JP5960566B2 - 電動補助自転車の補助力制御装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、例えば、人体指標が心拍数のみで決まる場合、同じ心拍数により人的指標が同じ値であっても、運転継続時間等の運転状況の相違により運転者が感じる疲労度合いは異なるので、アシスト量が運転者の感覚にそぐわない場合が発生するという課題があった。
車両の速度を検知する車速センサ(1)を備えるとともに、
前記アシスト量制御部(10)は、前記踏力と前記車速から基本アシスト量を演算設定する基本アシスト量設定部(11)と、運転者の疲労強度を推定し前記基本アシスト量を増減補正する疲労強度推定部(12)と、前記運転者の走行履歴を学習する履歴学習手段(13)とを備え、前記疲労強度推定部(12)は、前記履歴学習手段(13)に基づきアシスト増減量を算出することを特徴としている。
アシスト係数=係数×(閾値−分布率差)
で求めることを特徴としている。
その結果、モータを効率的に駆動できるので、1回の充電において安定した走行距離の確保を可能とすることができる。
ことを特徴としている。
運転者によりクランク軸71に与えられるペダル踏力(回転トルク値f)は、図3に示すように、運転者がペダル72を漕いだときに発生する踏力Fの回転方向の分力であり、実際に運転者がペダルに与えた踏力(踏力実効値)Fとは異なる。回転トルク値fと踏力Fとは、回転トルク値f=踏力F×cosθの関係式で表すことができる。運転者は、ペダル72L,72Rを漕ぐときには、ペダル72L,72Rを鉛直方向に踏むので、踏力Fの方向は鉛直方向となる。
また、クランク軸71の近傍位置には、クランク軸71に連結されるクランク73のクランク角度を検出するクランク角センサ3が装着されている。
アシストトルク(アシスト力)は、踏力センサ2の出力に応じて決定される。その際、踏力と車速から運転者の運転状況に応じた基本アシスト量を演算設定するとともに、運転者の疲労強度を推定し基本アシスト量を増減補正するように制御する。基本アシスト量の演算及び疲労強度の推定によるアシストトルクの算出手順の詳細については後述する。
アシスト駆動力制御装置は、図3に示すように、車両の速度を検知する車速センサを有する停止履歴・疲労回復検出手段1と、踏力センサを備えてペダルに生じる踏力(回転トルク値)を検出する踏力検出手段2と、前記ペダルが連結されるクランク軸の角度を検出するクランク角センサを備えるクランク角検出手段3と、運転者の疲労を検出する疲労検出手段7と、駆動力の補助を行うモータ5と、駆動力のアシスト量を制御するアシスト量制御部10と、アシスト量制御部10からの駆動信号に基づいてモータ5の駆動を行うモータ駆動回路6を備えて構成されている。
アシスト駆動力制御装置は、電動補助自転車の使用に際して予定走行距離等のユーザが申告する情報を入力するユーザ入力手段8を備えている。
また、アシスト駆動力制御装置は、疲労度合いを考慮するアシスト機会を少なくするパワーモード、ノーマルモード、疲労度合いを考慮するアシスト機会を多くして節電を図るエコモードを選択するハンドルスイッチであるモード切換手段4を備えている。
平均車速入力手段8aは、電動補助自転車の走行時に希望する平均速度(停止時間を除いた平均速度)や、何ワットの負荷で走行する等の走行負荷に関する情報を入力する。
また、疲労度を推定するに際して、疲労検出手段7の各種センサから検出された情報を考慮してもよい。
また、基本アシスト量は、後述する疲労強度推定部12により推定される疲労強度により補正されるようになっている。
疲労強度推定部12は、踏力や車速の履歴から車両停止及び再発進の回数を検出し、検出されたデータを疲労強度に反映させる。すなわち、再発進の回数が多くなるに従って疲労強度の値を増加させる。
疲労強度推定部12は、踏力や車速の履歴から検出された車両停止時間から疲労回復を推定して疲労強度に反映させる。例えば、連続した車両停止時間が所定値以上になった場合に、疲労回復したと判断し、疲労強度の値を減少させる制御を行う。
すなわち、図20に示すように、ペダル回転数に対する出力点をプロットし、ユーザの出力平均値(又は後述する申告出力値や指定出力値)付近のプロットによる分布グラフ(横軸がペダル回転数、縦軸が分布率)が作成されている。このグラフから一定出力範囲に対する分布が求められる。自転車走行においては、平坦な道であれば一定出力で走行する状況が多いので、出力分布のバラツキが多い場合は「疲労している」と判断することができる。
分布グラフから最頻値と最小値との差分(分布率差分)を算出し、分布率差分よりアシスト係数が決定される。アシスト係数は、係数×(閾値−分布率差分)で与えられる。係数は、予め定められた値である。閾値は予め設定された値であるが、図21に示すように、運転持続時間が長くなると増加するように設定されている。これは、運転持続時間の増加に伴ってアシスト量を多くするためである。
履歴学習手段(13)は、運転者の走行履歴における平均出力値付近に対するペダル回転数の分布率(図20)を使用し、分布率による最頻値と最少値との差分(分布率差分)を基に前記アシスト増量を算出する。もっとも、最頻値に代えて、平均値や中央値と最小値との差分(分布率差分)に基づいて算出を行ってもよい。
アシスト量計算手段22は、基本アシスト量設定部11により設定された基本アシスト量に対して、疲労強度推定部12が推定した疲労強度(アシスト係数)を乗じた値がアシスト量として算出される。
電動補助自転車の走行時において、アシスト走行のモードが選択されている場合(ステップ100)、先ず、ハンドルスイッチ4のモードがパワーモード、ノーマルモード、エコモードのいずれかであるかについて判定し、選択されたモードに応じた閾値(ペダル踏力値)と踏力検出手段2で算出された踏力値(ペダル踏力値)との比較を行う(ステップ101)。このステップは、疲労度合いを考慮したアシストを行うか否かを判断するものであり、ペダル踏力値に関する閾値は、パワーモード、ノーマルモード、エコモードの順に高くなるように設定されている。閾値が高くなるほど、疲労度合いを考慮する機会を多くして効率良いアシスト量を設定して電力消費が少なくなるように設定されている。
踏力値(ペダル踏力値)が閾値以上である場合には、アシスト量を演算するに際して疲労度合いを考慮する必要がないと判断し、通常のアシスト制御(通常アシスト制御)が行われる。
また、通常アシスト制御では、踏力比例制御に代えて、車速比例制御によりアシスト量を算出しても良い。
次に、運転履歴である運転持続時間と予め設定した時間である閾値との比較を行う(ステップ103)。閾値(時間)は、例えば、一般人が継続して平均的な速度で自転車を漕いで運動した場合に疲労を感じる時間に設定する。
運転持続時間が閾値以上である場合には、運転者が疲労していると判断し、疲労度合いの推定を行う(ステップ104)。ステップ104における疲労度合いの推定の詳細手順については後述する。
前回周期のペダル踏力(回転トルク値)の呼び出し(ステップ106)、前回周期の踏力を考慮した駆動アシスト量の計算(ステップ107)が行われる。
この例によれば、ステップ105で行われるアシスト量の計算の後に、疲労検出装置7の各センサで検出した情報を考慮したアシストを行うため、回転するペダルにおいて前回周期に生じる踏力をフィードバックして補正演算処理し(ステップ112)、アシスト力を決定する(ステップ105)。
疲労度合いの推定(ステップ104)を行う場合、先ず、前回運転履歴補正を行う(ステップ201)。前回運転履歴補正は、疲労強度推定部12で疲労推定を行うに際して、履歴学習手段13でユーザによる過去の運転履歴を考慮してアシスト増減を算出するために行われる。
運転履歴の有無を確認する(ステップ202)。
運転履歴無しの場合、計算終了する(ステップ205)。
運転履歴有の場合、前回アシスト係数を呼び出す(203)。
今回のアシスト係数を決定する(ステップ204)。
アシスト係数の決定は、図11に示すように、疲労軽減効果を評価し(ステップ206)、分布率比較によるアシスト量の増減を決定し(ステップ211)、計算を終了する(ステップ205)。
走行開始からのペダル入力−ペダル回転数呼び出し(ステップ212)。
ユーザにより平均速度入力手段8aに入力された平均速度(負荷情報)の有無(申告値の有無)を判断する(ステップ213)。
申告値が無い場合、指定出力値周辺での最頻値と割合を計算し(ステップ214)、指定出力値周辺での少ない頻度の割合を計算する(ステップ215)。
すなわち、ユーザの身長・体重等の個人情報を読み込み(ステップ221)、人間の最大出力を計算し(ステップ222)、個人情報で補正を行うことで個別ユーザの指定出力値を計算する(ステップ223)。
また、申告値が無い場合の指定出力値について、図14のように、推定出力値周辺での最頻値と割合の計算時に、予め入力されている初期設定値を読み込むようにしてもよい(ステップ224)。
分布率の閾値値を判定する(ステップ219)。閾値は、図21に示すように、運転持続時間が長くなると増加するように設定されている。
アシスト量補正のためのアシスト係数(係数×(閾値−分布率差分))を決定する(ステップ220)。
そして、疲労強度推定部12では、疲労度合いを補正して得られる疲労強度(アシスト係数)が推定される。
この体力回復の確認は、図15に示した手順によって行われる。
先ず、体力回復状態を判定する(ステップ131)。体力回復状態の判定は、疲労検出手段7の各種センサからのデータを解析することで判断する。
体力回復「有」と判定された場合、停止履歴・疲労回復検出手段1で検出されて記憶されている前回停止時間を呼び出す(ステップ132)。
呼び出された停止時間の長さから停止による回復分を計算し(ステップ133)、体力回復確認処理を終了する(ステップ134)。
ステップ151で体力回復「無」と判定された場合は、そのまま体力回復確認処理を終了する(ステップ134)。
この停止・再発進履歴の確認は、図16に示した手順によって行われる。
先ず、再発進履歴の有無を確認する(ステップ141)。再発進履歴は、停止履歴・疲労回復検出手段1で検出されたデータで判断される。
再発進履歴があった場合、踏力検出手段2で検出されて記憶されている前回周期の踏力を呼び出す(ステップ142)。
停止時間の長さによる体力の回復分を計算し(ステップ143)、停止・再発進履歴確認処理を終了する(ステップ144)。
ステップ141で再発進履歴がなかった場合は、そのまま停止・再発進履歴確認処理を終了する(ステップ144)。
疲労度合いの推定(ステップ104)を行う場合、先ず、前回運転履歴補正を行う(ステップ201)。前回運転履歴補正は、疲労強度推定部12で疲労推定を行うに際して、履歴学習手段13でユーザによる過去の運転履歴を考慮してアシスト増減を算出するために行われるものであり、既に説明した図10の手順で行われる。
逆に、出力経過時間から持久系比率が判定閾値より小さいと推定される場合は、ステップ121と同様に、運転継続時間に対する運転者が入力するペダル踏力の値で疲労度合いを決定した(ステップ151)後、瞬発系比率分のアシスト量が補充される処理(バイアス処理)が行われる(ステップ152)。瞬発系比率分のアシスト量は、筋肉稼働量の持久系比率の最低比率をバイアス閾値とすることで(図19を参照)、アシストバイアス量(=係数×(瞬発系比率−閾値))で与えられる値が、瞬発系に必要なアシスト力として算出される。
これは、瞬発系の筋肉稼働量が大きいと推定される場合は、急坂上りや急加速を要求する等、高負荷がかかっている場合が経験的に多いため、アシスト量を増やすようなバイアス処理が行われるようにするためである。
その結果、モータを効率的に駆動できるので、1回の充電において安定した走行距離の確保を可能とすることができる。
Claims (4)
- ペダルに生じる踏力を検出する踏力センサ(2)と、人体の疲労推定を行うアシスト量補正手段を有して前記踏力センサ(2)の出力に応じたアシスト力を決定するアシスト量制御部(10)と、前記アシスト力を発生させて駆動力の補助を行うモータ(5)とを備えた電動補助自転車の補助力制御装置において、
車両の車速を検知する車速センサ(1)を備えるとともに、
前記アシスト量制御部(10)は、
前記踏力と前記車速から基本アシスト量を演算設定する基本アシスト量設定部(11)と、
運転者の疲労強度を推定し前記基本アシスト量を増減補正する疲労強度推定部(12)と、
前記運転者の走行履歴を学習する履歴学習手段(13)とを備え、
前記疲労強度推定部(12)は、前記履歴学習手段(13)に基づきアシスト増減量を算出し、
前記履歴学習手段(13)は、ペダル回転数に対する出力点をプロットし、ユーザの出力平均値付近のプロットによる分布グラフから求めた、一定出力範囲に対するペダル回転数の分布率を使用してアシスト増減量を算出する電動補助自転車の補助力制御装置。 - 前記履歴学習手段(13)は、前記分布率による最頻値と最少値との差分としての分布率差分を基に前記アシスト増減量を算出する請求項1に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
- 前記履歴学習手段(13)で算出するアシスト増減量は、
アシスト係数=係数×(閾値−分布率差分)
で求めた前記アシスト係数に前記基本アシスト量を乗じることで求められる請求項2に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。 - 前記閾値は、電動補助自転車の連続運転時間が長くなるに従って単調に増加する値である請求項3に記載の電動補助自転車の補助力制御装置。
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