JP6011306B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、現像装置、画像形成装置、および画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、現像装置、画像形成装置、および画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、現像装置、画像形成装置、および画像形成方法に関する。
近年では、樹脂としてポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを併用したトナーの開発がすすめられている。
例えば特許文献1には、アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で凝集・融着して得られる静電荷像現像用トナーが開示されている。
特開2011−145321号公報
本発明の課題は、水分の吸湿が抑制された静電荷像現像用トナーを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
ポリエステル樹脂およびビニル系樹脂をポリエステル樹脂/ビニル系樹脂の質量比が3/100以上50/100以下で含有し、粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高く、且つ被覆層を有しないトナー母粒子と、
該トナー母粒子の表面に、
平均円形度が0.75以上0.86以下であり、立体画像解析により求められる最大高さ(H)に対する平面画像解析により求められる円相当径(Da)の比の平均値が1.5以上1.9以下であり、かつ体積平均粒径が80nm以上180nm以下であるゾルゲルシリカと、
を有する静電荷像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤である。
請求項に係る発明は、
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像部材を備える現像装置である。
請求項に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、前記像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像装置と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
像保持体を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
前記像保持体上に形成された静電荷像を請求項1に記載の静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像工程と、
前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲でない場合に比べ、水分の吸湿が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの立体画像解析により求められる最大高さ(H)に対する平面画像解析により求められる円相当径(Da)の比の平均値が1.5以上1.9以下の範囲でない場合に比べ、水分の吸湿が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの体積平均粒径が70nm以上200nm以下の範囲でない場合に比べ、水分の吸湿が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲である静電荷像現像用トナーを含まない場合に比べ、水分の吸湿が抑制された静電荷像現像剤が提供される。
請求項5に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲である静電荷像現像用トナーを収容しない場合に比べ、静電荷像現像用トナーにおける帯電の低下が抑制されたトナーカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲である静電荷像現像用トナーを収容しない場合に比べ、静電荷像現像用トナーの転写性に優れた現像装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲である静電荷像現像用トナーを収容しない場合に比べ、静電荷像現像用トナーの転写性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、ゾルゲルシリカの平均円形度が0.75以上0.9以下の範囲である静電荷像現像用トナーを用いない場合に比べ、静電荷像現像用トナーの転写性に優れた画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、現像装置、画像形成装置、および画像形成方法の実施形態について、詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下単に「トナー」と称すことがある)は、トナー母粒子と、該トナー母粒子の表面にゾルゲルシリカと、を有する。前記トナー母粒子は、ポリエステル樹脂およびビニル系樹脂を含有し、粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高く、且つ被覆層を有しない。また、該ゾルゲルシリカは、平均円形度が0.75以上0.9以下である。
尚、「被覆層を有しない」とは、2層以上の層構成を有しているのではなく、層と層との界面のないことを意味し、該トナー母粒子の形成の際にも表面に別の層を形成する工程を有しないことを表す。従って、本実施形態におけるトナー母粒子は、被覆層を有しない構成であって、且つその粒子中において表面でのポリエステル樹脂の濃度が内部でのポリエステル樹脂の濃度よりも高い構成を有する。つまり、コア−シェル構造を有しそのシェルでのポリエステル樹脂濃度がコアでのポリエステル樹脂濃度よりも高く設定されているトナーは、本実施形態には含まれない。
近年では省エネルギーの観点から、より低い温度で定着し得るトナーの開発がすすめられている。一般的に、樹脂としてポリエステル樹脂を使用することで、ビニル系樹脂単独で用いるよりも低温定着性と耐熱保管性の両立に関して優位であることが知られている。但し、ポリエステル樹脂は吸湿性が高く、高湿下で帯電量が低下しやすく、その結果高湿下で転写率が低下することがある。そこで、樹脂としてポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを併用したトナーの開発がすすめられている。しかし、例えば湿式法等の方法によりトナーを作製する場合には、造粒中においてポリエステル樹脂のエステル基が水との界面に移動しやすく、その結果トナー粒子表面にポリエステル樹脂が存在しやすい状態となっている。
一方で、トナーには一般的に外添剤が添加されており、トナー母粒子に対し外添剤としてゾルゲルシリカが外添されたトナーが開発されている。ゾルゲルシリカが外添されたトナーでは、上記ゾルゲルシリカが表面を覆っているため、ポリエステル樹脂への水分の吸着を抑制し得る。しかし、通常トナーは表面に凹凸を有しており、現像機内でのストレスにより前記ゾルゲルシリカが凹部に移動してしまいトナーの表面が露出し、結果として表面により多く存在するポリエステル樹脂が吸湿し、帯電量の低下が生じ、転写率が低下することがあった。
これに対し、本実施形態に係るゾルゲルシリカは、平均円形度が0.9以下と異形状であり、トナー母粒子表面の凹部への移行が抑制され、トナー母粒子表面の凸部の被覆率が維持されることにより、トナー表面での水分の吸着が抑制され、帯電量の低下が抑制されるものと考えられ、その結果、転写性の低下が抑制される。
・ポリエステル樹脂の濃度
本実施形態では、トナー母粒子はポリエステル樹脂およびビニル系樹脂を含有し、且つ粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高い。ここで、トナー母粒子における表面でのポリエステル樹脂の濃度が粒子内部でのポリエステル樹脂の濃度よりも高いかの確認方法について説明する。
トナー表面および内部の写真を用いてポリエステル樹脂の合成に使用している触媒(スズ、チタンなど)の元素を、走査型電子顕微鏡装置(日立協和エンジニアリング社製、SEM−EDX)を用いて相対比較する。トナー表面は走査型電子顕微鏡(FE−SEM S−4100、(株)日立製作所製)を用いて、30,000倍の写真を撮影することにより得られる。トナー内部は、トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化したものを、走査型電子顕微鏡(TEM)を用いて、30,000倍の写真を撮影することにより得られる。
以下、本実施形態に係るトナーの構成について詳細に説明する。
〔ゾルゲルシリカ〕
(諸物性)
−平均円形度−
本実施形態のゾルゲルシリカ(以下単に「シリカ粒子」とも称す)は、平均円形度(一次粒子の平均円形度)が0.75以上0.9以下である。
平均円形度が0.9を超えると、シリカ粒子がより球形に近づくため、シリカ粒子がトナー母粒子表面の凹部に偏在しやすくなって、トナー母粒子の凸部が露出し、トナー母粒子表面の吸湿が制御し難くなる。平均円形度が0.75未満であると、粒子の縦/横比が大きな形状となり、シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に応力集中が生じ、欠損し易くなる。また、ゾルゲル法では平均円形度が0.70未満の一次粒子の製造は現実的ではない。
平均円形度は、更に0.75以上0.85以下であることが望ましく、0.77以上0.83以下であることがより望ましい。
一次粒子の円形度は、粒径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)にシリカ粒子(ゾルゲルシリカ)を分散させた後の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の画像解析から、下記式(1)により算出される「100/SF2」として得られる。
円形度(100/SF2)=4π×(A/I) 式(1)
〔式(1)中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を示し、Aは一次粒子の投影面積を表す。〕
一次粒子の平均円形度は、上記画像解析によって得られた一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%円形度として得られる。なお、後述する円形度分布指標は、累積頻度における84%円形度を16%円形度で除した値の平方根として得られる。
−円形度分布指標−
本実施形態のシリカ粒子は、一次粒子の円形度分布指標が1.05以上1.50以下であることが望ましい。
円形度分布指標が1.05未満である粒子の製造は現実的でない。一方、円形度分布指標が1.50以下であることにより、一次粒子の短径/長径比が大きくなり過ぎず、トナー母粒子への分散性が得られ、強度や流動性の低下が抑制される。
一次粒子の円形度分布指標は1.10以上1.45以下であることがより望ましい。
−体積平均粒径−
本実施形態のシリカ粒子は、体積平均粒径(一次粒子の体積平均粒径)が70nm以上200nm以下であることが望ましい。
一次粒子の体積平均粒径が70nm以上であることにより、粒子の形状が球形となることが効率的に抑制され、平均円形度を効果的に前記範囲に制御し得る。一次粒子の体積平均粒径が200nm以下であることにより、トナー母粒子の強度が向上され、またトナー母粒子の流動性が効率的に向上される。
一次粒子の体積平均粒径は、80nm以上180nm以下であることがより望ましく、90nm以上160nm以下であることが更に望ましい。
一次粒子の体積平均粒径の測定は、LSコールター(ベックマン−コールター社製粒度測定装置)を用いて測定する。測定された粒子の粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々の粒子の体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を、体積平均粒径(D50v)と定義する。
−粒度分布指標−
本実施形態のシリカ粒子は、一次粒子の粒度分布指標が1.10以上1.40以下であることが望ましい。
一次粒子の粒度分布指標が1.10未満であるシリカ粒子は製造が現実的でない。一方、一次粒子の粒度分布指標が1.40以下であることにより、粗大粒子の発生が抑制され、トナー母粒子への分散性が得られる。
一次粒子の粒度分布指標は、1.10以上1.25以下であることがより望ましい。
一次粒子の粒度分布指標の測定は、LSコールター(ベックマン−コールター社製粒度測定装置)を用いて測定する。測定された粒子の粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々の粒子の体積について小径側から累積分布を描き、累積84%となる粒径D84vを、累積16%となる粒径D16vで除した値の平方根を粒度分布指標(GSDv)と定義する。すなわち、粒度分布指標(GSDv)=(D84v/D16v)0.5である。
−最大高さと円相当径との比−
本実施形態のシリカ粒子は、立体画像解析により求められる最大高さ(H)に対する平面画像解析により求められる円相当径(Da)の比(Da/H)の平均値が1.5以上1.9以下であることが望ましい。
比(Da/H)の平均値が1.5以上であることにより、シリカ粒子がより扁平形となるため、シリカ粒子のトナー母粒子表面の凹部への移動がより効果的に抑制されるものと考えられ、トナー母粒子の表面での吸湿が抑制される。比(Da/H)の平均値が1.9以下であることにより、粒子の縦/横比が大きくなり過ぎず、シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合にも応力集中が低減され、欠損が抑制される。
比(Da/H)の平均値は、更に1.6以上1.85以下であることが望ましく、1.65以上1.8以下であることがより望ましい。
シリカ粒子の最大高さHと円相当径Daは、以下の手順で求める。
粒径100μmの表面が平滑なジルコニアビーズにシリカ粒子を分散付着させた粒子を、電子線三次元粗さ解析装置(ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の視野で10nm毎にX−Y軸方向の高さ解析を行い、高さを求めると共に、同視野での倍率10,000倍の二次元画像を撮影する。
次に、前記二次元画像を、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で求めた面積から、下記式(2)で円相当径Daを求め、粒子毎に粒子番号を付ける。
円相当径=2√(面積/π) 式(2)
更に、前記高さ解析数値を表計算ソフトMicrosoft Excel(Microsoft社製)を用いて、条件付き書式(二色スケール)により画像化することで、粒子毎の前記粒子番号との整合を図り、個々の粒子における粒子番号毎の最大高さHを求める。
また、Da/Hの平均値は、測定したシリカ粒子100個の平均である。
(成分、表面処理)
本実施形態のシリカ粒子は、シリカ、すなわちSiOを主成分とするゾルゲル法で作製された粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。
また、シリカ粒子の分散性の観点から、シリカ粒子表面は疎水化処理されていることが望ましい。例えば、シリカ粒子表面がアルキル基で被覆されることにより、シリカ粒子は疎水化される。そのためには、例えば、超臨界二酸化炭素雰囲気下で疎水化処理剤により疎水化処理する方法や、ゾルゲルシリカの表面にアルキル基等の疎水化処理剤を結合する方法などが挙げられる。なお、疎水化処理の方法の詳細は後述する。
(シリカ粒子(ゾルゲルシリカ)の製造方法)
本実施形態のシリカ粒子は、例えば、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物を原料とし、ゾルゲル法によって粒子を生成する、いわゆる湿式方法によって製造し得る。
本実施形態のシリカ粒子は、平均円形度が0.75以上0.9以下であり、また諸特性が前述の範囲であることが望ましく、かかる諸物性を有するシリカ粒子を製造するには、次の工程を有する製造方法によることが望ましい。
前記シリカ粒子の製造方法は、(1)アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、(2)前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.002mol/(mol・min)以上0.008mol/(mol・min)未満の供給量でテトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給する工程と、を有することが望ましい。
つまり、前記シリカ粒子の製造方法では、上記濃度のアルカリ触媒が含まれるアルコールの存在下に、原料であるテトラアルコキシシランと、別途、触媒であるアルカリ触媒と、をそれぞれ上記関係で供給しつつ、テトラアルコキシシランを反応させて、シリカ粒子を生成する方法である。
上記シリカ粒子の製造方法では、上記手法により、粗大凝集物の発生が少なく、異型状のシリカ粒子が得られる。
ここで、テトラアルコキシシランの供給量は、シリカ粒子の粒度分布や円形度に関係すると考えられる。テトラアルコキシシランの供給量を、0.002mol/(mol・min)以上0.006mol/(mol・min)未満とすることで、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子との接触確率を下げ、テトラアルコキシシラン同士の反応が起こる前に、テトラアルコキシシランが核粒子に偏りなく供給されると考えられる。従って、テトラアルコキシシランと核粒子との反応を偏り無く生じさせ得ると考えられる。その結果、粒子成長のバラツキを抑制し、分布幅の狭いシリカ粒子を製造し得ると考えられる。
従って、テトラアルコキシシランの供給量を上記範囲とすることで、平均円形度や前述の諸特性が前記範囲であるシリカ粒子(一次粒子)が生成され易いと考えられる。
なお、シリカ粒子の体積平均粒径は、テトラアルコキシシランの総供給量に依存すると考えられる。
まず、アルカリ触媒溶液準備工程について説明する。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、これにアルカリ触媒を添加して、アルカリ触媒溶液を準備する。
アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の他の溶媒との混合溶媒であってもよい。混合溶媒の場合、アルコールの他の溶媒に対する量は80質量%以上(望ましくは90質量%以上)であることがよい。
なお、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
一方、アルカリ触媒としては、テトラアルコキシシランの反応(加水分解反応、縮合反応)を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが望ましい。
アルカリ触媒の濃度(含有量)は、0.6mol/L以上0.85mol/Lであることが望ましく、より望ましくは0.63mol/L以上0.78mol/Lであり、更に望ましくは0.66mol/L以上0.75mol/Lである。
アルカリ触媒の濃度が、0.6mol/L以上であることにより、生成した核粒子の成長過程の分散性が得られ、2次凝集物等の粗大凝集物の生成が低減されることでゲル化状となることが抑制され、粒度分布が好適な範囲に制御される。
一方、アルカリ触媒の濃度が、0.85mol/L以下であることにより、生成した核粒子の安定性が過大となり過ぎず、真球状の核粒子の生成が抑制され、異型状のシリカ粒子が得られる。
なお、アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルカリ触媒+アルコールを含む溶媒)に対する濃度である。
次に、粒子生成工程について説明する。
粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給し、当該アルカリ触媒溶液中で、テトラアルコキシシランを反応(加水分解反応、縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
この粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期に、テトラアルコキシシランを反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
アルカリ触媒溶液中に供給するテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられるが、反応速度の制御性や得られるシリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがよい。
テトラアルコキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液中のアルコールに対して、0.002mol/(mol・min)以上0.011mol/(mol・min)未満とすることが望ましい。
これは、アルカリ触媒溶液を準備する工程で用いたアルコール1molに対して、1分間当たり0.002mol以上0.011mol未満の供給量でテトラアルコキシシランを供給することを意味する。
テトラアルコキシシランの供給量を上記範囲とすることで、一次粒子の前記諸物性を、効率的に前記範囲に調整し得る。
尚、シリカ粒子の粒径については、テトラアルコキシシランの種類や、反応条件にもよるが、粒子生成の反応に用いるテトラアルコキシシランの総供給量を、例えばシリカ粒子分散液1Lに対し0.855mol以上3.288mol以下とすることで、体積平均粒径を効率的に前記範囲に調整し得る。
テトラアルコキシシランの供給速度は、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下がより望ましく、更に望ましくは、0.002mol/(mol・min)以上0.0033mol/(mol・min)以下である。
一方、アルカリ触媒溶液中に供給するアルカリ触媒は、上記例示したものが挙げられる。この供給するアルカリ触媒は、アルカリ触媒溶液中に予め含まれるアルカリ触媒と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることがよい。
アルカリ触媒の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下としが望ましく、より望ましくは0.14mol以上0.35mol以下であり、更に望ましくは0.18mol以上0.30mol以下である。
アルカリ触媒の供給量が、0.1mol以上であることにより、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が得られ、2次凝集物等の粗大凝集物の生成が低減され、ゲル化状となることが抑制され、粒度分布が好適な範囲に制御される。
一方、アルカリ触媒の供給量が、0.4mol以下であることにより、生成した核粒子の安定性が過大となり過ぎず、核粒子生成段階で生成された異型状の核粒子が、核粒子成長段階で球状に成長することが抑制され、異型状のシリカ粒子が得られる。
ここで、粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給するが、この供給方法は、連続的に供給する方式であってもよいし、間欠的に供給する方式であってもよい。
また、粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中の温度(供給時の温度)は、例えば、5℃以上50℃以下であることがよく、望ましくは15℃以上40℃以下の範囲である。
以上の工程を経て、シリカ粒子が得られる。この状態で、得られるシリカ粒子は、分散液の状態で得られるが、そのままシリカ粒子分散液として用いてもよいし、溶媒を除去してシリカ粒子の粉体として取り出して用いてもよい。
(疎水化処理)
前述のようにして得られたシリカ粒子は、親水性シリカ粒子であるため、疎水化処理がなされることが望ましい。
疎水化処理の1として、シリカ粒子の表面を超臨界二酸化炭素雰囲気下で疎水化処理剤により疎水化処理する方法が挙げられる。
この手法により、水分率の環境変動が抑制された疎水性シリカ粒子が得られる。この理由は、定かではないが以下に示す理由によるものと考えられる。
疎水化処理剤により親水性シリカ粒子の表面を疎水化処理する際、超臨界二酸化炭素中で行うと、超臨界二酸化炭素中に疎水性処理剤が溶解した状態となると考えられる。超臨界二酸化炭素は界面張力が極めて低いという特性を持つことから、超臨界二酸化炭素中に溶解した状態の疎水性処理剤は、超臨界二酸化炭素と共に、親水性シリカ粒子の表面の孔部の深くまで拡散して到達し易くなるものと考えられる。そして、これにより、親水性シリカ粒子の表面のみならず、孔部の奥深くまで、疎水化処理がなされるためと考えられる。
そのため、このように超臨界二酸化炭素雰囲気下で疎水化処理された疎水性シリカ粒子は、水分率の環境変動が抑制されたものとなると考えられる。
特に、本実施形態では、処理される親水性シリカ粒子が、ゾルゲル法で得られた親水性シリカ粒子(ゾルゲルシリカ)であるため、ゾルゲル法により得られた親水性シリカ粒子が、例えば、気相法により得られた親水性シリカ粒子よりも、シリカ粒子表面積当たりに存在するシラノール基が多く、それ故にシリカ粒子表面に存在する吸着水も多いと考えられることから、吸着水が多い状態で、上記疎水化処理が行われ、水分率が高い状態で、なおかつ水分率の環境変動が抑制された疎水性シリカ粒子が得られるものと考えられる。
また、疎水化処理を超臨界二酸化炭素中で行うと、例えば、疎水化処理剤の分解生成物や、ゾルゲル法で用いるアルカリ触媒(例えばアンモニア等)の残留の少ない疎水性シリカ粒子が得られると考えられる。これは、これら残留物が超臨界二酸化炭素へ移行し易くなると考えられるためである。
特に、ゾルゲル法で用いるアルカリ触媒(例えばアンモニア等)は、従来、高温乾燥による除去が必要であったが、疎水化処理を超臨界二酸化炭素中で行えば、より低温で当該アルカリ触媒を除去し得ることから、高温乾燥に起因するシリカ粒子の粗大凝集物の発生も抑えられると考えられる。
そして、これらの結果、残留物の除去工程も省略し得る。
また、疎水化処理を超臨界二酸化炭素中で行うと、少量の疎水化処理剤で、より短時間、且つよりムラが抑制された状態で疎水化処理がなされると考えられる。また、粗大凝集物の発生も抑制される。これは、疎水化処理剤が、超臨界二酸化炭素により、これに溶解した疎水化処理剤が親水性シリカ粒子の表面に到達し易くなると考えられるためである。
この点、粒子凝集が生じ易く、従来のムラのない処理が実現され難い乾式の疎水化処理や、ムラのない処理を実現するために多量の疎水化処理剤や長時間の処理時間が必要である従来の湿式の疎水化処理に比べ、上記の疎水性シリカ粒子の製造方法は有利である。
以下、超臨界二酸化炭素雰囲気下で疎水化処理剤により疎水化処理する方法について具体的に説明する。
この方法では、具合的には、例えば、密閉反応器内に、親水性シリカ粒子(本実施形態におけるゾルゲルシリカ)を投入し、次いで親水性シリカ粒子に対して疎水化処理剤を加える。その後、密閉反応器内に、液化二酸化炭素を加えて加熱し、高圧ポンプにより反応器内を昇圧させ、二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、二酸化炭素の超臨界状態を保つ、つまり、超臨界二酸化炭素中で、疎水化処理剤を反応させて、親水性シリカ粒子の疎水化処理を行う。なお、反応終了後は、密閉反応器内を減圧、冷却させる。
ここで、超臨界二酸化炭素とは、臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つものである。
反応器の容積に対する親水性シリカ粒子の量(つまり仕込み量)は、例えば、50g/L以上600g/L以下がよく、望ましくは100g/L以上500g/L以下、より望ましくは150g/L以上400g/L以下である。
この量が上記範囲以上であることにより、疎水処理剤の超臨界二酸化炭素に対する濃度が低くなり過ぎずシリカ表面との接触確率の低下が抑制され、疎水化反応が良好に進行する。一方で、この量が上記範囲以下であることにより、疎水処理剤の超臨界二酸化炭素に対する濃度が高くなり過ぎず、疎水処理剤が超臨界二酸化炭素へ溶解しきれず分散不良となることが低減され、粗大凝集物の発生が抑制される。
超臨界二酸化炭素中における、超臨界二酸化炭素の密度は、例えば、0.10g/ml以上0.60g/ml以下がよく、望ましくは0.10g/ml以上0.50g/ml以下、より望ましくは0.2g/ml以上0.30g/ml以下)である。
この密度が上記範囲以上であることにより、超臨界二酸化炭素に対する疎水処理剤の溶解度の低下が抑制され、凝集物の発生が抑制される。一方で、密度が上記範囲以下であることにより、シリカ細孔への拡散性の低下が抑制され、効率的に疎水化処理が行われる。特に、シラノール基を多く含有しているシリカ粒子に対しては上記密度範囲での疎水化処理が望まれる。
なお、超臨界二酸化炭素の密度は、温度および圧力等により調整される。
疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を持つ公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチル基を有する有機珪素化合物が好適である。
疎水化処理剤の使用量は、特に限定はされないが、疎水化の効果を得る観点から、例えば、親水性シリカ粒子に対し、1質量%以上60質量%以下がよく、望ましくは5質量%以上40質量%以下、より望ましくは10質量%以上30質量%以下である。
ここで、疎水化処理の温度条件(反応下の温度条件)、つまり超臨界二酸化炭素の温度は、例えば、140℃以上210℃以下がよく、望ましくは155℃以上185℃以下、より望ましくは165℃以上175℃以下である。
一方、疎水化処理の圧力条件(反応下の圧力条件)、つまり超臨界二酸化炭素の圧力は、上記密度を満足する条件であればよいが、例えば、8MPa以上30MPa以下がよく、望ましくは10MPa以上25MPa以下、より望ましく15MPa以上20MPa以下である。
以上説明した疎水化処理する工程を経て、疎水性のシリカ粒子が得られる。
〔トナー母粒子〕
本実施形態におけるトナー母粒子は、ポリエステル樹脂およびビニル系樹脂を含有し、粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高く、且つ被覆層を有しない。尚、トナー母粒子には更に、着色剤や離型剤等の他の添加剤を含んでもよい。
まず、結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、少なくともポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを用いる。
・ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものが挙げられ、ポリエステル樹脂は、1種のポリエステル樹脂で構成されていてもよく、2種以上のポリエステル樹脂の混合物であってもよい。
多価カルボン酸としては、特に限定は無く、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編、培風館)に記載されているモノマー成分(従来公知の2価または3価以上のカルボン酸)を用いてもよい。
多価カルボン酸のうち、2価のカルボン酸としては、例えば、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、これらの無水物、およびこれらの低級アルキルエステル、並びにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等が挙げられる。
多価カルボン酸のうち、3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、これらの無水物、およびこれらの低級アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、多価カルボン酸としては、アジピン酸、アルケニルコハク酸、テレフタル酸がよく、アルケニルコハク酸、テレフタル酸が望ましい。
多価アルコールとしては、特に限定は無く、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編、培風館)に記載されているモノマー成分(従来公知の2価または3価以上のアルコール)を用いてもよい。
多価アルコールの例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。
また、多価アルコールのうち、3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、多価アルコールとしては、ビスフェノールAが望ましく、具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド等)が望ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、例えば、12000以上200000以下の範囲が挙げられ、14000以上140000以下の範囲であってもよく、16000以上120000以下の範囲であってもよい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)としては、例えば、4000以上20000以下の範囲が挙げられ、5000以上12000以下の範囲であってもよい。
また、ポリエステル樹脂の分子量分布としては、分子量分布の指標であるMw/Mnの値が、2以上15以下の範囲が挙げられる。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、例えば、30℃以上90℃以下の範囲が挙げられ、30℃以上80℃以下の範囲であってもよく、50℃以上70℃以下の範囲であってもよい。
・ビニル系樹脂
ビニル系樹脂としては、例えば、スチレンやスチレン誘導体、アクリル系モノマー等の単独重合体やこれらの共重合体が挙げられる。
スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。
アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル等が挙げられる。
ビニル系樹脂として具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等公知の材料が挙げられ、これらの中でも、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体が望ましく、スチレン−アクリル酸共重合体がより望ましい。
ビニル系樹脂は、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが望ましい。
なお、各樹脂、トナーの分子量(Mn、Mw)は、東ソー製GPC:HLC8120GPCを用いて測定される。また、ガラス転移温度(Tg)は、島津製作所製DSC:DSC60を用い、JIS K 7121−1987(プラスチックの転移温度測定方法)の補外ガラス転移開始温度として測定される。
結着樹脂としての、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂との総含有量は、例えば、トナー母粒子全体に対し、75質量%以上100質量%以下の範囲が挙げられ、80質量%以上95質量%以下の範囲がより望ましい。
また、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂との質量比(ポリエステル樹脂/ビニル系樹脂)は、3/100以上50/100以下がよく、5/100以上20/100以下が望ましい。
・着色剤
着色剤としては、公知の有機または無機の顔料や染料や、油溶性染料が挙げられる。
例えば黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG、C.I.ピグメントイエロー74等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。
着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー74が好適に挙げられる。
また、これら着色剤は、混合し、更には固溶体の状態で使用してもよい。
着色剤の含有量は、トナー母粒子を構成する成分のうち、例えば、2質量%以上15質量%以下の範囲がよく、望ましくは3質量%以上10質量%以下の範囲である。
・離型剤
離型剤としては、特に制限はないが、例えば、石油ワックス、鉱物ワックス;動植物ワックス;ポリオレフィンワックス、酸化ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;等が挙げられる。離型剤の溶融温度は、例えば40℃以上150℃以下がよく、望ましくは50℃以上120℃以下である。
離型剤の含有量は、トナー母粒子を構成する成分のうち、例えば、1質量%以上10質量%以下の範囲がよく、望ましくは2質量%以上8質量%以下の範囲である。
・その他成分
また上記のほかにその他成分を含んでもよい。その他成分としては、例えば、内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)等の種々の成分が挙げられる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩からなる群より選ばれる化合物:極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤:等が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、または、これらの表面を疎水化処理した粒子等、公知の無機粒子が挙げられる。これら無機粒子は、種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理を施されてもよい。
・トナー母粒子の物性
トナー母粒子の体積平均粒径は、例えば2.0μm以上10μm以下が挙げられ、望ましくは4.0μm以上8.0μm以下である。
なお、トナー母粒子の体積平均粒径の測定法としては、以下の方法が挙げられる。まず、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)により、アパーチャー径が50μmのアパーチャーを用いて、粒径が1.0μm以上30μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000とする。得られた粒度分布を基に、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液となっている状態の試料における方法にて、測定される。
トナー母粒子の形状係数SF1としては、例えば120以上160以下の範囲が挙げられる。
ここで上記形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー母粒子の絶対最大長、Aはトナー母粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、例えば顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化される。具体的には、例えば、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナー母粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
・トナー母粒子の製造方法
次いで、トナー母粒子の製造方法について説明する。
トナー母粒子は、ポリエステル樹脂の粒子およびビニル系樹脂の粒子が水系媒体中に分散された原料分散液中で、または、ポリエステル樹脂およびビニル系樹脂の双方を含む樹脂粒子が水系媒体中に分散された原料分散液中で、各粒子を凝集、融合することで得られる。
以下、トナー母粒子の作製方法の一例について詳細に説明する。
ただし、以下の説明では、「樹脂粒子」は、少なくともポリエステル樹脂の粒子およびビニル系樹脂の粒子、または、少なくともポリエステル樹脂およびビニル系樹脂の双方を含む樹脂粒子のいずれか一方を示す。
また、離型剤を含むトナー母粒子を得る方法について説明するが、離型剤は含まなくてもよい。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
〜樹脂粒子分散液準備工程〜
まず、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤と併用されてもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法が挙げられる。また、用いる樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.08μm以上0.8μm以下であってもよく、0.1μm以上0.6μmであってもよい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が挙げられ、10質量%以上40質量%以下であってもよい。
なお、樹脂粒子における分散の方法を適用して、例えば、着色剤分散液や離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、および粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、および離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても適用される。
〜凝集粒子形成工程〜
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液や離型剤分散液を混合する。
そして、混合分散液中で、結着樹脂である樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー母粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、任意により分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度未満(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、任意により分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を任意で用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、結着樹脂であるポリエステル樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内が挙げられ、0.1質量部以上3.0質量部以下であってもよい。
〜融合合一工程〜
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、結着樹脂であるポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度またはそれ以上)に加熱して、凝集粒子を融合合一し、トナー母粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー母粒子が得られる。
ここで、融合合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー母粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー母粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが望ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が望ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が望ましく用いられる。
本実施形態におけるトナー母粒子は、例えば上記のごとく湿式法により作製されることで、造粒中においてポリエステル樹脂のエステル基が水との界面に移動しやすく、その結果粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高くなる。
〔外添剤の外添〕
本実施形態に係るトナーは、前記のトナー母粒子に対して、少なくとも前述のシリカ粒子(ゾルゲルシリカ)が外添される。
ゾルゲルシリカやその他の外添剤を外添する方法としては、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって混合する方法が挙げられる。
尚、トナー母粒子100質量部に対するゾルゲルシリカの添加量としては、0.5質量部以上5.0質量部以下が望ましく、1.0質量部以上4.0質量部以下がより望ましく、1.0質量部以上3.0質量部以下が更に望ましい。
また、ゾルゲルシリカ以外のその他の添加剤を外添してもよく、その他の添加剤としては、例えば、流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤、転写助剤等が挙げられる。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置および画像形成方法>
次に、本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(静電荷像現像剤)を用いた、本実施形態に係る画像形成装置および画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを収容し、前記像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像装置と、前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写装置と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置によれば、像保持体を帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記像保持体上に形成された静電荷像を本実施形態に係る静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像工程と、前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写工程と、を有する画像形成方法が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置における画像の形成は、像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のごとく行われる。まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。更に、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着装置により定着され、記録媒体に画像が形成される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ等)であってもよい。
トナーカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジが好適に用いられる。
プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を収納すると共に、像保持体の表面に形成された静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着し得るプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーが供給し得る。
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷像現像剤が収納されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、および、除電露光のための開口部117を取り付け、レール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、および、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、および、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱し得る構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」は特に断りがない限り「質量部」を示す。なお、実施例1、5〜7、11〜13及び16は参考例である。
<トナー母粒子>
(樹脂の作製)
−ポリエステル樹脂1の作製−
・ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
100モル部
・テレフタル酸 80モル部
・n−ドデセニルコハク酸 10モル部
・イソフタル酸 10モル部
加熱乾燥したフラスコに、上記成分と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、イソフタル酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃以上230℃以下で12時間共縮重合反応させた。その後、210℃以上250℃以下で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂1を合成した。
−ビニル系樹脂2の作製−
・スチレン 296部
・アクリル酸n−ブチル 104部
・アクリル酸 6部
・n−ドデシルメルカプタン 10部
・2、2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.8部
加熱乾燥したフラスコに、上記成分を入れて混合し、混合物を窒素置換した後、70℃に昇温し重合させてスチレン−アクリル酸共重合樹脂(ビニル系樹脂2)を得た。
−樹脂粒子分散液1の作製−
・ポリエステル樹脂1(PES) 15部
・ビニル系樹脂2(St/Ac) 85部
上記樹脂を酢酸エチル167部に溶解し、2.5部アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)イオン交換水250部とともに加え、60℃に加熱して、乳化機(Ultra Turrax T−50、IKA製)を用いて8000rpmで攪拌し、その後酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径180nmの樹脂粒子分散液1を作製した。
−樹脂粒子分散液2の作製−
・ポリエステル樹脂1(PES) 5部
・ビニル系樹脂2(St/Ac) 95部
上記樹脂を酢酸エチル167部に溶解し、2.5部アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)イオン交換水250部とともに加え、60℃に加熱して、乳化機(Ultra Turrax T−50、IKA製)を用いて8000rpmで攪拌し、その後酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径170nmの樹脂粒子分散液2を作製した。
−樹脂粒子分散液3の作製−
・ポリエステル樹脂1(PES) 45部
・ビニル系樹脂2(St/Ac) 55部
上記樹脂を酢酸エチル167部に溶解し、2.5部アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)イオン交換水250部とともに加え、60℃に加熱して、乳化機(Ultra Turrax T−50、IKA製)を用いて8000rpmで攪拌し、その後酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径200nmの樹脂粒子分散液3を作製した。
−樹脂粒子分散液4の作製−
・ポリエステル樹脂1(PES) 100部
上記樹脂を酢酸エチル167部に溶解し、2.5部アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)イオン交換水250部とともに加え、60℃に加熱して、乳化機(Ultra Turrax T−50、IKA製)を用いて8000rpmで攪拌し、その後酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径190nmの樹脂粒子分散液4を作製した。
−樹脂粒子分散液5の作製−
・ビニル系樹脂2(St/Ac) 100部
上記樹脂を酢酸エチル167部に溶解し、2.5部アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)イオン交換水250部とともに加え、60℃に加熱して、乳化機(Ultra Turrax T−50、IKA製)を用いて8000rpmで攪拌し、その後酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径210nmの樹脂粒子分散液5を作製した。
(顔料分散液の調製)
・C.I.Pigment Blue15:3(フタロシアニン系顔料:大日精化社製:シアニンブルー4937)) 50部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA製ウルトラタラックス)により10分間分散し、中心粒径175nmの顔料分散液を得た。
(離型剤分散液の調製)
・パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9) 25部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
上記成分を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径200nmの離型剤分散液を得た。
(トナー母粒子の作製)
−トナー母粒子1の作製−
・樹脂粒子分散液1 500部
・顔料分散液 100部
・離型剤分散液 200部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 0.8部
・10質量%硫酸アンモニウム水溶液(浅田化学社製) 1.0部
・10質量%硫酸アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 1.2部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジマイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合および分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら45℃まで加熱攪拌し、45℃で30分間保持した。
得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて90℃にしたのち1時間かけて凝集体を融合させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー母粒子1を得た。前述の方法で測定した平均粒径は5.8μm、形状係数は140であった。
トナー母粒子1について、前述の方法により表面でのポリエステル樹脂の濃度と粒子内部でのポリエステル樹脂の濃度を調べたところ、表面のほうが濃度が高かった。
−トナー母粒子2の作製−
・樹脂粒子分散液2 500部
・顔料分散液 100部
・離型剤分散液 200部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 3.0部
・10質量%硫酸アンモニウム水溶液(浅田化学社製) 1.0部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジマイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合および分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら35℃まで加熱攪拌し、35℃で30分間保持した。
得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて85℃にしたのち1時間かけて凝集体を融合させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー母粒子2を得た。前述の方法で測定した平均粒径は3.2μm、形状係数は155であった。
トナー母粒子2について、前述の方法により表面でのポリエステル樹脂の濃度と粒子内部でのポリエステル樹脂の濃度を調べたところ、表面のほうが濃度が高かった。
−トナー母粒子3の作製−
・樹脂粒子分散液3 500部
・顔料分散液 100部
・離型剤分散液 200部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 4.0部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジマイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合および分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら55℃まで加熱攪拌し、55℃で30分間保持した。
得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて95℃にしたのち1時間かけて凝集体を融合させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー母粒子3を得た。前述の方法で測定した平均粒径は7.5μm、形状係数は130であった。
トナー母粒子3について、前述の方法により表面でのポリエステル樹脂の濃度と粒子内部でのポリエステル樹脂の濃度を調べたところ、表面のほうが濃度が高かった。
−トナー母粒子4の作製−
・樹脂粒子分散液4 500部
・顔料分散液 100部
・離型剤分散液 200部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 4.0部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジマイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合および分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら48℃まで加熱攪拌し、48℃で30分間保持した。
得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて90℃にしたのち1時間かけて凝集体を融合させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー母粒子4を得た。前述の方法で測定した平均粒径は5.5μm、形状係数は135であった。
−トナー母粒子5の作製−
・樹脂粒子分散液5 500部
・顔料分散液 100部
・離型剤分散液 200部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(浅田化学社製) 4.0部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジマイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合および分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら47℃まで加熱攪拌し、47℃で30分間保持した。
得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて90℃にしたのち1時間かけて凝集体を融合させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー母粒子5を得た。前述の方法で測定した平均粒径は5.9μm、形状係数は139であった。
〔実施例1〕
<ゾルゲルシリカ>
−準備工程〔アルカリ触媒溶液(1)の調製〕−
攪拌翼、滴下ノズル、温度計を有したガラス製反応容器にメタノール200部、10質量%アンモニア水36部を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液(1)を得た。このアルカリ触媒溶液(1)のアンモニア触媒量:NH量(NH〔mol〕/(NH+メタノール+水)〔L〕)は、0.73mol/Lであった。
−粒子生成工程〔シリカ粒子懸濁液(1)の調製〕−
(第1の供給工程)
次に、アルカリ触媒溶液(1)の温度を30℃に調整し、アルカリ触媒溶液(1)を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液(1)を120rpmで攪拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)と、触媒(NH)濃度が3.7質量%のアンモニア水と、をそれぞれ4部/minと、2.4部/minの流量で滴下し、共に供給を開始した。
テトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給開始後1.5min経過した時点で、テテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給を共に停止した。テトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給を停止した時点でのテトラメトキシシランの供給量は、準備工程で反応容器に添加したアルコールの量に対して0.0063mol/molであった。
(熟成工程)
テトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間は、1.5minとした。
(第2の供給工程)
テテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止から1.5min後に、テトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給を再開した。なお、供給にあたっては、テトラメトキシシランおよびアンモニア水の流量が、それぞれ、4部/minおよび2.4部/minになるように調整を行い、テテトラメトキシシランおよびアンモニア水を滴下した。
第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量は、テトラメトキシシランを30部、3.7質量%アンモニア水を18部とした。
テトラメトキシシラン30部および3.7質量%アンモニア水18部を滴下した後、親水性のシリカ粒子の懸濁液(1)を得た。
−疎水化処理−
次に、以下に示す方法にて、親水性シリカ粒子の疎水化処理を行った。尚、疎水化処理には、二酸化炭素ボンベ、二酸化炭素ポンプ、攪拌機付きオートクレーブ、背圧弁を具備した装置を用いた。
まず、オートクレーブへ、得られた親水性シリカ粒子の粉末を20.0部投入し、次いでヘキサメチルジシラザン(和光純薬製)を6部投入した。その後、オートクレーブ内を液化二酸化炭素で満たした。ヒーターにより170℃まで昇温後、二酸化炭素ポンプにより20MPaまで昇圧した。攪拌機を200rpmで運転させ、30分間保持した。疎水化処理後、背圧弁より圧力を大気圧まで開放し室温(25℃)まで冷却させた。その後、攪拌機を停止しオートクレーブより疎水化処理された疎水性ゾルゲルシリカ粒子の粉体を取り出した。
<トナーの作製>
トナー母粒子1と前記疎水性ゾルゲルシリカ粒子とを、トナー母粒子100質量部に対して、疎水性ゾルゲルシリカ粒子を1.5質量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1300rpmで3分間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して各トナーを調製した。
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC−72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いでこの被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
<現像剤の作製>
得られたトナー36質量部とキャリア414質量部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間攪拌し、その後212μmで篩分して、現像剤を作製した。
〔実施例2〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを40部、3.7質量%アンモニア水を24部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例3〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを60部、3.7質量%アンモニア水を36部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例4〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを75部、3.7質量%アンモニア水を45部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例5〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを100部、3.7質量%アンモニア水を60部に変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例6〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを25部、3.7質量%アンモニア水を15部にを変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例7〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程および第2の供給工程を含めた全工程におけるテトラメトキシシランおよび3.7質量%アンモニア水の全添加量を、テトラメトキシシランを110部、3.7質量%アンモニア水を66部にを変更した以外は、実施例1に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例8〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、2.0minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例9〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、0.5minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例10〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、0.2minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例11〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、0.1minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例12〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給開始後0.7min経過した時点で、テテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給を共に停止した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例13〕
ゾルゲルシリカの作製において、第1の供給工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給開始後2.5min経過した時点で、テテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給を共に停止した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例14〕
疎水化処理を以下のミキサー混合による方法に変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
−ミキサー混合−
得られた親水性シリカ粒子の粉末100部をミキサーに入れ、窒素雰囲気下で200℃に加熱しながら200rpmで攪拌し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を親水性シリカ粒子の粉末に対し、30部滴下し2時間反応させた。その後、冷却させ疎水処理された疎水性シリカ粒子の粉末を得た。
〔実施例15〕
トナーの作製において、トナー母粒子1をトナー母粒子2に変えた以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔実施例16〕
トナーの作製において、トナー母粒子1をトナー母粒子3に変えた以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔比較例1〕
トナーの作製において、トナー母粒子1をトナー母粒子4に変えた以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔比較例2〕
トナーの作製において、トナー母粒子1をトナー母粒子5に変えた以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔比較例3〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、3.5minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
〔比較例4〕
ゾルゲルシリカの作製において、熟成工程におけるテトラメトキシシランおよびアンモニア水の供給停止時間を、0.15minに変更した以外は、実施例3に記載の方法により現像剤を作製した。
<評価>
−埋没評価−
ゾルゲルシリカのトナー母粒子への埋没の発生状況について、以下の方法により観察した。温度28℃湿度80%RHの環境下にて、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450改造機(プロセススピード、定着機の温度を外部電源コントロールにて行うように改造したもの)の現像器に充填し、プロセススピードを450mm/sec、定着温度を150℃に設定し、30000枚走行させた。走査型電子顕微鏡(SEM)にて、実機走行前と走行後のトナー粒子表面の添加粒子の状態を観察して、相対的に官能評価を行った。
◎:全く埋没が起きていない
○:埋没してしまっているが、トナー表面上に存在する
△:埋没してしまい、トナー表面上に存在しない
−吸湿テスト−
トナー母粒子における吸湿の発生状況を、以下の方法によりテストした。
温度28℃湿度85%環境下で24時間放置後の水分率と、温度20℃湿度55%環境下で24時間放置後の水分率の差を吸湿量とした。なお、水分率は次のようにして測定した。熱天秤により3℃/分の温度上昇速度にて室温(25℃)から150℃まで加熱し、150℃で30分間保持後の加熱減量から求めた。
◎:0%以上0.5%未満
○:0.5%以上1.5%未満
△:1.5%以上3.0%未満
×:3.0%以上
−転写維持性評価−
トナーの転写性を、以下のテストにより観察した。
温度28℃湿度80%RHの環境下にて、富士ゼロックス(株)製DocuCentreColor a450改造機(プロセススピード、定着機の温度を外部電源コントロールにて行うように改造したもの)の現像器に充填し、プロセススピードを450mm/sec、定着温度を150℃に設定した。その条件で、富士ゼロックス(株)製A4用紙(J紙)にて5cm×2cmのソリッドバッチを現像し、感光体表面の現像トナー画像を、粘着テープ表面の粘着性を利用して採取し、その質量(W1)を測定した。
次に、同様の現像トナー像を、紙(J紙)表面に転写させ、その転写画像の質量(W2)を測定した。これらの結果から、以下の式によって転写効率Aを求めた。
次に、白ベタ画像を20,000枚出力した後、同様に転写効率B(%)を求め、〔転写効率A(%)−転写効率B(%)〕の値を転写維持性とした。この転写維持性の値から後記評価基準にしたがって評価した。尚、比較例2、3は走行に耐えられず、評価することが不可能であった。
転写効率(%)=(W2/W1)×100
◎:0%以上2%未満
○:2%以上5%未満
△:5%以上10%未満
×:10%以上
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)、2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ、3Y、3M、3C、3K レーザ光線、3、110 露光装置、4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)、5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ、6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)、8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ、10Y、10M、10C、10K ユニット、20 中間転写ベルト、22 駆動ローラ、24 支持ローラ、26 2次転写ローラ(転写手段)、28、115 定着装置(定着手段)、30 中間転写体クリーニング装置、112 転写装置、116 取り付けレール、117 除電露光のための開口部、118 露光のための開口部、200 プロセスカートリッジ、P、300 記録紙(被転写体)

Claims (6)

  1. ポリエステル樹脂およびビニル系樹脂をポリエステル樹脂/ビニル系樹脂の質量比が3/100以上50/100以下で含有し、粒子表面での前記ポリエステル樹脂の濃度が粒子内部での前記ポリエステル樹脂の濃度よりも高く、且つ被覆層を有しないトナー母粒子と、
    該トナー母粒子の表面に、
    平均円形度が0.75以上0.86以下であり、立体画像解析により求められる最大高さ(H)に対する平面画像解析により求められる円相当径(Da)の比の平均値が1.5以上1.9以下であり、かつ体積平均粒径が80nm以上180nm以下であるゾルゲルシリカと、
    を有する静電荷像現像用トナー。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤。
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  4. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像部材を備える現像装置。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、
    請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、前記像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像装置と、
    前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  6. 像保持体を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    前記像保持体上に形成された静電荷像を請求項1に記載の静電荷像現像用トナーによりトナー像として現像する現像工程と、
    前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写工程と、
    を有する画像形成方法。
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