JPWO2012077456A1 - エーテル、エステルおよびチオエーテルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多様な官能基を有するエーテル、エステルおよびチオエーテルを収率よく簡便に合成する方法を提供する。具体的には、第3級アミンの存在下、水酸基またはチオール基を有する化合物とアルキル化剤とを反応させることを特徴とする、エーテル、エステルまたはチオエーテルの製造方法を提供する。

Description

本発明は、エーテル、エステルおよびチオエーテルの製造方法に関し、詳しくは、第3級アミンの存在下、アルコール、カルボン酸、チオール等における水酸基またはチオール基をアルキル化することによるエーテル、エステルまたはチオエーテルの製造方法に関する。
水酸基のアルキル化は、最も基本的な有機合成反応の一つである。アルコールの水酸基をアルキル化することによる古典的なエーテルの合成法としては、金属ナトリウムなどの強塩基を用いてアルコールを金属アルコラートとし、これをアルキルハロゲン化物と反応させることによる方法(Williamson合成法)が知られている。しかし、かかる反応は強塩基条件で行われるため、一般的に、共存可能な官能基の種類が限られている。例えば、第2級または第3級アルキルハロゲン化物を用いた反応では、脱離反応が優先して進行するために目的のエーテルを高収率で得ることが困難である(非特許文献1)。また、反応系中にカルボニル基、ニトリル基等が存在する場合には、酸性水素の脱プロトン化が生じ、多くの副反応が進行する。従って、強塩基条件に耐えることができない官能基は、あらかじめ保護し、反応後に脱保護する必要があった。
多様な官能基を有するエーテルを合成するため、これまでに多くの温和な条件下でのエーテル合成法が検討されてきた。例えば、温和なアルキル化剤を用いた方法(非特許文献2)、触媒的な方法(非特許文献3)などが報告されている。しかしながら、アルキル化剤の調製には手間がかかるばかりか、これらの方法では、多くの副生成物が生じるという問題点があった。また、遷移金属触媒を用いた方法では、不飽和炭素結合を有するエーテル合成への適用が困難であった。
弱塩基を用いるエーテルおよびエステルの製造方法としては、フッ化セシウムを用いる方法が報告されているものの、収率的には全く満足いくものではなかった(非特許文献4)。
J. Am. Chem. Soc.、2004年、第126巻、p.7359−7367 J. Org. Chem.、2006年、第71巻、p.3923−3927 Org. Lett.、2007年、第9巻、p.4299−4302 Tetrahedron、2005年、第61巻、p.6652−6656
弱塩基性条件下での水酸基のアルキル化により、多様な官能基を有するエーテルを収率よく簡便に合成する方法の開発が望まれている。
本発明者は、鋭意研究した結果、第3級アミンを用いることにより、弱塩基性条件下でエーテルを製造する簡便な方法を見出した。また、本発明者らは、当該方法がエステルまたはチオエーテルの製造にも適用可能であることを発見し、さらなる研究により、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]第3級アミンの存在下、水酸基またはチオール基を有する化合物とアルキル化剤とを反応させることを特徴とする、エーテル、エステルまたはチオエーテルの製造方法;
[2]水酸基またはチオール基を有する化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[1]記載の製造方法;
[3]水酸基またはチオール基を有する化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[2]記載の製造方法;
[4]水酸基またはチオール基を有する化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[2]記載の製造方法;
[5]水酸基またはチオール基を有する化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[2]記載の製造方法;
[6]アルキル化剤が、式:
(式中、Rは置換されていてもよいベンジル基または置換されていてもよいアリル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法;
[7]第3級アミンが、ジイソプロピルエチルアミンである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法;
[8]反応が無溶媒下で行われる、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法;
[1’]式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物と式:
(式中、Rは置換されていてもよいベンジル基または置換されていてもよいアリル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される化合物とを、式(1)、(2)または(3)で表される化合物に対して1当量以上の第3級アミンの存在下で反応させることを特徴とする、エーテル、エステルまたはチオエーテルの製造方法;
[2’]式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[1’]記載の製造方法;
[3’]式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[1’]記載の製造方法;
[4’]式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である、上記[1’]記載の製造方法;
[5’]第3級アミンが、ジイソプロピルエチルアミンである、上記[1’]〜[4’]のいずれかに記載の製造方法;
[6’]反応が無溶媒下で行われる、上記[1’]〜[5’]のいずれかに記載の製造方法;
等に関する。
本発明によれば、極めて簡便かつ安全な操作により、高収率でエーテル、エステルまたはチオエーテルを製造する方法を提供することができる。本発明の製造方法は、弱塩基性の反応条件であるため、多様な官能基を有する化合物に適用可能であり、汎用性が高い。また、一般的に過剰な反応試薬を用いる必要がないため、経済的に有利である。さらに、クロマトグラフ法などで分離する必要のある副生物がほとんど発生しないため、精製操作が容易であるという利点も有する。
図1(A)は、ジイソプロピルエチルアミンの存在下、2−フェニルエタノールにベンジルブロミドを作用させた場合のベンジル化の反応プロフィールを示す。図1(B)は、3次速度則による該反応の速度論分析を示す。[A]は消費されたベンジルブロミドの濃度(mol/L)を表す。 図2は、2−フェニルエタノールおよびパラメトキシベンジルクロリドを、2−フェニルエタノールに対して1.2当量(反応A)、2.0当量(反応B)または3.0当量(反応C)のジイソプロピルエチルアミンの存在下で反応させた場合のそれぞれの反応プロフィールを表す。 図3(A)および(B)は、それぞれ実施例52−1および実施例52−2で得られた化合物の、キラル固定相を備えたカラムを用いたHPLC分析の結果を示す。
本発明の方法で用いられる「水酸基またはチオール基を有する化合物」としては、化合物中に少なくとも1個の水酸基またはチオール基を有する限り特に限定されず、例えば、アルコール、カルボン酸、チオールなどが挙げられる。該「水酸基またはチオール基を有する化合物」は、好ましくは、式:
(式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
で表される化合物である。
で示される「置換されていてもよいアルキル基」の「アルキル基」とは、直鎖状または分岐鎖状の飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基等のC1−20アルキル基などが挙げられる。
で示される「置換されていてもよいアルケニル基」の「アルケニル基」とは、炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等のC2−20アルケニル基が挙げられる。
で示される「置換されていてもよいアルキニル基」の「アルキニル基」とは、炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有する、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等のC2−20アルキニル基が挙げられる。
で示される「置換されていてもよいシクロアルキル基」の「シクロアルキル基」とは、環状の飽和または部分不飽和の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[3.2.2]ノニル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[4.2.1]ノニル基、ビシクロ[4.3.1]デシル基、アダマンチル基等のC3−20シクロアルキル基が挙げられる。
で示される「置換されていてもよいアリール基」の「アリール基」とは、芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アセナフチレニル基、ビフェニリル基等のC6−14アリール基が挙げられる。
で示される「置換されていてもよい複素環基」の「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は、酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式芳香族複素環基と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)、あるいはベンゼン環等とが1または2個縮合した基等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、
フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル)等の単環式芳香族複素環基;
キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフラニル(例、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、4−ベンゾフラニル、5−ベンゾフラニル、6−ベンゾフラニル、7−ベンゾフラニル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、ベンゾイミダゾール−1−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、2H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、チエノピラゾリル(例、1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)、トリアゾロピリミジニル(例、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)、フタラジニル等の縮合芳香族複素環基;
等が挙げられる。
ここで、「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は、酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式非芳香族複素環基と、1または2個の窒素原子を含む5または6員の芳香族または非芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族または非芳香族複素環(例、チオフェン)、あるいはベンゼン環等とが1または2個縮合した基等が挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、
ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ホモピペリジニル(例、ホモピペリジノ、2−ホモピペリジニル、3−ホモピペリジニル、4−ホモピペリジニル)、テトラヒドロピリジル(例、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)、ジヒドロピリジル(例、2,3−ジヒドロピリジン−4−イル)、モルホリニル(例、モルホリノ、2−モルホリニル)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(例、1,1−ジオキシドチオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、1−ヘキサメチレンイミニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、チアゾリジニル(例、3−チアゾリジニル、2−チアゾリジニル)、イミダゾリジニル(例、2−イミダゾリジニル、3−イミダゾリジニル)、オキサゾリニル(例、2−オキサゾリニル)、チアゾリニル(例、2−チアゾリニル)、イミダゾリニル(例、2−イミダゾリニル、3−イミダゾリニル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、ピラニル(例、2−ピラニル、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、1−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル)、ピラゾリニル(例、1−ピラゾリニル)、テトラヒドロピリミジニル(例、1−テトラヒドロピリミジニル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジニル(例、1,4−チアジン−2−イル)、1,1−ジオキシドチアジナニル(例、1,1−ジオキシド−1,2−チアジナン−2−イル)、ジヒドロピリダジニル(例、1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)、テトラヒドロピリダジニル(例、1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−3−イル)、ジヒドロチオキサジニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−チオキサジン−3−イル)、ジヒドロチアジニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−チアジン−5−イル)等の単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−1−イル、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−イル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル、2H−クロメン−7−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、3,4−ジヒドロフタラジン−1−イル、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)、テトラヒドロベンゾアゼピニル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−1−イル)、ベンゾジオキソリル(例、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)、ベンゾチアジン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル)等の縮合非芳香族複素環基;
等が挙げられる。
該「複素環基」は、好ましくは非芳香族複素環基であり、より好ましくは単環式非芳香族複素環基であり、さらに好ましくはテトラヒドロピラニルである。
で示される「置換されていてもよいアルキル基」、「置換されていてもよいアルケニル基」および「置換されていてもよいアルキニル基」の「アルキル基」、「アルケニル基」および「アルキニル基」は、置換可能な任意の位置に任意の数(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、本発明の方法における弱塩基性条件下で悪影響を受けないものであれば特に制限はなく、例えば、水酸基(該水酸基は、保護基(例、tert−ブチルジメチルシリル基等)で保護されていてもよい)、ハロゲン原子(例、塩素原子)、置換されていてもよいアリール基(例、アルコキシ基(例、メトキシ基)で置換されていてもよいフェニル基)、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(例、メトキシ基)、アリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ基)、アルキルカルボニル基(例、アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル基)、カルボキシル基等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
で示される「置換されていてもよいシクロアルキル基」、「置換されていてもよいアリール基」および「置換されていてもよい複素環基」の「シクロアルキル基」、「アリール基」および「複素環基」は、置換可能な任意の位置に任意の数(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、本発明の方法における弱塩基性条件下で悪影響を受けないものであれば特に制限はなく、例えば、水酸基(該水酸基は、保護基(例、tert−ブチルジメチルシリル基等)で保護されていてもよい)、ハロゲン原子(例、塩素原子)、置換されていてもよいアリール基(例、アルコキシ基(例、メトキシ基)で置換されていてもよいフェニル基)、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(例、メトキシ基)、アリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ基)、アルキルカルボニル基(例、アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル基)、カルボキシル基、アルキル基(例、メチル基、イソプロピル基)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
すなわち、本発明の方法で用いられる「水酸基またはチオール基を有する化合物」は、1分子内に2個以上の水酸基および/またはチオール基を有していてもよい。
式:
(式中、Rは上記と同意義を示す。)
で表される化合物において、Rは、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよい複素環基であり、より好ましくは、(1)置換されていてもよいアリール基(好ましくは、アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)で置換されていてもよいフェニル基)、シアノ基、アリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ基)、アルキルカルボニル基(例、アセチル基)、カルボキシル基、水酸基(該水酸基は、保護基(例、tert−ブチルジメチルシリル基等)で保護されていてもよい)、およびアルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル基)から選択される1〜3個(好ましくは、1個)の置換基で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ドデシル基)、(2)アルケニル基(好ましくは、3−ブテニル基、4−ペンテニル基)、(3)アルキニル基(好ましくは、3−ブチニル基、4−ペンチニル基)、(4)1〜3個(好ましくは、1または2個)のアルキル基(好ましくは、メチル基、イソプロピル基)で置換されていてもよいシクロアルキル基(好ましくは、シクロヘキシル基)、(5)ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)、アルキル基(好ましくは、メチル基)、ニトロ基およびアルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)ら選択される1〜3個(好ましくは、1または2個)の置換基で置換されていてもよいアリール基(好ましくは、フェニル基、ナフチル基)、(6)水酸基、アルコキシ基(好ましくは、メトキシ基)およびアリールカルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ基)から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい複素環基(好ましくは非芳香族複素環基、より好ましくは単環式非芳香族複素環基、さらに好ましくは、テトラヒドロピラニル)である。
式:
(式中、Rは上記と同意義を示す。)
で表される化合物において、Rは、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基であり、より好ましくは、1または2個(好ましくは1個)の水酸基で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは、メチル基)、アリール基(好ましくは、フェニル基)である。
式:
(式中、Rは上記と同意義を示す。)
で表される化合物において、Rは、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基であり、より好ましくは、アルキル基(好ましくは、ドデシル基)である。
本発明の方法で用いられる「アルキル化剤」は、上記「水酸基またはチオール基を有する化合物」における水酸基またはチオール基をアルキル化し得る限り特に限定されず、例えば、アルキルハロゲン化物、アルキルトシレートなどが挙げられる。該「アルキルハロゲン化物」は、強塩基条件では脱離が進行する第2級ハロゲン化物であってもよく、例えば、式:
(式中、Rは置換されていてもよいベンジル基または置換されていてもよいアリル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である。
で示される「置換されていてもよいベンジル基」および「置換されていてもよいアリル基」の「ベンジル基」および「アリル基」は、置換可能な任意の位置に任意の数(好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、本発明の方法における弱塩基性条件下で悪影響を受けないものであれば特に制限はなく、例えば、C1−6アルキル基(例、メチル基)、C1−6アルコキシ基(例、メトキシ基)、C6−10アリール基(例、フェニル基)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
該「置換されていてもよいベンジル基」は、好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル基)およびC1−6アルコキシ基(例、メトキシ基)から選択される1〜3個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいベンジル基であり、より好ましくは、ベンジル基、パラメトキシベンジル基、1−フェニルエチル基である。
該「置換されていてもよいアリル基」は、好ましくは、C1−6アルキル基(例、メチル基)およびC6−10アリール基(例、フェニル基)から選択される1〜3個(好ましくは1個)の置換基で置換されていてもよいアリル基であり、より好ましくは、アリル基、1−メチル−2−プロペニル基、3−フェニル−2−プロペニル基である。
Xで示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
該「アルキル化剤」は、好ましくは、ベンジルブロミド、パラメトキシベンジルクロリド、(1−ブロモエチル)ベンゼン、2−プロペニルブロミド、1−メチル−2−プロペニルブロミド、3−フェニル−2−プロペニルブロミド、2−フェニルエチルトシレート等である。
本発明の方法で用いられる「第3級アミン」としては、上記「アルキル化剤」と反応しない、あるいは相対的に反応が遅い第3級アミンであれば特に限定されず、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、2,6−ルチジン、ピリジンなどが挙げられる。好ましくはジイソプロピルエチルアミン、2,6−ルチジンであり、より好ましくはジイソプロピルエチルアミンである。該「第3級アミン」は、上記「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して、好ましくは1当量以上、より好ましくは1.0〜6.0当量、さらに好ましくは1.05〜3.2当量、なおさらに好ましくは1.1〜2.0当量、特に好ましくは1.1〜1.2当量用いる。
本明細書において、当量とは、モル当量を意味する。
本発明の方法では、上記「水酸基またはチオール基を有する化合物」、「アルキル化剤」および「第3級アミン」を混合することにより、水酸基またはチオール基を有する化合物中の水酸基またはチオール基がアルキル化されたエーテル、エステルまたはチオエーテルを得ることができる。
例えば、水酸基またはチオール基を有する化合物として、式:
(式中、Rは上記と同意義を示す。)
で表される化合物を用い、アルキル化剤として、式:
(式中、各記号は上記と同意義を示す。)
で表される化合物を用いる場合、これらを第3級アミン(好ましくは、式(1)、(2)または(3)で表される化合物に対して1当量以上(好ましくは1.0〜6.0当量、より好ましくは1.05〜3.2当量、さらに好ましくは1.1〜2.0当量、なおさらに好ましくは1.1〜1.2当量)の第3級アミン)と共に混合することにより、式:
(式中、各記号は上記と同意義を示す。)
で表されるエーテル、エステルまたはチオエーテルを得ることができる。
本反応の反応温度は、通常80℃以上、好ましくは80〜150℃、より好ましくは120〜150℃である。
本反応は、通常、室温では進行せず、上記の温度に達することにより反応が進行する。従って、本発明の方法では、温度を制御することにより容易に反応制御が可能であるため、操作が容易である。
本反応の反応時間は、通常30分〜65時間、好ましくは1〜2.5時間である。
本反応は、無溶媒下または少量の溶媒下で行うことが好ましい。本反応に用いられ得る溶媒としては、ジメチルホルムアミド、1,2−ジクロロベンゼン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等が挙げられる。
ここで、「少量の溶媒」とは、基質である「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して、50当量未満の溶媒を意味する。過剰な溶媒の使用は、本反応の反応速度を低下させる要因となる。
本反応は、無溶媒下で行うことにより、経済的に有利であるばかりか、反応の促進または高収率化が可能となる。従って、本反応は無溶媒下で行うことが好ましい。
本発明の方法で用いられる「水酸基またはチオール基を有する化合物」:「アルキル化剤」:「第3級アミン」の当量比は、例えば、1.0:1.0〜3.0:1.2〜3.2であり、好ましくは、1.0:1.1〜1.5:1.2〜2.0であり、さらに好ましくは1.0:1.1:1.2である。これらの化合物をこのような比率で混合することにより、定量的にカップリング反応を進行させることが可能である。なお、反応によっては、アルキル化剤をより過剰に加えたほうが有利な場合もある。
本発明の方法では、「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して、化学量論比よりわずかに過剰(例えば、「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して1.1〜1.6当量、好ましくは、「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して1.1〜1.2当量)の「アルキル化剤」および「第3級アミン」を用いることにより反応を促進し、反応時間を短縮することが可能である。従って、通常、過剰な反応試薬を用いる必要がないため、経済的に有利である。
本発明の方法では、反応系中にヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等を添加することにより、反応を促進することが可能である。このようなヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等の使用量は、基質である「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して、通常、0.05〜1.5当量、好ましくは0.1〜0.2当量である。
特に、「水酸基またはチオール基を有する化合物」における「水酸基」または「チオール基」が立体的に込み合っている(例えば、第3級である)場合、該「水酸基」または「チオール基」が第1級である場合に比べて反応の進行が遅いが、反応系中に上記の量のヨウ化ナトリウム等を添加することにより、反応の進行が加速されて、結果として高い収率で生成物を得ることが可能となる。
本発明の方法で得られたエーテル、エステルまたはチオエーテルは、自体公知の精製手段により単離・精製することが可能である。例えば、弱酸水で処理することにより第3級アミンを除去し、例えば、過剰なアルキル化剤がパラメトキシベンジルクロリドである場合は、10%硫酸水素ナトリウムで処理することにより単離が可能である。
本発明の方法で用いられる「水酸基またはチオール基を有する化合物」において、水酸基が複数存在する場合には、酸性度が高い水酸基が優先的に反応する傾向があり、例えば、カルボキシル基における水酸基>フェノール性水酸基>アルコール性水酸基の順である。従って、各水酸基を順次選択的に反応させることにより、目的のエーテル、エステルまたはチオエーテルを高収率で合成することが可能となる。
本発明の方法において、「水酸基またはチオール基を有する化合物」が、アルキル化を所望される「水酸基」(カルボキシ基を含む)または「チオール基」以外に官能基を有する場合、かかる官能基を適切な保護基で保護した後に「アルキル化剤」との反応に供してもよい。必要により、反応後に該保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
同様に、本発明の方法において、「アルキル化剤」が官能基を有する場合、かかる官能基を適切な保護基で保護した後に「水酸基またはチオール基を有する化合物」との反応に供してもよい。必要により、反応後に該保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、特に記載しない限り、「当量」は「モル当量」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。「収率a)」は単離収率を示し、「収率b)」は、HPLCにより測定された収率を示し、「収率c)」はH NMRの積分強度により測定された収率を示す。
実施例1
窒素雰囲気下、2−フェニルエタノール(1mmol)、パラメトキシベンジルクロリド(PMBCl)(1.1mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPA)(2mmol)を、磁気攪拌子を備えた反応容器に入れた。混合物を150℃の浴槽で2.5時間還流した。反応混合物に、酢酸エチル(5mL)および10%硫酸水素ナトリウム水を加えた。有機層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、さらに精製を行い、1−メトキシ−4−(フェネトキシメチル)ベンゼン(以下、化合物Aと称する)を得た(収率a):97%)。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 2.94(2H, t, J=7.2Hz), 3.67(2H, t, J=7.2Hz), 3.79(3H, s), 4.45(2H, s), 6.85(2H, d, J=8.4Hz), 7.24(7H, m).
実施例2
DIPAの代わりにトリエチルアミンを用いた以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):92%)。
実施例3
DIPAの代わりに2,6−ルチジンを用いた以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):92%)。
実施例4
DIPAの代わりにN−メチルモルホリンを用いた以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):53%)。
実施例5
0.1当量のヨウ化ナトリウムを添加し、反応温度を80℃、反応時間を16時間とした以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):79%)。
実施例5’
0.1当量のヨウ化ナトリウムを添加し、反応温度を80℃、反応時間を65時間とした以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率a):97%)。
実施例6
反応温度を120℃とした以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):87%)。
実施例7
溶媒としてジメチルホルムアミド(2−フェニルエタノールに対して10当量)を用いた以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Aを得た(収率b):81%)。
実施例1と同様の方法に従い、以下の表1〜6に示す実施例8〜31、8’、10’〜22’、25’〜28’、11’’、18’’および21’’を行い、それぞれ目的の化合物を得た。以下、BnBrはベンジルブロミドを示し、PMBClはパラメトキシベンジルクロリドを示す。
実施例8の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 2.93(2H, t, J=7.2Hz), 3.67(2H, t, J=7.2Hz), 4.53(2H, s), 7.23(10H, m).
実施例9の生成物
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.42(3H, d, J=6.6Hz), 2.82-2.92(4H, m), 3.51(2H, t, J=7.3Hz),3.86(2H, t, J=6.6Hz), 4.4(1H, q, 6.6Hz), 7.13-7.36(10H, m).
実施例10の生成物
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.48(10H, m), 3.32(1H, sep, J=3.9Hz), 3.77(3H, s), 4.46(2H, s), 6.84(H, d, J=9.0Hz), 7.25(2H, d, J=8.7).
実施例11および11’の生成物:黄色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.48(10H, m), 3.35(1H, sep, J=3.8Hz), 4.55(3H, s), 7.34(5H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 23.92, 25.68, 32.04, 69.50, 76.77, 127.20, 127.39, 128.21, 139.24;
IR (KBr, cm-1): 697, 1096, 1452, 2856, 2932;
HRMS calcd for C13H18O m/z 190.1358, found HR-EI (+) m/z 190.1327.
実施例13の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 2.61(2H, t, J=6.3Hz), 3.65(2H, t, J=6.3Hz), 3.80(3H, s), 4.51(2H, s), 6.88(2H, d, J=8.7Hz), 7.25(2H, d, J=8.7Hz). 7.25(2H, d, J=8.7Hz).
実施例14の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 2.62(2H, t, J=6.3Hz), 3.68(2H, t, J=6.3Hz), 4.58(2H, s), 7.34(5H, m).
実施例15の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.81(3H, s), 4.49(2H, s), 4.53(2H, s), 6.88(2H, d, J=8.4Hz), 7.35(7H, m).
実施例16の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.81(2H, t, J=9.6Hz), 4.50(2H, t, J=9.6Hz), 4.61(2H, s), 7.35(5H, m), 7.44(2H, m), 7.54(1H, m), 8.05(2H, d, J=6.9Hz).
実施例17の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 2.15(3H, d, J=3.0Hz), 2.71(2H, t, J=6.6Hz), 3.7(2H, t, J=6.6Hz), 3.79(3H, d, J=0.6Hz), 4.44(2H, s), 6.85(2H, d, J=8.4Hz), 7.25(2H, d, J=8.1Hz).
実施例18および18’の生成物:黄色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 2.18(3H, s), 2.71(2H, t, J=6.6Hz), 3.73(2H, t, J=6.6Hz), 4.51(2H, s), 7.33(5H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 30.29, 43.64, 65.19, 73.13, 127.65, 128.38, 138.11, 207.20;
IR (KBr, cm-1): 699, 1105, 1364, 1454, 1715, 2867;
HRMS calcd for C11H14O2m/z 178.0983, found HR-EI (+) m/z 178.0994.
実施例19の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.69(2H, Quintet, J=6.6Hz), 2.12(2H, m), 3.45(2H, t, J=6.6Hz), 3.78(3H, s), 4.42(2H, s), 4.98(2H, m), 5.79(1H, m), 6.85(2H, d, J=8.4Hz), 7.24(2H, t, J=8.4Hz).
実施例20の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.71(2H, Quintet, J=6.6Hz), 2.13(2H, m), 3.48(2H, t, J=6.6Hz ), 4.50(2H, s), 4.97(2H, m), 5.81(1H, m), 7.33(5H, m).
実施例21および21’の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.81(2H, quintet, J=6.9Hz), 1.94(1H, t, J=2.7Hz), 2.30(2H, m), 3.55(2H, t, J=6.0Hz), 3.81(3H, s), 4.44(2H, s), 6.86(2H, d, J=8.7Hz), 7.25(2H, d, J=8.7Hz);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 15.23, 28.61, 55.25, 68.38, 72.65, 84.01, 113.83, 128.28, 130.65, 159.28;
IR (KBr, cm-1): 1035, 1102, 1248, 1513, 2859, 3293;
HRMS calcd for C13H16O2 m/z 204.1150, found HR-EI (+) m/z 204.1161.
実施例22の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.83(2H, quintet, J=6.3Hz), 1.935(1H, t, J=2.7Hz), 2.32(2H, m), 3.57(3H, t, J=6.0Hz), 4.52(2H, s), 7.34(5H, m).
実施例23の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.81(3H, s), 4.46(2H, s), 4.49(2H, s), 6.89(2H, d, J=8.4Hz), 7.35(7H, m).
実施例24の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.23(6H, s), 2.87(2H, s), 3.79(3H, s), 4.57(2H, s), 6.85(2H, m), 7.27(7H, m).
実施例25の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.81(3H, s), 4.49(2H, s), 4.53(2H, s), 6.88(2H, d, J=8.4Hz), 7.35 (7H, m).
実施例26の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 5.16(2H, s), 7.03(2H, d, J=9.3Hz), 7.42(5H, m), 8.20(2H, d, J=9.0Hz)
実施例27の生成物
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 5.21(2H, s), 6.82-6.90(1H, m), 7.10-7.57(9H,m), 7.74-7.87(1H,m), 8.31-8.44(1H,m).
実施例28の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.77(3H, s), 5.02(2H, s), 6.84(2H, d, J=9.0Hz), 6.92(2H, d, J=9.0Hz), 7.42(5H, m).
実施例29の生成物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 3.82(3H, s), 5.30(2H, s), 6.90(2H, d, J=8.4Hz), 7.42(4H, m), 7.44(1H, t, J=3.7Hz), 8.05(2H, d, J=6.9Hz).
実施例30の生成物
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 0.88(3H, t, J=6.5Hz), 1.25(18H,bs), 1.45-1.52(2H, m), 2.39(2H, t, J=7.4Hz), 3.66(2H, s), 3.80(3H, s), 6.84(2H, d, J=8.5Hz), 7.23(2H, d, J=8.5Hz).
実施例31の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 5.3(2H, s), 7.32(8H, m), 8.05(2H, d, J=8.0Hz);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 68.67, 128.27, 128.34, 128.48, 128.71, 129.81, 130.31, 133.11, 136.26, 166.49;
IR(KBr, cm-1): 1026, 1070, 1110, 1272, 1314, 1452, 1720, 3034, 3065;
HRMS calcd for C14H12O2m/z 212.0806, found HR-EI(+) m/z 212.080.
実施例32
同量の安息香酸および2−フェニルエタノールに対して、DIPA(3当量)の存在下、PMBCl(1当量)を作用させると、安息香酸が優先的に反応し、主生成物として安息香酸エステルが得られた(収率83%)。
実施例33
1分子内にカルボキシル基およびアルコール性水酸基を有する基質に、BnBr(1当量)およびDIPA(3当量)を混合し、150℃で2.5時間反応させた(工程1)。続いて、系中にPMBCl(1.1当量)を添加し、120℃で2.5時間反応させる(工程2)ことにより目的化合物を得た(収率c):85%)。工程1でカルボキシル基を優先的に反応させ、続いて、工程2でアルコール性水酸基を反応させることにより、所望の化合物を高収率で得ることが可能であった。
実施例34
同量のパラクロロフェノールおよび2−フェニルエタノールの混合物に対して、DIPA(1.5当量)の存在下、BnBr(1当量)を作用させると、パラクロロフェノールのベンジル化が優先的に進行した(収率78%)。
実施例35
2−フェニルエタノールに、ジイソプロピルエチルアミン(1.1当量)の存在下、ベンジルブロミド(1.0当量)を作用させ、ベンジル化生成物への変換率を経時的に測定した。結果を図1(A)に示す。かかる反応は、3次反応速度論に従って進行することが観察された(図1(B))。この結果は、2−フェニルエタノールとジイソプロピルエチルアミンが水素結合を形成した複合体が、活性化された求核種としてベンジルブロミドと反応するという反応機構を示唆している。これは、溶媒量を低減した環境下において、水酸基を有する化合物と第3級アミンとの水素結合を形成させることにより、アルキル化剤に対する求核置換反応の反応性を促進させるという概念を支持するものである。
実施例1と同様の方法に従い、以下の表7〜10に示す実施例36〜47を行い、それぞれ目的の化合物を得た。
実施例36の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.42(3H, m), 2.88(2H, m), 3.51(2H, t, J=7.4Hz), 4.4(1H, q, J=6.3Hz), 7.25(10H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 23.98, 36.45, 69.51, 78.03, 126.08, 126.10, 127.32, 128.22, 128.36, 128.93, 139.06, 143.96;
IR(KBr, cm-1): 1103, 1453, 1495, 2864, 2975, 3028;
HRMS calcd for C16H18O m/z 226.1358, found HR-EI(+) m/z 226.1354.
実施例37の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.48(13H, m), 3.15(1H, m), 4.59(3H, q, J=6.6Hz), 7.27(5H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 24.03, 24.24, 24.72, 25.70, 31.68, 33.32, 74.16, 74.69, 126.03, 127.04, 128.24, 145.11;
IR(KBr, cm-1): 1096, 1208, 1367, 1450, 1493, 2856, 2932;
IR(cm-1): 700, 1095, 1450, 2857, 2931;
HRMS calcd for C14H20O m/z 204.1514, found HR-EI(+) m/z 204.1522.
実施例38の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.47(3H, d, J=6.6Hz), 2.55(2H, t, J=6.5Hz), 3.51(2H, d, J=6.5Hz), 4.46(1H, q, J=6.6Hz), 7.31(5H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 18.79, 23.72, 62.87, 78.57, 117.90, 126.04, 128.54, 142.72;
IR(KBr, cm-1): 702, 1106, 1452, 2251, 2876, 2977;
HRMS calcd for C11H13NO m/z 175.0997, found HR-EI(+) m/z 175.0966.
実施例39の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.46(3H, d, J=6.3Hz), 3.63(2H, m), 4.44(3H, m), 7.33(8H, m), 8.06(2H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 24.00, 64.08, 66.26, 78.17, 126.10, 129.61, 132.87, 143.45, 166.47;
IR(KBr, cm-1): 1109, 1271, 1452, 1493, 1602, 1717, 2866, 2976, 3031;
HRMS calcd for C17H18O3m/z 270.1256, found HR-EI(+) m/z 270.1259.
実施例40の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.41(3H, d, J=6.6Hz), 2.16(3H, s), 2.66(2H, m), 3.56(2H, m), 4.4(1H, q, J=6.3Hz), 7.32(5H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 23.76, 30.15, 43.72, 63.51, 78.23, 126.01, 128.34, 143.52, 207.33;
IR(KBr, cm-1): 702, 762, 1105, 1170, 1369, 1462, 1717, 2870, 2977;
HRMS calcd for C12H16O2m/z 192.1150, found HR-EI(+) m/z 192.1143.
実施例41の生成物:無色油状物
1H-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.41(3H, m), 1.66(2H, m), 2.09(2H, m), 3.29(2H, t, J=6.5Hz), 4.35(1H, q, J=6.4Hz), 4.94(2H, m), 5.78(1H, m), 7.26(5H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 24.00, 29.02, 30.22, 67.85, 77.86, 114.54, 126.04, 127.23, 128.31, 138.29, 144.22;
IR(KBr, cm-1): 700, 1105, 1451, 2863, 2976;
HRMS calcd for C13H18O m/z 190.1358, found HR-EI(+) m/z 190.1373.
実施例42の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 0.7(3H, d, J=6.8Hz), 0.91(9H, m), 1.3(2H, m), 1.63 (2H, m), 2.25(2H, m), 3.15(1H, td, J=10.4Hz), 3.79(3H, m), 4.31(1H, d, J=10.5Hz), 4.57(1H, d, J=10.5Hz), 6.83(2H, m), 7.29(2H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 15.90, 20.86, 22.22, 23.14, 25.35, 31.42, 34.47, 40.21, 48.19, 55.08, 69.93, 78.30, 113.66, 129.31, 159.07;
IR(KBr, cm-1): 1084, 1171, 1248, 1456, 1513, 1613, 2963;
HRMS calcd for C18H28O2m/z 276.2089, found HR-EI(+) m/z 276.2078.
実施例43の生成物:茶色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 0.71(3H, d, J=6.9Hz), 0.88(9H, m), 1.33(2H, m), 1.63(3H, m), 2.3(1H, m), 3.17(1H, m), 4.4(1H, d, J=11.3Hz), 4.66(1H, d, J=11.5Hz), 7.32(5ZH, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 15.96, 20.91, 22.26, 23.19, 25.42, 31.48, 34.51, 40.24, 48.26, 70.35, 78.68, 127.37, 127.83, 128.27, 139.19;
IR(KBr, cm-1): 1069, 1110, 1344, 1369, 1454, 2869, 2955;
HRMS calcd for C17H26O m/z 246.3877, found HR-EI(+) m/z 246.1975.
実施例44の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.23(6H, s), 2.87(2H, s), 3.79(3H, s), 4.46(2H, s), 6.87(2H, m), 7.25(7H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 25.16, 39.01, 49.65, 55.16, 63.41, 71.37, 75.63, 113.70, 126.05, 126.44, 127.77, 128.67, 130.44, 130.63, 131.91, 138.47, 158.85;
IR(KBr, cm-1): 1035, 1174, 1247, 1513, 1612, 1699, 2970;
HRMS calcd for C18H22O2m/z 270.1620, found HR-EI(+) m/z 270.1621.
実施例45の生成物:無色油状物
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 1.26(6H, s), 2.92(2H, s), 4.57(2H, s), 7.31(10H, m);
13C-NMR(400MHz, CDCl3, TMS,r.t.) δ: 25.10, 47.26, 63.72, 75.68, 126.07, 127.00, 127.15, 127.78, 128.21, 130.63, 138.39, 139.84;
IR(KBr, cm-1): 697, 1061, 1454, 2972;
HRMS calcd for C17H20O m/z 240.1514, found HR-EI(+) m/z 240.1512.
実施例46の生成物:無色油状物
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 1.46(3H, d, J=6.3Hz), 3.79(3H, s), 4.22(1H, d, J=6.2Hz), 4.38(1H, d, J=6.2Hz), 4.48(1H, q, J=6.3Hz), 6.87(2H, d, J=8.5Hz), 7.38(7H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 25.19, 47.26, 55.20, 63.45, 75.66, 113.73, 126.09, 127.81, 128.70, 130.66, 131.94, 138.51, 158.89;
IR (KBr, cm-1): 1036, 1250, 1450, 1609, 1612, 2973;
HRMS calcd for C16H18O2m/z 242.1307,found HR-EI (+) m/z 242.1301.
実施例47の生成物:無色油状物
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 5.3(2H, s), 7.32(8H, m), 8.05(2H, d, J=8Hz);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 68.67, 128.27, 128.34, 128.48, 128.71, 129.81, 130.31, 133.11, 136.26, 166.49;
IR (KBr, cm-1): 1026, 1070, 1110, 1272, 1314, 1452, 1720, 3034, 3065;
HRMS calcd for C14H12O2 m/z 212.0806, found HR-EI (+) m/z 212.0806.
実施例48
実施例1と同様の方法に従い、DIPAの量を1.2当量(反応A)、2.0当量(反応B)および3.0当量(反応C)とした場合の化合物Aの収率をそれぞれ経時的に測定した。結果を図2に示す。収率は、H NMRの積分強度から見積もった。この結果から、2−フェニルエタノールに対するDIPAの当量比が化学量論量から過剰になるに従い、反応速度が遅くなることが分かった。これは、本発明の方法が、無溶媒下において行われることが好ましいのみならず、「第3級アミン」でさえも「水酸基またはチオール基を有する化合物」に対して過剰に加えることは反応速度を低下させる要因となることを示す。
実施例49
α−D−グルコシドの選択的誘導化における本発明の方法の利用
(式中、Bzはベンゾイル基を示し、PMBはパラメトキシベンジル基を示す。)
工程1
メチル−α−D−グルコシド(1mmol)、二塩化ジメチルスズ(MeSnCl,0.05当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPA)(3mmol)を磁気攪拌子を備えた反応容器に入れた。塩化ベンゾイル(2.2mmol)を、0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物に、酢酸エチル(5mL)および10%硫酸水素ナトリウム水を加えた。有機層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製を行い、化合物Bを白色固体として得た(収率a):86%)。
融点:139-140℃.
1H-NMR(300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 3.35(3H, s), 3.61(1H, t, J=8.9Hz), 3.95(1H, d, J=7.1Hz), 4.19(1H, t, J=8.9Hz), 4.53(1H, d, J=12.1Hz), 4.78(1H, dd, J=11.9, 3.2Hz), 4.95(1H, dd, J=9.6, 3.0Hz), 5.05(1H, d, J=3.3Hz), 7.4(4H, m), 7.54(2H, q, J=6.8Hz), 8.08(4H, d, J=7.4Hz);
13C-NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 55.37, 63.60, 69.55, 70.66, 71.54, 73.69, 97.34, 128.49, 128.53, 129.53, 129.59, 129.90, 129.99, 133.43, 133.45, 166.52, 167.40;
IR (KBr, cm-1): 1291, 1453, 1694, 2948, 3468;
HRMS calcd for C21H22O8 m/z 402.1315, found HR-EI (+) m/z 402.1302.
工程2
化合物Bに対して、PMBClを3当量、DIPAを3.2当量、反応時間を4時間とした以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Cを無色油状物として得た(収率a):87%)。
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 3.38(3H, s), 3.74(6H, m), 4.0(1H, m), 4.22(1H, t, J=9.4Hz), 4.54(3H, m), 4.8(4H, m), 5.01(1H, d, J=3.7Hz), 5.14(1H, dd, J=10.0, 3.7Hz), 6.78(4H, m), 7.17(4H, m), 7.45(4H, q, J=8.0Hz), 7.58(2H, m), 8.05(4H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 55.17, 55.22, 63.16, 68.86, 73.96, 74.77, 75.35, 77.08, 80.01, 97.23, 113.78, 113.90, 128.39, 128.45, 129.63, 129.76, 129.82, 130.19, 133.08, 133.27, 159.23, 159.36, 165.89, 166.20;
IR (KBr, cm-1): 711, 1067, 1271, 1513, 1721, 2837, 2936;
HRMS calcd for C37H38O10Na1 m/z 665.2465, found HR-ESI (+Na) m/z 665.2363.
工程3
化合物C(1mmol)をメタノールに溶解し、磁気攪拌子を備えた反応容器に入れた。1M ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(2mL)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。メタノールを減圧下で留去し、残渣に10%硫酸水素ナトリウム水(5mL)および酢酸エチル(5mL)を加えた。有機層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製を行い、化合物Dを白色固体として得た(収率a):98%)。
融点:83-84℃.
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 3.64(17H, m), 4.59(1H, d, J=10.7Hz), 4.77(4H, m), 6.87(4H, d, J=8.2Hz), 7.27(4H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 55.09, 55.18, 61.75, 71.00, 72.90, 74.52, 82.67, 99.36, 113.87, 113.90, 129.57, 129.66, 130.27, 130.80, 159.31, 159.41;
IR (KBr, cm-1): 1038, 1251, 1514, 1614, 2932, 3402;
HRMS calcd for C23H30O8Na1 m/z 457.1838, found HR-ESI (+Na) m/z 457.1843.
実施例50
α−D−グルコシドの選択的誘導化における本発明の方法の利用
(式中、Bzはベンゾイル基を示し、PMBはパラメトキシベンジル基を示す。)
工程1
窒素雰囲気下、メチル−α−D−グルコシド(1mmol)、二塩化ジメチルスズ(MeSnCl,0.05当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPA)(2mmol)を磁気攪拌子を備えた反応容器に入れた。塩化ベンゾイル(1.2mmol)を、0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物に、酢酸エチル(5mL)および10%硫酸水素ナトリウム水を加えた。有機層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製を行い、化合物Eを得た(収率a):82%)。
工程2
化合物Eに対して、PMBClを5.0当量、DIPAを5.5当量、反応時間を6時間とした以外は、実施例1と同様の条件により、化合物Fを無色油状物として得た(収率a):80%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 3.35(3H, s), 3.75(15H, m), 4.14(1H, t, J=9.4Hz), 4.44(2H, dd, J=15.9, 11.2Hz), 4.61(1H, d, J=11.7Hz), 4.74(1H, m), 5.05(1H, d, J=3.7Hz), 5.11(1H, dd, J=10.0, 3.7Hz), 6.71(2H, d, J=8.5Hz), 6.82(2H, d, J=8.5Hz), 6.86(2H, d, J=8.5Hz), 7.06(2H, d, J=8.5Hz), 7.12(2H, d, J=8.5Hz), 7.28(2H, d, J=8.3Hz), 7.42(2H, t, J=7.7Hz), 7.55(1H, m), 8.05(2H, d, J=7.3Hz);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 18.3, 18.3, 18.4, 31.2, 33. 5, 36.3, 37.3, 37.9, 38.3, 40.0, 40.3, 40.7, 40.9, 43.06, 60.5, 91.7, 92.8, 92.9, 93.1, 93.3, 93.6, 93.8, 96.5, 122.4, 122.6, 129.2;
IR (KBr, cm-1): 714, 1108, 1301, 1315, 1332, 1360, 1452, 1463, 1585, 1612, 1721, 2836, 2934, 2999.
本発明の方法の反応系は弱塩基性条件であるため、ベンゾイルオキシ基のような官能基とも共存可能である。従って、ベンゾイルオキシ基を有する化合物Bまたは化合物Eを本発明の方法によってPMBClと反応させることにより、それぞれベンゾイルオキシ基が保持された化合物Cまたは化合物Fを得ることができる。また、例えば、化合物Cを実施例49、工程3の反応に付すことにより、化合物Cにおける2個のベンゾイルオキシ基が加水分解され、化合物Dが得られる。
このように、複数の水酸基を有する糖などにおいて、選択的アシル化と本発明の方法とを組み合わせることにより、選択的なエーテル結合形成が可能となる。
実施例51
1,2−プロパンジオールにおいて、2個のヒドロキシ基のうち一方にtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基を有する化合物を本発明の方法における反応に付したところ、TBDMS基が転位することなく、化合物Gが無色油状物として得られた(収率a):92%)。
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 0.05(6H, s), 0.90(9H, s), 1.15(3H, d, J=6.04Hz), 3.57(3H, m), 3.80(3H, s), 4.54(2H, s), 6.87(2H, d, J=8.79 Hz), 7.28(2H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 16.98, 18.23, 25.84, 55.22, 67.17, 70.86, 75.39, 113.74, 129.20, 131.22, 159.12;
IR (KBr, cm-1): 1103, 1249, 1513, 1612, 2857, 2955;
HRMS calcd for C17H30NaO3Si m/z 333.1964, found HR-ESI (+Na) m/z 333.1862.
本発明の方法の反応系は弱塩基性条件であるため、tert−ブチルジメチルシリル基のようなケイ素保護基とも共存可能である。従って、本発明の方法は、ケイ素保護基を用いる既存の合成法と組み合わせて用いることも可能である。
実施例52−1
L−乳酸エチルをPMBClとの反応に付したところ、化合物Hが無色油状物として得られた(収率a):93%)。
[α]20 D-82.1 (c 2.50, CHCl3);
1H NMR (300MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 1.30(3H, t, J=7.14Hz), 1.41 (3H, d, J=6.87 Hz), 3.80(3H, s), 4.03(1H, q, J=6.87 Hz), 4.22(2H, q, J=7.14 Hz), 4.39(1H, d, J=11.26 Hz), 4.62(1H, d, J=11.26 Hz), 6.88(2H, d, J=8.52 Hz), 7.29(2H, m);
13C NMR (400MHz, CDCl3, TMS, r.t.) δ: 13.96, 18.43, 54.99, 60.54, 71.41, 73.51, 113.65, 129.50, 159.29, 173.25;
IR (KBr, cm-1): 1143, 1243, 1612, 1754, 2984;
HRMS calcd for C13H18NaO4 m/z 261.1205, found HR-ESI (+Na) m/z 261.1103.
実施例52−2
L−乳酸エチルの代わりにD,L−乳酸エチルを用いた以外は実施例52−1と同様の条件により、ラセミ体である化合物Iを得た。
実施例52−1および52−2で得られた化合物について、以下の同一条件下で、キラル固定相を備えたカラムを用いたHPLC分析をそれぞれ行った。
HPLC分析条件
カラム:DAICEL Chiral PAK ID (0.46 cm I.D. x 25 cm L)(ダイセル化学工業株式会社製)
流速:0.5 mL/分
溶離液:ヘキサン/エタノール=96/4
検出:250 nm (UV)
実施例52−1で得られた化合物の分析結果を図3の(A)に、実施例52−2で得られた化合物の分析結果を図3の(B)にそれぞれ示す。図3の(B)には、ラセミ体を構成する2つの鏡像異性体に相当すると推定される2つのピークが観察される一方、図3の(A)には、1つのピークのみが観察された。これらの結果から、実施例52−1では、ラセミ化が進行せず、光学的に高純度な化合物Hが得られていることが分かる。
化合物Hは、医薬品候補として合成研究が報告されているSuperstolide A(Org. Lett., 2001, 3, 1447)、抗生物質の候補であるUK-2A(Tetrahedron, 1998, 54, 12745)、抗癌剤候補であるChlorotonil A(Angew. Chem. In. Ed., 2008, 47, 597)、Epothilone B(Angew. Chem. In. Ed., 2000, 39, 581)など、様々な分子の出発物質となる不斉源として使用されている。これまで化合物Hの合成法としては、L−乳酸エチルに1.5〜2当量の4-メトキシベンジル 2,2,2-トリクロロアセトアミドを酸触媒存在下、室温で反応させる方法が用いられてきたが、該試薬は高価であるばかりか、該反応は反応速度が遅く、過剰の試薬を用いて10時間以上の反応時間を要するものであった。本発明の方法では、相対的に安価なPMBClを用いて、1〜2時間で反応を完結させることが可能である。
なお、従来の方法で得られた化合物Hの比旋光度は、以下のようにいくつかのグループにより報告されている:(a) Rahn, N. and Kalesse, M. Angewandte Chemie International Edition. 2008, 47, 597 [α]20 D-43.9 (c 1.00, CHCl3);(b) Shimano, M.; Kamei, N.; Shibata, T.; Inoguchi, K.; Itoh, N.; Ikari T.; Senda H. Tetrahedron 1998, 54, 12745 [α]20 D -69.4 (c 1.00, CHCl3);(c) Yu, W.; Zhang, Y.; Jin, Z. Org. Lett., 2001, 3, 1447 [α]20 D-9.36 (c 1.00, CHCl3);(d) Convertino, V.; Manini, P.; Schweizer, W. B.; Diederich, F. Org. Biomol. Chem. 2006, 4, 1206 [α]25 D -78.7 (c 1.08, CHCl3)。しかし、これまでに報告されてきた化合物Hの比旋光度は、上記のように様々であり、またHPLCによる検証データは報告されていなかった。
HPLC分析により光学的に高純度であることが示された化合物Hの比旋光度が[α]20 D -82.1 (c 2.50, CHCl3)であるという今回の報告は、これまでに光学的に高純度な化合物Hであると報告されてきた物質(相対的に小さな比旋光度を示す)に、不純物の混入、あるいは部分的ラセミ化が生じていた可能性を示唆するものである。
従って、ラセミ化を起こすことなく、光学的に高純度な生成物を得ることが可能な本発明の方法は、化合物Hのような不斉物質の製造に有用である。
本発明の製造方法によれば、極めて簡便かつ安全な操作により、医薬、農薬およびそれらの中間体などの製造に利用可能な多様な官能基を有するエーテル、エステルまたはチオエーテルを高収率で製造することができる。
本出願は、日本で出願された特願2010−273923および特願2011−153324を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (6)

  1. 式:

    (式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
    で表される化合物と式:

    (式中、Rは置換されていてもよいベンジル基または置換されていてもよいアリル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される化合物とを、式(1)、(2)または(3)で表される化合物に対して1当量以上の第3級アミンの存在下で反応させることを特徴とする、エーテル、エステルまたはチオエーテルの製造方法。
  2. 式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:

    (式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
    で表される化合物である、請求項1記載の製造方法。
  3. 式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:

    (式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
    で表される化合物である、請求項1記載の製造方法。
  4. 式(1)、(2)または(3)で表される化合物が、式:

    (式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を示す。)
    で表される化合物である、請求項1記載の製造方法。
  5. 第3級アミンが、ジイソプロピルエチルアミンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 反応が無溶媒下で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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