JP6006001B2 - 脱脂システム - Google Patents

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本発明は、脱脂システムに関し、詳しくは、マイクロバブルを含んだ脱脂液により脱脂対象物を脱脂するための脱脂システムに関する。
従来、自動車などの塗装においては、塗料の塗着性を向上させる観点から、塗装前の車体を脱脂液に浸漬させ、車体を脱脂させる脱脂システムが採用されている。
このような脱脂システムにおいては、通常、脱脂液として、薬液および希釈剤(例えば、硬水など)の混合液が用いられており、また、脱脂効率の向上を図るため、空気をマイクロバブル化し、得られるマイクロバブルを、脱脂液に供給することが知られている。
一方、空気から得られるマイクロバブルを脱脂液に供給すると、そのマイクロバブル中の二酸化炭素によって薬液が酸化する場合がある。すなわち、通常、マイクロバブルが脱脂液中に供給されると、マイクロバブル中の二酸化炭素が脱脂液中に溶解され、陽イオンを生成させ、その陽イオンが酸化剤となって薬液を酸化させる場合がある。
そして、このような脱脂システムにおいて、薬液が酸化すると、脱脂性能が低下することが知られており、そのため、薬液の酸化を抑制する方法が、種々検討されている。
例えば、製品を浸漬して脱脂を行うための薬液を貯留する脱脂槽と、脱脂槽にマイクロバブルを含む薬液を供給するマイクロバブル供給手段と、製品の脱脂を行うことにより脱脂槽の薬液表面に浮上した泡沫と、当該薬液表面近傍の薬液とを集めて、当該薬液から油分を分離する油水分離装置と、脱脂槽の薬液表面に浮上した泡沫を除去するために、当該薬液表面近傍に薬液の表面流を発生させる表面流発生手段と、マイクロバブル供給手段にてマイクロバブルを発生させるために用いるエアーから二酸化炭素を除去する二酸化炭素除去手段とを有する脱脂システムが提案されており、より具体的には、二酸化炭素除去手段として、二酸化炭素除去用のアルカリ性溶液内にエアーを導入し、バブリングさせて二酸化炭素を除去し、薬液の酸化を抑制する方法が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−173086号公報
しかしながら、特許文献1に記載される脱脂システムは、マイクロバブル発生装置の他に、別途、アルカリ性溶液内にエアーを導入してバブリングさせるためのバブリング装置や、二酸化炭素除去後のエアーを貯留するための貯留槽などを必要とするため、設備が高価であるという不具合がある。また、上記の脱脂システムでは、脱脂とは別途、二酸化炭素を除去するという工程が必要であるため、作業性に劣り、さらに、二酸化炭素を除去するために、バブリング装置においてアルカリ性溶液を消費するので、ランニングコストが高くなるという不具合がある。
本発明の目的は、作業性よく低コストで薬液の酸化を抑制することができ、脱脂効率の向上を図ることができる脱脂システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の脱脂システムは、脱脂対象物を、薬液およびアルカリ電解水を含有する脱脂液に浸漬するための脱脂槽と、前記脱脂液にマイクロバブルを混入させるためのマイクロバブル供給装置と、前記脱脂槽に前記薬液を供給するための薬液供給装置と、前記脱脂槽に前記アルカリ電解水を供給するためのアルカリ電解水供給装置とを備えることを特徴としている。
本発明の脱脂システムでは、脱脂液に薬液およびアルカリ電解水が含有されるので、マイクロバブルに二酸化炭素が含有されている場合にも、その二酸化炭素により生成される陽イオンと、アルカリ電解水中の陰イオンとを反応させることができる。そのため、陽イオンを捕捉することができ、薬液の酸化を抑制することができる。
すなわち、本発明の脱脂システムでは、バブリング装置やエアー貯留槽などを設けることなく、さらには、アルカリ性溶液などを消費することなく、低コストで、二酸化炭素による薬液の酸化を抑制することができる。
また、このような脱脂システムでは、通常、脱脂対象物を、脱脂槽内において脱脂液に浸漬するが、その脱脂対象物を脱脂液から取り出すときに、脱脂液が脱脂対象物に伴って脱脂槽から取り出され、脱脂槽内の脱脂液が減少する。そのため、通常、所定のタイミングで脱脂液の量が確認され、脱脂液が補給されている。
この点、本発明の脱脂システムでは、薬液供給装置およびアルカリ電解水供給装置により、薬液およびアルカリ電解水を補給することによって、脱脂液を補給することができる。また、このときに、アルカリ電解水を薬液と混合できるので、別工程を要することなく、脱脂液を供給すると同時に、薬液の酸化を抑制することができる。
そのため、本発明の脱脂システムによれば、作業性よく、低コストで薬液の酸化を抑制することができ、脱脂効率の向上を図ることができる。
また、本発明の脱脂システムは、さらに、前記脱脂槽に前記脱脂液を供給するための脱脂液供給装置を備え、前記薬液供給装置および前記アルカリ電解水供給装置が、前記脱脂液供給装置に備えられていることが好適である。
このような脱脂システムでは、脱脂液供給装置が備えられており、その脱脂液供給装置に薬液供給装置およびアルカリ電解水供給装置が備えられている。そのため、脱脂液供給装置に対して、薬液供給装置およびアルカリ電解水供給装置から、薬液およびアルカリ電解水を供給でき、脱脂液供給装置において、脱脂液を予め調製することができる。
その結果、このような脱脂システムによれば、薬液およびアルカリ電解水の配合割合を精密にコントロールすることができ、より計画的に低コスト化を図ることができる。
本発明の脱脂システムによれば、脱脂液に薬液およびアルカリ電解水が含有されており、それら薬液およびアルカリ電解水は、薬液供給装置およびアルカリ電解水供給装置により脱脂槽に供給される。
そのため、本発明の脱脂システムによれば、脱脂液を供給すると同時に、作業性よく、低コストで薬液の酸化を抑制することができ、脱脂効率の向上を図ることができる。
図1は、本発明の脱脂システムの第1実施形態を示す概略構成図である。 図2は、本発明の脱脂システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
図1は、本発明の脱脂システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
図1において、脱脂システム1は、脱脂対象物が塗装工程前の自動車のボディ11であり、そのボディ11を、薬液およびアルカリ電解水を含有する脱脂液2によって脱脂洗浄するためのシステムとして構成されている。
具体的には、脱脂システム1は、脱脂対象物としてのボディ11を脱脂液2に浸漬させるための脱脂槽3と、脱脂液2にマイクロバブルを混入させるためのマイクロバブル供給装置4と、脱脂槽3に薬液を供給するための薬液供給装置5と、脱脂槽3にアルカリ電解水を供給するためのアルカリ電解水供給装置6とを備えている。
脱脂槽3は、ボディ11を浸漬させて脱脂洗浄するための浸漬槽であって、上部が開口されており、脱脂液2を所定量(例えば、1〜200トン)貯留可能としている。
脱脂液2は、ボディ11を脱脂するための薬液と、薬液を希釈するためのアルカリ電解水とを含有している。
薬液としては、特に制限されず、例えば、界面活性剤やアルカリビルダー(洗浄助剤)などを含有する公知の薬液を用いることができる。
アルカリ電解水は、薬液を希釈するための希釈剤であって、特に制限されないが、例えば、水の電気分解により得られる公知のアルカリ性の電解水を用いることができる。
アルカリ電解水のpHは、脱脂液2の酸化を効率良く抑制する観点から、例えば、10〜13、好ましくは、11〜13である。とりわけ、アルカリ電解水を安価に入手し、低コスト化を図る観点から、アルカリ電解水のpHとして、より好ましくは、11程度である。
なお、アルカリ電解水を水の電気分解により得る場合、酸性水が副生する。このような酸性水は、詳述しないが、例えば、電着塗装工程において用いられる電着ハンガーの洗浄などに用いることができ、これにより、さらなる低コスト化を図ることができる。
また、脱脂液2は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、薬液を希釈する希釈剤として、さらに、非アルカリ電解水を含有することができる。
非アルカリ電解水は、アルカリ電解水とは異なり、非アルカリ性の水であって、例えば、硬水などが挙げられる。
非アルカリ電解水(例えば、硬水など)は、通常、アルカリ電解水より安価であるため、薬液を希釈する希釈剤としてアルカリ電解水と非アルカリ電解水とを併用することにより、低コスト化を図ることができる。
薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により配合される非アルカリ電解水の配合割合は、脱脂効率の観点から、例えば、脱脂液2の全アルカリ度が、例えば、10〜20ポイント、好ましくは、10〜12ポイントとなり、また、pHが、例えば、11以上、好ましくは、11〜12となるように、適宜設定される。
なお、全アルカリ度とは、アルカリ性の度合いであって、具体的には、指示薬(ブロムフェノールブルー)を用いて、強酸(0.1N塩酸)で中和滴定するときの強酸の使用量から、公知の方法により算出される。
薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により配合される非アルカリ電解水の配合割合として、より具体的には、例えば、薬液100質量部に対して、アルカリ電解水が、例えば、10〜200質量部、好ましくは、50〜100質量部である。また、非アルカリ電解水が、配合される場合には、薬液100質量部に対して、非アルカリ電解水が、例えば、190質量部以下、好ましくは、100〜180質量部である。
マイクロバブル供給装置4は、脱脂槽3に対して脱脂液2を循環させる循環ライン7と、循環ライン7に介装された循環ポンプ8と、その循環ポンプ8よりも還流方向下流側において、循環ライン7に介装された発生器本体9とを備えている。
循環ライン7は、上流側端部および下流側端部が、脱脂槽3に接続され、それらの途中部分が脱脂槽3外に配置されている。循環ライン7は、循環ポンプ8の駆動によって、脱脂槽3に対して脱脂液2を循環させる。
より具体的には、循環ライン7の上流側端部は、脱脂槽3に連通するように接続されており、その接続部分における開口端が、吸引口とされている。そして、後述する循環ポンプ8の駆動によって脱脂液2が吸引口から循環ライン7に吸引可能とされ、発生器本体9に供給可能とされている。
また、循環ライン7の下流側端部は、脱脂槽3に連通するように接続されており、その接続部分における開口端が、吐出口とされている。そして、後述する発生器本体9において発生されたマイクロバブルを含有する脱脂液2が、吐出口から脱脂槽3内に吐出可能とされている。
循環ポンプ8としては、特に制限されず、公知のポンプを用いることができる。
発生器本体9は、公知のマイクロバブル発生装置であって、大気(エアー)を吸引可能としており、そのエアーによりマイクロバブルを発生させ、マイクロバブルを、循環ライン7を介して循環される脱脂液2に混入可能としている。
なお、脱脂液2に混入されるマイクロバブルとは、気泡径が、例えば、100μm以下の気泡のことであり、この脱脂液2には、例えば、気泡径が1〜50μmのマイクロバブルが、1,000,000〜2,000,000個/ccの密度で混入されることが好ましい。
薬液供給装置5は、脱脂槽3に薬液を供給するための装置であって、薬液貯留タンク13と、薬液供給ライン14とを備えている。
薬液貯留タンク13は、特に制限されず、公知の容器が用いられる。
薬液供給ライン14は、薬液貯留タンク13から薬液を脱脂槽3内に供給するための配管であって、一方側端部が薬液貯留タンク13に接続されるとともに、他方側端部が脱脂槽3に向かって開放されている。
また、薬液供給ライン14の流れ方向途中には、その薬液供給ライン14を開閉するための薬液供給ライン開閉弁15、および、薬液を供給するための薬液供給ポンプ16が設けられている。
アルカリ電解水供給装置6は、脱脂槽3にアルカリ電解水を供給するための装置であって、アルカリ電解水貯留タンク17と、アルカリ電解水供給ライン18とを備えている。
アルカリ電解水貯留タンク17は、特に制限されず、公知の容器が用いられる。
アルカリ電解水供給ライン18は、アルカリ電解水貯留タンク17からアルカリ電解水を脱脂槽3内に供給するための配管であって、一方側端部がアルカリ電解水貯留タンク17に接続されるとともに、他方側端部が脱脂槽3に向かって開放されている。
また、アルカリ電解水供給ライン18の流れ方向途中には、そのアルカリ電解水供給ライン18を開閉するためのアルカリ電解水供給ライン開閉弁19、および、アルカリ電解水を供給するためのアルカリ電解水供給ポンプ20が設けられている。
また、この脱脂システム1は、さらに、非アルカリ電解水供給装置21を備えることができる。
非アルカリ電解水供給装置21は、脱脂槽3に非アルカリ電解水を供給するための装置であって、非アルカリ電解水貯留タンク22と、非アルカリ電解水供給ライン23とを備えている。
非アルカリ電解水貯留タンク22は、特に制限されず、公知の容器が用いられる。
非アルカリ電解水供給ライン23は、非アルカリ電解水貯留タンク22から非アルカリ電解水を脱脂槽3内に供給するための配管であって、一方側端部が非アルカリ電解水貯留タンク22に接続されるとともに、他方側端部が脱脂槽3に向かって開放されている。
また、非アルカリ電解水供給ライン23の流れ方向途中には、その非アルカリ電解水供給ライン23を開閉するための非アルカリ電解水供給ライン開閉弁24、および、非アルカリ電解水を供給するための非アルカリ電解水供給ポンプ25が設けられている。
以下において、上記の脱脂システム1を用いてボディ11を脱脂する方法について、詳述する。
この方法では、まず、薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により非アルカリ電解水を所定の割合で混合し、脱脂液2を脱脂槽3に供給する。
具体的には、例えば、薬液供給ライン開閉弁15を開とし、薬液供給ポンプ16を駆動させることにより、予め設定された所定量の薬液を、薬液貯留タンク13から薬液供給ライン14を介して、脱脂槽3に供給する。
また、これとともに、アルカリ電解水供給ライン開閉弁19を開とし、アルカリ電解水供給ポンプ20を駆動させることにより、予め設定された所定量のアルカリ電解水を、アルカリ電解水貯留タンク17からアルカリ電解水供給ライン18を介して、脱脂槽3に供給する。
さらに、必要により、非アルカリ電解水供給ライン開閉弁24を開とし、非アルカリ電解水供給ポンプ25を駆動させることにより、予め設定された所定量の非アルカリ電解水を、非アルカリ電解水貯留タンク22から非アルカリ電解水供給ライン23を介して、脱脂槽3に供給する。
これにより、脱脂槽3内において、薬液がアルカリ電解水(および非アルカリ電解水)によって希釈され、脱脂液2が調製される。
なお、脱脂槽3に脱脂液2が所定量供給されると、上記の各開閉弁(薬液供給ライン開閉弁15、アルカリ電解水供給ライン開閉弁19および非アルカリ電解水供給ライン開閉弁24)がそれぞれ閉とされ、また、各供給ポンプ(薬液供給ポンプ16、アルカリ電解水供給ポンプ20および非アルカリ電解水供給ポンプ25)が、停止される。これにより、脱脂液2の供給が停止される。
次いで、この方法では、循環ポンプ8を駆動させることにより、循環ライン7の吸引口から脱脂液2を吸引し、脱脂液2を脱脂槽3に対して循環ライン7を介して循環させるとともに、発生器本体9を作動させる。これにより、脱脂液2を、循環ライン7を介して循環させ、その脱脂液2内にマイクロバブルを発生させるとともに、マイクロバブルを含む脱脂液2を、吐出口を介して脱脂槽3に供給する。これにより、脱脂液2に、マイクロバブルが混入される。
次いで、この方法では、ボディ11を、図示しない搬送手段、例えば、図示しないハンガーおよびハンガーレールによって脱脂システム1の脱脂槽3の上方に搬送し、図1において矢印Inで示すように、ボディ11を下降させ、脱脂液2中に浸漬させる。
このとき、脱脂槽3内には、マイクロバブルを含む脱脂液2が供給されているので、マイクロバブルが、ボディ11表面やボディ11内部(例えば、袋状構造のボディ11内部)に供給される。そして、ボディ11に付着している油分や不純物(汚れ成分など)が、マイクロバブルに取り込まれ、マイクロバブルとともに脱脂液2の表面に浮上する。これにより、ボディ11から、油分や不純物が除去(脱脂)される。
そして、脱脂されたボディ11は、図1において矢印Outで示すように、図示しない搬送手段によって搬送され、脱脂液2から取り出された後、次工程(例えば、塗装工程など)に供される。
このとき、ボディ11に伴って、脱脂液2が脱脂槽3から取り出され、これによって、脱脂槽3内の脱脂液2が減少する。
また、マイクロバブルに伴って脱脂液2の表面に浮上した油分や不純物は、脱脂槽3から除去される。このとき、油分や不純物とともに、脱脂液2が脱脂槽3から除去されるので、脱脂槽3内の脱脂液2が減少する。
そのため、この脱脂システム1では、脱脂槽3に脱脂液2を供給(補給)する。
具体的には、まず、所定のタイミングで脱脂液2の量を確認し、そして、脱脂槽3内の脱脂液2が、所定量以下(例えば、液面基準から−5cm)となっていることが確認されたときに、薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により非アルカリ電解水を脱脂槽3に供給(補給)し、これによって、減少した脱脂液2を供給(補給)する。
薬液を供給(補給)するには、上記と同様に、薬液供給ライン開閉弁15を開とし、薬液供給ポンプ16を駆動させる。これにより、予め設定された所定量の薬液を、薬液貯留タンク13から薬液供給ライン14を介して、脱脂槽3に供給する。
また、アルカリ電解水を供給(補給)するには、上記と同様に、アルカリ電解水供給ライン開閉弁19を開とし、アルカリ電解水供給ポンプ20を駆動させる。これにより、予め設定された所定量のアルカリ電解水を、アルカリ電解水貯留タンク17からアルカリ電解水供給ライン18を介して、脱脂槽3に供給する。
また、非アルカリ電解水を供給(補給)するには、上記と同様に、非アルカリ電解水供給ライン開閉弁24を開とし、非アルカリ電解水供給ポンプ25を駆動させる。これにより、予め設定された所定量の非アルカリ電解水を、非アルカリ電解水貯留タンク22から非アルカリ電解水供給ライン23を介して、脱脂槽3に供給する。
薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により供給される非アルカリ電解水の供給量は、脱脂液2の全アルカリ度およびpHが上記範囲となるように、適宜設定される。
なお、薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により供給される非アルカリ電解水は、同時に供給してもよく、また、別のタイミングで供給してもよい。
以上のようにして、この脱脂システム1では、ボディ11を脱脂し、また、その脱脂により減少する脱脂液2を、適宜のタイミングで供給(補給)することができる。
このような脱脂システム1において、例えば、マイクロバブルを脱脂液2に混入させない場合には、通常、ボディ11を脱脂するために、脱脂液2の全アルカリ度を22〜25ポイントと比較的高く設定する必要がある。しかし、脱脂液2の全アルカリ度を比較的高くするには、薬液を多量に使用する必要があり、また、全アルカリ度が比較的高いと、脱脂後のボディ11を電着塗装する場合などに、ボディ11に付着する脱脂液2が、電着塗料のアルカリ凝集などを惹起し、凝集物によるブツなどを生じる不具合がある。
一方、上記の脱脂システム1では、脱脂液2にマイクロバブルが混入されるので、脱脂液2の全アルカリ度を上記範囲、具体的には、約1/2程度に低くした場合にも、十分に効率良くボディ11を脱脂することができる。そのため、このような脱脂システム1によれば、薬液の使用量を低減して、低コスト化を図ることができ、また、脱脂液2による電着塗料のアルカリ凝集を抑制することができ、ブツなどの発生を低減することができる。
この点、単に脱脂液2にマイクロバブルを混入させると、マイクロバブル中の二酸化炭素が脱脂液2中に溶解され、陽イオンを生成させ、pHを低下させるとともに、その陽イオンが酸化剤となって薬液を酸化させる場合がある。
しかしながら、この脱脂システム1では、脱脂液2に薬液およびアルカリ電解水が含有されるので、マイクロバブルに二酸化炭素が含有されている場合にも、その二酸化炭素により生成される陽イオンと、アルカリ電解水中の陰イオンとを反応させることができる。そのため、陽イオンを捕捉することができ、薬液の酸化を抑制することができる。
とりわけ、この脱脂システム1では、バブリング装置やエアー貯留槽などを設けることなく、さらには、アルカリ性溶液などの副資材を消費することなく、低コストで、二酸化炭素による薬液の酸化を抑制することができる。
さらに、上記したように、このような脱脂システム1では、通常、脱脂対象物(ボディ11)を、脱脂槽3内において脱脂液2に浸漬するが、その脱脂対象物(ボディ11)を脱脂液2から取り出すときに、脱脂液2が脱脂対象物(ボディ11)に伴って脱脂槽3から取り出され、脱脂槽3内の脱脂液2が減少する。そのため、通常、所定のタイミングで脱脂液2の量が確認され、脱脂液2が補給されている。
この点、上記の脱脂システム1では、薬液供給装置5およびアルカリ電解水供給装置6により、薬液およびアルカリ電解水を補給することによって、脱脂液2を補給することができ、また、このときに、アルカリ電解水を薬液と混合できるので、別工程を要することなく、脱脂液2を供給すると同時に、薬液の酸化を抑制することができる。
そのため、この脱脂システム1によれば、作業性よく、低コストで薬液の酸化を抑制することができ、脱脂効率の向上を図ることができる。
図2は、本発明の脱脂システムの第2実施形態を示す概略構成図である。なお、図2において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図2において、脱脂システム1は、さらに、脱脂槽3に脱脂液2を供給するための脱脂液供給装置26を備えている。
脱脂液供給装置26は、脱脂槽3に脱脂液2を供給するための装置であって、脱脂液貯留タンク27と、脱脂液供給ライン28とを備えている。
脱脂液貯留タンク27は、特に制限されず、公知の容器が用いられる。また、脱脂液貯留タンク27には、混合装置(図示せず)が備えられている。
脱脂液供給ライン28は、脱脂液貯留タンク27から脱脂液を脱脂槽3内に供給するための配管であって、一方側端部が脱脂液貯留タンク27に接続されるとともに、他方側端部が脱脂槽3に向かって開放されている。
また、脱脂液供給ライン28の流れ方向途中には、その脱脂液供給ライン28を開閉するための脱脂液供給ライン開閉弁29、および、脱脂液を供給するための脱脂液供給ポンプ30が設けられている。
そして、この脱脂液供給装置26には、上記の薬液供給装置5およびアルカリ電解水供給装置6、さらに、必要により備えられる非アルカリ電解水供給装置21が接続されている。
具体的には、脱脂液貯留タンク27に、薬液供給ライン14の下流側端部、および、アルカリ電解水供給ライン18の下流側端部、さらに、必要により備えられる非アルカリ電解水供給ライン23の下流側端部が、それぞれ接続されている。
そして、このような脱脂システム1においても、上記と同様に、ボディ11の脱脂に伴って、脱脂槽3内の脱脂液2が減少する。
そのため、この脱脂システム1でも、脱脂槽3に脱脂液2を供給(補給)する。
具体的には、まず、所定のタイミングで脱脂液2の量を確認し、そして、脱脂槽3内の脱脂液2が、所定量以下(例えば、液面基準から−5cm)となっていることが確認されたときに、脱脂液貯留タンク27から脱脂液2を脱脂槽3に供給(補給)する。
より具体的には、この脱脂システム1では、まず、薬液供給ライン開閉弁15を開とし、薬液供給ポンプ16を駆動させる。これにより、予め設定された所定量の薬液を、薬液貯留タンク13から薬液供給ライン14を介して、脱脂液貯留タンク27に供給する。
また、これとともに、アルカリ電解水供給ライン開閉弁19を開とし、アルカリ電解水供給ポンプ20を駆動させる。これにより、予め設定された所定量のアルカリ電解水を、アルカリ電解水貯留タンク17からアルカリ電解水供給ライン18を介して、脱脂液貯留タンク27に供給する。
さらに、必要により、非アルカリ電解水供給ライン開閉弁24を開とし、非アルカリ電解水供給ポンプ25を駆動させる。これにより、予め設定された所定量の非アルカリ電解水を、非アルカリ電解水貯留タンク22から非アルカリ電解水供給ライン23を介して、脱脂液貯留タンク27に供給する。
そして、脱脂液貯留タンク27内において、薬液およびアルカリ電解水、さらに、必要により配合される非アルカリ電解水が、混合装置(図示せず)により混合され、薬液が、アルカリ電解水(および非アルカリ電解水)によって希釈される。これにより、脱脂液2が調製される。
そして、この脱脂システム1では、得られた脱脂液2を、脱脂液貯留タンク27から脱脂液供給ライン28を介して、脱脂槽3に供給(補給)する。
このような脱脂システム1では、脱脂液供給装置26が備えられており、その脱脂液供給装置26に薬液供給装置5およびアルカリ電解水供給装置6が備えられている。そのため、脱脂液供給装置26に対して、薬液供給装置5およびアルカリ電解水供給装置6から、薬液およびアルカリ電解水を供給でき、脱脂液供給装置26において、脱脂液2を予め調製することができる。
その結果、このような脱脂システム1によれば、薬液およびアルカリ電解水の配合割合を精密にコントロールすることができ、より計画的に低コスト化を図ることができる。
また、薬液およびアルカリ電解水の配合割合を精密にコントロールすることができれば、脱脂液2の全アルカリ度をより正確に調整することができるので、より確実に、脱脂液2による電着塗料のアルカリ凝集を抑制することができ、ブツなどの発生を低減することができる。
なお、上記した説明では、循環ライン7を1つの管として説明しているが、循環ライン7は、上記に限定されず、例えば、発生器本体9よりも下流側において、複数(例えば、4本)に分岐する分岐管として構成されていてもよい。そのような場合には、各分岐管の下流側端部が、それぞれ、脱脂槽3に接続され、接続部分における各開口端が、吐出口とされる。
1 脱脂システム
2 脱脂液
3 脱脂槽
4 マイクロバブル供給装置
5 薬液供給装置
6 アルカリ電解水供給装置
11 ボディ

Claims (1)

  1. 脱脂対象物を、薬液アルカリ電解水および非アルカリ電解水を含有する脱脂液に浸漬するための脱脂槽と、
    前記脱脂液にマイクロバブルを混入させるためのマイクロバブル供給装置と、
    前記脱脂槽に前記薬液を供給するための薬液供給装置と、
    前記脱脂槽に前記アルカリ電解水を供給するためのアルカリ電解水供給装置と
    前記脱脂槽に前記非アルカリ電解水を供給するための非アルカリ電解水供給装置と
    を備え
    前記薬液供給装置、前記アルカリ電解水供給装置および前記非アルカリ電解水供給装置が、それぞれ独立して前記脱脂槽に接続されている
    ことを特徴とする、脱脂システム。
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