している」と判断されアシスト量が増加する。
図13の実績・目標値の乖離分の補正(ステップ253)は、図17に示す手順で行われる。
前回処理時における実績・目標値の乖離率を呼び出す(ステップ281)。
前回乖離率の閾値判定を行う(ステップ282)。ここでは、ユーザ設定時の平均車速値に対して、実際の車速が大きく下回っているかどうかを判定する。判定する閾値(判定値)は、前回乖離率/設定時乖離率で与えられる。
判定値が閾値以上である場合、アシスト量の補正ゲインを増やし(ステップ283)、計算終了する(ステップ284)。
判定値が閾値未満である場合、アシスト量の補正ゲインを減らし(ステップ285)、計算終了する(ステップ286)。
図13による走行パターン推定を備えた処理によれば、ユーザの目標値と走行履歴から走行パターンを推定することで、アシスト量の算出に際して、バッテリ充電量をより効果的に使用した制御を行うことができる。
続いて、疲労推定モードを備えた場合(走行パターンの推定(b))について、図18を参照しながら説明する。図13と同じ処理を行う部分については、同一符号を付している。疲労推定モードの有効・無効は、ユーザにより選択できるように構成されている。
先ず、1日走行あたりの出力分布を計算する(ステップ251)。
次に、実績・目標値の乖離分を補正する(ステップ253)。
ステップ251における1日走行あたりの出力分布の計算、及び、ステップ253における実績・目標値の乖離分の補正については、図14及び図17で説明したのと同一の処理が行われる。
続いて、疲労推定モードの有効・無効が判断される(ステップ301)。疲労推定モードの有効・無効は、ユーザにより選択できるようになっている。
疲労推定モードが無効である場合、1日走行当たりの入力踏力分布を計算し(ステップ351)、減速器による出力バラツキを補正する(ステップ352)。減速器(変速ギヤ)による出力バラツキの補正は、踏力分布を検出することで行うものであり、詳細説明は後述する。
続いて、バッテリ残量を確認し(ステップ255)、使用エネルギー支配率を計算し(ステップ256)、計算を終了する(ステップ257)。
疲労推定モードが有効である場合、人間の疲労度合いの推定を行った後(ステップ302)1日走行当たりの入力踏力分布を計算し(ステップ351)、減速器による出力バラツキを補正する(ステップ352)。
続いて、バッテリ残量を確認し(ステップ255)、使用エネルギー支配率を計算し(ステップ256)、計算を終了する(ステップ257)。
図18における1日走行当たりの入力踏力分布計算(ステップ351)は、図19に示す手順で行われる。
前回運転の履歴補正を行う(ステップ361)。
前回運転の履歴補正は、既に説明した図15に示す手順で行われる。
すなわち、運転履歴の有無を確認する(ステップ262)。
運転履歴無しの場合、計算終了する(ステップ267)。
運転履歴有の場合、前回アシスト係数を呼び出す(263)。
今回のアシスト係数を決定する(ステップ264)。
アシスト係数の決定は、図16に示すように、疲労軽減効果を評価し(ステップ265)、分布率比較によるアシスト量の増減を決定し(ステップ266)、計算を終了する(ステップ267)。
図19における前回運転の履歴補正(ステップ361)に続いて、1日当たりの踏力分布を計算する(ステップ368)。
1日当たりの踏力分布は、図21に示すように、踏力に対する車速をプロットし、ユーザの踏力値のプロットの分布グラフ(横軸が踏力、縦軸が分布率)を作成する。このグラフから一定踏力に対する分布が求められる。
分布率よりアシスト係数を決定する(ステップ369)。
アシスト量を計算し(ステップ370)、計算終了する(ステップ371)。
踏力のバラツキが大きい場合は、変速ギヤを使用した(ユーザの体力に起因しない)可能性が高いので、アシスト量計算に際して本来得られるアシスト量に対して減じる処理が行われるとともに、走行履歴のデータから削除することで、減速器(変速ギヤ)による出力バラツキを補正する。
次に、図18のステップ302における「人間の疲労を推定」での詳細手順(疲労度合いの推定(a))について、図22を参照して説明する。
疲労度合いの推定(ステップ302)を行う場合、運転持続時間が閾値以上である場合には、運転者が疲労していると判断し、疲労度合いの推定を行い、運転継続時間に対する運転者が入力するペダル踏力の値で疲労度合いを決定する(ステップ121)。例えば、運転時間に対して一般人の平均的なペダル踏力の平均値の推移がグラフ化されている場合に、実際に入力されるペダル踏力と平均値との比較により疲労度合いの大きさを決定する。
疲労度合いの決定後に、運転者の体力回復の確認を行う(ステップ122)。
この体力回復の確認は、図23に示した手順によって行われる。
先ず、体力回復状態を判定する(ステップ131)。体力回復状態の判定は、疲労検出手段7の各種センサからのデータを解析することで判断する。
体力回復「有」と判定された場合、停止履歴・疲労回復検出手段1で検出されて記憶されている前回停止時間を呼び出す(ステップ132)。
呼び出された停止時間の長さから停止による回復分を計算し(ステップ133)、体力回復確認処理を終了する(ステップ134)。
ステップ151で体力回復「無」と判定された場合は、そのまま体力回復確認処理を終了する(ステップ134)。
体力回復の確認後に、停止・再発進履歴の確認を行う(ステップ123)。
この停止・再発進履歴の確認は、図24に示した手順によって行われる。
先ず、再発進履歴の有無を確認する(ステップ141)。再発進履歴は、停止履歴・疲労回復検出手段1で検出されたデータで判断される。
再発進履歴があった場合、前回停止時間を呼び出す(ステップ142)。
停止時間の長さによる体力の回復分を計算し(ステップ143)、停止・再発進履歴確認処理を終了する(ステップ144)。
ステップ141で再発進履歴がなかった場合は、そのまま停止・再発進履歴確認処理を終了する(ステップ144)。
図25は、図18におけるステップ301の「人間の疲労を推定」について、図22とは異なる手順(疲労度合いの推定(b))を示したものであり、疲労度合いについて持久系と瞬発系を分けた場合に、瞬発系比率の割合を考慮して疲労強度を推定することが行われる。
疲労度合いを推定する場合、先ず、持久系と瞬発系との筋肉稼働量を判定する(ステップ150)。この判定は、運転者による出力経過時間に対する持久系比率と瞬発系比率の一般的な関係を示す予め登録されたグラフ(図26を参照)により推定する。筋肉稼働量の持久系比率は、出力経過時間が長いほど増加し、筋肉稼働量の瞬発系比率は出力経過時間が長くなるほど減少する。この例では、筋肉稼働量の持久系比率が60〜70%付近の比率を判定閾値と設定することで、この値より持久系比率が低い場合に持久系<瞬発系とみなして、瞬発系の割合を考慮した疲労強度の推定が行われる。
出力経過時間から持久系比率が判定閾値より大きいと推定される場合は、図22のステップ121と同様に、運転継続時間に対する運転者が入力するペダル踏力の値で疲労度合いを決定する(ステップ121)。すなわち、運転時間に対する一般人の平均的なペダル踏力の平均値の推移がグラフ化されている場合に、実際に入力されるペダル踏力と平均値との比較により疲労度の大きさを決定する。
逆に、出力経過時間から持久系比率が判定閾値より小さいと推定される場合は、ステップ121と同様に、運転継続時間に対する運転者が入力するペダル踏力の値で疲労度合いを決定した(ステップ151)後、瞬発系比率分のアシスト量が補充される処理(バイアス処理)が行われる(ステップ152)。瞬発系比率分のアシスト量は、筋肉稼働量の持久系比率の最低比率をバイアス閾値とすることで(図27を参照)、アシストバイアス量(=係数×(瞬発系比率−閾値))で与えられる値が、瞬発系に必要なアシスト力として算出される。
これは、瞬発系の筋肉稼働量が大きいと推定される場合は、急坂上りや急加速を要求する等、高負荷がかかっている場合が経験的に多いため、アシスト量を増やすようなバイアス処理が行われるようにするためである。
疲労度合い決定後、図22と同様に、体力回復の確認し(ステップ122)、停止・再発進履歴を確認し(ステップ123)、疲労度合いの推定処理を終了する(ステップ124)。ステップ122及びステップ123で行う処理は、図23及び図24で説明したものと同様である。
図18による走行パターン推定を備えた処理によれば、ユーザの目標値と走行履歴から走行パターンを推定するに際して、アシスト量の算出にあたり疲労度合いが考慮されるので、疲労度合を加味してバッテリ充電量をより効果的に使用した制御を行うことができる。
上述した電動補助自転車における補助力制御装置によれば、電動自転車の使用に際してユーザが予定走行距離や希望する平均車速を予め入力することで、これらの値とバッテリ充電量(使用可能量)を考慮したアシスト量に変更することにより、予定走行距離に対してバッテリ充電量を使い切るように、効果的なアシスト率を設定可能とすることができる。
その結果、モータによる補助を効果的に受けることができるので、疲労が生じにくいアシストを行うことができる。
1…停止履歴・疲労回復検出手段(車速センサ)、 2…踏力検出手段(踏力センサ)、 3…クランク角検出手段(クランク角センサ)、 5…モータ、 6…モータ駆動回路、 7…疲労検出手段、 8…ユーザ入力手段、 8a…予定走行距離入力手段、 8b…平均車速入力手段、 10…アシスト量制御部、 11…アシスト量設定部、 12…疲労強度推定部、 13…走行パターン推定部、 20…駆動力アシスト量設定手段、 50…電動補助自転車、 60…アシスト駆動ユニット、 61…アシストスプロケット、 67…モータ駆動軸、 71…クランク軸、 72…ペダル、 73…クランク、 f…回転トルク値、 F…踏力実効値。

Claims (9)

  1. 自転車のペダルに対して印加される踏力を検知する踏力検出手段(2)と、バッテリを動力源とし前記踏力に対して補助力を印加するモータ(5)と、前記踏力に応じて補助力の印加度合となるアシスト率を決定するアシスト量制御部(10)とを備えた電動補助自転車の補助力制御装置において、
    ユーザにより自転車使用に際しての予定走行距離を入力する予定走行距離入力手段(8a)を備え、
    前記アシスト量制御部(10)は、前記予定走行距離とバッテリ充電量とを考慮して前記アシスト率を変更すると共に、
    前記予定走行距離に応じて前記アシスト率を変更するに際し、予定走行距離入力後に既に走行した距離を考慮した残りの距離でアシスト量を決定することを特徴とする電動補助自転車の補助力制御装置。
  2. 前記予定走行距離入力手段(8a)に入力される予定走行距離は、1日あたりの走行距離である請求項1に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  3. 前記予定走行距離入力手段(8a)に入力される予定走行距離は、前記バッテリの1充電あたりの走行距離である請求項1に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  4. ユーザにより自転車使用に際しての申告平均車速を入力する平均車速入力手段(8b)を備え、
    前記アシスト量制御部(10)は、前記申告平均車速を考慮して予定走行距離における前記アシスト率を変更する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  5. 前記踏力、前記自転車の車速等のパラメータに基づいてユーザの疲労状態を検知する疲労強度を推定する疲労強度推定部(12)を備え、
    前記アシスト量制御部(10)は、前記疲労強度を考慮して前記アシスト率を変更する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  6. 前記疲労状態を考慮して前記アシスト率を変更するか否かをユーザが選択可能にする選択手段を備えた請求項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  7. 前記アシスト量制御部(10)は、運転者の走行履歴における平均車速付近に対する踏力のバラツキを考慮して減速器(変速ギヤ)による出力補正を行ってアシスト率を算出する請求項1に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  8. ユーザにより自転車使用に際しての始点位置と終点位置の地図データを入力する地図データ入力手段を備え、
    前記アシスト量制御部(10)は、前記地図データから得られた距離、高低差を考慮して前記アシスト率を変更する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
  9. 前記地図データは、位置情報を取得可能な移動体端末を介して前記地図データ入力手段に入力される請求項に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
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