JP6008258B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、圃場の穀稈を収穫する刈取装置(4)と脱穀および選別を行う脱穀装置(3)を備えたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(3)の扱ぎ口(32)に沿って刈取穀稈を搬送するフィードチェン(34)を設け、前記フィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動する前側伝動部(FD)と、前記フィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する後側伝動部(BD)を設け、前記前側伝動部(FD)は、前記刈取装置(4)から前記フィードチェン(34)への伝動を接続および接続解除する前側クラッチ(60)と、該前側クラッチ(60)よりも伝動の下流側に設けられた前側ギヤボックス(50)を備え、前記前側クラッチ(60)のベルト(61)を、前記刈取装置(4)の駆動力を取り出すプーリ(21A)と前記前側ギヤボックス(50)の入力軸(51)に支持されたプーリ(51A)に巻回し、前記ベルト(61)の張力を緊張状態と弛緩状態に切換えるテンションアーム(62)を、前記前側ギヤボックス(50)の前記入力軸(51)と出力軸(52)の間に設けられた支軸(53)に回転自在に支持し、前記刈取装置(4)の後部に、回転自在に支持された手扱ぎ規制部材(26)と、該手扱ぎ規制部材(26)の状態を検知する手扱ぎセンサ(27)を設け、前記手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を覆った通常の刈取作業時には、前記前側伝動部(FD)からフィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動し、前記手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を開放した手扱ぎ作業時には、前記後側伝動部(BD)からフィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する制御装置(45)を設けたことを特徴とするコンバインである。
刈取装置(4)の後部に、回転自在に支持された手扱ぎ規制部材(26)と、手扱ぎ規制部材(26)の状態を検知する手扱ぎセンサ(27)を設け、手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を覆った通常の刈取作業時には、前側伝動部(FD)からフィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動し、手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を開放した手扱ぎ作業時には、後側伝動部(BD)からフィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する制御装置(45)を設けているので、通常の刈取作業時には、刈取装置(4)とフィードチェン(34)の搬送速度がシンクロするので、高い刈取脱穀効率を維持することができる。また、手扱ぎ作業時には、フィードチェン(34)の搬送速度が低速になるので作業者が刈取り作業を安全に行なうことができる。
刈取装置4の主枠となる刈取フレーム10は、刈取後フレーム11と、刈取後フレーム10の先端部に左右方向に延在する刈取伝動ケース11と、刈取伝動ケース11から立設された刈取縦フレーム13から形成されている。刈取後フレーム11の基部は、機体フレーム1に立設された左右一対の懸架台20,20の上部に回動可能に軸支された回転軸21を内装する筒体24の右側に偏倚した部位に取付けられている。
図3に示すように、脱穀装置3の上部には、穀稈の脱穀を行う扱室30が設けられ、扱室30の下方には、脱穀された穀粒の選別を行なう選別室31が設けられている。
扱室30の前後壁30A,30Bには、扱胴を支持する扱胴軸が軸支され、扱室30の左壁には、扱胴に沿って扱ぎ口32が形成されている。また、扱室30には、扱ぎ口32に沿って穀稈の株元を挟持して後側に搬送する脱穀部搬送装置35が設けられている。
図2,3に示すように、操縦席6の左側に設けられたサイドパネル40の前部には、油圧式無段変速装置を遠隔操作する主変速レバー41が設けられ、主変速レバー41の後側には、植立穀稈の倒伏状態に応じてトランスミッション内の有段式の副変速装置の切換えを行なう副変速レバー42が設けられている。また、副変速レバー42のグリップ部には、脱穀クラッチを操作する脱穀スイッチ43と、刈取クラッチを操作する刈取スイッチ44が設けられている。
次に、脱穀部搬送装置35のフィードチェン34の伝動系について説明する。
通常の刈取作業時、すなわち手扱センサ27がOFFとなった状態で、且つ、後側センサ89がON、すなわち爪クラッチ85の接続が解除された状態の場合には、エンジンEの回転は、前側伝動部FDを介してフィードチェン34に伝動される。このように、後側センサ89がONとなった場合に、エンジンEの回転を前側伝動部FDを介してフィードチェン34に伝動するので、後側センサ89が断線等により作動不良に陥った場合に、エンジンEの回転を、前側伝動部FDと後側伝動部BDから同時にフィードチェン34に伝動するいわゆる同時駆動による機器の破損を防止することができる。なお、この場合には、前側センサ54はOFFとなる。
図4〜6に示すように、前側伝動部FDは、前側ギヤボックス50と、前側クラッチ60を備えている。なお、前側ギヤボックス50と、前側クラッチ60は、左側に設けられた懸架台20と扱室30の前壁30Aを連結する連結プレート23に取付けられている。
また、連結プレート23に前側ギヤボックス50を取付けた状態において、前側ギヤボックス50の上部に入力軸51が位置し、下部に出力軸52が位置し、入力軸51と出力軸52の間に支軸53が位置し、支軸53の下側に前側センサ54が位置する。これにより、懸架台22と扱室30の前壁30Aの間に形成された空間を有効に利用することができ、テンションアーム62の回動を正確に検出することができる。
また、プーリ51Aに巻回されたベルト61の外周部には、ベルト61の蛇行を防止するために、左側が開口された略コ字形状のベルトストッパ55が設けられている。なお、ベルトストッパ55は、前側ギヤボックス50の左側面に溶接されている。
図4に示すように、テンションアーム62が、支軸53を中心として時計方向に回動してベルト61の張力が緊張状態になった場合は、前側センサ54の検出端子と検出体63が非接触となり、前側センサ54がOFFとなる。一方、図5に示すように、テンションアーム62が、支軸53を中心として反時計方向に回動してベルト61の張力が弛緩状態になった場合には、前側センサ54の検出端子と検出体63が接触して、前側センサ54がONとなる。
通常の刈取作業時、すなわち手扱センサ27がOFFとなった状態で、且つ、後側センサ89がON、すなわち爪クラッチ85の接続が解除された状態の場合には、図4に示すように、前側モータ70の出力軸70Aを時計方向に回転させて、テンションアーム62のアーム62Bの後端部を下方に移動させてローラ62Aをベルト61に向かって上方に移動させベルト61の張力を緊張状態にする。なお、この場合、前側センサ54はOFFとなり、プーリ21Aに伝動されたエンジンEの回転は、ベルト61を介してプーリ51Aに伝動され、プーリ51Aに伝動された回転は、前側ギヤボックス50内で増減速され第2スプロケット37を介してフィードチェン34に伝動されてフィードチェン34が駆動する。
図6に示すように、前側モータ70の出力軸70Aに下部が支持された第1ロッド72Aと、連結プレート23に立設された支軸29に回転自在に外嵌された中空回転軸77の外周部に上部が溶接された第3ロッド72Cは、第2ロッド72Bを介して連結されている。なお、第1ロッド72Aの上部と第2ロッド72Bの下部は、第1連結ピン73Aにより連結され、第2ロッド72Bの上部と前側第3ロッド72Bの中間部は、第2連結ピン73Bにより連結されている。
また、第3ロッド72Cの下部には、連結プレート23に向かって延出するストッパ74が設けられている。これにより、前側モータ70の出力軸70Aが所定の範囲を超えて時計方向に回転した場合には、ストッパ74が連結プレート23の後端部に係合して過度な張力がベルト61に作用することを防止することができる。
また、図4,5に示すように、前側モータ70の負荷を低減するために、前側モータ70の出力軸70Aを時計方向に回転させたスプリング71の収縮力の方向を示した第1仮想線L1が支軸29の前側を通過するように設定し、前側モータ70の出力軸70Aを反時計方向に回転させたスプリング71の収縮力の方向を示した第2仮想線L2が支軸29の後側を通過するように設定し、支軸29に発生するスプリング71の収縮力に起因するモーメントの方向を時計方向から反時計方向に切換えるのが好適である。また、第1連結ピン73Aを挿通する前側第1ロッド72Bの下部の穴を上下方向に長径を有する長穴にするのが好適である。
図7に示すように、後側伝動部BDは、後側ギヤボックス80と、後側クラッチ90を備えている。なお、後側ギヤボックス80と、後側クラッチ90は、脱穀装置3の選別室31の後部に取付けられている。なお、後側クラッチ90とは、後側ギヤボックス80に内装された後述する爪クラッチ85と、爪クラッチ85の接続・解除状態を操作するシフタ軸86と、シフタ軸86を回動させるワイヤ91、スプリング93、後側連結部材94、後側モータ97を総称している。
また、選別室31の後部に後側ギヤボックス80を取付けた状態において、後側ギヤボックス80の前部に出力軸82が位置し、後部に入力軸81が位置する。これにより、選別室31の後部の空間の有効に利用して後側クラッチ90を設けることができる。
次に、脱穀部搬送装置35のフィードチェン34の駆動方法について説明する。図14に示すように、操縦席6に設けられた制御装置45の入力側には、通常の刈取作業と手扱ぎ作業の切換えを行なう手扱ぎ規制部材26の状態を検出する手扱センサ27と、前側伝動部FDの前側クラッチ60の接続・解除状態を検出する前側センサ54と、後側クラッチ90の接続・解除状態を検出する後側センサ89が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。一方、出力側には、前側伝動部FDのテンションアーム62を回動させる前側モータ70と、後側伝動部BDのシフタ軸86を回動させる後側モータ97が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
4 刈取装置
21 回転軸
21A プーリ
22 支持フレーム
23 連結プレート
24 筒体
26 手扱ぎ規制部材
27 手扱センサ
30A 前壁
32 扱ぎ口
34 フィードチェン
45 制御装置
50 前側ギヤボックス
51 入力軸
51A プーリ
52 出力軸
53 支軸
54 前側センサ
60 前側クラッチ
61 ベルト
62 テンションアーム
64 ベルトカバー
80 後側ギヤボックス
89 後側センサ
90 後側クラッチ
BD 後側伝動部
FD 前側伝動部
Claims (4)
- 圃場の穀稈を収穫する刈取装置(4)と脱穀および選別を行う脱穀装置(3)を備えたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(3)の扱ぎ口(32)に沿って刈取穀稈を搬送するフィードチェン(34)を設け、
前記フィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動する前側伝動部(FD)と、前記フィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する後側伝動部(BD)を設け、
前記前側伝動部(FD)は、前記刈取装置(4)から前記フィードチェン(34)への伝動を接続および接続解除する前側クラッチ(60)と、該前側クラッチ(60)よりも伝動の下流側に設けられた前側ギヤボックス(50)を備え、
前記前側クラッチ(60)のベルト(61)を、前記刈取装置(4)の駆動力を取り出すプーリ(21A)と前記前側ギヤボックス(50)の入力軸(51)に支持されたプーリ(51A)に巻回し、
前記ベルト(61)の張力を緊張状態と弛緩状態に切換えるテンションアーム(62)を、前記前側ギヤボックス(50)の前記入力軸(51)と出力軸(52)の間に設けられた支軸(53)に回転自在に支持し、
前記刈取装置(4)の後部に、回転自在に支持された手扱ぎ規制部材(26)と、該手扱ぎ規制部材(26)の状態を検知する手扱ぎセンサ(27)を設け、
前記手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を覆った通常の刈取作業時には、前記前側伝動部(FD)からフィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動し、前記手扱ぎセンサ(27)により手扱ぎ規制部材(26)がフィードチェン(34)の始端部の上方を開放した手扱ぎ作業時には、前記後側伝動部(BD)からフィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する制御装置(45)を設けたことを特徴とするコンバイン。 - 前記プーリ(21A)が設けられた回転軸(21)を内装する筒体(24)に、プーリ(21A)に巻回されたベルト(61)の外周部位を覆うベルトカバー(64)を設けた請求項1記載のコンバイン。
- 前記前側ギヤボックス(50)を、前記回転軸(21)を支持する懸架台(20)と脱穀装置(3)の前壁(30A)を連結する連結プレート(23)に支持した請求項2記載のコンバイン。
- 前記前側クラッチ(60)の接続状態を検知する前側センサ(54)と、前記後側伝動部(BD)の後側ギヤボックス(80)に内装された後側クラッチ(90)の接続状態を検知する後側センサ(89)を設け、
前記制御装置(45)は、前記通常の刈取作業時で、且つ、前記後側センサ(89)により後側クラッチ(90)の接続が解除されたことが検出された場合に、前記前側伝動部(FD)からフィードチェン(34)に刈取装置(4)の駆動力を伝動し、前記手扱ぎ作業時で、且つ、前記前側センサ(54)により前側クラッチ(60)の接続が解除されたことが検出された場合に、前記後側伝動部(BD)からフィードチェン(34)に脱穀装置(3)の駆動力を伝動する請求項1記載のコンバイン。
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