JP6008929B2 - インクミスト回収装置、インクジェット記録装置、およびインクミスト回収方法 - Google Patents

インクミスト回収装置、インクジェット記録装置、およびインクミスト回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクを吐出して画像を記録する際に生じるインクミストを回収するためのインクミスト回収装置、インクミスト回収方法、およびインクミスト回収装置を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録装置において、記録ヘッドからインク滴を吐出して記録媒体に画像を形成する際に、画像を記録するためのインク滴以外に、インクミストと称される微小なインク滴が生じて、そのインクミストが記録装置の内部において浮遊するおそれがある。また、インクミストは質量が小さいため、記録ヘッドと記録媒体との相対運動によって生じる気流の影響を受けやすく、記録装置内の様々な部分に付着するおそれがある。インクミストが記録ヘッドの表面に大量に付着した場合には、インクミスト同士が合体して大きなインク滴となり、それが記録ヘッドのインク吐出口を塞いでインクの吐出不良、ひいては画像の品位の劣化を招くおそれがある。
特許文献1には、このようなインクミストの対策として、記録ヘッドの近傍位置に、記録媒体上の空気を吸引するための吸引口と、記録媒体に向かって空気を吹き出すための吹き出し口と、を備えた記録装置が記載されている。この装置は、吹き出し口から出て吸引口に吸引される空気の流れを生じさせ、その空気と共にインクミストを吸引口に吸引することによってインクミストを回収する。
特開2010−137483号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、吸引口に接続されている吸引流路の内面に吸引口に吸引されたインクミストが付着し、そのインクミストが吸引流路の内面上にて合体して固着するおそれがある。そのようにインクミストが固着した場合には、吸引流路の目詰まりが生じて、インクミストの回収能力の低下を招くおそれがある。また、吸引流路の内面上にて合体して巨大化したインクミストが記録媒体に落下して、画像の画質の品位の劣化を招くおそれもある。
本発明の目的は、吸引流路の内面に対するインクミストの付着を抑制することができるインクミスト回収装置、インクジェット記録装置、およびインクミスト回収方法を提供することにある。
本発明のインクミスト回収装置は、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記記録ヘッドからインクを吐出することによって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記画像を記録する際に生じるインクミストを回収するためのインクミスト回収装置であって、前記記録ヘッドよりも前記記録ヘッドに対する前記記録媒体の移動方向の下流側に位置しかつ前記記録媒体と対向する吸引口から、吸引路を通して、前記記録媒体の上方に位置する空気を前記インクミストと共に吸引する吸引手段と、前記吸引路の内部に内側吹き出し口からガスを吹き出す内側吹き出し手段と、前記吸引口よりも前記移動方向の上流側に位置しかつ前記吸引口と前記記録ヘッドとの間に位置する上流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す上流側吹き出し手段、および前記吸引口よりも前記移動方向の下流側に位置する下流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す下流側吹き出し手段のうちの少なくとも一方と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体の上方に位置する空気をインクミストと共に吸引する吸引路内にガスを吹き出すことにより、吸引路の内壁にインクミストを接近させないように、その内壁の近傍に気流の層を生じさせることができる。この結果、吸引路の内壁に対するインクミストの付着を抑制して、インクミストの回収能力を維持することができる。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成図である。 図1のII−II線に沿うインクミスト回収部の拡大図断面図、および比較例としてのインクミスト回収部の拡大図断面図である。 図2におけるインクミスト回収部の他の構成例、および比較例としてのインクミスト回収部の説明図である。 図2におけるインクミスト回収部における気流の説明図である。 図2におけるインクミスト回収部、および比較例としてのインクミスト回収部におけるインクミストの軌跡の説明図である。 本発明の第2の実施形態におけるインクミスト回収部の要部の拡大図である。 本発明の第3の実施形態におけるインクミスト回収部の拡大図断面図、および比較例としてのインクミスト回収部の拡大図断面図である。 図7におけるインクミスト回収部における気流の説明図である。 図7におけるインクミスト回収部、および比較例としてのインクミスト回収部におけるインクミストの軌跡の説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるインクミスト回収部の要部の拡大図である。 本発明の第5の実施形態におけるインクミスト回収部の拡大図断面図である。 図11におけるインクミスト回収部の他の構成例の説明図である。 図11におけるインクミスト回収部における気流の説明図である。 図11におけるインクミスト回収部、および比較例としてのインクミスト回収部におけるインクミストの軌跡の説明図である。 本発明の第6の実施形態におけるインクミスト回収部の要部の拡大図である。 本発明の第7の実施形態におけるインクミスト回収部の拡大図断面図である。 図16におけるインクミスト回収部における気流の説明図である。 図16におけるインクミスト回収部、および比較例としてのインクミスト回収部におけるインクミストの軌跡の説明図である。 本発明の第8の実施形態におけるインクミスト回収部の要部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態におけるインクジェット記録装置は、長尺な記録ヘッド(ラインヘッド)を用いるフルライン方式の記録装置であり、記録ヘッドおよびインクミストの回収部と、記録媒体と、が相対移動する構成となっている。
図1は、本例のインクジェット記録装置の要部の概略斜視図、図2は、その平面図である。記録ヘッド1とインクミストの回収部3が記録媒体5の上方に配備されており、記録ヘッド1とインクミストの回収部3に対して記録媒体5が移動され、その移動方向は矢印Y方向である。本例の場合、記録媒体5は搬送機構6によって矢印Y方向に連続的に搬送される。本例の搬送機構6は、搬送ベルト6Aによって記録媒体5を搬送する構成となっており、その搬送ベルト6Aは、駆動ローラと6Bと従動ローラ6Cとの間に掛け渡されている。搬送機構6の構成は、このような搬送ベルトを用いる構成のみに限定されず任意である、例えば、搬送ローラなどを用いる構成であってもよい。記録媒体5としては、例えば、長尺なロールシート、およびページ単位に切断されたシートなど、種々のシートを用いることができる。
記録ヘッド1には、インクを吐出可能な複数の吐出口が形成されており、これらの吐出口は、記録媒体5の搬送方向(矢印Y方向)と交差(本例の場合は、直交)する方向に延在する吐出口列を形成するように、配列されている。本例の記録ヘッド1には、複数の吐出口が形成された複数のチップ2が千鳥状に配列されており、これら複数のチップ2に形成された複数の吐出口によって、実質的に、記録媒体5の搬送方向と交差する方向に延在する吐出口列が形成されている。記録ヘッド1には、吐出口からインクを吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子が備えられている。吐出エネルギー発生素子としては、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出させることができる。
記録媒体5を矢印Y方向に連続的に搬送させつつ、記録ヘッド1の吐出口からインクを吐出することにより、記録媒体5上に画像を記録することができる。
このような記録動作においては、記録ヘッド1と記録媒体5が相対移動するため、それらの間には、矢印Yの搬送方向に流れる気流が生じる。また、図2(a)のように、画像を記録するためのインク滴I以外に、インクミストMと呼ばれる微小なインク滴が生じる。このようなインクミストMは、その質量が小さいために、記録ヘッド1と記録媒体5との間に生じる気流の影響を受けやすい。すなわち、矢印Y方向の気流と共にインクミストMが移動する。
回収部3は、このようなインクミストMを回収するためのものであり、記録媒体5対向する位置に吸引口4が形成されている。吸引口4は、記録ヘッド1よりも気流の流れ方向(矢印Y方向)の下流側に位置する。吸引口4は、図1(b)のように、記録媒体5の幅方向の全域に渡って延在するようにスリット状に形成されており、図2(a)のように吸引路10に連通している。吸引路10は、吸引ファンなどを用いた吸引部11に接続されており、図2(a)中の矢印A方向に空気を吸引する。吸引路10における記録媒体5の搬送方向(矢印Y方向)の上流側および下流側の側壁部分には、加圧空気の供給部12A,12Bから加圧空気(加圧ガス)が供給される供給路7および8が形成されている。さらに、吸引路10の側壁部分には、これらの供給路7,8内の加圧空気を吸引路10内に吹き出すための吹き出し口(内側吹き出し口)9が形成されている。供給部12A,12Bを共通化して、供給路7,8に対して1つの供給部から加圧空気を供給してもよい。
図2(a)のように、吸引路10内の空気を矢印A方向に吸引することにより、記録媒体5と回収部3との間を飛翔するインクミストMを吸引路10内に吸引して、それを回収することができる。本例においては、このように吸引路10内の空気を矢印A方向に吸引しつつ、供給路7,8内の加圧空気を吹き出し口9から吸引路10内に吹き出す。これにより、吸引路10の側壁面の近傍には、矢印C1,C2方向のように流れる空気の層が積極的に形成されることになる。このように矢印C1,C2方向に流れる空気の層によって、インクミストMは吸引路10の側壁面に接近できなくなる。この結果、インクミストMを吸引路10の側壁面に付着させることなく回収することができる。また、矢印A方向の空気の流れに矢印C1,C2方向の空気の流れが加わるため、記録媒体5と回収部3との間に流入する空気の流量に対して、インクミストMを回収するための吸引路10内の空気の流量を充分に多くすることができる。
仮に、供給路7,8および吹き出し口9を備えなかった場合には、図2(b)のように矢印C1,C2方向の空気の流れがない状態において、記録媒体5と回収部3との間に流入する空気の流量に対して、吸引路10内の空気の吸引量を多くする必要がある。また、矢印C1,C2方向の空気の流れがないため、吸引路10の内壁面にインクミストMが付着し、そのインクミストM同士が合体として大きなインク滴M1となって、吸引路10に固着するおそれがある。この場合には、吸引路10が塞がれて、インクミストMの回収能力が低下するおそれがある。
また、図2(b)のように吸引路10内の空気の吸引だけによってインクミストMを回収する場合には、図3(b)のように、特に、吸引路10の内壁面における記録媒体5の搬送方向(矢印Y方向)の上流側に位置する部分に、インクミストMが付着しやすい。したがって、吸引路10の内壁面に対するインクミストの付着を抑制する上においては、図3(a)のように、吸引路10よりも搬送方向の上流側に位置する供給路7と吹き出し口9を備えるだけでも有効である。この場合には、吸引路10よりも搬送方向の上流側に位置する吹き出し口9から、供給路7内の空気が矢印C1方向に吹き出される。また、吸引路10よりも搬送方向の下流側に位置する供給路8と吹き出し口9を備えるだけでもよい。つまり、供給路7と吹き出し口9、および供給路8と吹き出し口9のうちの少なくとも一方を備えればよい。
図4(a)は、記録媒体5と回収部3との間の空気の流量、および吸引路10内の空気の流量の説明図である。記録媒体5と回収部3との間の領域において、矢印Y方向から記録媒体5と回収部3との間に流入する空気の流量をV1とする。また、吸引口4から吸引路10内に流入する空気の流量をV2とし、吸引路10から吸引される空気の量をV3とし、供給路7から吸引路10内に吹き出される空気の流量をV4とし、供給路8から吸引路10内に吹き出される空気の流量をV5とする。また、記録媒体5と回収部3との間から矢印Y方向からに流出する空気の流量をV6とする。流量V2は、図4(b)のように、記録媒体5の搬送方向の上流側から吸引口4内に流入する空気の流量V1−1と、搬送方向の下流側から吸引口4内に流入する空気の流量V1−2と、の和として考えられる。これらの関係は、下式(1)によって表すことができる。
V2=(V1−1)+(V1−2) ・・・ (1)
また、流量の保存則から、流量V1−2は下式(2)によって表すことができる。
(V1−2)=V3−{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (2)
(V1−2)が0未満の場合、つまり下式(3)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じることになる。
V3<{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (3)
図5(a)は、吸引路10からの吸引と供給路7,8からの空気の吹き出しによって、図2(a)のようにインクミストMを回収する場合に、吸引口4の近傍位置に、矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときのインクミストの移動軌跡の説明図である。図5(b)は、その矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じなかったときのインクミストの移動軌跡の説明図である。これらの図から明らかなように、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときには、インクミストの回収量が低下する。
一方、(V1−2)が0以上の場合、つまり下式(4)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆方向の気流は生じない。
V3≧{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (4)
上式(2)および(4)は、下式(2′)および(4′)として表すこともできる。
Vin2=Vout−(Vin1+Vin3) ・・・ (2′)
Vout≧Vin1+Vin3 ・・・ (4′)
Vin1は、吸引口4よりも搬送方向(矢印Y方向)の上流側から吸引口4に吸引される気流の量であり、流量V1−1に対応する。Vin2は、吸引口4よりも搬送方向の下流側から吸引口4に吸引される気流の量であり、流量V1−2に対応する。Vin3、吹き出し口9から吸引路10内に吹き出されるガスの量であり、流量(V4+V5)に対応する。Voutは、吸引路10による空気およびガスの吸引量であり、流量V3に対応する。
このように本実施形態においては、吸引路10からの吸引と供給路7,8からの空気の吹き出しによって、インクミストMを効率的に回収しつつ、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの回収能力を維持することができる。さらに、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流を生じさせないように、吸引路10からの空気の流量V3を設定することにより、より効率よくインクミストMを回収することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、前述した第1の実施形態において記録媒体5の搬送速度が変動しても、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの安定的な回収を可能とする。
図6において、回収部3における吸引口4の幅W1は500[μm]、吸引路10からの空気の吸引速度VAは3〜6[m/s]、吹き出し口9の幅W2は20[um]である。供給路7側の吹き出し口9の数、および供給路8側の吹き出し口9の数は、それぞれ10である。吹き出し口の配置間隔Pは200[um]、記録媒体5の搬送速度VBは0.61〜2.4[m/s]、記録媒体5と回収部3との間隔Gは1.0〜2.0[mm]である。
本実施形態においては、前述した実施形態と同様に、吸引路10からの吸引と供給路7,8からの空気の吹き出しによって、図2(a)のようにインクミストMを回収する。このような構成において、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じない上式(4)の条件を満たし、かつ下式(5)が成立する場合には、吸引路10の側壁面と、吸引路10内を通過するインクミストMと、の間の距離が150[μm]以上となる。
{V3−(V1−1)}×0.25≦V4≦{V3−(V1−1)}×0.6 ・・・ (5)
吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離が125[μm]の場合には、記録媒体5の搬送速度VBが10%変化して、回収部3の内部および周辺部における流量のバランスが変化したとしても、吸引路10の側壁面にインクミストMは付着しない。このように、吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離を充分に確保することにより、記録媒体5の搬送速度VBが変動しても、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの回収能力を維持することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、図7(a)のように、吸引口4よりも搬送方向(矢印Y方向)の上流側に位置する回収部3の部分に、加圧空気の供給部12Cから加圧空気(加圧ガス)の供給をうける供給路11が形成されている。供給路11の先端には、供給部12Cから供給路11に供給された空気を回収部3と記録媒体5との間に吹き出すための吹き出し口(上流側吹き出し口)11Aが形成されている。供給部12Cは、前述した実施形態における図2の供給部12A,12Bと共通化して、供給路7,8,11に対して1つの供給部から加圧空気を供給してもよい。
このように吹き出し口11Aから回収部3と記録媒体5との間に空気を吹き出すことにより、その吹き出し口11Aから吸引口4に向かって流れる空気の層が形成される。この空気の層は、吸引口4よりも搬送方向(矢印Y方向)の上流側に位置する吸引口4の開口面、つまり吹き出し口11Aと吸引口4との間に位置する回収部3の面3Aに対するインクミストMの付着を抑制することになる。すなわち、供給路11および吹き出し口11Aが形成されていない図7(b)の場合と比較した場合、図7(b)のように回収部3の面3Aに付着するおそれがあるインクミストMの付着を抑制することができる。
吹き出し口11Aからの空気の吹き出し量が少ない場合には、その空気の流れの層の厚みが小さいため、その空気は、吸引口4に到達してから、吸引路10内における搬送方向(矢印Y方向)の上流側の側壁面の近傍を流れることになる。この場合には、その空気の流れによって、インクミストMが吸引路10内の搬送方向の上流側の側壁面に付着するおそれがある。このような吸引路10内の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制するために、吹き出し口11Aからの空気の吹き出し量に関連して、少なくとも供給路7,8の一方の吹き出し口9からの空気の吹き出し量を設定する。
具体的には、まず、供給路7,8の吹き出し口9から空気を吹き出さずに、供給路11の吹き出し口11Aから空気を吹き出する。その空気が吸引口4の中央位置(搬送方向の上流側端部と下流側端部との中間)よりも搬送方向の上流側から吸引路10内に吸引される場合には、少なくとも供給路7の吹き出し口9から空気を吹き出す。そして、吹き出し口11Aから吹き出された空気が吸引路10内に吸引される位置を吸引口4の中央位置に近付けるように、吹き出し口9からの空気の吹き出し量を設定する。これにより、吸引路10内の側壁面に対するインクミストMの付着をさらに抑制することができる。
図8(a)は、記録媒体5と回収部3との間の空気の流量、および吸引路10内の空気の流量の説明図である。供給路11の吹き出し口11Aから吹き出される空気の流量をV7とする。流量V1からV6は、前述した実施形態と同様である。流量V2は、図8(b)のように、記録媒体5の搬送方向の上流側から吸引口4内に流入する空気の流量V1−1と、搬送方向の下流側から吸引口4内に流入する空気の流量V1−2と、吹き出し口11からの空気の流量をV7と、の和として考えられる。これらの関係は、下式(6)によって表すことができる。
V2=(V1−1)+(V1−2)+V7 ・・・ (6)
また、流量の保存則から、流量V1−2は下式(7)によって表すことができる。
(V1−2)=V3−{(V1−1)+V4+V5+V7} ・・・ (7)
(V1−2)が0未満の場合、つまり下式(8)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じることになる。
V3<{(V1−1)+V4+V5+V7} ・・・ (8)
図9(a)は、吸引路10からの吸引と供給路7,8からの空気の吹き出しによって、図7(a)のようにインクミストMを回収する場合に、吸引口4に、矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときのインクミストの移動軌跡の説明図である。図9(b)は、その矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じなかったときのインクミストの移動軌跡の説明図である。これらの図から明らかなように、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときには、インクミストの回収量が低下する。
一方、(V1−2)が0以上の場合、つまり下式(9)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流は生じない。
V3≧{(V1−1)+V4+V5+V7} ・・・ (9)
上式(7)および(9)は、第1の実施形態と同様に、下式(7′)および(9′)として表すことができる。
Vin2=Vout−(Vin1+Vin3) ・・・ (7′)
Vout≧Vin1+Vin3 ・・・ (9′)
本実施形態においては、量Vin1が{(V1−1)+V7}に対応し、量Vin2がV1−2に対応し、量Vin3(V4+V5)に対応し、吸引量Voutが流量V3に対応する。
このように本実施形態においては、吸引路10からの吸引と供給路7,8,11からの空気の吹き出しによって、インクミストMを効率的に回収しつつ、吸引路10の側壁面および吸引口4の開口面3Aに対するインクミストMの付着を抑制することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、前述した第3の実施形態において記録媒体5の搬送速度が変動しても、吸引路10の側壁面および吸引口4の開口面3Aに対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの安定的な回収を可能とする。
図10において、供給路11の吹き出し口11Aの幅W3は50[μm]、吹き出し口11Aからの空気の吹き出し速度VCは4[m/s]である。幅W1,W2、間隔P、距離G、および吹き出し口9の数は、前述した第2の実施形態と同様である。
本実施形態においては、前述した第3の実施形態と同様に、吸引路10からの吸引と供給路7,8,11からの空気の吹き出しによって、図7(a)のようにインクミストMを回収する。このような構成において、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じない上式(9)の条件を満たし、かつ下式(10)が成立する場合には、吸引路10の側壁面と、吸引路10内を通過するインクミストMと、の間の距離が125[μm]以上となる。
{V3−(V1−1)−V7}×0.15≦V4≦{V3−(V1−1)−V7}×0.6 ・・・ (10)
吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離が125[μm]の場合には、記録媒体5の搬送速度VBが10%変化して、回収部3の内部および周辺部における流量のバランスが変化したとしても、吸引路10の側壁面にインクミストMは付着しない。また、吸引口4の開口面3AにもインクミストMは付着しない。このように、吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離を充分に確保することにより、記録媒体5の搬送速度VBが変動してもインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの回収能力を維持することができる。
(第5の実施形態)
前述した第1の実施形態において、記録媒体5の近傍に浮遊しているインクミストMをより確実に回収するためには、吸引路10からより大量の空気を吸引することが必要となり、インクミストMの回収効率の低下をまねくおそれがある。本実施形態は、図11のように、第1の実施形態の構成において、吸引口4よりも搬送方向(矢印Y方向)の下流側に位置する回収部3の部分に、加圧空気の供給部12Dから加圧空気(加圧ガス)の供給をうける供給路13が形成されている。供給路13の先端には、供給部12Dから供給路13に供給された空気を回収部3と記録媒体5との間に吹き出すための吹き出し口(下流側吹き出し口)13Aが形成されている。供給部12Dは、前述した実施形態における図2の供給部12A,12Bと共通化して、供給路7,8,13に対して1つの供給部から加圧空気を供給してもよい。
供給路13内の空気は、吹き出し口13Aから、記録媒体5の表面に対して略直角をなす方向に吹き出される。このように記録媒体5に到達するように吹き出し口13Aから空気を吹き出すことにより、記録媒体5の表面近傍に浮遊するインクミストMが吸引口4に向かって巻き上げられる。この結果、吸引路10からの空気の吸引量を高めることなく、インクミストMを効率よく回収することができる。
吹き出し口13Aから吹き出された空気は、図11のように、吸引口4に向かう流れと、吹き出し口13Aから搬送方向の下流側へ向かう流れと、に分かれる。ここで、供給路7,8および吹き出し口9が形成されていない構成において、吸引路10からの空気の吸引量に対して、吹き出し口13Aからの空気の吹き出し量が十分に小さい場合を想定する。この場合には、吹き出し口13Aよりも搬送方位口の下流側の空気も吸引口4内に流入し、その吸引路10内における搬送方向の上流側の側壁面にインクミストMが付着するおそれがある。また、このような場合において、吹き出し口13Aからの空気の吹き出し量を多くすると、その吹き出し口13Aから吸引口4に向かう流れが生じる。したがって、供給路7,8および吹き出し口9が形成されていない構成においては、吹き出し口13Aからの空気の吹き出し量の如何に拘らず、吸引路10内における搬送方向の上流側の側壁面にインクミストMが付着するおそれがある。本実施形態においては、インクミストMの回収効率を高めつつ、このようなインクミストMの付着を抑制するために、図11のように供給口7,8および吹き出し口9を設けて、それらの吹き出し口9から空気を吹き出す。また、図12のように、少なくとも供給口7および吹き出し口9を設けて、その吹き出し口9から空気を吹き出すようにしてもよい。
図13(a)は、記録媒体5と回収部3との間の空気の流量、および吸引路10内の空気の流量の説明図である。供給路13の吹き出し口13Aから吹き出される空気の流量をV8とする。流量V1からV6は、前述した実施形態と同様である。前述したように、吹き出し口13Aから吹き出された空気は、吸引口4に流入するものと、吹き出し口13Aから搬送方向の下流側へ向かうものと、に分かれる。吹き出し口13Aから吸引口4に流入する空気の流量をV8−1、吹き出し口13Aから搬送方向の下流側へ向かう空気の流量をV8−2とした場合、流量V8−1は下式(11)によって表される。
(V8−1)=V8−(V8−2) ・・・ (11)
流量V2は、図13(b)のように、搬送方向の上流側から吸引口4に流入する空気の流量V1−1と、搬送方向の下流側から吸引口4に流入する空気の流量V1−2と、吹き出し口13Aから吸引口4に流入する空気の流量V8−1と、の和として考えられる。これらの関係は、下式(12)によって表すことができる。
V2=(V1−1)+(V1−2)+(V8−1) ・・・ (12)
また、流量の保存則から、流量V1−2は下式(13)によって表すことができる。
(V1−2)+(V8−1)=V3−{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (13)
{(V1−2)+(V8−1)}が0未満の場合、つまり下式(14)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じることになる。
V3<{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (14)
図14(a)は、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13からの空気の吹き出しによって、図11のようにインクミストMを回収する場合に、吸引口4に、矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときのインクミストの移動軌跡の説明図である。図14(b)は、その矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じなかったときのインクミストの移動軌跡の説明図である。これらの図から明らかなように、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときには、インクミストの回収量が低下する。
一方、{(V1−2)+(V8−1)}が0以上の場合、つまり下式(15)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流は生じない。
V3≧{(V1−1)+V4+V5} ・・・ (15)
上式(13)および(15)は、前述した実施形態と同様に、下式(13′)および(15′)として表すことができる。
Vin2=Vout−(Vin1+Vin3) ・・・ (13′)
Vout≧Vin1+Vin3 ・・・ (15′)
本実施形態においては、Vin1がV1−1に対応し、Vin2が{(V1−2)+(V8−1)}に対応し、Vin3(V4+V5)に対応し、Voutが流量V3に対応する。
このように本実施形態においては、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13からの空気の吹き出しによって、インクミストMの回収効率を高めつつ、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制することができる。
(第6の実施形態)
本実施形態は、前述した第5の実施形態において記録媒体5の搬送速度が変動しても、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの安定的な回収を可能とする。
図15において、供給路13の吹き出し口13Aの幅W4は25[μm]、吹き出し口13Aからの空気の吹き出し速度VDは15[m/s]である。幅W1,W2、間隔P、距離G、および吹き出し口9の数は、前述した第2の実施形態と同様である。
本実施形態においては、前述した第5の実施形態と同様に、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13からの空気の吹き出しによって、図11のようにインクミストMを回収する。このような構成において、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じない上式(15)の条件を満たし、かつ下式(16)が成立する場合には、吸引路10の側壁面と、吸引路10内を通過するインクミストMと、の間の距離が125[μm]以上となる。
{V3−(V1−1)+V8}×0.38≦V4≦{V3−(V1−1)+V8}×0.6 ・・・ (16)
吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離が150[μm]の場合には、記録媒体5の搬送速度VBが10%変化して、回収部3の内部および周辺部における流量のバランスが変化したとしても、吸引路10の側壁面にインクミストMは付着しない。このように、吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離を充分に確保することにより、記録媒体5の搬送速度VBが変動しても、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの回収能力を維持することができる。
(第7の実施形態)
本実施形態は、図16のように、前述した第5の実施形態の構成において、吸引口4よりも搬送方向(矢印Y方向)の上流側に位置する回収部3の部分に、加圧空気の供給部12Eから加圧空気(加圧ガス)の供給をうける供給路14が形成されている。供給路14の先端には、供給部12Eから供給路14に供給された空気を回収部3と記録媒体5との間に吹き出すための吹き出し口(上流側吹き出し口)14Aが形成されている。供給部12Eは、前述した図2の供給部12A,12Bおよび図11の供給部12Dと共通化して、供給路7,8,13,14に対して1つの供給部から加圧空気を供給してもよい。
供給路14内の空気は、吹き出し口14Aから、記録媒体5の表面に対して略直角をなす方向に吹き出される。このように記録媒体5に到達するように吹き出し口14Aから空気を吹き出すことにより、記録媒体5の表面近傍に浮遊するインクミストMが吸引口4に向かって巻き上げられる。この結果、吸引路10からの空気の吸引量を高めることなく、インクミストMを効率よく回収することができる。
吹き出し口14Aからの空気の吹き出し量が少ない場合には、その空気の流れの層の厚みが小さいため、その空気は、吸引口4に到達してから、吸引路10内における搬送方向(矢印Y方向)の上流側の側壁面の近傍を流れることになる。この場合には、その空気の流れによって、インクミストMが吸引路10内の搬送方向の上流側の側壁面に付着するおそれがある。このような吸引路10内の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制するために、吹き出し口14Aからの空気の吹き出し量に関連して、少なくとも供給路7,8の一方の吹き出し口9からの空気の吹き出し量を設定する。
具体的には、まず、供給路7,8の吹き出し口9から空気を吹き出さずに、供給路14の吹き出し口14Aから空気を吹き出する。その空気が吸引口4の中央位置(搬送方向の上流側端部と下流側端部との中間)よりも搬送方向の上流側から吸引路10内に吸引される場合には、少なくとも供給路7の吹き出し口9から空気を吹き出す。そして、吹き出し口14Aから吹き出された空気が吸引路10内に吸引される位置を吸引口4の中央位置に近付けるように、吹き出し口9からの空気の吹き出し量を設定する。これにより、吸引路10内の側壁面に対するインクミストMの付着をさらに抑制することができる。
図17(a)は、記録媒体5と回収部3との間の空気の流量、および吸引路10内の空気の流量の説明図である。供給路14の吹き出し口14Aから吹き出される空気の流量をV9とする。流量V1からV6およびV8は、前述した実施形態と同様である。前述したように、吹き出し口13Aから吹き出された空気は、吸引口4に流入するものと、吹き出し口13Aから搬送方向の下流側へ向かうものと、に分かれる。吹き出し口13Aから吸引口4に流入する空気の流量をV8−1、吹き出し口13Aから搬送方向の下流側へ向かう空気の流量をV8−2とした場合、流量V8−1は下式(17)によって表される。
(V8−1)=V8−(V8−2) ・・・ (17)
流量V2は、図17(b)のように、流量V1−1、流量V1−2、流量V8−1、および流量V8の和として考えられる。これらの関係は、下式(18)によって表すことができる。
V2=(V1−1)+(V1−2)+(V8−1)+V9 ・・・ (18)
また、流量の保存則から、流量V1−2は下式(18)によって表すことができる。
(V1−2)+(V8−1)=V3−{(V1−1)+V4+V5+V9} ・・・ (19)
{(V1−2)+(V8−1)}が0未満の場合、つまり下式(20)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じることになる。
V3<{(V1−1)+V4+V5+V9} ・・・ (20)
図18(a)は、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13,14からの空気の吹き出しによって、図16のようにインクミストMを回収する場合に、吸引口4に、矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときのインクミストの移動軌跡の説明図である。図18(b)は、その矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じなかったときのインクミストの移動軌跡の説明図である。これらの図から明らかなように、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じたときには、インクミストの回収量が低下する。
一方、{(V1−2)+(V8−1)}が0以上の場合、つまり下式(21)が成立する場合には、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流は生じない。
V3≧{(V1−1)+V4+V5+V9} ・・・ (21)
上式(19)および(21)は、前述した実施形態と同様に、下式(19′)および(21′)として表すことができる。
Vin2=Vout−(Vin1+Vin3) ・・・ (19′)
Vout≧Vin1+Vin3 ・・・ (21′)
本実施形態においては、Vin1が{(V1−1)+V9}に対応し、Vin2が{(V1−2)+(V8−1)}に対応し、Vin3(V4+V5)に対応し、Voutが流量V3に対応する。
このように本実施形態においては、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13,14からの空気の吹き出しによって、インクミストMの回収効率を高めつつ、吸引路10の側壁面および吸引口4の開口面に対するインクミストMの付着を抑制することができる。
(第8の実施形態)
本実施形態は、前述した第7の実施形態において記録媒体5の搬送速度が変動しても、吸引路10の側壁面に対するインクミストMの付着を抑制して、インクミストMの安定的な回収を可能とする。
図19において、供給路14の吹き出し口14Aの幅W5は25[μm]、吹き出し口14Aからの空気の吹き出し速度VEは15[m/s]である。幅W1,W2,W4、間隔P、距離G、および吹き出し口9の数は、前述した第7の実施形態と同様である。
本実施形態においては、前述した第7の実施形態と同様に、吸引路10からの吸引と供給路7,8,13,14からの空気の吹き出しによって、図16のようにインクミストMを回収する。このような構成において、吸引口4に矢印Aの吸引方向とは逆向きの気流が生じない上式(21)の条件を満たし、かつ下式(22)が成立する場合には、吸引路10の側壁面と、吸引路10内を通過するインクミストMと、の間の距離が150[μm]以上となる。
{V3−(V1−1)+V8+V9}×0.15≦V4≦{V3−(V1−1)+V8+V9}×0.6 ・・・ (22)
吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離が125[μm]の場合には、記録媒体5の搬送速度VBが10%変化して、回収部3の内部および周辺部における流量のバランスが変化したとしても、吸引路10の側壁面にインクミストMは付着しない。このように、吸引路10の側壁面とインクミストMとの間の距離を充分に確保することにより、記録媒体5の搬送速度VBが変動しても、吸引路10の側壁面および吸引孔4の開口面に対するインクミストMの付着を抑制することができる。この結果、インクミストMの回収能力を維持することができる。
(他の実施形態)
回収部3は、インクジェット記録装置とは別体のインクミスト回収装置を構成して、インクジェット記録装置に装着するようにしてもよい。また、記録媒体5に対して、記録ヘッド1と回収部3が移動するように構成してもよい。
また、供給路7,8の吹き出し口9から吹き出すガス、および供給路11,13,14の吹き出し口11A,13A,14Aから吹き出すガスは、空気のみに限定されず任意であり、例えば、窒素などの不活性ガスなどであってもよい。さらに、上述した各実施形態では吸引口4は記録媒体と対向する位置に形態について説明したがこれに限らず、インクミストが飛翔する位置であれば吸引口4はどこにあっても良い。より効率的にインクミストを吸引するためには、記録ヘッド1の移動領域の近傍に吸引口4を設けると良い。また記録ヘッド1に吸引口4を設けても良い。
1 記録ヘッド
3 インクミスト回収部
4 吸引口
5 記録媒体
7,8,11,13,14 供給路
9 吹き出し口(内側吹き出し口)
10 吸引路
11A,14A 吹き出し口(上流側吹き出し口)
13A 吹き出し口(下流側吹き出し口)
M インクミスト

Claims (13)

  1. 記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記記録ヘッドからインクを吐出することによって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記画像を記録する際に生じるインクミストを回収するためのインクミスト回収装置であって、
    前記記録ヘッドよりも前記記録ヘッドに対する前記記録媒体の移動方向の下流側に位置しかつ前記記録媒体と対向する吸引口から、吸引路を通して、前記記録媒体の上方に位置する空気を前記インクミストと共に吸引する吸引手段と、
    前記吸引路の内部に内側吹き出し口からガスを吹き出す内側吹き出し手段と、
    前記吸引口よりも前記移動方向の上流側に位置しかつ前記吸引口と前記記録ヘッドとの間に位置する上流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す上流側吹き出し手段、および前記吸引口よりも前記移動方向の下流側に位置する下流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す下流側吹き出し手段のうちの少なくとも一方と、
    を備えることを特徴とするインクミスト回収装置。
  2. 前記内側吹き出し手段は、加圧ガスの供給部と、前記供給部から前記内側吹き出し口に前記加圧ガスを供給する供給路と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクミスト回収装置。
  3. 前記内側吹き出し口は、前記吸引路の内壁における前記移動方向の下流側の部分に位置する第1の内側吹き出し口、および前記吸引路の前記内壁における前記移動方向の上流側の部分に位置する第2の内側吹き出し口のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクミスト回収装置。
  4. 前記上流側吹き出し手段を備え、
    前記上流側吹き出し手段は、前記画像が記録される際に前記吸引口から前記吸引路に吸引されるガスを吹き出し、
    前記内側吹き出し手段は、前記上流側吹き出し口から吹き出されたガスが前記吸引口における中央位置から吸引されるように、前記内側吹き出し口からガスを吹き出す
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクミスト回収装置。
  5. 前記下流側吹き出し手段を備え、
    前記下流側吹き出し手段は、前記下流側吹き出し口から、前記記録媒体の表面と略直角をなす方向にガスを吹き出すことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクミスト回収装置。
  6. 前記吸引手段は、前記吸引口の近傍位置に、前記画像が記録される際に前記吸引路における空気の吸引方向と逆方向の空気の流れを生じさせないように、前記吸引口から空気を吸引することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクミスト回収装置。
  7. 前記吸引手段は、前記吸引口よりも前記移動方向の下流側における前記吸引口の近傍位置に、前記画像が記録される際に前記吸引口から前記近傍位置に向かう空気の流れを生じさせないように、前記吸引口から空気を吸引することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクミスト回収装置。
  8. 前記吸引口よりも前記移動方向における上流側から前記吸引口に吸引される気流の量をVin1、前記内側吹き出し口から前記吸引路の内部に吹き出されるガスの量をVin3、前記吸引路による空気およびガスの吸引量をVoutとしたときに、
    前記吸引量Voutは、
    Vout≧Vin1+Vin3
    の条件を満たすことを特徴とする請求項6または7に記載のインクミスト回収装置。
  9. 前記吸引口よりも前記移動方向の上流側に位置しかつ前記吸引口と前記記録ヘッドとの間に位置する上流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す上流側吹き出し手段を備え、
    前記量Vin1は、前記吸引口に吸引される空気と、前記上流側吹き出し口から吹き出されて前記吸引口に吸引されるガスと、を含むことを特徴とする請求項8に記載のインクミスト回収装置。
  10. 前記吸引口よりも前記移動方向の下流側に位置する下流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す下流側吹き出し手段を備え、
    前記吸引口よりも前記移動方向における下流側から前記吸引口に吸引される気流の量Vin2は、前記吸引口に吸引される空気と、前記下流側吹き出し口から吹き出されて前記吸引口に吸引されるガスと、を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のインクミスト回収装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のインクミスト回収装置を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記記録ヘッドからインクを吐出することによって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記画像を記録する際に生じるインクミストを回収するためのインクミスト回収方法であって、
    前記記録ヘッドよりも前記記録ヘッドに対する前記記録媒体の移動方向の下流側に位置しかつ前記記録媒体と対向する吸引口から、吸引路を通して、前記記録媒体の上方に位置する空気を前記インクミストと共に吸引する吸引工程と、
    前記吸引路の内部に内側吹き出し口からガスを吹き出す工程と、
    前記吸引口よりも前記移動方向の上流側に位置しかつ前記吸引口と前記記録ヘッドとの間に位置する上流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す上流側吹き出し工程、および前記吸引口よりも前記移動方向の下流側に位置する下流側吹き出し口から、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す下流側吹き出し工程のうちの少なくとも一方と、
    を含むことを特徴とするインクミスト回収方法。
  13. 記録媒体に対して相対移動しつつインクを吐出する吐出口に対して、前記吐出口に対する記録媒体の移動方向の下流側に位置し、かつ、前記記録媒体と対向する位置に設けられる吸引口と、
    前記吸引口と連通し、前記吸引口を介して前記吐出口から吐出されるミストを吸引する吸引路と、
    前記吸引口よりも前記移動方向の上流側に位置し、かつ、前記吸引口と前記吐出口との間に位置し、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す上流側吹き出し口、および前記吸引口よりも前記移動方向の下流側に位置し、前記記録媒体に向かってガスを吹き出す下流側吹き出し口のうちの少なくとも一方と、
    を備え、
    前記吸引路の壁面は、前記吸引路の内部に向けてガスを吹き出すための吹き出し口を備えることを特徴とするインクミスト回収装置。
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