JP5445257B2 - 鋳造シミュレーション方法、及び、鋳造シミュレーション装置 - Google Patents

鋳造シミュレーション方法、及び、鋳造シミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造シミュレーション方法、及び、鋳造シミュレーション装置に関し、具体的には、ダイキャスト鋳造において鋳物に発生する割れの予測精度を向上させる技術に関する。
従来、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造において、溶湯が冷却・凝固する過程で熱収縮の不均一が生じることがある。そして、鋳物に応力や歪みが発生した結果、割れが生じる場合がある。このような割れを防止するため、ダイキャスト鋳造における溶湯の流速データや凝固時の温度データ等を基にして、CAE(Computer Aided Engineering)による鋳物の鋳造シミュレーションを行い、凝固欠陥の発生状況を予測する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
特開2007−330977号公報 特開2009−125795号公報
前記ダイキャスト鋳造においては、ゲートから鋳型内に流入する溶湯が、キャビティの内部における凹凸部、とりわけ局所的な突起部位(例えば、エンジンのシリンダブロックにおけるウォータージャケットを形成するためのウォータージャケット用中子のくびれ部分)等の特定の箇所を直撃することがある。これにより、当該箇所が過熱して凝固が遅れた場合は、割れの発生原因となるのである。
しかし、前記従来技術のような鋳造シミュレーションでは、このような場合に発生する割れについて事前に予測することができなかった。即ち、前記の場合に発生する割れに対しては、実鋳造によるトライアンドエラー評価による造りこみがなされていたのである。このように、ダイキャスト鋳造における事前予測による対策が可能なシミュレーション方法の確立が望まれていたのである。
そこで本発明では、上記現状に鑑み、ゲートから鋳型内に流入する溶湯が特定の箇所を直撃することによる当該箇所の過熱、及び、それを原因とする割れの発生を、精度良く予測することができる、鋳造シミュレーション方法、及び、鋳造シミュレーション装置を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における前記鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行う、鋳造シミュレーション方法であって、前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した鋳型モデルを作成する、モデル作成工程と、湯流れ解析における前記鋳型モデルに対する射出条件を決定する、射出条件決定工程と、前記射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記鋳型モデルの要素のうち、判定対象要素における溶湯の流速を算出する、流速算出工程と、前記流速算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出する、積分値算出工程と、前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定する、判定工程と、を備えるものである。
請求項2においては、前記判定工程で、前記判定対象要素において割れが発生したと判定した場合は、前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルを作成し直す、モデル再作成工程と、湯流れ解析における前記新たな鋳型モデルに対する新たな射出条件を決定し直す、射出条件再決定工程と、前記新たな鋳型モデルにおいて、前記新たな射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記新たな鋳型モデルにおける要素のうち、所定の判定対象要素における溶湯の流速を算出する、流速再算出工程と、前記流速再算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出する、積分値再算出工程と、前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定する、再判定工程と、を、前記再判定工程で、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定するまで繰り返すものである。
請求項3においては、前記射出条件決定工程では、前記鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、前記鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、前記射出ゲートの前記鋳型に対する位置と、を決定するものである。
請求項4においては、モデル作成手段と、射出条件決定手段と、流速算出手段と、積分値算出手段と、判定手段と、を備え、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における前記鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行う、鋳造シミュレーション装置であって、前記モデル作成手段で、前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した鋳型モデルを作成し、前記射出条件決定手段で、湯流れ解析における前記鋳型モデルに対する射出条件として、前記鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、前記鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、前記射出ゲートの前記鋳型に対する位置と、を決定し、前記流速算出手段で、前記射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記鋳型モデルの要素のうち、判定対象要素における溶湯の流速を算出し、積分値算出手段で、前記流速算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出し、前記判定手段で、前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定し、前記判定手段によって前記判定対象要素で割れが発生したと判定した場合には、前記モデル作成手段による前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルの再作成と、前記射出条件決定手段による前記新たな鋳型モデルに対する新たな射出条件の再決定と、前記流速算出手段による前記新たな鋳型モデルにおける前記新たな射出条件に基づく判定対象要素における溶湯の流速の再算出と、前記積分値算出手段による前記判定対象要素における流速積分値の再算出と、前記判定手段による前記判定対象要素における割れの再判定と、を、前記判定手段によって前記判定対象要素で割れが発生しなかったと判定するまで繰り返すものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、ゲートから鋳型内に流入する溶湯が特定の箇所を直撃することによる当該箇所の過熱、及び、それを原因とする割れの発生を、精度良く予測することができる。
本発明の一実施形態に係る鋳造シミュレーション装置を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係る鋳造シミュレーション方法のフローチャートを示した図。 同じく鋳造シミュレーション方法を用いる対象であるシリンダブロックを示した平面図。 (a)は同じくシリンダブロックを鋳造する際のウォータージャケット部分における鋳造装置の断面図、(b)は同じくシリンダブロックのウォータージャケット部分における断面図、(c)は同じくモデル化したシリンダブロックのウォータージャケット部分を示した図。 判定対象要素における溶湯の流速スカラー値の時間変化を示した線図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
[鋳造シミュレーション装置10の構成]
図1に示す如く、本発明の一実施形態に係る鋳造シミュレーション方法は、鋳造シミュレーション装置10により実行することができる。鋳造シミュレーション装置10は、制御装置11と、制御装置11とそれぞれ接続される、入力装置12、出力装置13、記憶装置14、及び、演算装置20と、を主な要素として具備する。例えば、記憶装置14や演算装置20としては、電子計算機におけるRAMやROM等からなる記憶部や、CPUからなる演算処理部等が用いられる。入力装置12としては、電子計算機に接続されたキーボードやマウス等が用いられる。出力装置13としては、電子計算機に接続されたモニタ等が用いられる。制御装置11としては、電子計算機における各装置の動作を制御する制御盤等が用いられる。
演算装置20は、後述するように、モデル作成手段21と、射出条件決定手段22と、流速算出手段23と、積分値算出手段24と、判定手段25と、を備える。
記憶装置14には、鋳型や鋳物に関する情報や、鋳型に溶湯を射出する際の射出条件や、演算装置20における演算に利用する情報や、その他演算処理を実行するためのプログラム等が格納されている。
[鋳造シミュレーション方法]
次に、本発明の一実施形態に係る鋳造シミュレーション方法の手順について、図2を用いて説明する。本実施形態に係る鋳造シミュレーション方法は、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行うものである。
本実施形態に係る鋳造シミュレーション方法は、図2に示す如く、モデル作成工程(ステップS1)と、射出条件決定工程(ステップS2)と、流速算出工程(ステップS3)と、積分値算出工程(ステップS4)と、判定工程(ステップS5)と、を備える。以下、各ステップについて順に説明する。
まず、モデル作成工程(ステップS1)において、鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した鋳型モデルMを作成する。本工程は、演算装置20におけるモデル作成手段21において行う。
本実施形態においては、図3に示すシリンダブロック51を鋳造シミュレーションする場合について説明する。即ち、本工程においては、図3のA−A断面である図4(b)に示すシリンダブロック51を、図4(c)に示す如く小領域である要素Eの集まりとしてモデル化し、鋳型モデルMを形成するのである。
なお、図4(c)においては説明の便宜上二次元モデルとして記載しているが、実際には三次元モデルが用いられる。また、本発明の適用対象はシリンダブロックに限定されず、他の鋳造品についても適用対象とすることが可能である。
図3に示す如く、シリンダブロック51は、シリンダヘッドが取付けられる上面に円柱状に開口されるシリンダボア54と、シリンダボア54を囲む壁状部分であるシリンダ部55を介してシリンダボア54の周囲に溝状に形成されるウォータージャケット56と、ウォータージャケット56の周囲に複数(本実施形態においては10個)開口されるヘッドボルト孔52と、を有する。
シリンダブロック51は、本実施形態においては図3に示す如く、シリンダボア54を4個備える直列4気筒エンジンの一部として構成されている。シリンダボア54は中心軸方向が平行となるように隣り合う状態で一列に配設される。本実施形態においては、図3に示すシリンダブロック51は、右側方の下部(図3における奥行方向側)に配設された図示しない射出ゲートから溶湯が射出されることにより成形されるものとする。即ち、図3のA−A断面における鋳造時の状態において、図4(a)中の矢印に示す如く溶湯が流れることにより、シリンダブロック51が成形されるのである。
本実施形態におけるシリンダブロック51を鋳造する際には、図4(a)に示す如く、溶湯がウォータージャケット56等を形成するための中子を直撃することがある。これにより、ウォータージャケット56が成形される部分の下側のうち、ヘッドボルト孔52の近傍で局部的に過熱される。このため、図4(b)に示す如く、当該箇所において割れが発生する場合がある。
上記のことから、本実施形態においては、当該箇所における過熱、及び、それを原因としてシリンダブロック51に発生する割れ(図4(b)参照)を予測するものとする。具体的には、図4(c)に示す如く、ウォータージャケット56の下側のうち、ヘッドボルト孔52に位置する要素Eのうちの2個を判定対象要素JE1・JE2として用いるのである。なお、判定対象要素の数や位置は本実施形態の構成に限定するものではない。
次に、射出条件決定工程(ステップS2)において、湯流れ解析における鋳型モデルMに対する射出条件を決定する。本工程は、演算装置20における射出条件決定手段22において行う。
具体的には、湯流れ解析における鋳型モデルMに対する射出条件として、鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、射出ゲートの鋳型に対する位置と、を決定するのである。なお、これらの射出条件は、記憶装置14に格納されている射出条件に基づいて、射出条件決定手段22が自動的に選択し、決定する構成とするが、作業者が射出条件を決定し、該射出条件を入力装置12により入力する構成とすることも可能である。
次に、流速算出工程(ステップS3)において、射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、鋳型モデルMの要素Eのうち、判定対象要素JE1・JE2における溶湯の流速を算出する。本工程は、演算装置20における流速算出手段23において行う。
具体的には、判定対象要素JE1・JE2のx方向、y方向、z方向の流速より、それぞれにおける流速v1、v2を算出するのである。そして、時間tにおける流速v1、v2の平均値を、溶湯の流速スカラー値(以下、単に流速とする)v(t)とするのである。
次に、積分値算出工程(ステップS4)において、流速算出工程で算出した溶湯の流速v(t)に基づいて、判定対象要素JE1・JE2における流速積分値Sを算出する。本工程は、演算装置20における積分値算出手段24において行う。
積分値算出工程においては、まず、溶湯の充填開始から充填終了まで、それぞれの時間(タイムステップ)tiごとに、微小区間における積分値dSを以下の数式1によって算出する。
Figure 0005445257
即ち、図5に示す如く、流速v(v(ti-1)及びv(ti))と、時間ti-1からtiにおける時間差(ti−ti-1)と、で形成される台形の面積、つまり時間ti-1からtiまでの微小区間における溶湯の移動距離を、微小区間における積分値dSとして算出するのである。
そして、それぞれの時間(タイムステップ)tiにおける積分値dSを積算して、判定対象要素JE1・JE2における流速積分値Sを算出するのである。即ち、流速積分値Sは、溶湯の充填開始から充填終了までの判定対象要素JE1・JE2における溶湯の移動距離の総計を示しているのである。
次に、判定工程(ステップS5)において、流速積分値Sと所定の判定値Dとの大きさを比較して、判定対象要素JE1・JE2における割れの有無を判断する。本工程は、演算装置20における判定手段25において行う。
具体的には、流速積分値Sが判定値D未満ではない(判定値D以上である)場合には、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生したと判定し、流速積分値Sが判定値D未満である場合には、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生しなかったと判定するのである。
本実施形態においては、前記判定値Dを、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定している。詳しくは、過去の鋳造試験でウォータージャケット用中子のくびれ部分に割れが発生した場合における、溶湯の移動距離の総計を基に決定しているのであり、本実施形態ではその値はD=0.4(m)としている。但し、判定値Dの値は鋳型の形状や大きさ等の鋳造条件により異なるものであるため、本実施形態での値に限定されるものではない。また、判定値Dには、試験結果ではなく、過去の鋳造シミュレーションの結果を用いることも可能である。
判定工程においては、上記の如く、流速積分値Sの大きさで割れの発生の有無を判定している。即ち、溶湯の充填開始から充填終了までの判定対象要素JE1・JE2における溶湯の移動距離の総計である流速積分値Sが判定値Dよりも大きい場合は、判定対象要素JE1・JE2が溶湯から受ける総受熱量が大きくなるため、シリンダブロック51に割れが生じやすくなるのである。
鋳造時に受ける総受熱量が大きくなると割れが生じる原因の一つとしては、例えば、特定の要素Eがヒートスポット化して異常過熱状態となり、溶湯の凝固が遅れることが考えられる。そして、鋳造後のシリンダブロック51における凝固組織が粗大化し、強度不足が生じるため、鋳型から離間する際に割れが発生するのである。また、上記の場合は、凝固中にも割れが発生することがある。
本実施形態においては、判定工程(ステップS5)で、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生したと判定した場合は、モデル再作成工程であるモデル作成工程(ステップS1)に戻るように構成している。即ち、モデル再作成工程(ステップS1)において、鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルMを再度作成し直すのである。なお、本工程において、新たな鋳型モデルMを、前回におけるモデル作成工程(ステップS1)で作成した鋳型モデルMと同じものを作成する構成にすることも可能である。
その後、射出条件再決定工程である射出条件決定工程(ステップS2)において、湯流れ解析における、新たな鋳型モデルMに対する新たな射出条件を決定し直すのである。具体的には、判定対象要素JE1・JE2とした、ウォータージャケット56の下側のうち、ヘッドボルト孔52に位置する部分への、溶湯の充填開始から充填終了までの溶湯の移動距離が小さくなるように新たな射出条件を再度決定するのである。より詳細には、鋳型内に溶湯を射出する射出速度、鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状、又は、射出ゲートの鋳型に対する位置の何れかを設定し直すのである。
その後、新たな射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、新たな鋳型モデルMにおける判定対象要素JE1・JE2での溶湯の流速を算出する流速再算出工程である流速算出工程(ステップS3)に進む。その後、積分値再算出工程である積分値算出工程(ステップS4)と、再判定工程である判定工程(ステップS5)と、に進み、前記と同様の処理を行うのである。そして、再判定工程(ステップS5)で、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生しなかったと判定するまで、この射出条件再決定工程(ステップS2)から再判定工程(ステップS5)を繰り返すのである。
上記の如く、本実施形態に係る鋳造シミュレーション装置においては、モデル作成手段21と、射出条件決定手段22と、流速算出手段23と、積分値算出手段24と、判定手段25と、を備え、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における前記鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行う。
そして、前記モデル作成手段21で、鋳型を複数の要素に分割した鋳型モデルMを作成し、射出条件決定手段22で、湯流れ解析における鋳型モデルMに対する射出条件として、鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、射出ゲートの前記鋳型に対する位置と、を決定する。さらに、流速算出手段23で、射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、鋳型モデルMの要素Eのうち、判定対象要素JE1・JE2における溶湯の流速vを算出する。また、積分値算出手段24で、流速算出工程で算出した溶湯の流速vに基づいて、判定対象要素JE1・JE2における流速積分値Sを算出する。そして、判定手段25で、流速積分値Sが所定の判定値D以上である場合には、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生したと判定し、流速積分値Sが判定値D未満である場合には、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生しなかったと判定するのである。
さらに、判定手段25によって判定対象要素JE1・JE2で割れが発生したと判定した場合には、モデル作成手段21による鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルMの再作成と、射出条件決定手段22による新たな鋳型モデルMに対する新たな射出条件の再決定と、流速算出手段23による判定対象要素JE1・JE2における溶湯の流速vの再算出と、積分値算出手段24による判定対象要素JE1・JE2における流速積分値Sの再算出と、判定手段25による判定対象要素JE1・JE2における割れの再判定と、を、判定手段25によって判定対象要素JE1・JE2で割れが発生しなかったと判定するまで繰り返すのである。
なお、本実施形態においては、判定工程及び再判定工程(ステップS5)で、流速積分値Sが所定の判定値D以上であり、判定対象要素JE1・JE2において割れが発生したと判定した場合には、モデル再作成工程(ステップS1)に戻るように構成しているが、判定結果を出力装置13に表示するのみに構成することも可能である。
即ち、本実施形態ではモデル再作成工程(ステップS1)において、鋳型内のキャビティを複数の要素に分割する分割パターンを記憶装置14に格納されている分割パターンに基づいて、モデル作成手段21が自動的に選択し、新たな鋳型モデルMを決定する構成としている。また、射出条件再決定工程(ステップS2)において、新たな射出条件を記憶装置14に格納されている射出条件に基づいて、射出条件決定手段22が自動的に選択し、決定する構成としているのである。しかし、出力装置13に表示された判定結果に基づいて、作業者が再度決定した新たな鋳型モデルMや新たな射出条件を入力装置12により手動により入力し直し、再度モデル作成工程(ステップS1)から鋳造シミュレーション方法を実施する構成とすることも可能である。
また、本実施形態においては、図4(c)に示す如く、ウォータージャケット56の下側のうち、ヘッドボルト孔52の近傍の一つを判定対象要素JE1・JE2と設定して、判定対象要素JE1・JE2における割れの有無を判定する構成としている。しかし、判定対象要素はそれぞれのヘッドボルト孔52の近傍に複数設定することも可能である。即ち、図3に示すシリンダブロック51において右側に位置するヘッドボルト孔52の全てにおいて判定対象要素を設定し、それぞれにおける割れの有無を判定する構成にすることも可能である。
本実施形態においては上記の如く構成することにより、ゲートから鋳型内に流入する溶湯が、キャビティの内部における凹凸部、とりわけ局所的な突起部位(例えば、エンジンのシリンダブロック51におけるウォータージャケット56を形成するためのウォータージャケット用中子のくびれ部分)等、特定の箇所を直撃することによる当該箇所の過熱、及び、それを原因とする割れの発生を、精度良く予測することが可能となる。
具体的には、溶湯の充填開始から充填終了までの判定対象要素JE1・JE2における溶湯の移動距離の総計である流速積分値Sを用いて、割れの発生の有無を予測するのである。より詳細には、流速積分値Sが判定値Dよりも大きい場合は、判定対象要素JE1・JE2が溶湯から受ける総受熱量が大きくなるため、シリンダブロック51に割れが生じやすくなると判断するのである。換言すれば、流速積分値Sを用いて、判定対象要素JE1・JE2が溶湯から受ける総受熱量を予測することにより、シリンダブロック51における過熱の有無を予測することができるのである。即ち、本実施形態に係る鋳造シミュレーションにより、ダイキャスト鋳造において事前予測による対策が可能となるのである。
21 モデル作成手段
22 射出条件決定手段
23 流速算出手段
24 積分値算出手段
25 判定手段
M 鋳型モデル

Claims (4)

  1. 鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における前記鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行う、鋳造シミュレーション方法であって、
    前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した鋳型モデルを作成する、モデル作成工程と、
    湯流れ解析における前記鋳型モデルに対する射出条件を決定する、射出条件決定工程と、
    前記射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記鋳型モデルの要素のうち、判定対象要素における溶湯の流速を算出する、流速算出工程と、
    前記流速算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出する、積分値算出工程と、
    前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定する、判定工程と、を備える、
    ことを特徴とする、鋳造シミュレーション方法。
  2. 前記判定工程で、前記判定対象要素において割れが発生したと判定した場合は、
    前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルを作成し直す、モデル再作成工程と、
    湯流れ解析における前記新たな鋳型モデルに対する新たな射出条件を決定し直す、射出条件再決定工程と、
    前記新たな鋳型モデルにおいて、前記新たな射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記新たな鋳型モデルにおける要素のうち、所定の判定対象要素における溶湯の流速を算出する、流速再算出工程と、
    前記流速再算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出する、積分値再算出工程と、
    前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定する、再判定工程と、を、
    前記再判定工程で、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定するまで繰り返す、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の鋳造シミュレーション方法。
  3. 前記射出条件決定工程では、前記鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、前記鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、前記射出ゲートの前記鋳型に対する位置と、を決定する、
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の鋳造シミュレーション方法。
  4. モデル作成手段と、射出条件決定手段と、流速算出手段と、積分値算出手段と、判定手段と、を備え、鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造における前記鋳型内での溶湯の湯流れ解析を行う、鋳造シミュレーション装置であって、
    前記モデル作成手段で、前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した鋳型モデルを作成し、
    前記射出条件決定手段で、湯流れ解析における前記鋳型モデルに対する射出条件として、前記鋳型内に溶湯を射出する射出速度と、前記鋳型内に溶湯を射出する射出ゲートの形状と、前記射出ゲートの前記鋳型に対する位置と、を決定し、
    前記流速算出手段で、前記射出条件に基づいて湯流れ解析を行い、前記鋳型モデルの要素のうち、判定対象要素における溶湯の流速を算出し、
    積分値算出手段で、前記流速算出工程で算出した溶湯の流速を、溶湯の充填開始から充填終了までの時間間隔で積分して、前記判定対象要素における流速積分値を算出し、
    前記判定手段で、前記流速積分値が、前記鋳型内に溶湯を射出するダイキャスト鋳造試験における試験結果を基に決定した判定値以上である場合には、前記判定対象要素において割れが発生したと判定し、前記流速積分値が前記判定値未満である場合には、前記判定対象要素において割れが発生しなかったと判定し、
    前記判定手段によって前記判定対象要素で割れが発生したと判定した場合には、前記モデル作成手段による前記鋳型内のキャビティを複数の要素に分割した新たな鋳型モデルの再作成と、前記射出条件決定手段による前記新たな鋳型モデルに対する新たな射出条件の再決定と、前記流速算出手段による前記新たな鋳型モデルにおける前記新たな射出条件に基づく判定対象要素における溶湯の流速の再算出と、前記積分値算出手段による前記判定対象要素における流速積分値の再算出と、前記判定手段による前記判定対象要素における割れの再判定と、を、前記判定手段によって前記判定対象要素で割れが発生しなかったと判定するまで繰り返す、
    ことを特徴とする、鋳造シミュレーション装置。
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