JP6011370B2 - 鋳型造型用金型の摩耗予測方法、摩耗予測装置及び摩耗予測プログラム - Google Patents

鋳型造型用金型の摩耗予測方法、摩耗予測装置及び摩耗予測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、鋳型造型用金型の摩耗予測方法、摩耗予測装置及び摩耗予測プログラムに関する。
中子等の鋳型の造型は、上型と下型とで形成されるキャビティに鋳砂を充填することにより行なわれる。鋳砂は上型の上方に貯留され、その鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吹き込まれる。
ところで、近年はキャビティに対する鋳砂充填の高速化が図られている。例えば、エンジンのシリンダヘッドには、ウォータジャケット、オイルジャケット、吸気ポート、排気ポートなど様々な複雑形状の空間部が形成される。そのため、それらの空間部を形成する各種の中子が必要になる。また、エンジン排気容量に対応して複数種のシリンダヘッドを製造する場合、排気量に応じた各中子が必要になる。そして、生産性向上のためには、下型セット、上型セット、鋳砂充填、鋳砂固化、上型取外し、鋳型離型等の一連のサイクルタイムを短くしなければならない。そのような背景から、キャビティへの鋳砂の充填時間を短くすべく、鋳砂がブローノズルからキャビティ内へ高速で吹き込まれるようになっている。
このような状況下では、鋳砂の充填状態の良否把握が必要であり、特許文献1には、造型プロセス、砂性状等の条件を入力した後、砂粒子が停止するまで空隙率解析工程、接触力解析工程、流体抗力解析工程、加速度算出工程及び運動方程式解析工程を繰り返すようにした生型造型の充填不良の予測方法が記載されている。また別に、特許文献2には、製品の形状に起因する変形を考慮して鋳型造型用金型の設計を支援する方法、装置等が記載されている。
特開平10−202344号公報 特開平11−213028号公報
ところで、上述の如く鋳砂がキャビティに高速で吹き込まれると、下型のキャビティ面が鋳砂の衝突によって摩耗しやすくなる。本発明者の検討によれば、そのキャビティ面の摩耗は一様に生ずるのではなく、摩耗が局部的に大きく進行する部分があることがわかった。そのような局部的な摩耗のために、金型の寿命が短くなる。
そこで、本発明は、金型の局部的摩耗を未然に防ぐ対策をとることができるように、すなわち、金型の長寿命化を図ることができるように、キャビティ面各部に発生する摩耗の程度を予測できるようにする。
本発明は、キャビティ面の形状如何で摩耗の程度が異なる点に着目して、キャビティ面各部の各摩耗の程度を予測するようにした。
ここに提示するプログラムされたコンピュータによる鋳型造型用金型の摩耗予測方法は、上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測する方法であって、
データ格納手段に格納された上記キャビティ面の形状データと上記ブローノズルの位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割ステップと、
上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出ステップと、
上記データ格納手段に格納された各ブローノズルから吐出する鋳砂のキャビティ面に対する衝突速度と上記形状指数と上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数算出ステップと、
上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定ステップと、
上記判定の結果を表示する表示ステップとを備えていることを特徴とする。
すなわち、ブローノズルに対応するキャビティ面は、その形状が鋳砂の衝突方向に対して垂直になった平面であるか、鋳砂の衝突方向に対して傾斜した斜面であるか、或いはエッジ形状であるか等によって摩耗のしやすさが異なる。これに対して、上記摩耗予測方法によれば、キャビティ面各部の面形状に基いて摩耗指数を算出するから、摩耗の程度に関して信頼度の高い予測データを得ることができる。
また、鋳砂の衝突速度と上記形状指数と上記衝突エネルギー付加時間とに基いて上記キャビティ面各部の摩耗指数を算出するから、キャビティ面各部の摩耗の程度を精度良く予測することができる。
上記衝突速度については、全てのブローノズルから吐出する鋳砂が同じ速度でキャビティ面各部に衝突するとして予め上記データ格納手段に格納しておくこともできる。しかし、上記摩耗予測方法のさらに好ましい態様は、上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納するステップを備えていることを特徴とする。
上記摩耗予測方法のさらに好ましい態様は、上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なうステップと、
上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記キャビティ面の分割ステップ、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出ステップ、上記摩耗指数算出ステップ、上記判定ステップ、及び上記表示ステップを順次行なうステップとを備えていることを特徴とする。
ブローノズルの位置の変更によって上記形状指数を小さくすることが可能になり、或いは衝突エネルギーの付加時間を短くすることが可能になる。上記ノズル孔径の拡大又はブローノズルの追加によって鋳砂の衝突速度を低下させることが可能になる。
そうして、当該態様によれば、摩耗指数が基準値を超える分割面があるとき、その部分の面形状に応じてブローノズルの位置及び/又は鋳砂の衝突速度を変更し、その変更された条件で摩耗指数を再度算出するから、キャビティ面が局部的に摩耗することを防止し、金型の長寿命化を図る上で有利になる。
ここに提示する鋳型造型用金型の摩耗予測装置は、上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測する装置であって、
上記キャビティ面の形状データと、上記ブローノズルの位置データと、上記ブローノズル各々から吐出する鋳砂の上記キャビティ面に対する衝突速度とを格納するデータ格納手段と、
上記データ格納手段の上記形状データと上記位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割手段と、
上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段と、
上記データ格納手段に格納された上記衝突速度と、上記算出手段で得られた上記形状指数及び上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数演算手段と、
上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定手段と、
上記判定結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
上記摩耗予測装置によれば、キャビティ面各部の面形状に基いて摩耗指数を算出するから、摩耗の程度に関して信頼度の高い予測データを得ることができる。また、鋳砂の衝突速度と上記形状指数と上記鋳砂の衝突エネルギー付加時間とに基いて上記キャビティ面各部の摩耗指数を算出するから、キャビティ面各部の摩耗の程度を精度良く予測することができる。
上記衝突速度については、全てのブローノズルから吐出する鋳砂が同じ速度でキャビティ面各部に衝突するとして予め上記データ格納手段に格納しておくこともできる。しかし、上記摩耗予測装置のさらに好ましい態様は、上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納する手段を備えていることを特徴とする。
上記摩耗予測装置のさらに好ましい態様は、上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なう手段と、
上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記分割手段による上記キャビティ面の分割、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段による算出、上記摩耗指数演算手段による算出、上記判定手段による判定、並びに上記表示手段による表示を順次行なう手段とを備えていることを特徴とする。
ブローノズルの位置の変更によって上記形状指数を小さくすることが可能になり、或いは衝突エネルギーの付加時間を短くすることが可能になる。上記ノズル孔径の拡大又はブローノズルの追加によって鋳砂の衝突速度を低下させることが可能になる。
そうして、当該態様によれば、摩耗指数が基準値を超える分割面があるとき、その部分の面形状に応じてブローノズルの位置及び/又は鋳砂の衝突速度を変更し、その変更された条件で摩耗指数を再度算出するから、キャビティ面が局部的に摩耗することを防止し、金型の長寿命化を図る上で有利になる。
ここに提示する鋳型造型用金型の摩耗予測プログラムは、上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測するために、コンピュータを、
上記キャビティ面の形状データと、上記ブローノズルの位置データと、上記ブローノズル各々から吐出する鋳砂の上記キャビティ面に対する衝突速度とを格納するデータ格納手段、
上記データ格納手段の上記形状データと上記位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割手段、
上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段、
上記データ格納手段に格納された上記衝突速度と、上記算出手段で得られた上記形状指数及び上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数演算手段、
上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定手段、及び
上記判定の結果を表示するための出力手段、
として機能させることを特徴とする。
上記摩耗予測プログラムによれば、キャビティ面各部の面形状に基いて摩耗指数を算出するから、摩耗の程度に関して信頼度の高い予測データを得ることができる。また、鋳砂の衝突速度と上記形状指数と上記衝突エネルギー付加時間とに基いて上記各分割面の摩耗指数を算出するから、キャビティ面各部の摩耗の程度を精度良く予測することができる。
上記衝突速度については、全てのブローノズルから吐出する鋳砂が同じ速度でキャビティ面各部に衝突するとして予め上記データ格納手段に格納しておくこともできる。しかし、上記摩耗予測プログラムのさらに好ましい態様は、上記コンピュータを、さらに、
上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納する手段として機能させることを特徴とする。
上記摩耗予測プログラムのさらに好ましい態様は、上記コンピュータを、さらに、
上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なう手段、及び
上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記分割手段による上記キャビティ面の分割、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段による算出、上記摩耗指数演算手段による算出、上記判定手段による判定、並びに上記出力手段による表示を順次行なう手段として機能させることを特徴とする。
ブローノズルの位置の変更によって上記形状指数を小さくすることが可能になり、或いは衝突エネルギーの付加時間を短くすることが可能になる。上記ノズル孔径の拡大又はブローノズルの追加によって鋳砂の衝突速度を低下させることが可能になる。
そうして、当該態様によれば、摩耗指数が基準値を超える分割面があるとき、その部分の面形状に応じてブローノズルの位置及び/又は鋳砂の衝突速度を変更し、その変更された条件で摩耗指数を再度算出するから、キャビティ面が局部的に摩耗することを防止し、金型の長寿命化を図る上で有利になる。
本発明によれば、下型のキャビティ面の形状データとブローノズルの位置データとに基いて、ブローノズル各々に対応するキャビティ面各部の摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とを算出し、各ブローノズルから吐出する鋳砂のキャビティ面に対する衝突速度と上記形状指数と上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、鋳砂の衝突による該キャビティ面各部の摩耗指数を算出し、該摩耗指数が基準値以下であるか否かを判定し、その判定結果を表示するようにしたから、キャビティ面各部の摩耗の程度に関して信頼度の高い予測データを得ることができる。
鋳型造型装置の断面図である。 鋳型造型用金型の断面図である。 鋳型及び鋳造品の断面図である。 コンピュータのブロック構成図である。 コンピュータが実行する摩耗予測フローチャートである。 エッジ部を有する分割面に係る充填領域を模式的に示す断面図である。 下体積を破斜線で表した図6と同様の断面図である。 斜面を有する分割面に係る充填領域を模式的に示す断面図である。 鋳砂の衝突角度と摩耗量との関係を調べるテスト装置のモデル図である。 衝突角度と摩耗量との関係を示すグラフ図である。 ブローノズル位置を変更した図6と同様の断面図である。 ブローノズル位置の変更量を大きくした図6と同様の断面図である。 ブローノズルのノズル孔径を拡大した図8と同様の断面図である。 変更前のブローノズル位置とキャビティ面の分割状態を示す平面図である。 変更後のブローノズル位置とキャビティ面の分割状態を示す平面図である。 鋳砂の速度についてのシミュレーション結果を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<鋳型造型装置>
図1に示す実施形態に係る鋳型造型装置1は、エンジンのシリンダヘッド用の鋳型や、該シリンダヘッドのウォータジャケット用の中子等を造型するコールドボックス鋳型造型装置である。この鋳型造型装置1は鋳型造型用金型2とガス硬化性の鋳砂3を貯留するブローヘッド4とを備えている。金型2は鋳型造型用のキャビティ5を形成する上型6及び下型7を備え、上型6の上方にブローヘッド4が配置されている。ブローヘッド4のブロープレート8に鋳砂3を吐出する複数のブローノズル9が設けられており、ブローノズル9は上型6のノズル挿入孔11に差し込まれる。ブローヘッド4に貯留された鋳砂3は、加圧エアで加圧されてブローノズル9から下型7のキャビティ面12に向かって吐出される。
図2に示すように、下型7のキャビティ面12が鋳砂3の衝突によって局部的に摩耗すると(局部的摩耗部13)、図3に示すように、得られる鋳型14は局部的摩耗部13に対応する部分に余分な肉が付き、得られる鋳造品15に欠肉部16を生ずる。図3において、符号17は別に造型した鋳型である。
<キャビティ面12の摩耗の予測>
以下、鋳砂3の衝突によって下型7のキャビティ面12に発生する摩耗の程度を予測する手法を説明する。
図4は摩耗予測に使用可能なコンピュータのブロック構成図である。同図において、21はCPU、22は表示手段としてのCRT等のディスプレイ、23はデータの入力手段であるキーボード、24はブートプログラム等を記憶しているROM、25は各種データ及び処理結果を一時的に記憶するデータ格納手段としてのRAM、26は摩耗予測を行なうためのプログラム等を記憶するHDD等の記憶装置、27は外部の情報システムと通信ネットワークを介して通信するための通信インタフェース、28は処理結果等を印刷するプリンタである。これらの各構成は、バス29を介して接続されており、CPU21は記憶装置26に記憶したプログラムに従って、下型7のキャビティ面各部に発生する摩耗の程度を予測する。
[摩耗予測の考え方]
キャビティ面各部の摩耗の程度を予測するために摩耗指数を導入する。
各ブローノズル9から吐出される鋳砂3がキャビティ面12に衝突して生ずる摩耗量の大小には、3つの因子、(i) 鋳砂3がキャビティ面12に与える衝突エネルギー、(ii) 衝突エネルギーが付加される時間、及び(iii) 鋳砂3が衝突する面の形状、が寄与すると考えられる。
(i)の衝突エネルギーには、鋳砂3の運動エネルギーと深く関わっていると考えられることから、衝突エネルギー∝(鋳砂の衝突速度) 、とおくことができる。(ii)の衝突エネルギーが付加される時間の算出については後述する。(iii)の鋳砂衝突面の形状について説明すると、金属面に鋳砂3が衝突して生ずる摩耗に関しては、その衝突角度によって変化することが知られている。複数の摩耗モードが複合的に生じている摩耗においては、衝突角度が変わると、支配的な摩耗モードが変化するためである。また、図1に示すように、鋳砂衝突面にエッジが含まれている場合はそのエッジ部分の摩耗が甚だしくなる。そこで、鋳砂衝突面の形状に関する形状指数を導入する。
以上に基いて次に示す摩耗指数を導入する。
摩耗指数=(鋳砂の衝突速度)×(衝突エネルギー付加時間)×(形状指数)
そうして、キャビティ面各部の摩耗指数を算出し、摩耗指数が基準値以下であるか否かを判定して、その判定結果を表示する。また、摩耗指数が基準値を超えるときは、必要に応じて、所定の処理方式でブローノズル9の位置の変更、ブローノズル9のノズル孔径の拡大、及びブローノズル9の追加のうちの少なくとも一つの変更を行なって摩耗を予測するという手順を繰り返す。
以上から明らかなように、上記摩耗の予測手法では、下型7のキャビティ面12の形状に関するデータ、ブローノズル9の配置に関するデータ、並びに鋳砂3の衝突速度はブローノズル9の孔径で変わるから、その孔径に関するデータが必要になる。さらに、衝突エネルギー付加時間等を算出するために、ブローヘッド4に貯留された鋳砂3の加圧時間(キャビティ5に対する鋳砂3の充填開始から充填終了までの時間)に関するデータが必要になる。これらデータはキーボード23によって入力し或いは外部情報システムから取り込んでデータ格納手段としてのRAM25に記憶格納する。
図5はキャビティ面各部の摩耗の程度を予測するために、コンピュータが実行するフローチャートを示す。
ステップS1において、RAM25に格納されたデータを読み込み、下型7のキャビティ面12の形状に対するブローノズル9の位置関係及びノズル孔径の設定を行なう。ステップS2において、各ブローノズル9の担当領域毎にキャビティ面12を予め設定された処理方式で分割する。ステップS3において、各ブローノズル9毎にキャビティ分割面に対する鋳砂3の衝突速度を予め設定された演算条件で算出する。ステップS4において、各ブローノズル9毎に衝突エネルギーの付加時間を予め設定された演算条件で算出する。ステップS5において、各ブローノズル9毎に鋳砂3が衝突するキャビティ分割面の形状指数を予め設定された演算条件で算出する。
ステップS6において、上記ステップS3〜S5で得られた衝突速度、衝突エネルギー付加時間及びキャビティ分割面の形状指数に基いて、各ブローノズル9毎に摩耗指数を予め設定された演算条件で算出する。ステップS7において、全ブローノズル9について摩耗指数が基準値以下であるか否かを判定する。全ブローノズル9についてキャビティ分割面の摩耗指数が基準値以下であるときはステップS8に進んで、その判定結果をディスプレイ22に表示するとともに、金型設計データに織り込む。摩耗指数が基準値を超えるキャビティ分割面があるときはステップS9に進んで、その判定結果をディスプレイ22に表示するとともに、ブローノズル9の設定に関して、予めキャビティ分割面の形状の種別、及び/又は摩耗指数と基準値との差の大きさに対応して設定された処理方式で、ブローノズル9の位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズル9の追加のうちの少なくとも一つの変更を行なってデータを書き換え、ステップS1に戻る。
[キャビティ面12の分割(ステップS2)]
各ブローノズル9がキャビティ5において担当する鋳砂充填領域を決定し、該充填領域毎にキャビティ面12を分割する。具体的には、充填領域はノズル孔径に応じた吐出量の鋳砂3によってブローノズル9のノズル孔中心と同心の円柱状に形成されると仮定してその充填領域毎にキャビティ面12を分割する。隣接するブローノズル9同士で充填領域がオーバーラップする領域は、その隣接するブローノズル9のノズル孔中心を結ぶ直線と直交する線分で二分するように区分けする(図14参照)。
[鋳砂衝突速度(ステップS3)]
キャビティ5に鋳砂3を充填するための各ブローノズル9からの鋳砂3の吐出はブローヘッド4の鋳砂加圧時間Tp(例えば、0.2秒)で完了するという条件下に、各ブローノズル9が担当する充填領域の体積Vrとノズル孔径Dとに基いて各キャビティ分割面に対する鋳砂3の衝突速度Uを算出する。
U=Vr/(π×(D/2)×Tp)
[衝突エネルギー付加時間(ステップS4)]
衝突エネルギーの付加時間は次の下体積から見積もる。下体積は、ブローノズル9の担当充填領域における鋳砂3が衝突する当該衝突部位よりも下側の領域の体積である。
図6に示すように、キャビティ分割面に鋳砂3が衝突するエッジ31が含まれているケースでは、鋳砂3は、エッジ31より横に広がった上面32と、エッジ31より下方に延びる面33と、その下側の下面34に衝突する。下面34に関しては、鋳砂3の充填当初は鋳砂3が衝突するが、この下面34が全面にわたって鋳砂3で覆われると、その後はその上に鋳砂3が貯まっていくだけである。従って、下面34に対して鋳砂3の衝突エネルギーが直接付加される時間は短く、摩耗はほとんど生じない。下方に延びる面32も傾斜が急であるから摩耗はほとんど生じない。これに対して、上面32に衝突した鋳砂3の一部は下面34側に落ちていくから、下面34側の鋳砂3の高さが上面32と同じ高さになるまでは、上面32に比較的大きな衝突エネルギーが加わる状態が続く。そこで、図6のケースでは、上面32を鋳砂3の衝突面とし、図7に示すように、上面32よりも下方にある下面34側の充填領域の体積を下体積Vuとする。
従って、上記下体積Vu、当該ブローノズル9による鋳砂3の充填時間Tp(鋳砂加圧時間)、及び当該ブローノズル9による鋳砂3の充填領域体積Vrによって、上面32に対する衝突エネルギーの付加時間TaはTa=Tp×Vu/Vrと与えることができる。なお、鋳砂3はブローノズル9から広がりながら吐出されるから所定の広がり角を与える。
図8に示すように、鋳砂3が斜面36に衝突するケースでは、斜面36における鋳砂3が衝突する部分の上端より下側の充填領域を下体積Vuとして、当該上端に対する衝突エネルギーの付加時間Taを算出する。
[形状指数(ステップS5)]
図9は鋳砂3の衝突角度θと摩耗量との関係を調べるテスト装置のモデル図である。平板状の試験片41がブローノズル9の鋳砂吐出方向に対して垂直になった状態、すなわち、鋳砂3を平面で受ける状態を衝突角度θ=0とし、その衝突角度θによって試験片41の摩耗量がどのように異なるかを調べた。結果を図10に示す。X=sinθ=0〜0.45では衝突角度θが増大するにつれて摩耗量が緩やかに増大し、X=0.45付近から衝突角度θの増大に伴う摩耗量の増大が急になってX=0.80で摩耗量がピークになり、その後は衝突角度θの増大に伴って摩耗量が比較的急に減少している。また、実機の下型7のキャビティ面12の摩耗状態を調べると、エッジ部では斜面よりも摩耗が甚だしい。
上記テスト結果及び実機調査を踏まえて、キャビティ面12の摩耗の生じ易さに関する形状指数を次のようにして算出した。ただし、X=sinθである。
・鋳砂3が衝突する部分にエッジが含まれる場合
形状指数=900
・X≧0.80
形状指数=450
・0.80>X≧0.45
形状指数=−42089×X+99652×X−84953×X+31309×X−4000
(R=0.997の相関式)
・0.45>X≧0.00
形状指数=128.57×X+10.571×X+200.17(R=0.999の相関式)。
図10の基礎実験データではXが0.80を超えると、摩耗量が減少しているが、X≧0.80においては、基礎実験データと実機調査結果とが必ずしも対応していなかった。そして、X≧0.80では、X=0.80時点の形状指数450で摩耗指数を見積もったときに実機調査結果との対応が良好であった。そこで、X≧0.80では、形状指数=450とした。なお、上記形状指数の数値は一例である。
キャビティ分割面に凸部があるとき、その凸部周縁の角部がエッジに相当するか斜面に相当するかは、その角部の曲率半径が所定値以下か否かで決定する。キャビティ分割面が曲面になっているときは、その曲面をノズル孔中心線と当該曲面との交点における接平面とみなして形状指数を算出する。
[ブローノズルの位置等の変更(ステップS9)]
図6に示すように、摩耗指数が基準値を超えるキャビティ分割面がエッジ31を含むときは、当該分割面に係るブローノズル9の位置をそのノズル孔中心がエッジ31から離れる方向(上面32側)に所定量ずらす。これにより、図11に示すように下体積Vuが小さくなって摩耗指数が低下し、或いは図12に示すように鋳砂3の衝突面が平面になる。
図8に示すように、摩耗指数が基準値を超えるキャビティ分割面が斜面36であるときは、図13に示すように、ブローノズル9のノズル孔径を拡大する。これにより、鋳砂衝突速度Uが低下し、摩耗指数が小さくなる。
摩耗指数と基準値との差が所定値を超えるときは、上記ブローノズル9の位置の変更又はノズル孔径の拡大と共に、ブローノズル配置に関して余裕がある場所にブローノズル9の追加を行なう。
[実施例]
図14は当初設定されたブローノズルB1〜B8のキャビティ面12での配置及び各ブローノズルに対応するキャビティ面12の分割状態を示す。上記予測手法によるブローノズルB1〜B8のノズル孔径、下体積、分割面の面形状、形状指数、摩耗指数は表1に示すとおりであった。キャビティの体積は約2600000cmであり、鋳砂3の充填時間は0.2秒である。なお、表1の面形状に関し、斜面の角度は「度(゜)」で表した。
Figure 0006011370
基準値を50とすると、B1〜B3及びB6〜B8に関しては摩耗指数が基準値を超える結果になっている。
図15は上記予測手法に基いてブローノズル設定変更を行なったときのキャビティ面12でのブローノズル配置及びキャビティ面12の分割状態を示す。ブローノズルの位置変更、ノズル孔径の拡大、ブローノズルの追加を行なっている。ブローノズルB1〜B15のノズル孔径、下体積、分割面の面形状、形状指数、摩耗指数は表2に示すとおりであった。鋳砂3の充填時間は同じく0.2秒である。
Figure 0006011370
[予測の高精度化]
ところで、各ブローノズル9から吐出する鋳砂3の速度は必ずしも同じではないことが知られている。本発明者が、キャビティを構成する金型を座標系上にモデル化した型モデル中のキャビティに鋳砂3が充填されていく様子を順次算出する充填解析(シミュレーション)を行なった結果(鋳砂3の速度)の一例を図16に示す。この解析結果によれば、当該2つのブローノズルから吐出される鋳砂3の速度は大きく異なる。従って、このような充填解析で得られる鋳砂速度を上記摩耗予測手法に組み込めば、その摩耗予測結果の信頼度がさらに高くなる。
[その他]
上述の如く、本発明によれば、キャビティ面各部について信頼度の高い摩耗予測を行なうことができる。よって、当該摩耗予測をブローノズル9の設定変更の契機とすることができ、或いは、ブローノズル9の設定変更では摩耗指数が基準値を超えることを避けることが難しいことが判明したときは、当該摩耗予測を、局部摩耗の抑制のためにキャビティ面(鋳造品)の設計変更など他の対策をとる契機とすることができる。
1 鋳型造型装置
2 鋳型造型用金型
3 鋳砂
4 ブローヘッド
5 キャビティ
6 上型
7 下型
9 ブローノズル
12 キャビティ面
13 局部的摩耗部
14 鋳型
15 鋳造品
16 欠肉部
21 CPU(判定手段,演算手段)
22 ディスプレイ(表示手段)
23 キーボード(入力手段)
25 RAM(データ格納手段)
31 エッジ
36 斜面

Claims (9)

  1. 上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測するプログラムされたコンピュータによる鋳型造型用金型の摩耗予測方法であって、
    データ格納手段に格納された上記キャビティ面の形状データと上記ブローノズルの位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割ステップと、
    上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出ステップと、
    上記データ格納手段に格納された各ブローノズルから吐出する鋳砂のキャビティ面に対する衝突速度と上記形状指数と上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数算出ステップと、
    上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定ステップと、
    上記判定の結果を表示する表示ステップとを備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測方法。
  2. 請求項1において、さらに、
    上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納するステップを備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、さらに、
    上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なうステップと、
    上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記キャビティ面の分割ステップ、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出ステップ、上記摩耗指数算出ステップ、上記判定ステップ、及び上記表示ステップを順次行なうステップとを備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測方法。
  4. 上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測する鋳型造型用金型の摩耗予測装置であって、
    上記キャビティ面の形状データと、上記ブローノズルの位置データと、上記ブローノズル各々から吐出する鋳砂の上記キャビティ面に対する衝突速度とを格納するデータ格納手段と、
    上記データ格納手段の上記形状データと上記位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割手段と、
    上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段と、
    上記データ格納手段に格納された上記衝突速度と、上記算出手段で得られた上記形状指数及び上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数演算手段と、
    上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    上記判定結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測装置。
  5. 請求項4において、さらに、
    上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納する手段を備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測装置。
  6. 請求項4又は請求項5において、さらに、
    上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なう手段と、
    上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記分割手段による上記キャビティ面の分割、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段による算出、上記摩耗指数演算手段による算出、上記判定手段による判定、並びに上記表示手段による表示を順次行なう手段とを備えていることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測装置。
  7. 上型と下型とによって鋳型造型用のキャビティが形成され、上型の上方に貯留された鋳砂が加圧されて複数のブローノズルから下型のキャビティ面に向かって吐出される鋳型造型用金型において、上記鋳砂の衝突によって生ずる上記キャビティ面各部の摩耗の程度を予測するために、コンピュータを、
    上記キャビティ面の形状データと、上記ブローノズルの位置データと、上記ブローノズル各々から吐出する鋳砂の上記キャビティ面に対する衝突速度とを格納するデータ格納手段、
    上記データ格納手段の上記形状データと上記位置データとに基いて、上記キャビティ面を上記複数のブローノズル各々が担当する充填領域毎に分割する分割手段、
    上記キャビティ面の各分割面についてその面形状に基いて摩耗の生じ易さに関する形状指数と鋳砂による衝突エネルギー付加時間とをそれぞれ予め設定された条件によって算出する形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段、
    上記データ格納手段に格納された上記衝突速度と、上記算出手段で得られた上記形状指数及び上記衝突エネルギー付加時間とに基いて、当該ブローノズルから吐出される鋳砂の衝突による上記各分割面の摩耗指数を予め設定された演算条件によって算出する摩耗指数演算手段、
    上記キャビティ面各部の上記摩耗指数が上記鋳砂の衝突によって生ずる摩耗の程度に関する予め定めた基準値以下であるか否かを判定する判定手段、及び
    上記判定の結果を表示するための出力手段、として機能させるための鋳型造型用金型の摩耗予測プログラム。
  8. 請求項7において、さらに、上記コンピュータを、
    上記キャビティに鋳砂を充填するための各ブローノズルからの鋳砂の吐出は所定時間に完了するという条件下に、各ブローノズルが担当する充填領域の体積とノズル孔径とに基いて上記衝突速度を算出して上記データ格納手段に格納する手段として機能させることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測プログラム。
  9. 請求項7又は請求項8において、上記コンピュータを、さらに、
    上記摩耗指数が上記基準値を超える分割面があるとき、上記ブローノズルの設定に関して、予め摩耗指数と上記基準値との差の大きさ及び/又は当該分割面がエッジを有するか否か斜面であるか否かという面形状の種別に対応して設定された処理方式で、上記ブローノズルの位置の変更、ノズル孔径の拡大及びブローノズルの追加のうちの少なくとも一つの変更を行なう手段、及び
    上記ブローノズルの設定が変更された条件下で、上記分割手段による上記キャビティ面の分割、上記形状指数及び衝突エネルギー付加時間の算出手段による算出、上記摩耗指数演算手段による算出、上記判定手段による判定、並びに上記出力手段による表示を順次行なう手段として機能させることを特徴とする鋳型造型用金型の摩耗予測プログラム。
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