JPH0873905A - 金属微粉末の製造装置 - Google Patents

金属微粉末の製造装置

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JPH0873905A
JPH0873905A JP21570494A JP21570494A JPH0873905A JP H0873905 A JPH0873905 A JP H0873905A JP 21570494 A JP21570494 A JP 21570494A JP 21570494 A JP21570494 A JP 21570494A JP H0873905 A JPH0873905 A JP H0873905A
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Tadashi Fukuda
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】アトマイズが安定し、少量のガスで高い歩留り
の金属微粉末を得る金属微粉末の製造装置。 【構成】溶融金属を供給する耐火物製の円筒状の溶湯管
2とその出口側の溶融金属流の周囲から複数のガスジェ
ットを逆円錐状に噴射するためのガス噴射孔3を有する
ガス噴射治具1とを備え、溶湯管出口側の下端部は段差
のない平面であり、ガス噴射孔3の出口形状は円形であ
り、ガス噴射孔の軸芯線8は溶湯管の軸芯線6と一定の
同一角度を有し、複数のガス噴射孔の軸芯線8が溶湯管
の軸芯線6上の或る一点で収束・交差し、かつ噴射孔の
軸芯線を滑らかに連ねた仮想逆円錐の曲面5、溶湯管2
外表面およびその延長面、ならびにガス噴射治具1のガ
ス噴射孔側端面およびその延長面で囲まれる空間の容積
V(mm)≦〔0.07×(D〕ただし、
:ガス噴射孔出口での噴射孔の円形断面の中心点を
滑らかに連ねた仮想円の直径(mm)であるアトマイズ
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属(以下、溶湯
という)からガスアトマイズ法により微粉末を製造する
装置、特にジェットガスの消費量を減らし、かつ微粉末
の生成割合(歩留)を向上させ、経済的に近年需要の多
い金属微粉末を製造するのに好適な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属や合金の微粉末の製造には、従来か
ら次に挙げるような各種の方法が提案または実施されて
いる。
【0003】1. 超音速のペンシルジェットを用いる方
法(特公昭62−24481 号公報):自由流下する溶湯流を
ペンシル型ジェットによってアトマイズする方式におい
て、ガスジェットの集中点が二か所になるようガス噴射
ノズルの配置角度を調整し、かつ超音速ガス流れを溶湯
に噴射する。
【0004】2. 噴射方向が変わるガスジェットを近接
噴射する方法(特開昭60−211002号公報):先端がテー
パー状の溶湯管とガス噴射孔を有する環状のガス噴射治
具とを組合せたアトマイズノズルを用いて、テーパー状
溶湯管に沿ってガスジェットを噴射し、テーパ部の角度
を変えてガスジェット流れの方向を変化させる。このよ
うなアトマイズノズルの構成により、溶湯に極めて近接
した位置からガスジェットを噴射することで、ガスの運
動エネルギーを溶湯の微粉化に有効に使用して微粉末の
収率を向上させるとともに、ガスジェット流れの掃引作
用により、微小溶滴がガス噴射装置等に沈着してガス噴
射孔を閉鎖させることを防止する。
【0005】3. 超高圧のガスを噴射する方法(特開昭6
1−266506号公報):約40MPa の超高圧ガスを、溶湯
とガスの質量比(M1/Mg)<0.6 として噴射し、20ミク
ロン以下の微粉を生成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】多種類の金属元素を多
量に含む合金では一般に徐冷すると特定の金属元素があ
る箇所に偏析して、機械的特性、耐食性等に悪影響を及
ぼすことが多い。通常、この偏析の問題は溶融金属を急
冷することでほぼ解消され、均質な金属材料が得られ
る。そして、アトマイズ法による金属微粉末の製造で
は、その冷却速度は粉末粒子の寸法でほぼ規定される。
よって、アトマイズ法で急冷によって均質な材料を得る
ためには、微粉末を生成させることが不可欠である。
【0007】前述のガスアトマイズ法による従来の微粉
末製造方法では、次のような問題点がある。
【0008】1. 超音速のペンシルジェットを用いる方
法では、大量のガス(約1Nm3/kg・金属材料)を必要
とし、かつ得られる粉末も粒度が平均50〜100 メッシュ
と大きい。
【0009】2. 噴射方向が変わるガスジェットを近接
噴射する方法では、テーパー状の溶湯管はその製作が困
難であるとともに、先端部は薄肉であるため、破損およ
び溶損を起こしやすい。特開昭60−211003号公報には、
溶湯管の材料として窒化ボロンが適当であることが示さ
れているが、窒化ボロンは高価であるとともに熱伝導度
が高いため、断熱膨張で低温となったジェットガスによ
って、溶湯管内部を通過する溶湯が冷却されて溶湯管が
閉塞しやすい欠点もある。
【0010】更に、溶湯管はガスアトマイズノズルの一
部を構成しているため、高圧のガスが溶湯管とガス噴射
治具の接続部から洩れないような構造とする必要があ
り、耐火物製の溶湯管にシール性を付与し、かつ熱膨張
および熱衝撃を考慮してアトマイズノズルを設計・製作
する事は、実際には非常に大きな困難を伴う。
【0011】3. 超高圧のガスを噴射する方法では、非
常に高圧のガスを取り扱うために、工業的には設備費、
保守管理費および運転費がいずれも高額となることか
ら、実施には解決すべき問題点が多い。
【0012】本発明の目的は、20ミクロン程度の金属微
粉末を、通常の圧力(5MPa程度以下) の少量のガス
と、溶湯管として通常の溶融金属用の廉価な耐火物とを
使用して製造することができる装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1)〜(4) の金属微粉末の製造装置にある。
【0014】(1) 金属微粉末をアトマイズ法によって
製造する装置であって、溶融金属を供給する耐火物製の
円筒状の溶湯管とその出口側の溶融金属流の周囲から複
数のガスジェットを逆円錐状に噴射するためのガス噴射
孔を有するガス噴射治具とを備え、溶湯管出口側の下端
部は段差のない平面であり、ガス噴射孔の出口形状は円
形であり、ガス噴射孔の軸芯線は溶湯管の軸芯線と一定
の同一角度を有し、複数のガス噴射孔の軸芯線が溶湯管
の軸芯線上の或る一点(幾何焦点)で収束・交差し、か
つガス噴射孔の軸芯線を滑らかに連ねた仮想逆円錐の曲
面、溶湯管外表面およびその延長面、ならびにガス噴射
治具のガス噴射孔側端面およびその延長面で囲まれる空
間の容積Vが下記式を満たすことを特徴とする金属微
粉末の製造装置。
【0015】 V( mm3 )≦〔0.07×(Dn )3〕・・・・・ ただし、Dn : ガス噴射孔出口での噴射孔の円形断面の
中心点を滑らかに連ねた仮想円の直径(mm) (2) 溶湯管出口側の端部の形状が逆円錐状であって、
その仮想逆円錐の頂角が「ガスジェットの交差角度+45
°」〜120 °の範囲であるか、または溶湯管出口側の端
部の形状が多段状であって、その多段平面の最外縁を通
る仮想逆円錐の頂角が「ガスジェットの交差角度+30
°」〜120 °の範囲であることを特徴とする上記(1) の
金属微粉末の製造装置。
【0016】(3) 複数のガスジェットが溶湯管下部の
軸芯線上の或る一点(幾何焦点)で収束・交差する角度
は25〜120 °の範囲であることを特徴とする上記(1) ま
たは (2)の金属微粉末の製造装置。
【0017】(4) 円筒状の溶湯管が、セラミック製の
内筒とこれに密着する金属製の外筒とから構成されてい
ることを特徴とする上記 (1)から(3) までのいずれかの
金属微粉末の製造装置。
【0018】
【作用】本発明の第1の製造装置の例を図1および図2
により説明する。
【0019】図1は、本発明装置で用いるガスアトマイ
ズノズルの縦断面を示す図である。
【0020】ガスアトマイズノズルは、図示するように
円筒状の溶湯管2とその周囲に密着状態で設けられる環
状のガス噴射治具1とから構成される。溶湯管2の出口
側の下端部の形状は、段差のない水平面 (後述の図3
(c) に示すようにθ=180 °) である。ガス噴射治具1
には、溶湯管2の出口側の溶融金属流の周囲から複数の
ガスジェットを逆円錐状に噴射するための複数個のガス
噴射孔3が配設されている。ガス噴射孔3はそれぞれ独
立した円孔、すなわち、その軸芯線8と直角方向の断面
形状が円形である。
【0021】ガス噴射孔3の軸芯線8は、溶湯管2の下
部の軸芯線6上の或る一点(幾何焦点)7に集束し、か
つこの点7において角度αで交差する。即ち、ガス噴射
孔3の軸芯線8は、いずれも溶湯管2の軸芯線6と一定
の同一角度 (α/2)で交差するよう配置されている。
言い換えれば、ガス噴射孔3から噴射されたガスジェッ
トは、軸芯線6と一定、同一の交差角度 (α/2)で交
差することになる。
【0022】ガス噴射孔3の出口側断面(円形)の中心
点を滑らかに連ねたガス噴射孔3列の仮想円の直径がD
n であり、この仮想円は溶湯管2の軸芯線6と直交す
る。ガス噴射孔3の軸芯線8を滑らかに連ねた仮想逆円
錐の曲面5および溶湯管2の外面、ならびにガス噴射治
具1のガス噴射孔側の壁面9で囲まれる空間4の容積が
Vである。
【0023】図2は、上記のようなアトマイズノズルを
用いる場合の金属粉末の製造装置全体の概略を示す縦断
面図である。ガス噴射治具1と溶湯管2から構成される
アトマイズノズルはアトマイズタンク10の上部内部に設
置されている。
【0024】図2の装置による金属粉末の製造は次のよ
うな方法で行われる。すなわち、溶湯管2に直結された
溶湯貯留容器11内の原料溶湯はストッパ12を引き抜く事
によってアトマイズノズルへ供給が開始される。溶湯貯
留容器11には、不活性雰囲気を保った溶湯容器(図示せ
ず)によって、真空溶解炉(図示せず)から成分調整さ
れた原料溶湯が供給される。溶湯貯留容器11およびアト
マイズノズル等は気密を保つことができるアトマイズタ
ンク10に収められ、運転開始前に真空排気された後、必
要に応じて不活性ガスをアトマイズタンク10内が所定の
圧力になるまで充填する。
【0025】溶湯貯留容器11内の溶湯は底部の小孔から
溶湯管2を通してアトマイズ域に供給される。溶湯管2
の廻りに配置されたガス噴射治具1には高圧の不活性ガ
スが供給され、ガス噴射治具1のガス噴射孔からガスジ
ェットが溶湯管2から出てくる溶湯流に向かって噴射さ
れる。溶湯流は溶滴群を生成し、さらに分裂・冷却され
て金属微粉末となり、アトマイズタンク10の底部の円錐
状部分13の下端に気密に接続されたサイクロン14で気流
と分離され粉末回収容器15に集められる。
【0026】本発明の第1の製造装置における条件の限
定理由は次のとおりである。
【0027】(a)耐火物製の溶湯管2は円筒状のものを
用いる。高強度を実現しさらに耐熱衝撃性を確保するた
めに、均質で適正な空孔率を有するものでなければなら
ない。
【0028】したがって、その水平断面が円形の耐火物
が適当である。材質は通常の溶融金属用のアルミナ、マ
グネシア、ジルコニア、アルミナ・マグネシアのスピネ
ル混合物などでよい。
【0029】(b)逆円錐形のガスジェットを用いてアト
マイズ(噴霧)を行う。すなわち、円柱状で流出する溶
湯をアトマイズするため、溶湯管2の廻りに逆円錐形の
ガスジェットを形成させる。逆円錐形のガスジェットの
軸芯線8と溶湯管の軸芯線6は一致させる。逆円錐形の
ガスジェットを用いる理由は、溶湯管2から流出する溶
湯に対して、溶湯管2の出口近傍のアトマイズ域にアト
マイズのためのガスジェットを集中させて、その運動エ
ネルギーを有効に微粉化に使用するためである。
【0030】(c)ガス噴射孔3には複数の独立した円孔
を使用する。ガス噴射孔3の形状の代表例としては、多
数の独立した噴射孔を並べる方式と環状の間隙を形成す
る方法とがあるが、環状の間隙を使用する方法は間隙が
不均一となりやすく、特に高温溶湯の場合に装置が変形
して間隙の不均一および所定値とのズレが発生し易い。
【0031】また間隙を一定にしようとすると、極めて
高い工作精度が必要になるばかりでなく、機構として大
きなものになってしまう。
【0032】(d)溶湯管2の出口の周囲に複数のガス噴
射孔3を配置する。各噴射孔3の軸芯線8が溶湯管の軸
芯線6上の或る同一の一点(幾何焦点)7に集まるよう
に、ガス噴射孔3はいずれも溶湯管2側に向かうように
斜め下向きに同一の角度で配置する。ここでさらに、ガ
スジェットの少なくとも一部が溶湯管2の下端部の外表
面に衝突するようなガス噴射治具1と溶湯管2との相対
的な配置とし、ガス噴射孔3の軸芯線8を滑らかに連ね
た仮想逆円錐の曲面5、溶湯管2の外表面およびガス噴
射治具1の端面9で囲まれる空間4(容積V)を形成す
る。このVが下記式の関係を満たすようなガス噴射孔
3の配列およびガス噴射角度αとなるようにして、アト
マイズにより金属微粉末を製造する。
【0033】 V( mm3 )≦〔0.07×(Dn )3〕・・・・・ ただし、Dn : ガス噴射孔出口での噴射孔の軸芯線と直
角方向の断面の中心点を滑らかに連ねた仮想円の直径
(mm) このように空間4の容積Vを限定する理由は、ガスジェ
ットの流れを安定にするためであり、詳しくは次のとお
りである。
【0034】ガス噴射孔3から吐出された高圧ガスジェ
ット流は、溶湯管2の出口側下端部があるために直進せ
ず、溶湯管2を回避するように斜め下方に湾曲して加速
して流れる。このように流れが加速するためにベルヌイ
の法則に従ってガスジェット流の圧力は低下し、溶湯管
出口部の圧力は周囲に比べて負圧となる。溶湯管2をガ
ス噴射治具1の下端面から長く突き出し、ガスジェット
流れが当たるようにするほど、ガスジェット流が湾曲し
て加速されるため、溶湯管出口部の圧力低下は著しくな
るが、或る値で飽和する。
【0035】本発明者が種々の検討を加えた結果、この
とき溶湯管出口部近傍でガス噴射孔の軸芯線に比べて斜
め下方の方向に湾曲した流れは一部離脱して渦を形成
し、一方、溶湯管に衝突してよどみ点を形成したガス流
れは溶湯管下端部の外面を上方に流れ、図1に示す空間
4で循環流を生成する。この循環流の強さは、ガス噴射
圧力および空間4の大きさに依存し、溶湯温度、溶湯
量、ジェットガス量等のアトマイズ条件によって決まる
或る限度を超えると、溶湯管出口部から上方に吹き上が
る溶滴量が増加し、溶滴は溶湯管外表面、または甚だし
い場合はガス噴射孔に付着して正常な溶湯流下およびガ
スジェットを阻害し、粗粒子を多量に生成してしまうと
ともに溶湯管の閉塞を引き起こすことが判明した。
【0036】さらに検討の結果、上記のような現象によ
り溶湯管の閉塞を引き起こす溶滴の吹き上がりは、溶湯
管下端部の外面を上方に流れて図1に示す空間4で生成
する循環流を抑制することで、その発生を大幅に減らす
ことができることがわかった。このようにして空間4の
容積Vを減らし、上記式を満足させることで循環流が
弱まり、溶滴の吹き上がりが実質的に無視できる程度に
抑制可能である。
【0037】(e)本発明の第1の装置で溶湯管出口側の
端面の形状を段差のない平面としテーパを設けないの
は、内部に溶湯が流れ外部に高速のガスが流れるので高
速ガスの衝突に耐え、また溶湯流の侵食に耐える強度を
確保しやすくすると共に、主としてアトマイズ開始時に
付加される熱衝撃に耐えるよう最低限必要な耐火物の肉
厚を保持するためである。また、溶湯管下端部の形状が
テーパ状であると安定したアトマイズに必要な溶湯管出
口部での負圧を生成する溶湯管位置、テーパ形状等の条
件が極めて狭い範囲に限定されるが、溶湯管が円筒状で
下端部の形状が水平であれば、安定したアトマイズに必
要な溶湯管出口部での負圧を生成するには溶湯管位置を
適正に保てばよく、その範囲もテーパ形状に比べて広
く、ある程度の設定値とのズレを許容すべき熱間での操
業に際して実際的な便宜がある。
【0038】本発明の第2の装置は、第1の装置におい
てさらに溶湯管出口側の下端部の形状を限定するもので
ある。この場合の溶湯管出口の形状例とその作用効果を
図3〜図8により説明する。
【0039】溶湯管の出口側下端部の形状は、逆円錐台
状(下向きに凸形の円錐台状)または複数の水平面を持
つ多段状とする。図3(a) は前者の例を示す溶湯管下端
部の縦断面図であり、図示するように下向きに凸形の円
錐台状、すなわち逆円錐台の縦断面形状である。点線は
仮想逆円錐、θはその頂角を示す。図3(b) は後者の例
を示す溶湯管下端部の縦断面図である。この場合は図示
するように水平の2段状の縦断面形状であるが、3段以
上の多段とすることができ、望ましいのは2〜4段の範
囲である。点線は多段面の最外縁を通る仮想逆円錐、θ
はその頂角を示す。
【0040】図4は図3(b) に示す溶湯管を用いるアト
マイズノズルの縦断面図であり、前記の図1に相当する
ものである。図4において、αはガス噴射角度、θは仮
想逆円錐の頂角である。
【0041】最も適した溶湯管の出口側下端部の形状
は、図3(a) の場合では仮想逆円錐の頂角θが「ガス噴
射角度α+45°」〜120 °の範囲、図3(b) の場合で
は、同じく「ガス噴射角度α+30°」〜120 °の範囲で
ある。
【0042】これらの理由は、溶湯管下端部の形状によ
って、溶湯の安定流下に関係の深い溶湯管出口部の圧力
およびアトマイズ域におけるガス流速の値に大きな相違
が生じ、生成粉末粒子径が大きな影響を受けるためであ
る。
【0043】この影響調査は次のよう比較試験により行
った。すなわち、図4に示すガスアトマイズノズル〔溶
湯管は図3(b) のもの。θ=90°〕、さらにこれに図3
(a)の溶湯管(θ=60°)と図3(c) の溶湯管(基本形
状は図1に示すものと同じ。
【0044】θ=180 °)を適用したガスアトマイズノ
ズルを用いて、Arガスを噴射したときの溶湯管出口部の
圧力を測定した。ただし、圧力測定には図3に示す溶湯
管と同寸法・形状の金属製プローブを用い、ガス噴射治
具の下端面からの溶湯管の突き出し長を変化させた。こ
の場合のDn は26mm、容積Vは溶湯管形状が図3 (a)、
(b) 、(c) のいずれの場合も 523 mm3、Arガス噴射圧力
は1MPa 、ガス噴射角度αは45°の一定条件である。
その結果を図5〜図8に示す。
【0045】図5は溶湯管出口部の圧力に及ぼす仮想逆
円錐の頂角θと溶湯管の突き出し長との影響を示す図で
ある。図6は溶湯管出口部の圧力に及ぼす溶湯管の形状
別の仮想逆円錐の頂角θの影響を示す図である。図7は
幾何焦点廻りのガス流速分布に及ぼす溶湯管の出口部の
形状の影響を示す図である。図8は、幾何焦点廻りのガ
ス流速の断面平均値と溶湯管のガス噴射治具からの突き
出し長との関係を仮想逆円錐の頂角θをパラメータとし
てまとめた例を示す図である。
【0046】ガス流速の測定にはピトー管プローブを用
い、測定した動圧と静圧から流速を算出した。なお、測
定点において超音速の場合はレイリーのピトー管公式に
よってプロープ前方に生成する離脱衝撃波の影響を考慮
した。
【0047】図5および図6に示す結果から明らかなよ
うに、溶湯管下端部の縦断面形状が逆円錐台状または水
平の多段状の場合には、溶湯管出口部に生成する負圧は
図3(c) に示すような下端部が水平面状の場合より小さ
くなる。さらにこの負圧は、図6に示すように、図3
(a) のような逆円錐形状で溶湯管下端部の仮想逆円錐の
頂角θとガス噴射角度αとの差が45°より小さい場合、
または図3(b) のような形状で溶湯管下端部の仮想逆円
錐の頂角θとガス噴射角度αとの差が30°より小さい場
合には、いずれも発生しない。
【0048】図7に示す結果から、溶湯管下端部の形状
が図3(b) に示す形状である場合には、溶湯管の突き出
し長が増加しても、ガス流速の低下が少ないことがわか
る。
【0049】これに対して、溶湯管下端部の形状が図3
(c) に示すような水平の場合、安定したアトマイズに必
要な溶湯管出口部での負圧を保持し、かつガス流速が大
きく低減しないようにするには、溶湯管位置を限られた
範囲に保つことが必要である。
【0050】図8は溶湯管下端面の形状(円錐台の頂角
θ)について適正範囲を求めるために行った検討結果で
ある。即ち、図3 (b)の形状ではθは 120°より小さい
必要があることがわかる。同様の結果が図3(a) の形状
の場合も得られ、θは 120°よりも小さくする必要があ
ることがわかった。
【0051】しかし、図8に示すようにその許容範囲は
かなり狭く、アトマイズ操業には注意を要する。即ち、
溶湯管下端部の仮想逆円錐の頂角θが 120°を超え 180
°以下〔図3(c) に示すような水平状〕では、突き出し
長を増すとガス流速の低下が比較的大きいため、ガス流
速が高く、かつ管出口部で負圧を保つ条件をも満たす突
き出し長は狭い範囲に限定される。アトマイズ操業にお
いては、溶湯流下の不安定・溶滴の吹き上げは運転停止
に至ることが多々あるため、溶湯管下端部の位置を安定
した負圧生成域に配置することが多いが、このような溶
湯管配置では幾何焦点でのガス流速の大きな低下を招き
やすい。
【0052】一方、溶湯管下端部の仮想円錐の頂角θが
120°以下の場合、突き出し長を増してもガス流速の低
下は比較的緩やかである。このため、ガス流速が高く、
かつ管出口部で負圧を保つ条件を満たす突き出し長の範
囲が拡大され、アトマイズ操業の可能範囲が拡がる。
【0053】上記のように溶湯管下端部の形状によって
ガス流速に与える溶湯管突き出し長の影響が異なるの
は、溶湯管下端部近傍を噴射ガスジェットが流れること
で生成する(乱流)境界層の構造が異なるためと考えら
れる。
【0054】なお、溶湯管下端部の形状が図3(a) に示
すような逆円錐台であり、その仮想逆円錐の頂角が「ガ
ス噴射角度+45°」未満、または同じく図3(b) に示す
ような多段状であり、その仮想逆円錐の頂角が「ガス噴
射角度+30°」未満である場合は、溶湯管出口部に負圧
が発生せず、溶湯が円滑に流下しないため、アトマイズ
操業が困難であることに加え、溶湯管の特に先端部が薄
肉となって機械的強度が必要値を確保できないことが多
い。
【0055】本発明の第3の装置は、前述の第1および
第2の装置で、複数のガスジェットが溶湯管下部の軸芯
線上の或る一点(幾何焦点)で収束・交差する角度(交
差角度)を25〜120 °の範囲に限定したものである。た
だし、この交差角度の適正値は溶湯管出口側の下端部の
形状によって変えることが望ましい。
【0056】まず、この下端部の形状が本発明の第1の
装置、すなわち図1または図3(c)に示すような溶湯
管下端部の形状が水平の場合の望ましい交差角度の範囲
は、25〜120 °である。前記式を満足する装置で
は、特にガス噴射孔と溶湯管の配置によって実際的な微
粉化効果および操業安定性が異なる。すなわち、その性
能は主としてアトマイズノズルの設計に依存する。
【0057】本発明装置の標準的なアトマイズノズルに
おけるガス噴射孔と溶湯管の配置の概略は図1に示すも
のであるが、ここでジェットの交差角度αが大きい方が
図1に示す空間4の容積Vを減らすために有利である。
しかし、噴射角度αが大きすぎると溶湯管出口部での負
圧が生成せず、吹き上げが発生しやくなる。またアトマ
イズを安定させるためにジェットの交差角度αを小さく
する場合には、空間4の容積Vを減らすために図9また
は図10のような配置にしてもよい。
【0058】図9および図10は、本発明の第3の装置で
用いるアトマイズノズルの例を示す縦断面図である。図
9ではガス噴射孔を、溶湯管に近接させるため、ガス噴
射治具の側面壁に設けてあり、図10では、ガス噴射治具
の下端面に上記容積Vを減らすべく、突起を設けてい
る。しかしながら、小さいガスジェット交差角度αで噴
射するほど、ジェットガスに周囲のガスが巻き込まれて
流速が低下したガスで溶湯をアトマイズすることになる
ため、微粉末の歩留りが低下しやすい。従って、図1に
示すアトマイズノズルの場合と比べて、図9のようなガ
ス噴射治具1ではガス噴射孔3の工作精度に注意を払わ
なければならない。また、図10に示すようなアトマイズ
ノズルでは、本来の目的である少量ガスによる微粉化を
達成するためには適正範囲について十分な配慮が必要で
ある。
【0059】本発明者は、ガスジェット交差角度αの適
正値を確認するために、まず、本発明の図1に示すよう
な逆円錐形状の複数のガスジェットを噴射することがで
きるアトマイズノズルを用い、ガスジェットと溶湯管の
軸芯線との交差角度α/2の異なるアトマイズノズルを
用いて、表1に示す化学組成のFeSiB材料を対象とし
て、表2に示す条件で粉末製造試験を行った。この結果
を図11に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】図11は上記試験で製造された粉末の平均粒
径に及ぼすガスジェット交差角度αの影響を示す図であ
る。図示のとおり、ガスジェットの交差角度αが25°未
満であると生成粉末の平均粒度が上昇してしまう。一
方、 120°を超えると溶湯の吹き上がりが著しく、アト
マイズ作業が不可能であった。以上から、溶湯管出口側
下端部の形状が段差のない水平面である場合のガスジェ
ットの交差角度αの範囲は25〜120 °が適正であるとし
た。
【0063】一方、溶湯管出口側下端部の形状が、図3
(a) および図3(b) に示すような逆円錐台状または多段
状の場合には、望ましい交差角度αの範囲は25〜85°で
ある。
【0064】この確認は次のような試験により行った。
表1に示すFeSiB 材料を対象として図4に示すアトマイ
ズノズル〔溶湯管は図3(b) の形状〕を組み込んだ図2
に示す粉末製造装置を用い、交差角度αを変化させて表
3に示す条件で粉末製造試験を行った。この場合のDn
は26mm、容積Vは523mm3とし、前記式による限界容積
(967mm3)よりも小さい。結果を図12に示す。
【0065】
【表3】
【0066】図12は、端部が多段状の溶湯管を用いた場
合の粉末の平均粒径に及ぼす交差角度αの影響を示す図
である。図12に示すように、交差角度αが25°未満では
生成粉末が粗粒化し、一方、80°を超えると吹上げ状態
となって粉末生成が不可能となることがわかる。すなわ
ち、溶湯管出口側の下端部の形状が図3(b) に示すよう
な多段状の場合には、ガスジェットの交差角度αの範囲
は25〜80°の範囲が適正である。ガス流速の減衰および
溶湯滴の吹き上がり防止の点から、下限値と上限値がそ
れぞれ決まり、上記の適正範囲が定まるのであるから、
この適正範囲は図3(a) に示すような溶湯管出口側の下
端部の形状が逆円錐台状の場合にも当てはまる。
【0067】本発明装置で用いる円筒状の溶湯管は、上
記のいずれの装置の場合においてもセラミック製の内筒
とこれに密着する金属製の外筒とで構成されているもの
とすることができる。
【0068】アトマイズノズルと溶湯管は独立の部品と
し、両者のうちいずれか一つを予め所定の位置に配置し
た後、残りの一つを所定の相対的な位置関係になるよう
に配置するのが望ましい。溶湯容器や溶湯流を生成する
溶湯管等の溶湯を取り扱うための部品と高圧ガスを噴射
するガス噴射治具とは、別の部品として組み立て、後で
所定の位置関係になるように調整可能な構造であること
が実際の操業の便宜上必要である。
【0069】図13は溶湯管をセラミック製内筒と金属製
外筒とで構成する場合の例を示す縦断面図である。16は
金属製外筒、17はセラミック製内筒である。これらの場
合、アトマイズノズルの組み立ては次のように行うこと
ができる。すなわち、図2に示すガス噴射治具1に溶湯
管2の外層となる金属製外筒16を一体的に配置してお
き、溶湯容器11と接続されたセラミック製内筒17をこの
金属製外筒16内に挿入し、セラミック用接着剤等を用い
て金属製外筒16とセラミック製内筒17との間隙を充填す
る。
【0070】溶湯管の下端部の形状を図13(a) に示す逆
円錐台状のものとする場合は、金属製外筒の下部端面は
逆円錐台の一部を構成するように面取り加工を施し、同
じく図13(b) に示す多段状のものとする場合は、セラミ
ック製内筒の長さを金属製外筒より長くしておき、組立
後に二段面体になるように加工を施し、それぞれ、前記
交差角度の条件が満たされるようにする。
【0071】外筒となる金属材料としては、耐熱強度、
高温耐食性があり加工性もよいことが必要であり、オー
ステナイト系または二相系のステンレス鋼などが適して
おり、その厚さは 0.5〜1.5mm の範囲とするのが望まし
い。
【0072】このような方法で溶湯管の外層を金属製外
筒とする場合には、さらに次のような効果が期待でき
る。即ち、金属製の外筒とガス噴射治具との間隙が少な
くシール性がよくなって、溶湯管出口部に負圧が生じや
すくなり溶湯流下が安定する。
【0073】
【実施例】
(試験1)図1および図2に示す本発明の装置と図15に
示す比較例のアトマイズノズルを組み込んだ図2に示す
装置を用いて、表1および表4に示す条件で金属微粉末
の製造試験を実施した。操業手順は前述の図2の説明の
とおりである。
【0074】ガス噴射孔はいずれも20個の独立した直径
1.5 mmの円孔であり、Dn はいずれも26mmとした。溶湯
管の外径は本発明例では20mm、比較例では16mmであり、
溶湯管出口端は平面(θ=180 °) である。溶湯管の突
き出し長は本発明例では8.15mm、比較例では28.4mmとし
た。ガス噴射孔の軸芯線を滑らかに連ねた仮想逆円錐の
曲面、溶湯管の外面およびガス噴射治具の壁面で囲まれ
る容積Vは、本発明例では 589 mm3であり、本発明に基
づき式で定めた限界容積(967mm3) より少ない。一
方、図15に示す比較例では、容積Vを上記限界容積より
も大きい3118mm3とした。表4に試験結果を併せて示
す。
【0075】
【表4】
【0076】表4からわかるように、本発明の装置は微
粉末の生成に適しているばかりでなく、消費ガス量が少
ないこと、操業安定性に優れていることが明らかであ
る。 (試験2)図4に示すアトマイズノズル〔溶湯管の形状
は図3(b) のもの〕を組み込んだ図2の本発明の装置
と、さらに溶湯管を図3(a) と図3(c) の形状に替えて
図4に示す構成としたアトマイズノズルを組み込んだ図
2の本発明の装置を用いて、表1に示す材料を対象とし
て表5に示す条件で、金属微粉末の製造試験を実施し
た。結果を表6に示す。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】ガス噴射孔とDn は試験1と同条件とし
た。前記容積Vは、溶湯管形状が図3(a) (b) (c) のい
ずれの場合も 589 mm3、交差角度αは 45 °である。
【0080】表6に示す結果から、溶湯管形状が図3
(a) および図3(b) の場合の本発明装置は微粉末の生成
に適しており、操業安定性に優れていることが明らかで
ある。
【0081】一方、図3(c) の場合は、操業がやや不安
定で、他の形状に匹敵または上回る微粉生成能を示す場
合と吹き上げを発生する場合の確率が50%よりも大きい
と言える。
【0082】(試験3)前記容積Vの影響を確認する試
験を実施した。材料は表1と同じ、装置は上記試験2と
同じものである。溶湯管の外径は20mm、その他の条件は
表7および表8に示すとおりとした。この結果を図14に
示す。
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】図14は平均粉末粒子径とV/ (Dn )3
の関係を示す図である。図14に示すように、本発明のア
トマイズ粉末製造装置では、ガス噴射孔の軸芯線を滑ら
かに連ねた仮想逆円錐の曲面、溶湯管の外面およびガス
噴射治具の壁面で囲まれる容積Vが、前記式を満たす
ようなガス噴射孔の配置および交差角度とにすること
が、溶滴の吹き上げを防止してアトマイズを可能にする
条件であることが確認された。
【0086】
【発明の効果】本発明装置によれば、アトマイズが安定
し、吹き上げ等の異常が格段に減少するとともに、ガス
流速の大幅な低下が避けられるため、少量のガスで高い
歩留りの金属微粉末を得ることができる。特に、市販程
度の圧力のガスで微粉化効果が得られるため、安定して
微粉末を生成させることが可能であり、工業的効果が大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置のガスアトマイズノズルの縦断面
の例を示す図である。
【図2】図1のアトマイズノズルを用いる場合の、金属
粉末の製造装置全体の概略を示す縦断面図である。
【図3】本発明装置の溶湯管下端部の形状の例を示す縦
断面図である。
【図4】図3(b) に示す溶湯管を用いるアトマイズノズ
ルの縦断面図である。
【図5】溶湯管出口部の圧力に及ぼす仮想逆円錐の頂角
θと溶湯管の突き出し長さとの影響を示す図である。
【図6】溶湯管出口部の圧力に及ぼす溶湯管の形状別の
仮想逆円錐の頂角θの影響を示す図である。
【図7】幾何焦点廻りのガス流速分布に及ぼす溶湯管の
形状別の幾何焦点からの水平距離の影響を示す図であ
る。
【図8】幾何焦点廻りのガス流速の断面平均値と溶湯管
突き出し長さとの関係を仮想逆円錐の頂角θをパラメー
タとしてまとめた例を示す図である。
【図9】本発明装置のアトマイズノズルの別の例を示す
縦断面図である。
【図10】本発明装置のアトマイズノズルの更に別の例
を示す縦断面図である。
【図11】粉末の平均粒径に及ぼす交差角度αの影響を
示す図である。
【図12】粉末の平均粒径に及ぼす交差角度αの影響を
示す図である。
【図13】二層からなる溶湯管の例を示す縦断面図であ
る。
【図14】平均粒径とV/(Dn )3との関係を示す図であ
る。
【図15】比較例で用いたアトマイズノズルを示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1:ガス噴射治具、2:溶湯管、3:ガス噴射孔、4:
空間、5:ガス噴射孔の軸芯線を滑らかに連ねた仮想逆
円錐の曲面、6:溶湯管の軸芯線、 7:幾何焦点、
8:ガス噴射孔の軸芯線、9:ガス噴射治具の
壁面、10:アトマイズタンク、11:溶湯貯留容器、12:
ストッパ、 13:アトマイズタンク底部の円錐
状部分、14:サイクロン、 15:粉末回収容器、
16:金属製外筒、17:セラミック製内筒、 α:ガ
ス噴射角度、β:ガスジェットと溶湯管の軸芯線との交
差角度、θ:仮想逆円錐の頂角、Dn :ガス噴射孔の出
口側断面の中心点を滑らかに連ねた仮想円の直径

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属微粉末をアトマイズ法によって製造す
    る装置であって、溶融金属を供給する耐火物製の円筒状
    の溶湯管とその出口側の溶融金属流の周囲から複数のガ
    スジェットを逆円錐状に噴射するためのガス噴射孔を有
    するガス噴射治具とを備え、溶湯管出口側の下端部は段
    差のない平面であり、ガス噴射孔の出口形状は円形であ
    り、ガス噴射孔の軸芯線は溶湯管の軸芯線と一定の同一
    角度を有し、複数のガス噴射孔の軸芯線が溶湯管の軸芯
    線上の或る一点(幾何焦点)で収束・交差し、かつガス
    噴射孔の軸芯線を滑らかに連ねた仮想逆円錐の曲面、溶
    湯管外表面およびその延長面、ならびにガス噴射治具の
    ガス噴射孔側端面およびその延長面で囲まれる空間の容
    積Vが下記式を満たすことを特徴とする金属微粉末の
    製造装置。 V( mm3 )≦〔0.07×(Dn )3〕・・・・・ ただし、Dn : ガス噴射孔出口での噴射孔の円形断面の
    中心点を滑らかに連ねた仮想円の直径(mm)
  2. 【請求項2】溶湯管出口側の端部の形状が逆円錐状であ
    って、その仮想逆円錐の頂角が「ガスジェットの交差角
    度+45°」〜120 °の範囲であるか、または溶湯管出口
    側の端部の形状が多段状であって、その多段平面の最外
    縁を通る仮想逆円錐の頂角が「ガスジェットの交差角度
    +30°」〜120 °の範囲であることを特徴とする請求項
    1に記載の金属微粉末の製造装置。
  3. 【請求項3】複数のガス噴射孔の軸芯線が溶湯管の軸芯
    線上の或る一点(幾何焦点)で収束・交差する角度は25
    〜120 °の範囲であることを特徴とする請求項1または
    請求項2のいずれかに記載の金属微粉末の製造装置。
  4. 【請求項4】円筒状の溶湯管が、セラミック製の内筒と
    これに密着する金属製の外筒とから構成されていること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記
    載の金属微粉末の製造装置。
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