JP6008640B2 - 探知画像生成装置、レーダ装置、探知画像生成方法、および探知画像生成プログラム、 - Google Patents

探知画像生成装置、レーダ装置、探知画像生成方法、および探知画像生成プログラム、 Download PDF

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Description

本発明は、パルス状の探知信号を送信し、物標からの反射によるエコーデータから物標探知画像を生成する探知画像生成装置に関する。特に、エコーデータをスキャン相関処理して探知画像を生成する探知画像生成装置に関する。
従来、アンテナを回転させながら所定の送信周期でパルス状の探知信号を送信し、周囲の物標等からの反射信号を受信して、物標探知画像を生成するレーダ装置等の探知画像生成装置が各種考案されている。このような探知画像生成装置では、シークラッタやレインクラッタ等のクラッタ内に存在する高速移動物標を、クラッタから識別することが1つの課題としてある。これを解決する方法として、特許文献1では、送信信号のパルス幅を変化させることで、当該高速移動物標を識別している。
特開平10−39002号公報
特許文献1の方法では、送信信号のパルス幅を順次変更するため、当然に受信信号のパルス幅も変化し、スキャン相関処理に利用することが容易ではない。したがって、スキャン相関処理を行う場合には、パルス幅は一定であることが望ましい。
本発明の目的は、一定のパルス幅からなる送信信号を用いてスキャン相関処理を行いながら、クラッタだけを効果的に抑圧した探知画像を生成できる探知画像生成装置を提供することにある。
この発明の探知画像生成装置は、受信部、速度検出部、画像データ生成部を備え、次のような特徴を備える。受信部は、探知信号に基づく受信信号からエコーデータを生成する。速度検出部は、注目位置のエコーデータに基づいた速度を検出する。画像データ生成部は、注目位置の今回のエコーデータと、該注目位置の前回のスキャン相関処理データとを重み付け加算することで、前記注目位置の今回のスキャン相関処理データを算出し、該今回のスキャン相関処理データから探知画像データを生成する。重み付けは速度を用いて決定されている。
この構成では、注目位置のエコーデータが同じであっても、当該注目位置のエコーデータの元となる移動物標やクラッタの探知画像生成装置に対する相対速度に応じて、スキャン相関処理結果が変化する。これにより、例えば、注目位置が周辺領域と異なる速度であれば、スキャン相関処理後の注目位置の探知画像データと周辺領域の探知画像データとの間で、データ値の大きさが異なる等の差が生じる。これにより、移動物標の探知画像データを、クラッタを含むような周辺領域の探知画像データに対して異ならせることができ、例えば周辺領域のデータ値を抑圧しながら、移動物標のデータ値が抑圧されないようにできる。
また、この発明の探知画像生成装置では、速度算出部は、注目位置の速度と注目位置の周辺領域の速度の代表値とを算出する。重み付けは、注目位置の速度と周辺領域の速度の代表値とを用いて決定されている。
この構成では、速度算出部で算出され、重み付けに参照される速度の具体例を示している。
また、この発明の探知画像生成装置では、速度算出部は、注目位置の速度と周辺領域の速度の代表値との速度差を算出する速度差算出部を備える。重み付けは、速度差を用いて決定されている。
この構成では、重み付けに参照される速度差を算出するための具体的な構成例を示している。
また、この発明の探知画像生成装置では、画像データ生成部は、速度差が所定値以上であれば、注目位置に対する重み付けを、周辺領域に対する重み付けと異ならせる。
この構成では、上述の重み付け処理の具体的な一例を示しており、速度差に閾値を設けて、重み付け設定の判断基準にしている。これにより、重み付けは二種類になるが、重み付け設定処理を簡素化できる。
また、この発明の探知画像生成装置では、画像データ生成部は、注目位置の速度が周辺領域の速度の代表値よりも速ければ、注目位置に対する今回のエコーデータの重みを、周辺領域に対する今回のエコーデータの重みよりも大きくする。
この構成では、速度差に応じた、より具体的な処理の一例を示しており、注目位置の速度が周辺領域の速度よりも所定基準以上速ければ、当該注目位置のエコーデータは高速な移動物標によるものと判断し、スキャン相関処理における今回のエコーデータの重みを重くする。これにより、注目位置の探知画像のデータ値は、今回のエコーデータの値に大きく依存するものとなり、高速で移動する移動物標に対するデータ値が抑圧されない。一方、周辺領域は、例えばクラッタ領域であり、以前のスキャン相関処理結果の値に大きく依存するものとなり、データ値が抑圧される。これにより、移動物標のみを抑圧せず、周辺領域を抑圧する探知画像が得られる。
また、この発明の探知画像生成装置では、画像データ生成部は、速度差に応じて、注目位置に対する重み付けと周辺領域に対する重み付けとの差を変化させる。
この構成では、速度差に応じて重み付けが設定されるので、上述のような二種類の重み付けの設定よりも、速度差に応じた詳細な重み付け設定が可能になる。
また、この発明の探知画像生成装置は、受信信号を直交検波して得られる複素データからなるエコーデータを生成する受信部を備える。速度検出部は、注目位置を含む所定範囲のエコーデータ群を周波数解析し、周波数解析したドップラ周波数から注目位置の速度を検出する。
また、この発明の探知画像生成装置は、受信信号を直交検波して得られる複素データからなるエコーデータを生成する受信部を備える。速度検出部は、注目位置を含む少なくとも2つの位置のエコーデータの相関処理を行って、エコーデータ間の複素偏角を算出し、該複素偏角から注目位置の速度を検出する。
これらの構成では、速度検出方法の具体的な例を示しており、1つは周波数解析によるドップラ周波数から速度検出を行い、もう1つは、パルスペア法をベースとした相関処理から速度検出を行う。
また、この発明の探知画像生成装置は、エコーデータに基づいてクラッタ発生領域を検出するクラッタ領域検出部を備える。速度検出部は、クラッタ発生領域内に対して速度を検出する。画像データ生成部は、クラッタ発生領域とクラッタ発生領域に含まれない領域とで、重み付けを異ならせるとともに、クラッタ発生領域内において速度に応じて重み付けを異ならせる。
この構成では、クラッタ発生領域内とクラッタ発生領域外とで、異なる重み付けのスキャン相関処理を行う。具体的には、クラッタ発生領域内では、クラッタを抑圧するように重み付けを設定し、クラッタ発生領域外では、移動物標も正確に探知画像として残せるような重み付け設定を行う。さらに、クラッタ発生領域内では、上述のように速度に応じて重み付けを異ならせることで、クラッタ発生領域内では、クラッタを抑圧しながら移動物標の抑圧を防ぐ探知画像が得られる。この際、クラッタ発生領域内だけで速度検出を行うことで、上述の効果を得ながら、速度検出のための処理負荷を軽減することができる。
また、この発明の探知画像生成装置は、エコーデータのデータ値が所定閾値以上かどうかを、位置毎に検出する振幅検出部を備える。速度検出部は、データ値が所定閾値以上となる位置を、注目位置に設定する。
この構成では、振幅検出部により、物標が存在する位置を検出する。そして、この物標の存在する位置を注目位置として速度を算出することで、速度検出が必要な範囲のみで実行される。これにより、上述のような効果を得ながら、速度検出のための処理負荷を軽減することができる。
この発明のレーダ装置は、所定回転周期で回転するアンテナと、該回転周期よりも短い繰り返し周期で、探知信号として位相情報が取得可能なパルス状信号をアンテナから外部へ送信する送信部と、アンテナが外部から受信した信号を受信信号とする上述の探知画像生成装置と、を備える。
この構成では、上述の探知画像生成装置を備える装置として、レーダ装置の構成を示している。上述の探知画像生成装置を備えることで、クラッタ内を高速で移動する物標があっても、この移動物標を確実に検出できるレーダ装置を実現できる。
この発明によれば、クラッタ内に高速移動物標が存在しても、クラッタのみを効果的に抑圧し、高速移動物標を抑圧しない探知画像を生成することができる。
本発明の第1の実施形態に係る探知画像生成装置1を含むレーダ装置3の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る探知画像生成装置1の受信部10の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る探知画像生成装置1および探知画像生成処理を用いた場合の効果を説明するための図である。 ドップラ周波数による速度検出を実現する速度検出部20vDのブロック図である。 ドップラ周波数による速度検出概念を説明するための図である。 ドップラ周波数による速度検出方法のフローチャートである。 パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出を実現する速度検出部20vPのブロック図である。 速度ヒストグラムを用いた速度差の検出概念を示すための速度ヒストグラム例を示す図である。 パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出方法のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る探知画像生成装置1Aの構成を示すブロック図である。 ドップラ周波数による速度検出を実現する速度検出部20AvDのブロック図である。 パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出を実現する速度検出部20AvPのブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る探知画像生成装置1Aおよび探知画像生成処理を用いた場合の効果を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る探知画像生成装置1Bの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る探知画像生成装置1Cの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る探知画像生成装置1Dの構成を示すブロック図である。 速度補正概念を説明するための図である。
本発明の第1の実施形態に係る探知画像生成装置1について、図を参照して説明する。なお、本実施形態および後述の各実施形態に示す探知画像生成装置は、レーダ装置やスキャニングソナーに適用できる。また、探知領域に探知信号を送信し、探知領域内の物標等からの反射信号を極座標系で受信してエコーデータを生成し、当該エコーデータから探知画像データを生成する他の装置にも適用することができる。
図1は第1の実施形態に係る探知画像生成装置1を含むレーダ装置3の構成を示すブロック図である。レーダ装置3は、探知画像生成装置1、表示器2、送信部4、送受切替部5、アンテナANTを備える。
送信部4は、探知信号を、方位分解能に応じて設定された繰り返し周期(1/PRF(送信の繰り返し周波数))で、順次出力する。探知信号は、所定のパルス幅、パルスの振幅、および変調パターンからなる信号で構成されている。具体的には、送信部4は、所定のパルス幅、パルスの振幅および変調パターンの信号を、局部発振回路(図示せず)から出力されるローカル信号と混合することで、探知信号を生成する。パルス幅、パルスの振幅および変調パターンは、距離分解能、探知距離等に応じて設定されている。探知信号は、送受切替部5を介してアンテナANTへ供給される。
アンテナANTは、船舶上の所定位置に設置されており、前記繰り返し周期(1/PRF)よりも十分に長い周期(スキャン周期)で回転しながら、探知信号(探知波)を外部(探知領域)へ送波する。アンテナANTは、探知波が探知領域内の物標や海面等に反射して得られる反射波を受波し、電気信号に変換することで受信信号を生成する。アンテナANTは、送受切替部5を介して受信信号を探知画像生成装置1へ出力する。この際、アンテナANTは、送受波方向を示すスイープ角度データを、受信信号とともに探知画像生成装置1へ出力する。
探知画像生成装置1は、受信部10、速度検出部20、画像データ生成部30、描画アドレス発生部40、画像メモリ50を備える。
図2は受信部10の構成を示すブロック図である。受信部10は、増幅部101、直交検波部102、A/D変換部103、LPF104、スイープメモリ105を備える。増幅部101は、受信信号をAGC(Auto Gain Control)等で増幅し、直交検波部102へ出力する。直交検波部102は、上述の局部発振回路(図示せず)からの高周波信号と受信信号とを乗算することにより、直交検波を行う。直交検波により得られる複素型のエコー信号は、A/D変換部103へ出力される。A/D変換部103は、アナログ信号である複素型のエコー信号を所定のサンプリング周波数fsでサンプリングして、デジタルデータである複素型のエコーデータを生成し、LPF104へ出力する。LPF104では、ローパスフィルタ処理またはパルス圧縮処理を行う。探知信号が無変調信号の場合はローパスフィルタ処理を行い、変調信号の場合はパルス圧縮処理を行う。ローパスフィルタは、直交検波時に発生する高調波成分を除去する。パルス圧縮処理は、例えば、フーリエ変換部、マッチドフィルタ、逆フーリエ変換部を備え、直交検波部の出力信号を既知の方法でパルス圧縮する。LPF104は、ローパスフィルタ処理結果またはパルス圧縮処理結果をスイープメモリ105へ出力する。なお、パルス圧縮処理にローパスフィルタ処理の機能を持たせることも可能である。スイープメモリ105は、1スイープ分すなわち一回の探知信号の送信(1つの方位)に対して得られる距離方向に並ぶエコーデータを記憶するメモリであり、エコーデータを実時間で記憶する。スイープメモリ105は、記憶した1スイープ分のエコーデータを、次の探知信号の送信により得られるエコーデータが再び書き込まれるまでに、当該記憶した今回(n)の1スイープ分のエコーデータを、速度検出部20および画像データ生成部30へ出力する。なお、以下では、この1スイープ分のエコーデータ群を、スイープデータと称し、当該スイープデータを構成する各単位データをエコーデータと称する。また、スイープメモリ105は省略することができる。この場合、LPF104の出力が、速度検出部20および画像データ生成部30へ出力される。
速度検出部20は、入力された注目位置に対応するエコーデータX[n]を含む所定の範囲のエコーデータから注目位置に存在する対象物の速度(以下、注目位置の速度と称する。)と、当該注目位置に対する周辺領域に存在する対象物の速度(以下、周辺領域の速度と称する。)とを検出する。速度検出部20は、注目位置の速度と周辺領域の速度との速度差Dif[ns]を算出し、画像データ生成部30へ出力する。なお、注目位置とは、演算の基準位置を意味し、例えば、複数の画素位置で順に速度検出を行う場合、注目位置(速度検出位置)は順次シフトしていく。
画像データ生成部30は、次の(式1)で示すスキャン相関処理を実現するハードウェアからなる。
Y[ns]=α・X[ns]+β・Y[ns−1] −(式1)
ここで、X[ns]は注目位置の今回のエコーデータであり、Y[ns]は今回のスキャン相関処理により得られる注目位置の画像データである。Y[ns−1]は前回のスキャン相関処理により得られた注目位置の画像データであり、画像メモリ50から読み出される。α,βは、重み付け係数である。
画像データ生成部30は、速度検出部20から得た速度差Dif[ns]に応じて、スキャン相関処理の重み付け係数α、βを設定する。これにより、注目位置における今回のエコーデータX[ns]の値、および前回の画像データY[ns−1]の値が同じであっても、注目位置の速度Dif[ns]に応じて、今回の画像データY[ns]の値が変化する。
画像データ生成部30は、スキャン相関処理によって算出された今回の画像データY[ns]を、画像メモリ50へ出力する。
描画アドレス発生部40は、スイープの回転の中心を開始番地として、中心から周囲に向かって、所定方向(例えば船首方向)を基準としたアンテナ方位(角度)θとスイープメモリ105の読み出し位置(距離方向位置)rとから、直交座標で配列された画像メモリ7におけるこの極座標位置(r,θ)に対応する画素を指定する番地を作成する。描画アドレス発生部40は、次の(式2−1)、(式2−2)を実現するハードウェアによって構成される。
X=Xs+r・sinθ −(2−1)
Y=Ys+r・cosθ −(2−2)
ここで、X,Yは、画像メモリ50の画素を指定する番地であり、Xs,Ysはスイープの中心である。
画像メモリ50は、少なくとも1スキャン分の画像データを直交座標系で記憶可能な容量を有する。画像メモリ50には、画像データ生成部30から入力される画像データY[ns]が、描画アドレス発生部40から指定される番地[X,Y]に準じて、書き込まれる。そして、画像メモリ50では、図示しない表示制御部により、液晶パネル等からなる表示器2がラスター走査されると、このラスター走査に同期して、画像データY[ns]が読み出される。表示制御部は、読み出した画像データY[ns]に基づいて、輝度や色度を設定し、表示器2に画像を表示させる。
以上のような探知画像生成処理はプログラム化してコンピュータで実行することも可能である。この処理をフローで表すと、図3に示すようなフローになる。図3は、本発明の第1の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。
パルス状の送信信号による受信信号から複素型のエコーデータを取得する(S101)。エコーデータに基づいて、注目位置と周辺領域の速度を検出する(S102)。注目位置の速度と周辺領域の代表速度との速度差を算出し、速度差に応じて、スキャン相関処理の重み付け係数を設定する(S103)。重み付け係数が設定されると、今回のエコーデータと、前回のスキャン相関処理結果である前回の画像データとを重み付け加算すること(式1参照)でスキャン相関処理を行い、今回の画像データを算出する(S104)。
このような処理により、上述のように、注目位置のエコーデータと前回の画像データが同じであっても、注目位置の速度によって、今回の画像データが異なる。これにより、次に示すような効果が得られる。
図4は、第1の実施形態に係る探知画像生成装置1および探知画像生成処理を用いた場合の効果を説明するための図である。図4(A)は、探知が行われる時点での海況を示す図である。図4(B)は、二種類のスキャン相関処理の適用範囲分布を示す図である。図4(C)は、本実施形態のスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図であり、図4(D)は、全探知領域に対して平均化のスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図である。図4(E)は、全探知領域に対して今回エコーデータの重みを重くするスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図である。なお、ここでは、説明を分かりやすくするために、自船は、船首方向が北方向であり、停止しているものとする。
図4(A)に示すように、自船の周囲に、静止物標(陸)、および、自船に向かう高速な高速移動物標(高速船)が存在する場合、注目位置を全領域の各画素位置に順次設定しながら、それぞれに上述のエコーデータによる速度検出を行うと、高速移動物標の速度が他の周辺領域の速度に対して十分に速くなることが分かる。これにしたがい、算出される高速移動物標の位置が注目位置となった場合、注目位置と周辺領域との速度差Dif[ns]は大きくなる。
速度差Dif[ns]が閾値以上であることを検出すると、高速移動物標の位置を含む極狭い所定範囲に領域(以下、近傍領域と称する。)に対して移動物標用のスキャン相関処理が適用される。移動物標用のスキャン相関処理とは、今回のエコーデータX[ns]の重みが重く、前回の画像データY[ns]の重みが軽いスキャン相関処理であり、言い換えれば(式1)のαが大きく、βが小さく設定されたスキャン相関処理である。これにより、今回のエコーデータが大きく反映された画像データが得られる。すなわち、今回取得したエコーデータの値が画像データの値に反映され、高速で移動する物標であっても抑圧されない画像データとなる。
なお、近傍領域の広さは、適宜設定可能であり、例えば、速度差Difに応じて設定すればよい。具体的な例としては、速度差Difが大きければ、近傍領域の範囲を広くし、速度差Difが小さければ、近傍領域の範囲を狭くする。
一方、高速移動物標の位置以外の周辺領域では、速度が全体として略同じであるため、周辺領域のどの位置であっても、注目位置と周辺領域との速度差Dif[ns]は小さくなる。このため、周辺領域のどの位置であっても、速度差Dif[ns]は閾値未満となる。この場合、移動物標用のスキャン相関処理とは異なるクラッタ等の不要反射波を抑圧するような通常処理用スキャン相関処理が適用される。ここでの通常処理用スキャン相関処理とは、例えば、今回のエコーデータX[ns]の重みが相対的に軽く、前回の画像データY[ns]の重みが相対的に重いスキャン相関処理であり、言い換えれば(式1)のαが相対的に小さく、βが相対的に大きく設定されたスキャン相関処理である。これにより、前回の画像データすなわちスキャン相関処理によって平均化された画像データの影響を大きく受ける画像データが得られる。
なお、上述の処理を実現するには、移動物標用のスキャン相関処理の重み付け係数を、α,βとし、通常処理用(不要波抑圧用)のスキャン相関処理の重み付け係数を、α,βとすると、β,βが0でないとして、例えば、α/β>α/βとなるように設定すればよい。また、移動物標用のスキャン相関処理の重み付け係数に対してはβ=0とし、通常処理用スキャン相関処理の重み付け係数に対してはα/β<1としてもよい。
以上のような本実施形態に示す速度による重み付けの調整を行うことで、図4(C)に示すように、移動物標のエコーは抑圧されず、クラッタ等の不要反射波のエコーは抑圧され、静止物標エコーは抑圧されない探知画像を得ることができる。
一方で、従来のスキャン相関処理では、速度による重み付けの調整を行っていないので、上述の平均化するスキャン相関処理を用いれば、図4(D)に示すように、移動物標がクラッタ等と同様に抑圧されてしまう。また、今回のエコーデータの重みを重くすれば、図4(E)に示すように、移動物標は抑圧されないが、同様にクラッタも抑圧されずに残ってしまう。
このように、本実施形態の構成および処理を用いれば、クラッタ等の不要反射波のエコーを抑圧しながら、移動物標のエコーを確実に残す探知画像を生成することができる。
次に、速度検出部20の具体的な構成および速度検出について、図を参照して説明する。なお、以下では、速度検出方法を二種類説明する。
<第1の速度検出方法>
図5は、ドップラ周波数による速度検出を実現する速度検出部20vDのブロック図である。図6は、ドップラ周波数による速度検出概念を説明するための図である。なお、図6では、クラッタ領域内に移動物標が存在する場合を示している。
速度検出部20vDは、スイープバッファ201、ドップラフィルタバンク202、速度スペクトル算出部203、および速度差算出部204を備える。
スイープバッファ201は、スイープメモリ105から出力されたスイープデータをバッファする。スイープバッファ201は、後段の離散フーリエ変換(DFT)を実現するのに必要なスイープ数を記憶する。スイープバッファ211は、常に最新の所定スイープ数のスイープデータを記憶する。なお、上述のようにスイープメモリ105を省略する場合には、LPF104の出力を所定スイープ数分記憶する。
ドップラフィルタバンク202には、スイープバッファ201にバッファされた複数のスイープデータが入力される。これら複数のスイープデータをドップラフィルタバンク202へ入力し、フィルタ処理を行うことで、図6に示すように、方位方向に並ぶ前記所定スイープ数のエコーデータに対して、DFT処理が行われる。このDFT処理は、例えば、サンプリング周期(1/fs)で設定される距離位置毎に行われる。これにより、図6の下図に示すように、距離位置毎のドップラ周波数fdのスペクトルが得られる。ここで、ドップラ周波数fdは、fd=±PRF/2の範囲をドップラバンク数で分割した分解能で得られる。
このような処理を行った場合、隣り合うスイープ間で、同じ距離位置にあるエコーデータ同士は、1/PRFの間隔だけ時間差があるため、注目位置に移動物標が存在すれば、この移動物標の自船方向への相対速度(距離方向に沿った相対速度)vに応じて、ドップラ周波数fdが発生する。なお、このようなドップラ周波数および速度は、船舶等の移動物標だけでなく、クラッタでも発生してしまう。
しかしながら、例えば、図6の上図に示すように、クラッタ領域内に船舶等の移動物標が存在する場合、図6の下図に示すように、移動物標の領域を含まない距離位置Rと、移動物標の領域を含む距離位置Rで、スペクトルが異なる。具体的には、移動物標の領域を含まない距離位置Rでは、クラッタの速度に応じたドップラ周波数のみが得られる。一方、移動物標の領域を含む距離位置Rでは、クラッタの速度に応じたドップラ周波数と、移動物標の速度に応じたドップラ周波数とが得られる。このように出力されるドップラ周波数は、速度スペクトル算出部203へ出力される。
速度スペクトル算出部203は、入力されるドップラ周波数から、注目位置を含むスイープの速度スペクトルを算出する。具体的には、注目位置(注目するエコーデータ)の速度をvとし、送信信号の波長λとすると、v=λ・fdによって、注目位置の速度vを算出することができる。この処理を、スイープ上の各エコーデータに対して実行する(注目位置を距離方向に移動させながら実行する)ことで、図6の下図においてドップラ周波数が速度に置き換わった速度スペクトルが得られる。速度スペクトル算出部203は、算出した速度スペクトルを、速度差検出部204へ出力する。
速度差検出部204は、入力される速度スペクトルに基づいて、注目位置の速度差Difを算出する。具体的には、例えば、速度差検出部204は、注目位置スイープを方位方向の中心のスイープとして、所定スイープ分の速度スペクトルを一次記憶する。速度差検出部204は、注目位置の速度スペクトルに含まれるピーク速度を検出する。ここで、ピーク速度とは、速度スペクトルにおけるピークが発生する速度を意味する。速度差検出部204は、一次記憶した範囲を周辺領域(距離方向に沿った所定距離範囲および方位方向に沿った所定角度範囲)として、当該周辺領域に含まれる各位置の速度スペクトルを取得し、これらの速度スペクトルに含まれるピーク速度を検出する。なお、ここで、一度検出したピーク速度を位置毎に記憶しておけば、注目位置が変化する毎にピーク速度の検出を行う必要が無く、ピーク速度を直接読み出して、利用することもできる。
速度差検出部204は、当該周辺領域のピーク速度の平均値を算出する。この際、速度差検出部204は、周辺領域の各位置でのピーク速度において、その頻度が最も高いものの平均値を取るようにするとよい。これにより、周辺領域の各位置に、複数の速度ピークが存在しても、周辺領域の速度として最適な平均ピーク速度を算出することができる。
速度差検出部204は、周辺領域の平均ピーク速度と、注目位置のピーク速度との速度差を算出する。この際、注目位置に複数のピーク速度が存在すれば、それぞれに速度差を算出する。
このような処理を行った場合、図6のように周辺領域がクラッタ領域であれば、クラッタ速度が周辺領域の平均ピーク速度に相当する。したがって、注目位置(例えば、図6の特定スイープの距離Rの位置を参照)のエコーがクラッタのエコーのみであれば、注目位置のピーク速度と平均ピーク速度との速度差は、極小さく、略「0」となる。一方、注目位置(例えば、図6の特定スイープの距離Rの位置を参照)が移動物標のエコーを含んでいれば、注目位置の移動物標によるピーク速度と平均ピーク速度との間に速度差が生じる。
速度差検出部204は、位置(エコーデータ)毎の速度差を画像データ生成部30へ出力する。
このように、上述の構成を用いれば、クラッタ内に移動物標が存在しても、クラッタの位置と移動物標の位置とで異なる速度差を検出することができる。そして、この速度差を用いることで、上述のような注目位置の速度に応じた重み付け係数の設定が可能になる。
以上のような速度差の検出処理は、上述のように機能ブロック毎に実現することもできるが、図7に示すようなフローを実現するプログラムをコンピュータに実行させても、実現できる。図7は、ドップラ周波数による速度検出方法のフローチャートである。
まず、所定スイープ分のスイープデータをバッファする(S121)。次に、バッファした所定数のスイープデータにおける同距離位置のエコーデータ群を用いて、DFT処理を実行することで、周波数スペクトルを算出する(S122)。
次に、注目位置の周波数スペクトルから速度スペクトルを算出し、注目位置のピーク速度を算出する(S123)。また、上述のように、周辺領域の平均ピーク速度を算出する(S124)。
次に、注目位置のピーク速度と、周辺領域の平均ピーク速度との速度差を算出する(S125)。
<第2の速度検出方法>
図8は、パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出を実現する速度検出部20vPのブロック図である。図9は速度ヒストグラムを用いた速度差の検出概念を示すための速度ヒストグラム例を示す図である。
速度検出部20vPは、第1スイープバッファ211、第2スイープバッファ212、パルスペア速度算出部213、速度用メモリ214、速度ヒストグラム算出部215、速度差検出部216を備える。
第1スイープバッファ211は、スイープメモリ105から出力されたスイープデータをバッファし、次のスイープデータが入力されると、記憶中の第2スイープバッファ212へ出力する。第2スイープバッファ212は、第1スイープバッファ211から出力されたスイープデータを記憶する。
第1スイープバッファ211と第2スイープバッファ212は、それぞれに記憶したスイープデータをパルスペア速度算出部213へ、同期して出力する。なお、第1スイープバッファ211は、省略することができる。この場合、受信部10から出力されるエコーデータ(スイープデータ)と、第2スイープバッファ212からのスイープデータとを、パルスペア速度算出部213へ出力する。
パルスペア速度算出部213は、次に示す方法を用いて、各エコーデータの位置(注目位置)の速度を算出する。
まず、速度測定概念について説明する。探知波の周波数をfoとし、波長をλとし、パルス長(時間長)をτとする。また、自船(アンテナ)に対して物標が近づく方向を正方向とした距離方向に沿った速度をvとする。また、送信繰り返し周期T(=1/PRF)とする。物標が速度vで自船に接近する場合、方位方向に隣り合うスイープ間では、物標と自船との距離は、1スイープ分すなわちvTだけ短くなる。すなわち、アンテナから探知波が送波されるタイミングから、物標に反射された反射波をアンテナANTで受波するタイミングまでの時間である往復伝搬時間Δt=2vT/cだけ、距離が短くなる。なお、cは光速である。
したがって、各スイープで送信開始後に同一時間だけ経過した時刻にサンプリングされる複素型のエコーデータの系列に注目すると、隣接するスイープ間での複素型のエコーデータの位相変化量Δφは、次の(式3)から得られる。
Figure 0006008640
この(式3)を変形することで、速度vを示す次の(式4)が得られる。
Figure 0006008640
なお、ここで、位相変化量Δφの絶対値がπよりも小さいときには、隣接する複素型のエコーデータ間の位相差である偏角の差δφ(−π<δφ<π)と位相変化量Δφは一致する。しかしながら、位相変化量Δφの絶対値がπ以上の時には、位相変化量Δφと偏角の差δφとの差が2πの整数倍となってしまう。したがって、次の(式5)を満たすように、探知波(送信信号)の各要素(λ、PRF)を設定すれば、正確な位相変化量Δφを確実に一意的に算出することができる。
Figure 0006008640
次に、パルスペア速度算出部213で実際に実行する処理について説明する。
上述のように、(式3)、(式4)を用いれば、位相変化量Δφおよび速度vを算出することができるが、実際に観測できる位相には各種ノイズが重畳している。この影響を小さくするため、次に示す自己相関法を用いて、位相変化量Δφおよび速度vを算出する。
物標が自船に向かって速度vで接近する場合、この物標の距離に対する距離番号(距離位置に相当)をnとし、この物標からのエコーが最初に検出されるスイープの方位番号をk0とする。この時、方位方向に並ぶM個のエコーデータS[k,n],S[k0+1,n],S[k0+2,n],・・・・,S[k0+M−1,n]が物標からのエコーを含むものとする。これらのエコーデータを、z[m]とすると、z[m]は次の(式6)で定義できる。
z[m]=S[k0+m,n] (0≦m≦M−1) −(式6)
ここで、上述のように、探知波の周波数をfoとし、光速をcとすると、探知波が送波されるタイミングから物標に反射された反射波を受波するタイミングまでの探知波と反射波の伝搬距離である往復伝搬距離は、2vTだけ短くなる。
したがって、z[m+1]の位相は、z[m]の位相を比較して、次の(式7)に表す位相変化量Δφpだけ大きくなる。
Figure 0006008640
この(式7)を変形することで、速度vを示す次の(式8)が得られる。
Figure 0006008640
一方、1スイープあたりの位相変化量Δφpに対しては次に示す(式9)が成り立つことが一般的に知られている。
Figure 0006008640
なお、z[m]は、z[m]の複素共役であり、arg[ ]は、複素偏角を算出する演算式を示す。また、Δm,Lは、Δm+L≦Mを満たす任意の自然数である。
ここで、Δm=L=1とすると、上述のパルスペア法と同意の処理を実現でき、(式9)は、次の(式10)で表すことができる。
Figure 0006008640
したがって、当該(式10)を(式8)に代入することにより、次の(式11)が得られ、自己相関法による速度算出が可能になる。
Figure 0006008640
このように、注目位置の複素型のエコーデータと、これに隣り合うスイープの複素型のエコーデータの自己相関処理を行うことで、当該注目位置の速度を算出することができる。
パルスペア速度算出部213は、算出した速度を、速度用メモリ214および速度差検出部216へ出力する。
速度用メモリ214は、パルスペア速度算出部213で算出された各位置の速度を所定範囲分記憶する。ここで、所定範囲とは、速度ヒストグラム算出部215で算出する周辺領域の範囲に相当する。
速度ヒストグラム算出部215は、速度用メモリ214から各位置の速度を読み出し、速度ヒストグラムを算出し、速度差検出部216へ出力する。なお、速度ヒストグラムの速度分解能は、クラッタ速度と、検出したい移動物標の速度とが異なる速度範囲内に収まるように仕様に応じて適宜設定すればよい。
速度差検出部216は、速度ヒストグラムから周辺領域の平均速度を算出し、当該周辺領域の代表速度に設定する。なお、速度ヒストグラムから平均速度を算出する方法としては、例えば、最も頻度の高い速度期間の中間値を平均速度にする。また、各速度期間の中間値に各速度期間の頻度を乗算して、重み付け平均を算出することで、平均速度を算出してもよい。さらには、ヒストグラムを用いず、速度用メモリ214から周辺領域内の各位置の速度を単に平均値処理することも可能である。ただし、この方法では、移動物標の速度も平均値処理に含まれるため、周辺領域の代表速度に誤差が生じてしまうため、ヒストグラムを用いた方が望ましい。
速度差検出部216は、注目位置を含む周辺領域の代表速度と注目位置の速度との速度差を算出する。この際、上述のヒストグラム算出処理等を行うため、代表速度が入力されるタイミングと注目位置の速度が入力されるタイミングとの間に時間差が生じるが、例えば、注目位置の極座標と周辺領域を示す極座標範囲との関係を予め設定しておき、注目位置に対応する周辺領域の代表速度が入力されたタイミングで、これらの速度を組み合わせて速度差を検出すればよい。
このような処理を用いると、周辺領域がクラッタ領域であれば、クラッタ速度が周辺領域の代表速度に相当する。したがって、注目位置のエコーがクラッタのエコーであれば、注目位置の速度と代表速度との速度差は、極小さく、略「0」となる。一方、注目位置が移動物標のエコーであれば、注目位置の速度と代表速度との間に速度差が生じる。
速度差検出部216は、算出した速度差を画像データ生成部30へ出力する。
このようにパルスペア法(自己相関法)を用いても、クラッタの位置と移動物標の位置とで異なる速度差を検出することができる。そして、この速度差を用いることで、上述のような注目位置の速度に応じた重み付け係数の設定が可能になる。さらに、パルスペア法を用いた場合、バッファするスイープデータ数を少なくできるので、少ないリソースで速度差算出を行うことができる。
以上のような速度差の検出処理は、上述のように機能ブロック毎に実現することもできるが、図10に示すようなフローを実現するプログラムをコンピュータに実行させても、実現できる。図10は、パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出方法のフローチャートである。
まず、隣り合う2つのスイープデータをバッファする(S131)。次に、バッファした2つのスイープデータのエコーデータの自己相関処理(パルスペア法による処理)を実行する(S132)。
次に、この自己相関処理結果を用いて、注目位置の速度を算出する(S133)。また、自己相関処理結果を用いて、注目位置を含む周辺領域の速度ヒストグラムを算出し、当該速度ヒストグラムから周辺領域の代表速度を算出する(S134)。
次に、周辺領域の代表速度と注目位置の速度との速度差を算出する(S135)。
なお、上述の説明では、速度差が閾値以上であるか閾値未満であるかによって、重み付け係数を変更する場合を示したが、速度差に応じて重み付け係数を多段階に調整することも可能である。例えば、速度差が大きくなるほど、今回のエコーデータに対する重みをより重く設定するようにしてよい。これにより、速度差に応じた詳細な重み付け設定が可能になる。
また、上述の説明において、速度ヒストグラムを算出する場合には、速度差を算出することなく、周辺領域の速度範囲となる確率を算出することで、重み付け係数の設定に利用できる。例えば、注目位置の速度が周辺領域の速度範囲に属する確率が、所定閾値以下になる場合に、当該注目位置の重み付け係数を、周辺領域の重み付け係数と異ならせる。さらには、注目位置の速度が周辺領域の速度範囲に属する確率に応じて、重み付け係数を変化させてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る探知画像生成装置1Aについて、図を参照して説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る探知画像生成装置1Aの構成を示すブロック図である。図12は、ドップラ周波数による速度検出を実現する速度検出部20AvDのブロック図である。図13は、パルスペア法に基づく自己相関処理による速度検出を実現する速度検出部20AvPのブロック図である。
本実施形態の探知画像生成装置1Aは、第1の実施形態に示した探知画像生成装置1に対して、海面反射領域検出部60を追加したものである。したがって、以下では、異なる箇所のみを説明する。
海面反射領域検出部60には、受信部10から出力されるスイープデータが入力される。海面反射領域検出部60には、描画アドレスも入力される。海面反射領域検出部60の詳細な処理は、本願と同一出願人が既に出願している特願2007−226904(特開2009−58433号公報)に記載されており、ここでは説明を省略する。
海面反射領域検出部60は、判断対象の位置のエコーデータの不安定度を検出し、不安定度が所定閾値以上であると、当該判断対象位置が海面反射領域(クラッタ領域)内であると判断する。海面反射領域検出部60は、判断対象位置が海面反射領域内であると判断すると、海面反射領域設定用データBn=「1」とし、判断対象位置が海面反射領域外であると判断すると、海面反射領域設定用データBn=「0」として、出力する。海面反射領域設定用データBnは、画像データ生成部30A、速度検出部20Aへ出力される。速度検出部20Aは、ドップラ周波数を用いる場合には、図12に示す速度検出部20AvDで実現でき、パルスペア法を用いる場合には、図13に示す速度検出部20AvPで実現できる。
速度検出部20AvDは、図12に示すように、スイープバッファ201、ドップラフィルタバンク202、速度スペクトル算出部203A、速度差検出部204を備える。なお、スイープバッファ201、ドップラフィルタバンク202、速度スペクトル算出部203A、速度差検出部204の基本処理は、第1の実施形態に示した速度検出部20vDと同じである。
海面反射領域設定用データBnは、速度スペクトル203Aへ与えられる。速度スペクトル算出部203Aは、海面反射領域設定用データBnが「1」の場合のみ、速度スペクトルを算出する。すなわち、速度スペクトル算出部203Aは、注目位置が海面反射領域内にある場合にのみ、注目位置と当該注目位置の周辺領域の速度スペクトルの算出を行う。これにより、全周囲の全ての位置の速度算出を行うよりも、少ないリソースで、必要とする範囲の速度を算出することができる。
また、速度検出部20AvPは、図13に示すように、第1スイープバッファ211、第2スイープバッファ212、パルスペア速度算出部213A、速度用メモリ214、速度ヒストグラム算出部215、速度差検出部216を備える。なお、第1スイープバッファ211、第2スイープバッファ212、パルスペア速度算出部213A、速度用メモリ214、速度ヒストグラム算出部215、速度差検出部216の基本処理は、第1の実施形態に示した速度検出部20vPと同じである。
海面反射領域設定用データBnは、パルスペア速度算出部213Aへ与えられる。パルスペア速度算出部213Aは、海面反射領域設定用データBnが「1」の場合のみ、速度を算出する。すなわち、パルスペア速度算出部213Aは、注目位置が海面反射領域内にある場合にのみ、注目位置の速度と当該注目位置の周辺領域の代表速度の算出を行う。これにより、全周囲の全ての位置の速度算出を行うよりも、少ないリソースで、必要とする範囲の速度を算出することができる。
画像データ生成部30Aは、海面反射領域設定用データBnが「0」の場合、すなわち、対象の画素が海面反射領域外であると判断された場合、海面反射抑圧の必要がないため、今回のエコーデータX[ns]の重みαを重くし、前回の画像データY[ns]の重みを軽くする(α>β)スキャン相関処理を実行する。これにより、海面反射領域外に対しては、探知タイミングでの状況に応じた探知画像データを得ることができる。
画像データ生成部30Aは、海面反射領域設定用データBnが「1」の場合、基本的には、該当する画素に対する重み付け係数を、海面反射抑圧用に設定する。この場合、具体的には、画像データ生成部30Aは、今回のエコーデータX[ns]の重みαを軽くし、前回の画像データY[ns]の重みを重くする(α≪β)スキャン相関処理を実行する。これにより、海面反射の抑圧を行う。ただし、画像データ生成部30Aは、速度検出部20Aから取得した速度差が所定閾値以上であると、対象とする画素に対しては、今回のエコーデータX[ns]の重みαを重くし、前回の画像データY[ns]の重みを軽くする(α>β)スキャン相関処理を実行する。これにより、海面反射を抑圧しながら海面反射領域内に存在する移動物標が抑圧されない探知画像データを得ることができる。
以上のような本実施形態の探知画像生成処理はプログラム化してコンピュータで実行することも可能である。この処理をフローで表すと、図14に示すようなフローになる。図14は、本発明の第2の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。
パルス状の送信信号による受信信号から複素型のエコーデータを取得する(S201)。次に、エコーデータに基づいて、海面反射領域を検出する(S202)。注目位置が海面反射領域外であれば(S203:No)、海面反射領域外用の重み付けによるスキャン相関処理を実行する(S204)。
注目位置が海面反射領域内であれば(S203:Yes)、エコーデータに基づいて、注目位置と周辺領域の速度を検出する(S205)。次に、注目位置の速度と周辺領域の代表速度との速度差を算出し、速度差に応じて、スキャン相関処理の重み付け係数を設定する(S206)。重み付け係数が設定されると、今回のエコーデータと、前回のスキャン相関処理結果である前回の画像データとを重み付け加算すること(式1参照)でスキャン相関処理を行い、今回の画像データを算出する(S207)。
以上のように、本実施形態の構成および処理を用いることで、次のような探知画像生成処理を実現できる。図15は、第2の実施形態に係る探知画像生成装置1Aおよび探知画像生成処理を用いた場合の効果を説明するための図である。図15(A)は、探知が行われる時点での海況を示す図である。図15(B)は、スキャン相関処理の適用範囲分布を示す図である。図15(C)は、本実施形態のスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図であり、図15(D)は、全探知領域に対して平均化のスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図である。図15(E)は、全探知領域に対して今回エコーデータの重みを重くするスキャン相関処理を用いた場合の探知画面を示す図である。なお、ここでも、説明を分かりやすくするために、自船は、船首方向が北方向であり、停止しているものとする。
図15(A)に示すように、自船の周囲に、静止物標(陸)、および、自船に向かう高速な高速移動物標(高速船)が存在し、且つ自船周りに海面反射が存在する場合、上述のように海面反射領域を検出することで、図15(B)に示すように、海面反射領域内用のスキャン相関処理の適用範囲と、海面反射領域外用のスキャン相関処理の適用範囲とを識別することができる。さらに、速度差に応じて、移動物標の近傍に対して移動物標用のスキャン相関処理を適用することができる。
これにより、図15(C)に示すように、海面反射を抑圧しながらも、海面反射領域内の移動物標のエコーは抑圧せず、海面反射領域外に対しては、海況に応じた静止物標エコーを含む各物標エコー等を抑圧しない探知画像を得ることができる。
一方で、従来のスキャン相関処理では、速度による重み付けの調整を行っていないので、上述の平均化するスキャン相関処理を用いれば、図15(D)に示すように、海面反射の抑圧とともに、移動物標も同様に抑圧されてしまう。また、海面反射領域内の移動物標を抑圧させないために今回のエコーデータの重みを重くすれば、図15(E)に示すように、移動物標は抑圧されないが、同様にクラッタも抑圧されずに残ってしまう。
このように、本実施形態の構成および処理を用いれば、クラッタ等の不要反射波のエコーを抑圧しながら、移動物標のエコーを確実に残す探知画像を生成することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る探知画像生成装置1Bについて、図を参照して説明する。図16は、本発明の第3の実施形態に係る探知画像生成装置1Bの構成を示すブロック図である。本実施形態の探知画像生成装置1Bは、第1の実施形態に示した探知画像生成装置1に対して、振幅検出部70を追加したものである。したがって、以下では、異なる箇所のみを説明する。
振幅検出部70には、受信部10から出力されるスイープデータが入力される。振幅検出部70は、スイープデータを構成する各エコーデータの振幅(複素型エコーデータの絶対値)を算出する。振幅検出部70は、予め物標検出用の振幅閾値を記憶しており、各エコーデータの振幅と振幅閾値とを比較する。振幅検出部70は、振幅閾値以上の振幅からなるエコーデータを検出すると、当該エコーデータに対応する位置を注目位置として、速度検出部20Bへ出力する。
速度検出部20Bは、振幅検出部70で物標位置と検出された注目位置に対して、速度差を算出し、画像データ生成部30Bへ出力する。なお、速度検出部20Bは、上述の各実施形態に示しように、ドップラ周波数による速度算出を用いても、パルスペア法による速度算出を用いてもどちらでもよい。このような物標検出位置のみで速度を算出することにより、少ないリソースで必要とする範囲の速度を算出することができる。
以上のような本実施形態の探知画像生成処理はプログラム化してコンピュータで実行することも可能である。この処理をフローで表すと、図17に示すようなフローになる。図17は、本発明の第3の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。
パルス状の送信信号による受信信号から複素型のエコーデータを取得する(S301)。次に、エコーデータの振幅検出を行い、物標検出に相当する処理を行う(S302)。注目位置のエコーデータの振幅が所定の振幅閾値未満であれば(S303:No)、物標非検出領域用のスキャン相関処理を実行する(S304)。物標非検出領域用のスキャン相関処理とは、第1の実施形態に示した抑圧用の重み付けと同等の重み付けで実行するスキャン相関処理である。
注目位置のエコーデータの振幅が振幅閾値以上であれば(S303:Yes)、エコーデータに基づいて、注目位置と周辺領域の速度を検出する(S305)。次に、注目位置の速度と周辺領域の代表速度との速度差を算出し、速度差に応じて、スキャン相関処理の重み付け係数を設定する(S306)。重み付け係数が設定されると、今回のエコーデータと、前回のスキャン相関処理結果である前回の画像データとを重み付け加算すること(式1参照)でスキャン相関処理を行い、今回の画像データを算出する(S307)。
以上のように、本実施形態の構成および処理を用いても、クラッタ等の不要反射波のエコーを抑圧しながら、移動物標のエコーを確実に残す探知画像を生成することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る探知画像生成装置1Cについて、図を参照して説明する。図18は、本発明の第4の実施形態に係る探知画像生成装置1Cの構成を示すブロック図である。本実施形態の探知画像生成装置1Cは、第2の実施形態に示した探知画像生成装置1Aと第3の実施形態に示した探知画像生成装置1Cとを組み合わせたものである。したがって、以下では、第2、第3実施形態の探知画像生成装置1A,1Bと異なる箇所のみを説明する。
海面反射領域検出部60は、第2の実施形態に示したように、スイープデータを構成するエコーデータから海面反射領域を検出し、海面反射領域設定用データBnを生成し、速度検出部20Cおよび画像データ生成部30Cへ出力する。
振幅検出部70は、第3の実施形態に示したように、スイープデータを構成する各エコーデータの振幅(複素型エコーデータの絶対値)を算出し、各エコーデータの振幅と振幅閾値とを比較する。振幅検出部70は、振幅閾値以上の振幅からなるエコーデータを検出すると、当該エコーデータに対応する位置を注目位置として、速度検出部20Cへ出力する。
速度検出部20Cは、海面反射領域設定用データBnが「1」すなわち海面反射領域内であり、且つ振幅検出部70で物標位置と検出された注目位置に対して、速度差を算出し、画像データ生成部30Cへ出力する。なお、速度検出部20Cは、上述の各実施形態に示しように、ドップラ周波数による速度算出を用いても、パルスペア法による速度算出を用いてもどちらでもよい。このような海面反射領域内の物標検出位置のみで速度を算出することにより、さらに少ないリソースで必要とする範囲の速度を算出することができる。
以上のような本実施形態の探知画像生成処理はプログラム化してコンピュータで実行することも可能である。この処理をフローで表すと、図19に示すようなフローになる。図19は、本発明の第4の実施形態に係る探知画像生成フローを示すフローチャートである。
パルス状の送信信号による受信信号から複素型のエコーデータを取得する(S401)。次に、エコーデータに基づいて、海面反射領域を検出する(S402)。注目位置が海面反射領域外であれば(S403:No)、海面反射領域外用の重み付けによるスキャン相関処理を実行する(S404)。
注目位置が海面反射領域内であれば(S403:Yes)、エコーデータの振幅検出を行い、物標検出に相当する処理を行う(S405)。注目位置のエコーデータの振幅が所定の振幅閾値未満であれば(S406:No)、海面反射領域内用のスキャン相関処理を実行する(S407)。
注目位置のエコーデータの振幅が振幅閾値以上であれば(S406:Yes)、エコーデータに基づいて、注目位置と周辺領域の速度を検出する(S408)。次に、注目位置の速度と周辺領域の代表速度との速度差を算出し、速度差に応じて、スキャン相関処理の重み付け係数を設定する(S409)。重み付け係数が設定されると、今回のエコーデータと、前回のスキャン相関処理結果である前回の画像データとを重み付け加算すること(式1参照)でスキャン相関処理を行い、今回の画像データを算出する(S410)。
以上のように、本実施形態の構成および処理を用いても、クラッタ等の不要反射波のエコーを抑圧しながら、移動物標のエコーを確実に残す探知画像を生成することができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る探知画像生成装置1Dについて、図を参照して説明する。図20は、本発明の第5の実施形態に係る探知画像生成装置1Dの構成を示すブロック図である。本実施形態の探知画像生成装置1Dは、第4の実施形態に示した探知画像生成装置1Dに対して、データ連続性検出部80を追加したものである。したがって、以下では、第4の実施形態の探知画像生成装置1Cと異なる箇所のみを説明する。
データ連続性検出部80の詳細な処理は、本願と同一出願人が既に出願している特願2007−226904(特開2009−58433号公報)に記載されており、ここでは説明を省略する。データ連続性検出部80は、注目位置のエコーデータの平面的な連続性を検出する。概略的に説明すると、連続性とは、注目位置を略中心とする距離方向および方位方向へ所定の範囲内にある各位置のエコーデータが物標検出閾値以上である数によって決定される。データ連続性検出部80は、物標検出閾値以上のエコーデータ数が所定個数以上であれば連続性データAn=「1」を設定し、物標検出閾値以上のエコーデータ数が所定個数未満であれば連続性データAn=「1」を設定する。データ連続性検出部80は、連続性データAnを画像データ生成部30Dへ出力する。
画像データ生成部30Dは、海面反射領域設定用データBnと、速度差と、連続性データAnに基づいて、次の(式12)に示すスキャン相関処理を実行する。
Y[ns]=α・γ・X[ns]+β・Y[ns−1] −(式12)
なお、α,βは、上述のように、海面反射領域設定用データBnと速度差とに基づいて設定される。γは連続性データAnによって設定される。この際、連続性データAnが「1」の場合に採用するγは、連続性データAnが「0」の場合に採用するγよりも大きくなるよう(γ>γ)に設定する。これにより、さらに移動物標は抑圧することなく、海面反射等のクラッタを抑圧することができる。
ところで、上述の各実施形態では、自船は船首方向が北方向であって、大地に対して停止しているものとして説明したが、次の速度補正概念を用いることで、船首方向および自船速度(対地船速)に影響されることなく、物標が自船方向に向かう速度vを算出することができる。図21は、速度補正概念を説明するための図である。
図21に示すように、自船速度をVoとし、物標が自船方向に向かう速度Vrとする。また、アンテナ位置から北方向を結ぶラインとアンテナ位置から船首方向を結ぶラインの成す角(時計回りの角度)である船首方位をθとし、北方向を基準とした反時計回りの針路をθとする。さらに、船首方向を基準としたアンテナの送信方向を時計回りの角度で示すアンテナ方位をθとする。
このような設定を行うと、自船の物標方向の速度である速度補正量Vcは、次の(式13)で得られる。
Figure 0006008640
したがって、補正後の物標の速度Vocは、次の(式14)で得られる。
Figure 0006008640
この補正後の物標の速度Vocを、上述の各位置の速度vとして用いれば、自船の動きに影響されることなく、上述の速度に応じた重み付け係数の設定を行うことができる。
なお、上述の説明では、海面反射(シークラッタ)を例に説明したが、他のクラッタ、例えばレインクラッタの場合にも、上述の構成を適用し、同様の作用効果を得ることができる。
また、上述の説明では、クラッタ内に存在する移動物標に適用する例を示したが、クラッタ領域外においても同様に、上述の実施形態の構成および処理を用いて、移動物標の近傍領域のみに、他の領域と異なる重み付け係数を設定することもできる。
また、上述の説明では、周辺領域の速度を、エコーデータから算出している。しかしながら、実験、シミュレーション、過去の観測結果等からクラッタとして検出し得る速度範囲を取得しておけば、当該速度範囲に該当しない速度が検出された位置に対して、上述の実施形態と同様に、周辺領域とは異なる重み付け係数を設定するようにすることもできる。
また、上述の説明では、距離方向に沿ったドップラ速度を算出して、スキャン相関処理の重み付けに利用する場合を示した。しかしながら、距離方向以外の方向のドップラ速度(例えば、移動物標の距離方向および方位方向を含む実速度のドップラ速度)を用いても同様の重み付け設定を行うことができる。
距離方向以外の方向のドップラ速度の算出方法としては、例えば、異なる位置に複数のアンテナを設置し、それぞれに算出したドップラ速度をベクトルで合成する方法がある。この際、少なくとも二つのアンテナを用いればよいが、互いに一直線上に並ばない三つ以上のアンテナを用いることで、確実に実速度に応じたドップラ速度を算出することができる。
さらに、移動物標が方位分解能よりも大きいものであれば、単独のアンテナであっても実速度に応じたドップラ速度の算出は可能である。この場合、単独のアンテナで異なる複数の方位で得られた距離方向のドップラ速度のベクトル量や方位に対するベクトル量の変化から、実速度に応じたドップラ速度を算出することができる。
1,1A,1B,1C,1D:探知画像生成装置、2:表示器、3:レーダ装置、4:送信部、5:送受切替部、
10:受信部、20,20vD,20vP,20A,20AvD,20AvP,20B,20C:速度検出部、30:画像データ生成部、40:描画アドレス発生部、50:画像メモリ、60:海面反射領域検出部、70:振幅検出部、80:データ連続性検出部、
101:増幅部、102:直交検波部、103:A/D変換部、104:LPF、105:スイープメモリ、
201:スイープバッファ、202:ドップラフィルタバンク、203:速度スペクトル算出部、204:速度差検出部、
211:第1スイープバッファ、212:第2スイープバッファ、213:パルスペア速度算出部、214:速度用メモリ、215:速度ヒストグラム算出部、216:速度差検出部

Claims (21)

  1. 探知信号に基づく受信信号からエコーデータを生成する受信部と、
    前記エコーデータを用いてドップラ速度を検出する速度検出部と、
    注目位置と周辺領域とのそれぞれに対して、今回のエコーデータと前回のスキャン相関処理データとを重み付け加算することで回のスキャン相関処理データを算出し、該今回のスキャン相関処理データから探知画像データを生成する画像データ生成部と、を備え、
    前記速度検出部は、
    前記注目位置と前記周辺領域の前記ドップラ速度を検出し、
    前記周辺領域、又は前記周辺領域と前記注目位置の前記ドップラ速度に基づいた代表速度を検出し、
    前記注目位置のドップラ速度と前記代表速度との速度差を算出し、
    前記画像データ生成部は、
    前記速度差に応じて、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数と前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数を変更する、
    とを特徴とする探知画像生成装置。
  2. 請求項1に記載の探知画像生成装置であって、
    前記画像データ生成部は、
    前記速度差が所定値以上であれば、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数を、前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数と異ならせる、探知画像生成装置。
  3. 請求項2に記載の探知画像生成装置であって、
    前記画像データ生成部は、
    前記注目位置のドップラ速度が前記代表速度よりも速ければ、前記注目位置に対する前記今回のエコーデータの重みを、前記周辺領域に対する前記今回のエコーデータの重みよりも大きくするように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成装置。
  4. 請求項1に記載の探知画像生成装置であって、
    前記画像データ生成部は、
    前記速度差が大きいほど、前記注目位置に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比が、前記周辺領域に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比よりも大きくなるように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の探知画像生成装置であって、
    前記ドップラ速度は、少なくとも2つの位置のエコーデータ間の位相変化量に基づいて算出される、
    探知画像生成装置。
  6. 請求項5に記載の探知画像生成装置であって、
    前記受信信号を直交検波して得られる複素データからなるエコーデータを生成する受信部を備え、
    前記速度検出部は、
    前記注目位置を含む所定範囲のエコーデータ群を周波数解析し、周波数解析したドップラ周波数から前記注目位置のドップラ速度を検出する、探知画像生成装置。
  7. 請求項5に記載の探知画像生成装置であって、
    前記受信信号を直交検波して得られる複素データからなるエコーデータを生成する受信部を備え、
    前記速度検出部は、
    前記注目位置を含む少なくとも2つの位置のエコーデータの相関処理を行って、エコーデータ間の複素偏角を算出し、該複素偏角から前記注目位置のドップラ速度を検出する、探知画像生成装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の探知画像生成装置であって、
    前記速度検出部は、
    前記周辺領域に含まれる複数の位置のエコーデータのドップラ速度をそれぞれ算出し、該複数の位置のエコーデータのドップラ速度の平均値を、前記代表速度とする、
    探知画像生成装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の探知画像生成装置であって、
    前記エコーデータに基づいてクラッタ発生領域を検出するクラッタ領域検出部を備え、
    前記速度検出部は、前記クラッタ発生領域内に対して前記速度を検出し、
    前記画像データ生成部は、前記クラッタ発生領域と、前記クラッタ発生領域に含まれない領域とで、前記重み付け加算の係数を異ならせるとともに、前記クラッタ発生領域内において前記速度に応じて前記重み付け加算の係数を変更する、探知画像生成装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の探知画像生成装置であって、
    前記エコーデータのデータ値が所定閾値以上かどうかを、位置毎に検出する振幅検出部を備え、
    前記速度検出部は、前記データ値が所定閾値以上となる位置を、前記注目位置に設定する、探知画像生成装置。
  11. 所定回転周期で回転するアンテナと、
    該回転周期よりも短い繰り返し周期で、前記探知信号として、位相情報が取得可能なパルス状信号を前記アンテナから外部へ送信する送信部と、
    前記アンテナが外部から受信した信号を前記受信信号とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の探知画像生成装置と、を備えたレーダ装置。
  12. 探知信号に基づく受信信号からエコーデータを生成する受信工程と、
    前記エコーデータを用いてドップラ速度を検出する速度検出工程と、
    注目位置と周辺領域とのそれぞれに対して、今回のエコーデータと前回のスキャン相関処理データとを重み付け加算することで回のスキャン相関処理データを算出し、該今回のスキャン相関処理データから探知画像データを生成する画像データ生成工程と、を有し、
    前記速度検出工程は、
    前記注目位置と前記周辺領域の前記ドップラ速度を検出し、
    前記周辺領域、又は前記周辺領域と前記注目位置との前記ドップラ速度に基づいた代表速度を検出し、
    前記注目位置のドップラ速度と前記代表速度との速度差を算出し、
    前記画像データ生成工程は、
    前記速度差に応じて、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数と前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数を変更する、
    とを特徴とする探知画像生成方法。
  13. 請求項12に記載の探知画像生成方法であって、
    前記画像データ生成工程では、
    前記速度差が所定値以上であれば、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数を、前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数と異ならせる、探知画像生成方法。
  14. 請求項13に記載の探知画像生成方法であって、
    前記画像データ生成工程では、
    前記注目位置のドップラ速度が前記周辺領域の前記代表速度よりも速ければ、前記注目位置に対する前記今回のエコーデータの重みを、前記周辺領域に対する前記今回のエコーデータの重みよりも大きくするように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成方法。
  15. 請求項12に記載の探知画像生成方法であって、
    前記画像データ生成工程では、
    前記速度差が大きいほど、前記注目位置に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比が、前記周辺領域に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比よりも大きくなるように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成方法。
  16. 請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の探知画像生成方法であって、
    前記ドップラ速度は、少なくとも2つの位置のエコーデータ間の位相変化量に基づいて算出される、
    探知画像生成方法。
  17. 探知信号を用いて探知画像データを生成する処理をコンピュータに実行させる探知画像生成プログラムであって、
    前記探知信号に基づく受信信号からエコーデータを生成する受信処理と、
    前記エコーデータを用いてドップラ速度を検出する速度検出処理と、
    注目位置と周辺領域とのそれぞれに対して、今回のエコーデータと前回のスキャン相関処理データとを重み付け加算することで回のスキャン相関処理データを算出し、該今回のスキャン相関処理データから探知画像データを生成する画像データ生成処理と、を有し、
    前記速度検出処理では、
    前記注目位置と前記周辺領域の前記ドップラ速度を検出し、
    前記周辺領域、又は前記周辺領域と前記注目位置との前記ドップラ速度に基づいた代表速度を検出し、
    前記注目位置のドップラ速度と前記代表速度との速度差を算出し、
    前記画像データ生成処理では、
    前記速度差に応じて、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数と前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数を変更する、
    とを特徴とする探知画像生成プログラム。
  18. 請求項17に記載の探知画像生成プログラムであって、
    前記コンピュータは、
    前記画像データ生成処理で、前記速度差が所定値以上であれば、前記注目位置に対する前記重み付け加算の係数を、前記周辺領域に対する前記重み付け加算の係数と異ならせる、探知画像生成プログラム。
  19. 請求項18に記載の探知画像生成プログラムであって、
    前記コンピュータは、
    前記画像データ生成処理で、前記注目位置のドップラ速度が前記代表速度よりも速ければ、前記注目位置に対する前記今回のエコーデータの重みを、前記周辺領域に対する前記今回のエコーデータの重みよりも大きくするように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成プログラム。
  20. 請求項17に記載の探知画像生成プログラムであって、
    前記コンピュータは、
    前記画像データ生成処理で、前記速度差が大きいほど、前記注目位置に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比が、前記周辺領域に対する前記前回のスキャン相関処理データの重みに対する前記今回のエコーデータの重みの比よりも大きくなるように、前記重み付け加算の係数を設定する、探知画像生成プログラム。
  21. 請求項17乃至請求項20のいずれかに記載の探知画像生成プログラムであって、
    前記ドップラ速度は、少なくとも2つの位置のエコーデータ間の位相変化量に基づいて算出される、
    探知画像生成プログラム。
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