JPH06172817A - 急冷金属粉末の製造方法 - Google Patents
急冷金属粉末の製造方法Info
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- JPH06172817A JPH06172817A JP35041492A JP35041492A JPH06172817A JP H06172817 A JPH06172817 A JP H06172817A JP 35041492 A JP35041492 A JP 35041492A JP 35041492 A JP35041492 A JP 35041492A JP H06172817 A JPH06172817 A JP H06172817A
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- powder
- collision plate
- atomizing
- collision
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- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 充填性の良い球状のアモルファスもしくはア
モルファスに近い急冷凝固状態の金属粉末を工業的規模
で生産性良く製造し得る急冷金属粉末の製造方法を提供
する 【構成】 水平面に対し25度以上65度以下の傾斜角
を有する衝突板4、5の1ないし複数を、アトマイズタ
ンク1のアトマイズノズル10の下方に設置してガスア
トマイズしてアモルファス状態の急冷金属粉末を製造す
る。
モルファスに近い急冷凝固状態の金属粉末を工業的規模
で生産性良く製造し得る急冷金属粉末の製造方法を提供
する 【構成】 水平面に対し25度以上65度以下の傾斜角
を有する衝突板4、5の1ないし複数を、アトマイズタ
ンク1のアトマイズノズル10の下方に設置してガスア
トマイズしてアモルファス状態の急冷金属粉末を製造す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アトマイズ法により
微細かつ球状の急冷金属粉末を得る製造方法に関する。
微細かつ球状の急冷金属粉末を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】急冷金属粉末を製造する方法としては、
以下のような方法がある。 双ロール噴霧法:(特公昭62−25722号公報
等) 原料合金の溶湯を回転する一対のロールのロール間ギャ
ップに流下させ、キャビテーションを利用して粉砕・急
冷して合金粉末を得る方法 メルトスピニング法:(特公昭62−41287号公
報等) 原料合金の溶湯を細孔よりノッチ付水冷ロール上に流下
あるいは滴下させて合金粉末を得る方法 アトマイズ法:(特開平2−34706号公報等) 原料合金の溶湯を細孔より流下させ、これに高流速の噴
霧媒(不活性ガス、水、油等)を吹き付け、粉砕・冷却
して合金粉末を得る方法
以下のような方法がある。 双ロール噴霧法:(特公昭62−25722号公報
等) 原料合金の溶湯を回転する一対のロールのロール間ギャ
ップに流下させ、キャビテーションを利用して粉砕・急
冷して合金粉末を得る方法 メルトスピニング法:(特公昭62−41287号公
報等) 原料合金の溶湯を細孔よりノッチ付水冷ロール上に流下
あるいは滴下させて合金粉末を得る方法 アトマイズ法:(特開平2−34706号公報等) 原料合金の溶湯を細孔より流下させ、これに高流速の噴
霧媒(不活性ガス、水、油等)を吹き付け、粉砕・冷却
して合金粉末を得る方法
【0003】双ロール噴霧法では、急冷金属粉末は製造
できるものの、その形状は薄片状であり、充填性のよい
球状粉末を得ることはできない。また、この方法を実施
するには相当大きな水冷ロールを設置する必要があり、
設備費が高くなり生産原価の高騰をまねく。
できるものの、その形状は薄片状であり、充填性のよい
球状粉末を得ることはできない。また、この方法を実施
するには相当大きな水冷ロールを設置する必要があり、
設備費が高くなり生産原価の高騰をまねく。
【0004】また、メルトスピニング法も、得られる金
属粉末は薄片状であり、充填性のよい球状粉末を得るこ
とはできない。また、急冷するには高回転数のロールを
必要とするが、設備の大きさに制約を受けるため、工業
的規模で生産に必要な設備を整えることは困難である。
属粉末は薄片状であり、充填性のよい球状粉末を得るこ
とはできない。また、急冷するには高回転数のロールを
必要とするが、設備の大きさに制約を受けるため、工業
的規模で生産に必要な設備を整えることは困難である。
【0005】これに対し、アトマイズ法では、得られる
金属粉末は球状であるため充填性がよく、設備面でも上
記両法に比べると工業的規模の設備を比較的安価に製造
できる。
金属粉末は球状であるため充填性がよく、設備面でも上
記両法に比べると工業的規模の設備を比較的安価に製造
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アトマ
イズ法において、アモルファスもしくはアモルファスに
近い急冷状態の金属粉末を得ようとすると、噴霧媒とし
て水や油等の液体を使わなければならず、このため金属
粉末表面に酸化物あるいは炭化物等の噴霧媒による反応
生成物が生じ、望ましくない特性劣化が起きる。
イズ法において、アモルファスもしくはアモルファスに
近い急冷状態の金属粉末を得ようとすると、噴霧媒とし
て水や油等の液体を使わなければならず、このため金属
粉末表面に酸化物あるいは炭化物等の噴霧媒による反応
生成物が生じ、望ましくない特性劣化が起きる。
【0007】この発明は、かかる現状に鑑み、充填性の
良い球状の急冷凝固状態の金属粉末を工業的規模で生産
性良く製造し得る急冷金属粉末の製造方法を提供するも
のである。
良い球状の急冷凝固状態の金属粉末を工業的規模で生産
性良く製造し得る急冷金属粉末の製造方法を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、発明者は種々と試験・研究を行った結果、溶融粒子
がアトマイズガスによって加速され相対速度が小さくな
り、熱伝達が小さくなることが、急冷できない要因であ
り、これを打破するため、溶融粒子をガス流れから分離
させる衝突板を設けること、すなわち噴霧媒である不活
性ガスと溶融粒子との相対速度が大きくなる装置を組み
合わせることにより、目的を達成し得ることを知見し、
この発明を完成するに至った。
め、発明者は種々と試験・研究を行った結果、溶融粒子
がアトマイズガスによって加速され相対速度が小さくな
り、熱伝達が小さくなることが、急冷できない要因であ
り、これを打破するため、溶融粒子をガス流れから分離
させる衝突板を設けること、すなわち噴霧媒である不活
性ガスと溶融粒子との相対速度が大きくなる装置を組み
合わせることにより、目的を達成し得ることを知見し、
この発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、この発明の急冷金属粉末の製造
方法は、水平面に対し25度以上65度以下の傾斜角を
有する衝突板の1ないし複数を、アトマイズタンクのア
トマイズノズルの下方に設置してガスアトマイズするこ
とを特徴とする。
方法は、水平面に対し25度以上65度以下の傾斜角を
有する衝突板の1ないし複数を、アトマイズタンクのア
トマイズノズルの下方に設置してガスアトマイズするこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】アトマイズノズルから滴下した溶融粒子は、ア
トマイズガスによって加速され、衝突板に衝突すること
によりガス流れから分離し、溶融粒子とガス流れとの相
対速度が大きい状態で凝固させ球状金属粉末を得ること
ができる。なお、複数の衝突板を多段に配設して溶融粒
子の衝突板への衝突を繰り返し、ガス流れによる粒子の
加速と衝突板による捕集を繰り返し行えば、より効果的
に球状金属粉末を作ることができる。
トマイズガスによって加速され、衝突板に衝突すること
によりガス流れから分離し、溶融粒子とガス流れとの相
対速度が大きい状態で凝固させ球状金属粉末を得ること
ができる。なお、複数の衝突板を多段に配設して溶融粒
子の衝突板への衝突を繰り返し、ガス流れによる粒子の
加速と衝突板による捕集を繰り返し行えば、より効果的
に球状金属粉末を作ることができる。
【0011】衝突板の形状は、円錐形または中心部に開
口を有する逆円錐形あるいは両者の組み合わせからな
り、衝突板上に粒子が停留することなく、ガス流れによ
り速やかに冷却されるように構成する。
口を有する逆円錐形あるいは両者の組み合わせからな
り、衝突板上に粒子が停留することなく、ガス流れによ
り速やかに冷却されるように構成する。
【0012】衝突板の組み合わせは、円錐形と逆円錐形
の交互配列が望ましく、相互の間隔は溶湯の物性とアト
マイズノズルの特性で決まる生成粉末の粒度分布に応じ
て適宜決定されるが、衝突板間のガス流れが十分に速い
こと、衝突板を通過するガスの圧力損失が適正な値であ
るように配慮する必要がある。
の交互配列が望ましく、相互の間隔は溶湯の物性とアト
マイズノズルの特性で決まる生成粉末の粒度分布に応じ
て適宜決定されるが、衝突板間のガス流れが十分に速い
こと、衝突板を通過するガスの圧力損失が適正な値であ
るように配慮する必要がある。
【0013】また、衝突板が存在しても粒子が著しく変
形、薄片化するのを防止するため、図4に示すように衝
突板を例えば焼結金属フィルターとして、所定角度で山
形に折り曲げた多孔質焼結金属板17を用いて、粒子が
衝突する側からガスを吹きだし、溶融粒子が衝突板に衝
突して変形しないように、粒子の速度を減じるか、ある
いは粒子の飛散方向を変化させることもできる。更に、
衝突板の別の形態として、図5に示すように、パンチン
グプレート等の多孔板21を所定角度で山形に折り曲げ
た形式のものが使用できる。
形、薄片化するのを防止するため、図4に示すように衝
突板を例えば焼結金属フィルターとして、所定角度で山
形に折り曲げた多孔質焼結金属板17を用いて、粒子が
衝突する側からガスを吹きだし、溶融粒子が衝突板に衝
突して変形しないように、粒子の速度を減じるか、ある
いは粒子の飛散方向を変化させることもできる。更に、
衝突板の別の形態として、図5に示すように、パンチン
グプレート等の多孔板21を所定角度で山形に折り曲げ
た形式のものが使用できる。
【0014】衝突板の傾斜角を限定したのは発明者の実
験による図6の結果に基づく次の理由による。すなわ
ち、傾斜角が25度以下では衝突板上に衝突して残留す
る粉末が多くなり、ガス流れによる冷却を受けないた
め、急冷状態で冷却できず球状でアモルファスもしくは
アモルファスに近い急冷凝固状態の金属粉末が得られな
い。また、65度を超えて大きく傾斜させると、衝突板
による溶融粒子の捕集が十分にできなくなり、溶融粒子
とガス流れとの相対速度が大きくとれないため凝固が遅
くなり球状の金属粉末が得られない。そのために、傾斜
角は25度から65度の範囲に限定した。なお、本発明
でいう金属粉末、急冷金属粉末の金属とは、純金属、合
金を総称している。
験による図6の結果に基づく次の理由による。すなわ
ち、傾斜角が25度以下では衝突板上に衝突して残留す
る粉末が多くなり、ガス流れによる冷却を受けないた
め、急冷状態で冷却できず球状でアモルファスもしくは
アモルファスに近い急冷凝固状態の金属粉末が得られな
い。また、65度を超えて大きく傾斜させると、衝突板
による溶融粒子の捕集が十分にできなくなり、溶融粒子
とガス流れとの相対速度が大きくとれないため凝固が遅
くなり球状の金属粉末が得られない。そのために、傾斜
角は25度から65度の範囲に限定した。なお、本発明
でいう金属粉末、急冷金属粉末の金属とは、純金属、合
金を総称している。
【0015】
実施例1 この発明の一実施例を図1に基づいて説明する。図1は
この発明に基づくアトマイズ法による急冷粉末製造装置
の概略を示す。1はアトマイズタンクであって、タンク
内部に衝突板群が設置されている。この衝突板群は、傾
斜角が25度〜65度で中心部に開口を有する逆円錐形
衝突板5の上下に、それぞれ傾斜角が25度〜65度の
円錐形衝突板4を配設してなる。
この発明に基づくアトマイズ法による急冷粉末製造装置
の概略を示す。1はアトマイズタンクであって、タンク
内部に衝突板群が設置されている。この衝突板群は、傾
斜角が25度〜65度で中心部に開口を有する逆円錐形
衝突板5の上下に、それぞれ傾斜角が25度〜65度の
円錐形衝突板4を配設してなる。
【0016】また、上記アトマイズタンク1の上には溶
解チャンバー2が形成され、その中に原料合金溶解装置
3が設けられている。この原料合金溶解装置3は、底に
出湯口8を有する耐火物るつぼ6の周囲に誘導加熱用コ
イル7を巻着し、上記出湯口8の上方には出湯口8を開
閉するストッパー9が設けられる。そして、出湯口8の
下側には高圧不活性ガスの吹出し孔11を有するアトマ
イズノズル10が設けられる。なお、アトマイズノズル
中心と各衝突板4、5の中心はアトマイズタンク1の中
心線上に一致して設ける。また、タンクの下部にはサイ
クロン12を介して製品粉末貯槽13が設けられてい
る。
解チャンバー2が形成され、その中に原料合金溶解装置
3が設けられている。この原料合金溶解装置3は、底に
出湯口8を有する耐火物るつぼ6の周囲に誘導加熱用コ
イル7を巻着し、上記出湯口8の上方には出湯口8を開
閉するストッパー9が設けられる。そして、出湯口8の
下側には高圧不活性ガスの吹出し孔11を有するアトマ
イズノズル10が設けられる。なお、アトマイズノズル
中心と各衝突板4、5の中心はアトマイズタンク1の中
心線上に一致して設ける。また、タンクの下部にはサイ
クロン12を介して製品粉末貯槽13が設けられてい
る。
【0017】ストッパー9により出湯口8を閉鎖して原
料合金を装入し、図示しない外部の電源供給装置より誘
導加熱用コイル7に電流を供給して原料合金を加熱・溶
解し、原料溶湯14が所定温度になり、かつ成分調整が
終了した後、ストッパー9を操作して所定流量で原料溶
湯14を溶湯ノズル24より供給する。アトマイズノズ
ル10には吹出し孔11から高圧の不活性ガスが噴射さ
れており、溶解装置3から流出する溶湯流に高圧ガスが
噴射され、溶湯流は粉砕され溶滴化する。
料合金を装入し、図示しない外部の電源供給装置より誘
導加熱用コイル7に電流を供給して原料合金を加熱・溶
解し、原料溶湯14が所定温度になり、かつ成分調整が
終了した後、ストッパー9を操作して所定流量で原料溶
湯14を溶湯ノズル24より供給する。アトマイズノズ
ル10には吹出し孔11から高圧の不活性ガスが噴射さ
れており、溶解装置3から流出する溶湯流に高圧ガスが
噴射され、溶湯流は粉砕され溶滴化する。
【0018】生成した溶滴は、噴射された高圧ガスと共
に衝突板4、5群に衝突しながら下降する間に急速に凝
固して球状粉末化し、タンク底のサイクロン12へ導か
れ、ここでガスと分離されて球状粉末は製品粉末貯槽1
3に回収される。
に衝突板4、5群に衝突しながら下降する間に急速に凝
固して球状粉末化し、タンク底のサイクロン12へ導か
れ、ここでガスと分離されて球状粉末は製品粉末貯槽1
3に回収される。
【0019】実施例2 図2に示すように、傾斜角が25度〜65度の円錐形衝
突板14と傾斜角が25度〜65度で中心部に開口を有
する逆円錐形衝突板15を複数(図には3本を等間隔で
放射状に配設した場合を示す)の支持ステー16により
接続した組合わせ体の2組を上下に配置した衝突板群を
図1の急冷粉末製造装置の衝突板群に換えて組込んだ装
置を作った。そして、この急冷粉末製造装置の耐火物る
つぼ6に、化学成分がC:7.10重量%(以下単に%
と記す)、Si:0.15%、Mn:0.05%、P:
12.90%、Fe:残りからなる原料合金を装入して
溶解し、溶湯の出湯温度1300℃、供給流量5.3K
g/min及び窒素ガスのガス流量4.5Nm3/mi
n、ガス圧力45Kgf/cm2の条件でアトマイズし
合金粉末(本発明1と称す)を得た。また、比較例とし
て、図1の急冷粉末製造装置の衝突板群を取り外した装
置により、上記と同じ原料合金を使い、同じアトマイズ
条件でアトマイズして合金粉末(比較例1と称す)を得
た。
突板14と傾斜角が25度〜65度で中心部に開口を有
する逆円錐形衝突板15を複数(図には3本を等間隔で
放射状に配設した場合を示す)の支持ステー16により
接続した組合わせ体の2組を上下に配置した衝突板群を
図1の急冷粉末製造装置の衝突板群に換えて組込んだ装
置を作った。そして、この急冷粉末製造装置の耐火物る
つぼ6に、化学成分がC:7.10重量%(以下単に%
と記す)、Si:0.15%、Mn:0.05%、P:
12.90%、Fe:残りからなる原料合金を装入して
溶解し、溶湯の出湯温度1300℃、供給流量5.3K
g/min及び窒素ガスのガス流量4.5Nm3/mi
n、ガス圧力45Kgf/cm2の条件でアトマイズし
合金粉末(本発明1と称す)を得た。また、比較例とし
て、図1の急冷粉末製造装置の衝突板群を取り外した装
置により、上記と同じ原料合金を使い、同じアトマイズ
条件でアトマイズして合金粉末(比較例1と称す)を得
た。
【0020】更に、別の比較例として、図1の急冷粉末
製造装置の衝突板群に換えて、図3に示す一対の冷却ロ
ール22を冷却水で強制冷却するように構成してなるロ
ール冷却装置を、アトマイズノズル10の下方位置に設
置した装置を使って、冷却ロール23の内部を冷却しな
がら、周速10.5m/sでロール冷却装置を運転し、
本発明1と同じ原料合金及びアトマイズ条件でアトマイ
ズして合金粉末(比較例2と称す)を得た。
製造装置の衝突板群に換えて、図3に示す一対の冷却ロ
ール22を冷却水で強制冷却するように構成してなるロ
ール冷却装置を、アトマイズノズル10の下方位置に設
置した装置を使って、冷却ロール23の内部を冷却しな
がら、周速10.5m/sでロール冷却装置を運転し、
本発明1と同じ原料合金及びアトマイズ条件でアトマイ
ズして合金粉末(比較例2と称す)を得た。
【0021】上記本発明1及び比較例1、2の各製品粉
末の粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果
を表1に示す。
末の粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果
を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記結果より、この発明の実施による本発
明1は、製品粉末の大部分がX線回析ではアモルファス
状態であり、急冷凝固していることがわかる。これに対
し、比較例1は、製品粉末の内25μm以下のみがアモ
ルファス状態であり、アモルフアス製品の歩留りは高々
40%であり、工業的生産の目標には達していない。ま
た、比較例2は、製品粉末の大部分がアモルファス状態
であるが、粒度分布が本発明1の製品粉末に比べ全体的
に粗粒側が多くなっている。これは、生成した粉末が偏
平になっているためと考えられる。更に、本発明1と比
較例2の各製品粉末の充填率を調べたところ、前者は5
8%と高いが、後者は45%と低い。比較例2のように
充填率が低ければ、各種の成形品を作る場合に寸法精度
並びに局部的な形状不良の点で問題がある。また、特に
磁性材料の場合には密度が低いと磁気特性に悪影響を及
ぼすことも問題である。
明1は、製品粉末の大部分がX線回析ではアモルファス
状態であり、急冷凝固していることがわかる。これに対
し、比較例1は、製品粉末の内25μm以下のみがアモ
ルファス状態であり、アモルフアス製品の歩留りは高々
40%であり、工業的生産の目標には達していない。ま
た、比較例2は、製品粉末の大部分がアモルファス状態
であるが、粒度分布が本発明1の製品粉末に比べ全体的
に粗粒側が多くなっている。これは、生成した粉末が偏
平になっているためと考えられる。更に、本発明1と比
較例2の各製品粉末の充填率を調べたところ、前者は5
8%と高いが、後者は45%と低い。比較例2のように
充填率が低ければ、各種の成形品を作る場合に寸法精度
並びに局部的な形状不良の点で問題がある。また、特に
磁性材料の場合には密度が低いと磁気特性に悪影響を及
ぼすことも問題である。
【0024】実施例3 図5に示されるようなパンチングプレート等を、傾斜角
が25度〜65度の所定角度で山形に折り曲げた多孔板
21の複数枚を間隔を開けて水平面で並列し、かつ上下
方向で千鳥状に配設してなる衝突板群を、図1の急冷粉
末製造装置の衝突板群として組込んだ装置を用いて、耐
火物るつぼ6に、化学成分がC:0.01重量%(以下
単に%と記す)、Si:0.01%、Mn:0.05
%、P:13.15%、B:7.05%、Fe:残りか
らなる原料合金を装入して溶解し、溶湯の出湯温度14
50℃、供給流量5.7Kg/min及び窒素ガスのガ
ス流量4.5Nm3/min、ガス圧力45Kgf/c
m2の条件でアトマイズし合金粉末(本発明2と称す)
を得た。また、比較例として、図1の急冷粉末製造装置
の衝突板群を取り外した装置により、上記と同じ原料合
金を使い、同じアトマイズ条件でアトマイズして合金粉
末(比較例3と称す)を得た。
が25度〜65度の所定角度で山形に折り曲げた多孔板
21の複数枚を間隔を開けて水平面で並列し、かつ上下
方向で千鳥状に配設してなる衝突板群を、図1の急冷粉
末製造装置の衝突板群として組込んだ装置を用いて、耐
火物るつぼ6に、化学成分がC:0.01重量%(以下
単に%と記す)、Si:0.01%、Mn:0.05
%、P:13.15%、B:7.05%、Fe:残りか
らなる原料合金を装入して溶解し、溶湯の出湯温度14
50℃、供給流量5.7Kg/min及び窒素ガスのガ
ス流量4.5Nm3/min、ガス圧力45Kgf/c
m2の条件でアトマイズし合金粉末(本発明2と称す)
を得た。また、比較例として、図1の急冷粉末製造装置
の衝突板群を取り外した装置により、上記と同じ原料合
金を使い、同じアトマイズ条件でアトマイズして合金粉
末(比較例3と称す)を得た。
【0025】上記本発明2及び比較例3の各製品粉末の
粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果を表
2に示す。
粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果を表
2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】上記結果より、この発明の実施による本発
明2は、製品粉末の約90%がX線的にアモルファス状
態であり、急冷凝固していることがわかる。これに対
し、比較例3は、製品粉末の内25μm以下のみがアモ
ルファス状態であり、アモルフアス製品の歩留りは約3
5%程度であり、残りの65%程度はアモルファス状態
とはならなかった。
明2は、製品粉末の約90%がX線的にアモルファス状
態であり、急冷凝固していることがわかる。これに対
し、比較例3は、製品粉末の内25μm以下のみがアモ
ルファス状態であり、アモルフアス製品の歩留りは約3
5%程度であり、残りの65%程度はアモルファス状態
とはならなかった。
【0028】実施例4 図4に示すように、第1段目として、銅合金粉末を焼結
し、全層にわたり流通孔のある多孔質材料で、その平均
開口径は0.3mm、開口率は約35%あり、25度〜
65度の所定角度で山形に折り曲げた多孔質焼結金属板
17からなり、その下面側に圧縮Arガス溜め18を設
けた衝突板を、第2段目には中心に開口を有する逆円錐
形の衝突板19を、第3段目には円錐形の衝突板20を
用いて組み合わせた衝突板群を、図1の急冷粉末製造装
置の衝突板群として組込んだ装置を用いて、外部のAr
ガス供給装置から圧縮Arガス溜め18に0.5m3/
minのArガスを供給しながら、耐火物るつぼ6に、
化学成分がC:0.01重量%(以下単に%と記す)、
Si:9.95%、Mn:0.03%、P:0.02
%、B:14.50%、Fe:残りからなる原料合金を
装入して溶解し、溶湯の出湯温度1450℃、供給流量
5.7Kg/min及び窒素ガスのガス流量4.5Nm
3/min、ガス圧力45Kgf/cm2の条件でアトマ
イズし合金粉末(本発明3と称す)を得た。また、比較
のため、図2に示す傾斜角が25度〜65度の円錐形衝
突板14と傾斜角が25度〜65度で中心部に開口を有
する逆円錐形衝突板15の組合わせ体の2組を上下に配
置した衝突板群を図1の急冷粉末製造装置の衝突板群に
換えて組込んだ装置を用いて、同じ原料合金及び同じア
トマイズ条件でアトマイズして製品粉末(本発明4と称
す)を得た。
し、全層にわたり流通孔のある多孔質材料で、その平均
開口径は0.3mm、開口率は約35%あり、25度〜
65度の所定角度で山形に折り曲げた多孔質焼結金属板
17からなり、その下面側に圧縮Arガス溜め18を設
けた衝突板を、第2段目には中心に開口を有する逆円錐
形の衝突板19を、第3段目には円錐形の衝突板20を
用いて組み合わせた衝突板群を、図1の急冷粉末製造装
置の衝突板群として組込んだ装置を用いて、外部のAr
ガス供給装置から圧縮Arガス溜め18に0.5m3/
minのArガスを供給しながら、耐火物るつぼ6に、
化学成分がC:0.01重量%(以下単に%と記す)、
Si:9.95%、Mn:0.03%、P:0.02
%、B:14.50%、Fe:残りからなる原料合金を
装入して溶解し、溶湯の出湯温度1450℃、供給流量
5.7Kg/min及び窒素ガスのガス流量4.5Nm
3/min、ガス圧力45Kgf/cm2の条件でアトマ
イズし合金粉末(本発明3と称す)を得た。また、比較
のため、図2に示す傾斜角が25度〜65度の円錐形衝
突板14と傾斜角が25度〜65度で中心部に開口を有
する逆円錐形衝突板15の組合わせ体の2組を上下に配
置した衝突板群を図1の急冷粉末製造装置の衝突板群に
換えて組込んだ装置を用いて、同じ原料合金及び同じア
トマイズ条件でアトマイズして製品粉末(本発明4と称
す)を得た。
【0029】上記本発明3及び本発明4の各製品粉末の
粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果を表
3に示す。
粒度割合を調べ、かつX線回析を行った。その結果を表
3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】上記表3の結果より、多孔質板を用いた本
発明3の場合は、粗粒が多くなっているが、球状粒子で
あり、充填率は57%と高い。また、凝固速度が多少遅
くなるため粒度範囲が105〜150μmではアモルフ
ァスと結晶質が混在した状態であった。なお、比較のた
め行った本発明4の場合に比べ多少歩留りが落ちるが、
充填率は本発明4の41%に比べ非常に高く、本発明3
によれば充填率の良い球状粉末が得られることがわか
る。
発明3の場合は、粗粒が多くなっているが、球状粒子で
あり、充填率は57%と高い。また、凝固速度が多少遅
くなるため粒度範囲が105〜150μmではアモルフ
ァスと結晶質が混在した状態であった。なお、比較のた
め行った本発明4の場合に比べ多少歩留りが落ちるが、
充填率は本発明4の41%に比べ非常に高く、本発明3
によれば充填率の良い球状粉末が得られることがわか
る。
【0032】上記本発明3の実施において用いた原料合
金は、液相線温度と固相線温度との差が大きく、本発明
1の実施において用いた通例の原料合金と同じ加熱温度
で出湯しても、凝固時間が長いため、図4のような多孔
質焼結金属板からなる衝突板を組み合わせた構造とし、
溶滴状態で固体壁へ衝突するのを避けることが球状粉末
を得るのに有効である。
金は、液相線温度と固相線温度との差が大きく、本発明
1の実施において用いた通例の原料合金と同じ加熱温度
で出湯しても、凝固時間が長いため、図4のような多孔
質焼結金属板からなる衝突板を組み合わせた構造とし、
溶滴状態で固体壁へ衝突するのを避けることが球状粉末
を得るのに有効である。
【0033】
【発明の効果】この発明は、アトマイズ法による急冷粉
末製造装置に衝突板を設けることにより、充填性の良い
球状のアモルファスもしくはアモルファスに近い急冷凝
固状態の金属粉末を工業的規模で生産性良く製造し得
る。
末製造装置に衝突板を設けることにより、充填性の良い
球状のアモルファスもしくはアモルファスに近い急冷凝
固状態の金属粉末を工業的規模で生産性良く製造し得
る。
【図1】この発明を実施するためのアトマイズ法による
急冷粉末製造装置の一例における要部を示す断面図であ
る。
急冷粉末製造装置の一例における要部を示す断面図であ
る。
【図2】この発明を実施するための衝突板群の一実施例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図3】急冷粉末製造用のロール冷却装置を示す斜視図
である。
である。
【図4】この発明を実施するための衝突板群の第2の実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図5】この発明を実施するための衝突板群の第3の実
施例を示す斜視図である。
施例を示す斜視図である。
【図6】この発明を実施するための衝突板の傾斜角とX
線回析結果との関係を示すグラフであり、アモルファス
粒子を得るのに必要な適正傾斜角を示す。
線回析結果との関係を示すグラフであり、アモルファス
粒子を得るのに必要な適正傾斜角を示す。
1 アトマイズタンク 2 溶解チャンバー 3 原料合金溶解装置 4 円錐形衝突板 5 逆円錐形衝突板 6 耐火物るつぼ 7 誘導加熱用コイル 8 出湯口 9 ストッパー 10 アトマイズノズル 11 吹出し孔 12 サイクロン 13 製品粉末貯槽 14 円錐形衝突板 15 逆円錐形衝突板 16 支持ステー 17 多孔質焼結金属板 18 圧縮Arガス溜め 19 逆円錐形衝突板 20 円錐形衝突板 21 多孔板 22 ロール冷却装置 23 冷却ロール 24 溶湯ノズル
Claims (1)
- 【請求項1】 水平面に対し25度以上65度以下の傾
斜角を有する衝突板の1ないし複数を、アトマイズタン
クのアトマイズノズルの下方に設置してガスアトマイズ
することを特徴とする急冷金属粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35041492A JPH06172817A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 急冷金属粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35041492A JPH06172817A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 急冷金属粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172817A true JPH06172817A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18410337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35041492A Pending JPH06172817A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 急冷金属粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172817A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015105391A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 鉛フリーはんだ合金粉の製造方法 |
CN105149604A (zh) * | 2015-10-20 | 2015-12-16 | 昆山德泰新材料科技有限公司 | 一种水雾法制备铜粉用雾化桶 |
CN105149606A (zh) * | 2015-10-20 | 2015-12-16 | 昆山德泰新材料科技有限公司 | 一种水雾法制备铜粉用雾化桶 |
JP6006861B1 (ja) * | 2015-10-15 | 2016-10-12 | 日新技研株式会社 | 金属粉末の製造装置及びその製造方法 |
CN107598178A (zh) * | 2017-09-15 | 2018-01-19 | 上海材料研究所 | 带气体自循环功能的多级自由式气雾化喷盘 |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP35041492A patent/JPH06172817A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015105391A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-08 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 鉛フリーはんだ合金粉の製造方法 |
JP6006861B1 (ja) * | 2015-10-15 | 2016-10-12 | 日新技研株式会社 | 金属粉末の製造装置及びその製造方法 |
JP2017075386A (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | 日新技研株式会社 | 金属粉末の製造装置及びその製造方法 |
CN105149604A (zh) * | 2015-10-20 | 2015-12-16 | 昆山德泰新材料科技有限公司 | 一种水雾法制备铜粉用雾化桶 |
CN105149606A (zh) * | 2015-10-20 | 2015-12-16 | 昆山德泰新材料科技有限公司 | 一种水雾法制备铜粉用雾化桶 |
CN107598178A (zh) * | 2017-09-15 | 2018-01-19 | 上海材料研究所 | 带气体自循环功能的多级自由式气雾化喷盘 |
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