JP2022049108A - 金属粉末製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末を効率よく安定して製造することができる金属粉末製造装置を提供する。【解決手段】金属溶湯1を収容する金属溶湯タンク11と、上端に金属溶湯1を吐出する金属溶湯吐出口21を有し、下端に金属溶湯1を導入する金属溶湯導入口22を有する金属溶湯ノズル20と、中央に金属溶湯ノズル20が通る貫通孔を有する環状の気体噴射器30とを備え、気体噴射器30は、環状空間部と、環状空間部の外側側面に備えられた気体導入口と、環状空間部の内側上面に環状に形成された気体噴射ノズルとを有し、気体導入口は環状空間部の接線方向に沿って気体を導入するように備えられ、気体噴射ノズルは環状空間部から上方中心に向かって気体を噴射するように、入口開口部から出口開口部に向かって開口面積が拡大するように形成されている金属粉末製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、金属粉末製造装置に関する。
金属粉末の製造方法として、アトマイズ法が知られている。アトマイズ法とは、金属溶湯を、金属溶湯ノズルを用いて噴霧することによって、金属溶湯を微細な液滴として急冷凝固させる方法である。このアトマイズ法は、微細でかつ粒径が揃った金属粉末を工業的に効率よく製造できる方法として、多様な金属、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、鉄、銅、錫、鉛およびこれら金属の合金を含む粉末の製造に適用されている。
アトマイズ法としては、金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法、下方向とする方法、水平方向とする方法がある。アルミニウムやアルミニウム合金などの比較的比重が小さい軽金属の粉末では、金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法が広く利用されている。金属溶湯の噴霧方向を上方向とする方法では、上端に金属溶湯を吐出する金属溶湯吐出口を有し、下端に金属溶湯を導入する金属溶湯導入口を有する、金属溶湯ノズルを使用する。その金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口に向けて、気体(アトマイズガス)を下方から上方に噴射する、気体噴射器を、金属溶湯ノズルに装着して、金属溶湯を噴霧する。すなわち、金属溶湯ノズルの金属溶湯導入口を、金属溶湯タンクに収容されている金属溶湯に浸漬し、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口に向けて、アトマイズガスを下方から上方に向けて噴射する。このようにして、金属溶湯吐出口の周囲に負圧を生成させることにより、金属溶湯吐出口から金属溶湯を上方向に噴霧させる。
特許文献1には、金属溶湯ノズルの先端を、アトマイズガス(高速流体)が、当該金属溶湯ノズルに衝突した後、金属溶湯に接触するように、長くすることが開示されている。この特許文献1に開示されているように、金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法では、アトマイズガスが金属溶湯ノズルに衝突した後、金属溶湯に接触するようにすることによって、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に負圧を生成させることができる。
特許文献2には、アルミニウム合金粉末を、金属溶湯の噴霧方向を上方向とするアトマイズ法を用いて製造する方法が開示されている。この特許文献2に開示されているアトマイズ装置では、アトマイズガスの噴射口が、内壁面が円筒状のフラットノズルとされている。また、この特許文献2には、アトマイズガスを、金属溶湯ノズルの中心軸を基準として、所定方向に旋回させた旋回流とすることが記載されている。
特開昭53-8351号公報 特開2017-155270号公報
金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末の生産効率を向上させるためには、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に強い負圧を安定に生成させて、金属溶湯吐出口から噴霧される金属溶湯の量を多くすることが必要である。しかしながら、特許文献2に開示されているようなフラットノズルでは、噴射される気体は不足膨張噴流となり、流速が速い気体を得ることが難しく、金属溶湯ノズルの金属溶湯吐出口の周囲に強い負圧を生成させることが困難となる場合があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末を効率よく安定して製造することができる金属粉末製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、気体噴射器として、環状空間部と、環状空間部の外側側面に備えられた気体導入口と、環状空間部の内側上面に環状に形成された気体噴射ノズルとを有し、気体導入口は、環状空間部の接線方向に沿って気体を導入するように備えられ、気体噴射ノズルは、環状空間部から上方中心に向かって気体を噴射するように、入口開口部から出口開口部に向かって開口面積が拡大するように形成された拡張ノズルとされている気体噴射器を用いて、所定の条件で作動させることによって、流速が速い気体の旋回流を生成させることができることを見出した。そして、その気体の旋回流を、アトマイズガスとして用いることによって、金属粉末を高い製造効率で安定して製造することが可能となることを確認して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1]本発明の第1の態様に係る金属粉末製造装置は、金属溶湯を収容する金属溶湯タンクと、上端に金属溶湯を吐出する金属溶湯吐出口を有し、下端に金属溶湯を導入する金属溶湯導入口を有する金属溶湯ノズルと、中央に前記金属溶湯ノズルが通る貫通孔を有する環状の気体噴射器と、を備え、前記気体噴射器は、環状空間部と、前記環状空間部の外側側面に備えられた少なくとも1つの気体導入口と、前記環状空間部の内側上面に環状に形成された気体噴射ノズルと、を有し、前記気体導入口は、前記環状空間部の接線方向に沿って気体を導入するように備えられ、前記気体噴射ノズルは、前記環状空間部から上方中心に向かって気体を噴射するように、入口開口部から出口開口部に向かって開口面積が拡大するように形成されていて、前記気体導入口の開口面積をA、前記入口開口部の開口面積をB、前記出口開口部の開口面積をC、前記出口開口部に対する前記金属溶湯吐出口の高さをH、前記気体噴射ノズルの内側壁面に沿った方向における前記気体噴射ノズルの前記出口開口部の内側端部と前記金属溶湯ノズルの外周面もしくは前記外周面を上方に延長にした仮想外周面との距離をL、前記気体導入口にて導入する気体の気体導入圧力をP1、前記出口開口部から噴射される気体の気体噴射圧力をP2、前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する前記気体噴射ノズルの前記内側壁面の角度をαとした場合に下記の式(1)~(5)を満足する。
B<A・・・(1)
1.2≦C/B≦2.5・・・(2)
-3mm≦H-L×cosα≦10mm・・・(3)
0.6MPa≦P1<1.1MPa・・・(4)
P2=0.1MPa・・・(5)
[2]上記[1]に記載の態様において、前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する前記気体噴射ノズルの前記内側壁面の角度αが30±5度である構成としてもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の態様において、前記金属溶湯がアルミニウムもしくはアルミニウム合金の金属溶湯である構成としてもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれか一つに記載の態様において、前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する、前記金属溶湯ノズルから遠い側にある気体噴射ノズルの外側壁面の角度βは、25±5度である構成としてもよい。
[5]上記[1]から[4]のいずれか一つに記載の態様において、前記気体導入口が、前記環状空間部に気体を導入し、時計回り方向、あるいは逆時計回り方向の気体の流れを形成する構成としてもよい。
本発明によれば、金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて、金属粉末を効率よく安定して製造することができる金属粉末製造装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置を用いた金属粉末製造システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置の平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 図3の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る金属粉末製造装置について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。すなわち、本発明は、以下の例のみに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、位置、数、形状、材料、構成等について、付加、省略、置換や、変更が可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置を用いた金属粉末製造システムの構成図である。図2は、本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置の平面図である。図3は、図2のIII-III線断面図であって、図4は、図3の部分拡大図である。
金属粉末製造システム100は、図1に示すように、金属粉末製造装置10と、金属粉末回収装置50と、サイクロン60と、金属粉末回収タンク70とを有する。金属粉末製造装置10は金属溶湯を上方向に向けて噴霧するアトマイズ法を用いて金属粉末3を製造する。金属粉末回収装置50は、金属粉末製造装置10にて製造した金属粉末3を、エアーブロワー(不図示)により発生させた搬送気流を用いて吸引する。そして、サイクロン60は、吸引した搬送気流中の金属粉末3を回収し、金属粉末回収タンク70は、回収した金属粉末3を一時的に貯留する。
金属粉末製造装置10は、金属溶湯タンク11と、金属溶湯ノズル20と、気体噴射器30とを有する。
金属溶湯タンク11は、金属溶湯1を収容する。金属溶湯タンク11は、金属を溶解するための加熱手段を有する。加熱手段としては、重油バーナー、抵抗加熱器、誘導加熱器などの金属を溶解するための加熱器として利用されている公知の加熱器を用いることができる。金属溶湯1は、必要に応じて選択できるが、好ましくは、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の金属溶湯である。
金属溶湯ノズル20は、上端に金属溶湯を吐出する金属溶湯吐出口21を有し、下端に金属溶湯を導入する金属溶湯導入口22を有する、筒状体とされている。金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22は、金属溶湯タンク11に収容されている金属溶湯1に浸漬されている。
気体噴射器30は、平面視で環状であり、中央に金属溶湯ノズル20が通る貫通孔31を有する。気体噴射器30は、環状空間部32と、環状空間部32の外側側面に備えられた気体導入口33と、環状空間部32の内側上面に環状に形成された気体噴射ノズル34とを有する。気体噴射ノズル34は、金属溶湯ノズル20と近い側の内側壁面34aと、内側壁面34aに対向する外側壁面34bとによって形成されている。
気体噴射器30の材料は任意に選択できる。気体噴射器30は、その上部中央に、逆円錐台形の窪み37を有してもよい。窪み37の中央には、平面視で、金属溶湯ノズル20が通る貫通孔31や、それを囲む、気体噴射ノズル34が設けられてもよい。
気体噴射器30は、金属溶湯ノズル20の上部を囲む中心開口を有する、円錐台形部分38aを有することができる。円錐台形部分38aの底面は、環状空間部32の底面を有する円柱形の台座38bに結合してもよく、一体に形成されてもよい。円錐台形部分38aの上部は、気体噴射ノズル34の内側壁面34aを形成してもよい。気体噴射器30は、気体噴射ノズル34の外側壁面34bや窪み37が形成され、かつ気体導入口33を一部囲む、気体噴射器上部39を有してよい。この気体噴射器上部39は台座38bと結合してもよく、一体に形成されてもよい。
気体導入口33は、気体供給装置40と接続している。気体供給装置40としては、コンプレッサ、ポンプ、ガスボンベを用いることができる。気体導入口33は、気体供給装置40から送られた気体を、環状空間部32の接線方向に沿って導入する。本実施形態の気体噴射器30では、2つの気体導入口33が互いに対向する位置に配置されている。2つの気体導入口33の入り口は、金属溶湯吐出口21を挟んで、点対称の位置に設けられてもよい。2つの気体導入口33は互いに平行であってもよい。気体導入口33の数は特に制限はなく、少なくとも1つ備えられていればよい。なお、2つ以上の気体導入口33を備える場合は、各気体導入口33から環状空間部32に導入された気体の流れの方向は、同じ方向、すなわち同じ時計回り方向、あるいは逆時計回り方向とする。気体導入口33に導入される気体としては、空気を用いることができる。気体導入口33が環状空間部32の接線方向に沿って気体を導入することによって、環状空間部32内に旋回流が生成する。
気体噴射ノズル34は、環状空間部32から上方中心に向かって気体を、旋回流を維持した状態で噴射するように、入口開口部35から出口開口部36に向かって開口面積が拡大するように形成された拡張ノズルとされている。前記開口面積は、平面視での開口面積である。図3においても、気体噴射ノズル34は、入口開口部35から出口開口部36に向かって、金属溶湯ノズル20と近い側の内側壁面34aと外側壁面34bとの間の開口幅が徐々に広がっていく構成が示される。気体導入口33、入口開口部35および出口開口部36は、気体導入口33の開口面積をAとし、入口開口部35の開口面積をBとし、出口開口部36の開口面積をCとした場合に、下記の式(1)と式(2)を満足するようにされている。なお、気体導入口33が2つ以上ある場合の開口面積Aは、2つ以上の気体導入口33の開口面積の総面積である。
B<A・・・(1)
1.2≦C/B≦2.5・・・(2)
気体導入口33の開口面積Aが、気体噴射ノズル34の入口開口部35の開口面積Bよりも大きいことによって、気体導入口33から環状空間部32に送られた気体は、環状空間部32において、一旦圧縮される。一方、気体噴射ノズル34内では、入口開口部35の開口面積Bに対する出口開口部36の開口面積Cの比C/Bが上記の範囲にあるので、気体は、入口開口部35から出口開口部36に向かって適正膨張しながら流れる。膨張しながら流れる気体は、流速が速くなる。このため、気体噴射ノズル34から噴射された気体は流速が速くなる。A/Cは、1<A/Cであることが好ましく、2<A/Cであることが特に好ましい。
また、図4に示すように、出口開口部36に対する金属溶湯吐出口21の高さをHとし、気体噴射ノズル34の内側壁面34aに沿った方向における気体噴射ノズル34の出口開口部36の内側端部と金属溶湯ノズル20の外周面24もしくは外周面24を上方に延長にした仮想外周面25との距離をLとし、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対する気体噴射ノズル34の内側壁面34aの角度をαとした場合は、下記の式(3)の関係を満たす。前記金属溶湯吐出口の高さHは、気体噴射器30から金属溶湯ノズル20が突出する高さとして理解してもよい。
-3mm≦H-L×cosα≦10mm・・・(3)
L×cosαは、出口開口部36に対して、金属溶湯ノズル20の外周面24もしくは仮想外周面25と、気体噴射ノズル34の内側壁面34aに沿って噴射される気体とが接触する位置の高さを表す。
H-L×cosαは、金属溶湯吐出口21に対して、金属溶湯ノズル20の外周面24もしくは仮想外周面25と、気体噴射ノズル34の内側壁面34aに沿って噴射される気体とが接触する位置の高さを表す。H-L×cosαがプラスである場合、気体噴射ノズル34の内側壁面34aに沿って噴射される気体は、金属溶湯吐出口21よりも低い位置に放射され、金属溶湯ノズル20の外周面24と接触する。この場合、金属溶湯ノズル20の外周面24と接触した気体は、外周面24に沿って上昇することにより、金属溶湯吐出口21の周囲に負圧を生成させる。一方、H-L×cosαがマイナスである場合、気体噴射ノズル34の内側壁面34aに沿って噴射される気体は、主として金属溶湯ノズル20の外周面24よりも高い位置に放射され、金属溶湯ノズル20の仮想外周面25と接触する。この場合、気体噴射ノズル34から噴射された気体は、金属溶湯吐出口21の上方で合流して上昇することにより、金属溶湯吐出口21の周囲に負圧を生成させる。なお、H-L×cosαがマイナスである場合、気体の一部は、金属溶湯ノズル20の外周面24と接触し、金属溶湯ノズル20の外周面24と接触した気体は、外周面24に沿って上昇することがある。これは、旋回流の内側は負圧となっており、噴射された気体はその負圧の影響を受けて、内側にずれるためである。
本実施形態では、H-L×cosαは、-3mm以上10mm以下とされているので、流速が速い気体を、金属溶湯吐出口21の周囲に安定して噴射することができる。このため、金属溶湯吐出口21の周囲に強い負圧を生成させることが可能となる。
また、図4に示すように、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対する気体噴射ノズル34の内側壁面34aの角度αは30±5度であることが好ましい。金属溶湯ノズル20から近い気体噴射ノズル34の内側壁面34aの角度αを30±5度とすることによって、金属溶湯吐出口21の周囲に負圧をより確実に生成させることができる。さらに、金属溶湯ノズル20の中心軸23に対する気体噴射ノズル34の外側壁面34bの角度βは25±5度であることが好ましい。金属溶湯ノズル20から遠い気体噴射ノズル34の外側壁面の角度βを25±5度とすることによって、気体の一部を金属溶湯吐出口21の側面に衝突させずに上方に流すことができ、気体の流速が遅くなりにくくなる。このため、金属溶湯吐出口21の周囲に形成される負圧が強くなり、金属溶湯吐出口21から噴霧される金属溶湯の量を多くすることができる。
次に、金属粉末製造システム100を用いた金属粉末の製造方法について説明する。
金属粉末製造システム100において、気体供給装置40から気体噴射器30の気体導入口33に気体2が送られる。気体噴射器30の気体導入口33において、気体2は、環状空間部32の接線方向に沿って導入され、環状空間部32に送られる。環状空間部32において、気体2は図2の矢印Aの方向に旋回した旋回流を生成する。環状空間部32にて生成した気体2の旋回流は、気体噴射ノズル34から、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21に向けて噴射される。
気体噴射ノズル34から噴射された気体2は旋回流を維持しつつ膨張しながら、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21に向けて流れていく。気体噴射ノズル34から噴射される気体2の流速を速くするためには、気体噴射ノズル34内にて気体2を適正膨張させることが望ましい。このために、気体導入口33にて導入する気体の気体導入圧力をP1とし、出口開口部36から噴射される気体の気体噴射圧力をP2とした場合に、下記の式(4)と式(5)を満足するように調整する。
0.6MPa≦P1<1.1MPa・・・(4)
P2=0.1MPa(大気圧)・・・(5)
金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21に向けて気体2の旋回流(アトマイズガス)が噴射されることによって、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の周囲に負圧が生成する。この負圧によって、金属溶湯タンク11内の金属溶湯1が、金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22から吸い上げられて、金属溶湯吐出口21から上方に噴霧される。噴霧された金属溶湯は、気体噴射ノズル34から噴射された気体2の旋回流によって急冷凝固されて、金属粉末3が生成する。
金属粉末3は、金属粉末回収装置50にて、エアーブロワー(不図示)により発生させた搬送気流によって吸引され、サイクロン60に送られる。送られた搬送気流中の金属粉末3は、サイクロン60にて、回収され、金属粉末回収タンク70にて一時的に貯留される。
以上に述べた本実施形態の金属粉末製造装置10によれば、気体噴射器30が上記の式(1)~(5)の条件を満足するので、気体噴射器30から、流速が速い気体2の旋回流を金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21に向けて噴射することができる。これにより、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の周囲に強い負圧を安定して生成させることが可能となる。このため、本実施形態の金属粉末製造装置10を用いることによって、金属粉末3を高い製造効率で安定して製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施形態では、製造目的物の金属粉末を、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の粉末として説明したが、金属粉末はこれらに限定されるものではない。本実施形態の金属粉末製造装置は、金属溶湯の噴霧方向を上方向とすることができる軽金属(密度4.5g/cm以下)の粉末の製造装置として利用することができる。軽金属としては、マグネシウムやチタンなどを用いることができる。
[実施例1]
図1に示す構成の金属粉末製造システム100を用意した。金属粉末製造装置10としては、図2~4に示すように、気体噴射器30においては、2つの気体導入口33が互いに対向する位置に配置され、気体噴射ノズル34は入口開口部35から出口開口部36に向かって開口面積が拡大するように形成された拡張ノズルを使用した。気体噴射器30の各部位のサイズを、下記の表1に示す。
金属溶湯タンク11に、アルミニウム合金(組成:Al-Si-Fe系)を投入し、加熱して、アルミニウム合金の溶湯を生成させた。アルミニウム合金の溶湯に、金属溶湯ノズル20の金属溶湯導入口22を浸漬した。次いで、気体噴射器30の気体導入口33に空気を、空気導入圧力P1が0.9MPaで、空気噴射圧力P2が0.1MPa(大気圧)となる運転条件で供給して、アルミニウム合金粉末を製造した。そのアルミニウム合金粉末製造時のアルミニウム合金溶湯の噴霧量を算出した。その結果を、気体噴射器の運転条件と共に、下記の表2に示す。
アルミニウム合金粉末製造時のアルミニウム合金溶湯の噴霧量を算出した。その結果を、気体噴射器30の運転条件と共に、下記の表2に示す。なお、アルミニウム合金溶湯の噴霧量は、金属粉末回収タンク70で回収されたアルミニウム合金粉末の量を、アルミニウム合金溶湯の噴霧量とし、得られたアルミニウム合金溶湯の噴霧量を、製造時間(噴霧時間)で除することによって算出した。
[比較例1]
気体噴射器30の気体噴射ノズル34として、内壁面が円筒状のフラットノズルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム合金粉末を製造した。気体噴射器30の各部位のサイズを下記の表1に、アルミニウム合金粉末製造時のアルミニウム合金溶湯の噴霧量を下記の表2にそれぞれ示す。
Figure 2022049108000002
Figure 2022049108000003
金属粉末製造装置10の気体噴射器30が上記の式(1)~(5)の条件を満足する実施例1は、気体噴射器30が上記の式(2)の条件を満たさない比較例1と比較して、アルミニウム合金溶湯の噴霧量が多くなった。実施例1では、気体噴射ノズル34として上記(2)の条件を満たす拡張ノズルを使用したことによって、気体噴射ノズル34内にて空気が最適膨張して、気体噴射ノズル34から噴射された気体の流速が速くなり、金属溶湯ノズル20の金属溶湯吐出口21の周囲に強い負圧が生成したためであると考えられる。
1 金属溶湯
2 気体
3 金属粉末
10 金属粉末製造装置
11 金属溶湯タンク
20 金属溶湯ノズル
21 金属溶湯吐出口
22 金属溶湯導入口
23 中心軸
24 外周面
25 仮想外周面
30 気体噴射器
31 貫通孔
32 環状空間部
33 気体導入口
34 気体噴射ノズル
34a 内側壁面
34b 外側壁面
35 入口開口部
36 出口開口部
37 窪み
38a 円錐台形部分
38b 台座
39 気体噴射器上部
40 気体供給装置
50 金属粉末回収装置
60 サイクロン
70 金属粉末回収タンク
100 金属粉末製造システム

Claims (5)

  1. 金属溶湯を収容する金属溶湯タンクと、
    上端に金属溶湯を吐出する金属溶湯吐出口を有し、下端に金属溶湯を導入する金属溶湯導入口を有する金属溶湯ノズルと、
    中央に前記金属溶湯ノズルが通る貫通孔を有する環状の気体噴射器と、を備え、
    前記気体噴射器は、
    環状空間部と、
    前記環状空間部の外側側面に備えられた少なくとも1つの気体導入口と、
    前記環状空間部の内側上面に環状に形成された気体噴射ノズルと、を有し、
    前記気体導入口は、前記環状空間部の接線方向に沿って気体を導入するように備えられ、
    前記気体噴射ノズルは、前記環状空間部から上方中心に向かって気体を噴射するように、入口開口部から出口開口部に向かって開口面積が拡大するように形成されていて、
    前記気体導入口の開口面積をA、前記入口開口部の開口面積をB、前記出口開口部の開口面積をC、前記出口開口部に対する前記金属溶湯吐出口の高さをH、前記気体噴射ノズルの内側壁面に沿った方向における、前記気体噴射ノズルの前記出口開口部の内側端部と前記金属溶湯ノズルの外周面もしくは前記外周面を上方に延長にした仮想外周面との距離をL、前記気体導入口にて導入する気体の気体導入圧力をP1、前記出口開口部から噴射される気体の気体噴射圧力をP2、前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する前記気体噴射ノズルの前記内側壁面の角度をαとした場合に下記の式(1)~(5)を満足する、金属粉末製造装置。
    B<A・・・(1)
    1.2≦C/B≦2.5・・・(2)
    -3mm≦H-L×cosα≦10mm・・・(3)
    0.6MPa≦P1<1.1MPa・・・(4)
    P2=0.1MPa・・・(5)
  2. 前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する前記気体噴射ノズルの前記内側壁面の角度αが30±5度である、請求項1に記載の金属粉末製造装置。
  3. 前記金属溶湯がアルミニウムもしくはアルミニウム合金の金属溶湯である、請求項1または2に記載の金属粉末製造装置。
  4. 前記金属溶湯ノズルの中心軸に対する、前記金属溶湯ノズルから遠い側にある気体噴射ノズルの外側壁面の角度βは、25±5度である、請求項1から3のいずれか一項に記載の金属粉末製造装置。
  5. 前記気体導入口が、前記環状空間部に気体を導入し、時計回り方向、あるいは逆時計回り方向の気体の流れを形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の金属粉末製造装置。
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