JP6006419B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、プライマー層によりオリゴマーを遮断したポリエステルフィルムに関し、加熱の際にオリゴマーが移行(migration)することを遮断し、加熱後にヘイズ変化率が小さいことから光学用に使用可能なオリゴマー遮断ポリエステルフィルムに関する。
光学フィルムは、ディスプレイ用光学部材として使用されるフィルムであって、LCD BLUの光学素材として使用されたり、LCD、PDP、タッチパネル(Touch Panel)など、各種ディスプレイ(Display)の表面保護用光学部材として使用されたりしている。
かかる光学フィルムは、優れた透明性及び視認性が求められ、機械的特性及び電気的特性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムをベースフィルムとして使用する。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、表面硬度が低く、耐磨耗性若しくは耐スクラッチ性が低いため、各種ディスプレイの光学部材として使用する場合、物体との摩擦若しくは接触によって表面損傷が生じやすく、これを防ぐためにフィルムの表面にハードコーティング層を積層して使用しており、また、基材であるポリエステルフィルムとハードコーティング層との密着性を高めるために中問層としてプライマーコーティング層が形成されている。
かかるディスプレイ用ポリエステルフィルムにおいてオリゴマー関連の品質問題が発生している。かかる品質問題として、ポリエステルフィルムの後加工工程において、プリズムコーティング又は拡散コーティング後、硬化工程で高温を加えるに伴いポリエステルフィルムの内部でオリゴマーが移行し、図1のように表面が白く変化する白化現象が発生する。また、ポリエステルフィルムの製造後、スリット工程(slitting process)に使用されるダイヤモンドパターンロールの圧力によって、図2のようにダイヤモンド状のパターンが形成されるダイヤモンドマーク(diamond mark)現象が発生する。
かかる白化現象及びダイヤモンドマーク現象が発生する場合、工程においてフィルムロールが汚染し、最終製品の光学特性が低下する。
かかるポリエステルフィルムのオリゴマーが移行することを防止するために、ポリエステルフィルムを重合する際にオリゴマー含有量を減らすための試みが行われているが、オリゴマーを完璧に遮断することは困難であった。
また、ポリエステルフィルム上に積層膜を形成してオリゴマーの流出を制御しようとする特許として日本特開2007‐253511号(2007.10.04)には、少なくとも片面に積層膜を有する積層ポリエステルフィルムであって、該フィルムを150℃で60分間加熱した時に積層膜側に析出するオリゴマー粒の平均サイズが面積換算で10μm以下、個数が100μm×100μmの視野内で100個以下である、積層ポリエステルフィルムが開示されている。この発明は、オリゴマーの流出を制御しようとするものであるが、オリゴマーの流出を完全に遮断することはできなかった。
本発明は、オリゴマーの流出を完全に遮断するポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、加熱加工の際にオリゴマーの表面流出によるヘイズの上昇を抑制し、ヘイズ変化率が0.1%以下であるポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、プライマー層を形成するための組成物としてオリゴマー遮断性を有する特定の水分散性樹脂組成物を使用することによりオリゴマーの流出を遮断することができ、これにより、加熱後にヘイズ変化率が従来技術に比べて非常に低いポリエステルフィルムが製造されることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、前記水分散性樹脂組成物に特定の構造を有する架橋剤を使用することにより、オリゴマー遮断性をより向上させ、塗膜強度を高めて耐スクラッチ性及び耐溶剤性を向上させることで後加工の際に発生しうる外見不良を低減することができ、且つ、特定の構造を有する架橋剤を使用することにより反応速度をより速めることで、フィルム製膜工程の特性上、発生しうる架橋剤の低い反応転化率を高め、未反応の架橋剤がプライマー層に残留することによって生じるプライマー層の物性低下とプライマー層のヘイズ上昇が改善し、架橋度の上昇によってオリゴマー遮断性がより向上したポリエステルフィルムを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ポリエステルベースフィルムと、該ポリエステルベースフィルムの片面又は両面にオリゴマー遮断性を有する水分散性樹脂組成物を塗布して形成したプライマー層と、を含み、150°Cで60分間維持した後、下記式1によるヘイズ変化率(△H)が0.1%以下であるポリエステルフィルムに関する。
[式1]
△H(%)=H−H
(前記式中、Hは、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズ(%)であり、Hは、加熱前のフィルムのヘイズである。)
本発明において、前記プライマー層は、Tが60°C以上、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、密度が1.3〜1.4であってもよい。
本発明において、前記ポリエステルフィルムは、150°Cで60分間加熱した後、フィルムの表面に析出されるオリゴマー粒子の数が10000μm当たり10個以下であり、オリゴマー粒子の平均サイズが10000μm当たり20μm以下であってもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂と、水分散性ポリエステル系樹脂と、をバインダー樹脂として含んでもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=20〜80:80〜20重量%であってもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、バインダー樹脂と水とを含んで、固形分含有量が0.5〜10重量%であってもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、シリコーン系湿潤剤を0.1〜0.5重量%さらに含んでもよい。
本発明において、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分と、ジエチレングリコールを含むグリコール成分との共重合体であってもよい。
本発明において、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して20〜80モル%含有してもよい。
本発明において、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して6〜20モル%含有してもよい。
本発明において、前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとしてグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して20〜80モル%含有してもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、下記の化学式1及び化学式2で表されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物をさらに含んでもよい。

(前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して化学結合を示すか(C1‐C10)アルキレンから選択され、R〜Rは、それぞれ独立して水素、(C1‐C10)アルキルから選択される。)

(前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して(C1‐C10)のアルキレンであり、Bは、ブロッキング剤である。)
本発明において、前記化学式1及び化学式2で表されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物の含有量が0.1〜10重量%であってもよい。
本発明において、前記化学式1の化合物は、下記の化合物であってもよい。
本発明において、前記ポリエステルベースフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであってもよい。
本発明において、前記ポリエステルベースフィルムは、厚さが25〜250μmであってもよい。
本発明において、前記プライマー層は、乾燥塗布厚さが20〜200nmであってもよい。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、ポリエステルフィルムの製造工程中にインライン塗布法で塗布されてもよい。
本発明において、前記ポリエステルフィルムは、ディスプレイ用フィルムであってもよい。
本発明によるポリエステルフィルムは、光学用フィルムとしての使用に適する光学物性を有し、高温条件下でオリゴマーの流出を遮断し、ヘイズの上昇を防止することができる。
オリゴマーが流出されたポリエステルフィルムの白化現象を示す写真である。 オリゴマーが流出されたポリエステルフィルムのダイヤモンドマーク現象を示す写真である。 本発明の第1様態によるポリエステルフィルムの断面を示す図である。 本発明の第2様態によるポリエステルフィルムの断面を示す図である。
以下、本発明の構成についてより具体的に説明する。
本発明の第1様態は、図3に示すように、ポリエステルベースフィルム10と、該ポリエステルベースフィルム10の片面上のプライマー層20と、を含み、150°Cで60分間維持した後、下記式1によるヘイズ変化率(△H)が0.1%以下であるポリエステルフィルムに関する。
[式1]
△H(%)=H−H
(前記式中、Hは、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズ(%)であり、Hは、加熱前のフィルムのヘイズである。)
本発明の第2様態は、図4に示すように、ポリエステルベースフィルム10と、該ポリエステルベースフィルム10の両面上の第1プライマー層20及び第2プライマー層30と、を含み、150°Cで60分間維持した後、下記式1によるヘイズ変化率(△H)が0.1%以下であるポリエステルフィルムに関する。
[式1]
△H(%)=H−H
(前記式中、Hは、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズ(%)であり、Hは、加熱前のフィルムのヘイズである。)
本発明のポリエステルフィルムにおいて、前記プライマー層は、オリゴマー遮断性を有する水分散性樹脂組成物を塗布して形成されたものである。本発明者らは、前記オリゴマー遮断性を有する水分散性樹脂組成物として特定の樹脂を使用することによりオリゴマーの遮断性が非常に向上し、これにより、加熱後にもヘイズ変化率が0.1%以下、より具体的には0〜0.1%と非常に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、前記水分散性樹脂組成物に、本発明の化学式1及び化学式2で表されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物をさらに含む場合、ヘイズ変化率が0.05%以下、より具体的には0〜0.05%とより向上する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明の第1様態及び第2様態において、前記プライマーコーティング層は、Tが60°C以上、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、密度が1.3〜1.4であってもよい。
また、本発明の第1様態及び第2様態において、前記ポリエステルフィルムは、150°Cで60分間加熱した後、フィルムの表面に析出されるオリゴマー粒子の数が10000μm当たり10個以下であり、オリゴマー粒子の平均サイズが10000μm当たり20μm以下の物性を満足することができる。オリゴマー移行程度が前記範囲を満足するフィルムの場合、ダイヤモンドマーク(diamond Mark)及び白化現象が現れないことを確認することができる。
すなわち、プライマー層の物性として、Tが60°C以上、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、密度が1.3以上の物性を満足する範囲で、150°Cで60分間加熱した後、フィルムの表面に析出されるオリゴマー粒子の数が10000μm当たり10個以下であり、オリゴマー粒子の平均サイズが10000μm当たり20μm以下の物性を満足することができる。
具体的に、プライマー層の物性として、Tが60°C以上、より具体的には60°C以上で、上限は制限されず、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、より具体的には0%〜30%、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、より具体的には95〜100%であり、密度が1.3以上、より具体的には1.3〜1.4の物性を満足する範囲で、塗膜の構造緻密度及びプライマー層の移動度(Mobility)が低下して、温度及び圧力を加えてもポリエステルフィルムの内部に存在するオリゴマーが表面へ移行することができないことを確認することができた。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、前記プライマー層は、オリゴマー遮断性を有する水分散性樹脂組成物を塗布して形成されたものであってもよい。
本発明の一様態において、前記プライマー層を形成するための水分散性樹脂組成物として、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂と、水分散性ポリエステル系樹脂と、を含む水分散性樹脂組成物を使用してもよい。
本発明の一様態において、前記水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=20〜80:80〜20重量%であってもよい。より好ましくは、40〜60:60〜40重量%であってもよい。水分散性ポリエステル系樹脂(B)の固形分含有量が20重量%未満であり、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)の固形分含有量が80重量%を超える場合には、エマルジョンの粒径(Particle Size)が大きくなってインラインコーティングの際に染みが発生し、ポリエステルベースフィルムとの密着性と透明性が低下する。また、水分散性ポリエステル系樹脂(B)の固形分含有量が80重量%を超え、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)の固形分含有量が20重量%未満の場合には、オリゴマー遮断効果を十分に発現することができない可能性がある。
本発明の水分散性樹脂組成物は、水分散性ポリエステル系樹脂(B)の水性分散液とグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)のエマルジョンを混合して製造してもよく、水分散性ポリエステル系樹脂(B)の水性分散液の中でグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを単独で又はグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーと共重合可能なラジカル重合性不飽和モノマーを重合して製造してもよい。この際、界面活性剤、重合開始剤を使用してもよい。前記界面活性剤及び重合開始剤は、乳化重合に通常使用されるものであれば、制限なく使用することができる。具体例として、界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は非反応性界面活性剤を使用してもよく、これらを併用して使用してもよい。重合開始剤は、ラジカル重合開始剤として、ペルオキシド系開始剤又はアゾビスイソブチロニトリルなどの窒素化合物を使用してもよい。
本発明の水分散性樹脂組成物は、必要に応じて、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤などをさらに含んでもよい。
より好ましくは、架橋剤として、下記の化学式1及び化学式2で表されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物を含むことにより、反応速度がより速くなり、低温でプライマー層が形成されることができることから、プライマー層の形成後に加熱によって一部流出しうるオリゴマーを完全に遮断することができる。
(前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して化学結合を示すか、(C1‐C10)アルキレンから選択され、R〜Rは、それぞれ独立して水素、(C1‐C10)アルキルから選択される。)

(前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して(C1‐C10)のアルキレンであり、Bは、ブロッキング剤である。)
前記化学式1の化合物は、反応速度を速くし、且つ、反応温度が120〜140°C、より具体的には130°C程度で、ポリエステルフィルムの製膜工程の際に予熱ゾーン(Preheating Zone)で反応が始まり、これにより、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)のグリシジル基と反応が可能となり、より緻密な構造のプライマー塗膜を形成することができる。
したがって、前記化学式1の化合物を使用する場合、ポリエステルフィルムの製膜工程の際にインライン塗布工程で塗布が可能となり、これにより、フィルム製造後、別にプライマー層を塗布する工程を必要としないことから工程が簡単となり、インライン塗布工程による塗布後、延伸されて均一な塗膜厚さを形成することができるようになり、優れた光学物性を有するポリエステルフィルムを製造することができる。
前記化学式1のより具体的な例としては、下記化学式3の化合物を使用してもよい。
前記化学式2は、水分散状態で存在し、これにより、フィルムに塗布された後、予熱ゾーン(Preheating Zone)で水と反応してアミンに変化し、このアミンがイソシアネートと反応して自己反応を行ったり、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)のグリシジル基との反応が可能となったり、より緻密な構造のプライマー塗膜を形成することができる。
より具体的に、前記化学式2中、A〜Aは、それぞれ独立して(C4‐C5)のアルキレンであり、Bは、ピラゾール系ブロッキング剤であってもよく、より具体的には3,5‐ジメチルピラゾール(3,5 Dimethyl Pyrazol)であってもよい。
前記化学式2の化合物は、具体的に下記化学式4の化合物であってもよい。
前記化学式1及び化学式2の化合物は、水分散性樹脂組成物内において0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜2重量%使用することが好適である。0.1重量%未満の場合には、その使用効果が微細であり、10重量%を超えて使用する場合には、塗膜が脆すぎて(Brittle)ポリエステルフィルムを製造する際にプライマー層の表面にクラックが発生しうる。
前記化学式1及び化学式2の化合物をさらに含む場合、150°Cで60分間維持した後、下記式1によるヘイズ変化率(△H)が0.05%以下、より具体的には0〜0.05%であり、耐スクラッチ性及び耐溶剤性がより向上したポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明の水分散性樹脂組成物において、前記水分散性ポリエステル系樹脂(B)は、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分と、ジエチレングリコールを含むグリコール成分との共重合体であってもよい。
より具体的に、ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸とスルホン酸アルカリ金属塩化合物を使用してもよく、前記スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して6〜20モル%含有してもよい。
前記ジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,5‐ジメチルテレフタル酸、2,6‐ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを使用してもよい。
前記スルホン酸アルカリ金属塩化合物は、具体例として、スルホテレフタル酸、5‐スルホイソフタル酸、4‐スルホイソフタル酸、4‐スルホナフタレン酸、2,7‐ジカルボン酸などのアルカリ金属塩などを使用してもよく、6〜20モル%使用することが好ましい。6モル%未満を使用する場合には、水に対する樹脂の分散時間が長くなり、分散性が低く、20モル%を超えて使用する場合には、耐水性が低下することがある。
前記グリコール成分としては、ジエチレングリコールと炭素数2〜8の脂肪族又は炭素数6〜12の脂環族グリコールなどを使用してもよい。具体例として、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4‐ブタンジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、1,3‐シクロヘキサンジメタノール、1,2‐シクロヘキサンジメタノール、1,6‐ヘキサンジオール、P‐キシレングリコール、トリエチレングリコールなどを使用してもよい。この際、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して20〜80モル%含有することが好ましい。
前記水分散性ポリエステル系樹脂(B)は、数平均分子量が1000〜50000であることが好ましく、より好ましくは、数平均分子量が2000〜30000である。数平均分子量が1000未満の場合には、オリゴマー遮断効果が微細であり、50000を超える場合には、水分散性が低いことがある。
前記水分散性ポリエステル系樹脂(B)としては、水又は水性溶剤を含む水にポリエステル系樹脂を、50〜90℃に加熱攪拌して均一に水分散させて得た水分散体を使用する。このように製造された水分散体は、均一な分散のために、固形分濃度が30重量%以下、より好ましくは10〜30重量%であることが好適である。前記水性溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどを使用してもよい。
次に、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)について説明する。
グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーの単独重合体又はグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーと共重合可能な他のラジカル重合性不飽和モノマーを共重合した樹脂である。
前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとしてグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して20〜80モル%含有してもよい。前記グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーは、架橋反応によりプライマー層の塗膜の強度を向上させ、架橋密度を高めることから、オリゴマーの流出を遮断することができる。具体例として、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルなどを使用してもよい。
グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーと共重合可能なラジカル重合性不飽和モノマーは、ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸アミド、不飽和ニトリル、不飽和カルボン酸、アリル化合物、含窒素系ビニルモノマー、炭化水素ビニルモノマー又はビニルシラン化合物などが挙げられる。ビニルエステルとしては、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニルなどを使用してもよい。不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸オクチル、フマル酸ブチル、フマル酸オクチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを使用してもよい。不飽和カルボン酸アミドとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ブトキシメチロールアクリルアミドなどを使用してもよい。不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリルなどを使用してもよい。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステルなどを使用してもよい。アリル化合物としては、酢酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸アリル、イタコン酸ジアリルなどを使用してもよい。含窒素系ビニルモノマーとしては、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなどを使用してもよい。炭化水素ビニルモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ヘキセン、オクテン、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエンなどを使用してもよい。ビニルシラン化合物としては、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ガンマ‐メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ‐メタクリロキシプロピルジメトキシシランなどを使用してもよい。
本発明の水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂と水分散性ポリエステル系樹脂の固形分含有量が0.5〜10重量%、湿潤剤0.1〜0.5重量%、平均粒径が100〜200nmであるシリカ0.1〜1.0重量%を含んで、全固形分含有量が0.5〜10重量%である水分散性又は水溶性の組成物であることが好ましい。固形分含有量が0.5〜10重量%である範囲が、塗布厚さを調節するために好ましい。
湿潤剤は、コーティング性を向上させるために使用されるものであり、具体例として、Dow Corning社製のQ2‐5212、ENBODIC社製のTEGO WET250、BYK CHEMIE社製のBYK348などの変性シリコーン系湿潤剤などを使用してもよく、これに限定されるものではない。湿潤剤は、0.1〜0.5重量%使用することが好ましく、前記範囲で、目的とするコーティング性の向上を図ることができる。
平均粒径が50〜1000nmであるシリカは、フィルム巻き取り性を向上させるために使用されるものであり、Acehitech社製のACESOL Series、Nano Technologies社製のNYACOL Series、JGC C&C社製のSpherical slurry seriesなどを使用してもよく、これに限定されるものではない。その含有量は、0.1〜1.0重量%を使用することが好ましい。
本発明の一様態において、前記ポリエステルベースフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであってもよい。前記ポリエステルベースフィルムは、厚さが25〜250μmであってもよい。
本発明において、前記プライマー層は、乾燥塗布厚さが20〜200nmであってもよい。乾燥塗布厚さが20nm未満の場合には、オリゴマー遮断性が十分に現れないことがあり、200nmを超える場合には、コーティング染みが現れ、フィルム巻り取き後、プライマー層同士が付着するブロッキング(Blocking)現象が発生する可能性が高くなる。
本発明において、前記水分散性樹脂組成物は、ポリエステルフィルムの製造工程中にインライン塗布法で塗布されるものであってもよい。すなわち、ポリエステルベースフィルムの製造の際に、延伸前又は1次延伸後、2次延伸前にインライン塗布法で塗布した後、延伸することで、製造することができ、延伸及び熱固定過程で加熱によって水が蒸発することになり、プライマー層を形成することができる。塗布法は、公知の塗布法であれば制限されない。
本発明のポリエステルフィルムの上部にハードコーティング層、粘着剤層、光拡散層、ITO層などを形成することができ、このような機能性コーティング層を形成してから加熱してもオリゴマーの流出が遮断されて光学的特性を維持することができることから、本発明のポリエステルフィルムは、光学フィルムとしての使用に適する。
以下、本発明をより具体的に説明するために実施例を挙げて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
以下の物性は、次の測定方法で測定した。
1)プライマー層の乾燥塗布厚さ
コーティング組成物がコーティングされたベースフィルムの全幅を縦方向の垂直方向(TD)に1mの間隔で5Pointを指定してフィルムの断面をSEM(Hitachi S−4300)で測定し、5万倍拡大してその区間内30Point測定後、平均値を計算した。
2)ヘイズ変化率(△H)
プライマー層の形成後、
(1)両面プライマー層形成時
加熱前のフィルムのヘイズと、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズを測定して、変化量を下記式1にしたがって計算した。
(2)片面プライマー層形成時
プライマー層が形成された面の反対面にコロナ(corona)処理を施し、ハードコーティング液(AIKA社製、Z‐711)をメーヤバー(Mayer Bar)#4番で塗布し、80°Cで2分間乾燥した後、UV照射して(200mj/cm)表面にハードコーティング層を形成する。
加熱前のフィルムのヘイズと、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズを測定して、変化量を下記式1にしたがって計算した。
[式1]
△H(%)=H−H
(前記式中、Hは、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズ(%)であり、Hは、加熱前のフィルムのヘイズである。)
3)加熱後のオリゴマー粒子の平均面積
ポリエステルフィルムを100mm×100mmの大きさに切断した後、150°Cに設定したオーブン(Oven)に60分間エージング(Aging)した後、顕微鏡(Leica、DM 2500M)の反射モードを用いて500倍の倍率で観察した。観察されたオリゴマー粒子の面積は27000μmであり、このような面積を10回表面観察し、10回表面観察したオリゴマー粒子の最も短い長さと最も長い長さを記録して、10000μmの面積に移行するオリゴマーの平均面積を計算した。
オリゴマー1個当たりの面積=(オリゴマー粒子の最も短い長さ×オリゴマー粒子の最も長い長さ)
単位面積当たり(10000μm)のオリゴマー面積=移行されたオリゴマーの面積の和/2.7
10回観察したオリゴマー面積の平均値
4)加熱後のオリゴマー粒子の個数
ポリエステルフィルムを100mm×100mmの大きさに切断した後、150°Cに設定したオーブン(Oven)に60分間エージング(Aging)した後、顕微鏡(Leica、DM 2500M)の反射モードを用いて500倍の倍率で観察したときに27000μmを観察することができた。このような面積を10回表面観察し、10回表面観察したオリゴマー粒子の個数の平均値を示す。
単位面積当たり(10000μm)のオリゴマーの数=(1回観察したときのオリゴマーの数/2.7)
10回観察したオリゴマーの数の平均値
5)膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTの測定
実施例及び比較例で製造された水分散性樹脂組成物15gを幅80mm、高さ15mmの丸い容器に入れて80°Cで24時間、120°Cで3時間乾燥した後、180°Cで1時間エージング(Aging)した。これから1gの乾燥塗膜を採取した後、Tを測定した。また、前記乾燥塗膜を蒸留水50gに浸漬した後、70°Cで24時間放置した。放置した塗膜を取り出して膨潤率(Swelling ratio)を測定した。放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥した後、重量を記録してゲル分率(Gel fraction)を測定した。
膨潤率(Swelling ratio):
約1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸漬した後、70°Cで24時間放置し、放置した塗膜を取り出して重量を記録する。
膨潤率(Swelling ratio)=(放置後の重量−初期の重量)/初期の重量×100
ゲル分率(Gel fraction):
放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥した後、重量を記録する。
ゲル分率(Gel fraction)=(乾燥後の重量/初期の重量)×100
の測定 :
DSC(PerkinElmer DSC 7利用)機器を用いて、2nd Run modeで測定する。10〜11mgの乾燥塗膜をPerkinElmer DSC 7を用いて測定する。
1st Run.=0〜200°C、200°C/minの速度で温度を上げ、
保持時間(Holding Time)の3分間、200°Cの温度を維持した後、
200°C〜−40°C、200°C/minの速度で温度を下げ、
保持時間(Holding Time)の5分間、−40°Cの温度を維持。
2nd Run.=−40°C〜200°C、20°C/minの条件で測定する。
[実施例1]
1)水分散性樹脂組成物1の製造
TAKAMATSU社製(日本)KLX‐007バインダー(固形分25%の水分散性樹脂組成物)16重量%にシリコーン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体、Q2‐5212)0.3重量%、平均粒径が140nmであるコロイドシリカ粒子0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.6重量%である水分散性樹脂組成物1を製造した。
前記KLX‐007バインダーは、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=50:50であり、前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとして、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して50モル%含有し、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して50モル%含有し、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して10モル%含有する。
2)オリゴマー遮断ポリエステルフィルムの製造
水分が除去されたポリエチレンテレフタレートチップを押出機に入れて溶融押出した後、表面温度20°Cのキャスティングドラムで急冷、固化させて厚さが2000μmであるポリエチレンテレフタレートシートを製造した。製造されたポリエチレンテレフタレートシートを80°Cで縦方向(MD)に3.5倍延伸した後、常温に冷却した。次に、製造した水分散性樹脂組成物1をバーコーティング(Bar Coating)方法で両面にコーティングした後、110〜150°Cまで1秒当たり1°Cずつ昇温し、予熱、乾燥を経て横方向(TD)に3.5倍延伸した。次に、5段テンターで235℃で熱処理を施し、200°Cで縦方向及び横方向に10%弛緩させて熱固定し、両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。
前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは80nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表1に示す。
[実施例2]
1)水分散性樹脂組成物2の製造
TAKAMATSU社製(日本)KLX‐007バインダー(固形分25%の水分散性樹脂組成物)16重量%、下記の[化3]の化合物0.4重量%(バインダー固形分に対して10重量部)、シリコーン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体、Q2‐5212)0.3重量%、平均粒径が140nmであるコロイドシリカ粒子0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.6重量%である水分散性樹脂組成物2を製造した。
2)オリゴマー遮断ポリエステルフィルムの製造
水分が除去されたポリエチレンテレフタレートチップを押出機に入れて溶融押出した後、表面温度20°Cのキャスティングドラムで急冷、固化させて厚さが2000μmであるポリエチレンテレフタレートシートを製造した。製造されたポリエチレンテレフタレートシートを80°Cで縦方向(MD)に3.5倍延伸した後、常温に冷却した。次に、製造した水分散性樹脂組成物2をバーコーティング(Bar Coating)方法で両面にコーティングした後、110〜150°Cまで1秒当たり1°Cずつ昇温し、予熱、乾燥を経て横方向(TD)に3.5倍延伸した。次に、5段テンターで235°Cで熱処理を施し、200°Cで縦方向及び横方向に10%弛緩させて熱固定し、両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。
前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは86nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表1に示す。
[実施例3〜6]
下記表1のように、バインダー樹脂の種類及び含有量を変え、架橋剤の含有量を変えた以外は、前記実施例1と同じ方法でフィルムを製造した。
TAKAMATSU社製(日本)KLX‐008バインダーは、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=50:50であり、前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとして、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して40モル%含有し、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して50モル%含有し、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して10モル%含有する。
TAKAMATSU社製(日本)KLX‐030バインダーは、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A)/(B)=50/50であり、前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとして、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して50モル%含有し、前記水分散性ポリエステル系樹脂は、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して40モル%含有し、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して15モル%含有する。
[比較例1]
P‐3208 Binder9.1重量%(固形分44%の水分散性樹脂組成物)、シリコーン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体、Q2‐5212)0.3重量%、平均粒径が140nmであるコロイドシリカ粒子0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.6重量%である水分散性樹脂組成物を製造した。
P3208バインダーは、Rohm & Haas社の製品であり、メチルメタクリレート40重量%とエチルアクリレート40重量%及びメラミン20重量%を含むバインダーである。
[比較例2]
H‐3 Binder20重量%(固形分20%の水分散性樹脂組成物)、シリコーン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体、Q2‐5212)0.3重量%、平均粒径が140nmであるコロイドシリカ粒子0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.6重量%である水分散性樹脂組成物を製造した。
H‐3バインダーは、DAICHI KOGYO SEIYAKU社の製品であり、ポリエステル系ポリオール(重量平均分子量が1000のポリエチレンアジペートジオール)9重量%、ヘキサメチレンジイソシアネート10重量%、イオン性基を有する反応性乳化剤(Asahi Denka社製、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸エステルであるアデカリアソープ(SETM))1重量%及び水80重量%を反応させた固形分含有量20重量%の水性ポリウレタンバインダーである。
[比較例3]
Z‐561 Binder16重量%(固形分25%の水分散性樹脂組成物)、下記 の[化2]の化合物0.4重量%(バインダー固形分に対して10重量部)、シリコーン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体、Q2‐5212)0.3重量%、平均粒径が140nmであるコロイドシリカ粒子0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.6重量%である水分散性樹脂組成物を製造した。
Z‐561バインダーは、Goo Chemical社の製品であり、2,6‐ナフタレンジカルボン酸(2,6‐Naphtalene dicarboxly acid)40mol(26モル%)、ナトリウム2,5‐ジカルボキシルベンゼンスルホネート(sodium 2,5‐dicarboxylbenzene sulfonate)5モル(3.3モル%)、ジメチルテレフタル酸5モル(3.3モル%)とエチレングリコールと1,4ブチレングリコールを1:1で混合して得た100モル(66.66モル%)の混合物を用いて重縮合反応を行って製造された25重量%の水性ポリエステルバインダーである。
前記表を参照すると、本発明の実施例1〜6は、ヘイズ変化率が0.1%以下と非常に低いことが分かり、架橋剤を使用するにつれてヘイズ変化率がより減少することを確認し、オリゴマーの面積及び個数が著しく減少することを確認した。
[実施例7]
1)水分散性樹脂組成物3の製造
バインダーとしては、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=40:60であるバインダーを使用した。
前記アクリル系樹脂(A)は、アクリル酸グリシジル60モル%、プロピオン酸ビニル40モル%が共重合されたものであり、重量平均分子量が35000のものを使用した。
前記水分散性ポリエステル系樹脂(B)は、ジエチレングリコール50モル%、エチレングリコール50モル%のグリコール成分50モル%に対して、スルホテレフタル酸15モル%、テレフタル酸85モル%の酸成分を50モル%使用して重合された樹脂であり、重量平均分子量が14000のものを使用した。
前記バインダーの固形分含有量0.5重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が0.8重量%である水分散性樹脂組成物3を製造した。
製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTg測定し、その結果を下記表2に示す。
2)オリゴマー遮断ポリエステルフィルムの製造
水分が除去されたポリエチレンテレフタレートチップを押出機に入れて溶融押出した後、表面温度20°Cのキャスティングドラムで急冷、固化させて厚さが2000μmであるポリエチレンテレフタレートシートを製造した。製造されたポリエチレンテレフタレートシートを75°Cで縦方向(MD)に3.5倍延伸した後、常温に冷却した。次に、製造した水分散性樹脂組成物3をバーコーティング(Bar Coating)方法で両面にコーティングした後、110〜150°Cまで1秒当たり1°Cずつ昇温し、予熱、乾燥を経て横方向(TD)に3.5倍延伸した。次に、5段テンターで230°Cで熱処理を施し、200°Cで縦方向及び横方向に10%弛緩させて熱固定し、両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。
前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは20nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[実施例8]
前記実施例7と同じバインダー樹脂を使用し、前記バインダーの固形分含有量2重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%、下記化学式4のイソシアネート系硬化剤0.4重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が2.7重量%である水分散性樹脂組成物4を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物4を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは50nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[実施例9]
前記実施例7と同じバインダー樹脂を使用し、前記バインダーの固形分含有量2重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%、化学式4のイソシアネート系硬化剤1重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が3.3重量%である水分散性樹脂組成物5を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物5を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは80nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[実施例10]
1)水分散性樹脂組成物6の製造
バインダーとしては、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=70:30であるバインダーを使用した。
前記アクリル系樹脂(A)は、アクリル酸グリシジル60モル%、プロピオン酸ビニル40モル%が共重合されたものであり、重量平均分子量が30000のものを使用した。
前記水分散性ポリエステル系樹脂(B)は、ジエチレングリコール50モル%、エチレングリコール50モル%のグリコール成分50モル%に対して、スルホテレフタル酸15モル%、テレフタル酸85モル%の酸成分を50モル%を使用して重合された樹脂であり、重量平均分子量が12000のものを使用した。
前記バインダーの固形分含有量5重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が5.3重量%である水分散性樹脂組成物6を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物6を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは110nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[実施例11]
前記実施例10と同じバインダー樹脂を使用し、前記バインダーの固形分含有量5重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%、化学式4のイソシアネート系硬化剤0.5重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が5.8重量%である水分散性樹脂組成物7を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物7を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは105nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[実施例12]
前記実施例7と同じバインダー樹脂を使用し、前記バインダーの固形分含有量2重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%、下記化学式3の化合物0.5重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が2.8重量%である水分散性樹脂組成物8を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物8を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは80nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[比較例5]
Rohm & Haas社の製品であり、メチルメタクリレート40重量%とエチルアクリレート40重量%及びメラミン20重量%を含むバインダー(Rohm & Haass社製、P3208)を使用した。
前記バインダーの固形分含有量2重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が2.3重量%である水分散性樹脂組成物9を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物9を使用して実施例1と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは80nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[比較例6]
ポリエステル系ポリオール(重量平均分子量が1000であるポリエチレンアジペートジオール)9重量%、ヘキサメチレンジイソシアネート10重量%、イオン性基を有する反応性乳化剤(Asahi Denka社製、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸エステルであるアデカリアソープ(SETM))1重量%及び水80重量%を反応させた固形分含有量20重量%の水性ポリウレタンバインダーを製造した。
前記バインダーの固形分含有量4重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.3重量%である水分散性樹脂組成物10を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物10を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは80nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
[比較例7]
2,6‐ナフタレンジカルボン酸(2,6‐Naphtalene dicarboxlylic acid)40mol(26モル%)、ナトリウム2,5‐ジカルボキシルベンゼンスルホネート(sodium 2,5‐dicarboxylbenzene sulfonate)5モル(3.3モル%)、ジメチルテレフタル酸5モル(3.3モル%)とエチレングリコールと1,4ブチレングリコールを1:1で混合して100モル(66.66モル%)を無溶媒状態で混合し、これを反応器に入れて170°Cから250°Cまで1分当たり1°C昇温しながら反応させて、副生成物である水又はメタノールを除去しながらエステル化反応を行い、260°Cまで昇温すると同時に反応器内の圧力を1mmHgに減圧して副生成物であるジオールを回収しながら重縮合反応を行い、固有粘度が0.4であるポリエステル樹脂を製造した。
前記製造されたポリエステル樹脂25重量%に水75重量%を入れて乳化させて、固形分含有量が25重量%である水性ポリエステルバインダーを製造した。
前記バインダーの固形分含有量4重量%、シリコーン系湿潤剤(BYK CHEMIE社製のBYK348)0.3重量%を水に添加して2時間攪拌し、全固形分含有量が4.3重量%である水分散性樹脂組成物11を製造した。製造された水分散性樹脂組成物を用いて前記の膨潤率(Swelling ratio)、ゲル分率(Gel fraction)及びTを測定し、その結果を下記表2に示す。
製造された水分散性樹脂組成物11を使用して実施例7と同じ方法で両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記組成物のプライマー層の乾燥塗布厚さは70nmであった。このように得られたポリエステルフィルムの物性を下記表3に示す。
前記表2及び表3を参照すると、プライマー層のTが60°C以上、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、密度が1.3〜1.4である範囲をすべて満足する条件下で、オリゴマー粒子の数が10000μm当たり10個以下であり、オリゴマー粒子の平均サイズが10000μm当たり20μm以下である物性を満足することが分かる。
また、ヘイズ変化率が0.1%以下であることが分かる。
10 ポリエステルベースフィルム
20 第1プライマー層
30 第2プライマー層

Claims (16)

  1. ポリエステルベースフィルムと、
    該ポリエステルベースフィルムの片面又は両面にオリゴマー遮断性を有する水分散性樹脂組成物を塗布して形成したプライマー層と、を含み、
    前記水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂と、水分散性ポリエステル系樹脂と、をバインダー樹脂として含み、メラミン系架橋剤、イソシアネート系硬化剤から選択されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物を含み、
    前記水分散性ポリエステル系樹脂は、ジエチレングリコールを全グリコール成分に対して20〜80モル%含有し、
    前記アクリル系樹脂は、共重合モノマーとしてグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを全モノマー成分に対して40〜80モル%含有し、
    150°Cで60分間維持した後、下記式1によるヘイズ変化率(△H)が0.07%以下である、ポリエステルフィルム。
    [式1]
    △H(%)=H−H
    (前記式中、Hは、150°Cで60分間維持した後のフィルムのヘイズ(%)であり、Hは、加熱前のフィルムのヘイズである。)
  2. 前記プライマー層は、Tが60°C以上、膨潤率(Swelling ratio)が30%以下、ゲル分率(Gel fraction)が95%以上、密度が1.3〜1.4である、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 150°Cで60分間加熱した後、フィルムの表面に析出されるオリゴマー粒子の数が10000μm当たり10個以下であり、オリゴマー粒子の平均サイズが10000μm当たり20μm以下である、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  4. 前記水分散性樹脂組成物は、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーが共重合されたアクリル系樹脂(A)と水分散性ポリエステル系樹脂(B)との固形分重量比が、(A):(B)=20〜80:80〜20重量%である、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  5. 前記水分散性樹脂組成物は、バインダー樹脂と水とを含んで、固形分含有量が0.5〜10重量%である、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  6. 前記水分散性樹脂組成物は、シリコーン系湿潤剤を0.1〜0.5重量%さらに含む、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  7. 前記水分散性ポリエステル系樹脂は、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分と、ジエチレングリコールを含むグリコール成分との共重合体である、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  8. 前記水分散性ポリエステル系樹脂は、スルホン酸アルカリ金属塩化合物を全酸成分に対して6〜20モル%含有する、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  9. 前記メラミン系架橋剤は、下記の化学式1から選択される化合物であり、前記イソシアネート系硬化剤は、下記化学式2から選択される混合物である、請求項に記載のポリエステルフィルム。


    (前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して化学結合を示すか(C1‐C10)アルキレンから選択され、R〜Rは、それぞれ独立して水素、(C1‐C10)アルキルから選択される。)


    (前記式中、A〜Aは、それぞれ独立して(C1‐C10)のアルキレンであり、Bは、ブロッキング剤である。)
  10. 前記化学式1及び化学式2で表されるいずれか一つの化合物又はこれらの混合物の含有量が0.1〜10重量%である、請求項に記載のポリエステルフィルム。
  11. 前記化学式1の化合物は、下記の化合物である、請求項に記載のポリエステルフィルム。

  12. 前記ポリエステルベースフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  13. 前記ポリエステルベースフィルムは、厚さが25〜250μmである、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  14. 前記プライマー層は、乾燥塗布厚さが20〜200nmである、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  15. 前記水分散性樹脂組成物は、ポリエステルフィルムの製造工程中にインライン塗布法で塗布される、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  16. 前記ポリエステルフィルムは、ディスプレイ用フィルムである、請求項1から15のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
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