JPWO2017164379A1 - 2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質の製造方法、及びその関連物質 - Google Patents

2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質の製造方法、及びその関連物質 Download PDF

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Abstract

工業生産に適した2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質の製造方法を提供する。本発明は、2−アルキルカルボニル[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造中間体を、ケトン又はアルコールが保護された1−ブチン誘導体と、3位に脱離基を有する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン誘導体とを金属又は金属化合物、及び塩基存在下、溶媒中で反応させることにより製造する方法、及びその関連物質を提供する。

Description

本発明は医薬品として有用な2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質の製造方法、及びその関連物質に関する。
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法及び関連物質の製造方法としては、例えば、特許文献1、2及び非特許文献1に記載の方法が知られている。また2位に置換基を有するナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格の製造方法として、特許文献3及び非特許文献2に記載の方法が知られている。
特許文献1においてLiらは、3−ブテン−2−オンを臭素にて二臭素化した後、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)を用いて脱臭化水素させることで、3−ブロモ−3−ブテン−2−オンを得ている。その後、3−ブロモ−3−ブテン−2−オンと2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンとをカップリングさせることにより、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得している。該中間体を酸化することにより、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得する方法を報告している。
特許文献2においてJiangらは、3−ブテン−2−オンを臭素にて二臭素化し、DBUにて脱臭化水素させることで、3−ブロモ−3−ブテン−2−オンを取得した後、反応系中に2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを加え、空気雰囲気下で縮合させ、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得している。その後、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンをDBUで空気雰囲気下撹拌させて2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得している。
上記特許文献2の方法は、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの合成収率及び該中間体の純度が低い。また、上記特許文献2の方法は、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの収率も高くない。
非特許文献1において稲垣らは、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンとヨードベンゼンジアセテートから得られる3−フェニルヨードニオ−1,2,4−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニドに対して10当量の3−ブチン−2−オールを園頭カップリング条件にて反応させることにより、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を有する中間体である2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを得ている。該2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのヒドロキシエチル基を酸化することにより2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得している。
特許文献3において飯田らは、2位に置換基を有するナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格の構築法として、3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(別名:3−ブロモ−2−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシナフタレン−4,9−ジオン)と10当量の(S)−(−)−3−ブチン−2−オールとを園頭カップリング条件を用いて反応させることにより、2−ジメチルアミノ−3−(3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル)ユグロン(別名:2−ジメチルアミノ−5−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル)ナフタレン−1,4−ジオン)を取得した後、含水メタノール中で加熱して(−)−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得している。また同特許文献3において、2,5−ジヒドロキシ−3−ヨードナフタレン−1,4−ジオンと、10当量の3−ブチン−2−オールを園頭カップリング条件で反応させることで、2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを得ている。
非特許文献1又は特許文献3に記載の方法は、2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する際、基質に対して10当量ものアセチレン化合物が用いられる。さらに、生成物の安定性が悪く、反応収率も低い。加えて、パラジウム触媒を使用するため、医薬製品中へのパラジウムが残留する。
非特許文献2において、2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する反応例として、銅アセチリドと3位が臭素化又はヨウ素化された2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンとを反応させて、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する例が開示されている。しかしながら、該反応は、銅アセチリドを一旦単離して使用する必要がある。さらに、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンへと誘導できる中間体を具体的に開示しておらず、反応収率も低い。
国際公開2009/036099号 国際公開2012/119265号 特許公報第5208239号
R. Inagaki, et al., Chem. Pharm. Bull. 61, 670 (2013) S. Shvartsberg, et al., Russian Chemical Review 73(2), p.161-184 (2004)
本発明は、工業生産に適した2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質の製造方法、及びその関連物質に関する。すなわち、本発明は、安全、簡便かつ高収率にて、高純度の2−置換ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する方法を提供する。
詳細に述べると、本発明者らは鋭意検討した結果、「3位に脱離基を有する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(1)」と、「アセチレン化合物(2)」とを溶媒中、金属又は金属化合物、及び塩基存在下で反応させることより、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを製造する上で有用な中間体である「2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格(I)」を驚くべき高収率にて構築できることを見出した。さらに該中間体から、簡便かつ高収率にて2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[項1]下記工程(a)を含む、式(I)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中Yは下記式(Ya)、(Yb)又は(Yc)



で表される基
(式(Ya)、(Yb)又は(Yc)において、式中*は結合位置を表し、
及びPは、同一又は異なって、各々独立してカルボニル基の保護基であるか、又は一緒になって保護基を形成し、ここにおいてP及びPは、同時に水素原子ではなく、
は、水素原子又は水酸基の保護基であり、
は、水酸基の保護基であり、
は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、
は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、及び
及びRは、同一又は異なって、各々独立して、水素原子又は置換されてもよいC1−10アルキル基である。)である。]
の製造方法:
(a)
式(1)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Xは脱離基である。]を、溶媒中、金属又は金属化合物、及び塩基存在下で、
式(2)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Yは前記と同義である]
と反応させることにより、
式(I)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Yは、前記と同義である。]を製造する工程。
[項2]前記工程(a)で用いられる塩基が、有機塩基であることを特徴とする、項1に記載の製造方法。
[項3]前記工程(a)で用いられる塩基が、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、ピリミジン、2−ピコリン、3-ピコリン、4−ピコリン、2−ピリジンメタノール、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン又はピリジンを含む、項1又は項2のいずれか一項に記載の製造方法。
[項4]前記工程(a)で用いられる塩基がピリジンであり、当該塩基を溶媒として使用することを特徴とする、項1〜項3のいずれか一項に記載の製造方法。
[項5]前記工程(a)で用いられる金属又は金属化合物が金属銅又は銅化合物である、項1〜項4のいずれか一項に記載の製造方法。
[項6]前記工程(a)で用いられる金属又は金属化合物が金属銅(0)又は酸化銅(I)である、項1〜項5のいずれか一項に記載の製造方法。
[項7]前記工程(a)において、金属パラジウムもパラジウム化合物も使用しないことを特徴とする、項1〜項6のいずれか一項に記載の製造方法。
[項8]Xが、ハロゲン原子、置換されてもよいヨードニオ基、置換されてもよいスルホニルオキシ基、又は置換されてもよいホスホリルオキシ基である、項1〜項7のいずれか一項に記載の製造方法。
[項9]Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニルヨードニオ基、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、クロロスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、又はp−トルエンスルホニルオキシ基である、項1〜項8のいずれか一項に記載の製造方法。
[項10]Xが、臭素原子、ヨウ素原子、又はフェニルヨードニオ基である、項1〜項9のいずれか一項に記載の製造方法。
[項11]Xが、臭素原子である、項1〜項10のいずれか一項に記載の製造方法。
[項12]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(3)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)
(4)置換されてもよいC6−10アリール基、
(5)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(6)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基であるか、又は
(7)置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であり、
ここにおいて、P及びPは、同一又は異なって、各々独立して、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC6−10アリール基、置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、又は置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であるとき、それらが一緒になって置換されてもよい環状ケタールを形成していてもよく、P及びPは同時に水素原子ではない、
項1〜項11のいずれか一項に記載の製造方法。
[項13]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されるシリル基、
(4)フェニル基、
(5)ベンジル基、若しくは、
(6)C1−6アルキルカルボニル基であるか、又は
及びPが、一緒になって、
(7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
(8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
(9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
(10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
(11)1,3−ジオキサン−4−オン、
(12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、及び、
(13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール
からなる群から選択される環状ケタールを形成していてもよく、P及びPは同時に水素原子ではない、項1〜項12のいずれか一項に記載の製造方法。
[項14]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基であるか、又は、
及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成する、項1〜項13のいずれか一項に記載の製造方法。
[項15]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、若しくはアセチル基、又は、
及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、及び5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成する、項1〜項14のいずれか一項に記載の製造方法。
[項16]P及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンを形成する、項1〜項15のいずれか一項に記載の製造方法。
[項17]Rが、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、項1〜項16のいずれか一項に記載の製造方法。
[項18]Rが、C1−6アルキル基である、項1〜項17のいずれか一項に記載の製造方法。
[項19]Rが、メチル基である、項1〜項18のいずれか一項に記載の製造方法。
[項20]Pが、
(1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
(5)置換されてもよいC6−10アリール基、
(6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
(8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
(9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
(10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
(11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
(12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
(13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、
(14)ホルミル基、又は
(15)水素原子である、
項1〜項19のいずれか一項に記載の製造方法。
[項21]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、
(14)ホルミル基、又は
(15)水素原子である、
項1〜項20のいずれか一項に記載の製造方法。
[項22]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、
(10)アリルオキシカルボニル基、又は
(11)水素原子である、
項1〜項21のいずれか一項に記載の製造方法。
[項23]Pが、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、項1〜項22のいずれか一項に記載の製造方法。
[項24]Pが、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項1〜項23のいずれか一項に記載の製造方法。
[項25]Pが、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項1〜項24のいずれか一項に記載の製造方法。
[項26]Rが、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、項1〜項25のいずれか一項に記載の製造方法。
[項27]Rが、C1−6アルキル基である、項1〜項26のいずれか一項に記載の製造方法。
[項28]Rが、メチル基である、項1〜項27のいずれか一項に記載の製造方法。
[項29]Pが、
(1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
(5)置換されてもよいC6−10アリール基、
(6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
(8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
(9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
(10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
(11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
(12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
(13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
(14)ホルミル基、
である、項1〜項28のいずれか一項に記載の製造方法。
[項30]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
(14)ホルミル基、
である、項1〜項29のいずれか一項に記載の製造方法。
[項31]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、又は
(10)アリルオキシカルボニル基、
である、項1〜項30のいずれか一項に記載の製造方法。
[項32]Pが、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該飽和複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、項1〜項31のいずれか一項に記載の製造方法。
[項33]Pが、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項1〜項32のいずれか一項に記載の製造方法。
[項34]Pが、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項1〜項33のいずれか一項に記載の製造方法。
[項35]R及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、
項1〜項34のいずれか一項に記載の製造方法。
[項36]R及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)C1−6アルキル基である、
項1〜項35のいずれか一項に記載の製造方法。
[項37]R及びRが、水素原子である、項1〜項36のいずれか一項に記載の製造方法。
[項38]Yが、式(Ya)で表される基である、項1〜項19のいずれか一項に記載の製造方法。
[項39]前記工程(a)の後に、下記工程(b)を更に含む項38に記載の製造方法:(b)
前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩のカルボニル基の保護基であるP及びPを、脱保護することにより、
式(3)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは、上記Rと同義である。]を製造する工程。
[項39A]
前記工程(a)の生成物を精製する工程を含む、項39に記載の製造方法。[項39B]
工程(b)で用いる溶媒が水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒である、項39Aに記載の製造方法。
[項39C]
前記工程(a)の生成物を精製することなく前記工程(b)を実施する、項39に記載の製造方法。
[項39D]
工程(b)で用いる溶媒は、工程(a)で用いた溶媒から溶媒交換し得る溶媒である、項39Cに記載の製造方法。
[項39E]
工程(a)で用いた前記溶媒がピリジンであり、工程(b)で用いる前記溶媒が水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒である、項39Dに記載の製造方法。
[項40]Yが、式(Yb)で表される基である、項1〜項11、及び項20〜28のいずれか一項に記載の製造方法。
[項41]前記工程(a)の後に、下記工程(c)を更に含む、項40に記載の製造方法:
(c)
前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物のPが水素原子ではない場合、Pを脱保護することにより、
式(4)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは上記Rと同義である。]を製造する工程。
[項42]前記工程(a)又は(c)の後に、下記工程(d)を更に含む、項40又は項41のいずれか一項に記載の製造方法:
(d)
前記工程(a)又は(c)で得られる式(I)又は式(4)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物を、酸化剤を用いて酸化することにより、
式(3)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは上記Rと同義である。]を製造する工程。
[項43]前記工程(d)で用いられる酸化剤が、酸化クロム、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、二クロム酸ナトリウム、二酸化マンガン、次亜塩素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジメチルスルホキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、2−アザアダマンタン−N−オキシル、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシルである、項42に記載の製造方法。
[項44]Yが、式(Yc)で表される基である、項1〜項11、及び項29〜37のいずれか一項に記載の製造方法。
[項45]前記工程(a)の後に、下記工程(e)を更に含む項44に記載の製造方法:(e)
前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物の水酸基の保護基であるPを脱保護することにより、
式(3)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは、CHRと同義である。]を製造する工程。
[項46]式(I)

の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩
[式中、Yは下記式(Ya)、(Yb)又は(Yc)



で表される基
(式(Ya)、(Yb)又は(Yc)において、式中*は結合位置を表し、
及びPは、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(3)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(4)置換されてもよいC6−10アリール基、
(5)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(6)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、又は
(7)置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であり、
ここにおいて、P及びPは、同一又は異なって、各々独立して、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC6−10アリール基、置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、又は置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であるとき、それらが一緒になって置換されてもよい環状ケタールを形成していてもよく、ここにおいてP及びPは同時に水素原子ではなく、
は、
(1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
(5)置換されてもよいC6−10アリール基、
(6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
(8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
(9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
(10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
(11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
(12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
(13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
(14)ホルミル基であり、
は、
(1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
(2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
(5)置換されてもよいC6−10アリール基、
(6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
(7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
(8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
(9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
(10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
(11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
(12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
(13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
(14)ホルミル基であり、
は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、
は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、及び
及びRは、同一又は異なって、各々独立して、水素原子、又は置換されてもよいC1−10アルキル基である。)であり、
ただし、2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び1−(4,9−ジオキソ−4,9−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−2−イル)エチルアセタートを除く。]。
[項47]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよいシリル基、
(4)フェニル基、
(5)ベンジル基、若しくは、
(6)C1−6アルキルカルボニル基であるか、又は
及びPが、一緒になって、
(7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
(8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
(9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
(10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
(11)1,3−ジオキサン−4−オン、
(12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、及び、
(13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールからなる群から選択される環状ケタールを形成し、項46に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項48]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基、又はP及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成し、項46又は項47のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項49]P及びPが、同一又は異なって、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、若しくはアセチル基、又はP及びPが一緒になって、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、及び5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成し、項46〜項48のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項50]P及びPが一緒になって、1,3−ジオキサンを形成し、項46〜項49のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項51]Rが、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、項46〜項50のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項52]Rが、C1−6アルキル基である、項46〜項51のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項53]Rが、メチル基である、項46〜項52のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項54]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
(14)ホルミル基である、
項46〜項53のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項55]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、又は
(10)アリルオキシカルボニル基である、
項46〜項54のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項56]Pが、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、項46〜項55のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項57]Pが、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項46〜項56のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項58]Pが、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項46〜項57のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項59]Rが、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、項46〜項58のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項60]Rが、C1−6アルキル基である、項46〜項59のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項61]Rが、メチル基である、項46〜項60のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項62]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
(14)ホルミル基である、
項46〜項61のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項63]Pが、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、又は
(10)アリルオキシカルボニル基である、
項46〜項62のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項64]Pが、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、
項46〜項63のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項65]Pが、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項46〜項64のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項66]Pが、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、項46〜項65のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項67]R及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、項46〜項66のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項68]R及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)C1−6アルキル基である、
項46〜項67のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項69]R及びRが、水素原子である、項46〜項68のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項70]Yが、式(Ya)又は(Yb)で表される基である、項46〜項61のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項71]Yが、(Ya)又は(Yb)で表される基
(式(Ya)、又は(Yb)において、P及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成し、Rが、C1−6アルキル基であり、

(1)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(2)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)であり、及び
が、C1−6アルキル基である。)である、
項46に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
[項72]Yが、式(Ya)で表される基である、項46〜項53、及び項71のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
本発明において、上記の一つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
本発明の製造方法によれば、既知の製造方法に比べて、安全に、高収率かつ高純度にて、2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを製造することができるため、医薬品として有用な2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造における関連物質を安全にかつ安価に製造することができる。
また、本発明は、先行技術文献に記載されるような既知の製造法に比べて、2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する際の収率が高く、目的物を効率よく製造でき、工業的に適した方法を提供する。
本発明の方法では、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンが生成することはなく、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを高収率で取得することができる。
本発明の方法は、また2位が置換されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する際、基質に対して1.0〜1.5当量のアセチレン化合物を用いるだけでよく、反応効率が良い。さらに、生成物の安定性も良く、反応収率も高い。加えて、パラジウム触媒を使用しないため、医薬製品中へのパラジウムの残留が問題にならない。
加えて、本発明の反応では、銅アセチリドを一旦単離して使用する必要はないため、反応操作を容易に行うことができる等の利点を提供することができる。
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において、式(1)で表される化合物及び必要に応じて薬学的に許容されるその塩のカルボニル基、及び水酸基について以下のような互変異性体の存在を考えることができる。置換基Xの種類によっては最適な互変異性体が異なることが考えられるが、便宜的に式(1)をもってすべての異性体を表す。
本発明の化合物ではまた、上記の他にも、他の式(例えば、式(I))の化合物等においても、場合によっては、互変異性体の存在を考えることができ、例えば、置換基によっては適宜互変異性体がさらに考慮され得ることが理解される。本発明は、このような任意の互変異性体を包含することが理解される。
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)の形で存在することもあるので、式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩の溶媒和物(例えば、水和物)もまた本発明化合物に包含される。
式(I)で表される化合物は、1個又は場合によりそれ以上の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性や軸性キラリティを生じることがあるので、数種の立体異性体として存在することがある。本発明においては、これらの立体異性体、それらの混合物及びラセミ体も本発明化合物に包含される。
また、式(I)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のH(水素原子)をH(D:重水素原子)に変換した重水素変換体も式(I)で表される化合物に包含される。
結晶として得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩は、結晶多型が存在する場合があり、本発明化合物には、あらゆる結晶形のものが含まれる。
本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」などと表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。また、本明細書において、「置換されていてもよい」、「置換されてもよい」または「置換されている」なる用語を特に明示していない置換基については、「非置換」の置換基を意味する。例えば、「C1−6アルキル」とは、「非置換」であることを意味する。
本明細書において「基」なる用語は、1価基を意味する。例えば、「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を意味する。また、本明細書における置換基の説明において、「基」なる用語を省略する場合もある。
本明細書における用語について以下に説明する。
本明細書において、「置換されていてもよい」、「置換されてもよい」もしくは「置換されている」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、0、1又は複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分又は置換基である場合にも該当する。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。好ましくは臭素原子、又はヨウ素原子である。さらに好ましくは、臭素原子である。
「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、「C1−4アルキル基」又は「Cアルキル基」とは炭素原子数が1〜4又は6のアルキル基を意味する。他の数字の場合も同様である。「C1−10アルキル基」としては、好ましくは「C1−6アルキル基」が挙げられ、更に好ましくは「C1−4アルキル基」が挙げられる。「C1−10アルキル基」の具体例として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、3−メチルブチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、又はデシル基等が挙げられる。「C1−6アルキル基」の具体例としては、「C1−10アルキル基」の具体例における炭素数1〜6個の例示が挙げられる。「C1−4アルキル基」の具体例としては、「C1−10アルキル基」の具体例における炭素数1〜4個の例示が挙げられる。
「C3−10シクロアルキル基」とは炭素原子数が3〜10の環状アルキルを意味し、一部架橋された構造のものも含まれる。「C3−10シクロアルキル基」として、好ましくは「C3−7シクロアルキル基」、より好ましくは、「C4−6シクロアルキル基」が挙げられる。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。「C3−7シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基等が挙げられる。
「C2−10アルケニル基」は、炭素数2〜10個を有し、1〜5個の二重結合を含む直鎖状又は分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味する。「C2−10アルケニル基」としては、好ましくは「C2−6アルケニル基」が挙げられる。「C2−10アルケニル基」の具体例として、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、1,3,5−ヘキサントリエニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基、2−ノネニル基、又は2−デセニル基等が挙げられる。「C2−6アルケニル基」の具体例としては、「C2−10アルケニル基」の具体例における炭素数2〜6個の例示が挙げられる。
「C1−10アルコキシ基」は、「C1−10アルキルオキシ基」のことであり、「C1−10アルキル」部分は、前記「C1−10アルキル基」と同義である。「C1−10アルコキシ基」としては、好ましくは「C1−6アルコキシ基」が挙げられる。さらに好ましくは、「C1−4アルコキシ基」が挙げられる。「C1−10アルコキシ基」の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、1−メチルエトキシ基、ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、1,1−ジメチルエトキシ基、ペンチルオキシ基、3−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、ヘキシロキシ基、4−メチルペンチロキシ基、3−メチルペンチロキシ基、2−メチルペンチロキシ基、1−メチルペンチロキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基又は1,2−ジメチルブトキシ基等が挙げられる。
「C6−10アリール基」とは、炭素原子数が6〜10の芳香族炭化水素を意味する。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、又は2−ナフチル基等が挙げられる。中でも好ましくは、フェニル基が挙げられる。
「C6−10アリールオキシ基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール基」と同義である。C6−10アリールオキシ基として好ましくは、フェノキシ基が挙げられる。
「C1−10アルキルカルボニル基」の「C1−10アルキル」部分は、前記の「C1−10アルキル基」と同義である。「C1−10アルキルカルボニル基」としては、好ましくは、「C1−6アルキルカルボニル基」が挙げられる。「C1−6アルキルカルボニル基」の具体例としては、例えば、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、1−メチルエチルカルボニル基、ブチルカルボニル基、2−メチルプロピルカルボニル基、1−メチルプロピルカルボニル基又は1,1−ジメチルエチルカルボニル基等が挙げられる。
「C6−10アリールカルボニル基」の「C6−10アリール」部分は、前記の「C6−10アリール基」と同義である。「C6−10アリールカルボニル基」として具体的には、フェニルカルボニル基、1−ナフチルカルボニル基又は2−ナフチルカルボニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニルカルボニル基が挙げられる。
「C1−10アルキルオキシカルボニル基」の「C1−10アルキルオキシ」部分は、前記「C1−10アルコキシ基」と同義である。「C1−10アルキルオキシカルボニル基」としては、好ましくは、「C1−6アルキルオキシカルボニル基」が挙げられる。「C1−6アルキルオキシカルボニル基」の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、1−メチルエトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、1,1−ジメチルエトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、3−メチルブトキシカルボニル基、2−メチルブトキシカルボニル基、2,2−ジメチルプロポキシカルボニル基、1−エチルプロポキシカルボニル基、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、4−メチルペンチロキシカルボニル基、3−メチルペンチロキシカルボニル基、2−メチルペンチロキシカルボニル基、1−メチルペンチロキシカルボニル基、3,3−ジメチルブトキシカルボニル基、2,2−ジメチルブトキシカルボニル基、1,1−ジメチルブトキシカルボニル基又は1,2−ジメチルブトキシカルボニル基等が挙げられる。
「C6−10アリールオキシカルボニル基」の「C6−10アリールオキシ」部分は、前記「C6−10アリールオキシ基」と同義である。「C6−10アリールオキシカルボニル基」としては、好ましくは、フェノキシカルボニルが挙げられる。
「C2−10アルケニルオキシカルボニル基」の「C2−10アルケニル」部分は、前記「C2−10アルケニル基」と同義である。「C2−10アルケニルオキシカルボニル基」として、好ましくは、「C2−6アルケニルオキシカルボニル基」が挙げられる。「C2−6アルケニルオキシカルボニル基」の具体例としては、アリルオキシカルボニル基が挙げられる。
「シリル基」とは、ケイ素原子にて結合する置換基を意味する。「C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基、及びC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基」とは、ケイ素原子上に、「C1−10アルキル基」、「C1−10アルコキシ基」、及び「C6−10アリール基」からなる群から独立して選択される置換基が合計で3つ結合していることを意味する。「C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基、及びC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基」として具体的には、トリメチルシリル基、tert−ブチルメトキシフェニルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はtert−ブチルジフェニルシリル基が挙げられる。好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。より好ましくは、トリメチルシリル基が挙げられる。
「シリルオキシ基」の「シリル」部分は前記「シリル基」と同義である。「C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基」として、具体的には、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、又はtert−ブチルジフェニルシリルオキシ基が挙げられる。好ましくは、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、又はtert−ブチルジメチルシリルオキシ基が挙げられる。より好ましくは、トリメチルシリルオキシ基が挙げられる。
「環状ケタール」とは、環内に2つ以上の酸素原子を有し、当該2つの酸素原子が同一の環内の炭素原子に結合している環を意味する。環状ケタールは、ケトンにジオール、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、カテコール等を縮合させると得られる。環状ケタールとして、具体的には、下記式で示されるように、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、4−フェニル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジフェニル−1,3−ジオキソラン、[1,3]ジオキソロ[4,5-b]ピリジン、4−ピリジル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、又は1,5−ジヒドロ−3H−2,4−ベンゾジオキセピンが挙げられる。好ましくは、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサン−4−オン、又は1,3−ジオキサンー4,6−ジオンが挙げられる。より好ましくは、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、又は4−メチル−1,3−ジオキサンが挙げられる。最も好ましくは、1,3−ジオキソラン、又は1,3−ジオキサンが挙げられる。
「3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選ばれる1から4個の原子を含む、単環式又は多環式の複素環基等が挙げられる。好ましくは、3員〜10員の基であり、より好ましくは3員〜8員であり、さらに好ましくは5員又は6員の基である。前記窒素原子、酸素原子、硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。該複素環基は、飽和又は部分不飽和のいずれであってもよい。好ましくは飽和複素環基が挙げられる。「複素環基」の具体例としては、オキシラニル基、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピラニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジオキソチオモルホリニル基、ヘキサメチレンイミニル基、オキサゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、オキソイミダゾリジニル基、ジオキソイミダゾリジニル基、オキソオキサゾリジニル基、ジオキソオキサゾリジニル基、ジオキソチアゾリジニル基、テトラヒドロピリジル基、オキセタニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチオピラニル基、又はテトラヒドロピラニル基等が挙げられる。尚、該基には架橋構造を有する複素環基も含まれる。該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合の手となることはない。すなわち、該基には、例えば、1−ピロリジノ基等の概念は包含されない。
「アミノカルボニル基」とは、「アミノ基」がカルボニル基に結合した基を意味する。ここにおいて、「アミノ」は、窒素原子が無置換のアミノ、モノ−置換されたアミノ、ジ−置換されたアミノ又は3員〜12員の環状アミノを意味する。具体例としては、例えば、メチルアミノカルボニル基、シクロプロピルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジシクロプロピルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニルアミノカルボニル基が挙げられる。
「C1−10アルキルスルホニル基」の「C1−10アルキル」部分は、前記の「C1−10アルキル基」と同義である。「C1−10アルキルスルホニル基」としては、好ましくは、「C1−6アルキルスルホニル基」が挙げられる。「C1−6アルキルスルホニル基」の具体例としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、1−メチルエタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、2−メチルプロパンスルホニル基、1−メチルプロパンスルホニル基又は、1,1−ジメチルエタンスルホニル基等が挙げられる。
「C6−10アリールスルホニル基」の「C6−10アリール」部分は、前記の「C6−10アリール基」と同義である。「C6−10アリールスルホニル基」としては、好ましくは、「Cアリールスルホニル基」が挙げられる。「Cアリールスルホニル基」の具体例としては、例えば、ベンゼンスルホニル基(該ベンゼンスルホニル基とフェニルスルホニル基は同義である。)、又はp−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
「保護基」とは、ある官能基を持つ化合物が、反応中にその官能基に起因する分解や副反応を引き起こす場合や、反応遅延を引き起こす場合等に、その反応に不活性な官能基に変換することを「保護」といい、当該の不活性な官能基を保護基という。また保護は短段階の化学変換により元の官能基に戻せること、若しくは所望の別の官能基に変換することを前提に行われる。
「保護基」の具体例としては、Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,WILEY,2014.等の文献に保護基の導入法及び除去法と共に記載されている。
「カルボニル基の保護基」の具体例として、ジメチルケタール、エチルメチルケタール、ジエチルケタール、ジ(2−クロロエチル)ケタール、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)ケタール、ジプロピルケタール、ジイソプロピルケタール、ジブチルケタール、ジtert−ブチルケタール、ジペンチルケタール、ジトリメチルシリルケタール、ジベンジルケタール、ジアセチルケタール、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジフェニル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、1,5−ジヒドロ−3H−2,4−ベンゾジオキセピン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサン−4−オン、1,3−ジオキサンー4,6−ジオン、4−メチル−1,3−ジオキサン、アセチルエノールエステル、tert−ブチルジメチルシリルエノールエーテル又はトリメチルシリルエノールエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、ジメチルケタール、ジエチルケタール、ジベンジルケタール、ジアセチルケタール、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンが挙げられる。
より好ましくは、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、又は1,3−ジオキサンが挙げられる。
最も好ましくは、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンが挙げられる。
「水酸基の保護基」の具体例として、メチルエーテル、メトキシメチルエーテル、エチルエーテル、アリルエーテル、tert−ブチルエーテル、1−エトキシエチルエーテル、2−テトラヒドロピラニルエーテル、2−テトラヒドロフラニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルエーテル、tert−ブチルジメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、又はトリメチルシリルエーテル等のエーテル保護基、ホルミルエステル、アセチルエステル、プロピオニルエステル、トリフルオロアセチルエステル、ベンゾイルエステル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニルエステル、ベンジルオキシカルボニルエステル、アリルオキシカルボニルエステル、tert−ブチルオキシカルボニルエステル、フェニルカルバミン酸エステル、ジメチルカルバミン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、又はp−トルエンスルホン酸エステル等のエステル保護基が挙げられるが、これらに限定されない。
「脱離基」とは、反応中に当該分子中の他の化学結合に比べて開裂しやすい化学結合で結合している原子団で、開裂後にアニオン、もしくは中性分子となる原子団である。「脱離基」の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニルヨードニオ、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子又はフェニルヨードニオが挙げられる。より好ましくは、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。最も好ましくは、臭素原子が挙げられる。
「金属又は金属化合物」における「金属化合物」は、有機金属化合物及び無機金属化合物の両方が含まれる。また金属原子に水、アルコール、ケトン、アンモニア、アミン化合物、シアン化物イオン、ハロゲン、ホスフィン化合物、チオフェン、チオール、又はその他の配位性化合物が配位した錯体も含まれる。
「金属化合物」の具体例としては、銅化合物、パラジウム化合物、スズ化合物、亜鉛化合物、ニッケル化合物、リチウム化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、又はケイ素化合物或いはこれらの金属化合物の混合物が挙げられる。「金属化合物」としては、好ましくは、銅化合物、パラジウム化合物、亜鉛化合物、又はニッケル化合物が挙げられる。より好ましくは、銅化合物又はパラジウム化合物が挙げられる。更に好ましくは、銅化合物が挙げられる。金属または金属化合物の混合物を使用する場合、金属または金属化合物を加える順序は適宜調整される。
「金属」の具体例としては、金属銅、金属パラジウム、金属スズ、金属亜鉛、金属ニッケル、金属リチウム、金属マグネシウム、金属アルミニウム、ホウ素、又はケイ素或いはこれらの金属の混合物(合金等)が挙げられる。「金属」としては、好ましくは、金属銅、金属パラジウム、金属亜鉛、又は金属ニッケルが挙げられる。より好ましくは、金属銅又は金属パラジウムが挙げられる。更に好ましくは、金属銅が挙げられる。
「金属銅又は銅化合物」の具体例としては、金属銅(0)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、シアン化銅(I)、フッ化銅(II)又はトリフルオロメタンスルホン酸銅(I)、或いはこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、金属銅(0)、臭化銅(I)、酢酸銅(I)、酸化銅(I)、又は酸化銅(II)が挙げられる。より好ましくは、金属銅(0)、又は酸化銅(I)が挙げられる。最も好ましくは、酸化銅(I)が挙げられる。金属銅(0)を用いる場合、粒度の細かいものが望ましく、粉砕されたもの、アトマイズ法、電気爆発法、レーザー合成法等で製造されたもの、スポンジ銅、銅担持炭素或いは1価又は2価の銅塩を還元して調製したもの等を用いることができる。
「パラジウム化合物」とは、パラジウムを含む化合物を意味する。「金属パラジウム又はパラジウム化合物」の具体例として、金属パラジウム(0)、パラジウム炭素、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、又はジクロロトリストリフェニルホスフィンパラジウム(II)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の反応において、必要に応じ、反応に悪影響を与えない範囲でテトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の相関移動触媒、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物、1,10−フェナントロリン、ビピリジル、又はテトラメチルエチレンジアミン等の窒素化合物、並びに金属に配位する性質を持つ化合物を加えても構わない。
「塩基」には、有機塩基及び無機塩基の両方が含まれる。
「有機塩基」の具体例として、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、メチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリミジン又はピリジンが挙げられる。より好ましくは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルピペリジン、ピリミジン、又はピリジンが挙げられる。さらに好ましくは、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルピペリジン、ピリミジン、又はピリジンが挙げられる。最も好ましくは、ピリジンが挙げられる。
「無機塩基」の具体例として、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム、或いはこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムが挙げられる。より好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムが挙げられる。最も好ましくは、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムが挙げられる。
「塩基性溶媒」とは、塩基性を示す溶媒をいう。「塩基性溶媒」としては、「アミン系溶媒」、或いは「有機塩基」又は「無機塩基」を水又は有機溶媒に溶解させた溶媒が挙げられる。「塩基性溶媒」の具体例として、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、アンモニア水、メチルアミン水溶液、トリエチルアミン、ピリジン、又はピリジンのトルエン溶液、或いはこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
「アミン系溶媒」とは、分子内に塩基性を示す窒素原子を1個以上含む化合物で、反応温度において液体であり、反応基質を溶解若しくは分散させる性質を持つ溶媒を意味する。
「アミン系溶媒」の具体例として、N−メチルピペリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピロリジン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、2−エチルピリジン、2−ヒドロキシメチルピリジン、ピラジン、ピリミジン、又はピリダジン或いはこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、N−メチルピペリジン、ピリジン、3−ピコリン、4−ピコリン又はピリミジンが挙げられる。より好ましくは、N−メチルピペリジン、ピリジン又は4−ピコリンが挙げられる。さらに好ましくは、N−メチルピペリジン、又はピリジンが挙げられる。最も好ましくは、ピリジンが挙げられる。
「非アミン系溶媒」とはアミン系溶媒以外の溶媒を意味する。非アミン系溶媒は、代表的には、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒又は炭化水素系溶媒、或いはこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
非アミン系溶媒の具体例として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール又はイソブチルアルコール、エチレングリコール、ペンタフルオロエタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、モノクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、或いはこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において、溶媒等の表現について、「…から独立して選択される少なくとも一つである」との表現は、これらの選択肢について、二つ以上選択される場合、それら二つ以上の選択肢の混合物を含むことが理解される。
本明細書中で用いられるように、特に断らない限り、用語「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される無毒な酸(無機酸及び有機酸を含む)から調製される塩を意味する。また、「必要に応じて薬学的に許容される(その)塩」とは、任意に薬学的に許容される塩であり得ることを意味し、例えば、中間体製造の場合は、ある一定段階までは薬学的に許容される塩でない塩でも使用され得ることを意味する。薬学的に許容される塩は、例えば、限定されないが、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン(glucorenic)酸、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などである。
本明細書において「置換されてもよい…」における置換基は、置換される基によって適宜選択され得る。例えば、「置換されて(いて)もよいC1−10アルキル基」とは、任意の置換可能な位置でフッ素原子、塩素原子、メトキシ基、水酸基に置換されていてもよい前記C1−10アルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−メトキシエチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−メトキシエチル基である。
「置換されてもよいC1−10アルコキシ基」、「置換されてもよいC6−10アリール基」、「置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基」、「置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基」、「置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基」、「置換されてもよいC3−10シクロアルキル基」、「置換されてもよい環状ケタール」、「置換されてもよい1,3−ジオキソラン」、「置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基」、「置換されてもよいC2−10アルケニル基」、「置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基」、「置換されてもよいアミノカルボニル基」、「置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基」、「置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基」、「置換されてもよいアミノカルボニル基」、「置換されてもよいフェニル基」、「置換されてもよいヨードニオ基」、「置換されてもよいスルホニルオキシ基」、又は「置換されてもよいホスホリルオキシ基」における置換基としては、例えば、下記の置換基群(α)の群から選択される置換基が挙げられ、これら置換基はそれぞれ置換可能な任意の位置に1個または2個以上置換することができる。
置換基(α):
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、アセチル基、プロピオニル基、メトキシカルボニル基、ベンゾイル基、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基、3〜7員の複素環基。
「精製」とは、目的となる物質の純度を高め、その目的の物質以外の物質を、その精製行為の前の濃度より低下させる任意の行為をいう。精製には、沈でん、再結晶、昇華、蒸留、溶媒抽出、分子ふるいの利用、各種クロマトグラフィーの応用など種々の方法が用いられる。精製には、ろ紙やセライトなどを使用したろ過は含まれない。
式(I)で表される本発明の化合物の中でも、Y、P、P、P、P、R、R、R、R及びRで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
Yとして好ましくは、式(Ya)、(Yb)又は(Yc)で表される基が挙げられる。Yとしてより好ましくは、式(Ya)又は(Yb)で表される基が挙げられる。Yとして最も好ましくは、式(Ya)で表される基が挙げられる。
及びPとしては、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)C1−6アルキル基(該アルキル基は、フェニル基、ハロゲン原子、水酸基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(3)シリル基(該シリル基は、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
(4)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(5)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、又は
(7)C3−7シクロアルキル基(該シクロアルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)であり、
ここにおいて、P及びPは、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、フェニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−7シクロアルキル基であるとき、それらが一緒になって、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい環状ケタールを形成していてもよく、
及びPは同時に水素原子ではない、
が挙げられる。
及びPとして好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよいシリル基、
(4)フェニル基、
(5)ベンジル基、若しくは、
(6)C1−6アルキルカルボニル基を挙げることができ、又は
及びPが、一緒になって、
(7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
(8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
(9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
(10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
(11)1,3−ジオキサン−4−オン、
(12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、及び
(13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールからなる
群から選択される環状ケタールを形成したものが挙げられる。
及びPとしてより好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基を挙げることができ、又は、P及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成したものが挙げられる。
及びPとしてさらに好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、若しくはアセチル基を挙げることができ、又はP及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、及び5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成したものが挙げられる。
及びPとして最も好ましくは、P及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンを形成したものが挙げられる。
さらに別の態様として、P及びPとして最も好ましくは、一緒になって、1,3−ジオキサンを形成したものが挙げられる。
さらに別の態様として、P及びPとして好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−メトキシ−2−ブチル基、クロロエチル基、トリクロロエチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ベンジル基、若しくはアセチル基を挙げることができ、又はP及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサン−4−オン、及び1,3−ジオキサン−4,6−ジオンからなる群から選択される環状ケタールを形成したものが挙げられる。
としては、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基、
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、ニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基、で置換されてもよい。)、
(14)ホルミル基、又は
(15)水素原子、
が挙げられる。
として好ましくは、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、
(10)アリルオキシカルボニル基、又は
(11)水素原子、
が挙げられる。
としてより好ましくは、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)が挙げられる。
としてさらに好ましくは、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
として最も好ましくは、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
別の態様として、Pとして好ましくは、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、アリル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、又はtert−ブチルオキシカルボニル基が挙げられる。
としては、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルコキシ基
(c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
(d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び
(e)ハロゲン原子、メトキシ基、ニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(4)C2−6アルケニル基、
(5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
(11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
(12)C1−6アルキルスルホニル基、又は
(13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基、で置換されてもよい。)、又は
(14)ホルミル基
が挙げられる。
として好ましくは、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、又は
(10)アリルオキシカルボニル基
が挙げられる。
としてより好ましくは、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は、
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)が挙げられる。
としてさらに好ましくは、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
として最も好ましくは、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
別の態様として、Pとして好ましくは、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、アリル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、又はtert−ブチルオキシカルボニル基が挙げられる。
として好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてより好ましくは、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてさらに好ましくは、C1−6アルキル基が挙げられる。
として最も好ましくは、メチル基が挙げられる。
として好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてより好ましくは、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてさらに好ましくは、C1−6アルキル基が挙げられる。
として最も好ましくは、メチル基が挙げられる。
として好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてより好ましくは、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
としてさらに好ましくは、C1−6アルキル基が挙げられる。
として最も好ましくは、メチル基が挙げられる。
及びRとして好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基が挙げられる。
及びRとしてより好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基
が挙げられる。
及びRとしてさらに好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)C1−6アルキル基
が挙げられる。
及びRとして最も好ましくは、水素原子が挙げられる。
式(I)で表される化合物のうちで、好ましい化合物としては、以下のような化合物が挙げられる。したがって、好ましい実施形態において、以下の好ましい化合物の互変異性体、それらの立体異性体、それらの混合物若しくはラセミ体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物もまた好ましいことが理解される。
式(I)で表される化合物のうちで、好ましい態様としては、以下の(A)が挙げられる。
(A)
Yが(Ya)、(Yb)又は(Yc)で表される基
(式(Ya)、(Yb)又は(Yc)において、
及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよいシリル基、
(4)フェニル基、
(5)ベンジル基、若しくは、
(6)C1−6アルキルカルボニル基、又は
及びPが、一緒になって、
(7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
(8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
(9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
(10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
(11)1,3−ジオキサン−4−オン、
(12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、若しくは
(13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールからなる群から選択される環状ケタールを形成し、
が、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、
(10)アリルオキシカルボニル基、又は
(11)水素原子、であり、
が、
(1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、トリメチルシリルオキシ基、及びトリメチルシリル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
(2)ベンジル基、
(3)トリチル基、
(4)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
(5)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
(6)C2−6アルケニル基、
(7)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されてもよい。)、
(8)C1−6アルキルオキシカルボニル基、
(9)ベンジルオキシカルボニル基、又は
(10)アリルオキシカルボニル基、であり、
が、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基であり、
が、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基であり、及び
及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
(1)水素原子、又は
(2)ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、及びC3−10シクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である。)である、
化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩。
式(I)で表される化合物のうちで、より好ましい態様としては、以下の(B)が挙げられる。
(B)
Yが(Ya)又は(Yb)で表される基
(式(Ya)又は(Yb)において、
及びPとしてより好ましくは、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基、又は、
及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、又は1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成し、
が、
(1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
(2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
(3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)であり、
が、C1−6アルキル基であり、及び
が、C1−6アルキル基である。)である、化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩。
式(I)で表される化合物のうちで、更に好ましい態様としては、以下の(C)が挙げられる。
(C)
Yが(Ya)又は(Yb)で表される基(式(Ya)又は(Yb)において、P及びPが、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、若しくはアセチル基、又はP及びPが一緒になって、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、若しくは5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成し、
が、メトキシメチル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基であり、
が、C1−6アルキル基であり、及び
が、C1−6アルキル基である。)である、
化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩。
式(I)で表される化合物のうちで、更に好ましい態様としては、以下の(D)が挙げられる。
(D)
Yが(Ya)又は(Yb)で表される基
(式(Ya)又は(Yb)において、P及びPが、一緒になって、1,3−ジオキサンを形成し、
が、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基であり、
が、メチル基であり、及び
が、メチル基である。)である、
化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩。
次に本発明を、好ましい実施形態によりさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら好ましい実施形態に限定されるものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。尚、以下の好ましい実施形態において示された化合物名は必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
なお、本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、Me:メチル基、TMS:トリメチルシリル基。
本発明に係る式(I)の化合物若しくはその互変異性体、立体異性体、それらの混合物若しくはラセミ体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物(これらは、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造中間体として用いられる)の製造方法について以下に述べる。2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの中間体及び2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンは、公知化合物から、下記製造方法及びそれに準じた方法、又は当業者に周知の合成方法を適宜組み合わせて製造することができる。
また、各工程で取得した化合物は反応液のままか組成物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って、反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
以下の反応における化合物の各記号は、特に記載のない限り、前記と同意義を示す。
製造方法
以下に述べるように、本発明の方法では、2位に置換基を有するナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を構築する工程(a)が最も重要な特徴の一つである。該中間体を2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンへ誘導化する工程(b)、(c)、(d)及び(e)については、他の工程に置き換えてもよいことが理解される。工程(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)について以下好ましい実施形態を交えて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
工程(a)
(式中、X、Y、P、P、P、P、R、R、R及びRは項1及び/又は他の項に定義されるとおりである。)
式(1)で表される化合物は、市販の物を使用するか、若しくは各種文献記載の方法によって製造することができる。例えば、Xがフェニルヨードニオ基、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である化合物は、HatzigrigoriouらがLiebigs Annalen der Chemie,(2),167−70;1989.に記載の方法で製造することができる。またXが臭素原子の化合物はTetrahedron Letters 53(2012)191−195.に記載の方法によっても製造することが出来る。Xがヨウ素原子の化合物はTetrahedron Letters 52(2011)6554−6559.に記載の方法によっても製造することができる。
式(2)において、Yが式(Ya)である式(2a)で表される化合物は市販の物を使用するか、Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,WILEY,2014.等の文献に記載された方法により製造することが出来る。例えば、カルボニル基の保護基が1,3−ジオキソランである場合、適当な溶媒中、酸触媒存在下、3−ブチン−2−オンとエチレングリコールを脱水縮合させることで製造することができる。
式(2)において、Yが式(Yb)である式(2b)で表される化合物は市販の物を使用するか、Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,WILEY,2014.等の文献に記載された方法により製造することが出来る。例えば、水酸基の保護基がアセチル基である場合、適当な溶媒中、塩基存在下、3−ブチン−2−オールと塩化アセチルを縮合させることで製造することができる。また、例えば、アルコールの保護基がトリメチルシリル基の場合、適当な溶媒中、塩基存在下で、3−ブチン−2−オールにクロロトリメチルシランを反応させることにより製造することができる。
式(2)において、Yが式(Yc)である式(2c)で表される化合物は、市販の物を使用するか、Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,WILEY,2014.等の文献に記載された方法により製造することができる。例えば、エノール基の保護基がアセチル基である場合、適当な溶媒中、塩基存在下、3−ブチン−2−オン及び塩化アセチルを脱水縮合させることで製造することができる。またPがトリエチルシリル基の場合は、適当な溶媒中、塩基存在下、3−ブチン−2−オンとトリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリルを反応させることで製造できる。
本工程は式(1)で表される化合物に、溶媒中、塩基及び金属又は金属化合物存在下、式(2)(式(2a)、(2b)又は(2c))で表される化合物を反応させることにより式(I)(式(Ia)、(Ib)又は(Ic))で表される化合物を取得する工程である。本工程において使用される塩基は、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム等の無機塩基、或いはピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン又はトリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。本工程において使用される金属又は金属化合物は、金属銅又は銅化合物が挙げられる。金属銅又は銅化合物として好ましくは、金属銅(0)、酸化銅(I)、酢酸銅(I)、臭化銅(I)、又は酸化銅(II)が挙げられる。より好ましくは金属銅(0)、又は酸化銅(I)が挙げられる。最も好ましくは、酸化銅(I)が挙げられる。本反応は、金属又は金属化合物として金属銅又は銅化合物を使用した場合、驚くべきことに、通常のカップリング反応で必要な金属パラジウム又はパラジウム化合物の添加を必要としない。
本工程において使用される溶媒は、沸点が本反応の反応温度以上であれば特に限定されないが、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、モノクロロベンゼン、又はトルエンが挙げられる。また、溶媒として塩基性溶媒を用いれば、別途塩基を加える必要はない。塩基性溶媒としては、N−メチルピペリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、又は2,4−ジメチルピリジン等のアミン系溶媒が挙げられる。塩基性溶媒として好ましくは、ピリジン、4−ピコリン、又はN−メチルピペリジンが挙げられる。塩基性溶媒としてより好ましくは、ピリジンが挙げられる。
式(2)で表される化合物の使用量は、1当量の式(1)で表される化合物に対して、通常、0.8当量〜10当量、好ましくは0.9当量〜5当量、より好ましくは1.0当量〜2当量であり、最も好ましくは1.0当量〜1.5当量である。
金属又は金属化合物の使用量は、1当量の式(1)で表される化合物に対して、通常0.05当量〜5当量、好ましくは0.8当量〜3当量、より好ましくは1.0当量〜2.0当量である。
反応時間は、通常、1時間〜12時間程度であり、好ましくは2時間〜8時間、より好ましくは3時間〜6時間である。
反応温度は、通常、20℃〜200℃であり、好ましくは70℃〜150℃であり、より好ましくは80〜120℃である。P、P、P、P、及びPとして好ましくは、前述の通りである。
工程(b)
(式中、P、P、R及びRは項1に定義されるとおりであり、ここにおいて、R及びRは同義である。)
本工程は、前記製造工程(a)において、式(2a)を用いて得られる、式(Ia)で表される化合物のカルボニル基の保護基であるP及びPを、溶媒中で、酸、塩基又は各種脱保護試薬存在下で、脱保護することにより、式(3)で示される2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得する工程である。本工程は式(Ia)で表される化合物を一旦単離して実施する他、工程(a)及び(b)をワンポットで実施すること、工程(a)及び工程(b)をテレスコーピングで繋げて実施することができる。
一旦単離して実施する場合、前記工程(a)の生成物を精製する工程を含み得る。この場合、工程(b)で用いる溶媒は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒であり得る。
工程(a)及び(b)をワンポットで実施する場合、または工程(a)及び工程(b)をテレスコーピングで繋げて実施する場合、前記工程(a)の生成物は精製することなく前記工程(b)が実施される。この場合、工程(b)で用いる溶媒は、工程(a)で用いた溶媒から溶媒交換し得る溶媒であり得る。工程(a)で用いた前記溶媒がピリジンであり得、工程(b)で用いる前記溶媒が水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒であり得る。
本工程において使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、又は酢酸が挙げられる。本工程において使用される塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムが挙げられる。本工程において使用される脱保護試薬は、シリカゲル、ジメチルブロモボラン、ヨウ化トリメチルシリル、テトラフルオロホウ酸リチウム、又はヨウ化アルミニウムが挙げられる。本工程において使用される溶媒は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応時間は、通常、1時間〜12時間程度であり、好ましくは2時間〜6時間である。
酸、塩基、又は脱保護試薬の使用量は、通常、式(Ia)の化合物の使用量の0.1〜20当量、好ましくは0.1〜10当量、さらに好ましくは1.0〜10当量である。反応温度は通常−78℃〜100℃であり、好ましくは20℃〜90℃である。
工程(c)及び工程(d)
(式中、P及びRは項1に定義されるとおりであり、ここにおいて、R及びRは同義である。)
工程(c)
本工程は、前記製造工程(a)において、式(2b)を用いて得られる、式(Ib)で表される化合物の水酸基の保護基であるPを、適当な溶媒中、酸、塩基、又は各種脱保護試薬存在下、脱保護することにより、式(4)の化合物を取得する工程である。なお、Pが水素原子の場合、本工程は省略できる。本工程は式(Ib)で表される化合物を一旦単離して実施する他、工程(a)及び(c)をワンポットで実施すること、工程(a)及び工程(c)をテレスコーピングで繋げて実施することができる。本工程において使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、又は酢酸が挙げられる。本工程において使用される塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムが挙げられる。本工程において使用される脱保護試薬は、シリカゲル、ジメチルブロモボラン、ヨウ化トリメチルシリル、テトラフルオロホウ酸リチウム、又はヨウ化アルミニウム等が挙げられる。
本工程において使用される溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
酸、塩基、又は脱保護試薬の使用量は、通常、式(Ib)の化合物の使用量の0.1〜20当量、好ましくは0.1〜10当量、さらに好ましくは1.0〜10当量である。
反応時間は、通常、1時間〜12時間程度であり、好ましくは2時間〜6時間である。
反応温度は通常−78℃〜100℃であり、好ましくは20℃〜90℃である。
工程(d)
本工程は、前記製造工程(a)又は製造工程(c)で得られる式(4)の化合物の水酸基を適当な溶媒中、酸化剤を用いて酸化することにより、式(3)の化合物を取得する工程である。本工程は式(4)で表される化合物を一旦単離して実施する他、工程(a)、(c)及び(d)又は工程(c)及び(d)をワンポットで実施すること、工程(a)、(c)及び(d)又は工程(c)及び(d)をテレスコーピングで繋げて実施することができる。
当該酸化反応は一般的な条件に従って行うことができる。本工程に使用される酸化剤として、酸化クロム、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ナトリウム、若しくは二クロム酸ピリジニウム、二酸化マンガン、次亜塩素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジメチルスルホキシド及び塩化オキサリル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ,フリーラジカル(TEMPO)、2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)が挙げられる。本工程では必要に応じて、共酸化剤を用いることができる。共酸化剤としては、次亜塩素酸塩、亜臭素酸塩、N−クロロスクシンイミド、又はヨードベンゼンジアセタートが挙げられる。
本工程において使用される溶媒は、水、酢酸、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、石油エーテル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、無水酢酸、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、又はジオキサンが挙げられる。
酸化剤の使用量は、例えばクロロクロム酸ピリジニウムを用いた場合の使用量は、2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの使用量に対して通常1.5〜2当量である。ジメチルスルホキシド及び塩化オキサリルを用いた場合の使用量は、2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの使用量に対して通常1.0〜1.5当量である。2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ,フリーラジカル(TEMPO)、2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)を用いた場合の使用量は2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの使用量に対して通常0.01〜0.1当量であり、共酸化剤として、1.0〜1.2当量の次亜塩素酸塩、亜臭素酸塩、N−クロロスクシンイミド、又はヨードベンゼンジアセタートが用いられる。
反応時間は、例えばクロロクロム酸ピリジニウムを使用した場合は、通常1〜6時間である。ジメチルスルホキシド及び塩化オキサリルを使用した場合は、通常1時間以内である。2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ,フリーラジカル(TEMPO)、2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)を使用した場合は、通常1〜6時間である。
反応温度は、例えばクロロクロム酸ピリジニウムを使用した場合、通常0℃〜30℃である。ジメチルスルホキシド及び塩化オキサリルを使用した場合は、通常−78℃である。2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシ,フリーラジカル(TEMPO)、2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)を使用した場合は、通常0℃〜30℃である。
製造方法(e)
(式中、P、R及びRは項1に定義されるとおりであり、ここにおいて、−Rは−CHRと同義である。)
本工程は、前記製造工程(a)において、式(2c)を用いて得られる、式(Ic)で表される化合物のエノール基の保護基であるPを、適当な溶媒中、酸、塩基、又は各種脱保護試薬存在下、脱保護することにより、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを取得する工程である。本工程は式(Ic)で表される化合物を一旦単離して実施する他、工程(a)及び(e)をワンポットで実施すること、工程(a)及び工程(e)をテレスコーピングで繋げて実施することができる。
本工程において使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、又は酢酸が挙げられる。本工程において使用される塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウムが挙げられる。本工程において使用される脱保護試薬は、シリカゲル、ジメチルブロモボラン、ヨウ化トリメチルシリル、テトラフルオロホウ酸リチウム、又はヨウ化アルミニウム等が挙げられる。
本工程において使用される溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
酸、塩基、又は脱保護試薬の使用量は、通常、式(Ic)の化合物の使用量の0.1〜20当量、好ましくは0.1〜10当量、さらに好ましくは1.0〜10当量である。
反応時間は、通常、1時間〜12時間程度であり、好ましくは2時間〜6時間である。
反応温度は通常−78℃〜100℃であり、好ましくは20℃〜90℃である。
本発明に係る製造方法(a)により、2位に置換基を有するナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン骨格を安価、安全、高純度かつ高収率にて製造することができる。従って、従来方法に比べて、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの中間体として有用な関連物質を、安価、安全、高純度かつ高収率に製造することができる。さらに該中間体に対して、工程(b)、(c)及び/又は(d)、或いは(e)を行うことにより、安価、安全かつ簡便に医薬品として有用な2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを製造することができる。
Xが臭素原子である式(1)の化合物は、安価、安全かつ安定な化合物である。当該化合物を用い、金属化合物として酸化銅(I)のみを用い、ピリジン中で工程(a)を行うことにより、2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質(式(I)の化合物)を高収率、高純度、安価、安全かつ簡便に製造することができる。なお、驚くべきことに、上述の反応条件において、通常当該カップリング工程に必須であるパラジウム触媒を必要としない。パラジウム触媒は、高額であるとともに、その毒性から、医薬製品中への残留が問題となる。従って、パラジウム触媒を使用しないカップリング工程は、価格、及び安全性の観点から2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及びその関連物質を製造する上で、極めて有用である。
式(Ia)又は(Ic)の化合物は、通常の反応条件にて保護基であるP及びP又はPを脱保護することにより、高収率、高純度、安価、安全かつ簡便に目的とする2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを結晶の形態で取得することができる。
式(Ib)の化合物は、通常の反応条件にて保護基であるPを脱保護することにより、高収率、高純度、安価、安全かつ簡便に目的とする式(4)の化合物を取得することができる。さらに、当該式(4)の化合物を、適切な溶媒中、酸化することにより、高収率、高純度、安価、安全かつ簡便に目的とする2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを結晶の形態で取得することができる。
試薬等を加える順序は先に挙げたものに限定されるものではない。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、化合物の同定は元素分析値、マス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計(LCMS)、赤外線吸収(IR)スペクトル、核磁気共鳴(NMR)スペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の測定条件は、以下の通りであり、保持時間をRt(分)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件を付記する。なお、下記において、HPLC純度(面積%)とは、下記の測定条件を用い、各ピーク面積を比較することにより、純度を算出している。
カラム(Column):phenomenex 1.7u C18 100A (50×2.1mm)
溶出液(Eluent):A液:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液、B液:アセトニトリル
勾配条件(Gradient Condition):

流量(Flow rate):0.4mL/min
カラム温度:40℃
波長:250nm
上記測定条件にて測定した、各化合物のRtを、下表に示す。
明細書の記載を簡略化するために参考例、実施例及び実施例中の表において以下に示すような略号を用いることもある。
Me:メチル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
TMS:トリメチルシリル、
TFA:トリフルオロ酢酸、
PCC:クロロクロム酸ピリジニウム、
THF:テトラヒドロフラン、
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
p−:para−(パラ−)
wt%:重量%。
NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、tは三重線、qは四重線、及びmは多重線を意味する。
次に本発明を、実施例および参考例によりさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。尚、以下の実施例および比較例において示された化合物名は必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
(参考例)
参考例1:2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンの製造
2−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(15.01g)、及び臭化アンモニウム(8.86g)のメタノール(150mL)懸濁液に、撹拌しながらオキソン(R)(55.62g)を25℃で少しずつ加えた。24時間後、ろ過により固体とメタノール溶液を分離した。固体を酢酸エチル、及びアセトンで洗浄し、有機層を減圧濃縮して2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(16.5g、収率:76%)を取得した。メタノール溶液に水、5%亜硫酸水素ナトリウム溶液を加え、析出した結晶をろ過、減圧乾燥して2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(3.7g、収率:17%)を取得した(合計収率93%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:7.54-7.85 (m, 3 H), 8.17 (dd, 1 H, J = 7.2 and 1.6 Hz), 8.24 (dd, 1 H, J = 7.6 and 1.6 Hz).
参考例2:2−ヒドロキシ−3−ヨードナフタレン−1,4−ジオンの製造
2−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(10.0g)、及びヨウ化アンモニウム(8.76g)のメタノール(100mL)懸濁液に撹拌しながらオキソン(R)(37.1g)を25℃で少しずつ加えた。3.5時間後、固体をろ別し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、5%ヨウ化カリウム水溶液、水で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して16.8g(98%)の黒色固体を取得した。黒色固体を酢酸イソプロピルで洗浄した後、減圧乾燥して2−ヒドロキシ−3−ヨードナフタレン−1,4−ジオン(11.8g、収率:68%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:7.75-7.82 (m, 2 H), 8.04 (s, 1 H), 8.16-8.18 (m, 1 H), 8.22-8.24 (m, 1 H).
参考例3:3−フェニルヨードニオ−1,2,4−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニドの製造
2−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(2.0g)のクロロホルム(50.5g)溶液に、撹拌しながらヨードベンゼンジアセタート(3.7g)のクロロホルム(36.1g)溶液を0℃で滴下し、室温で5時間撹拌した。析出した固体をろ取した後、減圧乾燥して3−フェニルヨードニオ−1,2,4−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニド(3.9g、収率:89%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:7.38-7.44 (m, 2 H), 7.50-7.55 (m, 1 H), 7.70-7.76 (m, 1 H), 7.79-7.88 (m, 3 H), 7.96-7.99 (m, 1 H), 8.04-8.07 (m, 1 H).
参考例4:2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキソランの製造
3−ブチン−2−オン(5.2g)、エチレングリコール(4.7g)、及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.6g)のジクロロメタン(38mL)溶液を、生成した水をトラップで除去しながら、4時間加熱還流した。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウムを加え、ろ過、及び減圧濃縮した。残渣を蒸留(50.0℃/50hPa)して2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(4.5g、収率:55%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.68 (s, 3 H), 2.45 (s, 1 H), 3.94-4.10 (m, 4 H).
参考例5:2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキサンの製造
3−ブチン−2−オン(5.0g)、プロピレンレングリコール(5.7g)、及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.6g)のジクロロメタン(38mL)溶液を、生成した水をトラップで除去しながら、3.5時間加熱還流した。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウムを加え、ろ過、及び減圧濃縮した。残渣を蒸留(68.5℃/75hPa)して2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキサン(6.5g、収率:79%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.30-1.35 (m, 1 H), 1.59 (s, 3 H), 1.98-2.03 (m, 1 H), 2.60 (s, 1 H), 3.84-3.89 (m, 2 H), 4.17-4.24 (m, 2 H).
(実施例)
次に本発明を、実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。尚、以下の実施例および比較例において示された化合物名は必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
実施例1:2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
工程1−1:2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(1.00g)、及び酸化銅(I)(1.13g;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(49.4mL)、及び2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(0.49g)を加えた。反応液を25℃で1時間撹拌後、4時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、3.5%塩酸(200mL)、及び酢酸エチル(200mL)を加え、有機層を分離した。有機層を3.5%塩酸(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製して目的物(1.00g、収率:89%、HPLC純度:97.59面積%,2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのHPLC面積%:1.06面積%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.81 (s, 3 H), 4.01-4.11 (m, 4 H), 6.88 (s, 1 H), 7.70-7.76 (m, 2 H), 8.14-8.21 (m, 2 H).
工程1−2:2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程1−1で取得した2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(100mg)のアセトン(2.0mL)懸濁液に、7%塩酸(0.2mL)を加え、7時間加熱還流した。反応懸濁液を冷却後、7%塩酸(2.0mL)を加え、析出した固体をろ取した。析出した固体を水で洗浄した後、減圧乾燥して目的物(79mg、収率:94%、HPLC純度:99.57面積%)を取得した。
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンを基準とした通算収率:84%
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:2.64 (s, 3 H), 7.59 (s, 1 H), 7.77-7.81 (m, 2 H), 8.20-8.26 (m, 2 H).
実施例2:2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(30.0g)、及び酸化銅(I)(17.0g;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(614mL)を加え、100℃まで昇温後に2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(14.6g)を1時間かけて滴下した。反応液を2時間加熱還流し、40℃まで冷却後に懸濁液をセライトろ過し、ろ上残渣をNMP(174mL)で洗浄した。取得した二つのろ液を合わせて減圧濃縮を行い、ピリジン(547mL)を留去し、残渣にNMP(261mL)を加え、90℃まで昇温後に35%塩酸(105mL)を1時間かけて滴下した。反応液を90℃にて3時間加熱し、20℃まで冷却後に水(370mL)を加え、懸濁液をろ過した。取得したウェット結晶を50%エタノール水(136mL)、及びエタノール(152mL)の順で洗浄した後、減圧乾燥して目的物(23.0g、収率:81%、HPLC純度:99.48面積%)を取得した。
実施例3:2−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
工程3−1:2−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(109.2mg)、及び酸化銅(I)(113.4mg;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(4.94mL)、及び2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキサン(75.3mg)を加え、25℃で1時間撹拌後、6時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、3.5%塩酸(20mL)、及び酢酸エチル(20mL)を加え、有機層を分離した。有機層を3.5%塩酸(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)で精製して目的物(138.9mg(ジアセチレン体を21wt%含む)、収率:85%、HPLC純度:98.60面積%,2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのHPLC面積%:0.33面積%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.35-1.40 (m, 1 H), 1.64 (s, 3 H), 2.05-2.18 (m, 1 H), 3.86-3.89 (m, 2 H), 3.90-4.02 (m, 2 H), 6.95 (s, 1 H), 7.71-7.77 (m, 2 H), 8.15-8.24 (m, 2 H).
工程3−2:2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程3−1で取得した2−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを用い、工程1−2と同様にして2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(95.3mg、収率:100%、HPLC純度:98.58面積%)を取得した。
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンを基準とした通算収率:85%
実施例4:2−(1−((トリメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
工程4−1:2−(1−((トリメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(100.0mg)、及び酸化銅(I)(111.5mg;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(4.94mL)、及び(ブト−3−イン−2−イルオキシ)トリメチルシラン(70.1mg;アルファエイサー)を加え、25℃で1時間撹拌後、8時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、3.5%塩酸(20mL)、及び酢酸エチル(20mL)を加え、有機層を分離した。分離した有機層を、3.5%塩酸(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧濃縮して2−(1−((トリメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(140.6mg)の固体を取得した。
工程4−2:2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程4−1で取得した2−(1−((トリメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンをクロロホルム(3mL)、及びメタノール(1mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(60μL)を加え30分撹拌してシリル基を除去した。反応液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製して2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(82.0mg、2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンからの収率:86%、HPLC純度:98.78面積%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.64 (d, 3 H, J = 6.4 Hz), 2.24 (d, 1 H, J = 5.2 Hz), 5.30 (qd, 1 H, J = 6.4 and 5.2 Hz), 6.84 (s, 1 H), 7.71-7.76 (m, 2 H), 8.14-8.21 (m, 2 H).
工程4−3:2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程4−2で取得した2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(24mg)、及びセライト(240mg)のジクロロメタン(2.1mL)懸濁液にクロロクロム酸ピリジニウム(PCC、109mg)を−7.5℃で加え、同温度で15時間撹拌した。反応液をろ過し、不溶物を除去した後、ジクロロメタンで洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(11mg、収率:47%、HPLC純度:99.99面積%)を取得した。2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンを基準とした通算収率:40%
実施例5:2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(101mg)、及び銅粉(51mg;関東化学、49525−52、25nm)をフラスコに入れ、窒素置換を行い、ピリジン(4.9mL)及び2−エチニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(55mg)を加え、25℃で1時間撹拌した後、6時間加熱還流した。反応液に氷冷下23%塩酸(10mL)を加え、析出物をろ取した。該析出物を7%塩酸で洗浄した後、減圧乾燥して2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(100mg、収率:88%、HPLC純度:97.64面積%、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのHPLC面積%:1.02面積%)を取得した。
実施例6:2−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
工程6−1:2−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(100.7mg)、及び酸化銅(I)(121.4mg;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(4.94mL)、及び(ブト−3−イン−2−イルオキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(87.0mg;アルドリッチ)を加えた。反応液を25℃で1時間撹拌後、6時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、3.5%塩酸(20mL)、及び酢酸エチル(20mL)を加え、有機層を分離した。有機層を3.5%塩酸(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して2−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(147.1mg(ジアセチレン9wt%混入)、収率:94%,HPLC純度:96.74面積%,2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのHPLC面積%:3.26面積%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:-0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 3 H), 0.80 (s, 9 H), 1.43 (d, 3 H, J = 6.8 Hz), 4.01-4.11 (q, 1 H, J = 6.8 Hz), 6.66 (s, 1 H), 7.58-7.62 (m, 2 H), 8.04-8.09 (m, 2 H).
工程6−2:2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程6−1で取得した2−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(148.1mg)のアセトン(2mL)懸濁液に7%塩酸(0.4mL)を加え、60℃で2.5時間撹拌した。反応液を冷却後、3.5%塩酸(10mL)を加え、析出した結晶をろ取し、3.5%塩酸で洗浄し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製して2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(65.0mg、収率:71%、HPLC純度:99.88面積%)を取得した。
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンからの収率:67%。
実施例7:2−(1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル))オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法
工程7−1:2−(1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル))オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(100.1mg)、及び酸化銅(I)(121.4mg;アルドリッチ)をフラスコに入れ窒素置換を行い、ピリジン(4.94mL)、及び2−(ブト−3−イン−2−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(77.1mg;アルドリッチ)を加え、25℃で1時間撹拌後、6時間加熱還流した。反応液を室温に冷却後、3.5%塩酸(20mL)、及び酢酸エチル(20mL)を加え、有機層を分離した。有機層を3.5%塩酸(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して2−(1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル))オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(120.3mg、収率:93%,HPLC純度:81.04面積%,2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのHPLC面積%:18.38面積%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.46-1.59 (m, 4 H), 1.61 (d, 3 H, J = 6.8 Hz), 1.64-1.75 (m, 1 H), 1.76-1.89 (m, 1 H), 3.50-3.55 (m, 1 H), 3.87-3.93 (m, 1), 4.66 (t, 1 H, J = 3.6Hz), 5.17 (q, 1 H, J = 6.8 Hz), 6.80 (s, 1 H), 7.68-7.75 (m, 2 H), 8.12-8.22 (m, 2 H).
工程7−2:2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
前記工程7−1で取得した2−(1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル))オキシ)エチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(94.68mg)をアセトン(2.0mL)に溶かし、7%塩酸(0.4mL)を加え、60℃で3時間撹拌後、メタノール(1.0mL)を加えて1.5時間撹拌した。反応液を冷却後、3.5%塩酸(10mL)を加えて、析出した結晶をろ取し、3.5%塩酸で洗浄し、乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製して2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(51.8mg、収率:74%、HPLC純度:99.99面積%)を取得した。
2−ブロモ−3−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンを基準とした通算収率:69%。
比較例1:2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
比較例として、非特許文献1に記載の方法に準じて、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造を実施した。具体的には以下のとおりである。
3−フェニルヨードニオ−1,2,4−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニド(100.1mg)を、3−ブチン−2−オール(190.0mg)、酢酸パラジウム(6.74mg)、酸化銅(I)(80.61mg)、及び臭化銅(I)(37.76mg)のピリジン(2.5mL)溶液に80℃で加えた。反応液を4時間撹拌後、室温に冷却し、酢酸エチルを加えた。有機層を10%塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(34.6mg、収率:54%、HPLC純度:80.46面積%)を取得した。
2−(1−ヒドロキシエチル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(24 mg)を塩化メチレン(2.1mL)に溶解し−10℃に冷却した。この溶液にクロロクロム酸ピリジニウム(109mg)とセライト(240mg)を加えた。橙色懸濁液を17時間撹拌し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(11mg、収率:47%、HPLC純度:99.99面積%)を取得した。
3−フェニルヨードニオ−1,2,4−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニドを基準とした通算収率:25%
比較例2:2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造
比較例として、特許文献2に記載の方法に準じて、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造を実施した。具体的には以下のとおりである。
−2℃に冷却したジクロロメタン(40mL)を入れた300mLフラスコにメチルビニルケトン(16.1g)を添加した後、臭素(36.7g)を2〜3℃にて25分かけて滴下した。反応溶液を水(50mL)で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウム(5g)で乾燥させた。無水硫酸ナトリウムを除去した後、有機層を減圧濃縮した。取得した残渣(48.8g)を、DMF(40mL)を用いて1Lフラスコに移し、−2℃まで冷却した。DMF溶液にDBU(27.3g)を15分かけて滴下した後、DMF(50mL)及び2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(31.4g)を加え、空気雰囲気下にて室温まで昇温させた。反応溶液にDBU(25.8g)を、室温にて45分間かけて滴下した後、DMF(50mL)を添加した。反応溶液を室温にて約3時間撹拌した後、0℃に冷却し、水(500mL)を添加した。析出した化合物をろ取し、水(80mL)、5%炭酸ナトリウム水溶液(80mL)、水(80mL)、2%酢酸水溶液(80mL)及びエタノール(80mL)の順で洗浄して2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(21.1g)を取得した(収率:48%)。
500mLフラスコに2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(10.0g)、エタノール(250mL)及びDBU(5.1g)を添加し、空気雰囲気下、30分間加熱還流を行った。反応溶液を0℃まで冷却した後、水(250mL)を加え、析出した結晶をろ過することで取得した。結晶を水(10mL)、2%酢酸水溶液(10mL)及びエタノール(10mL)の順で洗浄し、減圧乾燥して2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの結晶(3.2g、HPLC純度:99.70面積%)を取得した(収率32%)。
2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを基準とした通算収率:15%
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみ、その範囲が解釈されるべきであることが理解される。本願は、日本国出願特願2016−61242(2016年3月25日出願)に対して優先権を主張するものであり、その内容はその全体が本明細書において参考として援用される。本明細書において引用した特許、特許出願および他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様に、その内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明の製造方法を用いることにより、医薬品として有用な2−アルキルカルボニルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの関連物質を、高収率、高純度で安全かつ安価に製造することができる。

Claims (60)

  1. 下記工程(a)を含む、式(I)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中Yは下記式(Ya)、(Yb)又は(Yc)



    で表される基
    (式(Ya)、(Yb)又は(Yc)において、式中*は結合位置を表し、
    及びPは、同一又は異なって、各々独立してカルボニル基の保護基であるか、又は一緒になって保護基を形成し、ここにおいてP及びPは、同時に水素原子ではなく、
    は、水素原子又は水酸基の保護基であり、
    は、水酸基の保護基であり、
    は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、
    は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、及び
    及びRは、同一又は異なって、各々独立して、水素原子又は置換されてもよいC1−10アルキル基である。)である。]
    の製造方法:
    (a)
    式(1)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Xは脱離基である。]を、溶媒中、金属又は金属化合物、及び塩基存在下で、
    式(2)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Yは、前記と同義である。]
    と反応させることにより、
    式(I)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Yは、前記と同義である。]を製造する工程。
  2. 前記工程(a)で用いられる塩基が、有機塩基であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(a)で用いられる塩基が、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン、ピリミジン、2−ピコリン、3-ピコリン、4−ピコリン、2−ピリジンメタノール、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン又はピリジンを含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(a)で用いられる塩基がピリジンであり、当該塩基を溶媒として使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記工程(a)で用いられる金属又は金属化合物が金属銅又は銅化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記工程(a)で用いられる金属又は金属化合物が金属銅(0)又は酸化銅(I)である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記工程(a)において、金属パラジウムもパラジウム化合物も使用しないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. Xが、ハロゲン原子、置換されてもよいヨードニオ基、置換されてもよいスルホニルオキシ基、又は置換されてもよいホスホリルオキシ基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニルヨードニオ基、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、クロロスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、又はp−トルエンスルホニルオキシ基である、請求項8に記載の製造方法。
  10. Xが、臭素原子である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、
    (2)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (3)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)
    (4)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (5)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (6)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、又は
    (7)置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であり、
    ここにおいて、P及びPは、同一又は異なって、各々独立して、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC6−10アリール基、置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、又は置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であるとき、それらが一緒になって置換されてもよい環状ケタールを形成していてもよく、P及びPは同時に水素原子ではない、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、
    (2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されるシリル基、
    (4)フェニル基、
    (5)ベンジル基、若しくは、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基であるか、又は
    及びPが、一緒になって、
    (7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
    (8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
    (9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
    (10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
    (11)1,3−ジオキサン−4−オン、
    (12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、及び、
    (13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール
    からなる群から選択される環状ケタールを形成していてもよく、P及びPは同時に水素原子ではない、
    請求項11に記載の製造方法。
  13. 及びPが、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基であるか、又は、
    及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 及びPが一緒になって、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンを形成する、請求項13に記載の製造方法。
  15. が、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. が、メチル基である、請求項15に記載の製造方法。
  17. が、
    (1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
    (3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
    (5)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
    (8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
    (9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
    (10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
    (12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
    (13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、
    (14)ホルミル基、又は
    (15)水素原子である、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. が、
    (1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ基、
    (c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
    (d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
    (e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
    からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
    (3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)C2−6アルケニル基、
    (5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
    (12)C1−6アルキルスルホニル基、
    (13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、
    (14)ホルミル基、又は
    (15)水素原子である、
    請求項17に記載の製造方法。
  19. が、
    (1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
    (3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、請求項18に記載の製造方法。
  20. が、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項19に記載の製造方法。
  21. が、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、請求項20に記載の製造方法。
  22. が、メチル基である、請求項21に記載の製造方法。
  23. が、
    (1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
    (3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
    (5)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
    (8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
    (9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
    (10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
    (12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
    (13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
    (14)ホルミル基である、
    請求項1〜22のいずれか一項に記載の製造方法。
  24. が、
    (1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ基
    (c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
    (d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
    (e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
    からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
    (3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)C2−6アルケニル基、
    (5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
    (12)C1−6アルキルスルホニル基、
    (13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
    (14)ホルミル基である、
    請求項23に記載の製造方法。
  25. が、
    (1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
    (3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該飽和複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、
    請求項24に記載の製造方法。
  26. が、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項25に記載の製造方法。
  27. 及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、又は
    (2)ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、
    請求項1〜26のいずれか一項に記載の製造方法。
  28. 及びRが、水素原子である、請求項27に記載の製造方法。
  29. Yが、式(Ya)で表される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  30. 前記工程(a)の後に、下記工程(b)を更に含む請求項29に記載の製造方法:
    (b)
    前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物のカルボニル基の保護基であるP及びPを、脱保護することにより、
    式(3)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは、上記Rと同義である。]を製造する工程。
  31. 前記工程(a)の生成物を精製する工程を含む、請求項30に記載の製造方法。
  32. 工程(b)で用いる溶媒が水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒である、請求項31に記載の製造方法。
  33. 前記工程(a)の生成物を精製することなく前記工程(b)を実施する、請求項30に記載の製造方法。
  34. 工程(b)で用いる溶媒は、工程(a)で用いた溶媒から溶媒交換し得る溶媒である、請求項33に記載の製造方法。
  35. 工程(a)で用いた前記溶媒がピリジンであり、工程(b)で用いる前記溶媒が水、メタノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はこれらの混合溶媒である、請求項34に記載の製造方法。
  36. Yが、式(Yb)で表される基である、請求項1〜10及び17〜22のいずれか一項に記載の製造方法。
  37. 前記工程(a)の後に、下記工程(c)を更に含む、請求項36に記載の製造方法:
    (c)
    前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物のPが水素原子ではない場合、Pを脱保護することにより、
    式(4)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは上記Rと同義である。]を製造する工程。
  38. 前記工程(a)又は(c)の後に、下記工程(d)を更に含む、請求項36又は37のいずれか一項に記載の製造方法:
    (d)
    前記工程(a)又は(c)で得られる式(I)又は式(4)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物を、酸化剤を用いて酸化することにより、
    式(3)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは上記Rと同義である。]を製造する工程。
  39. 前記工程(d)で用いられる酸化剤が、酸化クロム、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、二クロム酸ナトリウム、二酸化マンガン、次亜塩素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジメチルスルホキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、2−アザアダマンタン−N−オキシル、又は1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシルである、請求項38に記載の製造方法。
  40. Yが、式(Yc)で表される基である、請求項1〜10及び23〜28のいずれか一項に記載の製造方法。
  41. 前記工程(a)の後に、下記工程(e)を更に含む請求項40に記載の製造方法:
    (e)
    前記工程(a)で得られる式(I)で表される化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物の水酸基の保護基であるPを脱保護することにより、
    式(3)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物[式中、Rは、CHRと同義である。]を製造する工程。
  42. 式(I)

    の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物
    [式中、Yは下記式(Ya)、(Yb)又は(Yc)



    で表される基
    (式(Ya)、(Yb)又は(Yc)において、式中*は結合位置を表し、
    及びPは、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、
    (2)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (3)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
    (4)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (5)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (6)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、又は
    (7)置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であり、
    ここにおいて、P及びPは、同一又は異なって、各々独立して、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC6−10アリール基、置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、又は置換されてもよいC3−10シクロアルキル基であるとき、それらが一緒になって置換されてもよい環状ケタールを形成していてもよく、ここにおいてP及びPは同時に水素原子ではなく、
    は、
    (1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
    (3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
    (5)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
    (8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
    (9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
    (10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
    (12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
    (13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
    (14)ホルミル基であり、
    は、
    (1)置換されてもよいC1−10アルキル基、
    (2)シリル基(該シリル基は、置換されてもよいC1−10アルキル基、置換されてもよいC1−10アルコキシ基、及び置換されてもよいC6−10アリール基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている。)、
    (3)置換されてもよい3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内のヘテロ原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)置換されてもよいC2−10アルケニル基、
    (5)置換されてもよいC6−10アリール基、
    (6)置換されてもよいC1−10アルキルカルボニル基、
    (7)置換されてもよいC6−10アリールカルボニル基、
    (8)置換されてもよいC1−10アルキルオキシカルボニル基、
    (9)置換されてもよいC6−10アリールオキシカルボニル基、
    (10)置換されてもよいC2−10アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)置換されてもよいアミノカルボニル基、
    (12)置換されてもよいC1−10アルキルスルホニル基、
    (13)置換されてもよいC6−10アリールスルホニル基、又は
    (14)ホルミル基であり、
    は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、
    は、置換されてもよいC1−10アルキル基であり、及び
    及びRは、同一又は異なって、各々独立して、水素原子、又は置換されてもよいC1−10アルキル基である。)であり、
    ただし、2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン及び1−(4,9−ジオキソ−4,9−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−2−イル)エチルアセタートを除く。]。
  43. 及びPが、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、
    (2)ハロゲン原子及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (3)1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよいシリル基、
    (4)フェニル基、
    (5)ベンジル基、若しくは、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基であるか、又は
    及びPが、一緒になって、
    (7)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、
    (8)1,3−ジオキソラン−4−オン、
    (9)1,3−ジオキソラン−4,5−ジオン、
    (10)C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、水酸基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜4個の基で置換されてもよい1,3−ジオキサン、
    (11)1,3−ジオキサン−4−オン、
    (12)1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、及び、
    (13)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールからなる群から選択される環状ケタールを形成する、請求項42に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  44. 及びPが、同一又は異なって、各々独立して、C1−6アルキル基、若しくはC1−6アルキルカルボニル基、又はP及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成する、請求項43に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  45. 及びPが一緒になって、1,3−ジオキサンを形成する、請求項44に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  46. が、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、請求項42〜45のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  47. が、メチル基である、請求項46に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  48. が、
    (1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ基、
    (c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
    (d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び、
    (e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
    からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
    (3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)C2−6アルケニル基、
    (5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
    (12)C1−6アルキルスルホニル基、
    (13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
    (14)ホルミル基である、
    請求項42〜47のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  49. が、
    (1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
    (3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、
    請求項48に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  50. が、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項49に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  51. が、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基及び3員〜12員の単環式又は多環式の複素環基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいC1−10アルキル基である、請求項42〜50のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  52. が、メチル基である、請求項51に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  53. が、
    (1)C1−6アルキル基(該アルキル基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルコキシ基、
    (c)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリルオキシ基、
    (d)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の基で置換されているシリル基、及び
    (e)ハロゲン原子、メトキシ基、及びニトロ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、
    からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、
    (3)3員〜8員の単環式の複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)、
    (4)C2−6アルケニル基、
    (5)フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、フェノキシ基、フェニル基、及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (7)フェニルカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (8)C1−6アルキルオキシカルボニル基(該アルキルは、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (9)フェニルオキシカルボニル基(該フェニルは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよい。)、
    (10)C2−6アルケニルオキシカルボニル基、
    (11)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される1〜2個の基で置換されてもよい。)、
    (12)C1−6アルキルスルホニル基、
    (13)フェニルスルホニル基(該フェニルは、1〜3個のC1−6アルキル基で置換されてもよい。)、又は
    (14)ホルミル基である、
    請求項42〜52のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  54. が、
    (1)1〜3個のC1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルキル基、
    (2)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
    (3)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yc)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)である、
    請求項53に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  55. が、2−テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、又はtert−ブチルジメチルシリル基である、請求項54に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  56. 及びRが、同一又は異なって、各々独立して、
    (1)水素原子、又は
    (2)C1−6アルキル基である、
    請求項55に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  57. 及びRが、水素原子である、請求項56に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  58. Yが、式(Ya)又は(Yb)で表される基である、請求項42〜52に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  59. Yが、式(Ya)又は(Yb)で表される基
    (式(Ya)、又は(Yb)において、P及びPが一緒になって、1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキソラン、及び1〜4個のC1−6アルキル基で置換されてもよい1,3−ジオキサンからなる群から選択される環状ケタールを形成する、
    が、C1−6アルキル基であり、

    (1)C1−6アルキル基、及びフェニル基からなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されているシリル基、又は
    (2)5員又は6員の単環式の飽和複素環基(ここにおいて、該複素環基は、環内に少なくとも1つ以上の酸素原子を有し、該酸素原子の隣の炭素原子にて、式(Yb)におけるPが結合する酸素原子と結合する。)であり、及び
    が、C1−6アルキル基である。)である、
    請求項42に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
  60. Yが、式(Ya)で表される基である、請求項42〜47及び59のいずれか一項に記載の化合物若しくはその互変異性体、又は必要に応じて薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物。
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