JP6011966B2 - 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法 - Google Patents

高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6011966B2
JP6011966B2 JP2012209055A JP2012209055A JP6011966B2 JP 6011966 B2 JP6011966 B2 JP 6011966B2 JP 2012209055 A JP2012209055 A JP 2012209055A JP 2012209055 A JP2012209055 A JP 2012209055A JP 6011966 B2 JP6011966 B2 JP 6011966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brick
heat insulation
fire resistance
high heat
high fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012209055A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014062018A (ja
Inventor
透 清水
透 清水
松浦 一弘
一弘 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2012209055A priority Critical patent/JP6011966B2/ja
Publication of JP2014062018A publication Critical patent/JP2014062018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6011966B2 publication Critical patent/JP6011966B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、高気孔率を備えた高性能の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法及び高耐火性及び高断熱性を有するレンガに関する。
炉材等の工業用断熱材として用いられる材料には多くの種類があるが、一般的な材料としては、耐火レンガ、断熱レンガがある。これらは、耐熱温度も高く低価格であるため、広く一般に用いられている。その一方、重量は重く、断熱性能も0.8W/mK(室温)程度が限界である。
このような、限界を克服する材料としてグラスファイバー、ミネラルファイバーが用いられる。これらの材料は軽量であり、また、0.035−0.5W/mKの熱伝導を示すため、近年広く使用されている。しかし、ファイバーであることより、形状保持そのものが困難であり、炉内の送風等により風損が起こるという問題がある。
耐熱性もグラスファイバーでは限界があり、また、耐熱性の高いミネラルファイバーは高価である。さらに高性能な断熱材としてはフュームドシリカを用いたマイクロサームや真空断熱材などが挙げられるが、マイクロサームの耐熱温度は1000℃が限界であり、また非常に高価である。
また、近年、極めて高性能な真空断熱材が近年、開発されているが、この断熱材は高価であることはもちろん、その耐熱温度はきわめて低くい。そのほか、発泡ガラス断熱材、珪酸カルシウム断熱材などがあるが、断熱性能、耐熱温度、コスト、形状保持性能を同時に満足する素材は存在しない。
公知文献としては、下記特許文献1を挙げることができる。この特許文献1は、高気孔率化を、バインダーのゲル化および発泡剤の発泡による手法により実現するものである。しかしながら、この方法は本来、金属の発泡体作製のために開発された手法であるため、そのまま粘土、セラミックスの素材に適用する場合、焼結収縮の不均一から割れが入るという問題がある。したがって、適切な配合成分の選択、適切な繊維成分の配合をおこなう必要がある。
特許第3858096号公報
上記の問題点に鑑み、従来の耐火レンガ、断熱レンガを、極限まで高気孔率化することにより、低価格でありながら、同時に軽量化、高耐熱性、高断熱性を実現した耐火・断熱レンガ及びその製造方法を提供することを課題とする。
以上から、本発明は、以下の発明を提供する。
1)バインダー水溶液に、発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加、混合し、さらにその後、前記バインダー水溶液に粘土又はセラミックス粉末を追加してスラリーとし、前記スラリーに発泡剤を添加し混合した後ゲル化し、前記ゲル化した材料を多孔質化及び発泡させ、さらにこの多孔質化又は発泡させた材料を焼結することを特徴とする、高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
2)バインダーとして、ゲル化が可能である水溶性高分子の水溶液を用いることを特徴とする上記1)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
3)スラリーの発泡剤の分散性を促進させるための界面活性剤を添加することを特徴とする上記1)又は2)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
4)スラリーのゲル化剤として、PVA(ポリビニールアルコール)を用いることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
5)発泡剤として低級炭化水素系化合物を用いることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
6)発泡及び膨張したゲル化スラリーを乾燥させて前駆体とし、これを所定温度で焼結することを特徴とする上記1)〜5)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
7)前記バインダーとして、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン又はキサンタンガムを用いることを特徴とする上記1)〜6)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
8)前記バインダーとして、水溶性の高分子であるポリアクリルアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース又はその誘導体を用いることを特徴とする上記2)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
9)配合するセラミックス又は粘土の原料として、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン、粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材から選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする上記1)〜8)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
10)多孔質なシリカ素材である珪藻土シラスバルーンを混合して発泡体を作製することを特徴とする上記1)〜9)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
11)発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止用として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を0.5〜70%混合することを特徴とする上記1)〜10)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
12)発泡剤として、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類、及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルから選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする上記1)〜11)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
13)界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤から選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする上記3)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
14)前記アニオン系界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩から選択されるいずれか一以上であることを特徴とする上記13)に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
15)前記非イオン系界面活性剤が、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体塩から選択されるいずれか一以上であることを特徴とする上記13)に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
)酸化物系セラミックスのレンガを焼結する場合において、焼結温度を、シリカ成分が60%以上と多い場合には、1200℃〜1300℃で、アルミナ成分が75%以上と多い場合には、1400〜1600℃で、その中間となるアルミナ40−75%のムライト系の場合には、1300℃〜1500℃で、大気中焼結を行うことを特徴とする上記1)〜1)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
本発明は、耐火レンガ又は断熱レンガを高気孔率化することにより、同時に軽量化することができ、優れた耐熱性、断熱性を有する耐火・断熱レンガを提供することができ、さらに低コスト生産が可能であるという優れた効果を有する。
かさ密度と発泡剤配合量の関係を示す図である。 かさ密度と熱伝導率の関係を示す図である。 実施例1〜実施例3の各断熱材の室温から500℃までの熱伝導率を示す図である。
ゲル化が可能な水溶性高分子の水溶液をバインダーとして、粘土粉、セラミックス粉を混合したスラリーを調整する。さらに、そのスラリーに、発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料並びに発泡剤及び発泡剤の分散を促進するための界面活性剤を混合する。そして、このスラリーをゲル化させる。
ゲル化法は使用する高分子によるが、PVA(ポリビニールアルコール)を使用する場合は、凍結ゲル化を採用する。
PVA水溶液は凍結保持後、解凍することにより、弾力性に富むハイドロゲルとなる。この発泡剤を含みゲル化したスラリーを発泡せる。発泡剤として、ペンタンやヘキサン等の低級炭化水素系化合物を用いる場合、これらの発泡剤の沸点より高い温度に加熱する。この操作によりゲル化したスラリーは発泡、膨張するので、そのまま乾燥させて前躯体とする。
前駆体を配合した粘土又はセラミックスに応じた温度で焼結することにより、高気孔率のレンガを作製できる。このレンガは、かさ密度0.05−0.8g/mと軽量であり、また、熱伝導率も0.05−1.0W/mKと低い材料を得ることができる。
また、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加しているので、発泡体の焼結時におけるヒビ割れが効果的に防止できる。そして、適切な原料素材を選択することによって1200℃から1700℃の耐熱性を実現できる。
(使用するバインダー)
バインダーのゲル化及びゲル化後の発泡操作により発泡処理を行うため、バインダーにはゲル化能のあるものを用いる。そのため、バインダーには アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガムが利用できる。また、水溶性の高分子であるポリアクリアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース及びその誘導体の利用も可能である。
さらに、凍結−解凍処理により、弾性に富み、強固なゲルとなる高分子量のPVA(ポリビニールアルコール)が利用できる。また、ゲルは発泡処理に用いる発泡剤の気化温度において、適度な弾力性又は粘性を保っている必要がある。PVA水溶液のゲルはこの点で有利であり、バインダーのゲル化および発泡処理による多孔質化操作を行いやすいバインダーである。PVAバインダーのゲル化は架橋材の添加によっても可能であるが、凍結−解凍処理による水素結合によるゲル化を用いるのが、より有効である。
(配合するセラミックス)
配合可能なセラミックスは、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン又は粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材などである。
また、多孔質なシリカ素材である珪藻土、シラスバルーン、等を任意に混合して発泡体を作製することが可能である。
さらに、発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止のためにグラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を適量混合する。この割合は、原料のセラミックスの種類、配合により任意に調整することができるが、ヒビ割れを効果的に抑制するためには、焼結中の収縮が大きく割れに敏感な素材においては、10%以上混合するのが良い。
(発泡剤および発泡処理)
発泡剤は、ゲル化したバインダーが適切な強度と粘性を維持する温度範囲で気化し、バインダー中へ分散させることが可能な材料が望ましい。
PVA水溶液バインダーを使用した場合、室温からゲルが再溶融する温度の間、特に20℃から70℃までの温度域で気体を発生するか、又は気化することが望ましい。
このような、発泡剤としては、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルなどの利用が可能である。また、これらの発泡剤は非水溶性であるため、PVA水溶液へ分散させるために界面活性剤を用いる。
界面活性剤には一般的なものの利用が可能であるが、たとえばアルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン系界面活性剤等の利用が可能である。
発泡処理は、発泡剤の気化温度以上に加熱することにより行う。水系のバインダーを用いた場合、発泡処理による加熱により発泡が終了する前に表面が乾燥し、発泡処理を阻害する。そのため発泡処理は高湿度下で行う実用がある。
発泡終了後、発泡体を乾燥する。温度を下げることにより、気化した発泡剤が再び液体に戻るため、乾燥は発泡温度を維持することにより行う。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)(シリカ系の断熱レンガ)
本実施例1において、シリカを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表1及び表2に示す。
シリカ成分として、一般のシリカ粉の他、シラスバルーンを添加した。これは、バルーンの添加による軽量化を目指す他、一般のシリカに比較して融点の低いシラスバルーンを添加することによって焼結後の強度を向上させることが目的である。
PVA水溶液中にムライト繊維を真空脱泡混練装置により混合し、その後さらにセラミックス粉、界面活性剤を追加してスラリーとする。このスラリーを5℃程度に冷却する。さらに発泡剤のペンタンを添加し混合する。
ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。このスラリーを適当な容器に注型し、冷凍庫で凍結する。
凍結状態で20時間保持し、その後、室温で解凍する。解凍した時点でスラリーはゲル化しており、蒟蒻あるいはゴムのような弾性のあるゲルとなる。このゲル化したスラリーを、乾燥を防ぐためビニール袋に封印し、60℃の恒温槽で発泡処理する。
発泡処理は4時間程度で終了する。その後、発泡体をビニール袋から取り出し、そのまま、恒温槽で乾燥する。乾燥はおよそ100時間程度で終了するが、製品寸法に大きく依存する。乾燥は十分に行う必要がある。
乾燥が不十分な部分が存在すると、焼結過程において乾燥不十分な部分のバインダーが溶解し、また水蒸気が発生し、内部に空洞やふくれを発生させる。
焼結は1300℃で行う。ここでは室温より2時間で500℃まで昇温、バインダーを焼き飛ばすため500℃で2時間保持した。その後、4時間で1300℃まで昇温、2時間1300℃で保持した。降温は500℃まで3時間、さらに室温まで3時間のスケジュールとした。
これらの操作により、密度120kg/m、室温での熱伝導率0.07W/mKの軽量発泡レンガを作製できた。また、ムライト繊維の混入量により割れの発生が抑制され、40g以上混入することにより、焼結後の割れが見られなくなる。この材料の室温から500℃までの熱伝導率を、図3に示す。
(実施例2)(ムライト系断熱レンガ)
本実施例2では、アルミナ・シリカを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表3及び表4に示す。PVA水溶液中にムライト繊維を真空脱泡混練装置により混合し、その後さらにセラミックス粉、界面活性剤を追加してスラリーとする。このスラリーを5℃程度に冷却する。さらに発泡剤のペンタンを添加し混合する。ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。
このスラリーを、適当な容器に注型し、冷凍庫で凍結する。凍結状態で20時間保持し、その後、室温で解凍する。解凍した時点で、スラリーはゲル化しており、蒟蒻あるいはゴムのような弾性のあるゲルとなる。このゲル化したスラリーを、乾燥を防ぐためビニール袋に封印し、60℃の恒温槽で発泡処理する。発泡処理は4時間程度で終了する。その後、発泡体をビニール袋から取り出し、そのまま、恒温槽で乾燥する。
乾燥は、およそ100時間程度で終了するが、乾燥は十分に行う必要がある。乾燥が不十分な部分が存在すると、焼結過程において乾燥不十分な部分のバインダーが溶解し、また水蒸気が発生し、内部に空洞やふくれを発生させる。焼結は1400℃で行う。
ここでは、室温より2時間で500℃まで昇温、バインダーを焼き飛ばすため500℃で2時間保持した。その後、4時間で1400℃まで昇温、2時間1500℃で保持した。降温は500℃まで3時間、さらに室温まで3時間のスケジュールとした。
これらの操作により、密度1300kg/m、室温での熱伝導率0.09W/mKの軽量発泡レンガを作製できた。また、ムライト繊維の混入量により割れの発生が抑制され、40g以上混入することにより、焼結後の割れが見られなくなった。この材料の室温から500℃までの熱伝導率を、図3に示す。
次に、表5に示すように、発砲剤の配合量のみを変化させ、密度の異なるムライト系断熱レンガを作製した。表5には、作製したレンガのかさ密度及び室温で測定した熱伝導率を同時に示してある。また、かさ密度と発泡剤配合量の関係及びかさ密度と熱伝導率の関係を、図1及び図2に示した。
これにより、発泡剤の配合量により断熱レンガのかさ密度を制御することが可能であることが確認できる。また、熱伝導率は、かさ密度とほぼ線形な関係で変化するので、かさ密度を減少させることで、熱伝導率を下げることができる。
(実施例3)(アルミナ系断熱レンガ)
本実施例3では、アルミナを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表6及び表7に示す。
PVA水溶液中にムライト繊維を真空脱泡混練装置により混合し、その後さらにセラミックス粉、界面活性剤を追加してスラリーとする。このスラリーを5℃程度に冷却する。さらに発泡剤のペンタンを添加し混合する。ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。
このスラリーを適当な容器に注型し、冷凍庫で凍結する。凍結状態で20時間保持し、その後、室温で解凍する。解凍した時点でスラリーはゲル化しており、蒟蒻あるいはゴムのような弾性のあるゲルとなる。このゲル化したスラリーを、乾燥を防ぐためビニール袋に封印し、60℃の恒温槽で発泡処理する。発泡処理は4時間程度で終了する。
その後、発泡体をビニール袋から取り出し、そのまま、恒温槽で乾燥する。乾燥はおよそ、100時間程度で終了するが、乾燥は十分に行う必要がある。
乾燥が不十分な部分が存在すると、焼結過程において乾燥不十分な部分のバインダーが溶解し、また水蒸気が発生し、内部に空洞やふくれを発生させる。焼結は1500℃で行う。ここでは室温より2時間で500℃まで昇温させ、バインダーを焼き飛ばすため500℃で2時間保持した。その後、4時間で1500℃まで昇温させ、2時間1500℃で保持した。降温は500℃まで3時間、さらに室温まで3時間のスケジュールとした。
これらの操作により、密度140kg/m、室温での熱伝導率0.12W/mKの軽量発泡レンガを作製できた。また、ムライト繊維の混入量により割れの発生が抑制され、20g以上混入することにより、焼結後の割れが見られなくなる。この材料の室温から500℃までの熱伝導率を図3に示した。
本発明は、耐火レンガ又は断熱レンガを高気孔率化することにより、同時に軽量化することができ、優れた耐熱性、断熱性を有する耐火・断熱レンガを提供することができ、さらに低コスト生産が可能であるという優れた効果を有するので、炉材等の工業用断熱材として有用である。

Claims (16)

  1. バインダー水溶液に、発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加、混合し、さらにその後、前記バインダー水溶液に粘土又はセラミックス粉末を追加してスラリーとし、前記スラリーに発泡剤を添加し混合した後ゲル化し、前記ゲル化した材料を多孔質化及び発泡させ、さらにこの多孔質化又は発泡させた材料を焼結することを特徴とする、高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  2. バインダーとして、ゲル化が可能である水溶性高分子の水溶液を用いることを特徴とする請求項1記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  3. スラリーの発泡剤の分散性を促進させるための界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  4. スラリーのゲル化剤として、PVA(ポリビニールアルコール)を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  5. 発泡剤として低級炭化水素系化合物を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  6. 発泡及び膨張したゲル化スラリーを乾燥させて前駆体とし、これを所定温度で焼結することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  7. 前記バインダーとして、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン又はキサンタンガムを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  8. 前記バインダーとして、水溶性の高分子であるポリアクリアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース又はその誘導体を用いることを特徴とする請求項2記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  9. 配合するセラミックス又は粘土の原料として、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン、粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材から選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  10. 多孔質なシリカ素材である珪藻土シラスバルーンを混合して発泡体を作製することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  11. 発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を0.5〜70%混合することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  12. 発泡剤として、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類、及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルから選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  13. 界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤から選択されるいずれか一以上を用いることを特徴とする請求項3記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  14. 前記アニオン系界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩から選択されるいずれか一以上であることを特徴とする請求項13に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  15. 前記非イオン系界面活性剤が、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体塩から選択されるいずれか一以上であることを特徴とする請求項13に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
  16. 酸化物系セラミックスのレンガを焼結する場合において、焼結温度を、シリカ成分が60%以上と多い場合には、1200℃〜1300℃で、アルミナ成分が75%以上と多い場合には、1400〜1600℃で、その中間となるアルミナ40−75%のムライト系の場合には、1300℃〜1500℃で、大気中焼結を行うことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
JP2012209055A 2012-09-24 2012-09-24 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法 Active JP6011966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012209055A JP6011966B2 (ja) 2012-09-24 2012-09-24 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012209055A JP6011966B2 (ja) 2012-09-24 2012-09-24 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014062018A JP2014062018A (ja) 2014-04-10
JP6011966B2 true JP6011966B2 (ja) 2016-10-25

Family

ID=50617625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012209055A Active JP6011966B2 (ja) 2012-09-24 2012-09-24 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6011966B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106747375B (zh) * 2016-12-21 2020-02-18 蒙娜丽莎集团股份有限公司 ZrO2短纤维增强陶瓷砖及其制备方法
CN106747543B (zh) * 2016-12-21 2020-02-18 蒙娜丽莎集团股份有限公司 氧化铝短纤维增强高断裂功瓷质陶瓷砖及其制备方法
CN107056248A (zh) * 2016-12-30 2017-08-18 吴中区穹窿山德毅新材料技术研究所 一种建筑物外墙用防火保温陶瓷材料
DE102017111849A1 (de) * 2017-05-30 2018-12-06 HÜTTENES-ALBERTUS Chemische Werke Gesellschaft mit beschränkter Haftung Verfahren zur Herstellung von Isoliermaterial oder eines isolierenden Produkts für die Feuerfestindustrie, entsprechende Isoliermaterialien und Produkte sowie Verwendungen
KR101889355B1 (ko) * 2018-02-13 2018-08-17 한국지질자원연구원 적니 및 광미를 통한 다공성 세라믹 제조방법
CN109095937A (zh) * 2018-09-05 2018-12-28 江苏中磊节能科技发展有限公司 一种纤维增韧低导热长寿命复相隔热耐火材料及制备方法
CN111499205B (zh) * 2020-04-14 2022-05-17 江西鼎盛新材料科技有限公司 利用锂云母尾矿一次烧结微晶泡沫保温装饰一体板
CN111943700A (zh) * 2020-08-25 2020-11-17 赵传亮 一种具有弥散气孔的高强轻质绝热板及其制备方法
CN112063023B (zh) * 2020-09-30 2022-07-19 国网河南省电力公司邓州市供电公司 一种孔洞封堵材料及其制备方法
CN112624774B (zh) * 2020-12-21 2022-12-13 马鞍山利尔开元新材料有限公司 一种金属陶瓷转炉挡渣滑板砖材料及制备方法
CN114133258A (zh) * 2020-12-31 2022-03-04 郑州轻工业大学 一种莫来石质微纳孔绝隔热耐火材料及其制备方法
CN112876150A (zh) * 2021-03-01 2021-06-01 广东前景建筑科技有限公司 一种耐火保温陶粒砖及其制备工艺
CN114196057A (zh) * 2021-11-03 2022-03-18 湖北航聚科技有限公司 一种柔性防隔热材料及其制备方法
CN114279802B (zh) * 2021-12-27 2024-04-12 西北工业大学 一种高温合金流动性测试模具及测试试样的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS572671B2 (ja) * 1973-09-04 1982-01-18
JP3302595B2 (ja) * 1997-02-12 2002-07-15 三菱重工業株式会社 断熱材の製造法
JP2001220258A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Toshiba Monofrax Co Ltd 耐火断熱材
JP3985042B2 (ja) * 2002-10-18 2007-10-03 独立行政法人産業技術総合研究所 超軽量セラミックフォームおよびその製造方法
JP3858096B2 (ja) * 2003-07-09 2006-12-13 独立行政法人産業技術総合研究所 金属又はセラミックス含有発泡焼結体の製造方法
JP4182223B2 (ja) * 2004-03-31 2008-11-19 独立行政法人産業技術総合研究所 発泡焼結体の製造方法
JP5561999B2 (ja) * 2009-10-28 2014-07-30 ニチアス株式会社 金属鋳造用耐火成形体、金属鋳造用耐火成形体の製造方法、金属鋳造用不定形耐火組成物及び金属鋳造用溶湯保持部材
JP2012031006A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Isolite Insulating Products Co Ltd 耐火断熱煉瓦及びその製造方法
JP5902894B2 (ja) * 2011-06-10 2016-04-13 日ノ丸窯業株式会社 耐火断熱レンガ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014062018A (ja) 2014-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6011966B2 (ja) 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法
CN103145444B (zh) 一种低成本保温隔热轻质多孔莫来石陶瓷的制备方法
WO2022144014A1 (zh) 一种莫来石质微纳孔绝隔热耐火材料及其制备方法
CN104788121B (zh) 一种莫来石质轻质耐火材料及其制备方法
CN103011884B (zh) 一种刚玉莫来石轻质隔热材料的制备方法
KR101503657B1 (ko) 내화 단열 벽돌
KR101726589B1 (ko) 발포 모르타르 및 그의 제조방법
RU2008147041A (ru) Теплоизоляционное изделие
CN103011856B (zh) 一种莫来石轻质隔热砖及其制备方法
KR20150121328A (ko) 모르타르 및 그의 제조방법
CN106478077A (zh) 一种建筑用多孔保温陶瓷材料及其制备方法
KR101383875B1 (ko) 무기질 다공성 단열재 조성물 제조방법
CN104909817A (zh) 镁质多孔保温材料及其制备方法
JP2015525812A (ja) 防火性ポリウレタン材料及び防火性構造
CN101649185B (zh) 一种储热材料及其制备方法
WO2013133498A1 (en) Composite composition including aerogel and method of preparing the same
WO2019052336A1 (zh) 保温制品及其制备方法
ES2461620T3 (es) Espuma híbrida inorgánica-orgánica elástica
CN106518115A (zh) 一种耐火材料及其制备方法
CN107954738A (zh) 一种基于泡沫法快速制备低导热莫来石质隔热砖的方法
CN106589791A (zh) 一种高温可陶瓷化酚醛泡沫复合材料及其制备方法
CN101172832A (zh) 一种轻质高强不烧砖
JP2007326733A (ja) 断熱傾斜材の製造方法及び断熱傾斜材
CN104086199B (zh) 一种泡沫轻质莫来石耐火浇注料及其制造工艺
CN113404175A (zh) 一种纸面石膏板及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6011966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250