以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本発明の地図作成システムは、道路区間の評価情報を収集するための地図情報作成システムと、道路区間に対する評価情報を地図上に反映させた評価反映地図作成システムとの、2つのシステムを有している。そのため、本発明のユーザには、地図情報作成システムを利用して道路区間毎の評価情報を付与する評価側ユーザと、評価反映地図作成システムを利用して、作成された評価反映地図を利用する閲覧側ユーザとがある。両方のユーザが不特定多数の人から構成される。評価側ユーザの一部が閲覧側ユーザと同一人物であってもよい。閲覧側ユーザが評価を行わずに閲覧のみを行ってもよい。
まず、本発明の地図作成システムにおける地図情報作成システムについて説明する。図1は、本実施形態による地図作成システムにおける地図情報作成システムの概略構成を示したブロック図である。本実施形態の地図情報作成システム1は、携帯端末10と、地図情報作成サーバ20と、デジタル地図データベース(DB)30と、道路評価情報データベース(DB)40と、ユーザデータベース(DB)50と、から構成される。なお、以下の説明においては、鞍乗り型車両(以下、「自動二輪車」という)でツーリングを楽しむ際に、本実施形態の地図情報作成システム1を利用する場合について説明する。従って、本実施形態の地図情報作成システム1の利用者(評価側ユーザ)は、自動二輪車のライダーであるものとする。
携帯端末10は、既存の移動体通信網を利用した携帯電話の機能と、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の機能とを融合させた携帯端末、例えば、いわゆる、スマートフォンである。携帯端末10は、後述する地図情報を共有するためのアプリケーション機能を、携帯端末10の評価側ユーザ、すなわち、自動二輪車のライダーに提供するソフトウェアモジュール(以下、「地図情報作成アプリケーション」という)を備えている。そして、地図情報作成システム1を利用する評価側ユーザは、地図情報作成アプリケーションを起動した状態の携帯端末10を携帯して、ツーリングに出かける。以下の説明においては、地図情報作成アプリケーションが起動されている状態であるものとして説明する。
携帯端末10(地図情報作成アプリケーションが起動している)は、携帯端末10自体が備えるGPS(Global Positioning System)11によって取得した携帯端末10自体の位置情報(以下、「GPSログ」という)を、携帯端末10内の記憶部に蓄積する。そして、携帯端末10は、評価側ユーザの指示に応じて、道路区間毎の評価シート(以下、「道路区間評価シート」という)の作成要求とともに、蓄積したGPSログを、移動体通信網を介して地図情報作成サーバ20に送信する。
また、携帯端末10は、地図情報作成サーバ20から移動体通信網を介して送信されてきた道路区間評価シートに対して評価側ユーザが入力した評価点やコメントなどの評価結果の情報(以下、「道路評価データ」という)を、移動体通信網を介して地図情報作成サーバ20に送信する。
なお、評価側ユーザによる地図情報作成アプリケーションの起動や設定は、ツーリングに出発する前に行い、道路評価データの入力は、ツーリングの途中に行うことができる。この場合には、例えば、携帯端末10の表示部に備えた押圧センサなどの操作入力部、すなわち、表示部と操作入力部とを組み合わせて構成されたタッチパネルを利用する。そして、評価側ユーザは、携帯端末10の表示部をタッチ(押下やスライドなど)する操作を行うことによって、操作入力部から地図情報作成アプリケーションの起動や設定、道路評価データの入力を行う。なお、道路評価データの入力は、ツーリングから帰ってきた後に行うこともできる。
地図情報作成サーバ20は、携帯端末10から送信されてきたGPSログに基づいて、携帯端末10が移動した経路、すなわち、自動二輪車が走行したルートが含まれる道路の情報を、例えば、LAN(Local Area Network)などのネットワーク環境を介して、デジタル地図データベース30から取得する。そして、地図情報作成サーバ20は、取得した道路の情報に基づいて、地図情報作成アプリケーションによって予め定められた条件の道路区間毎に道路区間評価シートを作成する。地図情報作成サーバ20は、デジタル地図データベース30から取得した道路の情報と、作成した道路区間評価シートとを、移動体通信網を介して携帯端末10に送信する。
地図情報作成サーバ20がデジタル地図データベース30から取得する道路の情報には、道路名や交差点名などが含まれている。このため、地図情報作成アプリケーションでは、地図情報作成サーバ20から送信されてきた道路区間評価シートの他に、道路の情報も携帯端末10の表示部に表示することができる。これにより、評価側ユーザは、走行してきた道路の名称などを正確に認識することができる。評価側ユーザは、道路区間評価シートに評価点やコメントを入力した評価結果(道路評価データ)を、地図情報作成サーバ20に送信する。
地図情報作成サーバ20は、携帯端末10から送信されてきた各道路区間の道路評価データを、例えば、LANなどのネットワーク環境を介して、道路評価情報データベース40に出力して蓄積させる。
デジタル地図データベース30は、デジタル地図のデータを保有するデータベースである。デジタル地図データベース30は、地図情報作成サーバ20から入力されたGPSログが示す地点の道路名や交差点名などの道路の情報を地図情報作成サーバ20に出力する。
道路評価情報データベース40は、地図情報作成サーバ20から入力された道路評価データを蓄積するデータベースである。道路評価情報データベース40には、デジタル地図データベース30が保有する道路と区間毎に、道路評価データが蓄積されている。道路評価情報データベース40は、地図情報作成サーバ20から入力された道路の情報に基づいて、対応する道路評価データを蓄積する。道路評価情報データベース40は、ユーザデータベース50とリレーションが組まれている。すなわち、ある道路区間の評価情報レコードには、どの評価側ユーザによって当該評価がなされたかを保存するフィールドが含まれている。
ユーザデータベース50は、地図情報作成システム1を利用する評価側ユーザ毎に対応したデータを保有するデータベースである。ユーザデータベース50は、各評価側ユーザがどの道路区間の評価を行ったかを保存するレコードを有している。当該レコードは道路評価情報データベース40の道路区間の評価情報とリレーションが組まれている。また、ユーザデータベース50は、評価側ユーザの要求に応じて、例えば、当該評価側ユーザによって入力された道路評価データや、当該評価側ユーザによって編集された道路評価データを、当該評価側ユーザが閲覧できるように返信することができる。また、それぞれの評価側ユーザは、自身が評価した道路評価データを、ユーザデータベース50を介して取得し、他の方法で公開することができる。
<道路区間の評価>
次に、地図情報作成システム1を利用した一例を、ある評価側ユーザがツーリングする場合の時間経過に従って、順番に説明する。図2は、本実施形態の地図情報作成システム1を利用する状態を示した図である。評価側ユーザは、自動二輪車Mを運転してツーリングする。ここで、自動二輪車Mの走行中、携帯端末10は、例えば、自動二輪車Mのメータ周辺に取り付けられた状態とする。評価側ユーザは、図2に示したような、走行実績経路が強調して表示されたデジタル地図31の、出発地点から出発し、太い実線の道路(走行実績経路)を実際に走行して到着地点に到着する。なお、図2に示したデジタル地図31において、細い実線の道路は、実際には走行していない道路である。
なお、上述したように、道路評価データの入力はツーリングから帰ってきた後に行うこともできるが、以下の説明においては、ツーリングの途中で道路評価データの入力を行う場合について説明する。従って、評価側ユーザは、地図情報作成アプリケーションを起動した状態の携帯端末10を携帯して、出発地点から到着地点までのツーリングに出かける。そして、評価側ユーザは、ツーリングの途中で、走行してきた道に対して複数の観点で評価する。
地図情報作成システム1の利用を開始し、最初に地図情報作成アプリケーションを起動すると、まず、地図情報作成システム1の利用者である評価側ユーザに関する情報、使用する自動二輪車の情報、および地図情報作成システム1の利用における条件などの情報を設定する。図3は、本実施形態の地図情報作成システム1を利用する際の設定画面の一例を示した図である。図3には、ユーザデータベース50への各評価側ユーザの情報を登録するための画面の一例を示している。なお、図3は、携帯端末10の表示部に表示された地図情報作成アプリケーションの設定画面の一例である。
図3(a)には、ユーザプロファイルとして、評価側ユーザの氏名、走り方のタイプ、および好みの道のタイプなどの評価側ユーザに関する情報と、形式や年式などの自動二輪車に関する情報を設定する際の入力例を示している。
ユーザプロファイルとして、氏名欄501には、評価側ユーザの氏名を入力し、入力された氏名が表示される。なお、評価側ユーザの氏名は、アカウント名でもよい。
移動者タイプ欄502には、自動二輪車を運転するライダー、自動車を運転するドライバー、自転車を運転するサイクリスト、車両を使用せずに自身で走るランナーなど、規定の移動者タイプを選択し、選択した移動者タイプが表示される。
写真欄503には、評価側ユーザが自身で設定したユーザアカウントの写真が表示される。写真欄503に表示される写真は、評価側ユーザが任意に設定することができ、例えば、評価側ユーザ自身の写真や車両の写真などを設定することができる。
メーカー欄504、年式欄505、車両名欄506には、車両のメーカー名、年式、車両名を、それぞれ選択または自由に入力する。そして、選択または自由に入力されたそれぞれの内容が表示される。
走り方フリー入力欄507には「に乗る」、「に跨がる」、「を駆る」、「を操る」など、走り方タイプを自由に入力し、入力した走り方タイプが表示される。
移動者タイプフリー入力欄508には、「まったりツアラー」、「峠大好きライダー」、「暖かい日限定ライダー」など、ライダータイプを入力し、入力したライダータイプが表示される。
好きな道のタイプ欄509には、「流すような道」、「ツイスティな道」、「まっすぐな道」、「景色の良い道」のような選択肢を選択、および入力する。
また、図3(b)には、地図情報作成システム1において道路区間評価シートを作成する際の条件として、評価する最小の道路区間の距離、道路区間評価シートを分割する際の条件などを、数値の入力やチェックボックスへのチェックの入力で設定する際の入力例を示している。図3(b)は、評価側ユーザが設定することができる道路の区間分割についての設定画面である。
最小区間距離欄511には、後述する道路区間評価をする上での最小となる区間距離の値を設定する。なお、設定する距離の値を“0”(0km)とすることにより、最小区間距離を設定しないようにすることもできる。
停車分割設定チェックボックス512には、後述する停車による道路区間の分割を行うか否かを設定する。停車による道路区間の分割を行う場合には、不図示のチェックが表示される。停車分割時間欄512aには、停車による道路区間の分割を実行する際の最小時間の値を設定する。
県境分割設定チェックボックス513には、後述する車両が道路の県境を越えた地点で道路区間の分割を行うか否かを設定する。車両が道路の県境を越えた地点で道路区間の分割を行う場合には、図3(b)に示したように、チェックが表示される。
ピーク区間分割設定チェックボックス514には、後述する山道の登りと下りとを分けるピーク点を境にして道路区間の分割を行うか否かを設定する。山道のピーク点で道路区間の分割を行う場合には、不図示のチェックが表示される。
市街地経路簡略化設定チェックボックス515には、後述する市街地の経路をまとめて表記するか否かを設定する。市街地の経路をまとめて表記する場合には、不図示のチェックが表示される。
お気に入り地点印フリー入力欄516には、後述するお気に入り地点に対して印付けをした際に、道路区間評価シートなどの情報に応じて地図上に表記される印を設定する。なお、お気に入り地点印フリー入力欄516は、例えば、文字数制限が「10文字」などの制限がなされていてもよい。
図3に示したような各評価側ユーザによる設定情報(それぞれの欄501〜516の情報)は、評価側ユーザ毎にユーザデータベース50に蓄積される。
そして、地図情報作成システム1を利用する評価側ユーザは、ユーザプロファイルや道路区間評価シートを作成する際の条件を設定した後に、ツーリングに出発する。このとき、評価側ユーザは、その回のツーリングを識別するための情報を設定する。図4は、本実施形態の地図情報作成システム1を利用した旅であるツーリングを開始する際に設定する情報の一例を示した図である。なお、図4は、携帯端末10の表示部に表示された地図情報作成アプリケーションの画面表示の一例である。
図4(a)には、その回のツーリングを識別するための情報として、ツーリングの名称を設定する場合の一例を示している。ツーリング名称入力欄591には、評価側ユーザが任意で設定可能なツーリングの名称を入力し、入力されたツーリングの名称が表示される。そして、設定したツーリングの名称を、地図情報作成サーバ20に送信する。これにより、地図情報作成サーバ20は、その後送信されてきたGPSログとツーリングの名称とを対応付けて処理する。また、図4(b)には、ツーリングの名称を地図情報作成サーバ20に送信した後の確認画面の一例を示している。評価側ユーザは、画面を押下した状態から一方向(図4(b)に示した「はい」の方向)にスライドさせる(弾く)フリック操作を行い、ツーリングの開始を指示する。これにより、携帯端末10は、GPSログの蓄積を開始する。また、ツーリングの名称は、ユーザデータベース50にも蓄積される。
ここで、デジタル地図について説明する。図5は、本実施形態の地図情報作成システム1で使用するデジタル地図の一例を示した図である。図5には、一般化した例として、XX県とYY県との県境周辺のXX県寄りの道路地図を示している。地図情報作成システム1で使用するデジタル地図は、公知のいわゆるベクトル型のデジタル地図である。デジタル地図は、地図上の実際の道路を表現するためのノードとリンクとによって構成されている。
ノードは、道路の交差点、カーブを表現するためのノードであるダミー点、道路の行き止まりを表現するための行き止まり点、行政区などで道路の属性が変化する変化点などに与えられる、実際の道路の緯度と経度とに対応したデータである。図5では、それぞれのノードを、“●:黒塗りの丸”で示している。
地図上の全てのノードは、図5に示したND1〜ND49のような固有の識別情報(ノードID)を有している。図5に示したノードIDとしてND1〜ND49を有するノード以外の他のノードも、それぞれ固有のノードIDを有しているが、説明を容易にするため、それぞれのノードが有するノードIDの表示は省略する。各ノードIDは、GPSなどによって与えられた既知の位置情報(座標データ)と、都道府県名および市区町村名を有している。例えば、図5に示したノードID=ND1を有するノードは、座標データとして(XND1,YND1,ZND1)を有し、ノードの地点における都道府県名として“XX県”や、さらに詳細な市区町村名を有している。
リンクは、ノードとノードとを結ぶ線分(曲線を含む)であり、実際の道路を表す。図5では、それぞれのリンクを、“●:黒塗りの丸”のノードを結ぶ実線で示している。それぞれのリンクは、固有の識別情報(リンクID)を有しており、それぞれのリンクIDには、リンクを構成するノードのデータ、道路名のデータ、県名および市区町村名のデータ、および隣接する同じ道路名のリンクデータなどを含んでいる。図5には、リンクIDが有するデータの一例として、道路名および交差点名を表している。
地図上の全てのリンクは、図5に示したLI1〜3のようなリンクIDを有している。図5に示したリンクIDとしてLI1〜LI3を有するリンク以外の他のリンクも、それぞれ固有のリンクIDを有しているが、図を見やすくするため、それぞれのリンクが有するリンクIDの表示は省略する。
図5に示したノードID=ND1〜ND19の区間の全てのリンクのリンクIDには、道路名として「県道1号」を表す情報を有している。
同様に、ノードID=ND21〜ND29の区間の全てのリンク、ノードID=ND31〜ND39の区間の全てのリンク、およびノードID=ND41〜ND49の区間の全てのリンクのリンクIDには、道路名として「県道2号」、「県道3号」、および「県道N号」を表す情報を、それぞれ有している。
また、図5に示した破線BLは、「XX県」と「YY県」との県境を表している。図5に示したリンクの内、XX県側に属するリンクのリンクIDには、属する県として「XX県」を表す情報を有し、YY県側に属するリンクのリンクIDには、属する県として「YY県」を表す情報を有している。例えば、図5に示したリンクID=LI2を有するリンクは、当該リンクを構成するノードデータとして「ND2」および「ND3」、道路名として「県道1号」、交差点として「A交差点」、県名として「XX県」、隣接するリンクIDとして「LI1」および「LI3」の情報を有している。このようなリンクIDのデータを、全てのリンクが有している。なお、リンクIDのデータは、上述した例に限定されるものではなく、その他のデータを有していてもよい。
このようなノードに関するデータと、リンクに関するデータは、デジタル地図データベース30が保有している。デジタル地図データベース30は、ノードとリンクに関するデータなどを利用して、デジタル地図を表示することができる。
図6は、本実施形態の地図情報作成システム1を利用して走行した際の一例を示した図である。評価側ユーザが地図情報作成アプリケーションに図3および図4に示したように設定し、自動二輪車Mを運転して図2に示したデジタル地図31上の地域での走行を開始すると、携帯端末10は、GPSログの蓄積を開始する。
より具体的には、評価側ユーザは、「9:00」にXX県の県道1号の「A交差点」を出発し、自動二輪車Mによる移動を開始する。その後、「9:35」に県道1号上の「B交差点」を通過し、「10:03」に「C交差点」を右折して県道3号に入り、「10:15」に県道3号沿いの、例えば、駐車場などに停車する。そして、30分以上経過した「10:46」に再び走行を開始し、「11:00」に県道3号上の「D交差点」を左折して国道N号に入り、「11:20」にXX県とYY県との県境を通過し、「12:20」に国道N号上の到着地点に到着する。このように自動二輪車Mが走行している最中に、携帯端末10は、予め定めた一定の時間間隔で、GPSログを蓄積していく。
携帯端末10がGPSログを蓄積する時間間隔は、例えば、1秒間隔である。なお、携帯端末10がGPSログを蓄積する時間間隔は、地図情報作成サーバ20によって作成される道路区間評価シートの作成時間の目標に応じて、評価側ユーザが、例えば、1秒〜10秒などの間で変更することもできる。
GPSログには、携帯端末10自体が備えるGPS11によって取得した緯度、経度、および高度の情報(位置情報)の他に、時刻の情報が含まれている。図6には、「A交差点」を出発地点として評価側ユーザがツーリングを開始する場合の一例において、GPSログが携帯端末10に蓄積される地点の一例を、“○:白抜きの丸”で示している。なお、実際のGPSログは、図6中に“○:白抜きの丸”で示したGPSログを蓄積する地点よりも多く蓄積されるが、図を見やすくするため、GPSログを蓄積する地点を適宜間引いたものを示している。
なお、評価側ユーザは、ツーリングをしている途中に、気に入った地点(好みであるため高く評価できる地点)があった場合には、例えば、以下に示すお気に入り地点の記憶方法によって、気に入った地点を携帯端末10に一時的に記憶させることができる。
ここで、お気に入り地点の登録方法について説明する。図7は、本実施形態の地図情報作成システム1を利用して走行しているときに、お気に入り地点を記憶する自動二輪車Mの左側ハンドル周辺斜視図である。図7には、自動二輪車Mの左側ハンドルの周辺の、左側ハンドルバー1100と、左側ハンドルグリップ1110と、クラッチレバー1120と、クラッチレバーステークランパ1121と、左側ハンドルスイッチボックス1130とを示している。左側ハンドルスイッチボックス1130には、前照灯HI/LO切り替えスイッチ1131と、ウインカースイッチ1132と、ホーンスイッチ1133と、パッシングスイッチ1134と、を備えている。
図7は、お気に入り地点を記憶するための地点印付けボタン101を、自動二輪車Mの左側ハンドルスイッチボックス1130の前面に備えた場合の一例を示している。なお、地点印付けボタン101は、図7に示したように、左側ハンドルスイッチボックス1130の前面上部に設けられるものに限らない。例えば、少なくとも地点印付けボタン101を有するスイッチボックスをオプションとしてクラッチレバーステークランパ1121の右隣などに取り付けてもよい。他にも、携帯端末10を左側ハンドルバー1100や、自動二輪車Mのメータ周辺に取り付け、携帯端末10の画面上に地点印付けボタン101を設け、走行中に携帯端末10の画面を直接押すようにしてもよい。
評価側ユーザは、地点印付けボタン101を押す回数や押す時間の長さによって、気に入り度合いを表すことができる。図6では、評価側ユーザが地点印付けボタン101を押した回数を、「イイねー♪」のサイズ(表示の大きさ)で示している。なお、評価側ユーザによって操作された地点印付けボタン101の情報を携帯端末10に一時記憶させる方法としては、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信を介して、地点印付けボタン101の情報を携帯端末10送信する方法や携帯端末10に直接接続する有線通信にて送信する方法などが考えられる。
なお、上述したように、携帯端末10を左側ハンドルバー1100やメータ周辺に取り付けて、携帯端末10の画面上に地点印付けボタン101を設け、走行中に携帯端末10の画面を直接押す場合には、印を付けた位置情報を携帯端末10のメモリに直接記憶させることもできる。
図6に戻って、評価側ユーザは、到着地点に到着した後、携帯端末10を操作して、地図情報作成サーバ20に道路区間評価シートの作成要求を送信する。このとき、携帯端末10は、道路区間評価シートの作成要求とともに、蓄積したGPSログを地図情報作成サーバ20に送信する。また、このとき、携帯端末10から送信されるGPSログには、評価側ユーザが気に入った地点で一時記憶させた、地点印付けボタン101を押した回数の情報(以下、「お気に入り地点情報」という)も含まれている。
地図情報作成サーバ20は、道路区間評価シートの作成要求とともに送信されてきたGPSログと、デジタル地図データベース30に保存されたデジタル地図のデータおよび道路の情報に基づいて、地図情報作成アプリケーションによって予め定められた条件で分割した複数の道路区間毎に道路区間評価シートを作成する。図6には、道路区間評価シートを分割する地点を、評価道路区間分割地点601〜604として“▲:黒塗りの三角”で示している。なお、評価道路区間の分割方法に関しては、後述する。
より具体的には、自動二輪車Mが「10:03」に右折して県道3号に入った「C交差点」の地点(評価道路区間分割地点601)、「10:15」に停車した県道3号上の地点(評価道路区間分割地点602)、「11:00」に左折して国道N号に入った「D交差点」の地点(評価道路区間分割地点603)、および「11:20」にXX県とYY県との県境を通過した地点(評価道路区間分割地点604)で分割した道路区間評価シートを作成する。
なお、自動二輪車Mが停車しているときでも、携帯端末10には、GPSログが蓄積されている。また、停車中に評価側ユーザが携帯端末10を携帯する場合、すなわち、自動二輪車Mで走行していないときでも、携帯端末10には、GPSログが蓄積されている。そして、地図情報作成サーバ20には、自動二輪車Mが停車しているときや、評価側ユーザが徒歩で移動しているときのGPSログも、道路区間評価シートの作成要求とともに送信されてくる。地図情報作成サーバ20が道路区間評価シートを分割する際には、送信されてきたGPSログに基づいて、自動二輪車Mが走行しているのか否かなど、ツーリングにおける様々な状態を判定して、道路区間評価シートを分割する。
地図情報作成サーバ20によるツーリングにおけるそれぞれの状態の判定は、GPSログに含まれる位置情報がデジタル地図における実際の道路上にあるか否かなどの情報や、GPSログに含まれる位置情報から求めることができる移動速度の情報などに基づいて行うことができる。例えば、GPSログに含まれる位置情報が交差点付近の道路上で、かつ、移動速度が“0”、すなわち停止している状態で、実際の道路上からはずれていない場合、停止している状態が予め定めた時間(例えば、一般的な信号の切り替わり時間など)以内である場合には、自動二輪車Mが信号で停止している状態であると判定することができる。また、例えば、移動速度が時速10Km未満であるが、実際の道路上からはずれていない状態である場合には、自動二輪車Mで走行しているが、道路が渋滞している状態であると判定することができる。
また、例えば、実際の道路上からはずれ、移動速度が時速10Km未満である場合には、自動二輪車Mで走行していない、すなわち、自動二輪車Mが停車し、評価側ユーザが徒歩で移動している状態であると判定することができる。地図情報作成サーバ20は、この停車している状態が、地図情報作成アプリケーションによって予め定められた停車で分割する時間、すなわち、図3(b)の停車分割時間欄512aに設定された、停車による道路区間の分割を実行する際の最小時間以上続いている場合には、この時点で道路区間評価シートを分割する。
なお、地図情報作成サーバ20が道路区間評価シートを分割する際のツーリングにおけるそれぞれの状態の判定方法は、上述した例に限定されるものではなく、道路区間評価シートを分割に必要な判定結果を得られる方法であれば、いかなる方法であってもよい。例えば、評価側ユーザが携帯端末10の地図情報作成アプリケーションを直接操作するなどによって、分割区間を設定してもよい。
<道路区間評価シートの作成>
次に、地図情報作成システム1において、地図情報作成サーバ20が道路区間評価シートを作成する処理手順について、図6のGPSログを例に説明する。図8は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間の評価シートを作成する際の中間テーブルの一例を示した図である。図8(a)には、携帯端末10が蓄積し、地図情報作成サーバ20に送信したGPSログを示し、図8(b)には、以下に説明する処理によって地図情報作成サーバ20が作成した中間テーブルを示している。
携帯端末10は、評価側ユーザによる操作に応じて、道路区間評価シートの作成要求とともに、蓄積したGPSログを地図情報作成サーバ20に送信する。GPSログには、図8(a)に示したように、蓄積したGPSログの時間順を表すログ番号(No)と、GPSログを蓄積した時刻と、位置情報(緯度、経度、および高度)と、お気に入り地点情報(地点印付けボタン101を押した回数の情報)とが含まれている。なお、以下の説明においては、携帯端末10が、1秒間隔でGPSログを蓄積したものとする。
地図情報作成サーバ20は、携帯端末10から送信されてきた道路区間評価シートの作成要求を受信すると、道路区間評価シートの作成処理を開始する。道路区間評価シートの作成処理では、地図情報作成サーバ20は、携帯端末10から送信されてきたGPSログのログNo順に、道路区間評価シートを作成するための中間テーブルを作成する。その後、地図情報作成サーバ20は、作成した中間テーブルに基づいて、道路区間評価シートを作成する。
中間テーブルは、図8(b)に示したように、図8(a)に示したGPSログのデータの他に、それぞれのGPSログに対応した道路名、場所名、進行方向、移動量、速度などのデータが記録されたテーブルファイルである。なお、中間テーブルは、GPSログが元々持っていたデータ以外、最初は空(Null)の状態であり、以下に説明する道路区間評価シートの作成処理の手順を順次実行することによってデータが入力されていく。
図9は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間毎の評価シートの作成する処理手順を示したフローチャートである。図9には、地図情報作成サーバ20による道路区間評価シートの作成に先立って作成する中間テーブルの作成処理における全体の処理手順を示している。なお、以下の説明においては、GPSログのログNoを「i」とし、その初期値は、“0”(i=0)であるものとする。そして、道路区間評価シートの作成処理では、1つのGPSログに対応した処理を完了した後に、次のGPSログに対応した処理を順次実行し、携帯端末10から送信されてきた全てのGPSログが完了するまで、道路区間評価シートの作成処理を繰り返す。
道路区間評価シートの作成処理では、最初に、ログNo=i+1、すなわち、ログNo=1のGPSログに対して処理を行う。まず、ステップS100において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=iの中間テーブル、すなわち、今回処理する直前のログNoに対応した中間テーブルに、道路名および進行方向のデータがあるか否かを確認する。ステップS100において、ログNo=iの中間テーブルに道路名および進行方向のデータがある場合(ステップS100の“Yes”)には、地図情報作成サーバ20は、ステップS200の「道なり走行確認処理」を実行して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、道なり走行確認処理に関しては、後述する。
また、ステップS100において、ログNo=iの中間テーブルに道路名および進行方向のデータがない、すなわち、今回処理する直前のログNoに対応した中間テーブルの道路名および進行方向のデータがNullである場合(ステップS100の“No”)には、ステップS300に進む。そして、ステップS300において地図情報作成サーバ20は、ログNo=iの中間テーブルに道路名のデータがあるか否かを確認する。なお、ステップS300の処理は、直前のGPSログが道路に出たばかりであることを表しているときに、自動二輪車の進行方向を判定するために行われる。
ステップS300において、ログNo=iの中間テーブルに道路名のデータがある場合(ステップS300の“Yes”)には、地図情報作成サーバ20は、ステップS400の「進行方向取得処理」を実行して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、進行方向取得処理に関しては、後述する。
また、ステップS300において、ログNo=iの中間テーブルに道路名のデータがない、すなわち、今回処理する直前のログNoに対応した中間テーブルの道路名のデータがNullである場合(ステップS300の“No”)には、ステップS500に進む。そして、ステップS500において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1のGPSログ、すなわち、現在処理中のGPSログで道路に出たか否かを確認する。より具体的には、地図情報作成サーバ20は、ステップS500において、GPSログに含まれる位置情報(緯度、および経度)が、デジタル地図データベース30に保存されたデジタル地図において道路を表すリンク上にあるか否かを確認する。なお、ステップS500の処理は、直前のGPSログにおいて道路上にいなかったときに、自動二輪車が道路に出たか否かを判定するために行われる。
ステップS500において、現在処理中のGPSログで道路に出た、すなわち、GPSログに含まれる緯度および経度がデジタル地図で道路を表すリンク上にある場合(ステップS500の“Yes”)には、ステップS600に進む。そして、ステップS600において、地図情報作成サーバ20は、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の道路名のデータを取得し、取得した道路名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、実際には、道路名のデータを有するリンクIDが、ログNo=i+1の中間テーブルに記録される。なお、ステップS600の処理を実行して今回のGPSログに対する処理を完了した場合、中間テーブルには場所名のデータが記録されていないことになる、すなわち、場所名のデータがNullになるが、道路名のデータ(リンクID)が記録されるため、その後の道路区間評価シートの作成は問題なく行うことができる。
また、ステップS500において、現在処理中のGPSログで道路に出ていない、すなわち、GPSログに含まれる緯度および経度がデジタル地図で道路を表すリンク上にない場合(ステップS500の“No”)には、ステップS700に進む。そして、ステップS700において、地図情報作成サーバ20は、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の市区町村名などの場所名のデータを取得し、取得した場所名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、ステップS700の処理を実行して今回のGPSログに対する処理を完了した場合、中間テーブルには道路名のデータが記録されていないことになる、すなわち、道路名のデータがNullになるが、場所名のデータが記録されるため、その後の道路区間評価シートの作成は問題なく行うことができる。
続いて、地図情報作成サーバ20による進行方向取得処理について説明する。図10は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間毎の評価シートの作成する際の進行方向取得処理の処理手順を示したフローチャートである。進行方向取得処理は、上述したように、今回処理する直前のログNoに対応した中間テーブル(ログNo=iの中間テーブル)に道路名のデータがあり、進行方向のデータがない場合に実行する。
進行方向取得処理では、まず、ステップS410において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1のGPSログ、すなわち、現在処理中のGPSログが、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上にあるか否かを確認する。ステップS410において、ログNo=i+1のGPSログが、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上にある場合(ステップS410の“Yes”)には、ステップS420に進み、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上にない場合(ステップS410の“No”)には、ステップS440に進む。
ステップS410において、現在処理中のGPSログが直前と同じ道路上にある場合(ステップS410の“Yes”)には、ステップS420において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=iのGPSログが表す地点からログNo=i+1のGPSログが表す地点への移動量が予め定めた閾値以上であるか否かを確認する。この移動量は、それぞれのGPSログに含まれる緯度および経度に基づいて算出される。
ステップS420において、移動量が予め定めた閾値以上である場合(ステップS420の“Yes”)には、ステップS430に進んで、現在移動しているデジタル地図上のリンクの終端ノード(例えば、ノードIDや、交差点や、進行方向に隣接するリンクID)のデータをデジタル地図データベース30から取得する。そして、地図情報作成サーバ20は、取得した終端ノードのデータを、進行方向のデータとしてログNo=i+1の中間テーブルに記録し、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。
また、ステップS420において、移動量が予め定めた閾値以上でない、すなわち、移動量が予め定めた閾値未満である場合(ステップS420の“No”)には、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1の中間テーブルに進行方向のデータを記録せずに、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。この場合、ログNo=i+1の中間テーブルには、道路名と閾値未満の移動量とのみが記録される。
また、ステップS410において、現在処理中のGPSログが直前と同じ道路上にない場合(ステップS410の“No”)には、ステップS440において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1のGPSログ、すなわち、現在処理中のGPSログが道路上にあるか否かを確認する。すなわち、地図情報作成サーバ20は、ステップS440において、現在処理中のGPSログが異なる道路上にあるか否かを確認する。このステップS440における地図情報作成サーバ20の処理は、図9に示したステップS500の処理と同様に、現在処理中のGPSログに含まれる位置情報(緯度、および経度)が、デジタル地図データベース30に保存されたデジタル地図において道路を表すリンク上にあるか否かを確認することによって行われる。
ステップS440において、現在処理中のGPSログが道路上にある、すなわち、直前のGPSログとは異なるが、現在処理中のGPSログに含まれる緯度および経度がデジタル地図で道路を表すリンク上にある場合(ステップS440の“Yes”)には、ステップS450に進む。そして、ステップS450において、地図情報作成サーバ20は、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の新しい道路名のデータを取得し、取得した新しい道路名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、実際には、図9に示したステップS600の処理と同様に、新しい道路名のデータを有するリンクIDが、ログNo=i+1の中間テーブルに記録される。
また、ステップS440において、現在処理中のGPSログが道路上にない、すなわち、直前のGPSログとは異なり、現在処理中のGPSログに含まれる緯度および経度がデジタル地図で道路を表すリンク上にない場合(ステップS440の“No”)には、ステップS460に進む。そして、ステップS460において、地図情報作成サーバ20は、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の市区町村名などの新しい場所名のデータを取得し、取得した新しい場所名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。
続いて、地図情報作成サーバ20による道なり走行確認処理について説明する。図11は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間毎の評価シートの作成する際の道なり走行確認処理の処理手順を示したフローチャートである。道なり走行確認処理は、上述したように、今回処理する直前のログNoに対応した中間テーブル(ログNo=iの中間テーブル)に道路名および進行方向のデータがある場合に実行する。
道なり走行確認処理では、まず、ステップS210において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1のGPSログ、すなわち、現在処理中のGPSログが、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上で同じ進行方向であるか否かを確認する。ステップS210において、ログNo=i+1のGPSログが、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上で同じ進行方向である場合(ステップS210の“Yes”)には、ステップS220に進む。そして、ステップS220において、地図情報作成サーバ20は、直前のログNoに対応した中間テーブルに記録された道路名および進行方向と同じ道路名および進行方向を、ログNo=i+1の中間テーブルに記録し、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。なお、移動量および速度も同じである場合には、ログNo=i+1の中間テーブルに、直前のログNoに対応した中間テーブルに記録された移動量および速度と同じ移動量および速度を記録してもよい。
なお、現在処理中のGPSログが、直前のログNoに対応した中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上で同じ進行方向であっても、デジタル地図上のリンクが直前のログNoに記録された次のリンクに切り替わる場合には、切り替わった後のリンクIDおよび当該リンクの終端ノード(例えば、交差点)のデータを、ログNo=i+1の中間テーブルに記録する。
また、ステップS210において、ログNo=i+1のGPSログが、ログNo=iの中間テーブルに記録された道路名と同じ道路上で同じ進行方向でない場合(ステップS210の“No”)には、ステップS230において、地図情報作成サーバ20は、ログNo=i+1のGPSログ、すなわち、現在処理中のGPSログが道路上にあるか否かを確認する。すなわち、地図情報作成サーバ20は、ステップS230において、図9に示したステップS500の処理、および図10に示したステップS440の処理と同様に、現在処理中のGPSログが異なる道路上にあるか否かを確認する。このステップS230における地図情報作成サーバ20の処理は、図9に示したステップS500の処理、および図10に示したステップS440の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS230において、現在処理中のGPSログが道路上にある場合(ステップS230の“Yes”)には、ステップS240に進む。そして、ステップS240において、地図情報作成サーバ20は、図10に示したステップS450の処理と同様に、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の新しい道路名のデータを取得し、取得した新しい道路名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。
また、ステップS230において、現在処理中のGPSログが道路上にない場合(ステップS230の“No”)には、ステップS250に進む。そして、ステップS250において、地図情報作成サーバ20は、図10に示したステップS460の処理と同様に、デジタル地図データベース30からデジタル地図上の新しい場所名のデータを取得し、取得した新しい場所名のデータをログNo=i+1の中間テーブルに記録して、今回のログNo=i+1のGPSログに対する処理を完了する。
上記に述べた処理をログNo順に繰り返して、地図情報作成サーバ20は、携帯端末10から送信されてきた全てのGPSログに対応した中間テーブルを作成する。地図情報作成サーバ20は、作成した中間テーブルに記録されているデータに基づいて、道路区間評価シートを作成する。地図情報作成サーバ20による中間テーブルのデータに基づいた道路区間評価シートの作成は、以下のような手順で行う。
(手順1):まず、手順1では、中間テーブルのログNoの順に道路名が同じ区間をまとめ、道路区間評価シートに含まれる道路区間を決定する。例えば、図8(b)に示した中間テーブルでは、ログNo=1〜3790が同じ道路名の「県道1号」でまとめられ、当該ツーリングにおける県道1号の入り口の地点(出発地点)のデータと、当該ツーリングにおける県道1号の出口の地点(C交差点)のデータとから“A〜Cの区間”を、図12に示す県道1号の道路区間評価シートに含まれる道路区間に決定する。
(手順2):続いて、手順2では、道路区間評価シートに表示する道路区間の情報を取得する。例えば、図8(b)に示した中間テーブルでは、「XX県 県道1号 A−C 区間」という情報を、道路区間評価シートに表示する道路区間の情報として取得する。
(手順3):続いて、手順3では、手順1で決定した道路区間を表す情報と、手順2で取得した道路区間評価シートに表示する道路区間の情報と、道路区間を評価する際に予め定められた観点の情報を入力するフォームとを、道路区間評価シートとして携帯端末10に送信する。
このような手順を繰り返すことによって、地図情報作成サーバ20は、中間テーブルに記録された全てのログNoが、いずれかの道路区間評価シートに含まれるような、道路区間評価シートを作成する。ここで、評価道路区間の分割方法について説明する。
中間テーブルに記録されたデータにおいて、道路名のデータが別の道路名のデータに変わるところでは、道路名のデータが変わる直前のリンク(延長線含む)と、道路名のデータが変わった直後のリンク(延長線含む)との交点を、自動二輪車が曲がった交差点として判断し、この交差点のノードを新しい道路区間の入り口の地点(始点)とする。例えば、図8(b)に示した中間テーブルでは、中間テーブルのログNo=3791のところで、「県道1号」から「県道3号」に曲がったとして判断し、図6に示した「C交差点」を、評価道路区間分割地点601とし、図12に示す県道3号の道路区間の始点とする。その後、上述した手順1〜手順3によって、道路区間評価シートを作成する。これにより、例えば、「XX県 県道3号 C−D 区間」のような道路区間評価シートを作成する。
また、中間テーブルに記録されたデータにおいて、道路名のデータがNullの状態になり、同じ場所名のデータが、所定時間(例えば、1分)以上経過すると、自動二輪車が停車していると判断する。さらに、この停車状態が、ユーザプロファイルとともに設定された道路区間評価シートを分割する際の条件の1つである停車時間(図3(b)に示した一例では「30分」)よりも長い時間続くと、地図情報作成サーバ20は、同じ場所名のデータが続いている場所を、停車直前の評価道路区間分割地点602(終点)とする。例えば、図8(b)に示した中間テーブルでは、中間テーブルのログNo=4502からログNo=6363まで、場所名「○○」が続いているため、この場所名「○○」の地点を、図6に示した「C交差点」を始点とした、図12に示す評価道路区間82の県道3号の道路区間の終点とする。その後、上述した手順1〜手順3によって、道路区間評価シートを作成する。これにより、例えば、図13(b)に示す、「XX県 県道3号 C−○○ 区間」のような道路区間評価シートを作成する。また、このとき、地図情報作成サーバ20は、手順3において、道路区間評価シートを携帯端末10に送信する際に、図13(b)に示すような、場所名「○○」で停車した時間の情報も携帯端末10に送信する。
同様に、図3(b)に示したように、県境分割設定チェックボックス513に車両が道路の県境BLを越えた地点で道路区間の分割を行う設定になっている場合には、中間テーブルに記録されたデータが、図6に示した評価道路区間分割地点604のときに道路区間評価シートを分割し、図12に示す評価道路区間85の国道N号の道路区間の始点とする。
そして、地図情報作成サーバ20は、上述した評価道路区間の分割方法によって作成した道路区間評価シートを、携帯端末10に送信する。なお、地図情報作成サーバ20は、道路区間評価シートとともに、分割した道路区間を評価側ユーザが認識するための情報を、携帯端末10に送信する。
図12は、本実施形態の地図情報作成システム1において、評価する道路区間を分割した場合の一例を示した図である。図12には、上述した評価道路区間の分割方法によって、評価する道路区間が分割された携帯端末10の画面に表示される地図情報作成アプリケーションの例を示している。図12は、評価側ユーザがツーリングした経路の実績を表す情報であり、このような地図を本発明では「走行実績地図」という。図12には、出発地点から到着地点までのツーリングの全ての道路区間を、図6に示した評価道路区間分割地点601〜604(“▲:黒塗りの三角”の地点)で分割した5個の評価道路区間81〜85と、携帯端末10の画面の評価道路区間上に表示される道路名表示部811、821、831、841、および851と、対応する5個の道路区間評価シートを識別する情報の一例を示している。また、図12には、分割した道路区間および対応する道路区間評価シートを表す情報の他に、ツーリングをしている途中で評価側ユーザが気に入って地点印付けボタン101を押した地点に、お気に入り地点情報(“イイねー♪”)も、併せて示している。なお、図12の走行実績地図上に「A交差点」などの地点名が表示されてもよい。
なお、お気に入り情報の表示は、上述したお気に入り地点印フリー入力欄516に入力された文字や絵文字が反映される。また、お気に入り情報の文字や絵文字を表示するサイズ(文字の大きさ)は、地点印付けボタン101を押した回数や、地点印付けボタン101を押した時間の長さによって、評価道路区間地図のデザインを崩さない範囲で大きくさせることができる。
地図情報作成サーバ20は、図12に示したような、デジタル地図上に、ツーリングした経路の実績を重ねて表示(レイヤー表示)した地図、すなわち走行実績地図と道路区間評価シートとを、携帯端末10に送信する。図13は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間を評価する評価シートの一例を示した図である。図13(a)には、地図情報作成アプリケーションによって携帯端末10の表示部に表示される表示画面の一例を示し、図13(b)〜(e)には、評価道路区間82〜85のそれぞれの道路区間評価シートを示している。
地図情報作成アプリケーションは、地図情報作成サーバ20から送信されてきた走行実績地図と道路区間評価シートとを、携帯端末10の表示部に表示させる。このとき、例えば、図13(a)に示したように、携帯端末10の表示部上側には、走行実績地図表示部91が配置される。また、走行実績地図表示部91の下に隣接して、評価道路区間選択領域92が配置される。評価道路区間選択領域92には、評価対象の道路区間の番号が表示される。
また、携帯端末10の表示部下側には、評価道路区間選択領域92の下に隣接して、道路区間評価シート表示部93が配置される。道路区間評価シート表示部93の詳細に関しては、後述する。なお、図13(a)には、1つ目の道路区間である県道1号の道路区間評価シートを、道路区間評価シート表示部93に表示した場合の一例を示している。
評価側ユーザが道路区間を評価する際には、携帯端末10の表示画面をタッチ(押下やスライドなど)するなどの操作によって、いずれか1つの道路区間を指定する。道路区間を指定する、すなわち、道路区間評価シートを切り替える(指定する)方法としては、例えば、携帯端末10の表示部の評価フォーム部94の領域を左右にスライドさせる方法がある。また、例えば、携帯端末10の表示画面の評価道路区間選択領域92に表示された道路区間評価シートの番号ボタンのいずれかをタッチ(押下)することによって、道路区間評価シートを切り替える(指定する)方法でもよい。また、例えば、走行実績地図表示部91の評価道路区間のいずれかをタッチ(押下)することによって、道路区間評価シートを切り替える(指定する)方法でもよい。また、例えば、携帯端末10に音声で道路区間評価シートの切り換えの指示を入力する方法でもよい。
これにより、表示画面の下側に表示された道路区間評価シートが、図13(b)〜図13(e)のいずれか1つの道路区間の道路区間評価シートに切り替わる。そのとき、地図情報作成アプリケーションは、例えば、指定された道路区間を明るい色などでハイライトしてレイヤー表示するなど、指定された道路区間を評価側ユーザが認識しやすくするように表示する。
より具体的には、図12の評価道路区間81〜85の内、評価道路区間81が現在評価対象となったカレント評価道路区間であり、他の評価道路区間82〜85と異なる色でハイライトされる。また、カレント評価道路区間81の道路名を表示する道路名表示部811は、他の道路名表示部821、831、841、および851よりもサイズが大きく、かつ、道路名表示部の枠に影がつけられており、大きく浮かび上がって表示される。また、図13(a)に示したように、カレント評価道路区間は、評価道路区間選択領域92の対象となる番号もハイライト表示される。
図13(a)に示したように、道路区間評価シート表示部93には、区間走行時間表示部931が配置される。区間走行時間表示部931には図13(a)で示される(1)のように、走行した経路の順番が表示される。また、区間走行時間表示部931の下には、評価道路区間名表示部932が隣接して配置される。評価道路区間名表示部932には、図13(a)で示したように、道路区間の県名や、道路名や、道路区間の始点および終点の名称が表示される。また、評価道路区間名表示部932の下には、評価フォーム部94が隣接して配置される。
評価フォーム部94は、該当道路区間のおすすめ度合いを入力および表示するオススメフォーム部941と、該当道路区間の景色の良さを入力および表示する景色フォーム部942と、該当道路区間の走りやすさを入力および表示する走りやすさフォーム部943と、該当道路区間のカーブの頻度や急さの度合いを入力および表示するツイスティフォーム部944と、該当道路区間についてコメントを自由に入力するコメントフリー入力部945とを有する。
評価側ユーザは、道路区間評価シートに示されたそれぞれの観点で、走行してきた道を、例えば、5点満点の点数(評価点)で星付け評価する。より具体的には、オススメフォーム部941〜ツイスティフォーム部944は、各フォーム入力欄をタッチすると、0点を表す“・・・・・”が表示され、“・・・・・”を左から右側へ画面をタッチしたまま右側へスライドすると、1点を表す“★・・・・”、2点を表す“★★・・・”、3点を表す“★★★・・”、4点を表す“★★★★・”、5点を表す“★★★★★”のように星の数が増えていく。なお、評価側ユーザは、自分がつけたい点数の位置でスライドを止めることで点数を入力する。また、各星の位置をタッチするのみで点数を入力するようにしてもよい。また、各フォーム入力欄をタッチすると、0点を表す“・・・・・”、1点を表す“★・・・・”、2点を表す“★★・・・”、3点を表す“★★★・・”、4点を表す“★★★★・”、5点を表す“★★★★★”がプルダウンメニューで入力できるようになっていてもよい。
なお、道路区間評価シートの道路区間内に、ツーリングをしている途中で評価側ユーザが、よいと思った場所で地点印付けボタン101を押した地点が含まれる場合には、例えば、道路区間評価シートに、お気に入り地点情報を表す“イイねー♪”を採点前に予め表示する(図13(b)および図13(c)参照)。また、ツーリング中に携帯端末10のカメラなどで撮影した写真が評価道路区間地図上に表示されてもよい。
また、図13に示したように、道路区間評価シートには、「コメント」の入力欄(コメントフリー入力部945)があるため、評価側ユーザは、それぞれの道路区間毎に、コメントを入力することもできる。なお、道路区間の評価を行わない場合には、評価点やコメントの入力を省略することができる。また、1つの評価道路区間の内、自分が評価点を与えたい項目のみ(例えば、オススメフォーム部941のみ)評価点を与え、他の項目のフォーム部は空白(Null)のままにしておくこともできる。
また、図13(b)に示したように、地図情報作成アプリケーションによって予め定められた時間以上続いて停車した場合には、停車時間表示部95に、停車した時間の情報も示される。そして、図13(c)に示したように、停車後に同じ道路を走行した場合には、同じ評価であるか否かを設定する同一評価入力チェックボックス96も示される。同一評価入力チェックボックス96にタッチ(押下)してチェックを入れることにより、直前の道路区間の評価点が、各フォーム部に反映される。これにより、評価側ユーザは、同じ評価結果の入力を省略することができる。
なお、道路区間評価シートの項目は、上述した例に限定されるものではなく、道路区間の特徴を評価側ユーザに知らせることができるような項目であれば、いかなる項目を道路区間評価シートに含めてもよい。また、より多くの項目から、道路区間を評価するための項目を、評価側ユーザ自身が選択する構成にすることもできる。例えば、そのときの気候を評価する「暑さ・寒さ」や、該当道路区間の上り下り勾配の度合いを表す「アップダウン」などを選択して評価できるようにしてもよい。また、例えば、評価側ユーザが運転する自動二輪車以外の乗り物もしくは移動タイプ(例えば、自動車、自転車、またはランナーなど)毎に、適宜違った評価観点が設定されていてもよい。
図14は、本実施形態の地図情報作成システム1において評価結果を入力した状態の評価シートの一例を示した図である。図14には、図13に示したそれぞれの道路区間評価シートに評価結果を入力した後の状態を示している。図14に示した評価結果の一例では、“★:黒塗りの星”の数で評価点を表している。そして、道路区間評価シートの「コメント」欄には、評価側ユーザが入力したコメントを示している。
そして、携帯端末10は、評価結果が入力された道路区間評価シートを、地図情報作成サーバ20に送信する。図15は、本実施形態の地図情報作成システム1において評価結果が入力された道路区間の評価シートを送信する画面の一例を示した図である。評価側ユーザが、画面を押下した状態から「はい」の方向にフリック操作を行うことによって、それぞれの道路区間評価シートに入力した評価結果が、地図情報作成サーバ20に送信される。
その後、ツーリングを再開した場合、携帯端末10は、新たなGPSログの蓄積を開始する。そして、上述したような、評価側ユーザの操作による道路区間評価シートの作成要求の地図情報作成サーバ20への送信、地図情報作成サーバ20による新たな道路区間評価シートの作成、評価側ユーザの操作による道路区間の評価結果の入力、および入力された評価結果の地図情報作成サーバ20への送信を繰り返す。
なお、ツーリングを再開した場合における地図情報作成サーバ20での新たな道路区間評価シートの作成は、新たに携帯端末10から送信されてきたGPSログに基づいて行われる。そして、地図情報作成アプリケーションは、地図情報作成サーバ20から送信されてきた新たな走行実績地図と新たな道路区間評価シートとを、携帯端末10の表示部に表示させる。なお、前回の走行実績地図と道路区間評価シートとを、携帯端末10の表示部に表示させることもできる。
その後、ツーリングを終了する際、評価側ユーザは、携帯端末10を操作して地図情報作成アプリケーションを終了させる。図16は、本実施形態の地図情報作成システム1の利用を終了する際の一例を示した図である。なお、図16は、携帯端末10の表示部に表示された地図情報作成アプリケーションの終了画面の一例である。地図情報作成アプリケーションが終了すると、携帯端末10は、GPSログの蓄積を終了する。なお、地図情報作成サーバ20に送信していないGPSログが携帯端末10に蓄積されている場合には、地図情報作成アプリケーションを終了する際の確認、またはその後の地図情報作成アプリケーションの操作に応じて、蓄積されているGPSログに基づいた最後の道路区間評価シートの作成要求や、GPSログの廃棄などを行うことができる。
なお、例えば、ツーリング開始から24時間経過したときや、ツーリング開始日の24:00になったときなど、予め定めた時間以上、道路区間評価シートの作成要求がされない場合には、自動的に地図情報作成アプリケーションを終了させる構成にすることもできる。
上述したように、地図情報作成システム1によれば、地図情報作成サーバ20は、車両(移動体)とともに移動する携帯端末10やGPSロガーの位置情報データに基づいて、評価側ユーザが実際に走行した経路を判定し、走行した経路を複数の道路区間に分割した道路区間評価シートを、評価側ユーザに送付する。評価側ユーザは、道路名など認識しやすく分割された道路区間毎に、道路区間の評価点を与えることができるため、道路区間毎に精度の高い評価点を付与することができる。地図情報作成サーバ20は、評価側ユーザの携帯端末10から返信される道路区間評価シートの精度の高い評価点を、道路評価情報データベース40に蓄積することができる。
また、地図情報作成サーバ20によって作成される道路区間評価シートの道路区間は、同一の道路名称の道路区間をまとめるため、評価する道路区間の分割が細かくなりすぎることを防ぐことができ、認識しやすい1つの道としてより正確に道路区間を評価することができる。
また、地図情報作成サーバ20によって作成される道路区間評価シートの道路区間は、道路名称が変化したときに道路区間を分割することによって、道路が変わったところで道路区間を正確に分割することができる。従って、評価側ユーザは、評価する道路区間をより認識しやすくなるため、より正確に道路区間を評価することができる。
また、地図情報作成サーバ20は、評価側ユーザの運転する車両が走行状態にあるか否かを判定し、その結果に基づいて道路区間を分割することによって、例えば、休憩などで停車をする前後で評価する道路区間を分割することができ、評価側ユーザは、分割ポイントがわかりやすくなり、より正確に道路区間を評価することができる。
ところで、評価道路区間の分割は、図3(b)で示したように、図12の評価道路区間で分割する他にも、評価側ユーザが設定する条件で分割を行うことができる。ここで、地図情報作成サーバ20が作成する道路区間評価シートのいくつかの分割例について説明する。
図17は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間の評価シートを分割する際の一例を示した図である。図17には、始点がE交差点であり、終点がF交差点である県道4号という山道170の高低差を示している。地図情報作成サーバ20は、ユーザプロファイルとともに設定された道路区間評価シートを分割する際の条件に合致するときに、それぞれの道路区間を分割する。例えば、図3(b)に示した「山道のピークで分割する」のチェックボックスがチェックされている場合には、それぞれの条件で道路区間を分割する。図17には、図3(b)に示した「山道のピークで分割する」のピーク区間分割設定チェックボックス514がチェックされている場合に、道路区間を山道のピークで分割する場合の一例を示している。
図17に示したように、道路区間を山道170のピークの位置172で分割する場合には、例えば、デジタル地図に記録されている山の頂上を表すノード1721に基づいて、道路区間を分割することができる。また、例えば、図17中に“○:白抜きの丸”で示しているGPSログに含まれる位置情報(高度)に基づいても、道路区間を分割することができる。このとき、例えば、道路区間評価シートを分割する際の条件として、高度の条件を設定する構成にすることもできる。
図17(a)に示した一例では、「E交差点」から山道170(県道4号)の頂上までの上り道171の道路区間を、図17(b)に示した「XX県 県道4号 E−上り 区間」とし、山道170(県道4号)の頂上から「F交差点」までの下り道173の道路区間を、図17(c)に示した「XX県 県道4号 E−下り 区間」として分割した場合を示している。図17(b)および(c)は、それぞれ、図13(a)に示した道路区間評価シート表示部93の評価道路区間名表示部932に相当する表示を示している。
また、地図情報作成サーバ20は、ツーリングの目的に含まれない市街地などを走行したときに該当道路区間の道路区間評価シートを作成しないように、すなわち、走行すること自体の面白味が比較的少なくツーリングの目的に含まれない道路区間の道路区間評価シートは省略するように設定することもできる。この設定は、例えば、図3(b)に示したユーザプロファイルとともに設定する市街地経路簡略化設定チェックボックス515で設定する。
図18は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間の評価シートを省略する際の一例を示した図である。図18には、図3(b)に示した「市街地はまとめる」の市街地経路簡略化設定チェックボックス515がチェックされている場合に、市街地の道路区間をまとめて1つの道路区間評価シートを作成する場合の一例を示している。図18(a)に示される県道11〜15号と県道10、20、30、40、50、および60号は、デジタル地図データベース30または道路評価情報データベース40中で市街地として識別されるデータを有している。図18中の“○:白抜きの丸”は、GPSログの位置情報が蓄積された場所を表している。
図18(a)に示した一例では、市街地の入り口である「出発地点:G交差点」から市街地の出口である「到着地点:H交差点」までの道路区間でGPSログに蓄えられる位置情報は、市街地として登録されている道路上のみを走行している。このような場合には、図18(b)に示したように、「YY県 ZZ市街地 G−H 区間」としてまとめ、1つの道路区間を作成する。図18(b)は、図13(a)に示した道路区間評価シート表示部93の評価道路区間名表示部932に相当する表示を示している。なお、該当道路区間の道路区間評価シートは、評価フォーム部94が省略されていてもよい。
なお、まとめた道路区間評価シートを作成する条件は、上述した「市街地」のみではなく、例えば、評価側ユーザの自宅周辺の道路、いわゆる生活道路や、自宅から最寄りの高速道路のインターチェンジのような、評価側ユーザが自動二輪車Mでよく走行する道路に対しても、まとめた道路区間として設定することもできる。
また、地図情報作成サーバ20は、予め定めた閾値(評価道路区間最低基準距離)以上の距離を走行した道路区間に対してのみ、道路区間評価シートを作成することもできる。図19は、本実施形態の地図情報作成システム1において道路区間の評価シートを予め定めた最小の距離毎に作成する場合の一例を示した図である。図19には、図3(b)に示した「評価する道の最小区間距離」の最小区間距離欄511の値が“3”(3Km以上)である場合の道路区間評価シートの一例を示している。なお、図19(a)においては、それぞれの道路の交差点間の間隔が、全て“2Km”であるものとする。
評価側ユーザが図19(a)に示したような経路(ルート)で走行した後に、道路区間評価シートの作成要求を地図情報作成サーバ20に送信すると、地図情報作成サーバ20は、上述したように、道路名が別の道路名に変わった、すなわち、自動二輪車Mが曲がった交差点の地点で分けた複数の道路区間評価シートを作成する。
ここで、地図情報作成サーバ20は、道路区間評価シートの作成要求を出した評価側ユーザの評価道路区間最低基準距離をユーザデータベース50から参照し、評価道路区間最低基準距離以上の道路区間に対してのみ道路区間評価シートを作成し、評価道路区間最低基準距離に満たない道路区間に対しては、評価道路区間名表示部932の区間名のみを出力して評価フォーム部94を省略する。このようにすることで、評価側ユーザは、ごく短い距離しか走行しなかった道路に対しての評価を省略することができるため、評価側ユーザ自身が設定した基準距離以上を走行した道路に対してのみ、道路区間の評価を行うことができる。
図19(b)、(c)、および(d)に示した一例では、出発地点である「L交差点」から到着地点である「Q交差点」までの道路区間を、自動二輪車Mが曲がった交差点毎に分けた5個の道路区間評価シートを作成する場合を示している。ここで、評価道路区間最低基準距離は、“3km”に設定されているため、「XX県 県道21号 L−M 区間」、「XX県 県道30号 M−N 区間」、「XX県 県道22号 N−O 区間」、「XX県 県道40号 O−P 区間」、および「XX県 県道33号 P−Q 区間」の5個の道路区間の内、道路区間評価シートが作成されるのは、“3km”以上の区間距離を有する道路区間のみである。より具体的には、図19(b)に示した「XX県 県道21号 L−M区間」と、図19(d)に示した「XX県 県道33号 P−Q区間」のみである。その他の道路区間は、図19(c)に示したように、道路区間名のみが出力される。
また、携帯端末10が、トンネルなどの影響によって、GPSログを正確に蓄積できなかった場合には、地図情報作成サーバ20は、送信されてきたGPSログに基づいて、自動二輪車が走行した経路(ルート)を判断することもできる。図20は、本実施形態の地図情報作成システム1においてトンネル内を走行した経路を判断する場合の一例を示した図である。
図20に示したように、例えば、自動二輪車Mが途中でトンネルTを含む道路区間を走行した場合に、携帯端末10は、自動二輪車MがトンネルTに進入する直前でGPSログ201を取得した後、トンネルT内を走行する。自動二輪車Mは、トンネルT内走行中にはGPSログを取得することができない、または、正しいGPSログを取得することができない状態となり、その後、トンネルTから抜けた直後のGPSログ202を取得したとする。
この場合、地図情報作成サーバ20は、トンネルTの前の位置情報を有するGPSログ201と、GPSログ201の直前までのGPSログに基づいて算出した自動二輪車Mが走行する軌跡および速度と、デジタル地図のデータおよび道路の情報とに基づいて、自動二輪車MがトンネルT内に入ったか否かを判断する。そして、その後正確に蓄積されたGPSログ、すなわち、トンネルTから出た後のGPSログ202に基づいて、自動二輪車Mが実際にトンネルT内を走行したか否かを判断する。
自動二輪車Mが実際にトンネルTを走行したと判断されると、地図情報作成サーバ20は、図20(a)に示されるように、トンネルTの区間情報と一致する補完GPSログ203を、携帯端末10から送信されてくるGPSログに挿入追加または置換する。
地図情報作成サーバ20は、GPSログに基づいて判断した結果に基づいて、道路区間評価シートを作成する。図20(b)に示した一例では、出発地点である「J交差点」から出発し、トンネル内を走行して到着地点である「K交差点」に到着した道路区間を、「XX県 県道6号 J−K 区間」とした道路区間評価シートを作成する場合を示している。
このようにして地図情報作成サーバ20が作成したそれぞれの道路区間評価シートに対して、評価側ユーザは、携帯端末10を操作して評価点やコメントなどの評価結果を入力する。そして、携帯端末10は、道路区間評価シートに入力された評価結果の情報(道路評価データ)を、地図情報作成サーバ20に送信する。そして、地図情報作成サーバ20は、送信されてきて道路評価データを、道路評価情報データベース40に出力する。
<評価結果の蓄積>
道路評価情報データベース40には、本実施形態の地図情報作成システム1を利用する不特定多数の評価側ユーザによって評価された道路評価データ(評価結果)が、道路区間毎に蓄積されていく。図21は、本実施形態の地図情報作成システム1において評価結果が蓄積されていく状態の一例を示した図である。
図21に示したように、道路評価情報データベース40には、それぞれの評価側ユーザの評価結果の他に、それぞれの評価側ユーザが設定したユーザプロファイルの情報(図21に示した一例では、自動二輪車の種類、および好みの道のタイプ)も、併せて蓄積される。また、道路評価情報データベース40に蓄積される道路評価データには、それぞれの評価側ユーザのID(ユーザID)が、ユーザプロファイルの情報と関連付けられている。
道路評価情報データベース40に蓄積される道路評価データは、デジタル地図データベース30に保存されているデジタル地図が有するリンク毎に、ノードの単位まで細かく分けて蓄積されている。なお、同一の道路区間に対して複数の評価側ユーザから道路評価データ(評価結果)が送信されている場合には、例えば、ツーリングの回数、評価した道路区間の数、評価した道路区間の長さ(区切り)、地図情報作成アプリケーションの使用年数などの観点で、道路評価データに重み付けをすることができる。この場合、例えば、ツーリングの回数の多い評価側ユーザ、評価した道路区間の数が多い評価側ユーザ、地図情報作成アプリケーションの使用年数が長い評価側ユーザほど、道路評価データの重みを高くしてもよい。また、評価した道路区間の長さ(区切り)が短いほど、道路評価データの重みを高くしてもよい。
また、同一の評価側ユーザが、同一の道路区間に対して異なる走行毎に評価することもできる。すなわち、同一の道路区間に対して同一の評価側ユーザが異なる道路評価データを、道路評価情報データベース40に蓄積させることもできる。この場合には、評価した日が新しい方が道路評価データの重みを高くしてもよい。
また、上述したように、評価側ユーザによる道路区間の評価点やコメントなどの評価結果の入力は、ツーリングの途中のみではなく、ツーリングから帰ってきた後に行うこともできる。すなわち、GPSログを道路評価情報データベース40に送信することができれば、道路区間評価シートの作成や道路評価データの蓄積を、帰宅後に行うことができる。例えば、ツーリングへ出発前に携帯端末10で地図情報作成アプリケーションを起動せず、GPSロガーなどにGPSログを蓄積させ、帰宅後に、地図情報作成アプリケーションを起動したパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)や携帯電話などから、地図情報作成サーバ20に道路区間評価シートの作成要求とGPSログを送信することもできる。なお、携帯端末10やGPSロガーを使用せずに道路評価データを道路評価情報データベース40に蓄積することもできるが、この場合には、蓄積した道路評価データの重みを低くしてもよい。
また、道路評価情報データベース40に蓄積された道路評価データは、本実施形態の地図情報作成システム1を利用する評価側ユーザおよび閲覧側ユーザによって、様々な形で利用することができる。図22は、本実施形態の地図情報作成システム1によって蓄積された評価結果を閲覧や編集する構成の一例を示したブロック図である。
評価側ユーザは、自身が評価した道路区間評価シートへの評価結果の閲覧や編集を行うことができる。この場合には、道路評価情報データベース40に蓄積された道路評価データを、地図情報作成サーバ20およびユーザデータベース50を介して利用する。評価側ユーザが道路評価データを利用する場合には、例えば、評価側ユーザが所有するPC(Personal computer)600から道路評価データの要求を、例えば、インターネットなどのネットワーク環境を介して地図情報作成サーバ20に送信する。地図情報作成サーバ20は、PC600から入力された道路評価データの要求に応じて、道路評価情報データベース40に蓄積された道路評価データから該当評価側ユーザのツーリングに関するデータや、該当評価側ユーザが評価したデータを取得し、取得したデータをPC600に返信する。
そして、評価側ユーザが道路評価データを新たに入力または編集した場合、PC600から道路評価データの更新要求を、地図情報作成サーバ20を介してユーザデータベース50に送信する。ユーザデータベース50は、地図情報作成サーバ20を介してPC600から入力された道路評価データの更新要求に応じて、新たに入力または編集された道路評価データを道路評価情報データベース40に出力して蓄積させる。
本実施形態では、このようにして道路評価情報データベース40の蓄積された道路評価データに基づいて、不特定多数の評価側ユーザによる道路評価データが反映された評価反映地図を作成し、作成した評価反映地図を、例えば、WWWシステムにおけるウェブ(Web)上の評価反映地図として公開することによって、複数の閲覧側ユーザが利用できる評価反映地図作成システムを有する。評価反映地図は、例えば、閲覧側ユーザが次のツーリングで走行するルートを計画する際に参考にすることができる。
<評価反映地図の利用>
次に、本発明の地図作成システムにおける評価反映地図作成システムについて説明する。図23は、本実施形態による地図作成システムにおける評価反映地図作成システムの概略構成を示したブロック図である。本実施形態の評価反映地図作成システム2は、評価反映地図閲覧クライアント61と、評価反映地図作成サーバ60と、デジタル地図データベース30と、道路評価情報データベース40と、ユーザデータベース50と、から構成される。なお、デジタル地図データベース30と、道路評価情報データベース40と、ユーザデータベース50とは、図1に示した地図情報作成システム1の構成要素と同様であるため、詳細な説明は省略する。
評価反映地図閲覧クライアント61は、閲覧側ユーザによって操作されるものであり、例えば、前述した携帯端末10およびPC600や、ナビゲーション機器70である。携帯端末10やPC600は、ブラウザや専用のアプリケーションによって、評価反映地図を閲覧することができる。また、ナビゲーション機器70は、地図表示モードの機能の1つとして、評価反映地図を閲覧することができる。
評価反映地図作成サーバ60は、評価反映地図閲覧クライアント61から送信されてきた閲覧側ユーザの要求に応じて、デジタル地図データベース30が保有するデジタル地図を基本に、道路評価情報データベース40に蓄積された情報(道路評価データ)を反映してレイヤー表示させた評価反映地図を作成する。そして、評価反映地図作成サーバ60は、作成した評価反映地図を、評価反映地図閲覧クライアント61側に出力する。
ここで、評価反映地図作成システム2の利用する際の流れについて説明する。まず、評価反映地図閲覧クライアント61は、閲覧側ユーザが地図を閲覧したい地域(以下、「地図表示地域」という)、評価観点、および絞り込み条件などの情報と共に、評価反映地図要求を、評価反映地図作成サーバ60に送信する。
続いて、評価反映地図要求を受けた評価反映地図作成サーバ60は、評価反映地図要求に含まれる地図表示地域の情報に基づいて、評価反映地図の基本となるデジタル地図(以下、「基本地図」という)を、デジタル地図データベース30に要求する。評価反映地図作成サーバ60からの要求を受けたデジタル地図データベース30は、要求された基本地図を、評価反映地図作成サーバ60に出力する。なお、基本地図は、評価反映地図閲覧クライアント61側が保有していてもよい。
また、評価反映地図作成サーバ60は、評価反映地図要求に含まれる地図表示地域および評価観点の情報に基づいて、対応する道路評価情報を、道路評価情報データベース40に要求する。評価反映地図作成サーバ60からの要求を受けた道路評価情報データベース40は、対応する道路評価情報を、評価反映地図作成サーバ60に出力する。このとき道路評価情報データベース40が出力する道路評価情報は、少なくとも地図表示地域に関する道路評価情報が出力される。
なお、ここで、評価反映地図作成サーバ60が、閲覧側ユーザが指定した道路評価情報の絞り込み条件の情報が含まれる評価反映地図要求を評価反映地図閲覧クライアント61から受けていた場合、評価反映地図作成サーバ60は、当該絞り込み条件も道路評価情報データベース40に受け渡す。道路評価情報データベース40に蓄積された道路評価データは、上述したように、ユーザデータベース50と関連づけられているため、ユーザデータベース50側の属性値などで絞り込むことができる。絞り込み条件を受けた道路評価情報データベース40は、ユーザデータベース50側の情報も使いながら絞り込まれた道路評価情報を、評価反映地図作成サーバ60に出力する。
続いて、評価反映地図作成サーバ60は、デジタル地図データベース30から得た基本地図に、道路評価情報データベース40から得た道路評価情報を、例えば、設定された基準に基づいてハイライトなどで強調してレイヤー表示させた評価反映地図を作成する。そして、評価反映地図作成サーバ60は、作成した評価反映地図を、評価反映地図閲覧クライアント61側に出力する。ただし、評価反映地図の評価側ユーザとしてログインしていない閲覧側ユーザには、例えば、「自動二輪車の種類」、「好みの道のタイプ」など、一部のユーザプロファイルの情報のみを参照できるようになっている評価反映地図を、評価反映地図閲覧クライアント61側に出力する。
図24は、本実施形態の評価反映地図作成システム2によって作成された評価反映地図の一例を示した図である。評価反映地図は、上述したように、デジタル地図データベース30から得た基本地図に、道路評価情報データベース40から得た道路評価情報がレイヤー表示された形で提供される。図24には、図5に示したデジタル地図を基本地図として、Webブラウザ上の画面に表示される評価反映地図を示している。図24に示すように、評価反映地図は、例えば、評価側ユーザが評価した道路区間をハイライトで示すなど、評価反映地図の閲覧側ユーザが道路評価データを視覚的に認識しやすいように強調して表示することができる。図24に示した一例では、評価側ユーザの評価点が高いほど、より強調して表示した場合の一例を示している。
評価反映地図画面230は、基本となる通常のデジタル地図画面の他に、現在の道路評価情報の表示の仕方が設定および表示される設定表示部231と、強調階調レベル表示部232と、を有する。
設定表示部231は、評価者選択部2311、乗り物タイプ選択部2314、評価観点選択部2317を有する。
評価者選択部2311は、選択切り替え部2312と評価者表示部2313とを有する。閲覧側ユーザは、選択切り替え部2312を押下することで、プルダウンメニューなどにより、ハイライト表示の基礎となるデータを選択することができる。評価者選択部2311の詳細に関しては、後述する。
乗り物タイプ選択部2314は、選択切り替え部2315と乗り物タイプ表示部2316とを有する。閲覧側ユーザは、評価者選択部2311と同様に、乗り物タイプ選択部2314を押下することで、プルダウンメニューなどにより、ハイライト表示の基礎となるデータを選択することができる。乗り物タイプ選択部2314の詳細に関しては、後述する。
評価観点選択部2317は、選択切り替え部2318と評価観点表示部2319とを有する。閲覧側ユーザは、評価者選択部2311および乗り物タイプ選択部2314と同様に、選択切り替え部2318を押下することで、プルダウンメニューなどにより、ハイライト表示の基礎となるデータを選択することができる。評価観点選択部2317の詳細に関しては、後述する。
強調階調レベル表示部232は、ハイライト表示を行う基準と、そのレベル毎のハイライトの階調について表示を行うためのものである。図24に示した一例では、設定表示部231で選択された評価観点について、評価点(星付け評価における星の数)が、「1.25未満」、「1.25以上2.5未満」、「2.5以上3.75未満」、「3.75以上」の4段階で、評価反映地図画面230に示されるようにハイライトが階調表示されている。図24に示した一例では、道路区間2301〜2309が、レイヤー表示を行う基準、すなわち、星1.25以上を満たしているレイヤー表示区間である。なお、ハイライトの階調はカラー画面においては、例えば、黄色などの色の濃度で示される。
ツーリングルートを計画している閲覧側ユーザや、旅先で走行するルートを検討している閲覧側ユーザは、評価反映地図画面230のような、不特定多数の評価側ユーザによる道路評価データが反映された評価反映地図を閲覧することで、例えば、より強調したハイライトで示された評価点の高い道路を自動二輪車で走行する経路(ルート)に含めるなど、評価反映地図に含まれる道路評価データを、走行するルートを計画する際に活用することができる。
ここで、評価反映地図の活用方法について説明する。評価反映地図の道路評価データには、評価側ユーザのユーザプロファイルの情報が関連付けられており、評価側ユーザが評価した観点の情報などが含まれている。そして、評価反映地図の閲覧側ユーザは、それぞれの情報を絞り込み条件として切り替えることによって、より自分の好みに合った道路評価データを選択することができる。
図25は、本実施形態の評価反映地図作成システム2によって作成された評価反映地図に含まれる道路評価情報を切り替える方法の一例を示した図である。図25には、設定表示部231における評価者選択部2311、乗り物タイプ選択部2314、および評価観点選択部2317を切り替える方法の一例を示している。
図25に示すように、評価者選択部2311の選択切り替え部2312を押下すると、評価者表示部2313がプルダウンメニュー表示に切り替わる。評価者表示部2313の選択項目には、「みんなの評価」2313a、「自分の評価」2313cが設けられる。「みんなの評価」2313aを押下すると、評価点の評価者は地図情報作成システム1を利用する全ての評価側ユーザとなる。「自分の評価」2313cを押下すると、評価点の評価者は評価側ユーザ(この場合は閲覧側ユーザでもある)自身となる。
なお、この2つの選択項目以外に、例えば、ユーザプロファイルなどにて設定可能な任意のコミュニティ(ユーザのツーリング仲間同士のコミュニティなど)を評価点の評価者に選択することができるようにしてもよい。なお、「みんなの評価」には、後述する「自分の足跡」を選択するチェックボックス2313bもチェックすることができるようになっている。
また、図25に示すように、乗り物タイプ選択部2314の選択切り替え部2315を押下すると、乗り物タイプ表示部2316がプルダウンメニュー表示に切り替わる。乗り物タイプ表示部2316の選択項目には、「タイプ絞らず」2316a、「バイク」2316b、「自動車」2316c、「自転車」2316dが設けられる。「タイプ絞らず」2316aを押下すると、評価点の評価者の条件が乗り物のタイプによって絞られることはない。「バイク」2316bを押下すると、図3(a)のユーザプロファイルで示した移動者タイプ欄502の移動者タイプが「ライダー」の評価側ユーザに絞られる。同様に、「自動車」2316cや自転車2316dを押下すると、移動者タイプがそれぞれ「ドライバー」や「サイクリスト」の評価側ユーザに絞られる。
選択項目「バイク」2316bは、さらに細分化された選択項目として、「ロードスポーツ」2316ba、「クルーザー」2316bb、「オフロード」2316bc、「ビッグスクータ」2316bd、「原付」2316beを選択可能であり、各項目を選択すると、該当する乗り物タイプの評価者による評価点に条件が絞り込まれる。
なお、乗り物タイプ表示部2316の選択項目はこれに限られるものでなく、例えば、トラックなどの「大型自動車」や、ランニングなどをするユーザのための「ランナー」などが設けられてもよい。これらの乗り物タイプに対して、前述した「バイク」2316bにおける「ロードスポーツ」2316baのような細分化された選択項目も追加設定されてもよい。
また、図25に示すように、評価観点選択部2317の選択切り替え部2318を押下すると、評価観点表示部2319がプルダウンメニュー表示に切り替わる。評価観点表示部2319の選択項目には、道路区間評価シートの評価項目と対応する「オススメ」2319a、「景色」2319b、「走りやすさ」2319c、「ツイスティ」2319dが設けられる。「オススメ」2319aを押下すると、評価点の観点はオススメに選択される。同様に、「景色」2319b、「走りやすさ」2319c、「ツイスティ」2319dを押下すると、評価点の観点はそれぞれ「景色」、「走りやすさ」、「ツイスティ」に選択される。なお、評価点の観点はこれに限定されるものでなく追加設定されてよい。
評価反映地図作成サーバ60は、選択された評価者選択部2311、乗り物タイプ選択部2314、評価観点選択部2317をAND条件とし、該当する道路評価情報を、道路評価情報データベース40およびユーザデータベース50を利用して抽出し、設定された基準で、基本地図の表示上にハイライトを階調でレイヤー表示する。
なお、評価観点を複数設定可能とし(例えば、「走りやすさ」と「ツイスティ」を選択可能にするなど)、各観点の評価点がAND条件を満たした道路区間に対しハイライト表示するように(例えば、「走りやすさ」が評価点3点以上、かつ、「ツイスティ」が評価点3点以上ならばハイライト表示するなど)してもよい。
評価反映地図の閲覧側ユーザは、それぞれの項目を選択することによって、ハイライトして表示される道路区間を、自分の好みに合った条件にすることができる。また、選択した項目に応じて、ハイライトして表示するときの色を、例えば、「オススメ」は“黄色”、「景色」は“緑”、「走りやすさ」は“水色”、「ツイスティ」は“ピンク”などに変えることができる。
ここで、それぞれの項目を選択した場合の一例について説明する。図26〜図29は、本実施形態の評価反映地図作成システム2によって作成された評価反映地図に表示する項目を選択した一例を示した図である。図26〜図29には、同じ閲覧側ユーザが、同じ地図表示地域の評価反映地図に含まれる道路評価情報を切り替えたときの表示の一例を示している。
図26は、評価者選択部2311で「みんなの評価」2313aを選択し、さらに、「自分の足跡」のチェックボックス2313bにチェックを入れている場合の一例である。なお、図26の一例では、閲覧側ユーザは、図2〜16で説明した評価側ユーザと同一であるとする。また、乗り物タイプ選択部2314と評価観点選択部2317とは、初期値(「タイプ絞らず」および「オススメ」)の状態である。「自分の足跡」のチェックボックス2313bは、閲覧側ユーザが、地図情報作成システム1の利用を登録している評価側ユーザ出もある場合に、ユーザデータベース50に蓄積された評価側ユーザ自身の走行実績経路の表示/非表示を、チェックの有り/無しによって切り替えるものである。
図26に示した一例では、地図情報作成システム1を利用する評価側ユーザの「オススメ」観点での評価点(数値データ(表)は不図示)が高いほど、よりハイライトを強くして表示することによって、「みんなの評価」を表している。このようにすることで、閲覧側ユーザは、不特定多数の全ての評価側ユーザによって評価された道路区間の「オススメ」度合いを一目で把握できるようになり、ルート設定時に活用することができるようになる。また、評価側ユーザ自身が走行したことがある道路を、太い実線の道路区間251〜256で表している。
このようにすることで、例えば、評価側ユーザ自身がまだ走行していない区間で「みんなの評価」が高い区間を容易に把握できるようになり、ルート設定時にこのような未走行区間を優先して走行するようにするなど活用できる。
なお、「自分の足跡」のチェックボックス2313bをチェックしたときには、自分の該当区間における表示観点での評価点を、数字などで全評価ユーザによる評価点のハイライト表示と並べて比較表示できる比較表示部258を設定してもよい。なお、図26に示した一例では、走行実績がある道路区間251に対しての比較表示のみを示している。このようにすることで、閲覧側ユーザが評価側ユーザでもある場合、不特定多数の全ての評価側ユーザの道路区間の評価と、自身の走行実績区間とを見比べることができるようになる。
図27は、評価者選択部2311で「自分の評価」2313cを選択した場合の一例である。この場合、乗り物タイプ選択部2314は、評価者側ユーザの情報をユーザデータベース50の移動者タイプ欄502および車両名欄506に設定されているデータが参照されて、評価反映地図が自動的に表示される。なお、複数の移動者タイプを有する評価側ユーザ(例えば、バイクのライダーと自動車のドライバーとの2つの移動者タイプを有する評価側ユーザ)は、乗り物タイプを選択することができる。
図27の一例でも、閲覧側ユーザは、図2〜16で説明した評価側ユーザと同一であるとする。また、評価観点選択部2317は、初期値(「オススメ」)の状態である。評価反映地図作成サーバ60は、評価側ユーザの道路区間評価点データに基づいて、図27に示すように、走行実績道路区間261〜266に自身の「オススメ」観点での評価点に基づいたハイライト階調表示がなされた評価反映地図を出力する。このようにすることで、自身の走行実績経路と評価点を容易に見直すことができるようになり、例えば、評価側ユーザが自身のツーリングの思い出を道路区間の評価点付きでより正確に記録することができるようになる。
図28は、乗り物タイプ選択部2314で「クルーザー」2316bbを選択し、評価観点選択部2317で「オススメ」2319aを選択した場合の一例である。なお、評価者選択部2311は、初期値(「みんなの評価」)の状態である。図28に示した一例では、クルーザーでツーリングした評価側ユーザが、オススメの観点で評価した際の評価点が高いほど、よりハイライトを強くして表示している。
ここで、クルーザー(一般的に、ホイールベースが長く、キャスター角が大きく、車高やシート高が低いなどの特徴で分類されるモーターサイクル型車両)に乗るライダーは、クルーザーの車両ジオメトリや車重の関係で、急なカーブが連続し、かつ、道幅が細いような道は避けたいと思う傾向がある。一方で、ロードスポーツ(一般的に、ホイールベースが標準または比較的短く、キャスター角が標準または比較的小さく、シート高が標準的などの特徴で分類されるモーターサイクル型車両)に乗るライダーは、ロードスポーツの車両ジオメトリや車重の関係で、急なカーブが連続し、かつ、道幅が多少細いような道でも楽しんで走れる傾向がある。また、同様にビッグスクータ(一般に、排気量250cc以上のエンジンを搭載したスクータ型車両)や原付(一般に、排気量125cc以下のエンジンを搭載したオートバイ)に乗るライダーは、それらの車両タイプ毎に走行したい道に一定の傾向があると考えられる。
従来のツーリング情報地図では、このような乗り物タイプ別での詳細な道路区間の「オススメ」評価をわかるように表示し難かった。図28に示した一例のように、本実施形態の評価反映地図作成システム2による評価反映地図の情報を利用することで、クルーザーに乗る評価側ユーザによる道路区間の「オススメ」度合いを一目で把握できるようになり、自身の車両タイプに合わせたルート設定をより精度良く行うことができるようになる。
図29は、乗り物タイプ選択部2314で「ロードスポーツ」2316baを選択し、評価観点選択部2317には選択切り替え部2318が2つ設定されており、第1選択切り替え部2318aで「ツイスティ」2319d、第2選択切り替え部2318bで「オススメ」2319aを選択した場合の一例である。なお、評価者選択部2311は、初期値(「みんなの評価」)の状態である。評価反映地図作成サーバ60は、「ツイスティ」が例えば、評価点2点以上を第1の条件に、「オススメ」の評価点に対しハイライトの階調表示をしている。このようにすることで、閲覧側ユーザは、ロードスポーツ乗りの評価側ユーザによる、ある程度以上ツイスティで、かつ、オススメの道路区間を一目で把握できるようになり、自身の車両タイプや趣向に合わせたルート設定をより精度良く行うことができるようになる。
このように、評価反映地図の閲覧側ユーザは、評価反映地図に含まれる道路評価データの情報を切り替えることによって、より自分の運転する乗り物タイプや好みに合った道路を選択することができる。これにより、効率良く、ツーリングで走行するルートを計画することができる。
<評価結果の活用>
次に、地図情報作成システム1によって蓄積した道路評価データの別の活用方法について説明する。地図情報作成システム1の評価側ユーザは、自身が評価した道路評価データを、上述したような、「自分の足跡」として評価反映地図上に表示させるだけではなく、ユーザデータベース50を介して取得した評価側ユーザ自身の道路評価データを、例えば、インターネット上の個人専用のWebページで閲覧できるように公開することができる。
図30は、本実施形態の地図情報作成システム1によって蓄積された評価結果の活用方法を説明する図である。図30(a)には、地図情報作成システム1によって蓄積された評価結果を活用する構成の一例のブロック図を示している。図30では、Webページ作成サーバ700を利用してWebページを作成する場合の一例を説明する。
Webページ作成サーバ700によって評価側ユーザのWebページを作成する流れについて説明する。まず、評価側ユーザが所有するPC600から、例えば、インターネットなどのネットワーク環境を介してWebページ作成サーバ700の個人ページにアクセスしてログインする。そして、Webページ作成サーバ700は、道路評価情報データベース40に蓄積された評価側ユーザ自身の道路評価データを、ユーザデータベース50を介して取得し、格納する。そして、Webページ作成サーバ700は、当該格納した道路評価データを利用して、道路評価データをまとめたWebページを作成する。
図30(b)および図30(c)には、作成したWebページの一例を示している。図30(b)に示すように、Webページは、各ツーリング単位のブロック280で区画されている。各ブロック280は、ツーリング名称表示部281と、ツーリングルート表示部282と、複数の走行実績道路区間表示部283と、を有する。走行実績道路区間表示部283には、図14に示した各道路区間名と評価側ユーザによる各観点での評価およびコメントが表示される。また、ブロック280内には、画像表示部284が設けられ、ツーリング中に撮影した写真などを表示させることができる。
また、図30(c)に示したWebページの一例のように、例えば、Webページのトップにビルボード画像285やWebページロゴ285aを設け、道路区間評価シートに加えて、記事や道路区間毎の写真などを掲載したツーリングレポートにすることもできる。このようにすることで、評価側ユーザは、自身のツーリングについて整理された形で走行履歴や思い出を管理することができる。
<地図作成システムの別の活用>
次に、地図情報作成システム1の別の活用方法について説明する。地図情報作成システム1は、上述したように、ツーリングルートの計画のみに活用するのではなく、様々な活用方法がある。図31は、本実施形態の地図情報作成システム1を活用する別の一例を示した図である。図31に示した地図情報作成システム1の活用方法は、地図情報作成システム1または評価反映地図を店舗の広告として活用する場合の一例である。
この活用方法では、評価側ユーザが道路区間を評価するときに、地図情報作成サーバ20は、走行実績地図および道路区間評価シートを携帯端末10に送信するとともに、評価側ユーザの現在位置に近い店舗の広告を送信する。この店舗の広告は、レストラン、お土産屋、休憩所、喫茶店などが、店舗の位置のデータとともに事前に地図情報作成サーバ20や地図情報作成システム1のデータベースに登録されたデータである。
地図情報作成サーバ20は、道路区間評価シートの作成要求とともに送信されてきたGPSログに基づいて、評価側ユーザの現在位置を判定し、判定した評価側ユーザの現在位置から、例えば、半径10Km程度の距離以内に位置する店舗の広告を、走行実績地図および道路区間評価シートとともに、携帯端末10に送信する。そして、地図情報作成アプリケーションは、地図情報作成サーバ20から送信されてきた走行実績地図と道路区間評価シートとを、携帯端末10の表示部に表示させるときに、例えば、図31に示した広告領域Bに、ともに送信されてきた店舗の広告を表示させる。評価反映地図についても同様に、閲覧されている地域に合わせて、当該地域の商業施設の広告を表示させることができる。
<評価結果の別の活用>
図32は、本実施形態の地図情報作成システム1によって蓄積された評価結果を活用する別の一例を示した図である。図32には、比較的新しい道路評価データを、リアルタイムに複数の評価側ユーザまたは閲覧側ユーザと共有する例を示している。
この活用方法では、地図情報作成サーバ20が、道路区間評価シートの作成要求とともに携帯端末10から送信されてくるお気に入り地点情報や、その後携帯端末10から送信されてくるオススメ評価点が高い(例えば、4点以上)道路評価データを、予め定めた時間間隔(例えば、2時間間隔)で集計する。そして、地図情報作成サーバ20は、集計した結果を表す情報を表示するための地域毎の評価分布地図を作成し、集計した結果が予め定めた閾値を超えた場合に、集計した結果を、作成した評価分布地図上に動的に反映させる。図32には、集計した結果を、評価側ユーザの気分を表すアイコンで表現した天気図のような形式の評価分布地図(以下、「共感天気図」という)の一例を示している。
評価側ユーザは、例えば、休憩時間などに、地図情報作成アプリケーションから地図情報作成サーバ20にアクセスして、共感天気図を携帯端末10に取得する。これにより、評価側ユーザは、例えば、現在時刻から2時間以内に、ツーリングの目的地の市区町村のエリアを走行している別の不特定多数の評価側ユーザによるリアルタイムの道路評価データを、携帯端末10で容易に確認することができる。
そして、評価側ユーザは、他の評価側ユーザの比較的新しい道路評価データを参考にして走行するルートを変更するなど、その回のツーリングをよりよくすることもできる。このとき、携帯端末10が取得した共感天気図の情報を、例えば、携帯端末10が有しているナビゲーション機能に入力することによって、走行する方向の案内に利用することもできる。
また、共感天気図のユーザは、共感天気図を閲覧することで、他のツーリングライダーなどがどれくらいその日のツーリングを楽しんでいるかを大雑把に把握することができるため、例えば、休憩所などでの他のライダーとのコミュニケーションを図りやすくすることができる。
なお、集計した結果を表すための表示方法は、図32に示した共感天気図による表示に限定されるものではなく、例えば、道路区間毎の道路評価データをヒストグラムで表すなど、様々な方法が考えられる。また、共感天気図に表示する共感情報の観点としては、「暑い」「寒い」「雨でシンドイ」「風がスゴイ」などの気候に関する情報を表示してもよい。この場合、共感天気図は、道路区間評価シートに入力される気候についてのデータやコメントから作成される。
<評価反映地図の検索>
次に、評価反映地図作成システム2によって作成した評価反映地図の検索方法について説明する。評価反映地図を利用して走行するルートを計画する際に、ツーリングの目的地の市区町村のエリアと道路評価データに基づいて、自分の好みに合ったエリアを検索することができる。
図33は、本実施形態の評価反映地図作成システム2によって作成された評価反映地図を検索する場合の一例を示した図である。図33には、評価反映地図を検索するときの検索画面の一例を示している。
図33に示した一例では、ツーリングするエリアを評価反映地図から検索する条件として、「出発地点」、「到着地点」、「距離」の項目を示している。なお、「距離」は、移動する距離の範囲を指定することができるようになっている。また、図33に示した一例では、評価反映地図に含まれる評価の観点の条件として、「オススメ度」、「景色」、「ツイスティ」の項目を示し、それぞれの評価の観点に対して、評価点を指定することができるようになっている。また、図33に示した一例では、評価反映地図を検索するその他の条件として、「信号が少ない」、「片側1車線」、「高速・有料道路を使う」の項目のチェックボックスも選択することができるようになっている。
なお、ルート作成にあたってこれらの蓄積情報に加えて、計画日時の天候情報や、単独ツーリングかグループツーリングかなどの条件を、要素として加えるものであってもよい。また、一定の料金を支払った閲覧側ユーザへは、オススメツーリングプランを作成するようにしてもよい。また、有用な情報を最初に投稿した評価側ユーザへは、別のサービスなどで利用可能なポイントを提供してもよい。このポイントにて別のサービスでの支払いにおける割引やキャッシュバックなどが利用できるようにしてもよい。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、携帯端末10が自動二輪車で走行しているときの位置の情報を取得し、地図情報作成サーバ20が、位置の情報とデジタル地図の情報とに基づいて道路区間を評価するための道路区間評価シートを作成する。そして、地図作成システムの利用者(評価側ユーザ)は、道路区間評価シートに基づいて、道路評価データを入力する。これにより、ある程度共通の評価項目(観点)で評価された道路評価データを蓄積することができる。
また、本発明を実施するための形態によれば、地図情報作成サーバ20が、道路区間評価シートに基づいて評価された道路区間毎の道路評価データが反映された評価反映地図を作成する。これにより、地図作成システムの利用者(閲覧側ユーザ)は、評価反映地図に含まれる道路評価データを参考にして、次に自動二輪車で走行する経路(ルート)をより自分の好みに合った経路(ルート)で計画することができる。
このことにより、本発明を実施するための形態では、評価者の主観を抑えつつ、地図上の区間の評価情報を登録することができ、地図利用者の趣向に合わせた評価情報を地図上に表現することができる地図作成システムを提供することができる。
また、本発明を実施するための形態によれば、評価反映地図に含まれる道路評価データを、様々な方法で活用することができる。例えば、道路評価データを、携帯端末10が有しているナビゲーション機能に入力することによって、自動二輪車で走行する際のルートの案内に利用することもできる。
なお、本実施形態においては、地図情報作成システム1を利用する際の携帯端末10として、スマートフォンなどの携帯端末を利用する場合について説明した。しかし、地図情報作成システム1を利用する際の構成は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。携帯端末10と同様に地図情報作成システム1を利用する際の最小の構成は、位置情報の取得、取得した位置情報の地図情報作成サーバ20への送信、地図情報作成サーバ20からの道路区間評価シートの受信、道路区間評価シートへの評価結果の入力、および評価結果の地図情報作成サーバ20への送信ができる構成であればよい。従って、例えば、単体のGPSロガーと、地図情報作成アプリケーションを起動することができる携帯電話とを使用し、GPSロガーが取得した位置情報を、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信で携帯電話に転送することによって、携帯端末10と同様に地図情報作成システム1を利用することができる。
また、道路区間評価シートの作成や道路評価データの蓄積を帰宅後に行う場合には、地図情報作成システム1を利用する際の最小の構成がさらに少なくなり、位置情報の取得する単体のGPSロガーを持っていくのみでよい。そして、帰宅後にGPSロガーが取得した位置情報と道路区間評価シートの作成要求とを、地図情報作成サーバ20に送信すればよい。
また、本実施形態においては、デジタル地図がベクトル型のデジタル地図である場合について説明したが、本発明を実施するための形態の地図作成システムで使用するデジタル地図は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、例えば、ラスタ型のデジタル地図であってもよい。
なお、本実施形態においては、GPSログをスマートフォンである携帯端末10に蓄積する場合について説明した。しかし、携帯端末10は、外部から電力を供給しない限り、携帯端末10自体に備えたバッテリによって駆動されるため、残っているバッテリの容量によっては、ツーリングの期間中にバッテリが切れてしまう場合もある。このため、携帯端末10を自動二輪車に取り付けることによって、携帯端末10の充電を同時に行えることが望ましい。
また、携帯端末10を取り付けた場合、携帯端末10のみの初期設定によっては、携帯端末10の画面表示の明るさが昼間の屋外での視認性を確保できない場合もある。逆に夜間では明るすぎてしまう場合もある。また、いわゆる、静電容量方式のタッチパネルでは、評価側ユーザが装着するグローブがタッチパネルの操作に対応しておらず、携帯端末10を操作するためにグローブを外さないと操作できない場合もある。このようなことから、自動二輪車に携帯端末10を取り付ける場合には、携帯端末10への充電と、表示画面の視認性およびタッチパネルの操作性が考慮されていることが望ましい。
<自動二輪車への携帯端末10の取り付けの変形例>
以下に、自動二輪車に携帯端末10を取り付けて地図作成システムを利用する場合の変形例について説明する。図34は、携帯端末10を鞍乗り型車両に取り付けて本実施形態の地図作成システムを利用する際の接続状態の一例を示した図である。また、図35および図36は、鞍乗り型車両のメータ部の拡大図である。
自動二輪車は、ECU510と、メータ500と、当該メータ500内に設けられたタッチパネル521と、タッチパネルドライバ520とを備えている。メータ500は、図13に示したように、主メータ部530と、インジケータ540とを備えている。図13に示したメータ500には、主メータ部530に、タッチパネル521と、スピードメータ531と、距離計532と、水温計533と、燃料計534と、時計535と、を備えている。また、インジケータ540に、左ウインカインジケータ541と、エンジンインジケータ542と、ABSインジケータ543と、ニュートラルインジケータ544と、ハイビームインジケータ545と、右ウインカインジケータ546と、を備えている。また、メータ500には、例えば、距離計532の初期化や時計535の時刻設定を行うボタン551および552も備えている。また、メータ500には、周囲の照度を測定する照度センサ590も備えている。照度センサ590の測定結果は、タッチパネル521のバックライトの調光に利用される。
タッチパネル521は、携帯端末10の表示部と操作入力部とを組み合わせて構成されたタッチパネルと同様の機能を有している。以下の説明においては、タッチパネル521が、自動二輪車の主メータ部530内の、いわゆる、タコメータの位置に配置されているものとする(図35参照)。なお、タッチパネル521は、防水式のタッチパネルであり、例えば、既存の圧力センサ方式や、特殊静電容量方式のタッチパネルである。
ECU510は、自動二輪車の電気的な制御を行う。また、ECU510は、自動二輪車の各構成要素の情報を出力する。例えば、ECU510は、ユーザによる不図示のスロットル(アクセル)の操作に応じた自動二輪車のエンジンの回転数およびギアポジション(例えば、1〜6速およびニュートラル)の情報を、表示画面としてタッチパネル521に出力する。これにより、タッチパネル521には、自動二輪車が走行している通常の状態におけるエンジンの回転数およびギアポジションの情報が、タッチパネル521の表示部に表示される(図36参照)。なお、ギアポジションは、タッチパネル521の表示領域の内、ギアポジション表示領域522に表示される。
タッチパネル521は、ユーザによってタッチされた位置の情報を、タッチパネル521の操作入力部によって取得する。タッチパネル521は、タッチされた位置の情報を、タッチ情報としてタッチパネルドライバ520に出力する。タッチパネルドライバ520は、タッチパネル521から入力されたタッチ情報を、ECU510に転送する。
携帯端末10は、図34に示したように、ケーブル800によってECU510と接続される。携帯端末10は、ケーブル800を介して供給される電力によって動作する。このとき、携帯端末10は、ケーブル800を介して供給された電力によって充電も行われる。これにより、上述したような、携帯端末10のバッテリ切れを回避することができる。
また、本変形例では、ECU510と携帯端末10とは、ケーブル800を介してデータの通信を行う。例えば、ECU510は、タッチパネルドライバ520を介して入力されたタッチ情報を、ケーブル800を介して携帯端末10に出力する。また、上述した例では、図7に示した地点印付けボタン101をライダーが押した回数であるお気に入り地点情報を、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信を介して携帯端末10送信する例を示したが、この構成では、お気に入り地点情報が、ケーブル800を介して携帯端末10に出力される。
また、例えば、携帯端末10は、地図情報作成アプリケーションによる表示画面を、ケーブル800を介してECU510に出力する。これにより、携帯端末10の表示部に表示していた道路区間評価シートを、自動二輪車に備えたタッチパネル521に表示させることができる(図13〜図16参照)。そして、ユーザは、携帯端末10ではなく、自動二輪車に備えたタッチパネル521を操作することによって、地図作成システムを利用することができる。これにより、上述したような、画面表示の視認性の確保や、グローブを装着した状態でのタッチパネルの操作性に関する問題を回避することができる。
なお、自動二輪車と携帯端末10とを接続していない場合、タッチパネル521には、図36に示したような、自動二輪車の通常の状態におけるエンジンの回転数の情報が表示される。また、例えば、ボタン551を押すことによって、タッチパネル521の表示を、タコメータ、燃費計、走行可能距離、時計、ラップタイム計、などの画面に切り替えられるようにしてもよい。
ところで、ツーリングの期間中は常に晴天であるとは限らない、すなわち、雨の中を走行することもある。携帯端末10に備えたタッチパネルは、一般的に静電容量式であることが多いため、雨水が携帯端末10のタッチパネルに当たると、操作を誤認識してしまうという可能性がある。しかし、上述したように、本変形例では、自動二輪車と携帯端末10とは、ケーブル800によって接続されている。このため、携帯端末10を自動二輪車に取り付ける場合には、携帯端末10本体の防水および防塵を考慮したハンドル周辺の収納ポケットや、シート下の収納空間など、既存の収納部に取り付ければよい。携帯端末10と自動二輪車とを接続するには、ケーブル800のコネクタなどがあればよい。
ここで、携帯端末10を自動二輪車に取り付ける際の取り付け位置について説明する。図37は、携帯端末10を鞍乗り型車両に取り付ける際の携帯端末10の配置の一例を示した図である。図37に示したように、携帯端末10は、自動二輪車のシートの下の収納空間に収納され、収納空間内に配置されたケーブル800のコネクタを介してECU510と接続される。このように、濡れたり埃がかかったりすることが少ない位置に携帯端末10を取り付けることによって、携帯端末10本体およびケーブル800(コネクタも含む)の防水状態と防塵状態とを、既存の収納部を利用して容易に確保することができる。
<自動二輪車に携帯端末10を取り付けた状態での利用方法>
次に、自動二輪車に携帯端末10を取り付けた状態でのいくつかの利用例について説明する。図38〜図43は、携帯端末10を鞍乗り型車両に取り付けた際のタッチパネル521の表示画面の一例を示した図である。
自動二輪車に携帯端末10を接続すると、ECU510は、タッチパネル521の表示を選択させるための表示画面を表示させる。また、このとき、携帯端末10は、タッチパネル521に表示させる表示画面をECU510に出力するとともに、ECU510から入力されたタッチパネル521の操作の情報(タッチ情報)を受け付けて動作する状態になる。図38には、通常のエンジンの回転数の情報を表示させる「タコメータモード」と、携帯端末10の表示画面を表示させる、すなわち、携帯端末10に備えたタッチパネルとして動作する「スマートフォンディスプレイモード」とを選択させるための表示画面の一例を示している。ユーザは、タッチパネル521に表示されたいずれかのモードをタッチ(押下)する。これにより、ECU510は、選択されたモードの表示に切り替える。なお、モードの表示切り替えは、ボタン551やボタン552によって行ってもよい。
ユーザが、「タコメータモード」を選択すると、ECU510は、図36に示したような、エンジンの回転数の情報の表示画面をタッチパネル521に表示させる。また、ユーザが、「スマートフォンディスプレイモード」を選択すると、ECU510は、携帯端末10の表示画面をタッチパネル521に表示させる。図39には、携帯端末10が持っている各種のアプリケーション機能を起動させるためのそれぞれのアイコンの表示画面の一例を示している。このとき、携帯端末10のOSやアプリケーションは、表示されるGUI(Graphical User Interface)のレイアウトを調整するなど、自動二輪車に備えたタッチパネル521に合わせた表示画面を、ECU510を介してタッチパネル521に出力する。
なお、ECU510に出力する表示画面は、携帯端末10が持っているアプリケーション機能を起動させるための全てのアイコンを含んでいる必要はなく、例えば、図40に示したように、自動二輪車で使用するアプリケーションを優先し、一部のアプリケーション機能を起動させるためのアイコンを含んだ表示画面にしてもよい。図40には、地図情報作成アプリケーションを起動させるためのアイコンの一例を含んだ表示画面の一例を示している。また、携帯端末10は、携帯電話の着信画面などの表示画面を表示しないようにすることもできる。
タッチパネル521に携帯端末10の表示画面を表示しているとき、図41に示したように、ユーザがタッチパネル521の表示画面をスライドさせる操作(または、フリック操作)を行うと、例えば、図42に示したように、タコメータの針が最小値から最大値まで回転するようなアクションを見せながら、次の表示画面に切り替わるようにしてもよい。
また、ユーザが、携帯端末10が有しているナビゲーション機能を起動した際には、ルートの案内の画面をタッチパネル521に表示させることもできる。なお、必要なGUIがタッチパネル521に入っている場合、図43に示したように、ルートの案内の画面の一部をタッチパネル521表示させてもよい。このように、ルートの案内の画面をタッチパネル521に表示させることによって、携帯端末10が有しているナビゲーション機能を活用することができ、比較的コストを抑えた状態でナビゲーション機能を自動二輪車に導入することができる。
なお、自動二輪車で走行しているときに、タッチパネル521に表示された、例えば、ルート案内の表示画面が表示されたことを認識させるために、必要なときに表示画面の変化などを知らせる構成を備えていることが望ましい。しかし、自動二輪車では、エンジン音などの自動二輪車自体の音、周囲の車両などの音、走行時の風の音などのため、音声で表示画面を確認するように通知することは困難な場合がある。図44は、鞍乗り型車両の表示画面の確認を促す構成の一例を示した図である。図44には、ユーザが装着するヘルメットの前面開口部の上側で、視界を遮らずにユーザが認識できる位置に小型のヘルメット側インジケータ900を配置し、ヘルメット側インジケータ900の点灯によって、自動二輪車のタッチパネル521の表示画面の確認を促す通知を行う構成の一例を示している。
ヘルメット側インジケータ900は、例えば、複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)901を備え、点灯するLED901によってユーザに確認を促す情報の種類を通知する。LED901の駆動は、例えば、携帯端末10からのブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信で行う。携帯端末10は、例えば、ルート案内において、交差点の右左折ポイントなどの通知がある場合に、ヘルメット側インジケータ900に通知信号を送信する。このように、ヘルメット側インジケータ900のLED901を点灯させることによって表示画面の確認を促す通知を行うことで、エンジン音などの自動二輪車自体の音、周囲の車両などの音、走行時の風の音などがある状態でも、容易に、かつ、確実に、表示画面の変化などをユーザに認識させることができる。なお、ヘルメット側インジケータ900のLED901の色を、例えば、オレンジ、緑、および赤などに分けて、ルート案内の表示画面が右左折時にはオレンジを点滅させなどすれば、ライダーにとって教示内容を把握しやすくすることができる。
なお、本実施形態においては、GPSログを取得する方法として、携帯端末10や単体のGPSロガーを使用する場合について説明したが、例えば、自動二輪車自体にGPSログを取得する機能を備えることもできる。この場合には、自動二輪車が取得または蓄積したGPSログを、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信で携帯端末10に送信することができる。
そして、自動二輪車自体がGPSログを取得する場合には、自動二輪車のエンジンが始動しているか否かの情報や、自動二輪車の走行速度の情報も、自動二輪車自体から併せて取得することができる。この情報は、上述した地図情報作成サーバ20が、自動二輪車が信号で停止している状態、道路が渋滞している状態、ユーザが徒歩で移動している状態など、ツーリングにおけるそれぞれの状態を判定する際に有用な情報になる。
このように、携帯端末10を自動二輪車に取り付けることによって、本発明の地図作成システムに限らず、携帯端末と自動二輪車を利用した様々な機能を実現することができる。
なお、本実施形態においては、本発明の地図作成システムを、鞍乗り型車両(自動二輪車)に適用した場合について説明した。しかし、本発明の地図作成システムを適用することができる車両は、本実施形態において説明した自動二輪車に限定されるものではない。例えば、鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車のみならず三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)または四輪の車両も、本発明を実施するための形態の地図作成システムを適用することができる鞍乗り型車両に含まれる。その他、自動車や自転車などにも、地図作成システムを適用することができる。
また、本実施形態においては、地図作成システムを、エンジンの駆動によって走行する自動二輪車に適用した場合について説明したが、本発明を実施するための形態の地図作成システムを適用することができる車両は、本実施形態において説明した自動二輪車と同様の構成を有する車両に限定されるものではない。例えば、電動モータの駆動によって走行する自動二輪車や、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)および四輪の車両にも適用することができる。
なお、本実施形態の地図作成システムの構成要素である地図情報作成サーバ20による処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、地図作成システムを使用した評価反映地図の作成と公開に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
また、本実施形態においては、地図情報作成サーバ20と、評価反映地図作成サーバ60と、Webページ作成サーバ700とは、異なるサーバであるものとして説明したが、それぞれのサーバの構成は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、例えば、地図情報作成サーバ20が、評価反映地図作成サーバ60とWebページ作成サーバ700との機能を有する構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。