(第1の実施形態)
以下、添付した図面を参照して本発明の印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御プログラム、および印刷装置の制御方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。
<印刷システム>
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態の印刷システムの全体構成を示す概略ブロック図である。図2は図1に示すPCの概略ブロック図であり、図3は図1に示す印刷装置の概略断面図である。また、図4は図3に示す制御部の概略ブロック図であり、図5は本発明の第1の実施形態の印刷設定画面の一例を示す図である。
以下では、印刷装置として複写機を例示して説明する。しかしながら、本実施形態の印刷装置は、複写機に限定されることはなく、プリンター、複合機などに適用することができる。
図1に示すように、印刷システム1000は、印刷装置100A〜100C、ネットワーク200、およびPC(Personal Computer)300を有する。印刷装置100A〜100CとPC300は、ネットワーク200を介して通信可能に接続されている。
本実施形態では、印刷装置100Aが所定の印刷物に共通の絵柄を用紙に印刷したのち、印刷装置100Bおよび100Cが上記用紙に順次追い刷りをして上記所定の印刷物を完成させる場合を例示して説明する。
印刷装置100Aは、目的とする印刷物に共通の絵柄を用紙に印刷するための印刷装置である。以下では、印刷装置100Aを「前段印刷装置」と称する。また、印刷装置100Bおよび印刷装置100Cは、印刷装置100Aによって印刷された用紙に追加的に印刷するための印刷装置である。以下では、印刷装置100Bおよび印刷装置100Cを「追い刷り用印刷装置」と称する。そして、本明細書を通して、一度印刷した用紙に再度印刷することを「追い刷りする」という。
なお、本実施形態の印刷システム1000が有する印刷装置およびPCの台数は、図1に示す台数に限定されない。また、印刷装置100A〜100Cの詳細については後述する。
<ネットワーク>
ネットワーク200は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDIなどの規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN、あるいはLAN同士を専用線で接続したWANなどを含む。
<PC>
PC300は、たとえばパーソナルコンピューター、ワークステーション、携帯情報端末などでありうる。PC300は、印刷ジョブを生成して、印刷装置100A〜100Cに送信する。印刷ジョブは、印刷装置100A〜100Cによって印刷される画像データおよび印刷設定を含む。
図2に示すように、PC300は、CPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、HDD(Hard Disk Drive)313、RAM(Random Accesss Memory)314、ネットワークI/F(InterFace)315、入力操作部316、および画像出力部317を有する。これらの各構成要素は、バス318を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU311は、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと略記する。)およびプリンタードライバーを実行して、印刷ジョブを生成し、印刷装置100A〜100Cに送信する。アプリケーションは、たとえば印刷機能を有する文書作成ソフトウェアである。
アプリケーションおよびプリンタードライバーは、不揮発性の記憶装置であるROM12、または大容量の記憶装置であるハードディスクドライブHDD313に予め格納されており、CPU311が実行する際に揮発性の記憶装置であるRAM314に転送される。
プリンタードライバーは、アプリケーションの指示に基づいて、印刷ジョブを生成する。印刷ジョブは、少なくとも1ページからなる印刷データ、印刷する各ページに関する印刷設定などを含む。本実施形態の印刷設定の詳細については後述する。印刷ジョブは、ネットワークI/F315を介して印刷装置100A〜100Cに送信される。
ページ情報は、たとえばページ番号、ページサイズ(主走査方向サイズおよび副走査方向サイズ)、ページ解像度などをページごとに含む。
印刷データは、データファイルおよびレイアウトファイルを含む。データファイルとしては、PS(PostScript(登録商標))、PDF(Portable Document Format)、PCL(Printer Control Language)、およびXPS(XML Paper Specification)などのページ記述言語で記述されたファイルが使用される。また、レイアウトファイルには、PSで記述されたオブジェクトが定義されている。
ROM312およびHDD313は、上記アプリケーションおよびプリンタードライバーに加えて、各種のプログラムおよびパラメーターを格納する。また、RAM314は、上記アプリケーションを実行する際にCPU311が演算した演算結果などを保存する。
ネットワークI/F315は、ネットワーク200を経由して印刷装置100A〜100Cに接続し、PC300と印刷装置100A〜100Cとの間においてデータを送受信する。
入力操作部316は、オペレーター入力を受け付けて、CPU311に伝達する。入力操作部316は、たとえばキーボード、マウスなどのポインティングデバイスを有し、オペレーターからの文字、各種設定、各種指示を受け付ける。
画像出力部317は、オペレーター入力の受け付け画面、印刷設定画面、印刷プレビュー画面、処理結果などの各種情報を表示する。画像出力部317は、たとえば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ、CRT(Cathode Ray Tube)など表示装置を備える。
<前段印刷装置>
本実施形態の印刷装置100Aは、印刷物に共通する絵柄などの共通部分の画像(以下、共通部分画像と称する。)を印刷する前段印刷装置として機能する。図3に示すように、本実施形態の印刷装置100Aは、画像読取部10、画像形成部20、用紙搬送部30、定着部40、給紙部50、排紙部60、入出力部70、および制御部80を有する。なお、以下では、本実施形態の印刷装置100Aの主要な構成を中心に説明し、従来の画像形成装置と同様の構成については説明を省略する。
画像読取部10は、原稿の画像を読取り、記憶する。本実施形態では、画像読取部10は、光源11、光学系12、撮像素子13、画像処理系14、および読取面15を有する。
光源11から照射された光は、読取面15に載置された原稿Pに照射され、その反射光は光学系12を通じて、読取り位置に移動した撮像素子13に結像される。撮像素子13は、原稿Pからの反射光強度に応じて電気信号を生成する。生成された電気信号は、画像処理系14において、アナログ信号からディジタル信号に変換されたのち、補正処理、フィルター処理、画像圧縮処理などが施され、画像データとして画像処理系14のメモリーに記憶される。
画像形成部20は、電子写真プロセスで画像を形成し、形成された画像を記録媒体としての用紙Sに定着する。本実施形態では、画像形成部20は、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部20Y、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部20M、シアン(C)色の画像を形成する画像形成部20C、黒(K)色の画像を形成する画像形成部20Kを備えており、それぞれ共通する符号20の後に形成する色をあらわす符号Y、M、C、Kを付して表記されている。
画像形成部20Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yおよびその周囲に配置された帯電部2Y、光書込部3Y、現像装置4Yおよびドラムクリーナー5Yを有して構成される。感光体ドラム1Yは、ドラムモーターにより所定の速度で回転する。
同様に、画像形成部20Mは、感光体ドラム1Mの周囲に配置された帯電部2M、光書込部3M、現像装置4Mおよびドラムクリーナー5Mを有して構成される。また、画像形成部20Cは、感光体ドラム1Cの周囲に配置された帯電部2C、光書込部3C、現像装置4Cおよびドラムクリーナー5Cを有して構成される。また、画像形成部20Kは、感光体ドラム1Kの周囲に配置された帯電部2K、光書込部3K、現像装置4Kおよびドラムクリーナー5Kを有して構成される。
画像形成部20Y、20M、20C、20Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、帯電部2Y、2M、2C、2K、光書込部3Y、3M、3C、3K、現像装置4Y、4M、4C、4Kおよびドラムクリーナー5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に区別が必要な場合を除き符号Y、M、C、Kを付さずに表記することがある。
画像形成部20は、画像処理系14のメモリーに記憶されている画像データに基づいて、光書込部3にて画像情報信号を感光体ドラム1に書き込み、感光体ドラム1に画像情報信号に基づく潜像を形成する。そして潜像は現像装置4により現像され、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー像が形成される。
画像形成部20Y、20M、20C、20Kのそれぞれ感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに、それぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色の画像が形成される。
中間転写ベルト21は、複数のローラーにより巻回され、走行可能に支持されている。画像形成部20Y、20M、20C、20Kより形成された各色のトナー画像は、走行する中間転写ベルト21上に一次転写部7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されてY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色層が重畳したカラー画像が形成される。
用紙搬送部30は、用紙Sを搬送する。用紙Sは、給紙部50の給紙トレイ51、52、または53に収容されている。用紙搬送部30は、送り出しローラー31と、さばきローラー32と、搬送ローラー33と、ループローラー(中間ローラー)34と、レジストローラー35と、を備える。
用紙Sは、送り出しローラー31によって給紙トレイ51、52、または53から搬送経路に送り出され、さばきローラー32によって1枚に分離される。1枚に分離された用紙Sは、搬送ローラー33によって搬送経路に沿ってループローラー34およびレジストローラー35を経て2次転写ローラー22に搬送される。
そして、用紙S上に中間転写ベルト21上のカラー画像が転写される。カラー画像が転写された用紙Sは、定着部40にて熱と圧力とを加えることにより用紙S上のトナー像が定着され、排紙ローラー36を経て排紙部60に送られる。
排紙部60は、画像が定着された用紙Sを印刷装置100Aの外部に排出する。排紙部60は、排紙トレイ61〜63と、排紙トレイ61〜63を移動させるための機構(不図示)と、を有する。画像が定着された用紙Sは、制御部80によって選択された排紙トレイ61〜63のうちのいずれかに排出される。
また、印刷装置100Aは、用紙反転部37を備えており、定着がなされた用紙Sを定着搬送ローラーから用紙反転部37に導いて表裏を反転して排出することができる。それにより、用紙Sの両面に画像を形成することができる。
入出力部70は、たとえばタッチパネル・ディスプレイ(不図示)などの入出力装置を備える。オペレーターは、入出力部70を介して、たとえば印刷設定の設定値を確認したり、変更したりすることができる。
制御部80は、画像読取部10、画像形成部20、用紙搬送部30、定着部40、給紙部50、排紙部60、および入出力部70を制御する。図4に示すように、制御部80は、CPU81、ROM82、HDD83、RAM84、およびネットワークI/F85を有する。これらの各構成要素は、バス86を介して相互に通信可能に接続されている。制御部80は、プリントコントローラーとしての役割を果たす。
CPU81は、印刷装置100Aを前段印刷装置として動作させるための制御プログラムを実行する。制御プログラムは、ROM82または大容量の記憶装置であるハードディスクドライブHDD83に記憶されている。CPU81は、制御プログラムにしたがって、画像読取部10、画像形成部20、用紙搬送部30、定着部40、給紙部50、排紙部60、および入出力部70を制御し、演算結果などをRAM84に記憶する。ネットワークI/F85は、ネットワーク200を経由してPC300に接続し、印刷装置100AとPC300との間においてデータを送受信する。
本実施形態では、CPU81は、制御プログラムを実行することにより、排紙部60を制御する。具体的には、CPU81は、追い刷り用印刷装置である印刷装置100Bが用紙Sに再度印刷する場合、用紙Sの種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63のうちの少なくとも1つに排紙するように制御する。
<追い刷り用印刷装置>
次に、本実施形態の印刷装置100Bおよび100Cについて説明する。本実施形態では、印刷装置100Bおよび100Cは、印刷物の共通部分とは異なる追加部分の画像(以下、追い刷り版画像と称する。)を印刷する追い刷り用印刷装置として機能する。なお、説明の重複を避けるため、印刷装置100Aと同じ構成については説明を省略する。
印刷装置100Bおよび100Cは、印刷装置100Aで印刷された用紙Sに必要に応じて追加的に印刷する。印刷装置100Bおよび100Cが印刷する範囲は、用紙Sの全面であってもよいし一部分であってもよい。また、印刷装置100Aで印刷された用紙Sの表面でも裏面でもよい。
印刷装置100Bおよび100Cは、たとえばCMYKトナーボトルに加えて、あるいはCMYKトナーボトルに代えて、特色やクリアのトナーボトルを有し、特色やクリアでの印刷を実行できる。また、印刷装置100Bおよび100Cは、たとえば宛名印刷を追い刷りで実行する場合、モノクロ印刷装置であってよい。
また、印刷装置100Bおよび100Cは、特殊な印刷を実行する特殊印刷装置であってもよい。特殊印刷装置には、たとえば、「銀はがし」、「香料印刷」、「蛍光印刷」、「凹凸印刷」、「光沢コート」などの特殊印刷を実現する印刷装置が含まれる。これらの特殊印刷装置による印刷は、特殊なインキなどを使用して実現される。本実施形態で使用される特殊印刷技術は公知であるので、特殊印刷の具体的な印刷方法についての説明を省略する。このような特殊印刷技術を使用して追い刷りすることにより、印刷物に付加価値を持たせることができる。
<印刷設定>
本実施形態では、印刷装置100A〜100Cのプリントコントローラーは、PC300から送信される印刷ジョブをそれぞれ受信し、当該印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づいて用紙に画像を印刷する。
本実施形態では、印刷装置100A〜100Cの各々について、PC300においてプリンタードライバーが実行され、画像出力部317の表示装置に表示される印刷設定画面を通じて印刷設定がなされる。図5に本実施形態の印刷設定画面の一例を示す。オペレーターは、印刷設定画面400の各設定項目について入力操作部316のマウス、キーボードなどを用いて入力する。
図5に示す印刷設定画面400において、用紙の種類についての設定領域410は、用紙のページ番号、サイズ、色、および紙種についての設定項目を含む。図5では、第1ページについて、用紙のサイズをA4サイズ、色を白、紙種を光沢紙に設定した場合を例示している。
なお、本実施形態の用紙の種類は、用紙のページ番号、サイズ、色、および紙種に限定されることはない。下記の表1に本実施形態で使用される主要な用紙の種類を例示する。用紙の種類には、用紙搬送に関係する用紙の種類と、画像形成に関係する用紙の種類とがある。用紙搬送に関係する用紙の種類には、用紙のサイズ、給紙方向、坪量、タブ付などが含まれる。一方、画像形成に関係する用紙の種類には、色、紙種、タブ付などが含まれる。
また、追い刷りについての設定領域420は、追い刷りの有無の設定および排紙設定を含む。追い刷りの有無の設定は、印刷装置100Aで共通部分画像を印刷したのち、印刷装置100Bで追い刷り版画像を追い刷りする場合、印刷装置100Aの印刷設定の追い刷りを「有」(以下、「追い刷り有」と表記する。)に設定する。一方、印刷装置100Bで追い刷りしない場合、印刷装置100Aの印刷設定の追い刷りを「無」(以下、「追い刷り無」と表記する。)に設定する。
本実施形態では、印刷装置100A〜100Cの各々の印刷設定において、追い刷り印刷の有無の設定をすることができる。たとえば、追い刷り用印刷装置100Bで追い刷りを実行する場合、印刷装置100Aの追い刷り有に設定する。また、追い刷り用印刷装置100Cで追い刷りを実行する場合、追い刷り印刷装置100Bの追い刷り有に設定する。
さらに、「排紙設定」421を入力操作部316のマウスなどでクリックして選択すると、用紙の種類ごとに排紙先の排紙トレイ61〜63を設定することができる。
上述のとおり、追い刷りの有無の設定およびページごとの用紙の種類の設定をしたのち、「適用」431を選択すると、印刷設定が適用される。また、「一覧表示」432を選択すると、印刷設定および排紙設定が一覧表示される。下記の表2には、一例として、追い刷り有の設定で、15ページの印刷データを印刷する場合についての一覧表示が示されている。表2に示すように、印刷データは、A4サイズとA3サイズが混載されており、用紙の色はいずれも白であり、紙種として普通紙および光沢紙を含む。表2には、用紙のサイズ、色、紙種についてページごとに設定が示されている。なお、上述した本実施形態の印刷設定において、両面印刷、Nin1などの印刷設定は従来の印刷設定と同様に設定されるので説明を省略する。
また、表2の右端の欄には、追い刷り有の場合に用紙が排紙される先の排紙トレイが示されている。より具体的には、排紙トレイA(排紙トレイ61)には、A4サイズの普通紙がページ順に指定部数排紙される。また、排紙トレイB(排紙トレイ62)には、A4サイズの光沢紙がページ順に指定部数出力される。また、排紙トレイC(排紙トレイ63)には、A3サイズの普通紙がページ順に指定部数排紙される。
印刷設定画面400において、「OK」433を選択すると、印刷設定が適用された状態で印刷設定の処理が終了する。一方、「キャンセル」434を選択すると、印刷設定画面400が立ち上がる前の印刷設定の状態に復元され、印刷設定の処理が終了する。
<印刷装置の動作>
図6を参照して、本実施形態の印刷装置の印刷処理を説明する。図6は、本実施形態の印刷装置の印刷処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、印刷装置100Aの印刷処理について説明する。印刷装置100Aの制御部80は、制御プログラムにしたがって以下の手順を実行する。印刷装置100Bおよび100Cの印刷処理についても同様であるので、その説明を省略する。
図6に示すように、まず、印刷ジョブを受信する(ステップS101)。印刷装置100Aは、PC300から送信された印刷ジョブを受信し、制御部80のRAM84に一時的に保存する。当該印刷ジョブには、印刷装置100Aで印刷される画像データおよび印刷設定が含まれている。
次に、指定用紙に指定画像を形成する(ステップS102)。印刷装置100Aは、上記印刷設定で指定された用紙に上記画像データに基づいて画像を形成する。
次に、追い刷り設定の有無を判断する(ステップS103)。印刷装置100Aは、追い刷り設定が有の場合(ステップS103:YES)、すなわち後続する印刷工程で再度画像が印刷される場合、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する(ステップS104)。そして、印刷装置100Aは、印刷処理を終了する。
一方、追い刷り設定が無の場合(ステップS103:NO)、すなわち後続する印刷工程がない場合、用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイへ排紙する(ステップS105)。そして、印刷装置100Aは、印刷処理を終了する。
<印刷手順の一例>
次に、図7を参照して、本実施形態の印刷装置を用いて印刷を実行する手順を説明する。図7は、本実施形態の印刷装置による排紙結果の一例を示す図である。
以下では、たとえば、PC300のアプリケーションで文書を作成し、印刷装置100Aで印刷したのち、追い刷り用の印刷装置100Bおよび100Cで順次追い刷りする場合を例に挙げて説明する。
まず、印刷装置100Aの印刷に先立って、オペレーターは、印刷装置100Aの給紙トレイ51〜53にA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙をそれぞれセットする。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Aで印刷する文書に関するアプリケーションから印刷装置100Aのプリンタードライバーを実行し、PC300に印刷設定画面400を表示させる。オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷設定画面400の各ページの用紙サイズ、色、紙種について、たとえば表2に示すように印刷設定する。また、追い刷り有に設定する。
次に、オペレーターがアプリケーションから印刷を実行すると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Aに送信される。印刷装置100Aに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Aの印刷設定および印刷装置100Aで印刷される所定の共通部分画像が含まれる。
印刷装置100Aは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて共通部分画像を印刷する。そして、印刷装置100Aは、追い刷り有に設定されているため、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63にソートして排紙する。より具体的には、図7に示すように、印刷装置100Aの排紙トレイ61〜63には、印刷された用紙束がA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙ごとにページ番号順に積み上げられて排紙される。なお、図7に示す例では、各々の排紙トレイに1部ずつまとめられて合計10部ずつ排紙された場合について示している。
次に、オペレーターは、印刷装置100Aの排紙トレイ61〜63の用紙束をそのまま印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53にそれぞれ移動してセットする。したがって、印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53には、それぞれA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙がセットされる。その結果、印刷装置100Aの給紙トレイ51〜53と用紙の種類との間の対応関係が、印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53と用紙の種類との間でも維持される。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Bのプリンタードライバーを実行し、たとえば表2に示すように印刷設定する。また、追い刷り有に設定する。
次に、オペレーターがアプリケーションから印刷を実行すると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Bに送信される。印刷装置100Bに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Bの印刷設定および印刷装置100Bによって追い刷りされる所定の追い刷り版画像Bが含まれる。
印刷装置100Bは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて追い刷り版画像Bを印刷する。そして、印刷装置100Bは、追い刷り有に設定されているため、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63にソートして排紙する。たとえば、排紙トレイ61〜63には、用紙の種類ごとに仕分けされた用紙が1部ごとにページの若い順に積み上げられる。
次に、オペレーターは、印刷装置100Bの排紙トレイ61〜63の用紙束を印刷装置100Cの給紙トレイ51〜53に移動してセットする。したがって、印刷装置100Cの給紙トレイ51〜53には、それぞれA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙がセットされる。その結果、印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53と当該給紙トレイ51〜53に格納される用紙の種類との間の対応関係が、印刷装置100Cの給紙トレイ51〜53と当該給紙トレイ51〜53に格納される用紙の種類との間でも維持される。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Cのプリンタードライバーを実行し、たとえば表2に示すように印刷設定する。また、追い刷り無に設定する。
次に、オペレーターがアプリケーションから印刷を実行すると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Cに送信される。印刷装置100Cに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Cの印刷設定および印刷装置100Cによって追い刷りされる追い刷り版画像Cが含まれる。
印刷装置100Cは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて上記追い刷り版画像Cを印刷する。そして、印刷装置100Cは、追い刷り無に設定されているため、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイ61にまとめて排紙する。具体的には、印刷装置100Cは、1部ごとになるように、印刷された用紙を表2に示すページ順に1枚ずつ排紙トレイ61に排紙して積み上げる。
このように、本実施形態の印刷装置は、追い刷りする場合において、前段印刷装置の排紙トレイに異なる種類の用紙が混在しないように排紙トレイを切り替えて排紙し、後段の追い刷り用印刷装置の給紙トレイへの用紙束のセットを容易にするものである。
本実施形態の印刷装置100Aは、印刷装置100Aで印刷された用紙Sに印刷装置100Bが再度印刷する場合、すなわち印刷装置100Bが追い刷りする場合、用紙Sの種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63に用紙Sを排出する。したがって、オペレーターによって排紙トレイ61〜63から給紙トレイ51〜53へ用紙束が適切に移動される限り、印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53には、印刷装置100Aの給紙トレイ51〜53と同様に用紙Sが格納される。また、印刷装置100A〜100Cのいずれにおいても、各々の排紙トレイには用紙Sはページ番号の若い順に排出される。したがって、最終段の印刷装置100Cの排紙トレイ61には、表2に示すページ番号の順に用紙が排出されるので、最終的な印刷物のページの順番が崩れることはない。
(変形例)
図8(A)および図8(B)は、本実施形態の印刷装置の排紙方法の変形例を説明するための平面図である。本実施形態では、印刷された用紙Sを排紙トレイ61〜63に排出する際に用紙Sの種類ごとに用紙トレイ幅方向に対して排紙位置をずらすことができる。たとえば、図8(A)に示すように、A3サイズの用紙の場合、用紙トレイ幅方向のL側に寄せて排出される。一方、A4サイズの用紙の場合、用紙トレイ幅方向のR側に寄せて排出される。このように、サイズが異なる用紙を排出する際に用紙トレイ幅方向に対して排紙位置をずらすことにより、用紙Sを仕分けすることができる。したがって、オペレーターは、印刷されたA3サイズおよびA4サイズの用紙束を容易に区別することができる。
また、図8(B)に示すように、用紙トレイ幅方向の排紙位置をずらさずに、A3サイズの用紙とA4サイズの用紙の大きさの違いを利用して仕分けることもできる。図8(B)に示す例では、A3サイズの用紙をまとめて排紙したのち、A4サイズの用紙をまとめて排紙する。
このように、異なる排紙トレイに排紙するだけではなく、同じ排紙トレイ上で排紙位置をずらしたり、用紙サイズの違いを利用して排紙したりすることにより、用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排出できるので、排紙トレイの個数が足りない場合に有効である。
なお、上述した方法以外にも、用紙を仕分ける方法には、たとえば用紙の種類ごとにタブ紙やテープを間に挟み込む方法、横長/縦長の用紙を切り替えて排出する方法などがある。
以上では、印刷システム1000が前段印刷装置として機能する印刷装置100Aと追い刷り用印刷装置として機能する印刷装置100Bおよび100Cとを有する場合について説明した。しかしながら、印刷システム1000が有する追い刷り用印刷装置の台数は2台に限定されることはなく、印刷システム1000は3台以上の追い刷り用印刷装置を有してもよい。
また、以上では、異なる給紙トレイに異なる用紙の種類が割り当てられる場合について説明した。しかしながら、異なる給紙トレイに同じ用紙の種類が割り当てられるように構成してもよい。たとえば、給紙トレイ51および52の両方にA4サイズの普通紙をセットし、給紙トレイ53にA3サイズの普通紙をセットする場合を想定する。この場合、給紙トレイ51の用紙を排紙トレイ61に排紙し、給紙トレイ52の用紙を排紙トレイ62に排紙するように構成できる。あるいは、逆に給紙トレイ51の用紙を排紙トレイ62に排紙し、給紙トレイ52の用紙を排紙トレイ61に排紙するように構成してもよい。すなわち、用紙の種類が同じである場合、用紙を排出する先の排紙トレイ61〜63を給紙トレイ51〜53に応じて切り替えるように構成することが可能である。
また、用紙の種類が同じである場合、用紙を排出する先の排紙トレイ61〜63上の位置を給紙トレイ51〜53に応じてずらすように構成することが可能である。
さらに、用紙の種類が同じである場合、用紙を給紙トレイ51〜53ごとに仕分けしたのち、ソートして排紙するように構成することが可能である。
以上のとおり構成される本実施形態の印刷装置100A〜100Cは、下記の効果を奏する。
印刷装置100Bで追い刷りする場合、印刷装置100Aは、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63へ用紙を排出するので、オペレーターが用紙束を印刷装置100Aの排紙トレイ61〜63から印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53に移動し易くなる。その結果、オペレーターが用紙束を印刷装置100Aの排紙トレイ61〜63から適切な印刷装置100Bの給紙トレイ51〜53へ迅速に移動させることが可能となる。
また、印刷装置100Cで追い刷りする場合、本実施形態の印刷装置100Bは、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63へ用紙を排出するので、オペレーターが用紙束を印刷装置100Bの排紙トレイ61〜63から印刷装置100Cの給紙トレイ51〜53に移動し易くなる。その結果、オペレーターが用紙束を印刷装置100Bの排紙トレイ61〜63から適切な印刷装置100Cの給紙トレイ51〜53へ迅速に移動させることが可能となる。
また、印刷装置100Cは、最終段の印刷装置であり、追い刷り無に設定することにより、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイ61にまとめて排紙することができる。その結果、印刷装置100Cの排紙トレイ61には、原稿の印刷データと同じページ番号の順に排紙され、最終的な印刷物のページの順番が崩れることを防止できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、前段印刷装置で共通部分画像を印刷したのち、追い刷り用印刷装置で追い刷り版画像を追い刷りする場合について説明した。第2の実施形態では、同一の印刷装置で複数回印刷することにより、印刷物の共通部分画像および追い刷り版画像を印刷する場合について説明する。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成についてはその説明を省略する。
以下、図9〜図11を参照して、本実施形態の印刷装置について説明する。図9は本実施形態の印刷システムの全体構成を示す概略ブロック図であり、図10および図11は本実施形態の印刷装置の印刷処理を説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態の印刷システム1001は、印刷装置100D、ネットワーク200、およびPC300を有する。
本実施形態の印刷装置100Dは、前段印刷装置として印刷物の共通部分画像を印刷したのち、一部の構成の交換または追加、動作モードの変更などを実施することにより追い刷り用印刷装置として追い刷り版画像を印刷する。
たとえば、印刷装置100Dは、オペレーターがCMYKトナーボトルをクリアトナーボトルなどの特殊印刷用ボトルに交換することにより、追い刷り用印刷装置として機能する。
また、印刷装置100Dの定着部40は、通常の用紙を定着するための通常モードに加えて、光沢紙または厚紙を定着するための光沢/厚紙モードを有する。これらの動作モードは、必要に応じてオペレーターによって変更されうる。印刷装置100Dは、オペレーターが通常モードから光沢/厚紙モードに変更することにより、追い刷り用印刷装置として機能する。なお、通常、定着部40の温度調整などには時間がかかるため、1つの印刷ジョブ中でこれらのモードは切り換えないことが好ましい。
<印刷装置の動作>
次に、図10を参照して、本実施形態の印刷装置の印刷処理について説明する。印刷装置100Dの制御部80は、制御プログラムにしたがって以下の手順を実行する。
まず、印刷ジョブを受信する(ステップS201)。印刷装置100Dは、PC300から送信された印刷ジョブを受信し、制御部80のRAM84に一時的に保存する。印刷ジョブには、印刷装置100Dの印刷設定と印刷装置100Dで印刷される画像データとが含まれる。印刷ジョブの印刷設定および画像データの設定例を下記の表3に示す。
表3に示すように、本実施形態では、印刷設定において、追い刷り回数nの初期値niおよび総印刷回数Nを指定することができる。追い刷り回数nの初期値niは、初回印刷ジョブ受信時のnの値である。また、総印刷回数Nは、上記初期値niに共通部分画像の印刷回数の1回分を加えた値である。上記初期値niが1以上のとき追い刷り有であり、上記初期値niが0のとき追い刷り無である。追い刷り回数nの初期値niおよび総印刷回数Nは、PC300のプリンタードライバーを通じて設定することができる。
また、画像データは、追い刷り有の場合、共通部分画像データおよび追い刷り版画像データを含む。表3に示す例では、追い刷り回数nの初期値niが2に設定され、画像データは共通部分画像データと追い刷り版画像1および刷り版画像2に対応する追い刷り版画像データとを含む。一方、追い刷り無の場合、画像データは、追い刷り版画像データを含まず、共通部分画像データのみを含む。
次に、追い刷り回数設定nが1以上であるか否かを判断する(ステップS202)。印刷設定の追い刷り回数設定nが0である場合(ステップS202:NO)、印刷画像を生成する(ステップS203)。この場合、追い刷り無であるため、印刷装置100Dは、共通部分画像データに対応する共通部分画像のみを生成する。
次に、共通部分画像を形成する(ステップS204)。印刷装置100Dは、生成された共通部分画像、すなわち追い刷り版画像以外の画像を用紙に形成する。なお、用紙は給紙トレイ51〜53に予め用紙の種類ごとに格納されている。たとえば、本実施形態では、給紙トレイ51〜53にそれぞれA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙が予め格納されている。
次に、後処理設定に従い後処理を実施する(ステップS205)。印刷装置100Dは、画像が形成された用紙に印刷設定で設定された後処理を実施する。
次に、用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイへ排紙する(ステップS206)。印刷装置100Dは、後処理された用紙を用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイへ排紙する。そして、印刷装置100Dは、処理を終了する。
一方、印刷設定の追い刷り回数設定nが1以上である場合(ステップS202:YES)、印刷画像を生成する(ステップS207)。この場合、追い刷り有であるため、印刷装置100Dは、印刷画像として、共通部分画像データに対応する共通部分画像と、追い刷り版画像データに対応する追い刷り版画像とを生成する。追い刷り回数nの初期値がniの場合、追い刷り版画像1〜niの合計ni個の追い刷り版画像が生成される。表3に示す設定例の場合、ni=2であるので、追い刷り版画像1および追い刷り版画像2が生成される。
次に、追い刷り版画像および印刷設定を保存する(ステップS208)。追い刷り有に設定されている場合、本実施形態では、共通部分画像が最初に用紙に形成されたのちに追い刷り版画像が当該用紙に形成される。印刷装置100Dは、後の印刷処理で使用するため、印刷設定と追い刷り版画像1および追い刷り版画像2とをHDD83に保存する。なお、共通部分画像については、必要に応じて保存してもよい。
次に、追い刷りの際に実行できない後処理の設定を保存する(ステップS209)。印刷装置100Dは、印刷設定で設定された後処理設定のうち、追い刷り有の際に実行できない後処理の後処理設定を一時的に保存する。追い刷り有の際に実行できない後処理とは、追い刷りをする際に通紙できない処理などであり、たとえば折り処理、ステープル処理などが含まれる。
次に、実行中のジョブ設定から追い刷り有の際に実行できない後処理の設定を解除する(ステップS210)。印刷装置100Dは、実行中の印刷ジョブの印刷設定から追い刷り有の際に実行できない後処理の設定を解除することにより、当該追い刷り有の際に実行できない後処理の実行を保留する。なお、解除された後処理の設定は、後の処理で復元させることができるように制御部80のHDD83に保存される。
次に、共通部分画像を形成する(ステップS211)。印刷装置100Dは、共通部分画像、すなわち追い刷り版画像以外の画像を用紙に形成する。なお、用紙は給紙トレイ51〜53に予め用紙の種類ごとに格納されている。
次に、後処理設定に従い後処理を実施する(ステップS212)。印刷装置100Dは、印刷設定で設定された後処理設定のうち、追い刷り有の際に実行できない後処理設定を除く後処理設定の後処理を実施する。
次に、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する(ステップS213)。たとえば、本実施形態では、印刷装置100Dは、A4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、A3サイズの普通紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63へそれぞれ排紙する。そして、図11のステップS214の処理に移行する。
図11に示すように、まず、追い刷り印刷ジョブが選択されたか否かを判断する(ステップS214)。以下、印刷ジョブのうち追い刷りに関する印刷ジョブを追い刷り印刷ジョブと称する。印刷装置100Dは、排紙トレイ61〜63への排紙が完了した場合、その旨をPC300に送信する。一方、PC300は、排紙トレイ61〜63への排紙が完了した旨を受信すると、オペレーターに対して追い刷り印刷ジョブの選択を促すメッセージを画像出力部317の表示装置に表示する。給紙トレイ51〜53への用紙設定および印刷装置100Dのトナーボトル交換または印刷モード変更が完了している場合、オペレーターは、入力操作部316を介して追い刷り印刷ジョブを選択する。そして、PC300は、ネットワークI/F315を介して印刷装置100Dに追い刷り印刷ジョブが選択された旨を送信するとともに追い刷り実行コマンドを送信する。
なお、上記メッセージは、印刷装置100Dの入出力部70のタッチパネル・ディスプレイに表示されるように構成してもよい。この場合、印刷装置100Dは、追い刷り印刷ジョブが選択されたか否かについてオペレーターに確認を促すメッセージを入出力部70のタッチパネル・ディスプレイに表示する。給紙トレイ51〜53への用紙設定および印刷装置100Dのトナーボトル交換または印刷モード変更が完了している場合、オペレーターは、上記タッチパネル・ディスプレイを介して印刷装置100Dにその旨を入力する。
追い刷り印刷ジョブが選択されていないと判断された場合(ステップS214:NO)、印刷装置100Dは、追い刷り印刷ジョブの選択が完了するまで待ち続ける。一方、追い刷り印刷ジョブが選択されたと判断された場合(ステップS214:YES)、印刷装置110Dは、追い刷り実行コマンドを受信する(ステップS215)。PC300は、印刷装置100DのHDD83に保存された印刷ジョブに対して追い刷りを実行する指令を送信する。印刷装置100Dは、当該指令をPC300から受信する。なお、印刷装置100Dの入出力部70を介して印刷装置100Dに追い刷り印刷ジョブの選択が完了した旨が入力された場合は、追い刷り実行コマンドの受信を省略できる。
次に、追い刷り回数設定nが1より大きいか否かを判断する(ステップS216)。印刷設定の追い刷り回数設定nが1より大きい場合(ステップS216:YES)、印刷装置100Dは、追い刷り版画像N−nを形成する(ステップS217)。
次に、追い刷り回数設定nの値を1減算して保存する(ステップS218)。印刷装置100Dの制御部80は、追い刷りした回数をカウントするために追い刷り回数設定nの値を1減算して保存する。
次に、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する(ステップS219)。たとえば、本実施形態では、印刷装置100Dは、A4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、A3サイズの普通紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63へそれぞれ排紙する。
一方、印刷設定の追い刷り回数設定が1以下である場合(ステップS216:NO)、追い刷り有の際に実行できない後処理の設定を復元する(ステップS220)。印刷装置100Dは、最後の追い刷りを実行中であるので、ステップS210において解除した追い刷り有の際に実行できない後処理の設定を復元する。
次に、追い刷り版画像N−nを形成する(ステップS221)。印刷装置100Dは、最後の追い刷り版画像N−nを形成する。
次に、後処理設定に従い後処理を実施する(ステップS222)。印刷装置100Dは、復元された追い刷り有の際に実行できない後処理を実施する。
次に、用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイへ排紙する(ステップS223)。印刷装置100Dは、後処理された用紙を用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイへ排出する。そして、印刷装置100Dは、印刷処理を終了する。
<印刷手順の一例>
以下、第1の実施形態の「印刷手順の一例」と同様に追い刷りを2回実施する場合を例示して本実施形態の印刷手順の一例を示す。
まず、印刷装置100Dの印刷に先立って、オペレーターは、印刷装置100Dの給紙トレイ51〜53に印刷で使用する用紙をセットする。オペレーターは、たとえば、給紙トレイ51〜53にA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙をそれぞれセットする。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Dで印刷する文書に関するアプリケーションから印刷装置100Dのプリンタードライバーを実行し、上記文書の各ページの用紙サイズ、色、紙種について、たとえば表2に示すように設定する。また、印刷設定の追い刷り回数nの初期値niおよび総印刷回数Nを設定する。たとえば、表3に示すように、総印刷回数Nを3に設定し、追い刷り回数nの初期値niを2に設定する。
次に、オペレーターは、アプリケーションから印刷を実行する。アプリケーションから印刷が実行されると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Dに送信される。印刷装置100Dに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Dの印刷設定と、印刷装置100Dで印刷される共通部分画像、追い刷り版画像1および2の画像データとが含まれる。
印刷装置100Dは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて上記共通部分画像を印刷する。また、追い刷り印刷ジョブと上記追い刷り版画像1および2の画像データは、後の印刷処理で使用するため、HDD83に保存される。そして、印刷装置100Dは、上記共通部分画像が印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイに排出する。より具体的には、印刷装置100Dの排紙トレイ61〜63には、印刷された用紙束がそれぞれA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙ごとにページ番号順に排出される。
次に、オペレーターは、印刷装置100Dの排紙トレイ61〜63の用紙束をそのまま印刷装置100Dの給紙トレイ51〜53にそれぞれ移動してセットする。したがって、印刷装置100Dの給紙トレイ51〜53には、それぞれA4サイズの普通紙、A4サイズの光沢紙、およびA3サイズの普通紙がセットされる。その結果、1回目の印刷における給紙トレイ51〜53と当該給紙トレイ51〜53に格納される用紙の種類との間の対応関係が、2回目の印刷でも維持される。
次に、オペレーターは、追い刷りに対応するように印刷装置100Dの構成を変更する。オペレーターは、追い刷りに対応するトナーボトルへの交換、印刷モードへの変更などを実施する。より具体的には、オペレーターは、たとえば、印刷装置100DのYMCKトナーボトルをクリアボトルに交換する。
次に、オペレーターは、印刷装置100Dに保存されている未実行の追い刷り印刷ジョブを選択し、実行する。より具体的には、オペレーターは、入力操作部316を操作して、PC300の表示装置に表示された2つの未実行の追い刷り印刷ジョブうちの一方を選択する。
次に、印刷装置100Dは、上記追い刷り印刷ジョブの印刷設定に基づいて上記追い刷り版画像1を印刷する。印刷装置100Dは、後の印刷処理で再度追い刷りするので、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63に排紙する。
次に、オペレーターは、印刷装置100Dの排紙トレイ61〜63の用紙束をそのまま印刷装置100Dの給紙トレイ51〜53にそれぞれ移動してセットする。
次に、オペレーターは、次の追い刷りに対応するように印刷装置100Dの構成を変更する。オペレーターは、追い刷りに対応するトナーボトルへの交換、印刷モードへの変更などを実施する。
次に、オペレーターは、印刷装置100Dに保存されている他方の未実行の追い刷り印刷ジョブを実行する。
印刷装置100Dは、上記追い刷り印刷ジョブの印刷設定に基づいて上記所定の追い刷り版画像2を印刷し、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイ61〜63に排紙する。
このように、本実施形態では、印刷装置110Dが追い刷りする場合、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイ61〜63へ印刷した用紙を排出する。そして、排紙トレイ61〜63に排出された用紙束は、オペレーターによって給紙トレイ51〜53へ再度移動されてセットされる。これらの処理は、追い刷り回数nに応じて繰り返される。一方、印刷装置110Dが追い刷りしない場合、印刷装置110Dは用紙の種類ごとに仕分けせずに排紙トレイ61へ印刷した用紙を排出する。したがって、最終の印刷工程において、排紙トレイ61には、追い刷りされた用紙が表2に示すページ番号の順に排出される。
以上のとおり構成される本実施形態の印刷装置100Dは、第1の実施形態の効果に加えて以下の効果を奏する。
本実施形態の印刷装置100Dは、一部の構成を追加または変更するだけで前段印刷装置および追い刷り用印刷装置の機能を果たすことができる。したがって、複数の印刷装置を使用する必要がないので、印刷にかかる費用を削減することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、印刷ジョブ単位で追い刷りの有無を設定する場合について説明した。第3の実施形態では、ページ単位で追い刷りの有無を設定する場合について説明する。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成についてはその説明を省略する。
以下、図12〜図15を参照して、本実施形態の印刷装置について説明する。図12は本実施形態の印刷システムの概略ブロック図であり、図13は本実施形態の印刷装置の印刷処理を説明するためのフローチャートである。また、図14は本実施形態の前段印刷装置の給紙トレイおよび排紙トレイの用紙の種類を説明する模式図であり、図15は本実施形態の最終段印刷装置の給紙トレイおよび排紙トレイの用紙の種類を説明する模式図である。
図12に示すように、本実施形態の印刷システム1002は、印刷装置100E、印刷装置100F、ネットワーク200、およびPC300を有する。
本実施形態の印刷装置100Eは、前段印刷装置として、印刷物の共通部分画像を印刷する。また、印刷装置100Fは、最終段印刷装置として、前段印刷装置で追い刷り有に設定されたページについて追い刷り版画像を印刷する。一方、印刷装置100Fは、前段印刷装置で追い刷り無に設定されたページについては、追い刷りせずに排紙する。本実施形態では、印刷装置100Eおよび印刷装置100Fは、5つの給紙トレイ(給紙トレイA〜E)および4つの排紙トレイ(排紙トレイA〜D)を備える。
<印刷設定>
本実施形態では、印刷装置100Eおよび100Fは、PC300から送信される印刷ジョブをそれぞれ受信し、当該印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づいて各々用紙に画像を印刷する。印刷装置100Eの印刷設定の一例を下記の表4に示す。表4には、ページごとの追い刷り有無、パンチ、サイズ、色、給紙トレイ、穴あきについての印刷設定が示されている。
次に、印刷装置100Fの印刷設定の一例を下記の表5に示す。表5には、ページごとのZ折り、白紙挿入、サイズ、色、給紙トレイ、穴あきについての印刷設定が示されている。なお、白紙挿入の設定は、印刷済み、または印刷されていない白紙を挿入するための設定である。表5の例では、白紙挿入用の挿入紙は、給紙トレイBにセットされており、14ページ目の後ろで挿入される。また、「指定なし」は、追い刷りを実施しないため指定の必要がないことを示す。
<前段印刷装置の動作>
印刷装置100Eの制御部80は、制御プログラムにしたがって以下の手順を実行する。
図13に示すように、まず、印刷ジョブを受信する(ステップS301)。印刷装置100Eは、PC300から送信された印刷ジョブを受信する。当該印刷ジョブには、印刷装置100Eで印刷される画像データおよび印刷設定が含まれている。
次に、指定用紙に指定画像を形成する(ステップS302)。印刷装置100Eは、上記印刷設定で指定された用紙に上記画像データに基づいて画像を形成する。
次に、追い刷り有の用紙であるか否かを判断する(ステップS303)。印刷装置100Eは、追い刷り有の用紙である場合(ステップS303:YES)、すなわち後続する印刷工程で当該用紙に再度画像を形成する場合、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する(ステップS304)。そして、印刷装置100Eは、印刷処理を終了する。なお、追い刷り有の用紙か否かの判断は、その他の印刷設定を考慮してなされる。たとえば両面設定されていて、2ページ目が追い刷り設定有であれば2ページ目も含めて、追い刷り設定有の用紙と判断する。また2in1・両面設定されていて3ページ目が追い刷り設定有であれば1〜4ページは追い刷り設定有の用紙と判断する。
一方、追い刷り無の用紙である場合(ステップS303:NO)、すなわち後続する印刷工程がない場合、用紙搬送に関係する用紙の種類である場合のみ用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する(ステップS305)。そして、印刷装置100Eは、印刷処理を終了する。なお、上述したとおり、用紙搬送に関係する用紙の種類には、用紙のサイズ、給紙方向、坪量、タブ付などが含まれる。追い刷りされない用紙は、可能な限りまとめて排紙される。
<印刷手順の一例>
まず、印刷装置100Eの印刷に先立って、オペレーターは、印刷装置100Eの給紙トレイA〜Eに印刷で使用する用紙を設定する。オペレーターは、たとえば、給紙トレイA〜EにA4サイズのピンク色の用紙、A4サイズの赤色の用紙、A4サイズのクリーム色の用紙、A4サイズの白色の用紙、およびA3サイズの白色の用紙をそれぞれセットする。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Eで印刷する文書に関するアプリケーションから印刷装置100Eのプリンタードライバーを実行し、上記文書のページごとの追い刷り有無、パンチ、サイズ、色、給紙トレイ、穴あきについて、たとえば表4に示すように設定する。
次に、オペレーターがアプリケーションから印刷を実行すると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Eに送信される。印刷装置100Eに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Eの印刷設定および印刷装置100Eで印刷される共通部分画像が含まれる。
印刷装置100Eは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて共通部分画像を印刷する。そして、印刷装置100Eは、追い刷り有に設定されている用紙について、印刷された用紙を用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイBまたはCへ排紙する。一方、追い刷り無に設定されている用紙については、用紙搬送に関係する用紙の種類である場合のみ用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイAまたはDへ排紙する。
図14に示すように、排紙トレイAには、2,3,5,6,7,9,10,11,12,13,14ページ目が排紙され、排紙トレイBには、4ページ目が排紙され、排紙トレイCには、1,15ページ目が排紙され、排紙トレイDには、8ページ目が排紙される。
次に、オペレーターは、印刷装置100Eの排紙トレイA〜Dの用紙束を印刷装置100Fの給紙トレイA〜Eにそれぞれ移動してセットする。より具体的には、オペレーターは、印刷装置100Eの排紙トレイAの用紙束を印刷装置100Fの給紙トレイAに移動してセットし、印刷装置100Eの排紙トレイBの用紙束を印刷装置100Fの給紙トレイCに移動してセットし、印刷装置100Eの排紙トレイCの用紙束を印刷装置100Fの給紙トレイDに移動し、印刷装置100Eの排紙トレイDの用紙束を印刷装置100Fの給紙トレイEに移動してセットする。なお、印刷装置100Fの給紙トレイBには、印刷済み、または印刷されていない挿入紙がセットされており、当該挿入紙が14ページ目の後ろに挿入される。
次に、オペレーターは、PC300の入力操作部316を操作して、印刷装置100Fのプリンタードライバーを実行し、たとえば表5に示すように印刷設定する。
次に、オペレーターがアプリケーションから印刷を実行すると、プリンタードライバーにより印刷ジョブが生成され、印刷装置100Fに送信される。印刷装置100Fに送信される印刷ジョブには、印刷装置100Fの印刷設定および印刷装置100Fによって追い刷りされる追い刷り版画像が含まれる。
印刷装置100Fは、印刷ジョブを受信し、上記印刷設定に基づいて上記追い刷り版画像を印刷する。より具体的には、給紙トレイAおよびBの用紙については追い刷りせずにそのまま排紙トレイAに排出する。一方、給紙トレイC〜Dの用紙については上記追い刷り版画像を形成し、排紙トレイAに排出する。なお、8ページ目のA3サイズの用紙については、Z折りの後処理が施されたのちに排紙トレイAに排紙される。したがって、印刷装置100Fの排紙トレイAには、表4および表5に示すページ番号の順に用紙が排出される。
このように、本実施形態では、印刷装置100Eの印刷設定で用紙ごとに追い刷りの有無が設定される。印刷装置100Eは、追い刷り有の用紙の場合、用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する。一方、追い刷り無の用紙である場合、用紙搬送に関係する用紙の種類である場合のみ用紙の種類ごとに仕分けして排紙トレイへ排紙する。
以上のとおり構成される本実施形態の印刷装置100Eは、第1の実施形態の効果に加えて以下の効果を奏する。
追い刷りの有無をページごとに設定することができるので、前段印刷装置で印刷された用紙について、指定された一部の用紙のみに追い刷りすることが可能である。
以上のとおり、実施形態において、本発明の印刷装置、印刷システム、印刷装置の制御プログラム、および印刷装置の制御方法を説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した第1〜第3の実施形態では、PCから送信された印刷ジョブに含まれる共通部分画像および追い刷り版画像に基づいて、用紙に画像形成することについて説明した。しかしながら、用紙に画像形成する共通部分画像または追い刷り版画像として、印刷装置で直接読み取った画像やファクシミリなどで受信した画像を使用してもよい。