JP6012002B2 - インキ自給式印判 - Google Patents
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Description
本発明において、「下」とは重力下向き方向を指し、「上」とは重力上向き方向を指す。
従来、この種印判は、インキ吸蔵体に吸蔵されているインキが多孔質印字体に自然に流下(浸透)して印字面にインキを浸透補給するような構造であって、この印判にインキ補給を行なうには、液状インキを印字面あるいはインキ吸蔵体に滴下していた。液状インキの滴下は、印字面の浸透(印字面のインキの回復)に時間差があるため、適量な補充インキ量がわからず液状インキを過度に補充する傾向があった。
これを解決するために、インキを収容するインキカートリッジのインキ供給孔が、インキ含浸体と接触するようにした状態で、インキカートリッジをインキ含浸体の背面側に配置した印判が、特許文献1より知られている。
また、多孔質ゴムの中にインキ補給用のチューブを差し込んだ印判が、特許文献2より知られている。
また、特許文献2も同様に、チューブから活字体に供給されたインキは、最終的に活字体の許容量一杯までインキで満たされることになる。この状態で、急激な温度上昇のように、インキカートリッジ内の内圧が上昇すると、インキは印面から噴出しインキ漏れの原因となる。
前記インキ吸蔵体の上面側および側面側に前記インキ吸蔵体より毛管力が弱く余剰インキを吸い取る吸収体が配置され、
前記インキ吸蔵体の下面の一部または全部は開口してインキ排出口が設けられていると共に、
前記吸収体の外面の一部または全部は開口して大気と連通する空気流通口が設けられており、前記吸収体の下面は前記多孔質印字体の上面と当接し、前記吸収体の上面側に先端を開口したインキ供給管を有するインキタンクが配置されてなるインキ自給式印判であって、
前記インキ吸蔵体は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体に押圧挿入することで、前記インキ供給管の先端近傍に前記インキ吸蔵体を形成し前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体に接続されることを特徴とする。
また、第2の発明は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体の上面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の上面に接続されていることを特徴とする第1の発明のインキ自給式印判である。
また、第3の発明は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体の上面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されていることを特徴とする第1の発明のインキ自給式印判である。
また、第4の発明は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体の側面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の側面に接続されていることを特徴とする第1の発明のインキ自給式印判である。
また、第5の発明は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体の側面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されていることを特徴とする第1の発明のインキ自給式印判である。
第6の発明は、前記インキ供給管が単数または複数であることを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれかのインキ自給式印判である。
第7の発明は、前記インキタンクの上面側に開口部を設け、インキを収容した補充インキカートリッジに開口端部を設け、前記開口部と前記開口端部とを着脱可能に嵌着するとともに、密閉することを特徴とする第1の発明から第6の発明のいずれかのインキ自給式印判である。
第8の発明は、前記開口部と前記開口端部とが嵌着する際に開栓する栓体を、前記開口端部に装着したことを特徴とする第7の発明のインキ自給式印判である。
第9の発明は、前記開口部と前記開口端部とが離脱する際に閉栓する栓体を、前記開口端部に装着したことを特徴とする第8の発明のインキ自給式印判である。
また、インキ供給管の先端を吸収体に押圧挿入することで、前記インキ供給管先端近傍に毛管力が強いインキ吸蔵体を形成することができるため、はじめからインキ吸蔵体を配置しておく必要がなく、実用に際して有用である。本発明において、インキ供給管をインキ吸蔵体に接続する構成は必須構成であるため、この接続作業でインキ吸蔵体を形成できる点で効率が上がり有用である。
第2の発明では、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の上面に接続されているため、インキをインキ吸蔵体内に円滑に含浸することができる。
第3の発明では、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されているため、インキをインキ吸蔵体内に円滑に含浸することができると共に、インキ供給管の先端とインキ吸蔵体との接続をより強固なものとすることができる。
第4の発明では、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の側面に接続されているため、インキをインキ吸蔵体内に円滑に含浸することができる。
第5の発明では、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されているため、インキをインキ吸蔵体内に円滑に含浸することができると共に、インキ供給管の先端とインキ吸蔵体との接続をより強固なものとすることができる。
第6の発明では、インキ供給管の数を、単数でも複数でも採用可能であるため、実用に際して有用である。
第7の発明では、インキタンクに収容されたインキがなくなりインキを補充する場合に、インキタンクの上面側に嵌着した補充インキカートリッジを交換することでインキを補充することができる。また、インキを補充する度に、インキ供給管とインキ吸蔵体との接続部分を差し替える必要がないため、一度接続した部分はその状態が維持され、インキ漏れなく安定したインキの供給が可能となる。
第8の発明では、インキタンクと補充インキカートリッジとが嵌着する際に、補充インキカートリッジに設けた栓体が開栓するため、インキ補充を行う際補充インキカートリッジからインキが漏れ出すことがなく、補充作業を簡便に行うことができる。
第9の発明のように、栓体が開栓用押部に押圧されることによって弁が開き開栓するバルブ装置の場合、インキが残っている状態の古い補充インキカートリッジをインキタンクから外しても、弁の作用により開口端部が閉栓されるため、インキ漏れが生じない。
多孔質印字体1は、ゴム又は合成樹脂等のスポンジ体の無数の連続気泡を有し、その表面には文字等の印字面1aが設けてある。
そして、インキ吸蔵体3は、吸収体31から形成される。つまり、インキ吸蔵体3と吸収体31は、もともと同一物質の一体物である吸収体31から形成される。
その形成方法は、インキ供給管12の先端を前記吸収体31の上面側または側面側から押圧挿入することで、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成するものである。これにより、吸収体31内にインキ吸蔵体3が形成されることになり、インキ吸蔵体3の上面側および側面側にインキ吸蔵体3より毛管力が弱く余剰インキを吸い取る吸収体31が配置されることになる。
前記吸収体31は、毛細間隙を備えるものであればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。その材質は、アクリル繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維樹脂を使用できる。
ここで、毛管力とは毛管上昇の力であり、本発明では、インキが前記毛細間隙を移動するための力である。よって、吸収体31は、インキ吸蔵体3より毛管力が弱いので、インキは、吸収体31に移動し難い構成となる。
また、吸収体31の外面の一部または全部は開口して大気と連通する空気流通口31aが設けられており、外気と空気置換が行われるように構成する。
前記インキ吸蔵体3の下面の一部または全部は、開口してインキ排出口3aをなしている。前記インキ吸蔵体3は、多孔質印字体1の上面に配置するように形成する。多孔質印字体1と前記インキ排出口3aとは接触する。そして、多孔質印字体1とインキ吸蔵体3の間の毛管力の関係は、印字面1aに適量のインキが移動するように調整する。
ここで、前記吸収体31の外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。
本体9は、ポリアセタール樹脂等の耐インキ性に優れた合成樹脂材よりなり、下面には前記インキ吸蔵体3及び多孔質印字体1を受金2にて嵌着保持してなる。
印字面1aを保護する目的で、前記シース6下面に、印字面1aを覆うように印面キャップ10を被嵌してもよい。
前記インキ供給管12は、2本以上の複数本でもよいし、図8〜図11に示す第6の発明のように、1本でもよいものである。ここでは、まず複数本について説明する。
前記インキ供給管12の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形のいずれであってもよい。また、前記インキ供給管12の各々の先端は、上下方向下方に向かって開口してもよいし、径方向外方に開口してもよい。前記インキ供給管12の各々の先端形状は、例えば、傾斜カット面、垂直面、円錐面、凸曲面等が挙げられる。
図2に示すように、インキ供給管12の各々の側壁を互いに連結してもよい。この場合、1本の筒状体の内部を上下方向に延びる仕切壁12aにより区画した構成となり、筒状体の内部に2本のインキ供給管12が独立して並列に設けられることとなる。
図3に示すように、大径のインキ供給管12の内部に小径のインキ供給管12を配置した構成でもよい。この場合、大径のインキ供給管12の内周面と小径のインキ供給管12の外周面との間に横断面環状の流通路が形成され、小径のインキ供給管12の内部に横断面円形状の流通路が形成されることになる。
インキタンクキャップ13で被嵌する方法としては、インキタンク11の開口部11bにインキタンクキャップ13を密閉状態に嵌合する。インキタンク11とインキタンクキャップ13の嵌合方法は、ねじ嵌合でもよい。インキタンクキャップ13は、インキタンク11と嵌合した状態で、その下端側から本体9の上端開口部に挿入する。インキタンクキャップ13の外周面にフランジを設け、前記本体9の上端開口端面に係止させてもよい。
また、開口部11bを密閉するように一体成型する方法としては、インキタンク11とインキタンクキャップ13を一体成型する方法が考えられ、例えば、インキ供給管12を射出成型で成型した後、インキを収容し、他端を熱シールする方法や、ブロー成型によって成型する方法が採用できる。
このとき、インキ供給管12の先端を前記吸収体31に押圧挿入し、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成し、前記インキ供給管21の先端が前記インキ吸蔵体3に接続されるものである。インキ供給管12の先端を前記吸収体31に押圧挿入する向きは、前記吸収体31の上面側からでも側面側からでもよいものである。そして、シース6と固定リング7に握持体8を嵌着し、シース6の下端に印面キャップ10を被嵌する。
前記インキ供給管12は、その各々が、インキタンク11内のインキをインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク11内に供給する機能とを備える。インキタンク11内のインキをインキ吸蔵体3に供給する際、印字面1aを下向き状態にすると、重力によりインキタンク11内のインキが、少なくとも一つのインキ供給管12を通って、インキ吸蔵体3に供給される。それと同時に、外気が他のインキ供給管12を通ってインキタンク11内に取り込まれる。したがって、インキタンク11内のインキは、インキ吸蔵体3内に含浸されていき、インキ吸蔵体3に含浸されたインキが前記外気を取り込んでいた他のインキ供給管12の先端開口部に到達するまで供給し続ける。
インキ吸蔵体3に含浸されたインキが、外気を取り込んでいたインキ供給管12の先端開口部に到達すると、先端開口部が閉鎖されて気密状態となり、インキタンク11内への外気の供給は停止される。すると、前記インキ供給を行っていたインキ供給管12によるインキタンク11からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止される。
このように、インキタンク11からのインキ流出とインキタンク11への空気流入(即ちインキと空気の置換)が停止され、インキタンクが一時的に密閉状態となる。
この状態で、連続して捺印をすると、多孔質印字体1で消費されるインキは、インキ吸蔵体3に設けたインキ排出口3aから供給される。そして、インキ吸蔵体3が多孔質印字体1に供給したインキは、インキタンク11からインキ供給管12を通して供給され、インキタンク11内のインキを全て消費するまで捺印をすることができる。
また、逆にインキタンクが密閉状態となった時点より外気温が下がると、インキタンク内の空気が収縮することで、内圧が下がり、インキ供給管12から供給管開口部近傍のインキが吸引され、この状態で外気温が上がると、インキタンク内の圧力が上がり、先ほど吸引されたインキがインキ供給管12より吐き出される。
インキを補充する場合には、まず握持体8を取り、インキタンクキャップ13を被嵌したインキタンク11をとり出し、新しいインキタンク11と交替する。
本実施の形態では、前記インキ供給管12が前記インキ吸蔵体3の上面側に配置され、前記インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の上面に接続されている。
その形成方法は、インキ供給管12の先端を前記吸収体31の上面側から押圧挿入することで、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成し、前記インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体に接続されるものである。
本実施の形態では、前記インキ供給管12が前記インキ吸蔵体3の上面側に配置され、前記インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の内部に接続されている。
その形成方法は、インキ供給管12の先端を前記吸収体31の上面側から押圧挿入することで、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成することは前記実施例と同様であるが、この際、インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の内部に入り込むように強く押圧するものである。
本実施の形態では、前記インキ供給管12が前記インキ吸蔵体3の側面側に配置され、前記インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の側面に接続されている。
その形成方法は、インキ供給管12の先端を前記吸収体31の側面側から押圧挿入することで、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成するものである。
また、図6に示すように、インキを補充する場合には、まず握持体8を取り、インキタンクキャップ13を被嵌したインキタンク11をとり出し、新しいインキタンクと交換するときに、インキ吸蔵体3、吸収体31を交換出来る構成とすることも可能である。
本実施の形態では、前記インキ供給管12が前記インキ吸蔵体3の側面側に配置され、前記インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の内部に接続されている。
その形成方法は、インキ供給管12の先端を前記吸収体31の側面側から押圧挿入することで、インキ供給管12の先端近傍に前記インキ吸蔵体3を形成することは前記実施例と同様であるが、この際、インキ供給管12の先端が前記インキ吸蔵体3の内部に入り込むように強く押圧するものである。
本実施の形態では、前記インキ供給管12を1本にする。前記の通り、インキ供給管12の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形のいずれであってもよい。また、前記インキ供給管12の先端は、上下方向下方に向かって開口してもよいし、径方向外方に開口してもよい。前記インキ供給管12の先端形状は、例えば、傾斜カット面、垂直面、円錐面、凸曲面等が挙げられる。
本実施の形態のインキ供給管12は、インキタンク11内のインキをインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク11内に供給する機能とを1本で行えるように、インキ供給管12の形状を選択する。
本実施の形態のインキ供給管12は、インキタンク11内のインキをインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク11内に供給する機能とを1本で行うこと以外は、前記実施形態と同様である。
またここで、第6の実施形態と、第3、第5の実施形態を組み合わせた実施形態を図10、図11に示す。本実施の形態では、インキ供給管12の先端が、インキ吸蔵体3の内部に接続しているため、インキ供給管12とインキ吸蔵体3の接続をより強固なものとすることができる。
使用するインキの粘度が低い場合は、調節体14の毛管力を多孔質印字体1より強くしてインキの保持力を上げ、逆に使用するインキの粘度が高い場合は、調節体14の毛管力を多孔質印字体より低くしてインキの保持力を下げることで、多孔質印字体1へのインキの移動を調整すればよい。
図13に示すように、前記開口部11bには、インキタンクキャップ13の代わりにインキを収容した補充インキカートリッジ15を着脱可能に嵌着してもよい。前記補充インキカートリッジ15は、一端に開口端部15aを設けた有底筒状体で、前記開口部11bと前記開口端部15aとが着脱可能に嵌着する。そして、前実施形態と同様、開口部11bは、補充インキカートリッジ15の開口端部15aによって、密閉される。密閉されることで、補充インキカートリッジ内に収容したインキが、外に漏れ出すことを防止できる。ここで、前記開口部11bと前記開口端部15aとが嵌着する場所は、密閉する場所と同一でも別の場所でもよい。嵌着する嵌合方法も、凹凸嵌合、圧入嵌合、ねじ嵌合等種々採用できる。
ここで、補充インキカートリッジ15をインキタンク11から取り外す際、インキタンク11ごと本体9から外れてしまうことを防止するためには、インキタンク11と本体9との嵌合力より、インキタンク11と補充インキカートリッジ15との嵌合力を弱くする必要がある。
また、前記開口端部15aには、使用時まで蓋等(図示しない)を被嵌し、使用の際に蓋を外してから開口部11bに嵌着する。このとき、補充インキカートリッジ15からインキが漏れないように、開口端部15aは地面に対して上向きの状態を維持したまま、インキタンク11の開口部11bに嵌着する。
インキが無くなり、補充インキカートリッジ15を交換する場合は、まず補充インキカートリッジ15をインキタンク11から取り外す。その際、インキタンク11は、本体9に嵌合したままの状態を維持する。そして、新しい補充インキカートリッジ15をその開口端部15a側から、インキタンク11の開口部11bに装着する。
補充インキカートリッジ15を装着する場合は、まず、開口端部15aから蓋(図示しない)を外したのち、補充インキカートリッジ15からインキが漏れないように、開口端部15aは地面に対して上向きの状態を維持したまま、インキタンク11の開口部11bに嵌着する。
図14〜図16に示すように、前記開口端部15aに板状体の栓体15bを設けることもできる。前記補充インキカートリッジ15の開口端部15aには、インキタンク11に装着されるまで、栓体15bが装着されている。そして、補充インキカートリッジ15をインキタンク11に装着する際、インキタンク開口部11bに設けた開栓用押部11cによって、前記栓体15bが補充インキカートリッジ内方に押し込まれることで開栓する。この場合も、前実施形態と同様、開口部11bは、補充インキカートリッジ15の開口端部15aによって、密閉される。
不用意にインキが漏れることを防止するために、前記インキタンク開口部と前記補充インキカートリッジの開口端部とが密閉した後、この密閉状態を維持したまま僅かな距離を移動することで、前記栓体15bを開栓することが望ましい。前記開栓用押部11cは、前記開口部11bの開口端をそのまま利用してもよいし、別途突起を設けてもよい。
栓体15bは種々選択可能であり、例えば、球体(図16A)、レンズ形状体(図16B)等を選択可能である。また、栓体15bは、前記開栓用押部11cによって破壊可能なフィルム等(図示しない)によって形成されていてもよい。
補充インキカートリッジ15の開口端部15aに栓体15bを設けた本実施形態の場合は、前記開栓用押部11cが、前記栓体15bを補充インキカートリッジ内方に押し込むことで開栓する。よってこの場合、開栓するまでインキが流出するおそれがないため、開口端部15aの向きは、前記第6の実施形態のように、地面に対して上向きの状態を維持する必要はない。つまり、上向きでも下向きでも横向きでもどの向きからでも装着可能である。栓体15bがフィルム等の場合は、前記開栓用押部11cによって破壊されて開栓する。
図17、図18に示すように、栓体15bが開栓用押部11cに押圧されることによって弁が開き開栓し、また、離脱することによって閉栓するバルブ装置を、前記補充インキカートリッジ15の開口端部15aに装着した構成であってもよい。
バルブ装置は、筒状主体15c、蓋部15d、栓体15b、コイルばね15eからなる。筒状主体15cは、その内部にコイルばね15eを介して栓体15bを組み込んだ状態で、開口に蓋部15dが被嵌する。蓋部15dに設けたインキ流出孔の周面には、栓体15bに設けた弁部と係合する弁座部が設けられ、常時は、コイルばね15eの弾発力により、弁部と弁座部が密閉するように圧接している。
栓体15bは、開栓用押部11cによって上方に押圧されると、前記コイルばね15eの弾発力に抗して上方へ移動し、前記弁部と弁座部の密閉状態が解除され、補充インキカートリッジ内のインキが、インキタンク11内に流入する。また、開栓用押部11cによる押圧が解除されると、コイルばね15eの弾発力により、弁部と弁座部が再度密閉するように圧接し、閉栓する。
前記開栓用押部11cは、インキタンク11と一体に設けてもよいし、図示するように別体で設けてもよい。別体とする場合、インキタンク11の開口部11bに内栓11dを装着し、前記内栓11dの上端に前記開栓用押部11cを設け、前記開栓用押部11cの周辺に開口部11bを設ける。そして、前記開口部11bと前記開口端部15aとが着脱可能に嵌着する。前実施形態と同様、開口部11bは、補充インキカートリッジ15の開口端部15aによって、密閉される。
栓体15bが開栓用押部11cに押圧されることによって弁が開き開栓する前記バルブ装置の場合も、開口端部15aの向きに制限はない。つまり、上向きでも下向きでも横向きでもどの向きからでも装着可能である。
新しい補充インキカートリッジ15と交換するために、古い補充インキカートリッジ15をインキタンク11から取り外す際、古い補充インキカートリッジ15内にインキが残っているとインキが漏れる可能性がある。しかし、バルブ装置を使用する場合には、古い補充インキカートリッジがインキタンクから外されても、弁の作用により開口端部15aが閉栓されるため、インキ漏れは生じない。
以上、本発明を前記実施形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
1a 印字面
2 受金
3 インキ吸蔵体
3a インキ排出口
31 吸収体
31a空気流通口
4 スライド
5 バネ
6 シース
7 固定リング
8 握持体
9 本体
10 印面キャップ
11 インキタンク
11a筒体内部
11b開口部
11c開栓用押部
11d内栓
12 インキ供給管
12a仕切壁
13 インキタンクキャップ
14 調節体
15 補充インキカートリッジ
15a開口端部
15b栓体
15c筒状主体
15d蓋部
15eコイルばね
Claims (9)
- 無数の連続気泡を有する多孔質印字体の上面側にインキ吸蔵体が配置され、
前記インキ吸蔵体の上面側および側面側に前記インキ吸蔵体より毛管力が弱く余剰インキを吸い取る吸収体が配置され、
前記インキ吸蔵体の下面の一部または全部は開口してインキ排出口が設けられていると共に、
前記吸収体の外面の一部または全部は開口して大気と連通する空気流通口が設けられており、前記吸収体の下面は前記多孔質印字体の上面と当接し、前記吸収体の上面側に先端を開口したインキ供給管を有するインキタンクが配置されてなるインキ自給式印判であって、
前記インキ吸蔵体は、前記インキ供給管の先端を前記吸収体に押圧挿入することで、前記インキ供給管の先端近傍に前記インキ吸蔵体を形成し前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体に接続されることを特徴とするインキ自給式印判。 - 前記インキ供給管の先端を前記吸収体の上面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の上面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ自給式印判。
- 前記インキ供給管の先端を前記吸収体の上面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の上面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ自給式印判。
- 前記インキ供給管の先端を前記吸収体の側面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の側面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ自給式印判。
- 前記インキ供給管の先端を前記吸収体の側面側から押圧挿入することで、前記インキ供給管が前記インキ吸蔵体の側面側に配置され、前記インキ供給管の先端が前記インキ吸蔵体の内部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ自給式印判。
- 前記インキ供給管が単数または複数であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のインキ自給式印判。
- 前記インキタンクの上面側に開口部を設け、インキを収容した補充インキカートリッジに開口端部を設け、前記開口部と前記開口端部とを着脱可能に嵌着するとともに、密閉することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のインキ自給式印判。
- 前記開口部と前記開口端部とが嵌着する際に開栓する栓体を、前記開口端部に装着したことを特徴とする請求項7に記載のインキ自給式印判。
- 前記開口部と前記開口端部とが離脱する際に閉栓する栓体を、前記開口端部に装着したことを特徴とする請求項8に記載のインキ自給式印判。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013123438A JP6012002B2 (ja) | 2013-06-12 | 2013-06-12 | インキ自給式印判 |
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