JP6006861B1 - 金属粉末の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉末冶金や粉末溶射等に適した、粒子径分布が狭く、且つ、純度が高い球状の金属粉末を、安価で安定して製造することができる金属粉末、特に、金属三次元積層レーザー造形に適した活性高融点金属粉末の製造装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】高周波誘導加熱により金属試料3を溶解する金属溶解部2と、金属溶解部2から流下する金属溶湯4に不活性ガスを噴霧して金属溶湯4を粉末化するガス噴霧部6と、ガス噴霧部6の金属溶湯流下孔6−1に定設されたガス噴霧孔6−5から噴霧されるガス流を制御する噴霧ガス流制御部とを備えた金属粉末の製造装置及びその製造方法。【選択図】図7

Description

本発明は、粉末冶金や粉末溶射等に適した、純度が高く粒子径分布の狭い球状金属粉末を、安価で安定して製造することができる金属粉末の製造装置及びその製造方法に関する。特に、金属三次元積層造形に適した活性高融点金属粉末の、フリーフォール型の金属粉末の製造装置及びその製造方法に関する。
従来、粉末冶金や粉末溶射等に用いられる金属粉末の製造方法としては、(1)金属酸化物や金属塩化物の還元(還元法)やカルボニル金属の熱分解(カルボニル反応法)等による化学的方法、(2)塊状金属の物理的粉砕(粉砕法)や粉末同士の圧着・破砕(メカニカルアロイング法)等による機械的方法、(3)金属溶湯を冷却したロール上に噴射して高速冷却するメルトスピニング法、(4)金属溶湯をガス(ガス噴霧法)、遠心力(遠心噴霧法)、プラズマ(プラズマ・アトマイズ法)等のエネルギーによって粉末化するアトマイズ法が用いられてきた(非特許文献1及び2)。
化学的方法は、粒子径が小さい球状粉末の製造が可能であるが、粒子径分布が広く、化学反応を伴うため、不純物の混入を避けることができず、単一工程で合金を製造することが困難であるという問題等がある。
機械的方法は、得られる粉末が不定形であり、粒子径が大きくて粒子径分布が広いという問題に加え、高温で活性なチタン(Ti)や希土類等の活性高融点金属を対象とする場合、粉砕や圧着等の際の空気中の酸素や装置との接触による汚染を避けることができないという課題がある。
メルトスピニング法も、得られる粉末が薄片状であり、粒子径が大きくて粒子径分布が広いという問題に加え、坩堝、ロール、及び、空気中の酸素の汚染を避けることが困難であるという機械的方法に共通した課題がある。
アトマイズ法は、粉末化するエネルギーの種類によって分類され、主として、水噴霧法、ガス噴霧法、及び、遠心粉末法が採用されてきた。水噴霧法とガス噴霧法は、坩堝で溶解された金属溶湯がノズルから流出する際に、高圧噴霧媒体の運動エネルギーで粉末化する方法で、その媒体の違いによって名前が区別されている。遠心粉末法は、気体や液体の高圧噴霧媒体の運動エネルギーの代わりに、ディスクの高速回転で生じる遠心力を用いて金属溶湯を粉末化する方法である。いずれも、金属溶湯を飛散させ、その液滴を凝固粉末化する方法で、安定した品質の球状の金属粉末を量産することができるという特徴があるため、粉末冶金や粉末溶射等に用いられる金属粉末の製造方法の主流をなしてきた。しかし、水噴霧法、ガス噴霧法、及び、遠心粉末法にも、水、空気中の酸素、坩堝、タンディッシュ、ディスク等の汚染の問題を内在しており、それらを解決する様々な技術開発が進められてきた。後述するように、プラズマ・アトマイズ法は、その結果として考案された、熱及び運動エネルギーによって粉末化する方法であり、特に、酸素や坩堝等の汚染を受けやすいTi等の活性高融点金属の粉末の製造を目的として創出された方法である。
まず、空気中の酸素の汚染に関しては、ガス噴霧法の高圧噴霧媒体や金属溶湯を飛散させる雰囲気として不活性ガスを用いることによって解決された。
次いで、金属溶湯と接触する坩堝やタンディッシュの汚染を防止するために、坩堝やタンディッシュとの接触を低減する方法や坩堝を使用しない方法によって、ガス噴霧法及び遠心噴霧法が改良された。又、プラズマ・アトマイズ法(Plasma Atomizing Process、PAP法)という新しい技術も開発された。
坩堝と金属溶湯との接触を低減するガス噴霧法には、コールドクルーシブル溶解法とガス噴霧法を組み合わせたレビテーション溶解−ガスアトマイズ法(Cold Crucible Levitation Melting and Gas Atomizing Process、CCLM−GA法)がある(特許文献1及び非特許文献3)。これは、金属溶湯が坩堝内壁から離れて立ち上がるため、坩堝の汚染が解決されるものの、傾動出湯方式及びそれに伴うタンディッシュ使用が課題であったが、コールドクルーシブルのボトムに金属溶湯を出湯する水冷銅製の金属溶湯ノズルを配置される改良がなされた。しかしながら、ガスを噴霧して金属溶湯を粉末化するというガス噴霧アトマイズ法自体の課題が解決された訳ではない。金属溶湯の流下方式がコンファインド型の場合には、ガス噴霧ノズルと金属溶湯ノズルが近接して噴霧ガスの流速が速いため、微細な粉末となるが、噴霧ガスが金属溶湯ノズルの先端に衝突して冷却されるため、金属溶湯ノズルが閉塞するという問題がある。又、金属溶湯ノズルの先端が、金属溶湯によって損傷或いは反応したりすると、噴霧ガスが金属溶湯の落下方向とは逆方向に噴射し、金属溶湯が逆流するという現象が生じ、金属溶湯ノズルが閉塞する。更に、金属溶湯ノズルとガス噴霧ノズルとの位置関係によっては、噴霧ガスが金属溶湯の落下方向とは逆方向に噴射し、金属溶湯が逆流するという問題もある(非特許文献4)。一方、金属溶湯の流下方式がフリーフォール型の場合、噴霧ガスの流速減衰が激しい上、重力落下する金属溶湯流が流体力学的に不安定であるため、安定した球状粉末化が難しいという問題がある。又、金属溶湯の粉末化が続くと、金属溶湯流の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって、噴霧ガスが金属溶湯の落下方向とは逆方向に噴射し、金属溶湯が逆流するという現象が生じ、粉末化できないという問題もある(特許文献2)。
又、坩堝を用いないガス噴霧法としては、高周波誘導溶解ガス噴霧法(Induction Melting Gas Atomizing Process、IAP法)が開発された。このIAP法は、円錐状の高周波誘導コイル内に、金属棒を挿入し、溶解して落下する金属溶湯にガスを噴霧させる方法である(特許文献3)。この方法も、坩堝の汚染は回避できるが、上記フリーフォール型アトマイズ方式と同様、金属溶湯の逆流という課題がある。そこで、高周波誘導コイルの形状や非接触電磁ポンプの適用による金属溶湯流の最適化(特許文献4及び5)、回転ベクトルを有するガス噴霧法(特許文献2)、噴霧ガス流量の制御(特許文献6)、並びに、フレームジェットを噴射するジェットバーナーの適用(特許文献7)等ガス噴霧流の最適化が提案された。しかしながら、未だ、粒子径が小さく、均一な金属粉末が安定して製造されるには至っていない。
以上から分かるように、坩堝を用いず、落下する金属溶湯にガスを噴霧する方法では、ガス、坩堝、タンディッシュ等の汚染を解決できるものの、粒子径が小さく、均一な金属粉末を安定して製造するためには、更なるガスの噴霧方法の開発が極めて重要であることが分かる。そのため、ガスを噴霧するノズルの形状も検討されている。従来、ガスを噴霧するノズルは、面状のスリットで、そこから円錐状の気流が金属溶湯に衝突するスリット式ガス噴霧法が一般的に用いられてきた。それに対し、個々の独立したガスを噴霧する管状の孔を形成する多孔式ガス噴霧法が提案されているが、噴霧ガス間の空隙や穴の位置及び加工精度や熱変形の問題が指摘されており、抜本的な解決策は未だ見出されていない(特許文献2)。
一方、遠心噴霧法の改良については、プラズマ回転電極法(Plasma Rotating Electrode Process、PREP法)や回転坩堝法等が提案されている。PREP法は、遠心噴霧法のディスクの汚染を改良するために開発された、タングステン(W)電極(陰極)と被溶融金属電極(陽極)との間のアーク放電を熱源とする回転電極法の問題であるW電極の汚染を更に改良したもので、プラズマアークを熱源とした方法である(非特許文献1及び5)。この方法は、純度の高い金属粉末が得られるものの、コストが高く、粒子径の小さな粉末が得られないという問題が解決されておらず、実用化されていない。
回転坩堝法も、遠心噴霧法の一種であり、従来、金属溶湯ノズルを介して、回転する坩堝の中央に、坩堝やタンディッシュから金属溶湯が供給され、遠心力によって粉末化されていた。そこで、上記IAP法と同様に、回転する坩堝内に配置された高周波誘導コイル内に金属棒を挿入し、溶解した金属溶湯を回転する坩堝の中央に供給することによって、坩堝やタンディッシュを使用しない方法に改良された(特許文献8)。しかし、装置の大型化等によってコストが高く、粒子径の小さな粉末が得られないという遠心噴霧法の課題は解決されていない。
更に、ガス噴霧法や遠心噴霧法とは異なる、新しいアトマイズ法が開発されている。プラズマを利用したPAP法である。特に、活性高融点金属であるTiの高純度粉末の製造方法として開発されたもので、Ti線の先端に、3個のプラズマ・トーチを集中させて得られる大きなエネルギーにより球状粉末にするものである(特許文献9)。しかし、コストが高く、量産性に乏しく、プラズマの大きなエネルギーによって粒子径分布の狭い金属粉末を得ることができないという課題がある。
特開平6−220509号公報 特開平8−199207号公報 特開平6−041618号公報 特開平6−116609号公報 特開2003−129114号公報 特開平10−204507号公報 国際公開第2012/157733号公報 国際公開第2009/153865号公報 米国特許第5707419号
村上陽太郎,「高品質金属粉末の製造法」,NMCニュース,第6号,2003年9月,http://www.ostec.or.jp/nmc/TOP/15(H15.6).pdf. 川村誠,大河内敬雄,「最近の合金粉末製造技術と粉末製品」,電気製鋼,第80巻1号,2009年,139−145. 大河内敬雄,清水孝純,「電磁ノズルを備えたレビテーション溶解炉におけるチタン合金粉末製造装置」,電気製鋼,第77巻4号,2006年12月,261−268. 福田匡,中西睦夫,久保敏彦,「コンファインド型ガスアトマイズノズルにおける溶湯管周辺の圧力分布」,鉄と鋼,Vol.82,No.8(1996)31−36. 時実正治,磯西和夫,「プラズマ回転電極によるTi合金粉末の製造」,Vol.37,No.4,(1990−冬)215−221.
上述したように、純度が高い球状の活性高融点金属粉末を製造する方法は、種々報告されているが、粒子径が小さくて粒子径分布が狭い球状の金属粉末及び活性高融点金属粉末を、安価で安定して製造することができる金属粉末の製造装置及びその製造方法は見出されていない。
本発明は、従来のガス噴霧法を改良して、上記課題を解決することができる金属粉末の製造装置及びその製造方法を提供することを目的としている。特に、金属三次元積層レーザー造形に適した、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、純度の高い球状の活性高融点金属粉末を製造することができる、フリーフォール型の金属粉末の製造装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、安定した品質の球状の金属粉末が量産できる粉末製造法であるガス噴霧法の金属粉末製造装置において、金属溶湯流下孔に定設されるガス噴霧孔から噴霧されるガス流を制御する噴霧ガス流制御手段、金属溶解部とガス噴射室との圧力差を解消する圧力均一化手段、又は、金属溶湯の流下を促進する吸引力向上手段のいずれもが、流下する金属溶湯に噴霧ガス流が衝突する領域で、噴霧ガスの流速減衰が抑制され、金属溶湯流の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって生じる噴霧ガスの金属溶湯の落下方向とは逆方向への噴射、すなわち、金属溶湯の逆流現象を解消できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の一態様は、高周波誘導加熱により金属試料を溶解する金属溶解部と、金属溶解部から流下する金属溶湯に不活性ガスを噴霧してその金属溶湯を粉末化するガス噴霧部と、ガス噴霧部の金属溶湯流下孔に定設されたガス噴霧孔から噴霧されるガス流を制御する噴霧ガス流制御手段とを備えたことを特徴とする金属粉末の製造装置及びその製造方法である。
この噴霧ガス流制御手段は、円柱状の筒や管のような形状であることが好ましく、耐熱性に優れた硬質材料で作製されたものであれば特に限定されるものではない。しかし、噴霧ガス流制御手段の先端は、ガス噴霧孔よりも下方において、流下する金属溶湯の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔側面の延長線の略最上端と略最下端との間に定置されている必要がある。その結果、ガス流が制御され、金属溶湯の逆流を防ぎ、粒子径が小さくて粒子径分布の狭い球状の金属粒子を製造することができる。特に、噴霧ガス流制御手段の先端が、ガス噴霧孔よりも下方において、前記金属溶湯の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔側面の延長線の略最上端と略最下端との略中点に定置されることがより好ましい。
上記噴霧ガス流制御手段に加え、ガス噴霧部からガス噴射室への大量の不活性ガスの噴霧により生じるガス噴霧部を境とする金属溶解部とガス噴射室との間の圧力差や流体力学的に不安定な金属溶湯の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって発現する金属溶湯の逆流を解消するため、金属溶解部とガス噴射室との圧力差を解消する圧力均一化手段及び/又は金属溶湯流下孔を流下する金属溶湯の流下を促進する吸引力向上手段を設けることが好ましい。更に、ガス噴霧部を境とする金属溶解部とガス噴射室との間に生じる圧力差を解消するための圧力調整不活性ガス導入手段を備えることがより好ましい。
上記圧力均一化手段は、金属溶解部とガス噴射室との間に設けられ、金属溶解部とガス噴霧とが連通する構造であれば、特に限定されるものではないが、ガス噴射室で吹き飛ばされる金属等の塵埃の金属溶解部への流入を防止するためのフィルターを連通する部分に設けることが好ましい。圧力調整不活性ガス導入手段も、特別な装置は不要であり、通常のガス供給装置を採用すればよい。
また、上記金属溶湯の流下を促進する吸引力向上手段は、高周波誘導コイルの間隙における不活性ガスの通風に起因する金属溶湯の逆流を防止する目的を達成する方法であれば、特に限定されない。例えば、高周波誘導コイルを絶縁性物質で被覆したり、逆円錐状の鋳型に高周波誘導コイルと絶縁性物質とを注いで成形する等の方法によって高周波誘導コイルの間隙を消失させることができる。簡単な方法として、高周波誘導コイルの形に添った絶縁性物質でできた漏斗を高周波誘導コイルの内側に設置することが好ましい。特に、金属溶湯の状態を可視化できる透明な石英製の漏斗が最も好ましい。
一方、金属の種類、金属溶解条件、ガス噴霧条件、連続運転等によって生じる、ガス噴霧部や高周波誘導コイルに蓄積される電荷の放電、並びに、ガス噴霧部の蓄熱による変形は、連続的に長時間安定した金属粉末の製造を妨げる要因である。これらの問題に対しては、ガス噴霧部及び高周波誘導コイルに放電手段を設け、ガス噴霧部に冷却手段を設けることによって解決される。放電手段及び冷却手段共に、一般的な方法で設けられる。放電手段としては、アースも用い、冷却手段としては、冷却水導入管で水冷銅板を冷却する構造の冷却部を設けることが好ましい。
金属粉末の製造装置のガス噴霧孔の形状については、特に制限がなく、従来の面状に形成されるスリットであって、ガス噴霧部の金属溶湯流下孔の中心に向かって形成されているものでもよいが、ガス噴霧孔の形状が、独立して形成される多孔であって、多孔がガス噴霧部の前記金属溶湯流下孔の中心に向かって配列されているものであることが、粒子径が小さく、粒子径分布の均一な球状の金属粉末を製造する上で、より好ましい。
本発明の、噴霧ガス流制御手段を備えたフリーフォール型の金属粉末の製造装置及びその製造方法により、金属溶湯の流下方向への噴霧ガスの流速減衰が抑制され、金属溶湯流の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって生じる、噴霧ガスの金属溶湯の落下方向とは逆方向への噴射(金属溶湯の逆流)という現象が解消され、粒子径が小さくて粒子径分布が狭い球状の金属粉末を安価で安定して製造することができ、粉末冶金や粉末溶射等のあらゆる分野に適した金属粉末を提供することができる。
更に、金属汚染を生起する坩堝やタンディッシュと接触することなく、不活性ガス雰囲気下で金属粉末を製造することができる上、種々の金属粉末の製造条件に対応できるため、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属及びその合金から、Ti、モリブデン(Mo)、W、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、及び、クロム(Cr)等の活性高融点金属及びその合金まで、幅広い金属粉末を製造することが製造装置であり、それを用いた製造方法を提供できる。特に、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、且つ、純度の高いTiに代表される活性高融点金属粉末を使用する必要がある、金属三次元積層レーザー造形に適した金属粉末の製造装置及びその製造方法を提供することができる。
このような効果は、噴霧ガス流制御手段に加え、更に、金属溶解部とガス噴射室との圧力差を解消する圧力均一化手段、圧力調整不活性ガス導入手段、及び、高周波誘導コイルの間隙を埋めて金属溶解部からガス噴射室への通気を高め金属溶湯の流下を促進する吸引力向上手段の中から少なくとも一つ以上併設することによってより高められる。また、金属溶湯の吸引力向上手段は、金属溶湯と高周波誘導コイルとの接触することがなくなり、高周波誘導コイルに付着する金属汚染を防止し、金属溶湯を安定に落下させる副次的な効果もある。
一方、ガス噴霧部と高周波誘導コイルに備えるアースは、電荷の蓄積による放電を防止することによって、金属試料の溶解を均一に行え、金属粉末の安定した連続的な製造が可能となる効果がある。同様に、ガス噴霧部の冷却手段も、高周波誘導コイルによって加熱されるガス噴霧部の変形を防止し、金属粉末の安定した連続的な製造が可能となる効果がある。
本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の概観を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、金属溶解部及びガス噴霧部の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、ガス流入口、ガス噴霧孔、ガス噴霧口、金属溶湯、及び、噴霧ガス流制御管の位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、ガス流入口、ガス噴霧孔、ガス噴霧口、金属溶湯、及び、噴霧ガス流制御管の位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、ガス流入口、ガス噴霧孔、ガス噴霧口、金属溶湯、及び、噴霧ガス流制御管の位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型の金属粉末の製造装置における、ガス噴霧部の噴霧ガス流の方向を示す模式図である。 本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御管に加え、圧力を均一化するためのガス噴霧部を支える柱及び圧力調整ガス導入管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の金属溶解部、ガス噴霧部、及び、ガス噴射室の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御管に加え、圧力を均一化するためのガス噴霧部を支える柱及び圧力調整ガス導入管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の切断線IVにおいて紙面に垂直に切断した断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御管に加え、圧力を均一化するための金属溶解部とガス噴霧部を連通する貫通孔及び圧力調整ガス導入管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の金属溶解部、ガス噴霧部、及び、ガス噴射室の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御管、圧力を均一化するためのガス噴霧部を支える柱、及び、圧力調整ガス導入管に加え、金属溶湯流の吸引力を向上するための漏斗を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の金属溶解部、ガス噴霧部、及び、ガス噴射室の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御管、圧力を均一化するためのガス噴霧部を支える柱、圧力調整ガス導入管、及び、金属溶湯流の吸引力を向上するための漏斗に加え、ガス噴霧部と高周波誘導コイルにアースを備えたフリーフォール型金属粉末製造装置の金属溶解部、ガス噴霧部、及び、ガス噴射室の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型の金属粉末の製造装置における、面状に形成されたスリット型ガス噴霧孔を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、独立して形成される多孔型ガス噴霧孔を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、独立して形成される多孔型ガス噴霧孔の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態である噴霧ガス流制御管を備えたフリーフォール型金属粉末製造装置における、独立して形成される多孔型ガス噴霧孔を上から見た模式図である。 従来のガス噴霧法を用いたフリーフォール型金属粉末製造装置の金属溶解部及びガス噴霧部の断面を示す模式図である。
以下、図面に描かれた一実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項に特定されるものである。
図1は、本発明の一実施形態であるフリーフォール型金属粉末製造装置の概観を示す模式図である。基本的な構成は、金属試料供給部1から金属溶解部2に金属試料棒3が供給され、高周波誘導コイル5によって溶解された金属溶湯4が、ガス噴霧部6の金属溶湯流下孔6−1で、不活性ガス流Aによって金属粉末8となりガス噴射室7に吐出され、(図示していない)ガス排気系に繋がれたガス排気部10で金属粉末収集室9に集められるようになっており、従来のフリーフォール型金属粉末製造装置と類似している。
本発明は、上記フリーフォール型金属粉末製造装置において、ガス噴霧部6の金属溶湯流下孔6−1に定置される噴霧ガス流制御手段、金属溶解部2とガス噴射室7との間に設けられる圧力均一化手段、高周波誘導コイル5に形成される金属溶湯4の吸引力向上手段、金属溶解部2に設ける圧力調整ガス導入手段、ガス噴霧部6と高周波誘導コイル5に設けられる放電手段、ガス噴霧部6に備えられる冷却手段に特徴があり、順次、図を用い、具体例を挙げて説明する。
図2は、本発明の一実施形態である、噴霧ガス流制御手段として円柱状の噴霧ガス流制御管11を定置した金属粉末の製造装置における、金属溶解部2及びガス噴霧部6を拡大した断面の模式図である。
ガス噴霧部6は、図10に示した従来技術と同じく、金属溶湯流下孔6−1、噴霧ガス導入管6−2、環状ガス通路6−3、ガス流入口6−4、ガス噴霧孔6−5、及び、ガス噴霧口6−6を備えているが、本発明の金属粉末の製造装置は、更に、金属溶湯流下孔6−1内面に、噴霧ガス流制御管11が、金属溶湯流入口6−1−1から金属溶湯流出口6−1−2にかけて定置されている。この噴霧ガス制御管11は、ガス噴霧孔6−5によって、ガス流入口6−4、ガス噴霧孔6−5、そして、ガス噴霧口6−6から吐出される噴霧ガス流Aが、金属溶湯4の広い範囲に直接衝突することを防止できるため、金属溶湯の流下方向への噴霧ガス流Aの流速減衰を抑制し、金属溶湯の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって生じる、噴霧ガスの金属溶湯の落下方向とは逆方向への噴射(金属溶湯の逆流)という現象を解消することができる。
この金属溶湯の逆流をより効果的に防止するためには、上記噴霧ガス流制御管11が適切な位置に固定される必要がある。図3A乃至図3Cを用いて、噴霧ガス流制御管11、金属溶湯4、ガス流入口6−4、ガス噴霧孔6−5、及び、ガス噴霧口6−6の好ましい位置関係を詳しく説明する。
噴霧ガス流制御管11の先端は、図3Aに示した一実施形態では、ガス噴霧孔6−5よりも下方において金属溶湯4の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最上端6−6−1の延長線上に、図3Bに示した一実施形態では、ガス噴霧孔6−5よりも下方において金属溶湯4の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最下端6−6−2の延長線上に定置されている。図3Cに示した一実施形態では、ガス噴霧孔6−5よりも下方において金属溶湯4の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最上端6−6−1の延長線とガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最下端6−6−2の延長線との略中点に定置されている。これらの位置関係にあるいずれの場合においても、噴霧ガス流Aは、図3Dに示したように、金属溶湯4の略中心に向かって噴霧されるが、図3Aから図3Cの間に定置される噴霧ガス流制御管11が、噴霧ガス流Aの流速減衰を抑制し、金属溶湯4の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって生じる金属溶湯4の逆流を効果的に防止することができる。特に、図3Cの位置関係で噴霧ガス流制御管11が固定されることが
好ましい。
以上のように、噴霧ガス流制御管11の導入によって、金属溶湯4の逆流を防止し、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、純度の高い球状の金属粉末を製造することができるが、更に、金属溶解部2とガス噴射室7との間に生じる圧力差を解消する圧力均一化手段及び/又は金属溶湯流下孔6−1を流下する金属溶湯4の流下を促進する吸引力向上手段を設けることが好ましく、金属溶解部2に圧力調整不活性ガス導入手段を備えることがより好ましい。
図4Aには、本発明の一実施形態である、圧力均一化手段としてガス噴霧部6を支える柱12を用いた金属粉末の製造装置の断面を、図4Bには、図4Aの切断線IVで紙面に垂直に切断した断面を示す。図から明らかなように、所定の間隔で設置した柱12でガス噴霧部6を支えることによって、金属溶解部2とガス噴射室7とが連通し、これらの間に生じる圧力差を解消できるため、金属溶湯4の逆流をより効果的に防止することができる。しかし、金属溶解部2とガス噴射室7とが連通することによって、ガス噴射室7で吹き飛ばされる金属等の塵埃が金属溶解部2へ流入する可能性があるため、連通する部分にフィルター13を設けることが好ましい。
ガス噴霧孔6−5を通り噴射される不活性ガスは、莫大な量に達するため、図4Aに示したように、本発明の一実施形態では、圧力調整不活性ガス導入手段として、圧力調整不活性ガス導入管14を設け、金属溶解部2とガス噴射室7との圧力差の解消を図っている。圧力調整不活性ガス導入管14を通じて、(図示されていない)一般的なガス供給装置(ガスボンベ等)から金属溶解部2内に不活性ガスが適時適量供給される。
図5には、圧力均一化手段として金属溶解部2とガス噴射室7とを連通する貫通孔15を用いた本発明の一実施形態を示した。貫通孔15は、金属溶湯4を中心とした円周状に所定の間隔で形成されており、ガス噴射室7で吹き飛ばされる金属等の塵埃の金属溶解部2への流入を防止するフィルター13が設けられている。
図6には、本発明の一実施形態である、金属溶湯流下孔6−1を流下する金属溶湯4の流下を促進する吸引力向上手段として透明な石英製の漏斗16を更に設けた金属粉末の製造装置の断面を示す。この漏斗16は、不活性ガスが大量にガス噴射室7に噴射される際に、高周波誘導コイル5の間隙の通風を遮蔽し、金属溶湯4が、金属溶湯流下孔6−1に吸引され易くする効果がある。そして、この漏斗16を設けると共に、噴霧ガス流制御管11、金属溶解部2とガス噴射室7との圧力差を解消する柱12或いは貫通孔15、及び、圧力調整不活性ガス導入管14と併用することがより好ましく、金属溶湯4が逆流することなく、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、純度の高い球状の金属粉末を安定して製造することが容易となる。
しかし、金属の種類によっては、高周波誘導コイル5よる金属の溶解条件やガス噴霧条件等を変更させる必要が生じる場合がある。又、高周波誘導コイル5をガス噴霧部6に近接させて金属粉末を製造しなければならない場合もある。このような種々の条件で連続運転をすると、ガス噴霧部6や高周波誘導コイル5に蓄積される電荷の放電、並びに、ガス噴霧部6の蓄熱による変形という問題が生じる。
図7には、このような問題に対処することができる本発明の一実施形態として、ガス噴霧部6と高周波誘導コイル5に放電手段としてアース17を、ガス噴霧部6に冷却手段として水冷銅板6−7−1に冷却水導管6−7−2を形成した冷却部6−7を設けた金属粉末の製造装置を示す。その結果、ガス噴霧部6や高周波誘導コイル5に蓄積される電荷の放電を防止すること、並びに、水ガス噴霧部6の蓄熱による変形を防止することができ、種々の金属粒子の製造条件に対応することができ、安定した連続運転を長時間に亘って実現することができる。
アース17は、一般的な方法で取付けることができるが、高周波誘導コイル5に取付ける位置は、高周波誘導コイル5の縦方向の中央より上部に接続することが好ましく、図7に示した一実施形態におけるように、最上部に接続することがより好ましい。また、図7に示した冷却部6−7は、冷却水導入管6−7−1が水冷銅板6−7−1を介してガス噴霧部6を冷却する構造を採用いているが、これに限定されるものではない。
一方、このような金属粉末の製造装置のガス噴霧孔6−5は、本発明において、特に限定されるものではなく、面状のスリット式や管状の多孔式等種々の方法を用いることができる。
図8には、本発明の一実施形態として、面状のスリット式ガス噴霧孔6−5を示す。これは、図2のガス噴霧孔付近の立体切抜き部Iの斜視図であり、ガス流入口6−4、ガス噴霧孔6−5、ガス噴霧口6−6が、面状のスリットとして、ガス噴霧部6の金属溶湯流下孔6−1の中心に向かって形成されている。本来、このような面状の噴霧ガス流Aは、金属溶湯4の中心に向かって一点に集中し、衝突や干渉が生じて金属溶湯4の逆流が生じやすいが、本発明の噴霧ガス流制御部13を設けることによって採用することが可能となった。
しかし、更に、粒子径が小さく、粒子径分布の均一な球状の金属粉末を製造するためには、ガス流入口6−4、ガス噴霧孔6−5、ガス噴霧口6−6が、図9A乃至図9Cに示すように、独立して形成される多孔であって、ガス噴霧部6の金属溶湯流下孔6−1の中心に向かって配列されているものであることがより好ましい。図9Aは図2のガス噴霧口付近の立体切抜き部Iの斜視図を、図9Bはその切断線IIの断面図を、図9Cはその平面図を示している。この多孔式からと噴霧される噴霧ガス流Aは、噴霧ガス流A間に空隙ができ、その空隙が、金属溶湯4の中心に向かって一点に集中する噴霧ガス流Aの衝突や干渉を軽減することができ、本発明の噴霧ガス流制御部13との相乗効果が発現し、金属の逆流を妨げ、粒子径が小さくて粒子径分布が狭い球状の金属粉末を安定して製造することが可能となる。
以上、本発明の金属粉末製造装置を用いた金属粉末の製造方法により、金属溶湯の流下方向への噴霧ガスの流速減衰が抑制され、金属溶湯流の一点に集中する噴霧ガスの衝突及び干渉によって生じる、噴霧ガスの金属溶湯の落下方向とは逆方向への噴射、そして、金属溶湯が逆流するという現象が解消されると共に、蓄積した電荷による放電や高周波誘導コイルによる熱変形が防止されるため、粒子径分布が狭い球状の金属粉末を安価で安定して製造することができ、粉末冶金や粉末溶射等のあらゆる分野に適した金属粉末を提供することができる。特に、坩堝やタンディッシュ等を用いない場合に好適な製造方法であるため、Ti、モリブデン(Mo)、W、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、及び、クロム(Cr)等、並びに、これらそれぞれを含む合金等の活性高融点金属について、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、且つ、純度が高い球状の粉末を安価で安定して製造することができる。特に、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、且つ、純度の高い金属粉末が必要とされる、金属三次元積層レーザー造形に適した金属粉末の製造方法を提供することができる。
実際に、図1において、図7に示す、噴霧ガス流Aの制御手段としての噴霧ガス流制御管11、金属溶湯の吸引力向上手段としての漏斗16、蓄積する電荷の放電手段としてアース17、蓄積する熱の放熱手段として冷却部6−7、及び、図9A乃至図9Cの多孔式ガス噴霧孔6−5を備えた金属粉末製造装置で、純Ti(純度99.9%)の棒状原料からTi粉末を製造した。噴霧ガス流制御管11は、その先端が、図3Cに示したように、ガス噴霧孔6−5よりも下方において、金属溶湯4の略中心線に交わるように形成されるガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最上端6−6−1の延長線とガス噴霧孔6−5の側面の略ガス噴霧口最下端6−6−2の延長線との略中点となるように定置した。そして、純Tiの棒状原料を高周波誘導コイル内に回転させながら挿入して、溶融・流下させ、次のような条件でTi粉末を製造した。
1.溶融チタン流下量:約1.0kg/分
2.ガスノズル仕様(主要寸法)
ガスジェット噴射径:20〜30mm
3.ガスジェット条件
(1)使用ガス:アルゴン
(2)噴射圧力:4〜9MPa
(3)噴射流量:約1500〜6000L/min
その結果、粒子径が20〜200μmの範囲にあり、平均粒子径が約50μmの純Ti粉末を安定して製造することができた。
本発明は、粉末溶射、粉末溶接、熱間静水圧成形、押出成形、射出成形、粉末圧延、プラズマ焼結、三次元積層レーザー造形等のあらゆる加工技術分野に適したあらゆる種類の金属粉末を提供することができる金属粉末の製造装置及びその製造方法である。更に、金属が、金属汚染を生起する坩堝やタンディッシュ等の金属粉末の製造装置と接触することがないため、Ti、Mo、W、Zr、V、及び、Cr等、並びに、これらそれぞれを含む合金等の活性高融点金属について、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、且つ、純度が高い球状の粉末を安価で安定して提供することができる。特に、粒子径が小さくて粒子径分布が狭く、且つ、純度の高い、Tiに代表される活性高融点金属粉末が必要とされる、金属三次元積層レーザー造形に適した金属粉末を提供する製造装置及びその製造方法として利用することができる。
更に、本発明の噴霧ガス流制御手段、金属溶湯の吸引力向上手段、放電手段、冷却手段、ガス噴霧手段は、フリーフォール型の金属溶湯流下方式の金属粉末製造装置にのみならず、コンファインド型の金属溶湯流下方式の金属粉末製造装置にも適用することができる。
1 金属試料供給部
2 金属溶解部
2-1 外筒
2-2 底板
3 金属試料棒
4 金属溶湯
5 高周波誘導コイル
6 ガス噴霧部
6-1 金属溶湯流下孔
6-1-1 金属溶湯流入口
6-1-2 金属溶湯流出口
6-2 噴霧ガス導入管
6-3 環状ガス通路
6-4 ガス流入口
6-5 ガス噴霧孔
6-6 ガス噴霧口
6-6-1 ガス噴霧口最上端
6-6-2 ガス噴霧口最下端
6-6-3 ガス噴霧口中心
6-7 冷却部
6-7-1 水冷銅板
6-7-2 冷却水導管
7 ガス噴射室
7-1 外筒
8 金属粉末
9 金属粉末収集室
10 ガス排気部
11 噴霧ガス流制御管
12 柱
13 フィルター
14 圧力調整ガス導入部
15 貫通孔
16 漏斗
17 アース
A 噴霧ガス流
I ガス噴霧口付近の立体切抜き部
II,III,IV 切断線1 金属試料供給部

Claims (5)

  1. 不活性ガス導入管を備え、アースが接続された高周波誘導コイル内に金属試料を通過させて前記金属試料を溶解する金属溶解部と、
    金属溶湯流下孔と、ガス噴霧孔と、冷却装置と、アースとを備え、前記金属溶解部から前記金属溶湯流下孔を流下する金属溶湯に前記ガス噴霧孔から不活性ガスを噴霧して前記金属溶湯を粉末化するガス噴霧部と、
    前記不活性ガスと共に生成する金属粉末が噴射されるガス噴射室と、
    前記金属粉末を集める金属粉末収集室と、
    を備えた金属粉末の製造装置において、
    円柱状の筒または管の先端が、前記ガス噴霧孔よりも下方において、前記金属溶湯の中心線に交わるように形成される前記ガス噴霧孔側面の延長線の最上端と最下端との中点に定置され、前記金属溶湯と接触しないように、前記ガス噴霧部の前記金属溶湯流下孔に挿入される、前記金属溶湯の逆流を防止する噴霧ガス流制御管と、
    前記金属溶解部と前記ガス噴射室とを前記金属溶湯流下孔以外で連通し、前記金属溶解部と前記ガス噴射室との圧力差を解消する圧力均一化手段とを備えた金属粉末の製造装置であって、
    前記圧力均一化手段が、前記ガス噴霧部を支持して形成されるフィルターを装着した間隙であることを特徴とする金属粉末の製造装置。
  2. 不活性ガス導入管を備え、アースが接続された高周波誘導コイル内に金属試料を通過させて前記金属試料を溶解する金属溶解部と、
    金属溶湯流下孔と、ガス噴霧孔と、冷却装置と、アースとを備え、前記金属溶解部から前記金属溶湯流下孔を流下する金属溶湯に前記ガス噴霧孔から不活性ガスを噴霧して前記金属溶湯を粉末化するガス噴霧部と、
    前記不活性ガスと共に生成する金属粉末が噴射されるガス噴射室と、
    前記金属粉末を集める金属粉末収集室と、
    を備えた金属粉末の製造装置において、
    円柱状の筒または管の先端が、前記ガス噴霧孔よりも下方において、前記金属溶湯の中心線に交わるように形成される前記ガス噴霧孔側面の延長線の最上端と最下端との中点に定置され、前記金属溶湯と接触しないように、前記ガス噴霧部の前記金属溶湯流下孔に挿入される、前記金属溶湯の逆流を防止する噴霧ガス流制御管と、
    前記金属溶解部と前記ガス噴射室とを前記金属溶湯流下孔以外で連通し、前記金属溶解部と前記ガス噴射室との圧力差を解消する圧力均一化手段とを備えた金属粉末の製造装置であって、
    前記圧力均一化手段が、前記金属溶部と前記ガス噴射室とを貫通するフィルターを装着した孔であることを特徴とする金属粉末の製造装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載の金属粉末の製造装置において、
    前記高周波誘導コイルのコイル間隙の通風を前記金属溶湯と接触することなく遮蔽し、前記金属溶湯の流下を促進する吸引力向上手段を備えたことを特徴とする金属粉末の製造装置。
  4. 請求項に記載の金属粉末の製造装置において、
    前記吸引力向上手段が、前記高周波誘導コイルの内側に前記金属試料及び金属溶湯と接触しないように設置された透明な絶縁性物質製の前記高周波誘導コイルの形に沿った漏斗であることを特徴とする金属粉末の製造装置。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の金属粉末の製造装置を用いたことを特徴とする金属粉末の製造方法。
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