JP6009503B2 - 鞍乗り型車両のリンク機構保護構造 - Google Patents
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Description
ここで、リンク機構の下方をスキッドプレートで覆うことが考えられる。特許文献1は、スキッドプレートにてスイングアームの広範囲をカバーする構造を開示しているが、この構造の場合、ばね下重量が大きくなりやすいという課題がある。
本発明の目的は、ばね下重量を小さくすることが可能な鞍乗り型車両のリンク機構保護構造を提供することにある。
また、上記構成において、前記リンク用ガード(85)の前端部を構成する前端ガード部(85a)は、前記左右の大径部(91e)に沿うように形成された左右の側部(85t)を備え、前記側部(85t)は、前記紐状部材(96)よりも大径に形成されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記リンク用ガード(85)は、側面視にて前記クッションロッド(91)の前端部と、全伸び状態にある前記クッションユニット(26)と連結される前記クッションアーム(93)の前端部とに前方から接する直線(109)に略沿って前上がりに傾斜する滑り面部(85f)を有するようにしても良い。
また、上記構成において、前記リンク用ガード(85)は、前記左右の側壁(85k)から側方及び上方に延びる左右一対の側部延出部(85c)が形成され、前記左右一対の側部延出部(85c)が前記左右一対のロッド部(91b)を外側方から挟むように配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記リンク用ガード(85)は、前記クッションロッド(91)の後端部と前記クッションアーム(93)の後下端部との連結部の下方から側方に延びる左右一対の後部側方延出部(85e)が形成されていても良い。
また、上記構成において、前記クッションアーム(93)の後上端部は、前記スイングアーム(11)の下部から一体に側面視にてアーム本体(11b)よりも下方に突出するアーム突出部(11a)に連結されるようにしても良い。
また、本発明は、車体フレーム(F)と、車体フレーム(F)の下部に配置されるピボット軸(24)に前端部が上下揺動可能に軸支されるとともに後端部に後輪(3)が軸支されるスイングアーム(11)と、スイングアーム(11)の前記車体フレーム(F)に対する揺動量を規制し、その上端部が前記車体フレーム(F)に連結されるクッションユニット(26)と、クッションユニット(26)の下端部、前記スイングアーム(11)、前記車体フレーム(F)のそれぞれに連結されるリンク機構(25)とを備え、リンク機構(25)の下方にリンク用ガード(85)が配置される鞍乗り型車両のリンク機構保護構造において、前記リンク機構(25)は、前記ピボット軸(24)の下方位置にて前記車体フレーム(F)に上下揺動可能に軸支されるクッションロッド(91)と、クッションロッド(91)を構成する左右一対のロッド部(91b)の間に配置されるとともに、前端部が前記クッションユニット(26)の下端部に連結され、後上端部が前記スイングアーム(11)に連結され、後下端部が前記クッションロッド(91)の後端部に連結されるクッションアーム(93)とから構成され、前記リンク用ガード(85)は、前記左右一対のロッド部(91b)に跨るように少なくとも前記クッションロッド(91)の前端部から前記クッションアーム(93)の前端部までの間を下方から覆うように配置され、少なくとも前記左右一対のロッド部(91b)に固定され、前記リンク用ガード(85)は、前記クッションアーム(93)の前端部から更に後方に向けて延びるとともに、前記クッションアーム(93)の下方に排泥用の開口(85j)を備えることを特徴とする。
また、本発明は、車体フレーム(F)と、車体フレーム(F)の下部に配置されるピボット軸(24)に前端部が上下揺動可能に軸支されるとともに後端部に後輪(3)が軸支されるスイングアーム(11)と、スイングアーム(11)の前記車体フレーム(F)に対する揺動量を規制し、その上端部が前記車体フレーム(F)に連結されるクッションユニット(26)と、クッションユニット(26)の下端部、前記スイングアーム(11)、前記車体フレーム(F)のそれぞれに連結されるリンク機構(25)とを備え、リンク機構(25)の下方にリンク用ガード(85)が配置される鞍乗り型車両のリンク機構保護構造において、前記リンク機構(25)は、前記ピボット軸(24)の下方位置にて前記車体フレーム(F)に上下揺動可能に軸支されるクッションロッド(91)と、クッションロッド(91)を構成する左右一対のロッド部(91b)の間に配置されるとともに、前端部が前記クッションユニット(26)の下端部に連結され、後上端部が前記スイングアーム(11)に連結され、後下端部が前記クッションロッド(91)の後端部に連結されるクッションアーム(93)とから構成され、前記リンク用ガード(85)は、前記左右一対のロッド部(91b)に跨るように少なくとも前記クッションロッド(91)の前端部から前記クッションアーム(93)の前端部までの間を下方から覆うように配置され、少なくとも前記左右一対のロッド部(91b)に固定され、前記リンク用ガード(85)は、左右の側壁(85k)を有し、これらの側壁(85k)に段部(85s)が形成されていることを特徴とする。
また、クッションロッドの前端部は、内側に軸受を備える左右の大径部と、左右の大径部間に一体に設けられ、大径部より外径が小径の小径部とからなり、リンク用ガードの前端部の横断面は、クッションロッドの前端部形状に沿うように、車幅方向中央部が、小径部の半径方向内側に向けて凸となるように屈曲しているので、クッションロッドの形状に沿うように屈曲させることで、デッドスペースを利用してリンク用ガードの前端部の剛性を高めることができる。
また、リンク用ガードの前端部を構成する前端ガード部は、左右の大径部に沿うように形成された左右の側部を備え、側部は、紐状部材よりも大径に形成されるので、紐状部材の両側に、紐状部材よりも大径となる側部を備えることで、紐状部材に切り株や大きな岩が当りにくくなり、結果として切れにくくすることができる。
また、リンク用ガードは、側面視にてクッションロッドの前端部と、全伸び状態にあるクッションユニットと連結されるクッションアームの前端部とに前方から接する直線に略沿って前上がりに傾斜する滑り面部を有するので、リンク用ガードに岩や土砂等が当っても、前上がりの滑り面部によって、その衝撃を緩和することができる。
また、リンク用ガードは、左右の側壁から側方及び上方に延びる左右一対の側部延出部が形成され、左右一対の側部延出部が左右一対のロッド部を外側方から挟むように配置されるので、左右の側部延出部でクッションロッドに対するリンク用ガードの車幅方向の位置決めを行うことができる。
また、リンク用ガードは、クッションロッドの後端部とクッションアームの後下端部との連結部の下方から側方に延びる左右一対の後部側方延出部が形成されているので、クッションロッドの後端部とクッションアームの後下端部とを連結ボルトで連結する場合、連結ボルトの頭部と、連結ボルトの先端にねじ結合されるナットとを、後部側方延出部で下方から覆って保護することができる。
また、クッションアームの後上端部は、スイングアームの下部から一体に側面視にてアーム本体よりも下方に突出するアーム突出部に連結されるので、クッションアームやクッションロッドが、スイングアームのアーム本体に対し、下方に大きく離間する形式のリンク機構となるが、リンク用ガードをクッションロッドに取付けるので、従来のスイングアーム本体にガードを取付けるものに比べてリンク用ガードが小さくてよい。
<第1実施形態>
図1は、本発明のリンク機構保護構造を備える自動二輪車1を示す左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン50が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク10が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム11が車体フレームFの下部に支持された車両である。
また、自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座するシート12が車体フレームFの前後の中央部の上方に設けられた鞍乗り型車両である。更に、自動二輪車1は、砂地等の不整地の走行に適したオフロードタイプの車両であり、大きなサスペンションストロークを有するとともに、大型の燃料タンク40を備える。
前部フレーム13は、前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後方斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム16と、各メインフレーム16の後端から下方に延びる左右一対のピボットフレーム17とを備える。また、前部フレーム13は、ヘッドパイプ15の下部の後面から下方斜め後方に延びるダウンフレーム18と、ダウンフレーム18から左右に分岐して下方へ延び、その後、後方へ略水平に屈曲して各ピボットフレーム17の下端に連結される左右一対のアンダーフレーム19とを備える。
左右のメインフレーム16の後部、左右のアンダーフレーム19の上部及び左右のアンダーフレーム19の水平部の前端が、エンジン50を支持している。
左右のピボットフレーム17の下部にピボット軸24が設けられ、ピボット軸24でスイングアーム11の前端部が上下揺動可能に支持されている。後輪3は、スイングアーム11の後端部に軸支される。
ヘッドパイプ15の前部には、前方に突出する前部ステー28が固定され、前部ステー28には、ヘッドライト29、板状のウインドスクリーン30及びメーター類31が支持される。
燃料タンク40は、左右のメインフレーム16の左右側方に分割して配置される左右一対の前側タンク41と、後部フレーム14内に設けられる後側タンク43とを備える。
シート12は、前側タンク41の後部に連続して後方に延び、後部フレーム14の上部に支持される。
前輪2を上方から覆うフロントフェンダー37は、フロントフォーク10に固定される。後輪3を上方から覆うリヤフェンダー38は、シート12の後方で後部フレーム14に固定される。
左右一対のピボットフレーム17の下端部には、乗員が足を載せる左右一対のステップ39が設けられている。左側のステップ39の前方には、シフトペダル44が設けられる。
エンジン50の冷却水が循環する左右一対の板状のラジエータ68は、ダウンフレーム18と左右のシュラウド33との間に左右一対設けられている。
前側タンク41は、左右のシュラウド33と後部フレーム14との間に延びるとともに、左右のメインフレーム16の外側方から下方に延び、シリンダ部50a及びクランクケース52の前部の側方までを覆う大きさを有する。
後部フレーム14の下部には、後輪3の前方へ下方に延びる泥除け80が取付けられている。
リンク機構25は、下部クロスメンバ22のリンク連結ステー22aに前端部が連結ボルト86を介して揺動可能に連結されたクッションロッド91と、クッションロッド91の他端部に連結ボルト92を介して後下端部が揺動可能に連結されたクッションアーム93とから構成されている。
クッションロッド91は、後下がりに配置され、その前端部から後端部に亘って下方から覆うリンク用ガード85が固定されている。
クッションアーム93は、前端部がクッションユニット26の下端部26aに揺動可能に連結され、後上端部がスイングアーム11の下部から下方に一体に突出するアーム突出部11aに連結ボルト94を介して揺動可能に連結されている。
結束バンド96は、樹脂製の紐状部材であり、リンク用ガード85に複数設けられた挿通穴85mに通され、クッションロッド91に設けられた左右一対のロッド部91bに巻かれて両端部が繋がれている。結束バンド96の代わりに、紐状部材として、紐、ワイヤー、針金、金属ベルト等を用いても良い。
なお、符号98は左側のピボットフレーム17の下部に固定されたスタンドブラケットであり、スタンドブラケット98にサイドスタンド99が起立又は収納可能に取付けられている。
リンク用ガード85は、前端ガード部85a、山形ガード部85b、左右一対の中間延出ガード部85c、後端ガード部85d、左右一対の後端延出ガード部85eを一体に備える。
前端ガード部85aは、リンク機構25のクッションロッド91の前端部を巻き込んで包むように形成され、下部に左右一対の結束バンド96,96を通す左右一対の挿通穴85m,85mが開けられ、挿通穴85m,85mに通された結束バンド96,96によってクッションロッド91の前端部に固定されている。
スイングアーム11のアーム突出部11aは、その側面11dに前後方向に長く形成された長穴状凹部11eを備え、長穴状凹部11eの底部に連結ボルト94を通すボルト挿通穴(不図示)が開けられている。連結ボルト94は、その頭部94aに平行に形成された二面を有し、これらの二面が長穴状凹部11eの対向する一対の平面状の側壁に嵌る構造であるため、長穴状凹部11eにより連結ボルト94の回り止めを行うことができる。
図4及び図5に示すように、リンク機構25のクッションロッド91は、下部クロスメンバ22の左右のリンク連結ステー22a間に位置する筒状の軸受部91aと、軸受部91aの左右端から後方に一体に略平行に延びる左右一対のロッド部91b,91bとからなる。リンク機構25のクッションアーム93は、前端部がクッションユニット26の下端部26aに連結されて後方に延びる幅の狭い前部アーム部93aと、前部アーム部93aの後端部に設けられた幅の広い部分であってクッションロッド91のロッド部91b,91bの後端部91c,91cに連結された後下端部軸受部93bとを一体に備える。前部アーム部93aには前端部軸受部93gが設けられている。
排泥用穴85jは、その左右の縁部85n,85nが底面視でクッションアーム93の前部アーム部93aの側端と略重なるように形成されている。これにより、排泥用穴85jからの泥等の排出量を確保するとともに、下方から排泥用穴85jを介してリンク用ガード85内へ泥等が入り込みにくくなる。
左右の後端延出ガード部85e,85eは、連結ボルト92の頭部92aと、連結ボルト92の先端部にねじ結合されたナット101とを下方から覆っている。これにより、後端延出ガード部85e,85eで連結ボルト92及びナット101を飛び石等から保護することができる。
クッションロッド91のロッド部91b,91bの後端部91c,91cと、クッションアーム93の後下端部軸受部93bと、連結ボルト92と、ナット101と、リンク用ガード85の左右の後端延出ガード部85e,85eとは、スイングアーム11のアーム連結部11cの下方に位置する。
図中の符号88は駆動チェーン65の振れを抑えるために連結ボルト86に回転可能に支持された樹脂製のチェーンローラ、89は駆動チェーン65がスイングアーム11に干渉しないようにスイングアーム11のアーム本体11bの下面に固定された樹脂製のチェーンガードである。
図6は運転者が乗車した1G状態のクッションユニット26を示し、図7はクッションユニット26が最も伸びた全伸び状態を示している。
図6に示すように、リンク機構25のクッションアーム93の前端部軸受部93gは、側面視でクッションロッド91のロッド部91bに重なっている。
リンク用ガード85は、前端ガード部85aがクッションロッド91の軸受部91aの外周面に沿って円弧状に延び、前端面85pは、軸受部91aの軸線91m(黒丸で示した部分)よりも上方に位置している。このように、前端ガード部85aが軸受部91aを巻き込む形状に形成することで、前端ガード部85aに衝突物があった場合でも、前端ガード部85aが下方にめくれないようにすることができる。
後端ガード部85dは、クッションロッド91の長さ違いにも対応できるように、即ち、クッションロッド91及びクッションアーム93の全体を下方から覆うことができるように、長手方向(略前後方向)に延びている。
シリンダ103内には移動可能にピストン(不図示)が挿入され、ピストンからシリンダ103の外部に延びるようにピストンロッド104が設けられている。下端部26aは、ピストンロッド104の下端部に設けられる。クッションスプリング106は、シリンダ103の上端部に設けられたスプリング上端支持部と、下端部26aに設けられたスプリング下端支持部26bとの間に圧縮された状態で設けられている。
クッションユニット26は、ピボット軸24の後方で、スイングアーム11の左右のアーム本体11b,11bとアーム連結部11cとで囲まれる空間を貫通するように延びている。
クッションユニット26に連結される連結ボルト108が貫通穴93dに通され、クッションロッド91に連結される連結ボルト92が貫通穴93eに通され、スイングアーム11に連結される連結ボルト94が貫通穴93fに通されている。
リンク用ガード85の滑り面部85fは、側面視でクッションロッド91の前端の軸受部91aと、クッションアーム93の前端部軸受部93gとに接する直線109に略沿うように前上がりに延びている。
クッションユニット26の下端部26a、詳しくは、下端部26aを貫通する連結ボルト108は、リンク機構25のクッションロッド91のロッド部91bよりも下方に位置している。このとき、クッションユニット26の下端部26a及びクッションアーム93は、リンク用ガード85の山形ガード部85bの頂上付近に近接している。このように近接したときには、山形ガード部85b内に溜まっていた泥等を排泥用穴85j(図7参照)から排出させることができる。
図9に示すように、左右のリンク連結ステー22a,22a間にクッションロッド91の軸受部91aが配置される。軸受部91aは、両端に設けられた大径部91e,91eと、左右の大径部91e,91e間に一体に設けられ、大径部91eより外径が小径の小径部91fとからなる。
大径部91eは、端面側に設けられてオイルシール111が嵌合された大径穴91gと、大径穴91gの車幅方向内側に形成されてニードルベアリング112が挿入された小径穴91hとが形成されている。左右の小径穴91h,91h間には貫通穴91jが開けられている。
クッションアーム93の貫通穴93dとカラー116との間にはニードルベアリング117が配置されている。
連結ボルト108は、順に、連結片26cのボルト挿通穴26e、カラー116、連結片26dのボルト挿通穴26eに通され、連結ボルト108の先端部にナット118がねじ結合される。
水平部85qは、ロッド部91bの下面91nに近接又は接触するため、クッションロッド91に対するリンク用ガード85の上下方向の位置決めを行うことができる。また、垂直部85rは、ロッド部91bの側面91dに近接又は接触するため、クッションロッド91に対するリンク用ガード85の車幅方向の位置決めを行うことができる。
このように、中間延出ガード部85cをL字形状にすることで、リンク用ガード85をクッションロッド91に安定に固定することが可能になる。
クッションアーム93の後下端部軸受部93bは、両端部側に形成された大径穴93hと、左右の大径穴93h,93h間に開けられた貫通穴93eとを備える。大径穴93hにはオイルシール121が嵌合され、左右のオイルシール121,121間にはカラー122が配置されている。クッションアーム93の貫通穴93eとカラー122との間には2つのニードルベアリング123,123が配置されている。
リンク用ガード85の左右の後端延出ガード部85e,85eは、略水平に形成された後端ガード部85dの左右縁部から車幅方向外側にいくにつれて次第に高くなるように傾斜し、連結ボルト92の頭部92a及びナット101を下方から覆っている。
このように、側壁85kに段部85sを形成することで、山形ガード部85bの側壁85kに更に縦壁と横壁とを形成することができ、山形ガード部85bの剛性を更に高めることができる。また、段部85sを形成することで、リンク用ガード85内の容積を小さくして、リンク用ガード85内に溜まる泥等の量を削減することができる。
自動二輪車1の車体前部の下部は、下方から板状のスキッドガード131で覆われ、保護される。スキッドガード131は、左右の前側タンク41,41を覆うように左方及び前方に張り出した左膨出部131aと、右方及び前方に張り出した右膨出部131bとが設けられている。
エンジン50及び変速機57の左端部、左側のピボットフレーム17、下部クロスメンバ22の中央部より左側は、スキッドガード131で覆われていない。
スキッドガード131の右部後部には、後方に延びる後方延出部131cが一体に設けられ、後方延出部131cで下部クロスメンバ22の右端部及び排気管66等が下方から覆われている。なお、符号45はブレーキペダルである。
また、リンク用ガード85の前端部を構成する前端ガード部85aは、左右の大径部91e,91eに沿うように形成された左右の側部85t,85tを備え、側部85tは、巻き付けられた結束バンド96よりも大径に形成されるので、結束バンド96,96の両側に、結束バンド96よりも大径となる側部85t,85tを備えることで、結束バンド96,96に切り株や大きな岩が当りにくくなり、結果として切れにくくすることができる。
また、図12に示したように、リンク用ガード85は、左右の側壁85k,85kを有し、これらの側壁85k,85kにそれぞれ段部85sが形成されているので、段部85s,85sによってリンク用ガード85の剛性を高めることができる。また、段部85sを設けることで、リンク用ガード85の内側の容積をより小さくして内部に溜まる泥等の量を削減することができる。これにより、車両の重量増加を抑えることができる。
また、図2及び図7に示したように、クッションアーム93の後上端部を構成する後上端部軸受部93cは、スイングアーム11の下部から一体に側面視にてアーム本体11bよりも下方に突出する左右一対のアーム突出部11aに連結されるので、クッションアーム93やクッションロッド91が、スイングアーム11のアーム本体11bに対し、下方に大きく離間する形式のリンク機構25となるが、リンク用ガード85をクッションロッド91に取付けるので、従来のスイングアーム本体にガードを取付けるものに比べてリンク用ガード85が小さくてよい。
例えば、図中に軸受としてニードルベアリングを示したが、これに限らず、ボールベアリングや管ブッシュ等でも良い。
本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
3 後輪
11 スイングアーム
11a アーム突出部
11b アーム本体
24 ピボット軸
25 リンク機構
26 クッションユニット
85 リンク用ガード
85a 前端ガード部(リンク用ガードの前端部)
85c 中間延出ガード部(側部延出部)
85e 後端延出ガード部(後部側方延出部)
85f 滑り面部
85j 排泥用穴(排泥用の開口)
85k 側壁
85m 挿通穴
85s 段部
85t 側部
85u 凹部(車幅方向中央部)
91 クッションロッド
91a 軸受部(クッションロッドの前端部)
91b ロッド部
91e 大径部
91f 小径部
93 クッションアーム
96 結束バンド(紐状部材)
109 平面
112 ニードルベアリング(軸受)
F 車体フレーム
Claims (13)
- 車体フレーム(F)と、車体フレーム(F)の下部に配置されるピボット軸(24)に前端部が上下揺動可能に軸支されるとともに後端部に後輪(3)が軸支されるスイングアーム(11)と、スイングアーム(11)の前記車体フレーム(F)に対する揺動量を規制し、その上端部が前記車体フレーム(F)に連結されるクッションユニット(26)と、クッションユニット(26)の下端部、前記スイングアーム(11)、前記車体フレーム(F)のそれぞれに連結されるリンク機構(25)とを備え、リンク機構(25)の下方にリンク用ガード(85)が配置される鞍乗り型車両のリンク機構保護構造において、
前記リンク機構(25)は、前記ピボット軸(24)の下方位置にて前記車体フレーム(F)に上下揺動可能に軸支されるクッションロッド(91)と、クッションロッド(91)を構成する左右一対のロッド部(91b)の間に配置されるとともに、前端部が前記クッションユニット(26)の下端部に連結され、後上端部が前記スイングアーム(11)に連結され、後下端部が前記クッションロッド(91)の後端部に連結されるクッションアーム(93)とから構成され、
前記リンク用ガード(85)は、前記左右一対のロッド部(91b)に跨るように少なくとも前記クッションロッド(91)の前端部から前記クッションアーム(93)の前端部までの間を下方から覆うように配置され、少なくとも前記左右一対のロッド部(91b)に固定され、
前記リンク用ガード(85)の前端部は、前記クッションロッド(91)の前端部形状に沿うように上方に巻き込む形状に形成され、且つ前記リンク用ガード(85)の前端部の横断面形状が、屈曲していることを特徴とする鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。 - 前記クッションロッド(91)の前端部は、内側に軸受(112)を備える左右の大径部(91e)と、前記左右の大径部(91e)間に一体に設けられ、前記大径部(91e)より外径が小径の小径部(91f)とからなり、
前記リンク用ガード(85)の前端部の横断面は、前記クッションロッド(91)の前端部形状に沿うように、車幅方向中央部(85u)が、前記小径部(91f)の半径方向内側に向けて凸となるように屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。 - 前記リンク用ガード(85)の前端部には、前記小径部(91f)に対応する位置に紐状部材(96)を挿通する挿通穴(85m)が設けられるとともに、前記挿通穴(85m)に挿通された紐状部材(96)を前記小径部(91f)に巻き付けることによって、前記リンク用ガード(85)の前端部が、前記クッションロッド(91)の前端部に支持されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)の前端部を構成する前端ガード部(85a)は、前記左右の大径部(91e)に沿うように形成された左右の側部(85t)を備え、前記側部(85t)は、前記紐状部材(96)よりも大径に形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)は、前記クッションアーム(93)の前端部から更に後方に向けて延びるとともに、前記クッションアーム(93)の下方に排泥用の開口(85j)を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)は、側面視にて前記クッションロッド(91)の前端部と、全伸び状態にある前記クッションユニット(26)と連結される前記クッションアーム(93)の前端部とに前方から接する直線(109)に略沿って前上がりに傾斜する滑り面部(85f)を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)は、左右の側壁(85k)を有し、これらの側壁(85k)に段部(85s)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)は、前記左右の側壁(85k)から側方及び上方に延びる左右一対の側部延出部(85c)が形成され、前記左右一対の側部延出部(85c)が前記左右一対のロッド部(91b)を外側方から挟むように配置されることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記左右の側壁(85k)に、紐状部材(96)を通す複数の挿通穴(85m)が開けられ、前記挿通穴(85m)に通された前記紐状部材(96)で前記ロッド部(91b)に前記側部延出部(85c)が固定されることを特徴とすることを特徴とする請求項7又は8に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記リンク用ガード(85)は、前記クッションロッド(91)の後端部と前記クッションアーム(93)の後下端部との連結部の下方から側方に延びる左右一対の後部側方延出部(85e)が形成されていることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 前記クッションアーム(93)の後上端部は、前記スイングアーム(11)の下部から一体に側面視にてアーム本体(11b)よりも下方に突出するアーム突出部(11a)に連結されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
- 車体フレーム(F)と、車体フレーム(F)の下部に配置されるピボット軸(24)に前端部が上下揺動可能に軸支されるとともに後端部に後輪(3)が軸支されるスイングアーム(11)と、スイングアーム(11)の前記車体フレーム(F)に対する揺動量を規制し、その上端部が前記車体フレーム(F)に連結されるクッションユニット(26)と、クッションユニット(26)の下端部、前記スイングアーム(11)、前記車体フレーム(F)のそれぞれに連結されるリンク機構(25)とを備え、リンク機構(25)の下方にリンク用ガード(85)が配置される鞍乗り型車両のリンク機構保護構造において、
前記リンク機構(25)は、前記ピボット軸(24)の下方位置にて前記車体フレーム(F)に上下揺動可能に軸支されるクッションロッド(91)と、クッションロッド(91)を構成する左右一対のロッド部(91b)の間に配置されるとともに、前端部が前記クッションユニット(26)の下端部に連結され、後上端部が前記スイングアーム(11)に連結され、後下端部が前記クッションロッド(91)の後端部に連結されるクッションアーム(93)とから構成され、
前記リンク用ガード(85)は、前記左右一対のロッド部(91b)に跨るように少なくとも前記クッションロッド(91)の前端部から前記クッションアーム(93)の前端部までの間を下方から覆うように配置され、少なくとも前記左右一対のロッド部(91b)に固定され、
前記リンク用ガード(85)は、前記クッションアーム(93)の前端部から更に後方に向けて延びるとともに、前記クッションアーム(93)の下方に排泥用の開口(85j)を備えることを特徴とする鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。 - 車体フレーム(F)と、車体フレーム(F)の下部に配置されるピボット軸(24)に前端部が上下揺動可能に軸支されるとともに後端部に後輪(3)が軸支されるスイングアーム(11)と、スイングアーム(11)の前記車体フレーム(F)に対する揺動量を規制し、その上端部が前記車体フレーム(F)に連結されるクッションユニット(26)と、クッションユニット(26)の下端部、前記スイングアーム(11)、前記車体フレーム(F)のそれぞれに連結されるリンク機構(25)とを備え、リンク機構(25)の下方にリンク用ガード(85)が配置される鞍乗り型車両のリンク機構保護構造において、
前記リンク機構(25)は、前記ピボット軸(24)の下方位置にて前記車体フレーム(F)に上下揺動可能に軸支されるクッションロッド(91)と、クッションロッド(91)を構成する左右一対のロッド部(91b)の間に配置されるとともに、前端部が前記クッションユニット(26)の下端部に連結され、後上端部が前記スイングアーム(11)に連結され、後下端部が前記クッションロッド(91)の後端部に連結されるクッションアーム(93)とから構成され、
前記リンク用ガード(85)は、前記左右一対のロッド部(91b)に跨るように少なくとも前記クッションロッド(91)の前端部から前記クッションアーム(93)の前端部までの間を下方から覆うように配置され、少なくとも前記左右一対のロッド部(91b)に固定され、
前記リンク用ガード(85)は、左右の側壁(85k)を有し、これらの側壁(85k)に段部(85s)が形成されていることを特徴とする鞍乗り型車両のリンク機構保護構造。
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