JP6165325B2 - 光学フィルム - Google Patents

光学フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6165325B2
JP6165325B2 JP2016517327A JP2016517327A JP6165325B2 JP 6165325 B2 JP6165325 B2 JP 6165325B2 JP 2016517327 A JP2016517327 A JP 2016517327A JP 2016517327 A JP2016517327 A JP 2016517327A JP 6165325 B2 JP6165325 B2 JP 6165325B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
water
optical film
dispersible polyurethane
gel fraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016517327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016540659A (ja
Inventor
ソンラン チョイ
ソンラン チョイ
サンヒョン ベク
サンヒョン ベク
ドゥファン ジョン
ドゥファン ジョン
Original Assignee
コーロン インダストリーズ インク
コーロン インダストリーズ インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コーロン インダストリーズ インク, コーロン インダストリーズ インク filed Critical コーロン インダストリーズ インク
Priority claimed from PCT/KR2014/009038 external-priority patent/WO2015046958A1/ko
Publication of JP2016540659A publication Critical patent/JP2016540659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6165325B2 publication Critical patent/JP6165325B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、光学フィルムに関し、より詳細には、ポリエステル基材フィルムの片面または両面にポリウレタンコーティング組成物を塗布してプライマー層を形成することで、高温・高湿下において優れた接着性を有するポリエステル系光学フィルムに関する。
通常、二軸延伸されたポリエステルフィルムは、寸法安定性、厚さ均一性および光学的透明性に優れるため、ディスプレイ機器だけでなく、各種産業用の材料としてその利用範囲が非常に広い。
かかる二軸延伸ポリエステル積層フィルムを光学用として用いる場合、通常、ポリエステルフィルムとの接着性に優れた共重合ポリエステル系樹脂を用いてプライマー層を形成する。しかし、共重合ポリエステル系樹脂を単独で用いる場合、ポリエステル系基材フィルムとの接着性は十分であるものの、プリズムレンズ、反射防止層またはハードコーティング層などで様々な後加工処理してから用いる場合には、共重合ポリエステル系樹脂では不十分である。これを補うために、ポリエステルを製造する際に、易接着性、柔軟性、耐磨耗性に優れ、強力な接着性などを有して、接着性が要求される様々な分野で用いられているポリウレタン系樹脂を用いたプライマー層をコーティングすることで、接着力を向上させる方法が研究されている。しかしながら、ポリウレタン樹脂からなるプライマー層を形成したものでは、ハードコーティング層などの外層との接着力は向上するものの、基材であるポリエステルフィルムとの接着力が十分でなく、結果、外層との十分な接着性が得られないという問題があった。
また、前記後加工処理後の接着性を評価する方法の一つとして、温度65°C、湿度90%の高温・高湿条件下で耐湿性を評価する際に、後加工処理した裏面への水分浸透による接着力不良が生じ得る。かかる問題を解決するために、ポリウレタン系樹脂に硬化剤を適用して高分子ネットワークを形成することで耐久性を向上させようとした。しかし、一般に用いられるメラミン系またはエポキシ系硬化剤は、プライマー層のポリウレタン樹脂を十分に架橋させることができず、光学物性が低下するという問題が発生した。
韓国登録特許第10‐1050216号(特許文献1)には、水溶性ポリイソシアネート樹脂に水分散ポリカルボジイミドを硬化剤として用いた高分子基材が開示されている。しかし、高温・高湿下における高分子基材との接着性は向上したものの、透過率、ヘイズ、および黄色度などの光学特性が低下して、光学フィルム用として用い難いという問題が依然としてあった。
韓国登録特許第10‐1050216号
上記の問題点を解決するために、高温・高湿下でポリエステル基材フィルムとの接着性に優れたプライマー層を有するポリエステル光学フィルムを提供することを目的とする。
より具体的に、末端基が2個である線状ポリマー10〜75重量%および末端基が3個以上である分岐状ポリマー25〜90重量%からなる水分散性ポリウレタン樹脂と、官能基が4〜6個である水分散性ポリウレタン硬化剤と、を含むポリウレタンコーティング組成物でプライマー層を形成することで、高温・高湿下におけるポリエステル基材フィルムとの接着性だけでなく、ハードコーティング層などの後処理工程時に形成される外層との接着性が著しく向上したポリエステル光学フィルムを提供することを目的とする。
また、水分散性ポリウレタン硬化剤を含むことで、加湿条件処理後にも優れた接着力を有するポリエステル光学フィルムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は、ポリエステル基材フィルムの片面または両面に水分散性ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで形成されたプライマー層を含み、前記ポリウレタンコーティング組成物は、末端基が2個である線状ポリマー10〜75重量%および末端基が3個以上である分岐状ポリマー25〜90重量%からなる水分散性ポリウレタン樹脂と、官能基が4〜6個である水分散性ポリウレタン硬化剤と、を含む、光学フィルムに関する。
前記水分散性ポリウレタン樹脂の末端基は、一部または全部が無機酸塩基でブロッキングされているイソシアネート基であることができる。
前記水分散性ポリウレタン樹脂は、ポリオール39〜45重量%、トリメチロールプロパン0.3〜1.2重量%、およびイソシアネート化合物50〜57重量%を反応させて、イソシアネートを末端基として有するプレポリマーを製造した後、無機酸塩3〜4重量%を反応させて、イソシアネート末端にイオン性基をブロッキングすることで製造することができる。
前記ポリウレタンコーティング組成物は、前記水分散性ポリウレタン樹脂の固形分含量が10〜30重量%である水分散性ポリウレタンバインダー5〜10重量%、水分散性ポリウレタン硬化剤0.1〜3.0重量%、シリコン系湿潤剤0.1〜0.5重量%、コロイドシリカ粒子0.1〜0.5重量%、および残部の水を含むことができる。
前記水分散性ポリウレタン硬化剤は、ポリイソシアネート、有機溶媒、および水を含んで固形分含量が50〜80重量%であり、イソシアネート基の含量が4.0〜5.5重量%であり、25°Cでブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer、MODEL DV‐II VISCOMETER、spindle No.#5)で測定した粘度が2500cps以下であることができる。
前記有機溶媒は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールモノメチルエーテル、およびジブチレングリコールジメチルエーテルから選択される1種または2種以上であることができる。
前記ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートであることができる。
前記光学フィルムは、下記式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が50〜95%であり、ガラス転移温度が40°C以上であることができる。
[式2]
ゲル分率(%、gel fraction)=(乾燥後の重量−初期重量)×100
(前記式2中、乾燥後の重量は、約1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、前記放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから測定した重量を意味する。)
前記光学フィルムは、前記式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が80〜95%であり、ガラス転移温度が60〜80°Cであることができる。
前記光学フィルムは、表面エネルギーが30〜60dyne/cmであることができる。
本発明による光学フィルムは、常温および高温・高湿下において耐湿性に優れる利点がある。
また、水分散性ポリウレタンバインダーに水分散性ポリウレタン硬化剤を導入して架橋密度を高めることで、塗膜の強度が向上して優れた耐久性を有し、耐湿性に優れてアンチブロッキング(Anti‐Blocking)性を高めて光学フィルムの性能を向上させることができるとともに、プリズムコーティング層との接着力を向上させることで、UV易接着性に優れたプリズムシートなどの光学フィルムに適する利点がある。
以下、本発明の光学フィルムについて、好ましい実施形態および物性測定方法を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によりさらに容易に理解されることができ、下記の実施例は、本発明の例示のためのものであって、添付の特許請求の範囲により限定される保護範囲を制限するためのものではない。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、末端基であるイソシアネート官能基が3個以上であり、且つ末端が無機酸塩でブロッキングされている水分散性ポリウレタン樹脂と、官能基が4〜6個である水分散性ポリウレタン硬化剤と、を含むポリウレタンコーティング組成物を使用してプライマー層を形成すると、高温・高湿などの過酷な条件下における耐湿性が向上し、後加工時に、プリズムシートなどの光学用高分子基材フィルムとの接着性に優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
本発明で用いられる基材フィルムは、光学フィルムとして通常的に用いられる透明な高分子フィルムであれば特に制限されず、例えば、ポリエステルフィルムであることができる。
より具体的に、ポリエステルフィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いることが、光透過度に優れるため好ましい。基材フィルムの用途および物性を考慮して、添加剤または粒子をさらに含んでもよい。かかる基材フィルムは、延伸されたフィルムを用いることが好ましく、一軸または二軸延伸されたフィルムを用いることができる。前記基材フィルムとしては、厚さが50〜250μmのものを用いることができるが、これに制限されるものではない。
本発明において、前記プライマー層は、基材フィルムの片面または両面に形成されるものであって、接着性に優れ、他の基材との接着を容易にする易接着性を示す。
前記プライマー層は、水分散性ポリウレタン樹脂および水分散性ポリウレタン硬化剤を含むポリウレタンコーティング組成物を用いて形成されることを特徴とする。前記水分散性ポリウレタン樹脂は、末端基であるイソシアネート官能基が3個以上であり、前記イソシアネート基の一部または全部が無機酸塩基でブロッキングされている分岐状ポリマーと、イソシアネート官能基が2個であり、前記イソシアネート基の一部または全部が無機酸塩基でブロッキングされている線状ポリマーと、を含むことができる。
本発明において、「線状ポリマー」はイソシアネート官能基が2個である樹脂を意味し、「分岐状ポリマー」はイソシアネート官能基が3個または3個以上である樹脂を意味する。
前記無機酸塩基は、これに制限されないが、より具体的にサルフェートなどの無機塩であることができる。特に、硫酸水素ナトリウム(Sodium Hydrogen Sulfate)を用いることが好ましく、その含量は3〜4重量%であることが効果的である。
前記水分散性ポリウレタン樹脂としては、線状ポリマー10〜75重量%と、分岐状ポリマー25〜90重量%と、からなるものを使用することが好ましい。分岐状ポリマーの含量が25重量%未満である場合には、本発明で目的とする膨潤度およびゲル分率を満たすことができず、高温・高湿下で優れた易接着性を有する塗膜を得ることが困難である。前記分岐状ポリマーの含量は、前記水分散性ポリウレタン樹脂を製造する時にトリメチロールプロパンの含量を調節することで制御することができる。
また、分岐状ポリマーの含量が90重量%を超える場合には、過度なゲル化により粘度が急激に上昇し、水分散組成物を製造することが困難となり、フィルムの表面にコーティングする時に表面にクラックが発生するなど、表面の外観に欠陥が生じ得る。
前記水分散性ポリウレタン樹脂の製造方法の例として、ポリオール39〜45重量%、トリメチロールプロパン0.3〜1.2重量%、およびイソシアネート化合物50〜57重量%を反応させて、イソシアネートを末端基として有するプレポリマーを製造した後、無機酸塩3〜4重量%を反応させて、イソシアネート末端に無機酸塩のイオン性基をブロッキングすることで製造したものを使用することが好ましいが、これに制限されるものではない。
また、前記水分散性ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000〜20,000g/molの範囲であることが、樹脂がゲル化せず、均一な水分散が可能であって、高温・高湿下で優れた物性を有する塗膜が得られるため効果的である。
前記水分散性ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、GPC‐MALS(Multi Angle Light Scattering)システム(Wyatt社製)を用いて測定することができ、MALSシステムの構成は下記の通りである。
MALSシステムの構成
‐GPC:Water 1525 Binary HPLC Pump
‐RI検出器:Optilab rex
‐MALS:Wyatt Dawn 8+
‐Column:PLgel 5μm Mixed‐C(7.5mmΦ×300mm)×2(Polymer Laboratories)
‐移動相:DMF(50mM LiCl)
‐流速:0.5mL/min
‐温度:50°C
‐注入量(injection volume):0.5%、500μl
前記ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオールまたはポリエーテル系ポリオールが使用でき、ポリエステル系ポリオールを使用することが好ましい。前記ポリオールは、官能基が2個であるポリオールジオール、官能基が3個であるポリオールトリオール、および官能基が4個以上であるポリオールを含むことができ、ポリエステル系ジオールであることがより好ましい。
ポリエステル系ポリオールとしては、アジピン酸、カルボン酸、セバシン酸、または酸無水物と多価アルコールの反応により製造されるポリオールであることができる。かかるポリオールは、当該技術分野において公知のポリエステル系ポリオールであれば制限されずに使用でき、特に、重量平均分子量が600〜3000g/molのポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
本発明の一実施形態によるポリウレタン樹脂を製造するためのポリオールの含量は、39〜45重量%であることが好ましい。ポリオールの含量が39重量%未満である場合には、ポリウレタン樹脂の分子量が少なくなり、プライマー層が硬くなりすぎるという問題が生じ得る。また、光学フィルムの延伸が困難となって、コーティング外観が悪くなり得る。また、ポリオールの含量が45重量%を超える場合には、プライマー層がソフト(Soft)になりすぎて、ブロッキング性が低下するという問題が生じ得る。
また、前記トリメチロールプロパンは、3官能基を有するプレポリマーを製造し、分岐状ポリマーを形成するために用いられるものであって、0.3〜1.2重量%を使用することが好ましい。理論的に、0.3重量%のトリメチロールプロパンが含まれると、形成される分岐状ポリマーの含量が25重量%となり、1.2重量%のトリメチロールプロパンが含まれると、形成される分岐状ポリマーの含量が90重量%となる。
トリメチロールプロパンの含量が0.3重量%未満である場合には、架橋密度が減少してアンチブロッキング性(Anti‐Blocking)が低下することがあり、1.2重量%を超える場合には、架橋密度が高くなりすぎて延伸性が悪くなるため、コーティング外観に優れず、接着力が低下する問題が生じ得る。
本発明の一実施形態によるポリウレタン樹脂を製造するためのイソシアネート化合物は、これに制限されないが、脂肪族イソシアネートであることができる。
本発明の脂肪族イソシアネートは、主鎖の炭素数が3〜20である脂肪族または脂環族イソシアネートを含むことができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらの混合物が使用できる。より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートが使用できる。本発明のイソシアネート化合物の含量は、50〜57重量%の範囲であることが、3官能基を有するプレポリマーを製造することができるため効果的である。
本発明では、分散性の向上および工程の容易性のために、前記ポリウレタン樹脂と水を含む水分散性ポリウレタンバインダーを使用することが好ましい。水分散性ポリウレタンバインダーの固形分含量が10〜30重量%であることが効果的であり、前記含量である場合、プライマー層の厚さを容易に調節することができるため好ましい。
本発明の一実施形態による水分散性ポリウレタン硬化剤は、水分散性ポリウレタン樹脂とともに硬化されて架橋密度を向上させることにより、プライマー層の塗膜強度を向上させ、接着性および耐湿性を向上させるために添加されるものであることを特徴とする。
本発明の水分散性ポリウレタン硬化剤は、ポリイソシアネート、有機溶媒、および水を含んで固形分含量が50〜75重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜75重量%であることが効果的である。
本発明の一実施形態による水分散性ポリウレタン硬化剤に含まれるポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートであることが好ましい。
本発明の脂肪族イソシアネートは、主鎖の炭素数が3〜20である脂肪族または脂環族イソシアネートを含むことができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらの混合物が使用できる。
特に、ヘキサメチレンジイソシアネートを使用することが、水分散性を向上させ、ポリウレタン樹脂を均一に架橋させて、プライマー層の外観を美麗にすることができる。さらに、熱および水分により生じる隣接層間の接着現象(Blocking)を防止することができ、表面架橋度を高めて、外側コーティング層とのUV易接着性が向上することが分かる。
前記水分散性ポリウレタン硬化剤のイソシアネート基の含量は、4.0〜6.0重量%であることが好ましく、より好ましくは4.5〜5.5重量%であることが効果的である。
前記水分散性ポリウレタン硬化剤のイソシアネート基の含量が4.0重量%未満である場合には、架橋密度の上昇が微小であって、プライマー層の塗膜強度が十分に向上しないため、目的とする耐湿性および接着性の向上が期待できない。また、イソシアネート基の含量が5.5重量%を超える場合には、架橋密度が上昇しすぎて、ポリウレタンコーティング組成物中の粘度が急激に増加し、水分散性ポリウレタンバインダーとの相溶性が低下して、コーティング組成物中で凝集(Aggrgation)が発生することがあり、これは、後で光学フィルムを延伸する時に、破断またはクラックが生じるなど、フィルムの外観が悪くなる問題に繋がり得る。
前記水分散性ポリウレタン硬化剤は、25℃(常温)でブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer、MODEL DV‐II VISCOMETER、spindle No.#5)で測定した粘度が2500cps以下であることが好ましく、より好ましくは2000cps以下であることが、本発明のポリウレタンコーティング組成物を製造した時に凝集(Aggregation)が生じないため効果的である。
本発明の一実施形態による水分散性ポリウレタン硬化剤の水分散特性を向上させ、コーティング組成物の相溶性を向上させるために、有機溶媒を含むことが好ましい。前記有機溶媒は、両性の水混和性有機溶媒であれば制限されないが、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールモノメチルエーテル、およびジブチレングリコールジメチルエーテルから選択される1種または2種以上であることができる。
本発明の一実施形態による水分散性ポリウレタン硬化剤において、前記有機溶媒を20〜40重量%含む場合、残部の水とともにポリウレタン硬化剤の水分散性をさらに向上させ、架橋構造を均一に形成して塗膜強度および表面特性を向上させることができる利点がある。
本発明の一実施形態によるポリウレタンコーティング組成物は、水分散性ポリウレタンバインダー5〜10重量%、水分散性ポリウレタン硬化剤0.1〜3.0重量%、シリコン系湿潤剤0.1〜0.5重量%、コロイドシリカ粒子0.1〜0.5重量%、および残部の水を含むことができる。
前記水分散性ポリウレタンバインダーの含量が5重量%未満である場合には、コーティング性は良好であるが、接着力の向上が微小である欠点があり、10重量%を超える場合には、接着力には優れるが、架橋密度が上昇しすぎてフィルムの表面外観が悪くなり、全光線透過率およびヘイズなどの光学特性が低下して、光学フィルムに適しなくなる問題が生じ得る。
前記水分散性ポリウレタン硬化剤の含量が0.1重量%未満である場合には、十分に硬化されないため、接着性およびブロッキング性の改善が十分でないという問題が生じ、3.0重量%を超える場合には、ピンホールなどの欠陥が多く生じるなど、外観問題が急激に増大し、架橋密度が高くなって表面エネルギーが30dyne/cm以下になるだけでなく、表面全体において表面エネルギーのバラツキが大きく生じる。そのため、均一なコーティング層が形成されず、未反応の硬化剤が残留して付着力およびブロッキング特性の改善が微小となる問題が生じ得る。
本発明のポリウレタンコーティング組成物は、基材フィルム上のコーティング性およびプライマー層の耐熱性を容易に向上させるために、シリコン系湿潤剤、コロイドシリカ粒子を含むことがより効果的である。
シリコン系湿潤剤は0.1〜0.5重量%を使用することが好ましく、コロイドシリカ粒子は0.1〜0.5重量%を含むことが好ましい。また、前記コロイドシリカ粒子は、平均粒径が50〜1000nmのものを使用することが好ましい。
本発明において、前記プライマー層の乾燥塗布厚さは50〜100nmであることが好ましい。塗布方法としては、当該技術分野において公知の方法であれば制限されない。例えば、ポリエステルフィルムの延伸工程中に表面に塗布するインラインコーティング(in line coating)でコーティングしてもよく、フィルムを製造した後、オフラインコーティング(off line coating)を行ってもよい。また、両方を並行してもよい。好ましくは、インラインコーティングを行うことが、製膜と同時に塗布されるため製造コストが低減され、プライマー層の厚さを延長倍率に応じて変化させることができるため好ましい。
本発明の一実施形態による光学フィルムは、膨潤度とゲル分率の差が生じる。これは、反応による気泡の発生に起因するものであって、下記式1により測定された膨潤度(swelling ratio)が100%以上であり、式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が50〜95%であり、ガラス転移温度(Tg)が40°C以上であるものが、光学フィルムに好適である。
より好ましくは、下記式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が80〜95%であり、ガラス転移温度(Tg)が60〜80°Cであるものが、最適の耐湿性および接着性を示すことができる。
[式1]
膨潤度(%、Swelling ratio)=(放置後の重量−初期重量)/初期重量×100
(前記式1中、放置後の重量は、約1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置してから測定した重量を意味する。)
[式2]
ゲル分率(%、gel fraction)=(乾燥後の重量−初期重量)×100
(前記式2中、乾燥後の重量は、約1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、前記放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから測定した重量を意味する。)
また、本発明の一実施形態による光学フィルムは、表面エネルギーが30〜60dyne/cmであるものが、ゲル分率およびガラス転移温度の挙動とともに、外観特性に優れ、最適の耐湿性および接着性を示すことができるため効果的である。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。
物性の測定
1.表面エネルギー(wetting tension)の測定
表面エネルギー測定液(ACCU DYNE TEST Surface Tension Test Liquid)を綿棒につけてプライマー層の表面に塗った。
サンプルの予想Dyne/cm指数より低い指数の試薬を選択し、その液で綿棒を十分に濡らした。サンプルの表面と平行を維持しながら、左側から右側へ約10cm塗布した水溶液の状態から表面張力指数を判定した。
塗布された試薬の液膜の形態が崩れたり収縮したりすることなく5秒以上維持されると、試料の表面張力の測定に使用された試薬の指数を表示した。
試薬を塗布して1秒以内に液膜が収縮または破壊されて水滴または玉の形状に変わる場合、より低い指数の試薬を選択して試験を行った。
これを10回以上行い、その平均値を決定した。
2.光学特性(全光線透過率およびヘイズ)
本発明の光学フィルムを7cm*7cm(横*縦)のサイズとし、この試験片に対して、HAZE METER(Nipon denshoku製、モデル名NDH 5000)を用いて測定を行った。
3.ブロッキング(Blocking)の評価方法
Heat Gradient(TOYOSEIKI製)を用いて、0.4MPaの圧力条件で各5段階の温度を設定し、1分間押圧して1分後、押圧した板を除去し、その程度を確認した。各程度の差は図1を基準に評価した。
‐常湿評価時:20〜25°Cで40〜50RH%の恒温/恒湿室で行った。
‐加湿評価時:フィルムに超音波加湿器を用いて100RH%の条件で行った。
4.塗膜の物性測定
水分散性ポリウレタンバインダー15gと水分散性ポリウレタン硬化剤1.5gとを混合して直径80mm、高さ15mmの丸い容器に投入し、65°Cで72時間、120°Cで3時間乾燥した。1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、放置した塗膜を取り出して膨潤度(Swelling Ratio)を測定した。放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから重量を記録し、ゲル分率(Gel Fraction)を測定した。
1)膨潤度(%、Swelling Ratio):約1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、放置した塗膜を取り出して重量を記録する。
[式1]
膨潤度(Swelling Ratio)=(放置後の重量−初期重量)/初期重量*100
2)ゲル分率(%、Gel Fraction):放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから重量を記録する。
[式2]
ゲル分率(Gel Fraction)=(乾燥後の重量/初期重量)*100
5.ガラス転移温度(Tg)の測定
DSC(PerkinElmer DSC7)機器を用いて、2nd Run modeで測定した。10〜11mgの乾燥塗膜をPerkinElmer DSC7を用いて測定した。
1st Run.=0〜200°C、200°C/min、Holding Time‐3min//200°C〜−40°C、200°C/min、Holding Time‐5min
2nd Run.=−40°C〜200°C、20°C/minの条件で測定した。
6.接着力の評価(ASTM B905)
本発明の実施例および比較例による水分散ポリウレタンコーティング組成物をコーティングすることでプライマー層が形成された光学フィルムの一面にプリズムコーティング組成物を塗布した後、常温における接着力を評価した。具体的に、クロスハッチカッター(Cross Hatch Cutter、YCC‐230/1)を用いて1cm×1cmの枠内を100個のブロックに区切り、接着力評価テープ(nichban No.405)を用いて3回剥がす評価を行った。高温・高湿評価の際には、高温熱水処理(100°C、60min)を施した後、上述の方法でプリズムコーティング層とプライマー層との接着力を評価した。
[製造例1]
水分散性ポリウレタンバインダー(1)の製造
理論上、分岐状ポリマーの含量が25重量%である水分散ポリウレタンを製造した。
ポリオール(Polyethyleneadipate Diol)40重量%、トリメチロールプロパン(Trimethylol Propane)0.3重量%、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene Diisocyanate)56.7重量%を反応させてイソシアネート官能基を末端基として有するプレポリマー(Prepolymer)を製造した後、イオン性基として硫酸水素ナトリウム(Sodium Hydrogen Sulfate)3重量%を、プレポリマーの末端官能基であるイソシアネートと反応させることで、イオン性基を有し、重量平均分子量が10,700g/molのポリウレタン(Polyurethane)を製造した。このように製造されたポリウレタン20重量%を水80重量%に分散させることで、固形分20重量%の水分散性ポリウレタンバインダー(1)を製造した。
[製造例2]
水分散性ポリウレタンバインダー(2)の製造
理論上、分岐状ポリマーの含量が50重量%である水分散ポリウレタンを製造した。
ポリオール(Polyethyleneadipate Diol)40重量%、トリメチロールプロパン(Trimethylol Propane)0.6重量%、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene Diisocyanate)55.9重量%を反応させてイソシアネート官能基を末端基として有するプレポリマー(Prepolymer)を製造した後、イオン性基として硫酸水素ナトリウム(Sodium Hydrogen Sulfate)3.5重量%を、プレポリマーの末端官能基であるイソシアネートと反応させることで、イオン性基を有し、重量平均分子量が14,400g/molのポリウレタン(Polyurethane)を製造した。このように製造されたポリウレタン20重量%を水80重量%に分散させることで、固形分20重量%の水分散性ポリウレタンバインダー(2)を製造した。
[製造例3]
水分散性ポリウレタンバインダー(3)の製造
理論上、分岐状ポリマーの含量が90重量%である水分散ポリウレタンを製造した。
ポリオール(Polyethyleneadipate Diol)40重量%、トリメチロールプロパン(Trimethylol Propane)1.2重量%、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene Diisocyanate)54.8重量%を反応させてイソシアネート官能基を末端基として有するプレポリマー(Prepolymer)を製造した後、イオン性基として硫酸水素ナトリウム(Sodium Hydrogen Sulfate)4.0重量%を、プレポリマーの末端官能基であるイソシアネートと反応させることで、イオン性基を有し、重量平均分子量が19,000g/molのポリウレタン(Polyurethane)を製造した。このように製造されたポリウレタン20重量%を水80重量%に分散させることで、固形分20重量%の水分散性ポリウレタンバインダー(3)を製造した。
[実施例1]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
前記製造例1で製造された水分散性ポリウレタンバインダー5重量%に、5官能基型であってNCO含量が5.3重量%であるヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリウレタン硬化剤(固形分65重量%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル23重量%、水12重量%、粘度:2.070cps(@25℃))0.5重量%を投入して撹拌した。これに、シリコン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体)0.3重量%、平均粒径140nmのコロイドシリカ粒子0.3重量%、残部の水を添加した後、2時間撹拌してポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
水分が除去されたポリエチレンテレフタレート(PET)チップを押出機に入れて溶融押出した後、表面温度20°Cのキャスティングドラムで急冷、固化させることで、厚さ2000μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを製造した。製造されたポリエチレンテレフタレート(PET)シートを80°Cで機械方向(MD)に3.5倍延伸した後、常温に冷却してポリエチレンテレフタレートフィルムを製造した。次いで、前記ポリウレタンコーティング組成物をバーコーティング(bar coating)法でポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にコーティングしてプライマー層を形成した。これを110〜150°Cまで毎秒当たり1°Cずつ昇温して予熱、乾燥を経て横方向(TD)に3.5倍延伸した。次いで、5段式テンタで230°Cで熱処理を施し、200°Cで縦方向および横方向に10%弛緩させて熱固定することで、両面にコーティングされた188μmの二軸延伸フィルムを製造した。前記二軸延伸フィルムの両面に形成されたプライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[実施例2〜3]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
下記表1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤の含量をそれぞれ1.0重量%および1.5重量%に変化させたことを除き、実施例1と同様の方法でポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[実施例4]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
前記製造例2で製造された水分散性ポリウレタンバインダー5重量%に、5官能基型であってNCO含量が5.3重量%であるヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリウレタン硬化剤(固形分65重量%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル23重量%、水12重量%、粘度:2.070cps(@25℃))0.5重量%を投入して撹拌した。これに、シリコン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体)0.3重量%、平均粒径140nmのコロイドシリカ粒子0.3重量%、残部の水を添加した後、2時間撹拌してポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[実施例5〜6]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
下記表1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤の含量をそれぞれ1.0重量%および1.5重量%に変化させたことを除き、実施例4と同様の方法でポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[実施例7]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
前記製造例3で製造された水分散性ポリウレタンバインダー5重量%に、5官能基型であってNCO含量が5.3重量%であるヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリウレタン硬化剤(固形分65重量%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル23重量%、水12重量%、粘度:2.070cps(@25℃))0.5重量%を投入して撹拌した。これに、シリコン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体)0.3重量%、平均粒径140nmのコロイドシリカ粒子0.3重量%、残部の水を添加した後、2時間撹拌してポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[実施例8〜9]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
下記表1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤の含量をそれぞれ1.0重量%および1.5重量%に変化させたことを除き、実施例7と同様の方法でポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[比較例1、2、3]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
下記表1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤を使用していないことを除き、それぞれ実施例1、実施例4および実施例7と同様の方法でポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[比較例1‐1、2‐1、3‐1]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
下記表1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤の含量を2.5重量%使用したことを除き、それぞれ実施例1、実施例4および実施例7と同様の方法でポリウレタンコーティング組成物を製造した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。プライマー層の乾燥塗布厚さはそれぞれ、第1コーティング層が80nm、第2コーティング層が80nmであった。製造された光学フィルムの物性を測定し、下記表2〜表4に示す。
[比較例4]
ポリウレタンコーティング組成物の製造
前記製造例3で製造された水分散性ポリウレタンバインダー5重量%に、5官能基型であってNCO含量が6.0重量%であるヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリウレタン硬化剤(固形分65重量%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル23重量%、水12重量%、粘度:3500cps(@25℃))0.5重量%を投入して撹拌した。これに、シリコン系湿潤剤(Dow Corning社製、ポリエステルシロキサン共重合体)0.3重量%、平均粒径140nmのコロイドシリカ粒子0.3重量%、残部の水を添加した後、2時間撹拌してポリウレタンコーティング組成物を製造したが、凝集(Aggregation)が発生した。
両面にプライマー層が形成された光学フィルムの製造
実施例1と同様の方法で二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを製造し、その両面に前記ポリウレタンコーティング組成物を塗布することで、プライマー層が形成された光学フィルムを製造した。しかし、ピンホールなどの外観不良が発生し、目視観察できるほどに不均一なプライマー層が形成された。
Figure 0006165325
Figure 0006165325
Figure 0006165325
Figure 0006165325

Figure 0006165325
前記表2〜表4に示すように、実施例1〜9は、水分散性ポリウレタン硬化剤を使用していない比較例1〜3に比べて、常湿条件および高温・高湿条件におけるアンチブロッキング特性および接着力が著しく向上することが分かった。また、ガラス転移温度およびゲル分率が増加することが分かった。
また、水分散性ポリウレタン硬化剤の含量が2.0重量%を超える比較例1‐1、2‐1、および3‐1に示すように、水分散性ポリウレタン硬化剤を過量で使用する場合、ピンホールなどの欠陥が多く発生するなど、外観問題が急激に増加し、架橋密度が高くなって表面エネルギーが30dyne/cm以下になり、さらに、表面全体においてバラツキが大きく生じる。そのため、コーティング層が均一に形成されず、未反応の硬化剤が残留して付着力およびブロッキング特性の改善が微小となる問題が生じることが分かった。
また、比較例4に示すように、ポリウレタン硬化剤のNCO含量が6.0重量%である場合、粘度が3500cps(@25℃)に急激に増加し、ポリウレタンコーティング組成物中にゲル(Gel)が発生するなど、凝集現象が起こることが分かった。また、これをコーティングした光学フィルムにおいても、表面にピンホールなどが発生し、不均一なプライマー層が形成されて外観特性が著しく低下し、測定する度に物性のバラツキが大きく生じて、接着力およびアンチブロッキング特性の改善を確認することが困難であった。
このような結果から、プライマー層に使用された水分散性ポリウレタンバインダーと硬化剤の割合を調節し、水分散性ポリウレタン硬化剤を最適の含量で含むことで、高温、高湿条件下において優れた物性を有し、プリズムシートなどに適した光学フィルムを製造できることが分かった。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は様々な変更および均等物が可能であり、前記実施例を適宜変形して同様に応用できることが明らかである。したがって、前記記載内容は、添付の特許請求の範囲の限界により決定される本発明の範囲を限定するものではない。

Claims (10)

  1. ポリエステル基材フィルムの片面または両面にポリウレタンコーティング組成物を塗布することで形成されたプライマー層を含み、前記ポリウレタンコーティング組成物は、末端基が2個である線状ポリマー10〜75重量%および末端基が3個以上である分岐状ポリマー25〜90重量%からなる水分散性ポリウレタン樹脂と、官能基が4〜6個である水分散性ポリウレタン硬化剤と、を含み、前記水分散性ポリウレタン硬化剤は、ポリイソシアネートを含む、光学フィルム。
  2. 前記水分散性ポリウレタン樹脂の末端基は、一部または全部が無機酸塩基でブロッキングされているイソシアネート基である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記水分散性ポリウレタン樹脂の末端基は、一部または全部が無機酸塩基でブロッキングされているイソシアネート基であり、
    前記水分散性ポリウレタン樹脂は、ポリオール39〜45重量%、トリメチロールプロパン0.3〜1.2重量%、およびイソシアネート化合物50〜57重量%を反応させて、イソシアネートを末端基として有するプレポリマーを製造した後、無機酸塩3〜4重量%を反応させて、イソシアネート末端にイオン性基をブロッキングすることで製造したものを用いて、請求項1記載の光学フィルムを製造することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  4. 前記ポリウレタンコーティング組成物は、前記水分散性ポリウレタン樹脂の固形分含量が10〜30重量%である水分散性ポリウレタンバインダー5〜10重量%、水分散性ポリウレタン硬化剤0.1〜3.0重量%、シリコン系湿潤剤0.1〜0.5重量%、コロイドシリカ粒子0.1〜0.5重量%、および残部の水を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
  5. 前記水分散性ポリウレタン硬化剤は、ポリイソシアネート、有機溶媒、および水を含んで固形分含量が50〜80重量%であり、イソシアネート基の含量が4.0〜6.0重量%であり、25°Cでブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer、MODEL DV‐II VISCOMETER、spindle No.#5)で測定した粘度が2500cps以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  6. 前記有機溶媒は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールモノメチルエーテル、およびジブチレングリコールジメチルエーテルから選択される1種または2種以上である、請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 前記ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートである、請求項に記載の光学フィルム。
  8. 下記式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が50〜95%であり、ガラス転移温度(Tg)が40°C以上である、請求項1に記載の光学フィルム。
    [式2]
    ゲル分率(%、gel fraction)=(乾燥後の重量初期重量)×100
    (前記式2中、乾燥後の重量は、1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、前記放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから測定した重量を意味する。)
  9. 下記式2により測定されたゲル分率(gel fraction)が80〜95%であり、ガラス転移温度(Tg)が60〜80°Cである、請求項1に記載の光学フィルム。
    [式2]
    ゲル分率(%、gel fraction)=(乾燥後の重量初期重量)×100
    (前記式2中、乾燥後の重量は、1gの乾燥塗膜を蒸留水50gに浸した後、70°Cで24時間放置し、前記放置した塗膜を120°Cで3時間乾燥してから測定した重量を意味する。)
  10. 表面エネルギーが30〜60dyne/cmである、請求項1に記載の光学フィルム。
JP2016517327A 2013-09-30 2014-09-26 光学フィルム Active JP6165325B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2013-0116542 2013-09-30
KR20130116542 2013-09-30
KR1020140127774A KR102115519B1 (ko) 2013-09-30 2014-09-24 광학필름
KR10-2014-0127774 2014-09-24
PCT/KR2014/009038 WO2015046958A1 (ko) 2013-09-30 2014-09-26 광학필름

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016540659A JP2016540659A (ja) 2016-12-28
JP6165325B2 true JP6165325B2 (ja) 2017-07-19

Family

ID=53033475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016517327A Active JP6165325B2 (ja) 2013-09-30 2014-09-26 光学フィルム

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6165325B2 (ja)
KR (1) KR102115519B1 (ja)
CN (1) CN105593707B (ja)
TW (1) TWI531467B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023195297A1 (ja) * 2022-04-04 2023-10-12 第一工業製薬株式会社 光学フィルム用接着剤、皮膜及び光学フィルム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4576808B2 (ja) * 2002-07-25 2010-11-10 東レ株式会社 光学用積層フィルム、反射防止用積層フィルム、タッチパネル用積層フィルムおよびディスプレイ部材用積層フィルムの製造方法
JP5446077B2 (ja) * 2007-08-17 2014-03-19 日本ポリウレタン工業株式会社 ブロックイソシアネート含有水性エマルジョン組成物を硬化剤とする水性樹脂組成物及びそれを使用する水性焼付け型塗料用又は接着剤用組成物
WO2009113412A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 日本ポリウレタン工業株式会社 ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物及びその製造方法並びに多孔質基材用水性下地処理剤及び水性焼付け型塗料組成物
CN102036818B (zh) * 2008-03-31 2014-04-02 可隆工业株式会社 用于光学应用的聚酯膜
KR101126544B1 (ko) * 2008-03-31 2012-03-23 코오롱인더스트리 주식회사 광학용 폴리에스테르필름
KR101050216B1 (ko) 2008-11-06 2011-07-19 도레이첨단소재 주식회사 고분자 기재
KR101656267B1 (ko) * 2011-09-30 2016-09-09 코오롱인더스트리 주식회사 광학필름
WO2013048156A2 (ko) * 2011-09-30 2013-04-04 코오롱인더스트리 주식회사 수분산 조성물 및 이를 이용한 광학필름
JP2013142131A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Dainippon Printing Co Ltd トリアセチルセルロース用粘着剤組成物、並びにこれを用いた積層体、光学フィルム及び光学部材

Also Published As

Publication number Publication date
KR102115519B1 (ko) 2020-05-26
CN105593707B (zh) 2017-10-10
KR20150037564A (ko) 2015-04-08
CN105593707A (zh) 2016-05-18
TWI531467B (zh) 2016-05-01
JP2016540659A (ja) 2016-12-28
TW201520045A (zh) 2015-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101265311B1 (ko) 수계 프라이머 조성물, 이를 포함하는 편광판 및 프라이머층을 구비한 광학필름의 제조방법
KR102296195B1 (ko) 폴리에스테르 다층필름
JP6724205B2 (ja) 基材フィルム
KR101579646B1 (ko) 기능성 코팅층을 포함하는 광학 필름, 이를 포함하는 편광판 및 화상표시장치
KR101657356B1 (ko) 기능성 코팅층을 포함하는 광학 필름, 이를 포함하는 편광판 및 화상표시장치
KR101514129B1 (ko) 아크릴계 광학필름, 그 제조방법 및 이를 포함하는 편광판
KR102066640B1 (ko) 접착력이 우수한 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판
JP5728143B2 (ja) 離型フィルム
KR101656267B1 (ko) 광학필름
JP6165325B2 (ja) 光学フィルム
KR101613764B1 (ko) 편광판용 접착제 조성물 및 이를 이용하여 제조된 편광판
KR101964436B1 (ko) 접착력 및 자외선 차단 기능이 우수한 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판
TW201725241A (zh) 水系聚胺基甲酸酯樹脂組成物及使用該組成物而成之光學薄膜
TW201934341A (zh) 偏光板及影像顯示裝置
KR101613765B1 (ko) 편광판용 접착제 조성물 및 이를 이용하여 제조된 편광판
KR20110024443A (ko) 밀착력이 우수한 고기능성 프라이머층을 구비한 고분자 기재 및 그를 이용한 광학기재
KR101623075B1 (ko) 광학용 폴리에스테르 필름
KR101272862B1 (ko) 광학필름
KR101612082B1 (ko) 광학용 적층 이축 연신 폴리에스테르 필름
KR20140089676A (ko) 광학용 폴리에스테르 필름
WO2018056670A1 (ko) 접착력이 우수한 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판
WO2018056672A1 (ko) 접착력 및 자외선 차단 기능이 우수한 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판
KR20120032935A (ko) 광학필름

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6165325

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250