JP2014062018A - 高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法及び高耐火性及び高断熱性を有するレンガ - Google Patents
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【解決手段】粘土又はセラミックス粉末のスラリーに、バインダー及び発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加し、前記バインダーを多孔質化及び発泡させ、さらにこの多孔質化又は発泡させた材料を焼結することにより、高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
【選択図】図3
Description
1)粘土又はセラミックス粉末のスラリーに、バインダー及び発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加し、前記バインダーを多孔質化及び発泡させ、さらにこの多孔質化又は発泡させた材料を焼結することにより、高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
2)バインダーとして、ゲル化が可能である水溶性高分子の水溶液を用いることを特徴とする上記1)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
3)スラリーの発泡剤の分散性を促進させるための界面活性剤を添加することを特徴とする上記1)又は2)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
4)スラリーのゲル化剤として、PVA(ポリビニールアルコール)を用いることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
5)発泡剤として低級炭化水素系化合物を用いることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
7)前記バインダーとして、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン又はキサンタンガムを用いることを特徴とする上記1)〜6)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
8)前記バインダーとして、水溶性の高分子であるポリアクリルアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース又はその誘導体を用いることを特徴とする上記2)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
9)配合するセラミックス又は粘土の原料として、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン、粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材を用いることを特徴とする上記1)〜8)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
10)多孔質なシリカ素材である珪藻土、シラスバルーンを混合して発泡体を作製することを特徴とする上記1)〜9)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
12)発泡剤として、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類、及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルを用いることを特徴とする上記1)〜11)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
13)界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン系界面活性剤を用いることを特徴とする上記3)記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
15)かさ密度:0.05−0.8g/cm3、熱伝導率:室温において0.05−1.0W/mK、耐熱性:1200℃〜1700℃を有することを特徴とする高耐火性及び高断熱性を有するレンガ。
16)上記1)〜13)のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法により製造された、かさ密度:0.05−0.8g/cm3、熱伝導率:0.05−1.0W/mK、耐熱性:1200℃〜1700℃を有することを特徴とする高耐火性及び高断熱性を有するレンガ。
ゲル化法は使用する高分子によるが、PVA(ポリビニールアルコール)を使用する場合は、凍結ゲル化を採用する。
また、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加しているので、発泡体の焼結時におけるヒビ割れが効果的に防止できる。そして、適切な原料素材を選択することによって1200℃から1700℃の耐熱性を実現できる。
バインダーのゲル化及びゲル化後の発泡操作により発泡処理を行うため、バインダーにはゲル化能のあるものを用いる。そのため、バインダーには アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガムが利用できる。また、水溶性の高分子であるポリアクリツアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース及びその誘導体の利用も可能である。
配合可能なセラミックスは、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン又は粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材などである。
また、多孔質なシリカ素材である珪藻土、シラスバルーン、等を任意に混合して発泡体を作製することが可能である。
発泡剤は、ゲル化したバインダーが適切な強度と粘性を維持する温度範囲で気化し、バインダー中へ分散させることが可能な材料が望ましい。
PVA水溶液バインダーを使用した場合、室温からゲルが再溶融する温度の間、特に20℃から70℃までの温度域で気体を発生するか、又は気化することが望ましい。
このような、発泡剤としては、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルなどの利用が可能である。また、これらの発泡剤は非水溶性であるため、PVA水溶液へ分散させるために界面活性剤を用いる。
発泡終了後、発泡体を乾燥する。温度を下げることにより、気化した発泡剤が再び液体に戻るため、乾燥は発泡温度を維持することにより行う。
本実施例1において、シリカを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表1及び表2に示す。
シリカ成分として、一般のシリカ粉の他、シラスバルーンを添加した。これは、バルーンの添加による軽量化を目指す他、一般のシリカに比較して融点の低いシラスバルーンを添加することによって焼結後の強度を向上させることが目的である。
ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。このスラリーを適当な容器に注型し、冷凍庫で凍結する。
発泡処理は4時間程度で終了する。その後、発泡体をビニール袋から取り出し、そのまま、恒温槽で乾燥する。乾燥はおよそ100時間程度で終了するが、製品寸法に大きく依存する。乾燥は十分に行う必要がある。
焼結は1300℃で行う。ここでは室温より2時間で500℃まで昇温、バインダーを焼き飛ばすため500℃で2時間保持した。その後、4時間で1300℃まで昇温、2時間1300℃で保持した。降温は500℃まで3時間、さらに室温まで3時間のスケジュールとした。
本実施例2では、アルミナ・シリカを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表3及び表4に示す。PVA水溶液中にムライト繊維を真空脱泡混練装置により混合し、その後さらにセラミックス粉、界面活性剤を追加してスラリーとする。このスラリーを5℃程度に冷却する。さらに発泡剤のペンタンを添加し混合する。ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。
ここでは、室温より2時間で500℃まで昇温、バインダーを焼き飛ばすため500℃で2時間保持した。その後、4時間で1400℃まで昇温、2時間1500℃で保持した。降温は500℃まで3時間、さらに室温まで3時間のスケジュールとした。
本実施例3では、アルミナを主成分とした軽量断熱レンガを作製した。使用した素材及び素材の配合割合を、表6及び表7に示す。
PVA水溶液中にムライト繊維を真空脱泡混練装置により混合し、その後さらにセラミックス粉、界面活性剤を追加してスラリーとする。このスラリーを5℃程度に冷却する。さらに発泡剤のペンタンを添加し混合する。ペンタンはコロイド状に分散しスラリーと混合すると考えられる。
その後、発泡体をビニール袋から取り出し、そのまま、恒温槽で乾燥する。乾燥はおよそ、100時間程度で終了するが、乾燥は十分に行う必要がある。
Claims (16)
- 粘土又はセラミックス粉末のスラリーに、バインダー及び発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を添加し、前記バインダーを多孔質化及び発泡させ、さらにこの多孔質化又は発泡させた材料を焼結することにより、高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- バインダーとして、ゲル化が可能である水溶性高分子の水溶液を用いることを特徴とする請求項1記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- スラリーの発泡剤の分散性を促進させるための界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- スラリーのゲル化剤として、PVA(ポリビニールアルコール)を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 発泡剤として低級炭化水素系化合物を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 発泡及び膨張したゲル化スラリーを乾燥させて前駆体とし、これを所定温度で焼結することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 前記バインダーとして、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン又はキサンタンガムを用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 前記バインダーとして、水溶性の高分子であるポリアクリツアミド、フェノール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース又はその誘導体を用いることを特徴とする請求項2記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 配合するセラミックス又は粘土の原料として、シリカ、アルミナ、ムライト、カオリン、粘土類、チタニア、カルシア、マグネシア、ガラス系素材を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 多孔質なシリカ素材である珪藻土、シラスバルーンを混合して発泡体を作製することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 発泡体の焼結時におけるヒビ割れ防止材として、グラスファイバー、シリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維又はジルコニア繊維から選択した一種以上の繊維質無機材料を0.5〜70%混合することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 発泡剤として、ペンタン類やヘキサン類、ヘプタン類、ベンゼン類、トルエン類、及びこれらの混合物としての石油ベンジン、石油エーテルを用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン系界面活性剤を用いることを特徴とする請求項3記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- 酸化物系セラミックスのレンガを焼結する場合において、焼結温度を、シリカ成分が60%以上と多い場合には、1200℃〜1300℃で、アルミナ成分が75%以上と多い場合には、1400°〜1600℃で、その中間となるムライト系の場合(アルミナ40−75%)には、1300℃〜1500℃で、大気中焼結を行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法。
- かさ密度:0.05−0.8g/cm3、熱伝導率:0.05−1.0W/mK、耐熱性:1200℃〜1600℃を有することを特徴とする高耐火性及び高断熱性を有するレンガ。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の高耐火性及び高断熱性を有するレンガの製造方法により製造された、かさ密度:0.05−0.8g/cm3、熱伝導率:0.05−1.0W/mK、耐熱性:1200℃〜1600℃を有することを特徴とする高耐火性及び高断熱性を有するレンガ。
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