JP6010916B2 - 熱電素子用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電発電などに用いて好適な熱電素子用組成物に関する。
近年、ゼーベック効果を応用した熱電発電が広く利用されている。熱電発電は、熱電素子の両側に温度差を与え、ゼーベック効果による起電力を発生させて発電を行う。
熱電素子を評価する指標として、性能指数Zがある。Zは、ゼーベック係数α、比抵抗ρおよび熱伝導率κを用いて、Z=α/κρと表される。Zは大きいほど好ましいため、熱電素子は、熱を伝えにくく、電気伝導性が良く、起電力の大きい材料で構成されることが望ましい。
熱電素子に用いられる材料は、使用される温度により異なっており、たとえば800℃以上の高温域では、熱的特性に優れる酸化物などの半導体セラミックス系の材料が用いられている。高温域で用いられる材料としては、たとえば特許文献1にも記載されているように、CaMnOが挙げられる。
また、熱電素子は、ゼーベック効果により電力を発生させるための最小単位であり、複数の熱電素子をコネクタとしての導体を介して直列に接続することにより、熱電モジュールとされ、高出力を得ることができる。
国際公開第2005/124881号
このような熱電モジュールの組み立て時には、熱電素子に応力が加わるため、機械的強度が要求される。また、機械的強度にバラツキが生じると、組み立てに耐えられる熱電素子と、耐えられない熱電素子とが混在することになるため、熱電モジュールの組み立てが困難になるという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、十分な機械的強度を有し、しかも機械的強度のバラツキが小さい熱電素子用組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る熱電素子用組成物は、CaおよびMnを有し、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物であって、CaとMnとのモル比を示すCa/Mnが0.9761〜0.9998であることを特徴とする。
通常、上記の複合酸化物において、Ca/Mnは1.0000、すなわち、CaとMnとが等モル含まれている。しかしながら、本発明では、Ca/Mnを上記の範囲とすることで、該組成物の機械的強度のばらつきを抑制できる。
しかも、該組成物は、熱電素子としての特性が良好であるため、該組成物を有する熱電素子を用いて、熱電モジュールを組み立てる場合、組み立てが容易となり、しかも該モジュールは良好な特性を示すことができる。
好ましくは、熱電素子用組成物が、Y、Nd、Ta、Pr、Sm、La、Yb、Ti、Zn、Mg、Sr、Ba、Sn、Mo、Si、Nb、W、Co、V、Fe、Ni、Na、Al、Cr、Zr、Cuからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を有し、CaとMnとの合計2.0000モルに対する元素の置換量が0.3モル以下である。
Caおよび/またはMnの一部を、上記の元素が特定の範囲で置換することで、上述した効果をより高めることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る熱電素子用組成物から構成される熱電素子を有する熱電モジュールの概略断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
(熱電モジュール2)
図1に示すように、本実施形態では、熱電モジュール2は、熱電素子としての複数の半導体素子4と、高抵抗層6と、内部導体層8と、取り出し電極10、12と、を有する。また、本実施形態では、熱電モジュールにおいて、半導体素子として、全てn型の半導体素子を用いている。
図1に示すように、各半導体素子4の第1端部4aが熱源側(高温側)に配置され、第2端部4bが反熱源側(低温側)に配置される。すなわち、各半導体素子4の第1端部4aと第2端部4bとの間で温度差が生じる。このような温度差が生じることで、熱電効果により端部間で起電力が発生する。半導体素子単体での起電力は小さいため、図1に示すように、内部導体層8を介して、半導体素子を直列に接続し、取り出し電極10、12を通じて電力を得る。このとき、半導体素子の周囲には高抵抗層が形成されているため短絡は生じない。
(半導体素子4)
半導体素子4は、本実施形態に係る熱電素子用組成物から構成される。該熱電素子用組成物は、CaおよびMnを有し、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物であり、負のゼーベック係数を示す。したがって、半導体素子4は、n型の半導体素子である。また、CaとMnとのモル比を示すCa/Mnが0.9761〜0.9998である。
通常、熱電素子用組成物として、Ca/Mn=1であるCaMnOを用いるが、本実施形態では、Ca/Mnを1より小さくしている。このようにすることで、該組成物の機械的強度を向上させ、さらにそのバラツキを抑制することができる。その結果、上記の熱電モジュールを組み立てる際に該組成物に応力が掛かっても、該組成物が破断等することなく、容易に組み立てることができる。しかも、半導体素子は良好な熱電特性を有しているため、高性能の熱電モジュールを容易に得ることができる。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、ランタノイドで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。すなわち、CaとMnとの合計モル数が2.0000モルである該熱電素子用組成物において、ランタノイドはCaおよび/またはMnを0.3モルまで置換する。なお、ランタノイドは、Caを置換してもよいし、Mnを置換してもよいし、CaおよびMnの両方を置換してもよい。後述する置換元素も同様である。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
ランタノイドとしては、Nd、Pr、Sm、La、Ybから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、Nd、PrおよびSmから選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、2族元素で置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
2族元素としては、Ba、MgおよびSrから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、BaおよびMgから選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、5族元素で置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
5族元素としては、Ta、NbおよびVから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、TaおよびNbから選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、6族元素で置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
6族元素としては、MoおよびWから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、Moであることがより好ましい。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、14族元素で置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
14族元素としては、SnおよびSiから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、Snであることがより好ましい。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、第1遷移金属元素で置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
第1遷移金属元素としては、Fe、Cu、Ni、Cr、Ti、Coから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、CrおよびNiであることがより好ましい。
また、本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、Yで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.3モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。しかも、該組成物を構成する結晶粒子の粒子径を均一にする効果を有しており、焼成温度が変動しても電気特性のバラツキをも小さくすることができる。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、Znで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モル%である。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、Zrで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.03〜0.15モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。しかも、該組成物を構成する結晶粒子の粒子径を微細にする効果を有しており、電気特性のバラツキをも小さくすることができる。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、Naで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.001〜0.03モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
本実施形態に係る熱電素子用組成物は、Caおよび/またはMnの一部が、Alで置換されていてもよい。置換量は、CaとMnとの合計モル数2.0000モルに対し、好ましくは0モルより多く、0.3モル以下、より好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.001〜0.03モルである。
置換量を上記の範囲とすることで、機械的強度が向上し、そのバラツキが抑制されるとともに、ゼーベック係数や比抵抗を良好にすることができる。
なお、上記の置換元素を併用してもよい。
半導体素子4の形状は特に制限されず、用途等に応じて決定すればよいが、本実施形態では、図1において、Z軸方向に延びる四角柱の形状を有している。また、そのサイズも特に限定されないが、たとえば四角柱の高さが1〜50mmであり、底面の縦または横が1〜50mm程度である。
(高抵抗層6)
本実施形態では、図1に示すように、高抵抗層6は、半導体素子4間を直列に接続する内部導体層8が半導体素子4と隔てられるように形成され、半導体素子間の短絡を防いでいる。高抵抗層が形成されていなくても、熱電モジュールとしての特性を示すことができるが、高抵抗層が形成されることで、内部導体層を保護することができる。高抵抗層の材質は特に制限されないが、本実施形態では、高抵抗層は、CaおよびMnを含み、それらのモル比率がCa:Mn=32:68〜37:63である酸化物を主成分として含有している。
該高抵抗層は、Zr、Fe、Ni、Alなどの添加物を含んでもよい。また、高抵抗層の厚みは、特に制限されず、用途等に応じて適宜決定すればよいが、本実施形態では、1〜1000μmである。なお、本実施形態では、室温(25℃)における高抵抗層の電気抵抗率は、500Ω・cm以上であることが好ましい。
(内部導体層8)
内部導体層8は、発生した起電力を取り出せる程度の導電性を有していれば特に制限されないが、Cu、Pt、Au、Ag、Pd、Ni等の導電性金属のいずれか、あるいはそれらの合金が例示される。また、上記の導電性金属あるいは合金と、高抵抗層を構成する成分と、のコンポジット層であってもよいし、上記の導電性金属あるいは合金と、高抵抗層を構成する成分と、本実施形態に係る説電素子用組成物と、のコンポジット層であってもよい。
内部導体層の厚みは、特に制限されず、用途等に応じて適宜決定すればよいが、本実施形態では、1〜500μmである。なお、本実施形態では、室温(25℃)における内部導体層の電気抵抗率は、0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
(取り出し電極10,12)
取り出し電極10,12は、発生した起電力を取り出せる程度の導電性を有していれば特に制限されないが、上述した導電性金属あるいは合金であってもよいし、上記のコンポジット層であってもよい。
(熱電モジュールの製造方法)
図1に示す構造の熱電モジュール2は、印刷法やシート法等の公知の方法により製造すればよい。本実施形態では、焼成後に端子部、高抵抗層、内部導体層および半導体素子となる各ペースト層を形成して、積層体を作製し、これを焼成することで、熱電モジュールを製造する。以下、製造方法について具体的に説明する。
本実施形態では、半導体素子を形成するための素子ペーストを調製する。まず、上述の複合酸化物の原料を準備し、これらの原料と、バインダと、溶剤と、を混練して、素子ペーストを調製する。必要に応じて、上述の置換元素を含む酸化物の原料を準備し、該複合酸化物の原料と混合して、素子ペーストを調製してもよい。なお、これらの酸化物を所定の組成になるように秤量・混合し、混合物を所定温度で仮焼した後に得られる仮焼物を用いて、素子ペーストを調製してもよい。
上記の複合酸化物あるいは置換元素を含む酸化物の原料としては、酸化物だけでなく、その混合物や複合酸化物を用いることができる。また、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物を用いてもよい。
高抵抗層を形成するための抵抗体ペーストは、素子ペーストと同様にして調製すればよい。
内部導体層を形成するための電極ペーストは、上記の導電性金属等の原料と、バインダと、溶剤と、を混練して得られる。
端子部および取り出し電極を形成するための電極ペーストは、内部導体層を形成するための電極ペーストと同様にして調製すればよい。
得られたペーストを用いて、PETフィルムなどの支持シートの上に、図1に示す第1端子部10a,8aとなる電極ペースト層を、スクリーン印刷などにより所定パターンで形成する。その後に、図1に示す高抵抗層6となる抵抗体ペースト層、内部導体層8となる電極ペースト層、半導体素子4となる素子ペースト層を、スクリーン印刷などにより所定パターンで形成する。
それらの印刷を繰り返し、最後に、図1に示す第2端子部8bおよび取り出し電極12となる電極ペースト層をスクリーン印刷などにより所定パターンで形成し、積層体を得る。
得られた積層体に対し、必要に応じて脱バインダ処理を行い、その後に焼成処理を行う。脱バインダ処理時の加熱温度は、特に限定されないが、たとえば250〜500℃である。また、焼成時の加熱温度は、たとえば大気中にて、1100〜1400℃である。このようにして、焼結体としての熱電素子用組成物が得られる。
本実施形態では、同じn型の複数の半導体素子4を用い、さらに、半導体素子4を構成する本実施形態に係る熱電素子用組成物の組成に近い組成を有する材料で高抵抗層を形成して、熱電モジュール2を構成している。その結果、モジュール一体化のための製造が容易になり、同時焼成時にクラックや剥がれなどが生じるおそれが少なくなる。そのため、熱電モジュール2の品質が向上すると共に、信頼性が向上する。
なお、熱電モジュールの全周を高抵抗層で覆うように構成し、取り出し電極の一部のみが外部に露出するようにしても良い。
また、熱電モジュールにおいて、四角柱形状の各半導体素子の全周が高抵抗層で覆われ、隣接する素子の接合部に位置する高抵抗層の内部に、内部導体層が埋め込まれていてもよい。
また、熱電モジュールは、半導体素子が直交する2軸の各方向に行列状に配置され、全体として、平板ブロックを形成していてもよい。
さらに、熱電モジュールは、半導体素子がリング分割片の形状とされ、リング分割片の内周側および外周側が、第1端部および第2端部となるように、これらの半導体素子を組み合わせて円柱リングを形成されていてもよい。また、リングを複数に分割して構成された分割型熱電モジュールを組み合わせて構成してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、複数のn型半導体素子のみで熱電モジュールを構成しているが、n型半導体素子とp型半導体素子とを用いて、熱電モジュールを構成してもよい。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明する。
(実施例1)
まず、CaとMnとを含み、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物の原料として、CaCOおよびMnを準備した。また、表1および2に示す置換元素の原料を準備した。置換元素の原料としては、酸化物、炭酸塩などを用いた。
次に、これらの原料を、CaとMnとの合計が2.0000モル、CaとMnとの比が表1に示す比になるように秤量し、ボールミルにより約20時間湿式混合して、原料混合物を得た。また、置換元素は、CaとMnとの合計2.0000モルのうち、表1および2に示す量を元素換算で置換するように秤量した。なお、置換されたCaおよびMn量は、表1に示すCaとMnとの比に応じて決めた。
次に、得られた原料混合物を、空気中において1050℃で10時間仮焼して仮焼き材料とした後、ボールミルで20時間湿式粉砕して粉砕材料を得た。
次に、この粉砕材料を乾燥した後、該粉砕材料100重量%に、バインダとしてのポリビニルアルコールを1重量%添加して造粒し、20メッシュの篩で整粒して顆粒とした。この顆粒を、40MPaの圧力で加圧成形して、四角柱形状(寸法=4mm×4mm×25mm)の成形体を得た。
次に、これら各成形体を、空気中において、1100〜1400℃で2時間焼成して、各試料の焼結体を得た。得られた焼結体に対し以下の特性評価を行った。
(曲げ強さ)
得られた焼結体から寸法が2.5×2.5×20mmの試験片を作製し、スパンが10mm、クロスヘッド速度が30mm/minの条件で、3点曲げ試験を行い、機械的強度としての曲げ強さを測定した。評価基準として、試料ごとに試験片を8本作製し、その平均値が120MPa以上を良好とした。さらに測定値から標準偏差を算出し、強度のバラツキとした。標準偏差は30MPa以下を良好とした。結果を表1および2に示す。
(ゼーベック特性)
焼結体に対し、ゼーベック特性測定装置(オザワ科学RZ2001i)を用いて、800℃におけるゼーベック係数および比抵抗を測定した。ゼーベック係数は絶対値が大きい方が好ましく、比抵抗は小さい方が好ましい。結果を表1および2に示す。
Figure 0006010916
Figure 0006010916
表1より、置換元素が含まれず、Ca/Mn=0.9743である場合(試料番号1)、比抵抗が高いことが確認できた。また、置換元素が含まれず、Ca/Mn=1.0000である場合(試料番号5)、曲げ強度が低く、そのバラツキも大きいことが確認できた。
一方、置換元素が含まれず、Ca/Mnが上述した範囲内である場合には、曲げ強度が高く、そのバラツキも少なく、しかもゼーベック特性も良好であることが確認できた。
また、表1および2より、Caおよび/またはMnの一部を、置換元素で置換することで、ゼーベック特性を良好にしつつ、曲げ強さを向上できる、あるいは、曲げ強さのバラツキを抑制できることが確認できた。
2… 熱電モジュール
4… 半導体素子
4a… 第1端部
4b… 第2端部
6… 高抵抗層
8… 内部導体層
8a… 第1端子部
8b… 第2端子部
10,12… 取り出し電極

Claims (2)

  1. CaおよびMnを有し、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物であって、
    前記Caと前記Mnとのモル比を示すCa/Mnが0.9761〜0.9998である熱電素子用組成物であって、
    前記熱電素子用組成物が、Y、Nd、Ta、Pr、Sm、La、Yb、Ti、Zn、Mg、Sr、Ba、Sn、Mo、Si、Nb、W、Co、V、Fe、Ni、Cr、Zr、Cuからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を有し、
    前記Caと前記Mnとの合計2.0000モルに対する前記元素の置換量が0.03〜0.15モルであることを特徴とする熱電素子用組成物。
  2. CaおよびMnを有し、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物であって、
    前記Caと前記Mnとのモル比を示すCa/Mnが0.9761〜0.9998である熱電素子用組成物であって、
    前記熱電素子用組成物が、NaおよびAlの一方または両方を有し、
    前記Caと前記Mnとの合計2.0000モルに対する前記元素の置換量が0.001〜0.03モルであることを特徴とする熱電素子用組成物。
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