JP6008421B2 - 車両用座席シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の床に設置されるシートクッション、このシートクッションの後端部にに連結されるシートバックおよびシートバックの上端部に装着されるヘッドレストを備え、前記ヘッドレストにダイナミックダンパを付設してなる、車両用座席シート装置に関する。
かゝる車両用座席シート装置において、ヘッドレスト内にバネと質量体とからなるダンパー機構(ダイナミックダンパ)を内蔵し、このダンパー機構の質量体などの動きによって、ヘッドレストに発生する振動を抑制するようにしたものは公知である(下記特許文献1参照)。
特開平10−226255号公報
ところで、ヘッドレスト内にダイナミックダンパを備えた座席シートでは、
ダイナミックダンパによる振動抑制効率を高めて、座席シートに加わる振動を効果的に吸収して、優れた制振効果を発揮でき、しかもダイナミックダンパを設けたことに起因して座席シートに着座する乗員に違和感を与えないようにすることが要求される。
ところが、前記特許文献1の示される車両用シート装置では、ダイナミックダンパの取り付けにより、乗員に違和感を与えないようにするための技術的な対策がなされていない。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、ヘッドレストにダイナミックダンパを設けて座席シートの振動系の振動抑制効果を高め、かつ座席シートに着座する乗員に違和感を与えないようにした、新規な車両用座席シート装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、車両の床に設置されるシートクッション、このシートクッションの後端部に連結されるシートバックおよびシートバックの上端部に装着されるヘッドレストを備え、前記ヘッドレストにダイナミックダンパを付設してなる、車両用座席シート装置において、
ヘッドレストの骨格を構成するヘッドレストフレームが、シートバックフレームに昇降可能に支持される左右の杆部に一体に連結される連結部を有し、この連結部が、前記左右の杆部の上端より屈曲されて前方に延長される互いに平行な左右の上縁部分と、それらの上縁部分の前部から下向きに延長される互いに平行な左右の前縁部分と、前記上縁部分と前縁部分とを一体に結合する前方クロス部材および後方クロス部材とを備え、前記ヘッドレストフレームの前端よりも後方で前記前方クロス部材および後方クロス部材の間に、前記ダイナミックダンパを構成するウエイトが配置されることを第1の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項2に係る本発明は、前記第1の特徴に加えて、前記ウエイトは、ヘッドレストフレームの前端と後端との間に設けられることを第2の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項3に係る本発明は、前記第1、2の特徴に加えて、前記ウエイトは、前記左右の杆部と、前記左右の上縁部分と、前記左右の前縁部分との間に設けられることを第の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項4に係る本発明は、前記第1、2または3の特徴に加えて、前記ウエイトは、前記左右の杆部と、前記左右の上縁部分と、前記左右の前縁部分との間に設けられることを第4の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項5に係る本発明は、車両の床に設置されるシートクッション、このシートクッションの後端部に連結されるシートバックおよびシートバックの上端部に装着されるヘッドレストを備え、前記ヘッドレストにダイナミックダンパを付設してなる、車両用座席シート装置において、
ヘッドレストの骨格を構成するヘッドレストフレーム、シートバックフレームに昇降可能に支持される左右一対の杆部に一体に連結される連結部を有し、この連結部、前記杆部の上端より屈曲されて前方に延長される互いに平行な左右の上縁部分と、それらの上縁部分の前部から下向きに延長される互いに平行な左右の前縁部分と、前記上縁部分と前縁部分とを一体に結合する前方クロス部材および後方クロス部材とを備え、前記ダイナミックダンパを構成する前記ウエイト、その長手方向、前記前方クロス部材および前記後方クロス部材との間にそれらと平行になるように配置されて、前記ヘッドレストフレームの前端よりも後方で前記左右の上縁部分に連結されることを第5の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項6に係る本発明は、前記第の特徴に加えて、前記ウエイトは、ヘッドレストフレームの前端と後端との間に設けられることを第6の特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項7に係る本発明は、前記第1、2、3、4、5または6の特徴に加えて、前記ウエイトは、前記左右の杆部、左右の上縁部分および左右の前縁部分とで囲まれる空間内に配置されることを第7の特徴としている。
本発明の第1の特徴によれば、ダイナミックダンパを構成するウエイトが、ヘッドレストの骨格を構成するヘッドレストフレームの前端よりも後方に配置されるので、ヘッドレストにダイナミックダンパを設けたことにより、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、ヘッドレストフレームの連結部に前方クロス部材および後方クロス部材を設け、それら部材間にウエイトが配置されるので、ヘッドレストフレーム前後間での、ウエイトの取付設定自由度を高めることができる。
また、本発明の第2の特徴によれば、ウエイトは、ヘッドレストフレームの前端と後端との間に設けたので、乗員に違和感を与えることを抑制しながら、ヘッドレストのコンパクト化が可能である
らにまた、本発明の第の特徴によれば、ウエイトは、前記左右の杆部、前記左右の上縁部分および前記左右の前縁部分との間に設けられるので、乗員への違和感を一層抑制することができる。
さらにまた、本発明の第4の特徴によれば、前方クロス部材と後方クロス部材は、左右の上縁部分の前後に設けられており、前方クロス部材と後方クロス部材との間に、ダイナミックダンパを構成するウエイトが保持されるので、ダイナミックダンパの大型化を抑制することができる。
さらにまた、本発明の第5の特徴によれば、ダイナミックダンパを構成するウエイトが、ヘッドレストの骨格を構成するヘッドレストフレームの前端よりも後方に配置されるので、ヘッドレストにダイナミックダンパを設けたことにより、乗員に違和感を与えることを抑制できるとともに、前記ウエイトは、その長手方向が、前記前方クロス部材および前記後方クロス部材との間にそれらと平行になるように配置されて、前記左右の上縁部分に連結されるので、ヘッドレストフレームにウエイトをコンパクトに配置することができ、ヘッドレストフレームの大型化を抑制することができる。
さらにまた、本発明の第6の特徴によれば、ウエイトは、ヘッドレストフレームの前端と後端との間に設けたので、乗員に違和感を与えることを抑制しながら、ヘッドレストのコンパクト化が可能である。
さらにまた、本発明の第7の特徴によれば、ウエイトは、ヘッドレストフレームの、左右の杆部、左右の上縁部分および左右の前縁部分とで囲まれる空間内に配置されるので、その空間を有効に利用してウエイトを配置することができ、ヘッドレストフレーム内にウエイトをコンパクトに配置することができる。
本発明に係る車両用座席シート装置の概略側面図(第1実施態様)。 図1の2矢視のダイナミックダンパを設けたヘッドレストフレームの斜視図(第1実施態様)。 図2の3−3線に沿う断面図(第1実施態様)。 図3の4−4線に沿う断面図(第1実施態様)。 ダイナミックダンパの一部破断斜視図(第1実施態様)。 図2に対応する、ダイナミックダンパを設けたヘッドレストフレームの斜視図(第2実施態様)。
まず、図1〜5を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
以下の説明において、座席シートの設置される車両の前後を「前後」、その左右を「左右」、その上下を「上下」という。
図1に示すように、車両用座席シート1は、シートクッション2、シートバック3およびヘッドレスト4とを備える。
シートクッション2は、下部に複数の支持脚7、7を設けた、シートクッションフレーム6を有しており、その支持脚7、7が車両の床fに固着される。
シートクッションフレーム6の後端部には上方に突出する左右一対のブラケット8が連設され、これらブラケット8に、シートバック3の骨格を構成するシートバックフレーム10が、従来公知のリクライニング機構(図示せず)を介して枢軸9まわりにリクライニング可能に連結される。
また、シートバックフレーム10の上端部には、左右一対の支持筒11、11が固設されており、これら支持筒11、11によってヘッドレスト4が、従来公知の支持装置(図示せず)によって昇降および固定可能に支持される。
図2〜4に示すように、ヘッドレスト4は、ヘッドレストフレーム12と、それに支持される発泡ウレタン製のクッション部材13と、その表面を被覆する表皮14とより構成されと共に、クッション部材13内に、後に詳述するダイナミックダンパDが埋設されている。
図1、3、および4に示すように、ヘッドレスト4は、シートバック3の上端部と前後方向に重なり合って、シートバック3の前面に沿って下方に延びる前部4fと、シートバックの上面を覆う後部4rとよりなり、正面視矩形状、側面視逆L字に形成されている。そして、ヘッドレスト4の下降時には、図1に示すように、その前部4fは、シートバック3の上端部前面に着座され、その後部4rは、シートバック3の上面に着座される。
図2に示すように、ヘッドレスト4の骨格を構成するヘッドレストフレーム12は、前記一対の支持筒11、11に昇降可能に支持されて、上下方向に延長される互いに平行な左右一対の杆部15、15と、これら杆部15、15の上端間を一体に連結する連結部16とよりなる。前記左右一対の杆部15、15は、支持筒11、11に支持されて下方に延びるフレーム下部15aと、このフレーム下部15aの上端から上方に延びて連結部16に至るフレーム上部15bとで構成される。また、前記連結部16は、前記フレーム上部15bの上端より前方に屈曲されて前後方向に延びる左右一対の上縁部分16a,16aと、それらの上縁部分16a,16aの前部より下向きに屈曲されてそれらを一体に連結して上下方向に延びる左右一対の前縁部分16b、16bとよりなり、左右一対の前縁部分16b、16bの下端は、下部連結部分16cにより一体に結合され、左右一対の前縁部分16b、16bと、下部連結部16cとで、前面視U字状に形成される。左右上縁部分16a,16aの前端と、左右前縁部分16b,16bの上端との屈曲接続部には、左右方向に延びる前方クロス部材17fの両端が一体に結合されており、また、左右上縁部分16a,16aの後端と、フレーム上部15b,15bの上端との屈曲接続部には、左右方向に延びる後方クロス部材17rの両端が一体に結合されている。そして、左右前縁部分16a,16aと、前方および後方クロス部材17f,17rとで、平面視四角な閉鎖空間Aが形成され、この閉鎖空間A内に、座席シート1の振動を抑えるダイナミックダンパDが、その長手方向を前後方向に指向させて配置される。
図1に示すように、前記上縁部分16a,16aの前半部は、シートバック3の上面より前方に延出し、また前記前縁部分16b,16bは、シートバック3の上端部と前後方向に重なり合っている。
そして、前記ヘッドレストフレーム12は、前記クッション部材13に埋設されてクッション部材13を支持する。
つぎに、図2〜5を参照して、このダイナミックダンパDの構造について説明する。
このダイナミックダンパDは、ウエイト20と、このウエイト20を、その振動方向へのスライドを許容するように包覆する弾性部材22とを備えている。
ウエイト20は、鉄などの金属製であって、振動方向、すなわちスライド方向(前後方向)Sに中心軸線L−Lをもつ円筒状に形成され、また、弾性部材22は、前記クッション部材13よりも軟質のゴム、またはエラストマ製であり、ウエイト20を包み込んで包覆できるように板状に形成されている。
ダイナミックダンパDは、その振動方向S(前後方向)へのスライドが許容されるように、ヘッドレストフレーム12の、前記前方クロス部材17fと後方クロス部材との間に張架される。すなわち、図3〜5に示すように、ウエイト20の中央部には、その中心軸線L−Lに沿ってその両端に開口する貫通孔よりなるスライド孔21が穿設されており、このスライド孔21は、前記前方クロス部材17fと後方クロス部材の各中間部に、前後左右方向に沿って張架される、ワイヤー、糸などの線条部材24に挿通され、ウエイト20は、この線条部材24に案内されて前後方向へのスライドが許容される。
図2〜5に示すように、前記線条部材24の両自由端24a,24aは、ループ状に形成されており、ヘッドレストフレーム12の、前方クロス部材17fと後方クロス部材とにそれぞれ巻き付けて固定されるバンド部材25,25に連結されて緊張状態に張架される。
線条部材24のループ状両端部24a,24aの内側部分には、スライド幅規制部材28,28が結着されている。そのスライド幅規制部材28,28とウエイト20の前後両端面20a,20aとの間に、スライド間隙d,dが形成されている。ウエイト20の振動方向、すなわちスライド方向Sのスライドによれば、スライド幅規制部材28,28は、ウエイト20の前後両端面20a,20aと衝合して、ウエイト20の前後方向へのスライド量を規制するようにしており、前記スライド間隙d,dが、ウエイト20の前後方向へのスライド量に相当する。
図3〜5に示すように、前記ウエイト20は、板状の弾性部材22により包み込まれて包覆される。ウエイト20を包覆した弾性部材22の前後両端部22a,22aは、ウエイト20の両端面20a,20aに沿うように湾曲されるが、ウエイト20のスライドを妨げることはない。
弾性部材22は、ウエイト20に加わる振動方向側が、他の側よりも軟質性が高く、ウエイト20の、スライド方向以外の振動を抑制して制振機能に方向性をもたせるようにしている。
図3〜5に示すように、前記弾性部材22の外表面は、前記スライド幅規制部材28,28と共に合成樹脂製のフィルム部材30により被覆される。これにより、ヘッドレスト4の成形時において、弾性部材22を、ウレタン発泡剤よりなるクッション部材13により埋設すべく、弾性部材22の周囲にウレタン発泡剤を流し込む際に、流し込んだウレタン発泡剤が、弾性部材22に含浸するのを抑制する。
そして、図5に示すように、ウエイト20を弾性部材22により包覆してなるダイナミックダンパDは、紡錘形状に形成されて、クッション部材13内に埋設され、その弾性部材22とヘッドレストフレーム12との間にクッション部材13の一部を介在させるように配置される。また、ダイナミックダンパDは、クッションフレーム12との間に干渉回避間隙をあけて配置されており、座席シート1の振動時にも、ダイナミックダンパDの、ヘッドレストフレーム12との干渉による異音の発生を抑制するようにしており、またダイナミックダンパDは、その長手方向を前後方向に向けて、クッション材13の最も薄くなるところを避けて前部クロス部材17fと後部クロス部材17r間に設けられ、乗員のウエイト20による違和感を抑制する。
線条部材24の両端部を、ヘッドレストフレーム12の前部クロス部材17fと後部クロス部材17rとに結着するバンド部材25,25は、ヘッドレスト4の成形後はクッション部材13により保持されて固定されるので、線条部材24の位置がずれることを抑制することができる。また、弾性部材22は、線条部材24に取り付けられ、さらに、フィルム部材30により線条部材24に取り付けられており、弾性部材22を安定保持できると共に弾性部材22を取付けるための取付手段を別途に必要としない。
而して、前記ウエイト20の中心は、ヘッドレストフレーム12の前端である左右の前縁部分16b,16bの中心線よりも後方に配置され、またウエイト20の前端は、左右の前縁部分16b,16bよりも後方に配置され、さらにウエイト20の前端は左右の前縁部分16b,16bの中心線よりも後方に配置される。
つぎに、図1〜5に示す第1実施形態の作用について説明する。
車両の走行中、振動が、車両の床fから座席シート1に伝達したとき、ダイナミックダンパDのウエイト20は、共振振動してその振動方向に沿い、スライド間隙d,d間を前後方向にスライドする。これにより、座席シート1の振動系に伝わる振動に対する振動抑制効率が高められ、弾性部材22の弾性振動にも助成されて前記振動系の振動エネルギを効果的に代替吸収し、振動系、すなわちシートクッション2、シートバック3およびヘッドレスト4を制振することができる。
而して、ダイナミックダンパDを構成するウエイト20が、ヘッドレスト4の骨格を構成するヘッドレストフレーム12の前端、すなわちその左右前縁部分16b,16bよりも後方に配置されるので、ヘッドレスト4にダイナミックダンパDを設けたことで、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
ダイナミックダンパDのウエイト20は、ヘッドレストフレーム12の前端と後端との間、すなわちその前縁部分16b,16bと、左右の杆部15,15との間に設けたので、乗員に違和感を与えることを抑制しながら、ヘッドレスト12のコンパクト化が可能である。
ヘッドレストフレーム12の、ヘッドレスト4の取付部の前後に、前方クロス部材17fおよび後方クロス部材17rを設け、それらのクロス部材17f、17r間にウエイト20を配置したので、ヘッドレストフレーム12の前後間での、ウエイト20の取付設定自由度を高めることができる。
ダイナミックダンパDのウエイト20は、左右の杆部15,15、左右の上縁部分16a,16aおよび左右の前縁部分16b,16bとの間に設けられるので、乗員への違和感を一層抑制することができる。
前記ウエイト20は、その長手方向が、前記左右の上縁部分16a,16aと、前記左右の前縁部分16b,16bとの間に、それらと平行になるように配置されて、前方クロス部材17f および後方クロス部材17rに連結されるので、ヘッドレストフレーム12にウエイト20をコンパクトに配置することができ、ヘッドレスト4の大型化を抑制することができる。
前方クロス部材17fと後方クロス部材17rは、左右の上縁部分16a,16aの前後に設けられており、前方クロス部材17fと後方クロス部材17rとの間に、ダイナミックダンパDのウエイト20が保持されるので、ダイナミックダンパDの大型化が抑制される。
ウエイト20は、ヘッドレストフレーム12の、左右の杆部15,15、左右の上縁部分16a,16aおよび左右の前縁部分16b,16bとで囲まれる空間内に配置されるので、その空間を有効に利用してウエイト20を配置することができ、ヘッドレストフレーム12内にウエイト20をコンパクトに配置することができる。
ウエイト20は、線条24に案内されてスライド可能であることから、その振動方向への抵抗の少ないスムーズな移動が保障され、座席シートに伝わる振動に対する振動抑制効率を一層高めることができる。
線条部材24は、ウエイト20の中央部を貫通するので、その線条部材24が、ウエイ20の振動軌跡よりも外側に出張ることながなく、ウエイト20の円滑なスライドが保障されると共にそのスライド構造の簡素化を図ることができる。
また、ウエイト20のスライド孔21の軸線方向L−Lの両側にスライド幅規制部材28,28が設けられるので、ウエイト20のスライド幅の設定が容易になる。
また、ウエイト20を包覆する弾性部材22は、ウエイト20の加わる振動方向側が、他の方向側よりも柔軟性が高くなるので、ウエイト20のスライド方向以外の振動が抑制されて、制振機能に方向性を持たせることが可能になる。
ダイナミックダンパDは、ヘッドレスト4のクッション部材13内に埋設される、該クッション部材13よりも軟質のゴム材よりなる弾性部材22と、この弾性部材22に埋設されるウエイト20とで構成されるので、ウエイト20を埋設した弾性部材22をクッション部材13内に埋設して、ヘッドレスト4にダイナミックダンパDを簡単に取り付けることができる。
ダイナミックダンパDは、その弾性部材22とヘッドレストフレーム12との間にクッション部材13の一部を介在させるように配置されるので、弾性部材22のヘッドレストフレーム12への接触を防ぎ、ダイナミックダンパ20に良好な制振機能を発揮させることができる。
つぎに、図6を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態において、前記第1実施形態と同じものには、同じ参照符合が付される。
この第2実施形態は、ダイナミックダンパDは、その長手方向が左右方向に指向されて、左右の上縁部分16a,16aの間で、それらの中間部に張架、支持され、ダイナミックダンパDのウエイト20は、その長手方向が、前方クロス部材17fおよび後方クロス部材17rと平行である。
ダイナミックダンパDの左右の上縁部分16a,16aに対する支持構造は、前記第1実施態様における、ダイナミックダンパDの前方および後方クロス部材17f,17rに対する支持構造と同じである。
しかして、第2実施態様によれば、ダイナミックダンパDをヘッドレストフレーム12の左右上縁部分16a,16a間に取り付けたことにより、乗員に違和感を与えることがなく、ヘッドレストフレーム12が大型化するのを抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
2・・・・シートクッション
3・・・・シートバック
4・・・・ヘッドレスト
4f・・・前部
10・・・・シートバックフレーム
12・・・・ヘッドレストフレーム
15・・・・杆部
16・・・・連結部
16a・・・上縁部分
16b・・・前縁部分
17f・・・前方クロス部材
17r・・・後方クロス部材
20・・・・・ウエイト
D・・・・・・ダイナミックダンパ
F・・・・・・床

Claims (7)

  1. 車両の床(F)に設置されるシートクッション(2)、このシートクッション(2)の後端部に連結されるシートバック(3)およびシートバック(3)の上端部に装着されるヘッドレスト(4)を備え、前記ヘッドレスト(4)にダイナミックダンパ(D)を付設してなる、車両用座席シート装置において、
    ヘッドレスト(4)の骨格を構成するヘッドレストフレーム(12)が、シートバックフレーム(10)に昇降可能に支持される左右の杆部(15)に一体に連結される連結部(16)を有し、この連結部(16)が、前記左右の杆部(15)の上端より屈曲されて前方に延長される互いに平行な左右の上縁部分(16a)と、それらの上縁部分(16a)の前部から下向きに延長される互いに平行な左右の前縁部分(16b)と、前記上縁部分(16a)と前縁部分(16b)とを一体に結合する前方クロス部材(17f)および後方クロス部材(17r)とを備え、前記ヘッドレストフレーム(12)の前端よりも後方で前記前方クロス部材(17f)および後方クロス部材(17r)の間に、前記ダイナミックダンパ(D)を構成するウエイト(20)が配置されることを特徴とする車両用座席シート装置。
  2. 前記ウエイト(20)は、ヘッドレストフレーム(12)の前端と後端との間に設けられることを特徴とする、前記請求項1に記載の車両用座席シート装置。
  3. 前記ウエイト(20)は、前記左右の杆部(15)と、前記左右の上縁部分(16a)と、前記左右の前縁部分(16b)との間に設けられることを特徴とする前記請求項1または2に記載の車両用座席シート装置。
  4. 前記前方クロス部材(17f)と後方クロス部材(17r)は、前記左右の上縁部分(16a)の前後に設けられており、前方クロス部材(17f)と後方クロス部材(17r)との間に前記ウエイト(20)が保持されることを特徴とする、前記請求項1,2または3に記載の車両用座席シート装置。
  5. 車両の床(F)に設置されるシートクッション(2)、このシートクッション(2)の後端部に連結されるシートバック(3)およびシートバック(3)の上端部に装着されるヘッドレスト(4)を備え、前記ヘッドレスト(4)にダイナミックダンパ(D)を付設してなる、車両用座席シート装置において、
    ヘッドレスト(4)の骨格を構成するヘッドレストフレーム(12)、シートバックフレーム(10)に昇降可能に支持される左右一対の杆部(15)に一体に連結される連結部(16)を有し、この連結部(16)、前記左右の杆部(15)の上端より屈曲されて前方に延長される互いに平行な左右の上縁部分(16a)と、それらの上縁部分(16a)の前部から下向きに延長される互いに平行な左右の前縁部分(16b)と、前記上縁部分(16a)と前縁部分(16b)とを一体に結合する前方クロス部材(17f)および後方クロス部材(17r)とを備え、前記ダイナミックダンパ(D)を構成するウエイト(20)、その長手方向、前記前方クロス部材(17f)および前記後方クロス部材(17r)との間にそれらと平行になるように配置されて、前記ヘッドレストフレーム(12)の前端よりも後方で前記左右の上縁部分(16a)に連結されることを特徴とする車両用座席シート装置。
  6. 前記ウエイト(20)は、ヘッドレストフレーム(12)の前端と後端との間に設けられることを特徴とする、前記請求項5に記載の車両用座席シート装置。
  7. 前記ウエイト(20)は、前記左右の杆部(15)、左右の上縁部分(16a)および左右の前縁部分(16b)とで囲まれる空間内に配置されることを特徴とする、前記請求項1、2、3、4、5または6に記載の車両用座席シート装置。
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