JP2020520923A - がんを処置するための方法 - Google Patents
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Abstract
被験体において進行胸腺腫および胸腺癌を処置するための方法であって、上記方法は、本明細書で開示されるとおりの少なくとも1種のパクリタキセル化合物および少なくとも1種の式(I)の化合物(2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン)を投与することを含む方法、ならびに本明細書で開示されるとおりの少なくとも1種のパクリタキセル化合物および少なくとも1種の式(I)の化合物(2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン)を含むキット。
Description
優先権主張
本願は、2017年5月17日に出願された米国仮出願第62/507,353号に対する優先権の利益を主張する。この出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
本願は、2017年5月17日に出願された米国仮出願第62/507,353号に対する優先権の利益を主張する。この出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
背景
治療上有効な量の、式(I)の選択される少なくとも1種の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて含む組み合わせを、被験体に投与することを包含する方法が、本明細書で開示される。
治療上有効な量の、式(I)の選択される少なくとも1種の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて含む組み合わせを、被験体に投与することを包含する方法が、本明細書で開示される。
上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、式(I):
を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記のもののうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される。
米国単独でのがんによる死亡は、毎年、総数何十万名にも達する。がんのある種の形態の処置において、外科手術、放射線療法、および化学療法を通じて進歩があるにも関わらず、がんの多くのタイプは、本質的に不治である。有効な処置が特定のがんに関して利用可能である場合ですら、そのような処置の副作用は、重篤であり得、クオリティー・オブ・ライフの顕著な低下を生じ得る。
大部分の従来の化学療法剤は、毒性を有し、進行固形腫瘍を有する患者にとっては特に、有効性が制限されていた。従来の化学療法剤は、がん性の細胞と同様に非がん性の細胞にも損傷を引き起こす。このような化学療法用化合物の治療指数(すなわち、がん性細胞と正常細胞との間を区別する治療の能力の尺度)はかなり低い場合がある。頻繁に、がん細胞を殺滅するために有効である化学療法薬物の用量は、正常細胞、特に、頻繁に細胞分裂を受けるそれら正常細胞(例えば、上皮細胞および骨髄の細胞)をも殺滅する。正常細胞が、その治療によって影響を及ぼされる場合、毛の喪失、造血の抑制、および悪心のような副作用が起こり得る。患者の全身的な健康状態に依存して、このような副作用は、化学療法の投与を排除し得るか、または少なくとも、その患者によって極めて不愉快でかつ苦しいものであり得、がん患者の残りの生活の質を激しく低下させる。化学療法に、腫瘍退縮を伴って応答するがん患者にとってすら、がんは、しばしば素早く再燃し、進行し、化学療法への最初の応答後により多くの転移を形成する。このような再発性のがんは、化学療法剤に対して非常に抵抗性になるか、または難治性になる。以下で考察されるように、がん幹細胞(CSC)または高い幹細胞性(stemness)を有するがん細胞(幹細胞性が高いがん細胞)は、急速な腫瘍再発の原因であり、さらなる旧来の化学療法に抵抗性である。
CSCは、以下の4つの特徴を有すると考えられる:
1.幹細胞性−本明細書で使用される場合、幹細胞性とは、がん細胞へと自己再生および分化する能力を意味する(Gupta PB et al., Nat. Med. 2009; 15(9):1010−1012)。CSCは、全がん細胞集団のうちのわずかな部分に過ぎない(Clarke MF, Biol. Blood Marrow Transplant. 2009; 11(2 suppl 2):14−16)一方で、それらは、腫瘍の大部分を構成するがん細胞の異質な系統を生じ得る(Gupta et al. 2009を参照のこと)。さらに、CSCは、それらの幹細胞性の特性を保持したまま、別個の部位へと移動し、こうして、これらの部位での腫瘍を再成長させる能力を有する(Jordan CT et al. N. Engl. J. Med. 2006; 355(12):1253−1261)。
2.異常なシグナル伝達経路−CSCの幹細胞性は、シグナル伝達経路の調節不全と関連し、これは、腫瘍を再成長させ、遠隔部位へと移動させるそれらの能力に寄与し得る。正常な幹細胞において、幹細胞性のシグナル伝達経路は、厳密に制御され、かつ遺伝的に無傷である。対照的に、CSCにおける幹細胞性のシグナル伝達経路は、調節不全であり、これらの細胞ががん細胞へと自己再生および分化することを可能にする(Ajani et al. 2015を参照のこと)。幹細胞性のシグナル伝達経路の調節不全は、化学療法および放射線療法へのCSC抵抗性、ならびにがんの再発および転移に寄与する。CSCにおける幹細胞性の誘導および維持に関与する例示的な幹細胞性のシグナル伝達経路としては、JAK/STAT、Wnt/β−カテニン、Hedgehog、Notch、およびNanogが挙げられる(Boman BM et al., J. Clin. Oncol. 2008; 26(17):2828−2838)。
3.旧来の治療への抵抗性−証拠から、CSCは、従来の化学療法および放射線への抵抗性を有することが示唆される。このような抵抗性の根底にある詳細な機構は十分に理解されていないが、CSCの幹細胞性の経路(Boman et al. 2008を参照のこと)は、腫瘍微小環境およびシグナル伝達経路の異常な調節(Borovski T. et al., Cancer Res. 2011; 71(3):634−639)が加わって、このような抵抗性に寄与し得る。
4.腫瘍再発および転移に寄与する能力−化学療法および放射線療法は、腫瘍の中の細胞のうちの大部分を殺滅し得るが、CSCは旧来の治療に抵抗性であることから、根絶されていないCSCは、原発部位または遠隔部位のいずれかで、腫瘍の再成長または再発をもたらし得る(Jordan et al. 2006を参照のこと)。上述のように、CSCは、異なる部位に移動する能力を獲得し得、微小環境との相互作用を通じて、これらの部位において幹細胞性を維持し得、転移腫瘍成長を可能にする(Boman et al. 2008を参照のこと)。
1.幹細胞性−本明細書で使用される場合、幹細胞性とは、がん細胞へと自己再生および分化する能力を意味する(Gupta PB et al., Nat. Med. 2009; 15(9):1010−1012)。CSCは、全がん細胞集団のうちのわずかな部分に過ぎない(Clarke MF, Biol. Blood Marrow Transplant. 2009; 11(2 suppl 2):14−16)一方で、それらは、腫瘍の大部分を構成するがん細胞の異質な系統を生じ得る(Gupta et al. 2009を参照のこと)。さらに、CSCは、それらの幹細胞性の特性を保持したまま、別個の部位へと移動し、こうして、これらの部位での腫瘍を再成長させる能力を有する(Jordan CT et al. N. Engl. J. Med. 2006; 355(12):1253−1261)。
2.異常なシグナル伝達経路−CSCの幹細胞性は、シグナル伝達経路の調節不全と関連し、これは、腫瘍を再成長させ、遠隔部位へと移動させるそれらの能力に寄与し得る。正常な幹細胞において、幹細胞性のシグナル伝達経路は、厳密に制御され、かつ遺伝的に無傷である。対照的に、CSCにおける幹細胞性のシグナル伝達経路は、調節不全であり、これらの細胞ががん細胞へと自己再生および分化することを可能にする(Ajani et al. 2015を参照のこと)。幹細胞性のシグナル伝達経路の調節不全は、化学療法および放射線療法へのCSC抵抗性、ならびにがんの再発および転移に寄与する。CSCにおける幹細胞性の誘導および維持に関与する例示的な幹細胞性のシグナル伝達経路としては、JAK/STAT、Wnt/β−カテニン、Hedgehog、Notch、およびNanogが挙げられる(Boman BM et al., J. Clin. Oncol. 2008; 26(17):2828−2838)。
3.旧来の治療への抵抗性−証拠から、CSCは、従来の化学療法および放射線への抵抗性を有することが示唆される。このような抵抗性の根底にある詳細な機構は十分に理解されていないが、CSCの幹細胞性の経路(Boman et al. 2008を参照のこと)は、腫瘍微小環境およびシグナル伝達経路の異常な調節(Borovski T. et al., Cancer Res. 2011; 71(3):634−639)が加わって、このような抵抗性に寄与し得る。
4.腫瘍再発および転移に寄与する能力−化学療法および放射線療法は、腫瘍の中の細胞のうちの大部分を殺滅し得るが、CSCは旧来の治療に抵抗性であることから、根絶されていないCSCは、原発部位または遠隔部位のいずれかで、腫瘍の再成長または再発をもたらし得る(Jordan et al. 2006を参照のこと)。上述のように、CSCは、異なる部位に移動する能力を獲得し得、微小環境との相互作用を通じて、これらの部位において幹細胞性を維持し得、転移腫瘍成長を可能にする(Boman et al. 2008を参照のこと)。
転写因子であるシグナル伝達兼転写活性化因子3(Signal Transducer and Activator of Transcription 3)(本明細書でStat3といわれる)は、サイトカイン/成長因子に応答して活性化され、増殖、生存、および他の生物学的プロセスを促進する潜伏転写因子であるStatファミリーのメンバーである。Stat3は、成長因子レセプターチロシンキナーゼ(例えば、Janusキナーゼ(JAK)、Srcファミリーキナーゼ、EGFR、Abl、KDR、c−Met、およびHer2が挙げられるが、これらに限定されない)によって媒介される重要なチロシン残基のリン酸化によって活性化され得る癌遺伝子である。Yu, H. Stat3: Linking oncogenesis with tumor immune evasion in AACR 2008 Annual Meeting. 2008. San Diego, CA。チロシンリン酸化の際に、そのリン酸化されたStat3(「pStat3」)は、ホモダイマーを形成し、核へと移動し、ここでそれは、標的遺伝子のプロモーターにおける特異的DNA応答エレメントに結合し、遺伝子発現を誘導する。Pedranzini, L., et al. J. Clin. Invest., 2004. 114(5): p. 619−22。
正常細胞では、Stat3活性化は一時的であり、厳密に調節され、例えば、30分〜数時間持続する。しかし、Stat3は、広く種々のヒトのがん(全ての主要な癌およびいくつかの血液腫瘍が挙げられる)において異常に活性であることが見出されている。持続的に活性なStat3は、乳がんおよび肺がん、結腸直腸がん(CRC)、卵巣がん、肝細胞癌、多発性骨髄腫などのうちの半分超において、ならびに頭/頚部がんのうちの95%超において起こる。Stat3は、がん進行において多数の役割を果たし、がん細胞への薬物耐性に関する主要な機構のうちの1つであると見做される。強力な転写調節因子として、Stat3は、細胞周期、細胞生存、発がん、腫瘍侵襲、および転移に関与する遺伝子(例えば、Bcl−xl、c−Myc、サイクリンD1、Vegf、MMP−2、およびサバイビン)を標的とする。Catlett−Falcone, R., et al. Immunity, 1999. 10(1): p. 105−15; Bromberg, J. F., et al. Cell, 1999. 98(3): p. 295−303; Kanda, N., et al. Oncogene, 2004. 23(28): p. 4921−29; Schlette, E. J., et al. J Clin Oncol, 2004. 22(9): p. 1682−88; Niu, G., et al. Oncogene, 2002. 21(13): p. 2000−08; Xie, T. X., et al. Oncogene, 2004. 23(20): p. 3550−60。それは、腫瘍免疫サーベイランスおよび免疫細胞動員の重要な負の調節因子でもある。Kortylewski, M., et al. Nat. Med., 2005. 11(12): p. 1314−21; Burdelya, L., et al. J. Immunol., 2005. 174(7): p. 3925−31;およびWang, T., et al. Nat. Med., 2004. 10(1): p. 48−54。
Stat3のアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、ドミナントネガティブ形態、および/またはチロシンキナーゼ活性の標的化された阻害を使用することによってStat3シグナル伝達を排除すると、がん細胞成長停止、アポトーシス、ならびにインビトロおよび/またはインビボの両方での転移の頻度の低減が引き起こされる。Pedranzini, L., et al. J Clin. Invest., 2004. 114(5): p. 619−22; Bromberg, J. F., et al. Cell, 1999. 98(3): p. 295−303; Darnell, J. E. Nat. Med., 2005. 11(6): p. 595−96;およびZhang, L., et al. Cancer Res, 2007. 67(12): p. 5859−64。
さらに、Stat 3は、がんの広い範囲にわたってCSCの生存および自己再生能力において役割を果たし得る。従って、CSCに対する活性を有する薬剤は、がん患者にとって大きな見込みがあり得る(Boman, B. M., et al. J. Clin. Oncol. 2008. 26(17): p. 2795−99)。
上記で考察されるように、CSCは、通常は幹細胞と関連する特徴を有するがん細胞の亜集団である(固形腫瘍または血液のがんの中で見出される)。これらの細胞は、化学療法による幹細胞でない通常のがん細胞の低減後により急速に成長し得、これは、化学療法後に迅速に再燃する機構であり得る。非腫瘍形成性であるがん細胞の大部分とは対照的に、CSCは、腫瘍形成性(腫瘍を形成する)である。ヒト急性骨髄性白血病では、これらの細胞の頻度は、10,000個に1個未満である。Bonnet, D. and J. E. Dick. Nat. Med., 1997. 3(7): p. 730−37。このような細胞が、ほぼ全ての腫瘍タイプに存在するという証拠が積み上がりつつある。しかし、がん細胞株は、組織培養における成長に特異的に適合されているがん細胞の亜集団から選択されることから、これらの細胞株の生物学的および機能的特性は、劇的に変化し得る。従って、全てのがん細胞株がCSCを含むわけではない。
CSCは、自己再生および多数の細胞タイプへと分化する能力などの幹細胞特性を有する。それらは、別個の集団として腫瘍の中で存続し続け、それらは、腫瘍塊の大部分を形成する分化した細胞を生じ、疾患を表現型的に特徴づける。CSCは、発がん現象、がん転移、がん再発、および再燃の根本的な原因であることが示されている。CSCは、例えば、腫瘍を起こす細胞、がん幹様細胞、幹様がん細胞、高度に腫瘍形成性の細胞、または超悪性細胞ともいわれる。
CSCは、従来の化学療法に対して本質的に抵抗性である。これは、CSCが、腫瘍細胞のうちの大部分を殺滅する従来の療法から置き去りにされていることを意味する。よって、CSCの存在は、がん処置および治療に関していくつかの密接な関係を有する。これらとしては、例えば、疾患同定、選択的薬物標的、がん転移および再発の防止、化学療法および/または放射線療法に対して難治性のがんの処置、化学療法または放射線療法に対して本質的に抵抗性のがんの処置、ならびにがんと戦うにあたっての新たなストラテジーの開発が挙げられる。
がん処置の有効性は、検査の初期ステージでは、それらが次々と殺滅する腫瘍塊の量によってしばしば測定される。CSCは、腫瘍細胞集団のうちの非常に小さな割合を形成しかつそれらの分化した子孫とは顕著に異なる生物学的特徴を有することから、腫瘍塊の測定は、その幹細胞に対して特異的に作用する薬物を選択しない可能性がある。実際に、CSCは、放射線抵抗性であり、化学療法薬および標的化薬物に対して難治性である。正常な体性幹細胞は、化学療法剤に対して本来抵抗性である−それらは、薬物を流出させる種々のポンプ(例えば、多剤耐性タンパク質ポンプ)、より高いDNA修復能力を有し、低速の細胞ターンオーバーを有する(化学療法剤は、迅速に複製している細胞を本来標的とする)。CSCは、正常な幹細胞の変異した対応物であり、それらが治療から生き延びることを可能にする類似の機能を有し得る。言い換えると、従来の化学療法剤は、新たな細胞を生成することができない腫瘍の大部分を形成する分化した(または分化しつつある)細胞を殺滅する。腫瘍を生じたCSCの集団は、全く損なわれないまま残り得、その疾患の再燃を引き起こし得る。さらに、化学療法剤での処置は、化学療法抵抗性CSCを残し得るに過ぎず、その結果、後に起こる腫瘍は、化学療法に対して抵抗性になる可能性が最も高い。がん幹細胞はまた、放射線療法(XRT)に対して抵抗性であることが示されている。Hambardzumyan, et al. Cancer Cell, 2006. 10(6): p. 454−56;およびBaumann, M., et al. Nat. Rev. Cancer, 2008. 8(7): p. 545−54。
生き残っているCSCは、腫瘍を再び増やし得かつ再燃を引き起こし得るので、CSCに対するストラテジーを含む抗がん療法は、大きな見込みがある。Jones RJ et al., J Natl Cancer Inst. 2004; 96(8):583−585。CSC経路を標的化することによって、攻撃的な、切除可能でない腫瘍および難治性もしくは再発性のがんを有する患者を処置すること、ならびに腫瘍転移および再発を防止することが可能であり得る。CSC経路を標的化する特異的治療の開発は、従って、がん患者の、特に、転移疾患に罹患しているそれら患者の生存およびクオリティー・オブ・ライフを改善し得る。この未開拓の潜在能力を明るみに出すことは、CSC自己再生および生存にとって選択的に重要である経路の同定および検証を要し得る。がんにおけるおよび胚性幹細胞もしくは成体幹細胞における腫瘍形成性の根底にある複数の経路は、過去に解明されてきたが、がん幹細胞自己再生および生存の経路は、なお探索されている。
CSCの同定および単離のための方法が報告されている。使用される方法は、CSCが薬物を流出する能力を主に利用するか、またはがん幹細胞と関連した表面マーカーの発現に基づいている。
例えば、CSCは、多くの化学療法剤に対して抵抗性であることから、CSCが、薬物流出ポンプ、例えば、ABCG2(BCRP−1)、および他のATP結合カセット(ABC)スーパーファミリーメンバーをほぼ遍在して過剰発現するということは、驚くべきことではない。Ho, M. M., et al. Cancer Res., 2007. 67(10): p. 4827−33; Wang, J., et al. Cancer Res., 2007. 67(8): p. 3716−24; Haraguchi, N., et al. Stem Cells, 2006. 24(3): p. 506−13; Doyle, L. A. and D. D. Ross. Oncogene, 2003. 22(47): p. 7340−58; Alvi, A. J., et al. Breast Cancer Res., 2003. 5(1): p. R1−R8; Frank, N. Y., et al. Cancer Res., 2005. 65(10): p. 4320−33;およびSchatton, T., et al. Nature, 2008. 451(7176): p. 345−49。よって、サイドポピュレーション(SP)技術(造血幹細胞および白血病幹細胞を富化するために元々は使用された)はまた、CSCを同定および単離するために使用された。Kondo, T., et al. Proc. Natl Acad. Sci. USA, 2004. 101(3): p. 781−86。この技術(最初にGoodell et al.によって記載された)は、蛍光色素(例えば、Hoechst 33342)の差次的ABCトランスポーター依存性流出を利用して、CSCが富化された細胞集団を定義する。Doyle, L. A. and D. D. Ross. Oncogene, 2003. 22(47): p. 7340−58;およびGoodell, M. A., et al. J. Exp. Med., 1996. 183(4): p. 1797−806。具体的には、そのSPは、薬物流出をベラパミルで遮断することによって明らかにされ、その時点では、その色素は、もはやSPからポンプ輸送され得ない。
CSCを、腫瘍の大部分から区別する特異的マーカーを見出すことにも、努力が集中されてきた。正常な成体幹細胞と元々関連するマーカーはまた、CSCを特徴づけ(mark)かつ増強したCSCの腫瘍形成性と共分離することが見出された。CSCによって一般に発現される表面マーカーとしては、CD44、CD133、およびCD166が挙げられる。Al−Hajj, M., et al. Proc. Natl Acad. Sci. USA, 2003. 100(7): p. 3983−88; Collins, A. T., et al. Cancer Res., 2005. 65(23): p. 10946−51; Li, C., et al. Cancer Res., 2007. 67(3): p. 1030−37; Ma, S., et al. Gastroenterology, 2007. 132(7): p. 2542−56; Ricci−Vitiani, L., et al. Nature, 2007. 445(7123): p. 111−15; Singh, S. K., et al. Cancer Res., 2003. 63(18): p. 5821−28;およびBleau, A. M., et al., Neurosurg. Focus, 2008. 24(3−4): p. E28。これらの表面マーカーの差次的発現に主に基づいて腫瘍細胞を選別することは、現在まで記載された高度に腫瘍形成性のCSCの大部分を占めている。従って、これらの表面マーカーは、がん細胞株から、および腫瘍組織の大部分からCSCの同定および単離について検証される。
aiRNA(非対称性RNA二重鎖)を使用することによって、強力なStat3選択的サイレンシングが、幹細胞性が高いがん細胞において達成された。このStat3サイレンシングは、がん細胞の幹細胞性のダウンレギュレーションならびに/または幹細胞性が高いがん細胞の生存および自己再生の阻害をもたらし得る。
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、CSC成長および生存のインヒビターである。米国特許第8,877,803号によれば、その式(I)の化合物は、約0.25μMの細胞IC50でStat3経路活性を阻害する。上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、米国特許第8,877,803号、例えば、実施例13に従って合成され得る。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、がんを処置するための方法において使用される。PCT特許出願番号PCT/US2014/033566、実施例6によれば、上記少なくとも1種の式(I)の化合物を選択して、進行がんを有する患者についての臨床試験を始めた。米国特許第8,877,803号およびPCT特許出願番号PCT/US2014/033566の開示は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
aiRNA(非対称性RNA二重鎖)を使用することによって、強力なStat3選択的サイレンシングが、幹細胞性が高いがん細胞において達成された。このStat3サイレンシングは、がん細胞の幹細胞性のダウンレギュレーションならびに/または幹細胞性が高いがん細胞の生存および自己再生の阻害をもたらし得る。
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、CSC成長および生存のインヒビターである。米国特許第8,877,803号によれば、その式(I)の化合物は、約0.25μMの細胞IC50でStat3経路活性を阻害する。上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、米国特許第8,877,803号、例えば、実施例13に従って合成され得る。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、がんを処置するための方法において使用される。PCT特許出願番号PCT/US2014/033566、実施例6によれば、上記少なくとも1種の式(I)の化合物を選択して、進行がんを有する患者についての臨床試験を始めた。米国特許第8,877,803号およびPCT特許出願番号PCT/US2014/033566の開示は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
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本発明者らは驚くべきことに、Stat3のより高い発現レベルを有する患者が、臨床試験において少なくとも1種の式(I)の化合物での処置後に全体的な長期生存を示すことを発見した。従って、処置前のがん患者において、少なくともCRC患者において見出されたpStat3のレベルが高いほど、式(I)の化合物を含む処置を施した際の全生存期間(OS)はより高くなる。
本発明者らはまた、驚くべきことに、少なくとも1種の式(I)の化合物と少なくとも1種のパクリタキセル化合物との処置の組み合わせが、以前のタキサン処置において進行したある種のがんを有する被験体において抗腫瘍活性を生じることを発見した。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種の以前のタキサンレジメンにおいて進行してしまったがんを処置するための方法が、本明細書で開示され、上記方法は、それを必要とする被験体に、
治療上有効な量の、式(I):
を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記のもののうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の式(I)の化合物、ならびに
治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物、
を投与することを包含する。
治療上有効な量の、式(I):
治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物、
を投与することを包含する。
上記少なくとも1種の式(I)の化合物および上記少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、被験体に、同時におよび/または逐次的に投与され得る。
上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、単一用量または分割用量において毎日投与され得る。上記少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、毎週投与され得る。
いくつかの実施形態において、被験体を、少なくとも1種の以前の治療レジメンに対して再度感受性にするための方法が本明細書で開示され、上記方法は、それを必要とする被験体に、
治療上有効な量の、式(I):
を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記のもののうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の式(I)の化合物を投与することを包含する。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の以前の治療レジメンは、化学療法レジメンから選択される。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の以前の治療レジメンは、タキサン化学療法レジメンから選択される。いくつかの実施形態において、被験体を、タキサン化学療法レジメンに対して再度感受性にするための方法が本明細書で開示され、上記方法は、それを必要性とする被験体に:
治療上有効な量の、式(I):
を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記のもののうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の式(I)の化合物を投与することを包含する。
治療上有効な量の、式(I):
治療上有効な量の、式(I):
いくつかの実施形態において、(1)式(I)を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記のものの抗体のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに(2)パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物を、投与および/または使用のための指示と一緒に含むキットが開示される。
本開示の局面および実施形態は、以下の詳細な説明に示されるかまたは以下の詳細な説明から容易に明らかになる。前記の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示および説明に過ぎず、特許請求の範囲の限定であると意図されないことは、理解されるべきである。
詳細な説明
以下は、本明細書で使用される用語の定義である。本明細書中のグループおよび用語に関して提供される最初の定義は、別段示されなければ、本明細書全体を通じてそのグループもしくは用語に個々に、または別のグループの一部としてあてはまる。
以下は、本明細書で使用される用語の定義である。本明細書中のグループおよび用語に関して提供される最初の定義は、別段示されなければ、本明細書全体を通じてそのグループもしくは用語に個々に、または別のグループの一部としてあてはまる。
用語「約」とは、数値範囲に関連して使用される場合、それは、それら数値の上下の境界を拡張することによってその範囲を修飾する。概して、用語「約」とは、数値を、その示された値の上下20%、10%、5%、または1%の変動によって修飾するために本明細書で使用される。いくつかの実施形態において、用語「約」は、数値を、その示された値の上下10%の変動によって修飾するために使用される。いくつかの実施形態において、用語「約」は、数値を、その示された値の上下5%の変動によって修飾するために使用される。いくつかの実施形態において、用語「約」は、数値を、その示された値の上下1%の変動によって修飾するために使用される。
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」とは、それらの最も広い意味において本明細書で使用される。これらの用語は、被験体に、本明細書で記載される化合物または薬学的組成物を導入するための任意の方法に言及し、例えば、その化合物を、全身に、局所に、またはインサイチュで、その被験体へと導入することを包含し得る。従って、組成物から(それがその化合物を含むか否かに拘わらず)被験体において生成される本開示の化合物は、これらの用語に包含される。これらの用語が、用語「全身性の」または「全身に」と関連して使用される場合、それらは概して、血流におけるその化合物または組成物のインビボでの全身性の吸収または蓄積、続いて、身体全体を通しての分布に言及する。
用語「被験体」とは、一般に、本明細書で記載される化合物または薬学的組成物が投与され得る生物をいう。被験体は、ヒトまたはヒト細胞を含む、哺乳動物または哺乳動物細胞であり得る。その用語はまた、細胞またはこのような細胞のドナーもしくはレシピエントを含む生物に言及する。種々の実施形態において、用語「被験体」とは、任意の動物(例えば、哺乳動物)をいい、本明細書で記載される化合物または薬学的組成物のレシピエントになる予定であるヒト、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、マウス、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、および爬虫類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの環境下では、用語「被験体」および「患者」は、ヒト被験体に関連して本明細書で交換可能に使用される。
用語「有効量」および「治療上有効な量」とは、以下で例証されるように、その意図した結果(疾患処置が挙げられるが、これらに限定されない)をもたらすために十分である、本明細書で記載される化合物または薬学的組成物の量をいう。いくつかの実施形態において、上記「治療上有効な量」は、がん細胞の検出可能な殺滅または成長もしくは拡がりの阻害、腫瘍のサイズもしくは数、ならびに/またはがんのレベル、ステージ、進行および/もしくは重症度の他の尺度のために有効である量である。いくつかの実施形態において、上記「治療上有効な量」とは、全身に、局所に、またはインサイチュで投与される量(例えば、被験体においてインサイチュで生成される化合物の量)をいう。上記治療上有効な量は、その意図した適用(インビトロまたはインビボ)、または処置されている被験体および疾患の状態、例えば、その被験体の体重および年齢、その疾患状態の重症度、投与様式などに依存して変動し得、その量は、当業者に拠って容易に決定され得る。その用語はまた、標的細胞における特定の応答、例えば、細胞移動の低減を誘導する用量にあてはまる。その具体的用量は、例えば、特定の薬学的組成物、被験体ならびに彼らの年齢および現行の健康状態または健康状態に関するリスク、従うべき投与レジメン、疾患の重症度、その組成物が他の薬剤と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、その組成物が投与される組織、ならびにその組成物が運ばれる物理的送達システムに依存して変動し得る。
本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置すること」、「軽減すること(ameliorating)、および「促進すること(encouraging)」とは、本明細書で交換可能に使用される。これらの用語は、有益なまたは所望の結果(治療上の利益および/または予防上の利益が挙げられるが、これらに限定されない)を得るためのアプローチをいう。治療上の利益とは、処置されている根底にある障害の根治または軽減を意味する。また、治療上の利益は、その根底にある障害と関連する生理学的症状のうちの1またはこれより多くの根絶または軽減を伴って達成され、その結果、改善は、その被験体がなおその根底にある障害に罹患している可能性があるにも関わらず、その被験体において観察される。予防上の利益に関しては、上記薬学的組成物は、特定の疾患を発生させるリスクにある被験体に、または疾患の生理学的症状のうちの1もしくはこれより多くを報告する被験体に、この疾患の診断がなされていない場合でさえも投与され得る。
被験体における用語「がん」とは、がんを引き起こす細胞の代表的な特徴(例えば、制御されない増殖、不死、転移の潜在性、迅速な成長および増殖速度、ならびにある種の形態的特徴)を有する細胞の存在に言及する。しばしば、がん細胞は、腫瘍または塊の形態にあるが、このような細胞は、被験体内に単独で存在し得るか、または独立した細胞(例えば、白血病細胞またはリンパ腫細胞)として血流の中を循環し得る。本明細書で使用される場合のがんの例としては、肺がん、膵臓がん、骨がん、皮膚がん、頭頚部がん、皮膚もしくは眼内黒色腫、乳がん、子宮がん、卵巣がん、腹膜がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌、肛門領域のがん、胃がん(stomach cancer)、胃がん(gastric cancer)、消化器がん、胃腺癌、副腎皮質癌、子宮がん、卵管癌、子宮内膜の癌、膣の癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道がん、食道胃接合部がん、食道胃腺癌、軟骨肉腫、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、ユーイング肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、膀胱がん、精巣がん、尿管のがん、腎盂の癌、中皮腫、肝細胞がん、胆道がん(biliary cancer)、腎臓がん、腎細胞癌、慢性もしくは急性の白血病、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)の新生物、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、多形膠芽腫、星細胞腫、神経鞘腫、上衣腫、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮癌、下垂体腺腫が挙げられるが、これらに限定されない(上記のがんのうちのいずれかの難治性バージョン、または上記のがんのうちの1またはこれより多くの組み合わせを含む)。その例示したがんのうちのいくつかは、一般的な用語の中に含まれ、この用語の中に含まれる。例えば、泌尿器系のがん(包括的な用語)は、膀胱がん、前立腺がん、腎臓がん、精巣がんなどを含む;そして肝胆道がん(hepatobiliary cancer)(別の包括的な用語)は、肝臓がん(これ自体は、肝細胞癌または胆管癌を含む包括的な用語)、胆嚢がん、胆道がん、または膵臓がんを含む。泌尿器系のがんおよび肝胆道のがんはともに、本開示によって企図され、用語「がん」の中に含まれる。
「固形腫瘍」はまた、用語「がん」の中に含まれる。本明細書で使用される場合、用語「固形腫瘍」とは、異常な腫瘍塊を形成するそれらの状態(例えば、がん)(例えば、肉腫、癌、およびリンパ腫)に言及する。固形腫瘍の例としては、非小細胞肺がん(NSCLC)、神経内分泌腫瘍、胸腺腫(thyoma)、線維性腫瘍、転移結腸直腸がん(mCRC)などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、その固形腫瘍疾患は、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌などである。
いくつかの実施形態において、そのがんは、胃腺癌、食道胃接合部(GEJ)腺癌、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC;すなわち、検査でエストロゲンレセプター陰性(ER−)、プロゲステロンレセプター陰性(PR−)、およびHER2陰性(HER2−)である乳がん)、卵巣がん、白金抵抗性卵巣がん(PROC)、膵臓腺癌、黒色腫、小細胞肺がん、および胆管癌から選択される。いくつかの実施形態において、そのがんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、卵巣がん、白金抵抗性卵巣がん(PROC)、膵臓腺癌、黒色腫、小細胞肺がん、および胆管癌から選択される。いくつかの実施形態において、そのがんは、白金抵抗性卵巣がん、トリプルネガティブ乳がん、および非小細胞肺がんから選択される。いくつかの実施形態において、そのがんは、白金抵抗性卵巣がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、トリプルネガティブ乳がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、非小細胞肺がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、胃腺癌ではない。いくつかの実施形態において、そのがんは、食道胃腺癌ではない。いくつかの実施形態において、そのがんは、食道胃腺癌でも胃腺癌でもない。
用語「進行する」、「進行した」および「進行」とは、本明細書で使用される場合、以下のうちの少なくとも1つをいう:(1)進行性疾患(PD)の以前の治療(例えば、化学療法)への応答;(2)以前の治療(例えば、化学療法)での処置後の1またはこれより多くの新たな病変の出現;および(3)試験に際して最小の合計(これは、試験に際して最小である場合に、そのベースラインの合計を含む)を参照として考慮すると、標的病変の直径の合計が少なくとも5%(例えば、10%、20%)の増加。
本明細書で使用される場合、「再度感受性にすること(re−sensitizing)」とは、以前の治療(例えば、化学療法)レジメンに対して、以前に抵抗性であったか、非応答性であったか、または幾分応答性であった被験体を、その以前の治療(例えば、化学療法)レジメンに対して感受性に、応答性に、またはより応答性にすることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「少なくとも1種の式(I)の化合物」とは、式(I):
を有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前記の抗体のうちのいずれの薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される化合物を意味する。いくつかの実施形態において、式(I)を有する化合物のプロドラッグおよび誘導体は、Stat3インヒビターである。式(I)を有する化合物のプロドラッグの非限定的な例は、化合物番号4011および4012としてU.S. pre−grant Publication No. 2012/0252763に記載されるリン酸エステルおよびリン酸ジエステル、ならびに同様に、米国特許第9,150,530号に記載される適切な化合物である。式(I)を有する化合物の誘導体の非限定的な例としては、米国特許第8,977,803号に開示される誘導体が挙げられる。U.S. pre−grant Publication No. 2012/0252763ならびに米国特許第9,150,530号および同第8,977,803号の開示は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
式(I)を有し、以下
に示される化合物はまた、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナパブカシン、またはBBI608として公知であり得、その互変異性体を含む。
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(その結晶形態を含む)を調製するために適切な方法およびさらなるがん幹細胞性のインヒビターは、共有のPCT出願(WO 2009/036099、WO 2009/036101、WO 2011/116398、WO 2011/116399、およびWO 2014/169078として公開;各出願の内容は、本明細書に参考として援用される)に記載される。
用語「塩」とは、本明細書で使用される場合、無機および/または有機の酸および塩基とともに形成される酸性のおよび/または塩基性の塩を含む。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などがなしに、被験体の組織と接触した状態での使用に適しており、合理的な利益/リスク比に相応するそれらの塩をいう。薬学的に受容可能な塩は、当該分野で周知である。例えば、Berge et al.は、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1−19において薬学的に受容可能な塩を詳細に記載する。
薬学的に受容可能な塩は、無機酸または有機酸で形成され得る。適切な無機酸の非限定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸が挙げられる。適切な有機酸の非限定的な例としては、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、およびマロン酸が挙げられる。適切な薬学的に受容可能な塩の他の非限定的な例としては、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベシレート、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、ホルメート、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、グルコネート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロヨーダイド(hydroiodide)、2−ヒドロキシ−エタンスルホネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレエート、マロネート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スクシネート、スルフェート、タートレート、チオシアネート、p−トルエンスルホネート、ウンデカノエート、およびバレレート塩が挙げられる。いくつかの実施形態において、塩が得られ得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸が挙げられる。
塩は、その開示される化合物の単離および精製の間にインサイチュで、または別個に、例えば、その化合物と適切な塩基もしくは酸とを、それぞれ反応させることによって、調製され得る。塩基から得られる薬学的に受容可能な塩の非限定的な例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN+(C1−4アルキル)4塩が挙げられる。適切なアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩の非限定的な例としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、およびアルミニウムの塩が挙げられる。適切な薬学的に受容可能な塩のさらに非限定的な例としては、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される、非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。塩が得られ得る適切な有機塩基の非限定的な例としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミンを含む)、環式アミン、および塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミン)が挙げられる。いくつかの実施形態において、薬学的に受容可能な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩から選択され得る。
用語「溶媒和物」とは、本開示の化合物の1またはこれより多くの分子と1つまたは複数の溶媒の1またはこれより多くの分子とを含む集合体(aggregate)を表す。本開示の化合物の溶媒和物としては、例えば、水和物が挙げられる。
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、IV注入として毎週1回投与される。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、4週間ごとに3週間の間に、毎週、約80mg/m2で投与される。
本明細書で開示される上記少なくとも1種の化合物は、薬学的組成物の形態にあり得る。いくつかの実施形態において、上記薬学的組成物は、上記少なくとも1種の式(I)の化合物および少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。いくつかの実施形態において、上記薬学的組成物は、1またはこれより多くの化合物および少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアを含み得、ここでその1またはこれより多くの化合物は、被験体の中で上記少なくとも1種の式(I)の化合物へと変換され得る(すなわち、プロドラッグ)。
用語「キャリア」とは、本明細書で使用される場合、薬学的に受容可能な物質、組成物またはビヒクル(例えば、主題の薬学的化合物を、1つの器官または身体の部分から、別の器官または身体の部分へと運ぶかまたは輸送することに関わるかまたはそうすることが可能である、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒もしくは被包物質など)を意味する。各キャリアは、その製剤の他の成分と適合性でありかつその患者に有害でないという意味において「受容可能」でなければならない。薬学的に受容可能なキャリア、キャリア、および/または希釈剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースアセテート);粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス);油(例えば、ラッカセイ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);アガー;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;および薬学的製剤において使用される他の非毒性の適合性物質。湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびポリエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー)ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤および芳香剤(perfuming agent)、保存剤および抗酸化剤がまた、組成物の中に存在し得る。
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の化合物は、約160〜約1500mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約160〜約1000mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約300mg〜約700mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約700mg〜約1200mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約800mg〜約1100mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約850mg〜約1050mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約960mg〜約1000mgの範囲に及ぶ量で投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物の全量は、毎日1回投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約480mgの用量で毎日投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約960mgの用量で毎日投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約1000mgの用量で毎日投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物の全量は、分割用量で、毎日1回より多く(例えば、毎日2回(BID)またはより頻繁に)投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約80〜約750mgの範囲に及ぶ量で毎日2回投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約80〜約500mgの範囲に及ぶ量で毎日2回投与され得る。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約240mgの用量で毎日2回投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約480mgの用量で毎日2回投与される。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、約500mgの用量で毎日2回投与される。
経口投与に適した本明細書で開示される薬学的組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(風味を付けた基剤(flavored basis)、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、粉剤・散剤(powder)、顆粒剤、水性もしくは非水性の液体にある液剤、水性もしくは非水性の液体にある懸濁剤、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、エリキシル剤、シロップ剤、トローチ剤(不活性基剤(例えば、ゼラチン、グリセリン、スクロース、および/またはアカシア)を使用)および/または洗口液の形態にあり得、各々は、その少なくとも1種の本開示の化合物の所定の量を含む。
本明細書で開示される薬学的組成物は、ボーラス、舐剤、またはパスタ剤として投与され得る。
経口投与のための固体投与形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉剤・散剤、顆粒剤など)は、1種またはこれより多くの薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のうちのいずれか)と混合され得る:充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸);結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/もしくはアカシアなど);保湿剤(例えば、グリセロール);崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、炭酸ナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウム);溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン);吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);湿潤剤(例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、およびポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマーなど);吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ);滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物);ならびに着色剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記薬学的組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟質および硬質の充填皿チンカプセル中の充填剤として使用され得る。
経口投与のための液体投与形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられ得る。活性成分に加えて、その液体投与形態は、当該分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水もしくは他の溶媒など)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物)を含み得る。さらに、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、化合物を可溶化するために使用され得る。
上記薬学的組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、矯味矯臭剤、着色剤、芳香剤および保存剤などのアジュバントを含み得る。懸濁剤は、本開示に従う化合物に加えて、懸濁化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステルなど)、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにこれらの混合物を含み得る。
本明細書で開示される薬学的組成物は、直腸投与または腟投与のために、坐剤として提示され得、これは、本開示に従う1またはこれより多くの化合物と、1またはこれより多くの適切な非刺激性賦形剤またはキャリア(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックスまたはサリチレートを含む)とを混合することによって調製され得、室温で固体であるが、体温では液体であり、従って、直腸または腟の腔の中で融解し、本開示の化合物を放出する。腟投与に適した薬学的組成物はまた、適切であることが当該分野で公知のキャリアを含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、パスタ、フォームまたはスプレー製剤を含み得る。
本開示の薬学的組成物または薬学的錠剤の局所投与または経皮投与のための投与形態は、粉剤・散剤、スプレー、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤を含み得る。上記薬学的組成物または薬学的錠剤は、無菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリアと、および要求され得る任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合され得る。
上記軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤は、本開示の薬学的組成物または薬学的錠剤に加えて、賦形剤(例えば、動物性および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物)を含み得る。
粉剤・散剤およびスプレー剤は、本開示の薬学的組成物または薬学的錠剤に加えて、賦形剤(例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)を含み得る。さらに、スプレー剤は、習慣的な噴射剤(例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性の置換されていない炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン))を含み得る。
眼用の製剤、眼用軟膏剤、粉剤・散剤、液剤などはまた、本開示の範囲内であると企図される。
非経口投与に適した組成物は、少なくとももう1つの薬学的に受容可能な無菌で等張性の水性または非水性の液剤、分散剤、懸濁剤もしくはエマルジョン、または使用直前に無菌の注射用液剤または分散剤へと再構成され得る無菌粉剤・散剤を含み得、これは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、その製剤を意図したレシピエントの血液と等張性にする溶質または懸濁化剤もしくは濃化剤を含み得る。
種々の実施形態において、本明細書で記載される組成物は、式(I)の化合物およびその薬学的に受容可能な塩および溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに1またはこれより多くの界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、その界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、または1もしくはこれより多くのポリオキシグリセリドである。例えば、そのポリオキシグリセリドは、ラウロイルポリオキシグリセリド(ときおりGelucireTMともいわれる)またはリノレオイルポリオキシグリセリド(linoleoyl polyoxylglyceride)(ときおりLabrafilTMともいわれる)であり得る。このような組成物の例は、PCT特許出願番号PCT/US2014/033566(その内容は、その全体において本明細書に援用される)に示される。
上記のように、本明細書で開示される方法は、被験体における異常なStat3経路活性に関連する少なくとも1種の障害を処置し得る。異常なStat3経路活性は、リン酸化Stat3(「pStat3」)またはその代理の上流もしくは下流の調節因子の発現によって同定され得る。
上記Stat3経路は、サイトカイン(例えば、IL−6)に応答して、または1もしくはこれより多くのチロシンキナーゼ(例えば、EGFR、JAK、Abl、KDR、c−Met、Src、およびHer2)によって活性化され得る。Stat3の下流のエフェクターとしては、Bcl−xl、c−Myc、サイクリンD1、Vegf、MMP−2、およびサバイビンが挙げられるが、これらに限定されない。そのStat3経路は、表1に示されるように、広く種々のがんにおいて異常に活性であることが見出されている。持続して活性なStat3経路は、乳がんおよび肺がん、肝細胞癌、多発性骨髄腫のうちの1/2超において、ならびに頭頚部がんのうちの95%超において起こり得る。そのStat3経路の遮断は、インビトロおよび/またはインビボでのがん細胞成長の停止、アポトーシス、および転移頻度の低減を引き起こす。
いくつかの実施形態において、上記少なくとも1種の障害は、異常なStat3経路活性に関するがん(例えば、胃癌、食道胃接合部腺癌、結腸直腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、卵管がん、腹膜がん、頭頚部がん、黒色腫、胆管癌、および肺がん)から選択され得る。
近年の研究は、CSCが腫瘍を再生し得ることを開示している。これらのCSCは、継続した悪性成長、がん転移、再発、およびがん薬物抵抗性と機能的に関連していることを開示している。CSCおよびそれらの分化した子孫は、顕著に異なる生物学的特徴を有するようである。それらは、別個であるが希な集団として腫瘍の中に存続する。従来のがん薬物スクリーニングは、腫瘍塊の量の測定に依存しているので、そのCSCに対して特異的に作用する薬物を同定しない可能性がある。実際に、CSCは、標準的な化学療法に対して抵抗性であることが開示されており、標準的な化学療法処置後に富化され、このことから、難治性のがんおよび再発が生じ得る。CSCは、放射線療法に対して抵抗性であることも示されている。Baumann, M., et al. Nat. Rev. Cancer, 2008. 8(7): p. 545−54。CSCが単離されているその報告されたがんタイプとしては、乳がん、頭部がん、頸部がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、結腸直腸癌、前立腺がん、黒色腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、肝臓がん、髄芽腫、脳腫瘍、および白血病が挙げられる。Stat3は、CSC生存および自己再生因子として同定されている。従って、Stat3インヒビターは、CSCを殺滅し得るおよび/またはCSC自己再生を阻害し得る。いくつかの実施形態によれば、単数または複数のがん幹細胞は、自己再生能力を有しかつ腫瘍形成性であるCSCの微小な集団に言及する。
CSC生存および/または自己再生を阻害、低減、および/または減少させるための方法が本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の、少なくとも1種の式(I)の化合物を含む少なくとも1種の薬学的組成物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。CSC生存および/または自己再生を阻害、低減、および/または減少させるための方法が本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。
被験体において従来の化学療法および/または標的化治療に難治性の少なくとも1種のがんを処置するための方法がまた、本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。いくつかの実施形態において、その少なくとも1種の化合物は、薬学的組成物の中に含まれる。
外科手術、がん治療(oncology therapy)(例えば、化学療法)、および/または放射線療法に失敗した被験体において、再発性のがんを処置するための方法が本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。種々の実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、薬学的組成物の中に含まれる。
被験体においてがん転移を処置または防止するための方法がまた、本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。種々の実施形態において、上記少なくとも1種の式(I)の化合物は、薬学的組成物の中に含まれる。
被験体においてがんを処置するための方法が本明細書で開示され、上記方法は、治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物を、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物と組み合わせて投与することを包含する。種々の実施形態において、上記なくとも1種の式(I)の化合物は、薬学的組成物の中に含まれる。
いくつかの実施形態において、上記がんは、胃腺癌および食道胃腺癌、進行した胃腺癌および食道胃接合部腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頚部がん、黒色腫、肺がん、胆管癌、および膵臓がんから選択され得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、乳がん、卵巣がん、頭頚部がん、黒色腫、肺がん、胆管癌、および膵臓がんから選択され得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、胃腺癌でも食道胃接合部腺癌でもない。いくつかの実施形態において、そのがんは、転移膵臓腺癌である。いくつかの実施形態において、そのがんは、進行したトリプルネガティブ乳がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、進行した非小細胞肺がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、白金抵抗性卵巣がんである。いくつかの実施形態において、そのがんは、胆管癌である。
いくつかの実施形態において、上記がんは、進行性であり得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、難治性であり得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、再発性であり得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、転移性であり得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、Stat3の過剰発現と関連し得る。いくつかの実施形態において、そのがんは、核β−カテニン局在と関連し得る。
本明細書で開示される方法は、投与を必要とする被験体に、治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物および少なくとも1種の式(I)の化合物を投与することを包含する。
実施例1
がん幹細胞マーカーに対する2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、式(I)の化合物の効果を、がん異種移植片モデルにおいて、パクリタキセルありおよびなしで試験した。
ヒトがん細胞を、5〜7週齢の雌性無胸腺ヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが200mm3に達したときに、動物を、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(例えば、50mg/kg(BID)において、強制経口投与によって(n=3/群))、パクリタキセル、または2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンおよびパクリタキセルの組み合わせで処置した。腫瘍を最初の投与後24時間で採取した。
その採取した組織を、3.7% 中性緩衝化ホルムアルデヒド中、4℃において一晩固定した。パラフィン包埋し、約5ミクロンへと切断し、正に荷電したスライド上に固定した。ベーキングおよび脱パラフィンした後、腫瘍またはコントロール組織を有するそのスライドを、10mM クエン酸ナトリウム(pH6.0)中で10分間インキュベートした。抗原回復の後、スライドを、一次抗体P−STAT3(ウサギ, Cell Signaling, 1:100)、β−カテニン(マウス, Santa Cruz, 1:400)で、4℃において一晩プローブし、次いで、Alexa Fluor蛍光色素結合体化二次抗体(1:500, Invitrogen)でプローブした。マウントした後、ProLong封入剤を使用し、DAPI(Invitrogen)を用いたスライドを、Zeiss蛍光顕微鏡の下で20×対物レンズで検査し、Zenソフトウェアで分析した。
図5に示されるように、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン単独で、p−Stat3およびβ−カテニン両方の幹細胞マーカーの発現が劇的に低減した。対照的に、図6に示されるように、パクリタキセル単独で、幹細胞マーカーに関して増強した染色が生じ、これは、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの添加によって弱められた。
実施例2
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの効果を、ヒト肺がん異種移植片(A549)モデルにおいて試験した。ヒト肺がん細胞をマウスに移植し、その得られる腫瘍を所定のサイズへと成長させた。マウスを、ビヒクル、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(100mg/kg、毎日、経口)、パクリタキセル(10.0mg/kg、q3d、iv)、または2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(100mg/kg、毎日、経口)およびパクリタキセル(10.0mg/kg、q3d、iv)の組み合わせで経口的に処置した。その腫瘍サイズをモニターした。
図7に示されるように、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(「ナパブカシン」)単独およびパクリタキセル(「タキソール」)単独の両方は、コントロールと比較して代謝腫瘍容積を低減した。図7に示されるように、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンとパクリタキセルとの組み合わせは、両方の薬剤単独の相加的効果より、代謝腫瘍容積に対してより大きな効果を有した。従って、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンおよびパクリタキセルの組み合わせは、このヒト肺がん異種移植片モデルにおいて代謝腫瘍容積に対して驚くべき効果を有した。
実施例3
高度に前処置した(heavily pre-treated)転移膵臓腺癌を有する患者においてパクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、式(I)の化合物の効果を、フェーズIb/II延長試験において試験して、本明細書で開示される組み合わせの安全性、耐容性、および予備的抗がん活性を評価した。
オープンラベルのフェーズIb用量漸増試験において、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの安全性、耐容性および推奨されるフェーズ2用量(RP2D)を、進行固形腫瘍を有する成人患者において評価した。
そのフェーズII臨床試験に、患者を、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンのその予備的抗がん活性を決定するために、疾患特異的コホートへと登録した。
各コホートにおいてサンプルサイズ40は、病勢コントロール率(DCR)が60%〜80%と仮定して、90% CIの境界を±10%〜14%に設定した。
合計で、38〜82歳の高度に前処置した膵臓腺癌を有する41名の患者を、フェーズIb/II延長試験に登録した(表2を参照のこと)。表3に示されるように、これらの患者は、FOLFIRINOX(71%)、ゲムシタビン/nab−パクリタキセル(44%)、または両方(37%)を含む、2つの以前の処置ラインの中央値(a median of 2 prior lines of treatment)を受けた。大部分の患者は、ゲムシタビン/nab−パクリタキセルおよび/またはFOLFIRINOX処置に失敗した。全体的に、以前の療法は、ゲムシタビン(90%)、チミジル酸シンセターゼインヒビター(例えば、フルオロウラシル(5−FU)およびカペシタビン)(81%)、白金(76%)、イリノテカン(73%)、およびタキサン(44%)を含んだ。
その31名の評価可能な患者に、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを与えた。患者に、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの経口投与を毎日2回、パクリタキセルと一緒に与えた。具体的には、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを、4週間ごとの3週間の間に1時間にわたるIV注入として毎週投与される80mg/m2のパクリタキセルと組み合わせて、出発用量480mgまたは500mg BIDで投与した。客観的な腫瘍応答を、Response Evaluation Criteria In Solid Tumors(RECIST 1.1)を使用して、8週間ごとに評価した。
抗がん活性を、高度に前処置した転移膵臓腺癌を有する患者において観察した(図8、図9、および図10を参照のこと)。さらに、多くの患者は、「RECISTによる」進行の後、十分に処置を継続した。例えば、表4に示されるように、評価可能な患者(N=31)は、6% 奏効率(部分奏効(PR)+完全奏効(CR))を有した。この同じ群は、48% 病勢コントロール率(安定疾患(SD)+(PR)+(CR))を有した。その評価可能なタキサン未経験患者(N=19)は、11% 奏効率、63% 病勢コントロール率を有し(図8もまた参照のこと)、4名の患者は、CA19−9の>50% 減少を経験した。さらに、その評価可能なタキサン未経験患者のうちの16%は、24週間において無増悪であった。全体的に(治療意図(ITT), N=41)、メジアン無増悪生存期間(mPFS)は約10週間であり、メジアン全生存期間(mOS)は24週間であった(例えば、図9を参照のこと)。そのタキサン未経験患者(ITT, N=23)に関しては、mPFSは約16週間であり、mOSは約30週間であった(例えば、表5および図10を参照のこと)。比較において、進行した、毎週のパクリタキセル単独で以前処置した膵臓腺癌を有する患者に関するmOSは、以前に、約17.5週間であると報告された(Oettle et al, Anticancer Drugs, 11:635−638 (2000))。
この試験は、毎週のパクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(480mgまたは500mg BID)が、客観的応答、CA 19−9改善、長期の病勢コントロール、および驚くべき無増悪生存期間および全生存期間を含め、進行膵臓腺癌を有する患者において安全で、耐容性があり、抗腫瘍活性を有効に促進したことを示す。
この試験はさらに、毎週のパクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(480mgまたは500mg BID)が、タキサン未経験患者において抗腫瘍活性を有効に促進し、この前処置した集団において顕著な持続性のある病勢コントロールおよび長期の全生存を促進したことを示す。
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンおよびパクリタキセルの組み合わせは、十分に耐容性であった。表6に示されるように、グレード3の消化管有害事象は、下痢(N=2, 4.9%)、腹痛(N=2, 4.9%)、および悪心(N=1, 2.4%)を含んだ。これらの事象は、迅速に可逆的であった。
要するに、開示される併用療法は、有効な抗がん活性を提供し、その推奨されるフェーズ2用量(PR2D)の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンが480mg BIDであることを示した。
実施例4
以前の全身治療(以前のタキサンを含む)で進行した転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を有する患者においてパクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの効果を、フェーズIb/II試験において試験して、その併用の安全性、耐容性、および予備的な抗がん活性を評価した。
患者に、パクリタキセルと一緒に、毎日2回の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの経口投与を与えた。例えば、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを、4週間ごとの3週間の間にIV注入として毎週投与される80mg/m2のパクリタキセルと組み合わせて、用量480mg BIDで投与した。
サンプルサイズ40は、病勢コントロール率(DCR)が60%〜80%と仮定して、90% CIの境界を±10%〜14%に設定した。この実施例では、DCRは、少なくとも8週間にわたって安定疾患(SD)を有する患者の割合、またはRECIST 1.1による客観的な部分奏効(PR)もしくは完全奏効(CR)であった。
その35名の登録した患者は、以前のタキサンベースのレジメンにおいて進行してしまった33名の患者(94%)を含め、4つの以前の治療ラインの中央値を受けた。
パクリタキセルと一緒の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの組み合わせは、TNBCを有する患者において抗がん活性を示した。その評価可能な患者(N=32)に関して、例えば、その病勢コントロール率(DCR)は63%であり、総合奏効率(ORR)は19%であった。
治療意図集団(N=35)に関しては、メジアン無増悪生存期間(mPFS)は10.6週間であり、メジアン全生存期間(mOS)は37週間であった。
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン + 毎週のパクリタキセルの組み合わせは、用量制限毒性なしに十分に耐容性であった。この治療はまた、単剤療法としての各レジメンのものに類似の安全性プロフィールを示した。グレード3有害事象は、迅速に可逆的であり、下痢(N=3)、ならびに悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、および疲労(各々N=1)を含んだ。
このデータは、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン + 毎週のパクリタキセルが、タキサンベースのレジメンでの処置後に進行してしまった、高度に前処置したTNBCを有する患者において、安全で、耐容性があり、そして驚くべきことに抗がん活性の有望な徴候を生じたことを示す。いかなる特定の理論にも制限されないが、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの存在は、これら患者がタキサンベースのレジメンに抵抗性を発生させたかまたは発生させ始めた場合にすら、その患者をパクリタキセル処置に再度感受性にするようであった。
さらに、患者を試験して、がん幹細胞生体マーカーが処置転帰を予測するかどうかを決定した。そのがん幹細胞マーカーpStat3に関して陽性であった患者は、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンで処置した場合に、pStat3に関して陰性であった患者と比較して、より長いメジアン無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を一貫して示した。いかなる特定の理論にも制限されないが、pStat3が長期の生存の予測生体マーカーとして働くようにみえる。
実施例5
卵巣上皮がん、卵管がん、または腹膜がんを有する患者における、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの効果を、フェーズIb/II試験において試験して、その併用の安全性、耐容性、および予備的な抗がん活性を評価した。パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの推奨されるフェーズ2用量(RP2D)拡大試験は、白金抵抗性卵巣がん(PROC)を有する患者を含んだ。この試験に、以前のタキサンベースのレジメンにおいて進行し、白金治療に抵抗性または難治性であった、進行した卵巣上皮がん、卵管がん、または腹膜がんを有する患者を登録した。
患者に、パクリタキセルと一緒に、毎日2回の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの経口投与を与えた。具体的には、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを、4週間ごとの3週間の間にIV注入として毎週投与される80mg/m2のパクリタキセルと組み合わせて、用量240mg〜480mg BIDで投与した。
サンプルサイズ40は、病勢コントロール率(DCR)が60%〜80%と仮定して、90% CIの境界を±10%〜14%に設定した。この実施例では、DCRは、少なくとも8週間にわたって安定疾患(SD)を有する患者の割合、またはRECIST 1.1による客観的な部分奏効(PR)もしくは完全奏効(CR)であった。
合計で、56名の患者を、以前のタキサン(92% パクリタキセルのみ、4% ドセタキセルのみ、4% パクリタキセルおよびドセタキセル)を含む、4つの以前の治療ライン中央値後に登録した。
その評価可能な患者(N=40)は、68% DCRを有したので、抗がん活性を観察した。さらに、その患者のうちの40%は腫瘍退縮を経験し、CRを有する1名の患者を含め、総合奏効率(ORR)(PR+CR)は25%であった。評価する前に、2名の患者は、ニューロパシーに起因して、6名は他の有害事象から、5名は悪化から、2名は非遵守から、そして1名は心筋梗塞(関連しない)から中止した。
治療意図(ITT)患者(N=56)において、DCRは48%であり、総合奏効率は18%であった。さらに、メジアン無増悪生存期間(mPFS)は15週間であり、メジアン全生存期間(mOS)は38週間であった。
最大2つの以前の治療ラインを有する患者(N=11)において、総合奏効率は45%であった。
2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンおよびパクリタキセルの組み合わせは、用量制限毒性なしに十分に耐容性であり、安全性プロフィールは、単剤療法としての各レジメンのものに類似であった。グレード3有害事象は、迅速に可逆的な下痢(18%)、嘔吐(7%)、腹痛(7%)、悪心(5%)、脱水(<4%)、および疲労(<4%)を含んだ。グレード3有害事象を有する患者のうちの80パーセント(80%)は、低減した用量でその試験を継続した。
さらに、治験の患者の中で、著しい肝転移、顕著な腹水および2000のCA−125を有する患者(図11A)は、8週目に28% 退縮および16週目に49% 退縮(図11B)を、ならびに16週目に102のCA−125を示した。
よって、用量240〜480mg BIDの2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンは、抗がん活性を促進するために、毎週のパクリタキセルと安全に組み合わされた。具体的には、開示された組み合わせは、高度に前処置した卵巣がんを有する患者において受容可能な耐容性を示し、驚くべきことに、以前のタキサンベースのレジメンにおいて進行してしまった、高度に前処置したPROCを有する患者を含んだ。さらに、完全奏効および部分奏効、持続した病勢コントロール、長期の無増悪生存期間、および全生存期間が観察された。いかなる特定の理論にも制限されないが、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの存在は、これらの患者がタキサンベースのレジメンに抵抗性を発生させたかまたは発生させ始めた場合にすら、その患者をパクリタキセル処置に再度感受性にするようであった。
実施例6
パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの効果を、臨床的に評価した。進行固形腫瘍を有する患者のフェーズIb用量漸増試験において、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン + 毎週のパクリタキセルは、十分に耐容性であった。疾患特異的コホートに生じる(accrual)フェーズIIに、進行した、高度に前処置した転移非小細胞肺がん(NSCLC)を有する患者を含めた。
以前の全身治療で進行してしまった、転移扁平上皮性または非扁平上皮性NSCLCを有する患者を登録して、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン + 毎週のパクリタキセルの安全性、耐容性、および予備的抗がん活性を評価した。
患者に、パクリタキセルと一緒に、毎日2回の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの経口投与を与えた。例えば、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを、4週間ごとの3週間の間にIV注入として毎週投与される80mg/m2のパクリタキセルと組み合わせて、出発用量240mg BIDで投与した。
サンプルサイズ40は、病勢コントロール率(DCR)が60%〜80%と仮定して、90% CIの境界を±10%〜14%に設定した。この実施例では、DCRは、少なくとも8週間にわたって安定疾患(SD)を有する患者の割合、またはRECIST 1.1による客観的な部分奏効(PR)もしくは完全奏効(CR)であった。
この試験では、27名の患者を、3つの以前の全身処置ラインの中央値数で登録した。登録した患者のうちの26名(96%)は、以前のタキサンベースの治療を受けたことがあった。それらの患者のうちの全てが、その以前のタキサン治療で進行してしまった。
本明細書で開示される併用処置は、抗がん活性を示した。評価可能な患者(N=19)に関しては、そのDCRは79%であった。さらに、その患者のうちの37%は腫瘍退縮を経験し、客観的な部分奏効(PR)は16%であった。
評価可能な非扁平上皮患者(N=15)に関しては、そのDCRは87%であった。腫瘍退縮は、その患者のうちの47%において起こり、PRは、20%において起こった。
全体的に、DCRは、治療意図(ITT)患者(N=27)において56%であった。腫瘍退縮は、その患者のうちの26%においておこり、PRは、11%において起こった。メジアン無増悪生存期間(mPFS)は16週間であり、メジアン全生存期間(mOS)は34週間であった。
非扁平上皮患者(治療意図(ITT), N=22)に関しては、mPFSは17週間であり、mOSは37週間であった。
本明細書で開示される併用処置は、十分に耐容性であった。関連のあるグレード3有害事象は、下痢(N=1)および低ナトリウム血症(N=1)を含め、迅速に可逆的であった。
まとめると、パクリタキセルと組み合わせた出発用量240mg BIDの2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンは、抗がん活性を生じた。具体的には、客観的応答、腫瘍退縮、持続性のある病勢コントロール、長期の無増悪生存期間、および全生存期間は、高度に前処置したNSCLCを有する患者において観察された。よって、これらの結果は、タキサン難治性患者において、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの安全性、耐容性、および抗がん活性を示した。いかなる特定の理論にも制限されないが、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの存在は、これらの患者がタキサンベースのレジメンに抵抗性を発生させたかまたは発生させ始めた場合にすら、その患者をパクリタキセル処置に再度感受性にするようであった。
さらに、患者を試験して、がん幹細胞生体マーカーが処置転帰を予測するかどうかを決定した。がん幹細胞マーカーpStat3に関して陽性であった患者は、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンで処置した場合に、pStat3に関して陰性であった患者と比較して、より長い生存(OS)を一貫して示した。いかなる特定の理論にも制限されないが、pStat3が長期の生存の予測生体マーカーとして働くようである。
実施例7
黒色腫、小細胞肺がん、または胆管癌を有する患者における、パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの効果を、フェーズIb/II試験において試験して、その併用の安全性、耐容性、および予備的抗がん活性を評価した。パクリタキセルと組み合わせた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの推奨されるフェーズ2用量(RP2D)拡大試験に、これらのがんを有する患者を含めた。この試験に、進行した黒色腫、小細胞肺がん、または胆管癌を有する患者を登録した。
患者に、パクリタキセルと一緒に、毎日2回の2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの経口投与を与えた。具体的には、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを、4週間ごとの3週間の間にIV注入として毎週投与される80mg/m2のパクリタキセルと組み合わせて、用量240mg〜480mg BIDで投与した。
サンプルサイズ40は、病勢コントロール率(DCR)が60%〜80%と仮定して、90% CIの境界を±10%〜14%に設定した。この実施例では、DCRは、少なくとも8週間にわたって安定疾患(SD)を有する患者の割合、またはRECIST 1.1による客観的な部分奏効(PR)もしくは完全奏効(CR)であった。
黒色腫、小細胞肺がん、および胆管癌を有する患者は、それぞれ、73%、38%、および41%の評価可能なDCRを示した;黒色腫および小細胞肺がんを有する患者は、それぞれ、9%および14%の評価可能なORRを示した。小細胞肺がんを有する患者の中で、その評価可能な患者のうちの29%が、退縮を示した。
実施例8
ナパブカシンは、ファースト・イン・クラスのがん幹細胞性のインヒビターであり、これがSTAT3駆動遺伝子転写およびがん幹細胞の球状化(spherogenesis)を阻害する能力によって同定される(Li et al PNAS 112 (6):1839, 2015)。ナパブカシン + パクリタキセルの相乗作用的抗腫瘍活性は、前臨床試験および早期の臨床試験において観察された。そのSTAT3経路は、胸腺癌および胸腺腫(処置選択肢がわずかな希少がん)において重要と考えられる。ファーストラインにおいて、カルボプラチン−パクリタキセルでの客観的奏効率(ORR、RECISTによる部分奏効[PR]+完全奏効[CR])は、胸腺癌において22%、および胸腺腫において43%であった(Gemma, 2011)。フェーズ1bコホートを確立して、これらの患者においてナパブカシン + パクリタキセルの活性の安全性および予備的徴候を評価した。
以前に処置した、進行胸腺腫または胸腺癌を有する患者を、ナパブカシン(240〜480mg 毎日2回経口) + パクリタキセル(4週間ごとの3週間の間に毎週80mg/m2 IV)に登録した。有害事象を、CTCAE v4.03を使用して評価し、腫瘍評価を、 RECIST 1.1による8週間ごとに得た。
3つの以前の全身治療ライン中央値を伴う合計9名の患者(胸腺癌=5、胸腺腫=4)を登録した。胸腺癌では、その出発ナパブカシン用量は480mg BID(n=2)、および240mg BID(n=3)であった。処置は十分に耐容性であったが、1名の患者は、用量低減を必要とした。グレード3のAEは報告されなかった。データカットオフの時点で、3名の患者は、進行に伴って試験終了であり、2名は、処置中である。PRを、5名の患者のうちの4名において観察し(ORR=80%)、メジアン処置時間は、>7.0ヶ月であった。胸腺腫では、4名の患者に、ナパブカシン 240mg BIDを与えた。AEは、1名の患者においてグレード3の下痢および脱水を含んだ。データカットオフの時点で、1名の患者は、進行に伴って試験終了であり、2名は、死亡し(腸穿孔;アイザックス症候群に二次的な自己免疫心筋炎)、1名の患者は処置中である。PRは、1名の患者において観察された(ORR 25%)。
ナパブカシン + 毎週のパクリタキセルは、臨床的安全性、ならびに進行した胸腺癌および胸腺腫を有する患者において抗腫瘍活性の励みになる徴候を示した。その併用レジメンのさらなる臨床評価は、この集団において保証される。
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲によって、本開示の趣旨および範囲内に入る本開示の全てのこのような特徴および利点を網羅することが意図される。さらに、多くの改変およびバリエーションは当業者に容易に想到されることから、本開示を、例証されかつそれに応じて記載される正確な構成および実施に限定することは望まれず、全ての適切な改変および均等物は、本開示の範囲内に入り、頼ることができる。
Claims (11)
- 進行胸腺腫または胸腺癌に罹患している被験体を処置するための方法であって、該方法は、該被験体に、
治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物:
治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物、
を投与することを包含し、ここで該少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、毎週投与される方法。 - 少なくとも1種の以前のタキサンレジメンにおいて進行してしまった、進行胸腺腫または胸腺癌に罹患している被験体を処置するための方法であって、該方法は、該被験体に、
治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物:
治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物
を投与することを包含し、ここで該少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、毎週投与される方法。 - 進行胸腺腫または胸腺癌に罹患している被験体を、少なくとも1種の以前のタキサン療法レジメンに対して再度感受性にするための方法であって、該方法は、該被験体に、
治療上有効な量の少なくとも1種の式(I)の化合物:
治療上有効な量の、パクリタキセル、その薬学的に受容可能な塩、および前記のもののうちのいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種のパクリタキセル化合物、
を投与することを包含し、ここで該少なくとも1種のパクリタキセル化合物は、毎週投与される方法。 - 前記式(I)の化合物および前記パクリタキセル化合物は、被験体に、同時におよび/または逐次的に投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記パクリタキセル化合物は、4週間ごとに3週間の間に、毎週、約80mg/m2で投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記式(I)の化合物は、約480mg〜960mgの量で毎日投与される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記式(I)の化合物は、単一用量または分割用量で投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記進行胸腺腫または胸腺癌は、難治性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記進行胸腺腫または胸腺癌は、ゲムシタビン、チミジル酸シンセターゼインヒビター、白金、イリノテカン、およびタキサンから選択される1またはこれより多くの以前の療法に難治性である、請求項8に記載の方法。
- 前記進行胸腺腫または胸腺癌は、再発性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記進行胸腺腫または胸腺癌は、転移性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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