JP6009141B2 - 水性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含みながら、熱安定性が改善された水性組成物に関する。更に、本発明は、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含む水性組成物の熱安定性を改善する方法に関する。
プラノプロフェン及び/又はその塩は、優れた抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を併せ持つプロピオン酸系の非ステロイド系抗炎症剤として知られており、安全性も高いことから、点眼剤や経口剤として広く利用されている。
また、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールは酸化防止剤として周知であり、食品や医薬品に配合する添加物として広く利用されている。
これまでに、プラノプロフェン水溶液を、ジブチルヒドロキシトルエンやブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤との共存下におくことを特徴とする、プラノプロフェンを安定化(特に、光に対する安定化)する方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1には、これらを共存させた場合の熱に対する安定性は記載されておらず、またサルファ剤を更に併用することも一切記載されていない。
サルファ剤は、静菌作用を有することが公知の薬物であり、例えば、ブドウ球菌や大腸菌等の細菌感染に起因する炎症の治療剤として皮膚外用剤や経口剤に用いられたり、ものもらいや結膜炎の原因となる細菌に対して静菌作用を発揮させるために点眼剤に配合されるなど広く利用されている。
そしてこれまでに、プラノプロフェンまたはその薬理学的に許容される塩を含有する水溶液にサルファ剤を配合することにより、水溶液中のプラノプロフェンまたはその薬理学的に許容される塩を光に対して安定化する方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2には、これらを共存させた場合の熱に対する安定性は記載されていず、またジブチルヒドロキシトルエンやブチルヒドロキシアニソールを更に併用することも一切記載されていない。
特開平7−304670号公報 国際公開第01/087303号パンフレット
本発明者は、プラノプロフェン及び/又はその塩とジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含有する水性組成物について種々の検討を行っていたところ、各成分をそれぞれ単独で水溶液中に配合した場合には、熱に対する安定性に問題は無いものの、両成分を配合した水性組成物を高温条件下で保存した場合には、当該水性組成物の熱安定性が著しく悪化し、当該水性組成物が黄変してしまうという、全く新しい知見を得た。このように熱安定性が不十分となり、配合成分の不安定化により水性組成物の黄変が起きると、単に外観を損なうだけでなく、当該水性組成物中の各配合成分の含有量低下を招くこととなる。薬効成分として配合されるプラノプロフェンの含有量低下が、その薬効低下に影響することはさることながら、添加物として配合されるジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールの含有量低下もまた、組成物自体の酸化防止能を低下させることにより、他の配合成分の安定性に悪影響を及ぼすこととなり、ひいては、そのような水性組成物を治療等に用いても所期の効果を発揮できないおそれがある。従って、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含みながら、両成分を配合した水性組成物の熱安定性が改善されており、製剤的に優れた水性組成物を得るための技術の開発が必要とされている。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含有する水性組成物に、更にサルファ剤を配合することによって、プラノプロフェン及び/又はその塩とジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを組み合わせた場合に悪化する熱安定性を著しく改善することができることを見出した。また、本発明者は更に検討を進めた結果、これらの水性組成物に更に、クロルフェニラミン及び/又はその塩を配合することにより、或いはエチレンジアミン酢酸、その誘導体、及び/又はそれらの塩を配合することにより、熱安定性がより格段顕著に高められることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、以下の態様の水性組成物を提供する。
項1-1.(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種と、(C)サルファ剤とを含有する、水性組成物。
項1-2.(C)成分として、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファメチゾール、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1-1に記載の水性組成物。
項1-3.(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエンを含む、項1-1又は1-2に記載の水性組成物。
項1-4.更に、(D)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1-1〜1-3のいずれかに記載の水性組成物。
項1-5.更に、(E)エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1-1〜1-4のいずれかに記載の水性組成物。
項1-6.更に、(F)緩衝剤を含有する、項1-1〜1-5のいずれかに記載の水性組成物。
項1-7.(F)緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項1-6に記載の水性組成物。
項1-8.更に、(G)界面活性剤を含有する、項1-1〜1-7のいずれかに記載の水性組成物。
項1-9.(G)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項1-8に記載の水性組成物。
項1-10.pHが7.0以上である、項1-1〜1-9のいずれかに記載の水性組成物。
項1-11.眼科用組成物である、項1-1〜1-10のいずれかに記載の水性組成物。
項1-12.点眼剤である、項1-1〜1-11のいずれかに記載の水性組成物。
また、本発明は、以下の態様の、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含有する水性組成物の熱に対する安定性を改善する方法を提供する。
項2-1.水性組成物に、(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とともに、(C)サルファ剤を配合することを特徴とする、該(A)及び(B)成分を含む水性組成物の熱に対する安定性を改善する方法。
項2-2.(C)成分として、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファメチゾール、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項2-1に記載の方法。
項2-3.(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエンを含む、項2-1又は2-2に記載の方法。
項2-4.更に、(D)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合する、項2-1〜2-3のいずれかに記載の方法。
項2-5.更に、(E)エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合する、項2-1〜2-4のいずれかに記載の方法。
項2-6.更に、(F)緩衝剤を配合する、項2-1〜2-5のいずれかに記載の方法。
項2-7.(F)緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項2-6に記載の方法。
項2-8.更に、(G)界面活性剤を配合する、項2-1〜2-7のいずれかに記載の方法。
項2-9.(G)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項2-8に記載の方法。
項2-10.水性組成物のpHが7.0以上である、項2-1〜2-9のいずれかに記載の方法。
項2-11.水性組成物が眼科用組成物である、項2-1〜2-10のいずれかに記載の方法。
項2-12.水性組成物が点眼剤である、項2-1〜2-11のいずれかに記載の方法。
更に、本発明は、下記態様の、プラノプロフェン及び/又はその塩と、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールとを含有する水性組成物に対して用いられる熱安定性改善剤を提供する。
項3-1.(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とを水性組成物中で共存させる場合に用いられる、該水性組成物の熱に対する安定性を改善するための剤であって、(C)サルファ剤を含有することを特徴とする、熱安定性改善剤。
項3-2.(C)成分として、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファメチゾール、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項3-1に記載の熱安定性改善剤。
項3-3.(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエンを含む、項3-1又は3-2に記載の熱安定性改善剤。
項3-4.更に、(D)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項3-1〜3-3のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-5.更に、(E)エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項3-1〜3-4のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-6.更に(F)緩衝剤を含有する、項3-1〜3-5のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-7.(F)緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項3-6に記載の熱安定性改善剤。
項3-8.更に(G)界面活性剤を含有する、項3-1〜3-7のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-9.(G)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項3-8に記載の熱安定性改善剤。
項3-10.水性組成物のpHが7.0以上である、項3-1〜3-9のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-11.水性組成物が眼科用組成物である、項3-1〜3-10のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
項3-12.水性組成物が点眼剤である、項3-1〜3-11のいずれかに記載の熱安定性改善剤。
そして更に、本発明は、下記態様の使用を提供する。
項4-1.(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とを含み、熱に対する安定性が改善されている水性組成物を製造するための、(C)サルファ剤の使用。
項4-2.(C)成分として、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファメチゾール、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項4-1に記載の使用。
項4-3.(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエンを含む、項4-1又は4-2に記載の使用。
項4-4.(C)成分と共に、(D)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種が組み合わされて用いられる、項4-1〜4-3のいずれかに記載の使用。
項4-5.(C)成分と共に、(E)エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が組み合わされて用いられる、項4-1〜4-4のいずれかに記載の使用。
項4-6.更に(F)緩衝剤が組み合わされて用いられる、項4-1〜4-5のいずれかに記載の使用。
項4-7.(F)緩衝剤がホウ酸緩衝剤である、項4-6に記載の使用。
項4-8.更に(G)界面活性剤が組み合わされて用いられる、項4-1〜4-7のいずれかに記載の使用。
項4-9.(G)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項4-8に記載の使用。
項4-10.水性組成物のpHが7.0以上である、項4-1〜4-9のいずれかに記載の使用。
項4-11.水性組成物が眼科用組成物である、項4-1〜4-10のいずれかに記載の使用。
項4-12.水性組成物が点眼剤である、項4-1〜4-11のいずれかに記載の使用。
本発明によれば、プラノプロフェン及び/又はその塩と共に、ジブチルヒドロキシトルエン及び/又はブチルヒドロキシアニソールを含んでいながら、熱に対する安定性が改善された、製剤上優れた水性組成物を提供することができる。
参考試験例1において、各試験液(試験液1−3)の熱安定性を評価した結果を示す図である。
1.水性組成物
本発明の水性組成物は、プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、単に(A)成分と表記することもある)を含有する。
プラノプロフェンは、α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3-b]ピリジン−7−酢酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明で使用される上記(A)成分の内、プラノプロフェンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、無機塩基との塩[例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等]や、有機塩基との塩[例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等との塩]等が挙げられる。これらのプラノプロフェンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物には、(A)成分として、プラノプロフェン及びその塩の中から、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明に使用される(A)成分として、好ましくはプラノプロフェンが挙げられる。
本発明の水性組成物において、上記(A)成分の配合割合は、該(A)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、該水性組成物の総量に対して、該(A)成分が総量で0.005〜1.5w/v%、好ましくは0.01〜0.5w/v%、更に好ましくは0.02〜0.2w/v%が例示される。
また、本発明の水性組成物は、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種(以下、単に(B)成分と表記することもある)を含有する。ジブチルヒドロキシトルエン(化学名 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;BHTと略称されることもある)及びブチルヒドロキシアニソール(化学名 2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール及び3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;BHAと略称されることもある)は、ヒドロキシトルエン又はヒドロキシアニソールのベンゼン環にt-ブチル基が置換している化合物であり、抗酸化剤として公知である。ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールは、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明の水性組成物には、(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールのいずれか一方を単独で使用してもよく、また、これらを組み合わせて使用してもよい。(B)成分の中でも、ジブチルヒドロキシトルエンは、(A)成分との共存下で熱不安定化を一層顕著に生じさせる傾向を示すが、本発明によれば、このように熱に対して著しく不安定になる水性組成物に対しても、優れた熱安定性を備えさせることができる。かかる本発明の効果を鑑みれば、本発明に使用される(B)成分として、好ましくはジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
本発明の水性組成物において、上記(B)成分の配合割合は、該(B)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、該水性組成物の総量に対して、該(B)成分が総量で0.0001〜0.02w/v%、好ましくは0.0005〜0.01w/v%、更に好ましくは0.001〜0.01w/v%が例示される。
本発明の水性組成物において、上記(A)成分に対する上記(B)成分の比率については、特に制限されるものではないが、一例として、上記(A)成分の総量100重量部当たり、上記(B)成分の総量が0.2〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、更に好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは2〜20重量部となる範囲が例示される。
更に、本発明の水性組成物は、上記(A)及び(B)成分に加えて、サルファ剤(以下、単に(C)成分と表記することもある)を含有する。このようにサルファ剤を含有することによって、上記(A)及び(B)成分を含有する水性組成物に、熱に対する安定性を備えさせることが可能になる。
サルファ剤は、スルファニルアミド部分を有し、静菌作用を有することが公知の薬物である。サルファ剤は、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明に使用されるサルファ剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されるものではないが、具体的には、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、スルファメチゾール、及びこれらの塩等が例示される。上記のサルファ剤は溶媒和物(例えば水和物)であってもよい。
サルファ剤が塩の形態である場合、その塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは無機塩基との塩及び/又は有機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物には、(C)成分として、1種のサルファ剤を単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。(C)成分の中でも、上記(A)成分と上記(B)成分とを水性組成物中で共存させる場合の熱安定性をより一層顕著に向上させるとの観点から、好ましくは、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、及びこれらの塩が挙げられ、更に好ましくはスルファメトキサゾール及びその塩が挙げられる。
本発明の水性組成物において、上記(C)成分の配合割合は、該(C)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、該水性組成物の総量に対して、該(C)成分が総量で0.01〜20w/v%、好ましくは0.1〜10w/v%、更に好ましくは1.0〜8.0w/v%が例示される。
本発明の水性組成物において、上記(A)成分に対する上記(C)成分の比率については、特に制限されるものではないが、一例として、上記(A)成分の総量100重量部当たり、上記(C)成分の総量が1〜100000重量部、好ましくは50〜80000重量部、更に好ましくは100〜50000重量部となる範囲が例示される。
また、本発明の水性組成物において、上記(B)成分に対する上記(C)成分の比率についても、特に制限されるものではないが、一例として、上記(B)成分の総量100重量部当たり、上記(C)成分の総量が100〜1000000重量部、好ましくは1000〜800000重量部、更に好ましくは10000〜500000重量部となる範囲が例示される。
また、本発明の水性組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、単に(D)成分と表記することもある)を含有することが好ましい。このように(D)成分を含有することによって、本発明の水性組成物の熱安定性をより一層顕著に向上させることができる。
クロルフェニラミン及びその塩は、抗ヒスタミン剤として公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明で使用される上記(D)成分の内、クロルフェニラミンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、マレイン酸塩、フマル酸塩等の有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;金属塩等の各種の塩が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは有機酸塩、更に好ましくはマレイン酸塩が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、(D)成分として使用されるクロルフェニラミン及び/又はその塩は、水和物の形態であってもよく、更にd体、l体、dl体のいずれであってもよい。
上記(D)成分は、クロルフェニラミン及びその塩の中から、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明の水性組成物の熱安定性を一層向上せしめるという観点から、上記(D)成分として、好ましくはクロルフェニラミンの塩、更に好ましくはクロルフェニラミンの有機酸塩、特に好ましくはクロルフェニラミンのマレイン酸塩(マレイン酸クロルフェニラミン)が挙げられる。
本発明の水性組成物において、上記(D)成分の配合割合は、該(D)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、該水性組成物の総量に対して、該(D)成分が総量で0.005w/v%以上、更に好ましくは0.01〜0.1w/v%、特に好ましくは0.01〜0.06w/v%が例示される。
本発明の水性組成物に上記(D)成分を配合する場合、上記(A)成分に対する上記(D)成分の比率については、特に制限されるものではないが、一例として、上記(A)成分の総量100重量部当たり、上記(D)成分の総量が1〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは20〜200重量部となる範囲が例示される。
本発明の水性組成物に上記(D)成分を配合する場合、上記(B)成分に対する上記(D)成分の比率についても、特に制限されるものではないが、一例として、上記(B)成分の総量100重量部当たり、上記(D)成分の総量が10〜10000重量部、好ましくは50〜8000重量部、更に好ましくは100〜5000重量部となる範囲が例示される。
更に、本発明の水性組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、単に(E)成分と表記することもある)を含有することが好ましい。このように(E)成分を含有することによっても、本発明の水性組成物の熱安定性をより一層顕著に向上させることができる。
エチレンジアミン酢酸は、エチレンジアミンの2つのアミノ基に対して1〜4個のカルボキシメチル基が結合した化合物であり、本発明において上記(E)成分として使用されるエチレンジアミン酢酸については、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。本発明に使用されるエチレンジアミン酢酸としては、具体的には、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)等が例示される。また、エチレンジアミン酢酸の誘導体としては、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等が例示される。これらのエチレンジアミン酢酸及びその誘導体の中でも、エチレンジアミン四酢酸が好ましい。これらのエチレンジアミン酢酸及び/又はその誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、(E)成分として使用されるエチレンジアミン酢酸及び/又はその誘導体の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは無機塩基との塩、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
なお、(E)成分として使用されるエチレンジアミン酢酸、その誘導体及び/又はそれらの塩は、水和物の形態であってもよい。
本発明の水性組成物には、(E)成分として、エチレンジアミン酢酸、その誘導体、及びそれらの塩の中から、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明の水性組成物の熱安定性を一層向上せしめるという観点から、本発明に使用される(E)成分として、好ましくはエチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩、更に好ましくはエチレンジアミン四酢酸及び/又はそのナトリウム塩、より更に好ましくはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム及び/又はエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物が挙げられる。
本発明の水性組成物において、上記(E)成分の配合割合は、該(E)成分の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、一例として、該水性組成物の総量に対して、該(E)成分が総量で0.001w/v%以上、好ましくは0.001〜1w/v%、より好ましくは0.001〜0.5w/v%、更に好ましくは0.001〜0.3w/v%、特に好ましくは0.001〜0.1w/v%が例示される。
本発明の水性組成物に上記(E)成分を配合する場合、上記(A)成分に対する上記(E)成分の比率については、特に制限されるものではないが、一例として、上記(A)成分の総量100重量部当たり、上記(E)成分の総量が0.2〜2000重量部、好ましくは0.5〜1000重量部、更に好ましくは1〜500重量部となる範囲が例示される。
本発明の水性組成物に上記(E)成分を配合する場合、上記(B)成分に対する上記(E)成分の比率についても、特に制限されるものではないが、一例として、上記(B)成分の総量100重量部当たり、上記(E)成分の総量が0.1〜10000重量部、好ましくは1〜8000重量部、更に好ましくは10〜5000重量部となる範囲が例示される。
本発明の水性組成物には、上記(D)及び(E)成分のうち、いずれか一方を (A)〜(C)成分に組み合わせて用いても良いが、上記(D)及び(E)成分の両方を(A)〜(C)成分に組み合わせて用いることによって、より一層高い熱安定性を獲得することができる。本発明の水性組成物において、上記(D)成分及び(E)成分の両方を配合する場合の両成分の比率は特に制限されるものではないが、一例として、上記(D)成分の総量100重量部当たり、上記(E)成分の総量が、1〜3000重量部、より好ましくは1〜1000重量部となる範囲が例示される。
本発明の水性組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。本発明の水性組成物に配合可能な界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
本発明の水性組成物に配合可能な非イオン性界面活性剤としては、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(50)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)、POE(80)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80)等のPOE硬化ヒマシ油類;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。また、本発明の水性組成物に配合可能な両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン等が例示される。また、本発明の水性組成物に配合可能な陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。また、本発明の水性組成物に配合可能な陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホメチルエステル、α−オレフィンスルホン酸等が例示される。本発明の水性組成物において、これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記の界面活性剤の中でも、本発明の水性組成物の熱安定性を一層向上せしめるという観点から、好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、及びPOE・POPブロックコポリマー類、更に好ましくはPOE硬化ヒマシ油類、特に好ましくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60が例示される。
本発明の水性組成物に界面活性剤を配合する場合、該界面活性剤の配合割合については、該界面活性剤の種類、他の配合成分の種類や量、該水性組成物の用途等に応じて適宜設定できる。界面活性剤の配合割合の一例として、水性組成物の総量に対して、該界面活性剤が総量で、0.001〜1.0w/v%、好ましくは0.005〜0.5w/v%、更に好ましくは0.01〜0.3w/v%が例示される。
本発明の水性組成物は、更に緩衝剤を含有していてもよい。本発明の水性組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、及びクエン酸緩衝剤であり、より好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、及びリン酸緩衝剤であり、特に好ましい緩衝剤はホウ酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム等)等が例示できる。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤は、より確実に本発明の効果を奏させることが期待されるため、本発明の水性組成物に好適に使用される。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、該水性組成物の総量に対して、該緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%、更に好ましくは0.4〜2w/v%となる割合が例示される。
本発明の水性組成物は、更に等張化剤を含有していてもよい。本発明の水性組成物に配合できる等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる等張化剤の具体例として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性組成物に等張化剤を配合する場合、該等張化剤の配合割合については、使用する等張化剤の種類等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、該等張化剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ましくは0.1〜2w/v%となる割合が例示される。
本発明の水性組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、pHが高くなるにつれて上記(A)及び(B)成分を含有する水性組成物の熱安定性が悪化して黄変がひどくなる傾向があり、とりわけ特定のpH以上となった場合に顕著となる。本発明によれば、このように熱安定性が悪化して黄変がひどくなりやすい水性組成物においても、有効に熱安定性を備えさせ本来の品質を維持させることができる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明の水性組成物のpHの好適な一例として、pHが7.0以上、好ましくは7.0〜9.0、更に好ましくは7.5〜9.0、特に好ましくは8.0〜9.0となる範囲が挙げられる。
また、本発明の水性組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明の水性組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは0.7〜5.0、更に好ましくは0.9〜3.0、特に好ましくは1.0〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の水性組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。かかる成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版(薬事審査研究会監修)に記載された眼科用薬における有効成分等が例示できる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸ケトチフェン等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:例えば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレン、ε−アミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
また、本発明の水性組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
安定化剤:例えば、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
香料又は清涼化剤:例えば、メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよく、また精油(ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等)として配合してもよい。
本明細書において水性組成物とは、水を含有する組成物を意味し、通常は、組成物中に水を1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。本発明の水性組成物に含有される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等を使用できる。これらの定義は第一五改正日本薬局方に基づく。
本発明の水性組成物は、所望量の上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分、必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように添加することにより調製される。
本発明の水性組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。例えば、本発明の水性組成物の形態として、液剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。好ましくは液剤である。
また、本発明の水性組成物は、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、眼科用組成物、鼻腔用組成物、経口用組成物、点耳用組成物、皮下投与用組成物、皮膚外用組成物等の様々な用途で使用することができる。ここで、眼科用組成物には、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)等が含まれる。また、鼻腔用組成物には、点鼻剤、鼻洗浄液等が含まれる。経口用組成物には、内服薬(例えば、液剤、シロップ剤、エキス剤等)、口腔咽頭薬、含嗽薬等が含まれる。点耳用組成物には、点耳薬が含まれる。皮下投与用組成物としては、注射剤等が含まれる。
上記用途の中でも、眼科用組成物は、経口用組成物等の他の用途の組成物に比べて、配合成分の濃度が非常に低いことが多く、僅かの含有量低下であっても大きな問題となりかねない。とりわけ眼科用組成物の中でも点眼剤は、1回の使用量が極微量であるため含有量低下の影響は大きい。また、洗眼剤やコンタクトレンズケア用剤等は洗面台などの室温下で保管されることが多いのに対し、点眼剤は、持ち歩かれることが多いことから、日中に車のダッシュボードの上に置かれたり、鞄に収納されて屋外で持ち歩かれたりするなどして高温下におかれる場合もあるため、非常に寒暖の差の影響を受け易い。更に、点眼剤は、一般に少量で個別包装されているという点からも、外部からの温度変化の影響を受け易い製剤形態であるといえる。本発明の水性組成物によれば、このように温度変化の影響を受け易い眼科用組成物(特に、点眼剤)についても、熱安定性改善効果を有効に奏することができる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明の水性組成物の好適な一例として、眼科用組成物が挙げられ、特に好適な例として点眼剤が挙げられる。
本発明の水性組成物は、任意の容器に収容して提供される。本発明の水性組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。また、本発明の水性組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本発明の水性組成物は、上記(A)成分に基づいて抗炎症作用等を発揮できるので、炎症性疾患の治療乃至予防に有効であり、炎症性疾患の改善剤としても有用である。ここで、対象となる炎症性疾患の一例として、炎症性眼疾患(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症、涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎等)が挙げられる。従って、本発明の水性組成物は、これらの炎症性疾患に起因する種々の症状(例えば、目の異物感、なみだ目、充血、目のかゆみ、目のかすみ等)を緩和するために用いられ得る。また、本発明の水性組成物は、上記(C)成分に基づいて静菌作用を発揮できるので、ものもらい、結膜炎等の細菌感染に起因する症状の改善剤としても有用である。
2.熱に対する安定性改善方法
前述するように、上記(A)及び(B)成分を含有する水性組成物が熱に晒された場合に不安定化し変色(黄変)してしまうのを、上記(C)成分を配合することによって抑制することができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、水性組成物に、(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とともに、(C)サルファ剤を配合することを特徴とする、該(A)及び(B)成分を含む水性組成物の熱に対する安定性を改善する方法をも提供する。
当該方法において、使用する(A)〜(C)成分の種類や配合割合、その他に配合される成分の種類や配合割合、水性組成物のpH、水性組成物の製剤形態や用途等については、前記「1.水性組成物」と同様である。
3.熱に対する安定性を改善するための剤及びその使用
また、前述するように、上記(C)成分は、上記(A)及び(B)成分を含有する水性組成物が熱に晒された場合に不安定化して変色(黄変)してしまうのを抑制することができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とを水性組成物中で共存させる場合に用いられる、該水性組成物の熱に対する安定性を改善するための剤であって、(C)サルファ剤を含有することを特徴とする、熱安定性改善剤を提供する。更に、本発明は、(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選択される少なくとも1種とを含み、熱に対する安定性が改善されている水性組成物を製造するための、(C)サルファ剤の使用をも提供する。
これらの発明において、使用する(A)〜(C)成分の種類や配合割合、その他に配合される成分の種類や配合割合、水性組成物のpH、水性組成物の製剤形態や用途等については、前記「1.水性組成物」と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
参考試験例1:熱安定性評価(1)
下記の表1に示す試験液(試験液1−3)を調製して、水性組成物の熱に対する安定性の評価を行った。
Figure 0006009141
表1に従い、各試験液を調製した。なお、調製直後の各試験液はすべて、無色透明であることを目視にて確認した。その後、各試験液を容量10mlのヘッドスペースバイアルに10mlずつ充填して密封し、70℃で1週間にわたり遮光下で保存した。1週間後、各試験液について、黄変の指標として405nmの吸光度(A405)の測定を行った。またブランク群として、精製水のA405の吸光度も同時に測定した。各試験液のA405の吸光度からブランク群のA405の吸光度を引いた値を算出することにより、各試験液について黄変の程度を調べた。
結果を図1に示す。図1より明らかなように、プラノプロフェンを単独で配合した場合(試験液1)又はジブチルヒドロキシトルエンを単独で配合した場合(試験液2)には、熱に対する安定性に全く問題は無く、水性組成物の黄変は認められなかった。一方、全く予想外のことに、プラノプロフェンとジブチルヒドロキシトルエンとを組み合わせて配合した試験液3を高温条件下で保存した場合には、著しい黄変が生じてしまい、製剤上問題があることが初めて明らかとなった。通常、プラノプロフェンが分解された場合には、黄変よりも白濁を呈する場合が多いことから、今回観察されたプラノプロフェンとジブチルヒドロキシトルエンとの併用時に認められる黄変は、ジブチルヒドロキシトルエンの方の分解が寄与しているところが大きいと推測される。
試験例1:熱安定性評価(2)
下記の表2に示す試験液(比較例1及び実施例1−3)を調製して、水性組成物の熱に対する安定性の評価を行った。
表2に従い、各試験液を調製した。なお、調製直後の各試験液はすべて、無色透明であることを目視にて確認した。その後、各試験液を容量10mlのヘッドスペースバイアルに10mlずつ充填して密封し、70℃で1週間にわたり遮光下で保存した。1週間後、各試験液について、黄変の指標として405nmの吸光度(A405)の測定を行った。またブランク群として、精製水のA405の吸光度も同時に測定した。各試験液のA405の吸光度からブランク群のA405の吸光度を差し引くことにより、各試験液についてブランク補正後のA405の値を算出した。得られたブランク補正後のA405の値を用いて、下式Iにより、黄変抑制率(%)を算出した。
Figure 0006009141
結果を表2の最下欄に示す。表2より明らかなように、プラノプロフェンとジブチルヒドロキシトルエンに加えて、更にサルファ剤を配合した実施例1の水性組成物は高い黄変抑制率を示し、高温条件下で生じる黄変を顕著に抑制できることが明らかとなった。また、実施例2及び3の結果から、サルファ剤に加え、マレイン酸クロルフェニラミン又はエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物を更に組み合わせて配合することにより、格段顕著に高い熱安定性が得られることも明らかとなった。
Figure 0006009141
試験例2:熱安定性評価(3)
下記の表3に示す試験液(比較例2及び実施例4−6)について、熱処理条件を70℃1週間から、60℃30日間、50℃90日間又は40℃180日間に変更した以外は、上記試験例1と同様にして、熱に対する安定性の評価を行った。
各試験液について得られたブランク補正後のA405の値を用いて、上記試験例1で示した式Iと同様にして、比較例2に対する黄変抑制率(%)を算出した。この結果を、表3に併せて示す。表3より明らかなように、上記試験例1と同様、プラノプロフェンとジブチルヒドロキシトルエンに加えて、更にサルファ剤を配合することにより、40〜60℃における熱安定性が高められることが認められた。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物を更に配合することによって、またこれにマレイン酸クロルフェニラミンを更に組み合わせて配合することにより、熱安定性がより一層高められることも認められた。
Figure 0006009141
試験例5:熱安定性評価(4)
下記の表4に示す試験液(比較例3及び実施例7−9)について、上記試験例1と同様にして、熱に対する安定性の評価を行った。
各試験液について得られたブランク補正後のA405の値を用いて、上記試験例1で示した式Iと同様にして、比較例3に対する黄変抑制率(%)を算出した。この結果を、表4の最下欄に示す。表4より明らかなように、これまでの試験例と同様、プラノプロフェンとジブチルヒドロキシトルエンに加えて、更にサルファ剤を配合することにより熱安定性が高められることが認められた。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物やマレイン酸クロルフェニラミンを更に組み合わせて配合することにより、熱安定性が一層高められることも認められた。
Figure 0006009141
製剤例
表5に記載の処方で、点眼剤(実施例10−29)が調製される。
Figure 0006009141

Claims (9)

  1. (A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエンと、(C)スルファメトキサゾール又はその塩とを含有することを特徴とする、水性組成物。
  2. 更に、(D)クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の水性組成物。
  3. 更に、(E)エチレンジアミン酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  4. 更に、(F)緩衝剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の水性組成物。
  5. 更に、(G)界面活性剤を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の水性組成物。
  6. pHが7.0以上9.0以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の水性組成物。
  7. 水性組成物に、(A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエンとともに、(C)スルファメトキサゾール又はその塩を配合することを特徴とする、該(A)及び(B)成分を含む水性組成物の熱に対する安定性を改善する方法。
  8. (A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエンとを水性組成物中で共存させる場合に用いられる、該水性組成物の熱に対する安定性を改善するための剤であって、(C)スルファメトキサゾール又はその塩を含有することを特徴とする、熱安定性改善剤。
  9. (A)プラノプロフェン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)ジブチルヒドロキシトルエンと、(C)スルファメトキサゾール又はその塩とを含有することを特徴とする、炎症性眼疾患改善剤。
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