JP6006162B2 - ヒドロキシトリカルボン酸のベンジル化方法 - Google Patents

ヒドロキシトリカルボン酸のベンジル化方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒドロキシトリカルボン酸のカルボキシル基を収率よくベンジル化する方法に関する。
ヒドロキシクエン酸に代表されるヒドロキシトリカルボン酸類は、痩身効果・美白作用などを有することが知られており、主に化粧品・医薬品分野において有用とされている物質である。特にヒドロキシル基にパルミチン酸等を付加させ誘導体化した場合、その活性が向上することが知られている(特許文献1・2)。
ヒドロキシトリカルボンのヒドロキシル位部分を例えば脂肪酸とのエステル化反応などをさせ誘導体化しようとした場合、その反応を阻害しないために、予めカルボキシル基をベンジル等の保護基にて保護しておく必要性が生じる場合がある。しかしながら従来知られたベンジルアルコールをベンジル化剤として用いた反応の場合、あまり収率が高くないという問題点があった。(特許文献3)
特開2007−031415号公報 特開2007−254389号公報 特開2007−031415号公報
本発明の目的は、ヒドロキシトリカルボン酸のカルボキシル基をベンジル化する際、ベンジル化体を収率よく得る方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシトリカルボン酸のカルボキシル基をベンジル化する際、アミンとハロゲン化ベンジルを用いることでベンジル化が効率的に実施できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[13]に関する。
[1]
アミンの存在下、ヒドロキシトリカルボン酸またはその塩と、ハロゲン化ベンジルを反応させることを特徴とする、ヒドロキシトリカルボン酸のベンジル化方法であって、前記ヒドロキシトリカルボン酸は、分子内に3つのカルボキシル基と、前記カルボキシル基のγ位またはδ位のうち少なくとも一か所にヒドロキシル基を有する化合物である、ベンジル化方法。
[2]
アミンを反応系に添加する際、添加開始から添加終了までの間が1時間以上となるようにすることを特徴とする、[1]に記載のベンジル化方法。
[3]
前記アミンを反応系に添加する方法が、アミンを一定速度で反応系に滴下する方法、または複数回に分けて反応系にアミンを添加する方法である、[2]に記載のベンジル化方法。
[4]
さらに4級アンモニウム化合物の塩を用いることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のベンジル化方法。
[5]
前記ヒドロキシトリカルボン酸が、分子内に3つのカルボキシル基と、そのγ位に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する化合物であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載のベンジル化方法。
[6]
アミンとして、少なくとも一種の3級アミンを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のベンジル化方法。
[7]
前記3級アミンが、各アルキル基本の炭素数が各々独立に[1]〜[5]でのトリアルキルアミンであることを特徴とする、請求項6に記載のベンジル化方法。
[8]
前記3級アミンが、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンから選択されるいずれか1種以上である、[7]に記載のベンジル化方法。
[9]
前記4級アンモニウム化合物が、炭素数1〜10のアルキル基によって窒素原子が4置換された化合物であり、かつフッ素・塩素・臭素・ヨウ素のいずれかより選ばれるアニオンとの塩であることを特徴とする、[4]に記載のベンジル化方法。
[10]
前記ヒドロキシトリカルボン酸またはその塩が、ヒドロキシクエン酸・イソクエン酸またはその塩から選択されるいずれか1種以上である、[1]〜[9]のいずれかに記載のベンジル化方法。
[11]
前記ヒドロキシトリカルボン酸の塩が、カルシウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオンから選択されるいずれか1種以上のカチオンとの塩である、[1]〜[10]のいずれかに記載のベンジル化方法。
[12]
前記ヒドロキシトリカルボン酸の塩が、少なくともカルシウムイオンを含むカチオンとの塩である、[11]に記載のベンジル化方法。
[13]
前記ハロゲン化ベンジルにおけるハロゲンが、塩素、臭素から選択されるいずれか1種以上である、[1]〜[12]に記載のベンジル化方法。
<ヒドロキシトリカルボン酸>
ヒドロキシトリカルボン酸とは、分子内にカルボキシル基を3つと、ヒドロキシル基を1つ以上有する化合物のことを指す。本願発明の反応は特に、3か所あるカルボキシル基それぞれに対するγ位またはδ位の全箇所のうち、いずれか少なくとも一か所の位置にヒドロキシル基を有する、ヒドロキシトリカルボン酸に関する。少なくとも一か所のγ位にヒドロキシル基を有するものをγ-ヒドロキシトリカルボン酸、少なくとも一か所のδ位にヒドロキシル基を有するものをδ-ヒドロキシトリカルボン酸と以下表記する(下記化学式参照)。γ位とδ位の両方にヒドロキシル基を有していてもよい。本願におけるヒドロキシトリカルボン酸は、γ-ヒドロキシトリカルボン酸であることが特に好ましい。
本願におけるヒドロキシトリカルボン酸は、分子内に炭素を4〜30個有するものであることが好ましく、炭素数4〜20がより好ましく、炭素数4〜10が最も好ましい。
Figure 0006006162
γ-ヒドロキシトリカルボン酸の構造例(部分)
Figure 0006006162
δ-ヒドロキシトリカルボン酸の構造例(部分)
γ-ヒドロキシトリカルボン酸の具体的な化合物としては、ヒドロキシクエン酸、イソクエン酸、ヒドロキシアコニット酸、などが挙げられ、中でもヒドロキシクエン酸が好ましい。なおヒドロキシクエン酸とは、クエン酸の炭素鎖部分にヒドロキシル基を付加させた誘導体である(下記化学式)。ひとつのカルボキシル基に対してγ位の箇所にヒドロキシル基を有するため、本願でいうところのγ-ヒドロキシトリカルボン酸に相当する。本願の請求する範囲に包含されるヒドロキシアコニット酸とは、下記化学式に示すアコニット酸の、*の位置(いずれかのカルボキシル基のγ位にあたる箇所)の1か所以上にヒドロキシル基を付加させた誘導体のことを指す。(なおアコニット酸にはtrans体とcis体があるが、いずれの誘導体でもよい)
Figure 0006006162
ヒドロキシクエン酸
Figure 0006006162
アコニット酸(trans体)
ヒドロキシトリカルボン酸は、安定性の面から金属イオンのカチオンとの塩であるほうが好ましい。前記カチオンは特に限定されないが、具体的にはカルシウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられ、中でもカルシウムイオン、カリウムイオンが好ましい。前記カチオンは単一種で用いるほか、複数を混合して用いても良い。
<ハロゲン化ベンジル>
ヒドロキシ酸のカルボキシル基をベンジル化するためのベンジル化剤としては、ハロゲン化ベンジルを用いる。
ハロゲン化ベンジルにおけるハロゲンは、例えばフッ素・塩素・臭素・ヨウ素などが挙げられ、中でも臭素が好ましい。
他に一般に用いられるベンジル化剤としてベンジルアルコールがあるが、これを本反応において用いることは好ましくない。ベンジルアルコールを用いた場合、その反応性が低いために酸触媒を反応系内に添加する必要がある場合が多い。しかしヒドロキシトリカルボン酸は、カルボキシル基とそのγ位またはδ位にあるヒドロキシル基が、酸性条件下においては容易に反応し5員環または6員環のラクトンを形成してしまうため、目的とする生成物の収率が低下するという問題点がある。
<アミン>
本発明において用いられるアミンは特に限定されないが、3級アミンが好ましく、中でもトリアルキルアミン(アルキル鎖の炭素数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5)が好ましい。
アミンとしては具体的にはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノヘキサン、ピロリジン、N−メチル−ピロリジン、ピペリジン、N−メチル−ピペリジン、ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、モルフォリン、N−メチル−モルフォリン、ピリジン、ピラジン、ピロール、N−メチル−ピロール、イミダゾール、N−メチル−イミダゾール、ピラゾール、N−メチル−ピラゾール、などが挙げられ、中でもトリエチルアミン・トリプロピルアミン・トリブチルアミンが最も好ましい。
上記の中でも、塩基性、反応性の面から分子量が300以下程度のものが特に好ましい。
本反応においては、その作用機序は明らかではないが、アミンを加えることにより反応の収率が向上するという効果がある。ヒドロキシ酸は塩の状態、特にカルシウム塩の状態ではしばしば溶媒に対する溶解性が悪く、反応が良好に進行しないという問題がある。そのような場合において系内にアミンを添加すると、ヒドロキシ酸塩が溶媒に対して良好に溶解するため、反応がスムーズに進行するためであると考えられる。
<4級アンモニウム塩>
本発明の反応においては、反応系にさらに4級アミンを添加することが好ましい。
4級アンモニウム塩としてはテトラアルキルアミン(アルキル鎖の炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは2〜10)が好ましい。
4級アミンとしては具体的には、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラアミルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩、トリオクチルメチル塩、などが挙げられる。中でも窒素原子が炭素数3〜6のアルキル基で置換されたものが好ましく、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲンとの塩であることが好ましい。中でも最も好ましいのは、テトラブチルアンモニウムのハロゲンとの塩である。
<アミン添加方法>
本発明の反応においては、まずヒドロキシトリカルボン酸とハロゲン化ベンジルを混合し、そこにアミンを添加して反応させることが好ましい。アミンを添加する際には、アミンを添加開始してから全量のアミンを添加終了するまでの時間を、一時間以上かけることが好ましい。
この方法によれば、過剰なアミンが系内に存在することでベンジル化反応の生成物が壊れてしまうことを防ぐことができ、収率よく反応の目的物を得ることができる。
具体的な添加方法としては、(1) アミンを少量ずつ一定速度で反応系内に滴下し、滴下開始から終了までを1時間以上とする方法 (2) アミンを複数回(3回以上が好ましい)に分けて反応系内に添加し、初回に添加した時刻から最終回に添加した時刻までを一時間以上とする方法、の2つが具体的には挙げられる。中でも(1)の方法がより好ましい。
溶媒は、ヒドロキシトリカルボン酸の塩が溶解しやすいという観点から、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどが好適に用いられる。
<反応条件>
反応時間は、アミンを添加してから反応を終了させるまでの時間が、0.5〜10時間程度であることが好ましく、1〜3時間がより好ましい
反応温度は、アミン存在下では生成したトリベンジル体の分解が進行するためあまり高い温度は好ましくなく、90℃以下が好ましい。また低い温度では反応の進行が遅いことから40℃以上が好ましく、より好ましくは60〜80℃である。
<分析方法>
以下の実施例において、ヒドロキシクエン酸トリベンジルの定量は、液体クロマトグラフ分析( 以下LC ともいう。) 法を用いて行った。
分析カラム:Shodex DE−613 6.0mmφ×150mm
カラム槽温度:40℃
溶離液:アセトニトリル/水=65:35(v/v)
溶離液流量:1mL/min
注入量:10μL
検出器:UV 210nm
<収率計算方法>
また、収率を計算する際のヒドロキシクエン酸トリベンジル標準品純度の検定方法は以下のNMRを用いた方法で実施した。
装置 :BrukerBiospin Avance500
試料調整 :ヒドロキシクエン酸トリベンジル約15mg と基準物質(ヘキサメチルシクロトリシロキサン)約2mgをそれぞれ精秤し、CDCl
に溶解させ室温で1H−NMRを測定し、面積比により算出した。
実施例1:
冷却管を付けた2L セパラブルフラスコにヒドロキシクエン酸カルシウムカリウム塩46.6g(Phytotech社製、Garnia
Cambogia抽出物。ヒドロキシクエン酸の含量64.4% (0.14mol)、カルシウム含量8.2%、カリウム含量12.7%) 、テトラブチルアンモニウムブロミド14.4g(0.04mol)、N,N−ジメチルホルムアミド285 g(3.9mol)
を仕込み、撹拌しながらオイルバスにより80℃まで加温した。ベンジルブロミド147.9g(0.86mol)を30分でかけて加え、7.5 時間加熱撹拌を行った後、トリエチルアミン20.9g(0.21mol)を2時間かけてゆっくり滴下し、終了後10min程度撹拌した。
冷却後、減圧蒸留を行い得られた濃縮液に酢酸エチル320mL、純水430mLを加えた。不溶分を減圧濾過により除去した後、水層を分離し、更に飽和塩化ナトリウム水溶液200mLを加え、油層を洗浄した後、水層を分離した。油層を減圧留去して得られた残渣にエタノールを110mL加え、65℃まで加温し、残渣を溶解させた後、冷却することによって固体が析出した。これを減圧濾過後、40℃で減圧乾燥することにより50.4g(収率73%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
実施例2:
トリエチルアミンの滴下方法を3分割で変更したほかは、実施例1と同様に操作した。3分割とはすなわち、実施例1におけるベンジルブロミド添加後80℃での加熱攪拌を7.5時間行ったのち、トリエチルアミン20.9g(0.21mol)の1/3量を10分かけて反応系内に滴下し、50分加熱攪拌した。トリエチルアミンの滴下と加熱攪拌の操作を3回繰り返したのち、冷却し、実施例1と同様に処理した。
その結果、46.2g(収率67%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
実施例3:
テトラブチルアンモニウムブロミドを加えないこと以外は実施例2と同様に操作した。その結果、43.5g(収率63%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。

比較例1:
トリエチルアミン加えないこと以外は実施例1と同様に操作した。その結果、6.8g(収率10%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
実施例4:
原料としてヒドロキシクエン酸カリウム塩54.3g(ヒドロキシクエン酸としての含量55.2% (0.14mol))を使用すること以外は実施例2と同様に操作した。その結果、48.6g(収率71%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
実施例5:
トリエチルアミンを一括で投入したこと以外は実施例1と同様に操作した。その結果、44.2g(収率64%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
比較例2:
原料としてヒドロキシクエン酸カリウム塩54.3g(ヒドロキシクエン酸としての含量55.2% (0.14mol))を使用し、かつトリエチルアミン加えないこと以外は実施例1と同様に操作した。その結果、38.7g(収率56.1%)のヒドロキシクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
比較例3:
ディーン・スターク装置を付けた2 Lナスフラスコにヒドロキシクエン酸カリウム塩25.0g(ヒドロキシクエン酸としての含量55.2% (0.07mol)) 、トルエンスルホン酸一水和物45.9 g(0.24mol) 、ベンジルアルコール100g(0.92mol)、トルエン200mL
を仕込み、窒素雰囲気下、還流状態にて攪拌した。放冷した後、酢酸エチルを500mL加え、良く攪拌した。
これを5質量%
炭酸水素ナトリウム水溶液1Lの入った5Lビーカー中に少しずつ攪拌しながら加えた。不溶物を除き、水層を分離した後、有機層を水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒とベンジルアルコールを減圧留去して得られた残渣をLC法で分析すると、成分中のヒドロキシクエン酸トリベンジルは11.1g(収率35%)であった。それ以外の成分として、ヒドロキシクエン酸が分子内環化を起こしたラクトン体が同量程度生成していた。
参考例1:
冷却管を付けた2 L セパラブルフラスコにクエン酸ナトリウム2水和物46.6g(0.14mol) 、テトラブチルアンモニウムブロミド14.4g(0.04mol)、N,N−ジメチルホルムアミド285 g(3.9mol)
を仕込み、撹拌しながらオイルバスにより80℃まで加温した。ベンジルブロミド147.9g(0.86mol)を30分で滴下し、7.5 時間加熱撹拌を行った後、トリエチルアミン20.9g(0.21mol)を2時間かけてゆっくり滴下し、終了後10min程度撹拌した。
冷却後、減圧蒸留を行い得られた濃縮液に酢酸エチル320mL、純水430mLを加えた。不溶分を減圧濾過により除去した後、水層を分離し、更に飽和塩化ナトリウム水溶液200mLを加え、油層を洗浄した後、水層を分離した。油層を減圧留去して得られた残渣にエタノールを110mL加え、65℃まで加温し、残渣を溶解させた後、冷却することによって固体が析出した。これを減圧濾過後、40℃で減圧乾燥することにより56.6g(収率85%)のクエン酸トリベンジルエステルを白色固体として得た。
参考例2:
ディーン・スターク装置を付けた2 Lナスフラスコにクエン酸ナトリウム2水和物19.5g(0.07mol) 、トルエンスルホン酸一水和物45.9 g(0.24mol) 、ベンジルアルコール100g(0.92mol)、トルエン200mL を仕込み、窒素雰囲気下、還流状態にて攪拌した。放冷した後、酢酸エチルを500mL加え、良く攪拌した。
これを5質量% 炭酸水素ナトリウム水溶液1Lの入った5Lビーカー中に少しずつ攪拌しながら加えた。不溶物を除き、水層を分離した後、有機層を水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒とベンジルアルコールを減圧留去して得られた残渣をLC法で分析すると、成分中のクエン酸トリベンジルは27.0g(収率88%)であった。
Figure 0006006162
BnBr:ベンジルブロミド
BnOH:ベンジルアルコール
TsOH:p−トルエンスルホン酸
TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
TEA:トリエチルアミン

Claims (11)

  1. アミンの存在下、ヒドロキシトリカルボン酸またはその塩
    と、ハロゲン化ベンジルを反応させることを特徴とする、ヒドロキシトリカルボン酸のベンジル化方法であって、前記ヒドロキシトリカルボン酸はヒドロキシクエン酸・イソクエン酸またはその塩から選択されるいずれか1種以上である、ベンジル化方法。
  2. アミンを反応系に添加する際、添加開始から添加終了までの間が1時間以上となるようにすることを特徴とする、請求項1に記載のベンジル化方法。
  3. 前記アミンを反応系に添加する方法が、アミンを一定速度で反応系に滴下する方法、または複数回に分けて反応系にアミンを添加する方法である、請求項2に記載のベンジル化方法。
  4. さらに4級アンモニウム化合物の塩を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のベンジル化方法。
  5. アミンとして、少なくとも一種の3級アミンを含む、請求項1〜のいずれかに記載のベンジル化方法。
  6. 前記3級アミンが、各アルキルの炭素数が各々独立に1〜5であるトリアルキルアミンであることを特徴とする、請求項に記載のベンジル化方法。
  7. 前記3級アミンが、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンから選択されるいずれか1種以上である、請求項に記載のベンジル化方法。
  8. 前記4級アンモニウム化合物が、炭素数1〜10のアルキル基によって窒素原子が4置換された化合物であり、かつフッ素・塩素・臭素・ヨウ素のいずれかより選ばれるアニオンとの塩であることを特徴とする、請求項4に記載のベンジル化方法。
  9. 前記ヒドロキシトリカルボン酸の塩が、カルシウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、銅イオン、アンモニウムイオンから選択されるいずれか1種以上のカチオンとの塩である、請求項1〜8のいずれかに記載のベンジル化方法。
  10. 前記ヒドロキシトリカルボン酸の塩が、少なくともカルシウムイオンを含むカチオンとの塩である、請求項に記載のベンジル化方法。
  11. 前記ハロゲン化ベンジルにおけるハロゲンが、塩素、臭素から選択されるいずれか1種以上である、請求項1〜10のいずれかに記載のベンジル化方法。
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