JP5947830B2 - 電動アシスト自転車及び電動アシスト自転車の補助力算出方法 - Google Patents

電動アシスト自転車及び電動アシスト自転車の補助力算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動アシスト自転車及び電動アシスト自転車の補助力算出方法に係り、特に、センサで検知されるペダル踏力に応じて駆動力補助を行う電動アシスト自転車及び電動アシスト自転車の補助力算出方法に関する。
従来から、人力によるペダル踏力を検知してモータによる駆動力補助を行う電動アシスト自転車において、乗員のさらなる負担軽減が可能となるアシスト力を得るための制御方法が検討されている。
特許文献1には、ペダルのクランク軸に設けられた非接触センサ等で検知されるペダル踏力の情報に加え、クランク角度の関数として予め定められたアシスト比パターンを備え、このアシスト比パターンに基づいてクランク角度に応じたアシスト力(補助力)を算出できるようにした電動アシスト自転車が開示されている。
特開2008−254592号公報
通常、電動アシスト自転車のアシスト力は、センサで検知されたペダル踏力に比例するものとされる。したがって、所定のクランク間隔で発生する踏力のピークにおいて最も大きなアシスト力を重畳させることができ、乗員の負担をある程度までは軽減させることができる。
ところで、近年の人間工学の研究においては、人間が感じる疲労と力積との間に所定の相関関係があることが見出された。すなわち、力積が大きいほど、人間は大きな疲労を感じるという特性が見出された。したがって、出願人は、この特性を用いて走行時における乗員の負担を軽減できる電動アシスト自転車を開発するに至った。
なお、特許文献1の技術も、基本的にはペダル踏力に比例したアシスト力を供給するものであり、走行時における乗員の負担軽減を可能とするアシスト力を供給することに関しては検討されていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、乗員がペダルを漕いだ際の負担を軽減できるアシスト力を発揮できる電動アシスト自転車及び電動アシスト自転車の補助力算出方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、クランクペダル(13L,13R)に印加されるペダル踏力(F)を検知する踏力検出手段(SE3)と、前記ペダル踏力(F)に補助力(T)を重畳させる補助力モータ(17)と、前記補助力(T)を計算して前記補助力モータ(17)に前記補助力(T)の出力制御を行う制御部(16)とを有する電動アシスト自転車(1)において、前記制御部(16)は、前記ペダル踏力(F)と単位クランク角度の通過時間(Δt)とに基づいてペダル踏力(F)の力積(F・Δt)を求め、該力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出する点に第1の特徴がある。
また、前記クランクペダル(13L,13R)は、クランク軸(14)に固定された左右一対のペダルクランク(12L,12R)に回転自在に軸支されており、前記力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出することにより、前記ペダル踏力(F)のピーク(P1,P2)が現れる前記クランク軸(14)のクランク角度より手前の所定角度(θ)の範囲に、前記補助力(T)のピーク(Pc,Pd)が現れるように構成されている点に第2の特徴がある。
また、前記制御部(16)は、前記力積(F・Δt)を単位クランク角度毎に演算し、現在の単位クランク角度から1回転前までの力積(F・Δt)の平均値(A)を継続的に更新し、現在の単位クランク角度で求められた前記力積(F・Δt)の値と前記平均値(A)とを比較することで前記補助力(T)を算出する点に第3の特徴がある。
また、クランクペダル(13L,13R)に印加されるペダル踏力(F)を検知する踏力検出手段(SE3)と、前記ペダル踏力(F)に補助力(T)を重畳させる補助力モータ(17)と、前記補助力(T)を計算して前記補助力モータ(17)に前記補助力(T)の出力制御を行う制御部(16)とを有する電動アシスト自転車(1)の補助力算出方法において、前記制御部(16)が、前記ペダル踏力(F)と単位クランク角度の通過時間(Δt)とに基づいてペダル踏力(F)の力積(F・Δt)を求める手順と、前記制御部(16)が、前記力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出する手順とを有する点に第4の特徴がある。
第1,4の特徴によれば、制御部は、ペダル踏力と単位クランク角度の通過時間とに基づいてペダル踏力の力積を求め、該力積に応じて補助力を算出するので、ペダル踏力に比例して補助力(アシスト力)を供給する方式に対して、乗員のペダルを踏むことによる負担の大きさに応じて補助力を提供することができる。したがって、ペダルの漕ぎ始めにかかる力積が大きいところでは大きなアシスト力を提供することができるので、乗員における負担を軽減することができる。
第2の特徴によれば、クランクペダルは、クランク軸に固定された左右一対のペダルクランクに回転自在に軸支されており、力積に応じて補助力を算出することにより、ペダル踏力のピークが現れるクランク軸のクランク角度より手前の所定角度の範囲に、補助力のピークが現れるように構成されているので、ペダルを踏み下ろすにつれて膝の曲がりが小さくなって体重が乗せやすくなる位置、すなわち、力を入れやすいクランク角度より手前のクランク角度でのアシスト力を大きくすることで、ペダルを漕ぎやすくすることができる。
第3の特徴によれば、制御部は、力積を単位クランク角度毎に演算し、現在の単位クランク角度から1回転前までの力積の平均値を継続的に更新し、現在の単位クランク角度で求められた力積の値と平均値とを比較することで補助力を算出するので、クランク1回転前の状態と比較することにより、例えば、アシスト力が急激に変化するような場合にはこれをセンサノイズ等のエラーとして排除してアシスト力の適正化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電動アシスト自転車の左側面図である。 電動アシスト自転車の要部を示す左側面図である。 電動アシスト自転車の要部を示す右側面図である。 図3のA−A線断面図である。 モータ制御部およびその周辺の構成を示すブロック図である。 ペダルクランクの模式図である。 登坂路走行中のペダル踏力の推移を示すグラフである。 登坂路走行中の力積の推移を示すグラフである。 力積に応じて算出されたアシストトルクの推移を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電動アシスト自転車1の左側面図である。図2は、図1の電動アシスト自転車1の要部を示す左側面図であり、図3は同右側面図であり、図4は図3のA−A線断面図である。
電動アシスト自転車1は、車体前方に位置するヘッドパイプ3と、該ヘッドパイプ3から後方かつ下方に延びるダウンフレーム2と、ダウンフレーム2の後端から上方に立ち上がるシートパイプ6とを備える。ヘッドパイプ3には、下方に延びるフロントフォーク5が操舵可能に接続されており、このフロントフォーク5の下端に前輪WFが軸支されている。ヘッドパイプ3の上端にはハンドル4が設けられており、ハンドル4の両端には、前後輪のブレーキレバー44が左右一対で取り付けられている。ブレーキレバー44の支持部には、ブレーキ操作を検知するためのブレーキスイッチSWが設けられている。
ダウンフレーム2の後端には、後方に延びるリヤフォーク11が配設されており、このリヤフォーク11の後端に後輪WRが軸支されている。シートパイプ6の上部とリヤフォーク11の後部との間には、左右一対のステー10が配設されている。
ダウンフレーム2およびリヤフォーク11は、アシスト駆動ユニット24を支持している。シートパイプ6には、シート7の上下位置を調整可能とするシートポスト8が支持されている。シートパイプ6の後方には、アシスト駆動ユニット24に電力を供給するバッテリ9が支持部20によって着脱可能に取り付けられている。
車幅方向に延びるクランク軸14は、アシスト駆動ユニット24およびスプロケット15を貫通して配設されている。クランク軸14の両側には、ペダル13Lを有する左側のクランク12Lと、ペダル13Rを有する右側のクランク12Rとが固定されており、運転者がペダル13L,13Rを漕ぐ(踏む)ことにより、クランク軸14に回転トルクが与えられる。クランク軸14は、筒状の中空部材42の内側にワンウェイクラッチ78(図3参照)を介して回転自在に軸支されており、この中空部材42の外周側にスプロケット15が固定されている。スプロケット15の回転は、チェーン22を介して後輪WR側のスプロケット23に伝達される。
アシスト駆動ユニット24は、その筐体としてのケース26の内部に、ブラシレスモータ(以下、単にモータと示すこともある)17と、モータ17を駆動させる駆動ドライバ25と、後述するペダル踏力センサの出力値に基づいて駆動ドライバ25のPWM制御を行うコントローラ16と、モータ17の駆動軸18と噛み合って回転する駆動ギヤ35と、駆動ギヤ35と一体となって回転する出力軸33と、出力軸33と噛み合って回転する出力ギヤ27が含まれる。
出力ギヤ27は、スプロケット15と同様に、クランク軸14の中空部材42に固定されている。出力軸33は、左側ケース半体28に固定されたベアリング48および右側ケース半体29に固定されたベアリング49によって回転自在に支持されている。
モータ17の駆動軸18には、モータ17の回転速度を検知するモータ回転速度センサSE1が設けられている。また、前輪WFの車軸には車速センサSE2が設けられており、クランク軸14には運転者によるペダル踏力を検知するペダル踏力センサSE3が設けられている。モータ回転速度センサSE1は、モータ17の駆動軸18の外周部に設けられた磁石およびホールICからなる。また、ペダル踏力センサSE3は、クランク軸14の外周部に配設された磁歪式のトルクセンサ37(図4参照)からなる。なお、車速センサSE1は、後輪WR等に設けてもよい。
モータ制御部(制御部)としてのコントローラ16は、トルクセンサ37によって検出された回転トルク値から運転者が鉛直方向にペダル13L、13Rを踏む力を算出し、この踏み力に基づいて適切なアシストトルクが発生するように、モータ17の駆動ドライバ25をPWM制御する。
駆動ドライバ25は、U相、V相およびW相からなる3相のスイッチング素子を有する。コントローラ16は、所定のデューティ比でUVW相の各スイッチング素子をオン・オフ制御することで駆動ドライバ25をPWM制御する。駆動ドライバ25は、このPWM制御によりバッテリ9の直流電力を3相交流電力に変換して、モータ17のU相、V相およびW相の各ステータコイルに通電する。
モータ17が発生したアシストトルクは、駆動軸18および駆動ギヤ35を介して出力軸33に伝達される。出力軸33に伝達されたアシストトルクは、出力ギヤ27を介してクランク軸14の中空部材42に伝達される。これにより、運転者がクランク軸14に与えた回転トルクおよびモータ17が与えたアシストトルクの合力が、チェーン22を介して後輪側のスプロケット23に伝達されることとなる。
モータ17は、円周方向に交互に配置された例えば8個のN極およびS極の永久磁石を有するロータ32と、該ロータ32の外周部を覆うように径方向で対向配置され、ロータ32を回転させる回転磁界を発生する3相のステータ巻線を有する例えば12個のステータ30とを備える。駆動軸18はロータ32に固定され、これと一体に回転する。
アシスト駆動ユニット24は、ワンウェイクラッチ78の作用によって、ペダル13L,13Rを前進方向(正方向)に漕いだ場合にはスプロケット15を回転させ、ペダル13L,13Rを逆方向に漕いだ場合にはスプロケット15を回転させない機構を有する。
ワンウェイクラッチ78は、クランク軸14と、クランク軸14の外周に挿嵌される中空部材42との間に設けられている。クランク軸14の図示右端側(図4参照)は、ベアリング38によってケース26の右側ケース半体29に軸支されている。中空部材42の図示左端側(図4参照)は、ベアリング43によってケース26の左側ケース半体28に軸支されている。中空部材42の左端側の外周部には、スプロケット15を固定するためのスプラインが形成されている。
正方向にペダル13L,13Rが漕がれると、クランク軸14が回転すると共に、ワンウェイクラッチ78が係合して中空部材42が回転する。一方、正方向と反対方向にペダル13L,13Rが漕がれると、クランク軸14は回転するが、ワンウェイクラッチ78が空転して中空部材42は回転しない。また、後輪WRの回転によってスプロケット15が従動回転される場合は、モータ17は従動回転するものの、この従動回転による動力はペダル13L,13Rに伝わらないこととなる。
トルクセンサ37は、中空部材42の外周部分に支持部材36によって支持されており、中空部材42には磁性膜41が設けられている。支持部材36は、トルクセンサ37が磁性膜41に対向し、かつ中空部材42と相対回転可能となるようにトルクセンサ37を支持する。トルクセンサ37は、中空部材42が回転することで発生する磁歪によって生じる各検出コイル39,40のインダクタンスの変化を電圧に変換してコントローラ16に出力する。トルクセンサ37は、所定の周期で回転トルク値を検出する。
モータ17の回転速度を検出するモータ回転速度センサSE1は、モータ17の駆動軸18に固定された磁石と、この磁石の通過状態を検出するホールICとから構成されている。モータ17を保護するカバー60は、モータ17の外周に沿って配設される複数のボルト34によってケース26に取り付けられている。モータ17の駆動軸18は、ロータ32の左右の位置で、モータカバー60に固定されるベアリング27および右側ケース半体29に固定されるベアリング50によって回転自在に軸支されている。
モータ17は、クランク軸14の車体前方かつ下方でトルクセンサ37と区画された空間に収納配置されている。駆動ドライバ25およびコントローラ16は、トルクセンサ37の車体下方でケース26の壁面に固定されている。
モータ17の駆動軸18と出力軸33との間は、常時動力が伝達されるように構成されており、後輪WRが従動回転する際にはモータ17も従動回転することとなる。これにより、制動時、下り坂および平坦な路面を惰性走行する際等に、モータ17を発電機として作動させて回生発電を実行することが可能となる。
図5は、アシスト/回生制御を実行するモータ制御部およびその周辺の構成を示すブロック図である。モータ制御部(コントローラ)16には、モータ回転数センサSE1(ホールICおよび磁石)、車速センサSE2、ペダル踏力センサSE3(トルクセンサ37)からのセンサ情報およびブレーキスイッチSWからの情報がそれぞれ入力される。モータ制御部16は、これらの情報に基づいて、モータ17を発動機として駆動してアシストトルクを与える一方、モータ17を発電機として駆動して回生発電し、この発電によりバッテリ9を充電する制御を実行できるように構成されている。
モータ制御部16には、力積算出手段80、アシストトルク算出手段81およびタイマ82が含まれている。本願発明では、アシストトルクの大きさを決定するためにペダル踏力の力積を用いるように構成されており、力積算出手段80は、力積[Ns]=力[N]×作用時間[s]の演算式で、ペダルクランクが所定角度回動する間のペダル踏力の力積を算出する。アシストトルク算出手段81は、力積算出手段80で算出された力積や車速等のパラメータに応じてアシストトルクを算出する。タイマ82は各種時間を計測するものであり、モータ回転速度センサSE1を構成するホールICから出力されるパルサ信号情報に基づいてモータ17の回転速度を算出したり、ペダル踏力の力積を算出するための時間情報を得ることができる。
図6は、ペダルクランクの模式図である。また、図7は登坂路走行中のペダル踏力Fの推移を示すグラフである。図7では、同じ車速で2種の登坂路を走行した場合のペダル踏力の推移を比較している(高登坂:実線、低登坂:破線)。
乗員によるペダル踏力は、登坂路等でペダル負荷が大きくなるほどにクランク1回転中の変動量が大きくなる。これは、左右のペダルを交互に踏み下ろす力でクランク軸を回すという構造上、力を入れやすいクランク角度とそうでないクランク角度との間でペダル踏力の差が生じるためである。
一方、図7に示すように、ペダル踏力のピークP1,P2が現れるクランク角度は、登坂角度の大小に基づくペダル踏力の大小にかかわらずほぼ同じとなる。これは、ペダルを踏み下ろすにつれて膝の曲がりが小さくなって体重が乗せやすくなる位置、すなわち、力を入れやすいクランク角度が変わらないためである。ピークP1,P2が現れるクランク角度は、主に乗員の体格(足の関節間の長さ等)および(自転車の寸法シートからクランク軸までの距離等)に起因するものであり、本実施形態では、ペダルクランクが水平となる手前20〜30度あたりに現れている。そして、クランク軸の回転速度は、ペダル踏力の大きさに比例してペダル踏力のピーク時に最も速くなる。
ここで、アシストトルクの算出にあたっては、あくまでも乗員の入力を補助するものとするならば、実際のペダル踏力に比例させるのが適切といえる。この手法によれば、アシストトルクのピークは、ペダル踏力のピークと一致することとなる。
しかしながら、本願発明者らが乗員の負担に関する官能試験を重ねたところ、アシストトルクのピークをペダル踏力のピークP1,P2より少し手前にずらしてやることで、アシストトルクの大きさが同じであっても、従来の方法よりペダルを漕ぐのが楽になった(軽くなった)と感じることが明らかとなった。
このピークP1,P2より少し手前の所定角度θ(例えば、30〜60°)の範囲は、ペダルを踏む足を切り替えて力を入れ始める段階、いわば、ペダル踏み込み動作の初期段階にあたる。したがって、所定角度θの範囲では、まだクランク軸速度が小さく、単位クランク角度の通過時間も長くなる。
これに対し、本願発明者は、ペダル踏力に応じて単位クランク角度の通過時間が変化することに着目し、時間をパラメータに含む運動量である「力積」を用いることで、走行時における乗員の負担が軽減されるアシストトルクの供給を可能としている。
力積[Ns]は、力[N]×作用時間[s]の演算式で算出される。すなわち、ペダル踏力積(F・Δt)は、ペダル踏力(F)×単位クランク角度の通過時間(Δt)の演算式で算出することができる。なお、単位クランク角度は、回転角度センサとして用いられるモータ回転速度センサSE1の分解能や演算装置の処理速度に応じて任意に設定(例えば、3度)することができる。
図8は、登坂路走行中の力積(ペダル踏力積)F・Δtの推移を示すグラフである。このグラフでは、図7と同様に、同じ車速で2種の登坂路を走行した場合の力積の推移を比較している(高登坂:実線、低登坂:破線)。
このグラフに示すように、力積のピークPa,Pbは共に所定角度θの範囲に収まることとなる。これは、所定角度θの範囲では、ペダル踏力はピークP1,P2に比して小さいものの、クランク回転速度も小さいために単位クランク角度を通過する時間が長くなるためである。これにより、力積に基づいてアシストトルクを算出すれば、そのピークが所定角度θの範囲に収まるアシストトルク波形が得られることとなる。
図9は、力積に応じて算出されたアシストトルクTの推移を示すグラフである。このグラフでも、同じ社則で2種の登坂路を走行した場合のアシストトルクの推移を比較している(高登坂:実線、低登坂:破線)。
本実施形態において、力積に基づいてアシストトルクを算出するには、まず、クランクが単位クランク角度を移動するまでの力積(クランクトルク積)の演算が実行される。次に、このクランクトルク積をクランク1回分の単位クランク角度において演算し、クランク1回転分のクランクトルク積の平均値(A)を算出する。そして、該平均値(A)と現在の単位クランク角度でのクランクトルク積とを比較し、その大きさの比に基づいて現在のアシストトルクを算出することとなる。
換言すれば、制御部が、力積を単位クランク角度毎に演算し、現在の単位クランク角度から1回転前までの力積の平均値(A)を継続的に更新し、現在の単位クランク角度で求められた力積の値と平均値(A)とを比較することでアシストトルクを算出するのであり、これにより、アシスト力が急激に変化するような場合にはこれをセンサノイズ等のエラーとして排除し、アシスト力の適正化を図ることが可能となる。
本実施形態では、アシストトルクの算出にあたり、法規で定められた車速上昇に伴うアシストトルク上限値を考慮している。このため、アシストトルクのピークPc,Pdの絶対値の差は小さくなっているが、ピークPc,Pdはいずれも所定角度θの範囲に収まっている。これにより、ペダル踏込位置である所定角度θの範囲で適切なアシストトルクが得られ、走行時における乗員の負担軽減が可能となる。
上記したように、本発明に係る電動アシスト自転車によれば、ペダル踏力と単位クランク角度の通過時間とに基づいて求められたペダル踏力積に応じて、アシストトルクを算出するので、乗員がペダルに力が入れにくくペダルの回転速度が小さくなる部分を中心にアシストトルクを供給することができる。これにより、乗員がペダルに力を入れにくい位置でアシストトルクが供給され、走行時における乗員の負担軽減が可能となる。
なお、電動アシスト自転車の構造や各部の寸法、踏力センサの構造、ペダル踏力積の算出方法、ペダル踏力積に基づくアシストトルクの算出方法、単位クランク角度の設定値等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。
1…電動アシスト自転車、9…バッテリ、12L,12R…クランク、13L,13R…ペダル(クランクペダル)、14…クランク軸、16…コントローラ(制御部)、17…モータ、24…アシスト駆動ユニット、26…ケース、80…力積算出手段、81…アシストトルク算出手段、82…タイマ、SE1…モータ回転速度センサ(ホールICおよび磁石)、SE2…車速センサ、SE3…ペダル踏力センサ(踏力検出手段)、F…ペダル踏力、F・Δt…ペダル踏力積(力積)、T…アシストトルク(補助力)、Δt…単位クランク角度の通過時間、θ…所定角度

Claims (4)

  1. クランクペダル(13L,13R)に印加されるペダル踏力(F)を検知する踏力検出手段(SE3)と、前記ペダル踏力(F)に補助力(T)を重畳させる補助力モータ(17)と、前記補助力(T)を計算して前記補助力モータ(17)に前記補助力(T)の出力制御を行う制御部(16)とを有する電動アシスト自転車(1)において、
    前記制御部(16)は、前記ペダル踏力(F)と単位クランク角度の通過時間(Δt)とに基づいてペダル踏力(F)の力積(F・Δt)を求め、該力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出することを特徴とする電動アシスト自転車。
  2. 前記クランクペダル(13L,13R)は、クランク軸(14)に固定された左右一対のペダルクランク(12L,12R)に回転自在に軸支されており、
    前記力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出することにより、前記ペダル踏力(F)のピーク(P1,P2)が現れる前記クランク軸(14)のクランク角度より手前の所定角度(θ)の範囲に、前記補助力(T)のピーク(Pc,Pd)が現れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト自転車。
  3. 前記制御部(16)は、
    前記力積(F・Δt)を単位クランク角度毎に演算し、
    現在の単位クランク角度から1回転前までの力積(F・Δt)の平均値(A)を継続的に更新し、
    現在の単位クランク角度で求められた前記力積(F・Δt)の値と前記平均値(A)とを比較することで前記補助力(T)を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動アシスト自転車。
  4. クランクペダル(13L,13R)に印加されるペダル踏力(F)を検知する踏力検出手段(SE3)と、前記ペダル踏力(F)に補助力(T)を重畳させる補助力モータ(17)と、前記補助力(T)を計算して前記補助力モータ(17)に前記補助力(T)の出力制御を行う制御部(16)とを有する電動アシスト自転車(1)の補助力算出方法において、
    前記制御部(16)が、前記ペダル踏力(F)と単位クランク角度の通過時間(Δt)とに基づいてペダル踏力(F)の力積(F・Δt)を求める手順と、
    前記制御部(16)が、前記力積(F・Δt)に応じて前記補助力(T)を算出する手順とを有することを特徴とする電動アシスト自転車の補助力算出方法。
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