JP2021130865A - 金属粉末製造装置及び金属粉末製造方法 - Google Patents

金属粉末製造装置及び金属粉末製造方法 Download PDF

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JP2021130865A JP2020028223A JP2020028223A JP2021130865A JP 2021130865 A JP2021130865 A JP 2021130865A JP 2020028223 A JP2020028223 A JP 2020028223A JP 2020028223 A JP2020028223 A JP 2020028223A JP 2021130865 A JP2021130865 A JP 2021130865A
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Abstract

【課題】金属粉末の生産効率の向上と金属粉末の微細化を図りうる金属粉末製造装置を提供すること。【解決手段】金属粉末製造装置10は、上端20aに金属溶湯吐出口21を有する金属溶湯ノズル20と、金属溶湯ノズル20の上端近傍に向けてガスを噴射する錐環状のガス噴射ノズル34を有するガス噴射器30とを備える。ガス噴射ノズル34の内側壁面37とその外側壁面38との隙間Gがノズル34のガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において一定又は減少している。ノズル34から噴射されるガスの噴射流Fの下縁40が金属溶湯ノズル20の側面20bに衝突するガス衝突点Pから金属溶湯ノズル20の上端20aまでの鉛直距離Lが0mm以上1mm未満である。ノズル34からのガスの噴射方向におけるガス出口開口部36から金属溶湯ノズル20の側面20bまでの距離Kが6.93mm以下である。【選択図】図4

Description

本発明は、軽金属粉末(例:アルミニウム粉末、マグネシウム粉末、チタン粉末)などの金属粉末を製造する装置及び金属粉末製造方法に関する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲では、文中に特に明示する場合を除き、アルミニウムの語は純アルミニウム及びアルミニウム合金の双方を含む意味で用いられる。
金属粉末の製造方法として、アトマイズ法が知られている。アトマイズ法とは、金属溶湯を、金属溶湯ノズルを用いて噴霧することによって、金属溶湯を微細な液滴として急冷凝固させて金属粉末を得る方法である。このアトマイズ法は、微細で且つ粒径が揃った金属粉末を工業的に効率良く製造できる方法として、多様な金属、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、鉄、銅、錫、鉛およびこれら金属の合金を含む粉末の製造に適用されている。
アトマイズ法としては、金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法、下方向とする方法、水平方向とする方法がある。アルミニウムなどの比較的比重が小さい軽金属の粉末では、金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法が広く利用されている。
金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法では、上端に金属溶湯を吐出する金属溶湯吐出口を有するとともに下端に金属溶湯を導入する金属溶湯導入口を有する金属溶湯ノズルに、その金属溶湯吐出口に向けてガス(アトマイズガス)を噴射するガス噴射器を装着して、金属溶湯を噴霧する。
すなわち、金属溶湯ノズルの金属溶湯導入口を金属溶湯タンク内に収容されている金属溶湯中に浸漬し、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口に向けてガスを下方から上方に噴射することにより金属溶湯吐出口の周囲に負圧を生成させ、これにより、金属溶湯吐出口から金属溶湯を上方向に霧状に吐出させ即ち噴霧させる。
特許文献1には、金属溶湯ノズルの先端を、ガス(高速流体)が当該金属溶湯ノズルの側面に衝突した後に金属溶湯に接触するように長くすることが開示されている。この特許文献1に開示されているように、金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法では、ガスが金属溶湯ノズルの側面に衝突した後、金属溶湯に接触するようにすることにより、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に負圧が生成する。
ガスが金属溶湯ノズルの側面に衝突するガス衝突点から金属溶湯ノズルの上端までの鉛直距離は長く、一般に1mmを超え50mm以下に設定されている。
特許文献2には、アルミニウム合金粉末を、金属溶湯の噴霧方向を上方向とするアトマイズ法を用いて製造する方法が開示されている。この製造方法では、ガスは、金属溶湯ノズルの中心軸を基準として所定方向に旋回させた旋回流とされてガス噴射ノズルから噴射される。
特開昭53−8351号公報 特開2017−155270号公報
而して、金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末の生産効率を向上させつつ金属粉末の微細化を図るためには、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に負圧を安定に生成させて、金属溶湯吐出口から噴霧される金属溶湯の量を多くすることが必要である。
しかしながら、従来の金属粉末の製造方法では、ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射方向におけるガス噴射ノズルのガス出口開口部(即ちガス噴射口部)から金属溶湯ノズルのガス衝突点までの距離が長く、そのため、ガス噴射ノズルから噴射されるガスの運動エネルギーが噴射直後のガスの運動エネルギーの1/3以下に減衰した後でガスが金属溶湯ノズルの側面に衝突していた。したがって、負圧の生成と溶湯の分裂に寄与するガスの運動エネルギーの損失が大きく、そのため、金属粉末の生産効率の向上や金属粉末の微細化を図ることが困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属溶湯を上方向に噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末の生産効率の向上と金属粉末の微細化を図りうる金属粉末製造装置及び金属粉末製造方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
1) 上端に金属溶湯を上方向に吐出する金属溶湯吐出口を有する金属溶湯ノズルと、
前記金属溶湯ノズルの上端近傍に向けてその高さ位置よりも下側の高さ位置からガスを錐状に噴射する錐環状のガス噴射ノズルを有するガス噴射器とを備え、
前記ガス噴射ノズルはガス入口開口部とガス出口開口部とを有し、
前記ガス噴射ノズルの内側壁面とその外側壁面との隙間が、前記ガス入口開口部から前記ガス出口開口部に進む方向において一定又は減少しており、
前記ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射流の下縁が前記金属溶湯ノズルの側面に衝突するガス衝突点から前記金属溶湯ノズルの上端までの鉛直距離が0mm以上1mm未満であり、
前記ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射方向における前記ガス出口開口部から前記金属溶湯ノズルの側面までの距離が6.93mm以下である、金属粉末製造装置。
2) 前項1記載の金属粉末製造装置を用いて金属粉末を製造する金属粉末製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
前項1では、金属溶湯ノズルのガス衝突点から金属溶湯ノズルの上端までの鉛直距離が0mm以上1mm未満であることにより、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に生成される負圧が増加するし、金属溶湯ノズルの側面に衝突した後のガスの運動エネルギーの損失が抑制される。
さらに、ガス噴射ノズルの内側壁面とその外側壁面との隙間が、ガス入口開口部からガス出口開口部に進む方向において一定又は減少していることにより、ガスが金属溶湯ノズルの所定箇所に向けて集中して噴射される。
さらに、ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射方向におけるガス出口開口部から金属溶湯ノズルの側面までの距離が6.93mm以下であることにより、ガス噴射ノズルから噴射されるガスの運動エネルギーが噴射直後のガスの運動エネルギーの2/5以下に減衰するまでにガスが金属溶湯ノズルの側面に衝突する。これにより、負圧の生成と溶湯の分裂に寄与するガスの運動エネルギーの損失が抑制される。
これらの作用が相乗的に作用することにより、金属粉末の生産効率の向上と金属粉末の微細化を図ることができる。
前項2では、金属粉末の生産効率の向上を図ることができるし、微細な金属粉末を製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置を備えた金属粉末製造システムの構成図である。 図2は同金属粉末製造装置のガス噴射器の平面図である。 図3は図2中のIII−III線断面図である。 図4は図3の拡大断面図である。 図5は、比較例1で用いた金属粉末製造装置における図4に対応する拡大断面図である。 図6は、比較例2で用いた金属粉末製造装置における図4に対応する拡大断面図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法・比率などは実際とは異なっていることがある。
図1〜4は本発明の一実施形態を説明する図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置10は、金属粉末製造システム100に用いられているものである。すなわち、金属粉末製造システム100は本実施形態の金属粉末製造装置10を備えており、更に、金属粉末回収装置50とサイクロン60と金属粉末回収タンク70とを備える。
金属粉末製造装置10は、金属溶湯1を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて金属粉末3を製造する。金属粉末回収装置50は、金属粉末製造装置10にて製造した金属粉末3を、エアーブロワー(不図示)により発生させた搬送気流を用いて吸引する。そして、サイクロン60は、吸引した搬送気流中の金属粉末3を回収し、金属粉末回収タンク70は、回収した金属粉末3を一時的に貯留する。
次に、金属粉末製造装置10の構成について以下に詳述する。
金属粉末製造装置10は、金属溶湯タンク11と、金属溶湯ノズル20と、ガス噴射器30とを備える。
金属溶湯タンク11は、金属溶湯1を収容する。金属溶湯タンク11は、金属を融解するための加熱手段(不図示)を有する。加熱手段としては、重油バーナー、抵抗加熱器、誘導加熱器などの金属を融解するための加熱器として用いられている公知の加熱器を用いることができる。金属溶湯1は具体的には例えばアルミニウム溶湯である。
金属溶湯ノズル20は、上端20a(図4参照)に金属溶湯1を吐出する金属溶湯吐出口21を有するとともに下端に金属溶湯1を導入する金属溶湯導入口22を有する筒状体(詳述すると円筒状体)とされている。
金属溶湯ノズル20の上端面は、図4に示すように金属溶湯ノズル20の中心軸23に対して垂直に形成されている。金属溶湯吐出口21は円形状であり(図2参照)、金属溶湯ノズル20の上端面の中央部に金属溶湯ノズル20の中心軸23と同軸に形成されている。
金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の直径は限定されるものではなく、好ましくは2mm〜8mmの範囲であることがよい。また、金属溶湯ノズル20の外径は限定されるものではなく、好ましくは8mm〜16mmの範囲であることがよい。
図1に示すように、金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22は、金属溶湯タンク11内に収容されている金属溶湯1中に浸漬されている。
図2及び3に示すように、ガス噴射器30は、環状であり、その中央に金属溶湯ノズル20が通る鉛直方向(即ち上下方向)に貫通した貫通孔31を有する。この貫通孔31に金属溶湯ノズル20がその上端20a側が貫通孔31から上方向に突出した状態に且つ貫通孔31の中心軸と同軸に通されるとともに、この状態に金属溶湯ノズル20が保持されている。
さらに、ガス噴射器30は、環状の空間部32と、環状空間部32の外側側面に備えられた少なくとも一つのガス導入口33と、ガス噴射ノズル34とを有する。環状空間部32の形状は詳述すると円環状である。
ガス導入口33は、環状空間部32の接線方向に沿ってガス2を導入するように備えられる。本実施形態のガス噴射器30では、2つのガス導入口33が互いに対向する位置に配置されている。ただし、ガス導入口33の数は特に制限はなく、少なくとも1つ備えられていればよい。なお、2つ以上のガス導入口33を備える場合は、各ガス導入口33から導入されるガス2の方向は同じ方向、すなわち同じ時計回り方向あるいは逆時計回り方向とする。
ガス導入口33に導入されるガス2としては、例えば空気を用いることができる。ガス導入口33が環状空間部32の接線方向に沿ってガス2を環状空間部32に導入することによって、環状空間部32内に旋回流が生成する。図2中の矢印Aはガス2の旋回流の方向を示している。
ガス噴射ノズル34は、環状空間部32に導入されたガス2を環状空間部32から金属溶湯ノズル20の上端20a近傍に向けてその高さ位置よりも下側の高さ位置から上に凸の錐状(詳述すると円錐状)に噴射するものであり、金属溶湯ノズル20の中心軸23と同軸の円錐環状に形成されている。
すなわち、ガス噴射ノズル34は、ガス噴射器30の環状空間部32の内側上面に環状(詳述すると円環状)に形成されたガス入口開口部35と、ガス噴射器30の上面30aにおける金属溶湯ノズル20(即ち貫通孔31)の周囲近傍に環状(詳述すると円環状)に形成された、ガス噴出口部としてのガス出口開口部36とを有している。
ガス出口開口部36が形成されたガス噴射器30の上述の上面30aは、金属溶湯ノズル20の上端20a近傍の高さ位置よりも下側に位置しており、更に、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対して垂直に且つ平坦状に形成されている。
ガス噴射ノズル34の鉛直方向の長さt(図4参照)は限定されるものではなく、好ましくは3mm〜6mmの範囲であることがよい。
図4に示すように、ガス噴射ノズル34の内側壁面37とその外側壁面38との隙間Gは、ガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において一定又は漸次減少しており、これにより、ガス噴射ノズル34からガスが金属溶湯ノズル20の上端近傍に向けて集中して噴射されるようになっている。同図では、この隙間Gはガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において一定になっている。したがって、同図に示すように、金属溶湯ノズル20の中心軸23を通るガス噴射ノズル34の断面において、ガス噴射ノズル34の内側壁面37と外側壁面38は金属溶湯ノズル20の周方向の全周に亘って平行に形成されている。
ガス噴射ノズル34のガス入口開口部35の開口面積S1は限定されるものではなく、好ましくは30mm〜130mmの範囲であることがよい。また、ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36の開口面積S2は限定されるものではなく、好ましくは30mm〜130mmの範囲であることがよい。
ガス噴射ノズル34(詳述するとガス出口開口部36)からガスが噴射されると、当該ガスは金属溶湯ノズル20の上端20a近傍に向かって広がりながら流れる。図4中の符号「F」は、ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの噴射流を示しており、また破線「40」及び「41」はガス噴射流Fが広がる範囲を示している。
ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの噴射流Fの下縁40が金属溶湯ノズル20の側面20bに衝突する箇所を、金属溶湯ノズル20のガス衝突点Pとするとき、ガス衝突点Pから金属溶湯ノズル20の上端20aまでの鉛直距離Lは0mm以上1mm未満に設定されている(即ち、0mm≦L<1mm)。これにより、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の周囲に生成される負圧が増加するし、金属溶湯ノズル20の側面20bに衝突した後のガスの運動エネルギーの損失が抑制される。
鉛直距離Lの好ましい上限は0.9mmである。鉛直距離の好ましい下限は0.1mmである。
また、ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの噴射方向におけるガス出口開口部36から金属溶湯ノズル20の側面20bまでの距離Kは6.93mm以下に設定されている(即ちK≦6.93mm)。これにより、ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの運動エネルギーが噴射直後のガスの運動エネルギーの2/5以下に減衰するまでにガスが金属溶湯ノズル20の側面20bに衝突する。
ここで、距離Kとは、詳述すると、同図に示すように、ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36の内周縁部36aと、ガス噴射ノズル34の内側壁面37に沿ってガス出口開口部36の内周縁部36aから真っ直ぐに延長した延長面(二点鎖線で示す)39が金属溶湯ノズル20の側面20bに衝当する箇所Qとの直線距離を意味する。
表1は、ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36から噴射されたガスの運動エネルギーの減衰についてCAE解析を行った結果を示している。
Figure 2021130865
このCAE解析で用いた条件は次のとおりである。なお、この解析ではガスとして空気を用いた。
・ガス噴射器30のガス導入口33への空気導入圧力は0.9MPa
・ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36からの空気噴射圧力は0.1MPa
・ガス噴射ノズル34のガス入口開口部35の開口面積S1は46.8mm
・ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36の開口面積S2は38.7mm
なお、同表中の「ガス噴射ノズルのガス出口開口部からの距離」とは、詳述すると、ガス噴射ノズル34から噴射されるガス(空気)の噴射方向におけるガス噴射ノズル34のガス出口開口部36からの距離を意味している。また「相対比」とは、この距離が0mmのときのガス(空気)の運動エネルギーに対する相対比を意味している。
この表から分かるように、距離Kを6.93mm以下にすることにより、ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの運動エネルギーが噴射直後のガスの運動エネルギーの2/5以下(即ち0.4以下)に減衰するまでにガスが金属溶湯ノズル20の側面20bに衝突する。そのため、負圧の生成と溶湯の分裂に寄与するガスの運動エネルギーの損失を極力抑制することができる。距離Kの好ましい下限は0mmである。
また、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対するガス噴射ノズル34の内側壁面37の傾斜角(即ち内側壁面37のテーパ半角)は限定されるものではなく、好ましくは25°〜35°の範囲であることがよい。
次に、金属粉末製造システム100を用いた金属粉末の製造方法について説明する。
金属粉末製造システム100では、ガス2は、ガス噴射器30のガス導入口33から環状空間部32の接線方向に沿って環状空間部32に導入される。環状空間部32において、導入されたガス2は図2の矢印Aの方向に旋回した旋回流を生成する。そして、生成したガス2の旋回流は、ガス噴射ノズル34から錐状(詳述すると円錐状)に噴射される。
ガス噴射ノズル34から噴射されたガス2は旋回流を維持しつつ膨張しながら、金属溶湯ノズル20の上端近傍(即ち金属溶湯吐出口21の近傍)に向けて流れていく。
こうして、金属溶湯ノズル20の上端近傍に向けて、アトマイズガスとしてのガス(詳述するとガスの旋回流)が噴射されることによって、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の周囲に負圧が生成する。この負圧によって、金属溶湯タンク11内の金属溶湯1が金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22から吸い上げられて、金属溶湯吐出口21から上方向に霧状に吐出され、即ち噴霧される。噴霧された金属溶湯は、ガス噴射ノズル34から噴射されたガスの旋回流によって急冷凝固されて、金属粉末3が生成する。
金属粉末3は、金属粉末回収装置50にて、エアーブロワー(不図示)により発生させた搬送気流によって吸引され、サイクロン60に送られる。送られた搬送気流中の金属粉末3は、サイクロン60にて回収され、金属粉末回収タンク70にて一時的に貯留される。
本実施形態の金属粉末製造装置10によれば、ガス噴射ノズル34の上述の隙間Gがガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において一定又は漸次減少していること、上述の鉛直距離Lが0mm以上1mm未満に設定されていること、及び、上述の距離Kが6.93mm以下に設定されていることにより、金属粉末3の生産効率の向上と金属粉末3の微細化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
例えば、本実施形態では、製造目的物の金属粉末3を、アルミニウム粉末として説明したが、金属粉末はこれに限定されるものではない。本実施形態の金属粉末製造装置10は、金属溶湯1の噴霧方向を上方向とすることができる軽金属(密度4.5g/cm以下)の粉末の製造装置として利用することができる。軽金属としては、マグネシウム(その合金を含む、チタン(その合金を含む)などを用いることができる。
本発明の具体的な実施例及び比較例を以下に示す。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
Figure 2021130865
<実施例1〜3>
本実施例1〜3では、図1〜4に示した金属粉末製造装置10を備えた金属粉末製造システム100を用いて金属粉末としてのアルミニウム合金粉末を次の方法で製造した。
図2〜4に示すように、金属粉末製造装置10では、ガス噴射器30は、2つのガス導入口33が互いに対向する位置に配置されており、ガス噴射ノズル34の内側壁面37とその外側壁面38との隙間Gは、ガス噴射ノズル34のガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において一定であった。したがって、図4に示すように、金属溶湯ノズル20の中心軸23を通るガス噴射ノズル34の断面において、ガス噴射ノズル34の内側壁面37と外側壁面38は金属溶湯ノズル20の周方向の全周に亘って平行であった。
各実施例1〜3で用いた金属粉末製造装置10における金属溶湯ノズル20及びガス噴射器30の各部位の寸法「L」、「S1」、「S2」、「S2/S1」及び「K」を下記の表2に示した。なお、「L」、「S1」、「S2」、「S2/S1」及び「K」はそれぞれ次の意味である。
・L:金属溶湯ノズル20のガス衝突点Pから金属溶湯ノズル20の上端20aまでの鉛直距離
・S1:ガス噴射ノズル34のガス入口開口部35の開口面積
・S2:ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36の開口面積
・S2/S1:S2とS1の比
・K:ガス噴射ノズル34から噴射されるガスの噴射方向におけるガス出口開口部36から金属溶湯ノズル20の側面20bまでの距離(詳述すると、ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36の内周縁部36aと、ガス噴射ノズル34の内側壁面37に沿ってガス出口開口部36の内周縁部36aから真っ直ぐに延長した延長面39が金属溶湯ノズル20の側面20bに衝当する箇所Qとの直線距離)。
また、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対するガス噴射ノズル34の内側壁面37の傾斜角(即ち内側壁面37のテーパ半角)は30°であった。また、ガス噴射ノズル34の鉛直方向の長さtは4.5mmであった。
そして、金属溶湯タンク11に、アルミニウム合金(その組成:Al−Si−Fe系)を投入し、加熱して、アルミニウム合金の溶湯を生成させた。この溶湯中に金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22を浸漬した。
次いで、ガス噴射器30のガス導入口33にガス(アトマイズガス)2としての空気をガスコンプレッサーにより導入して、ガス噴射ノズル34から空気を噴射し、これによりアルミニウム合金粉末3を製造した。
ガス噴射器30のガス導入口33への空気導入圧力は0.9MPaに設定されており、ガス噴射ノズル34のガス出口開口部36からの空気噴射圧力は0.1MPaに設定されていた。
この製造でのアルミニウム合金粉末の生産速度を算出するとともに、この製造で得られたアルミニウム粉末の中心粒径を測定した。その結果を表2中の「粉末生産速度」欄及び「粉末中心粒径」欄に記載した。
<比較例1>
本比較例1では、図5に示した金属粉末製造装置10Aを用意した。この金属粉末製造装置10Aにおけるガス噴射器30A及び金属溶湯ノズル20では、Lが4.4mmに設定されるとともに、Kが11.15mmに設定されていた。
この金属粉末製造装置10Aを備えた金属粉末製造システムを用いて実施例2と同じ条件でアルミニウム合金粉末を製造した。
この製造でのアルミニウム合金粉末の生産速度を算出するとともに、この製造で得られたアルミニウム粉末の中心粒径を測定した。その結果を表2中の「粉末生産速度」欄及び「粉末中心粒径」欄に記載した。
<比較例2>
本比較例2では、図6に示した金属粉末製造装置10Bを用意した。この金属粉末製造装置10Bにおけるガス噴射器30Bでは、ガス噴射ノズル34の内側壁面37とその外側壁面38との隙間Gはガス噴射ノズル34のガス入口開口部35からガス出口開口部36に進む方向において漸次拡大している。さらに、ガス噴射器30B及び金属溶湯ノズル20では、Lが4.4mmに設定されるとともに、Kが11.15mmに設定されていた。
この金属粉末製造装置10Bを備えた金属粉末製造システムを用いて実施例2と同じ条件でアルミニウム合金粉末を製造した。
この製造でのアルミニウム合金粉末の生産速度を算出するとともに、この製造で得られたアルミニウム粉末の中心粒径を測定した。その結果を表2中の「粉末生産速度」欄及び「粉末中心粒径」欄に記載した。
表2中の「粉末生産速度」欄及び「粉末中心粒径」欄から分かるように、実施例1〜3では、アルミニウム合金粉末の生産効率の向上とアルミニウム合金粉末の微細化を図ることができた。
本発明は、金属粉末を製造する装置及び金属粉末製造方法に利用可能である。
1:金属溶湯
2:ガス
3:金属粉末
10:金属粉末製造装置
20:金属溶湯ノズル
20a:金属溶湯ノズルの上端
20b:金属溶湯ノズルの側面
21:金属溶湯吐出口
30:ガス噴射器
34:ガス噴射ノズル
35:ガス入口開口部
36:ガス出口開口部
37:ガス噴射ノズルの内側壁面
38:ガス噴射ノズルの外側壁面
100:金属粉末製造システム

Claims (2)

  1. 上端に金属溶湯を上方向に吐出する金属溶湯吐出口を有する金属溶湯ノズルと、
    前記金属溶湯ノズルの上端近傍に向けてその高さ位置よりも下側の高さ位置からガスを錐状に噴射する錐環状のガス噴射ノズルを有するガス噴射器とを備え、
    前記ガス噴射ノズルはガス入口開口部とガス出口開口部とを有し、
    前記ガス噴射ノズルの内側壁面とその外側壁面との隙間が、前記ガス入口開口部から前記ガス出口開口部に進む方向において一定又は減少しており、
    前記ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射流の下縁が前記金属溶湯ノズルの側面に衝突するガス衝突点から前記金属溶湯ノズルの上端までの鉛直距離が0mm以上1mm未満であり、
    前記ガス噴射ノズルから噴射されるガスの噴射方向における前記ガス出口開口部から前記金属溶湯ノズルの側面までの距離が6.93mm以下である、金属粉末製造装置。
  2. 請求項1記載の金属粉末製造装置を用いて金属粉末を製造する金属粉末製造方法。
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