JP6005898B2 - ミシンの糸通し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ミシンに装着された針孔用の糸通し装置に関するものであり、特に操作レバーを下降した状態で停止状態にさせておくことができ、この状態で、両手を使って下糸を針孔に良好に通すことができ、極めて能率的にできるミシンの糸通し装置に関する。
近年、ミシンに装着された針の針孔に糸を通すための装置が装着されたものが多くなっている。糸通し装置は、種々のタイプのものが開発されている。特許文献1のものは、糸を通すフックを下端に設けた糸通し装置を有する軸が、針孔付近まで上下方向に移動するとともに回転しながら降下する。このとき、上下移動する軸にはガイドピンが固定され、そのガイドピンは固定板に形成された螺旋の溝に挿通し、さらに、操作レバーの上部に設けた可動ガイド部材に設けた長孔部に挿通することで、軸の下降に伴い回転する。
下降の下端の位置で、軸が回転して糸を通すフックの関係を維持しながら、他方の手で糸を針孔に通すためのフックが針孔から飛び出している位置に糸を導き、保持することで糸通し作業を可能にしている。従来では、このように片手で不安定な糸の操作を行う。このため、糸通しを失敗することが多い。つまり、操作者は針への糸通しの作業で、一方の手は糸を操作し、他方の手は針孔と糸通しフックの位置関係を保持するための操作をしており、同時に二つの異なる操作を操作者に強いることになる。
特開2001−327787
本来なら両手で不安定な糸操作を行うべきであるが、片方の手が別の作業をしなければならないために糸の操作が不安定となり、糸通しフックが糸の捕捉に失敗して糸通し作業は失敗することが多かった。さらに、針の周囲で片手操作のため危険である。つまり、同時に二つの異なる操作をするため、糸通しフックと針孔の位置関係を保持することに集中して、針の目孔から突出した糸掛けの糸通しフックの周辺に糸を導く動作は注意が散漫となるためであり、この回避は特に望まれている。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、針孔を有する針が装着された針棒を装着する針棒支持枠本体と、該針棒支持枠本体に上下方向に移動自在に軸支され常時上方に弾発支持された軸部の下端にフックを形成した糸通し具が装着され、且つ前記軸部に略直交してガイドピンが設けられた糸通し部材と、前記針棒に固着され且つ前記ガイドピンが遊挿するストッパ溝が形成された位置決め板と、該糸通し部材のガイドピンが挿通し前記糸通し部材が上下方向に移動するにしたがい前記軸部を軸周方向に回動させる角度変移溝を含むガイド溝を有する固定ガイド部材と、前記ガイド溝に沿って上下方向に移動し、且つ前記ガイドピンが挿通して該ガイドピンを水平方向に移動自在に案内し、更に前記ガイドピンの水平方向の移動を規制するカム部を有する可動ガイド部材とからなり、前記力ム部のカム溝は傾斜長溝と該傾斜長溝に連続して前記軸部に略平行の垂直溝で形成され、前記可動ガイド部材を降下させる操作レバーの降下によって前記糸通し具のフックが最下端に達して、該フックを針孔に挿通させ、前記フックを針孔に挿通した状態で前記軸部の上下方向への移動を規制する前記ストッパ溝と、前記フックが針孔に挿通した状態のまま操作レバーを更に降下させて前記ガイドピンを挿通し停留して前記軸部の回転を規制する前記垂直溝とにより、前記フックが針孔に挿通する状態を保持してなることを特徴とするミシンの糸通し装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記ガイドピンの下方と前記可動ガイド部材の軸支部の間に位置するように作用バネが具備され、前記自己保持状態で前記作用バネを介して前記可動ガイド部材が下方に弾性付勢されて前記ガイドピンと前記垂直溝の係止状態を維持してなることを特徴とするミシンの糸通し装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
請求項1の発明では、可動ガイド部材を降下させる操作レバーにての降下時において前記糸通し具のフックが最下端に達して、該フックが針孔に挿通する状態が自己保持されるための規制手段が設けられたことにより、ミシン針の糸通し作業において、両手が解放されて、下糸を両手で糸通しを操作することを可能とし、糸通しが確実に行えると共に作業の安全性も確保できるようにした。つまり、従来では、片手で、操作レバーを押し下げつつ、片手で糸通しを操作しなければならなかった点を一挙に解決して、確実且つ安全に下糸を両手で糸通しを操作することできるという画期的効果を奏する。さらに、操作レバー取付構造としても、前記糸通し部材箇所で上下動可能に構成されており、簡単な構成を呈している。さらに、請求項1の発明では、規制手段は、前記軸部の回転を規制する回転運動規制手段と、前記軸部の上下方向への移動を規制する移動規制手段からなるものとしており、略軸部と操作レバーのみに最小限の加工をするのみで構成することができる。
また、請求項1の発明では、可動ガイド部材のカム部のカム溝は傾斜長溝と垂直溝とから形成され、前記自己保持状態では、前記ガイドピンは前記垂直溝に挿通する構成としたことで、より一層簡易な構成にすることができる。請求項2の発明を、規制手段には前記ガイドピンの下方に位置するように作用バネが具備され、前記自己保持状態で、前記作用バネを介して前記可動ガイド部材が下方に弾性付勢する構成としたことで、前記自己保持状態の維持をより一層確実にすることができる。
(A)は糸通し部材が上方位置に存在したときの本発明の正面図、(B)は(A)の図面から固定ガイド部材を外した状態の一部断面にした正面図、(C)は糸通し部材が下方位置に存在したときの本発明の正面図、(D)は(A)のX1−X1矢視断面図、(E)は(D)の(ア)部拡大図、(F)は(C)のX2−X2矢視断面図、(G)は(F)の(イ)部拡大図である。 (A)は本発明の主要部材を分解した斜視図、(B)は軸部とガイドピンと可動ガイド部材との位置関係を示す斜視図、(C)は(A)のX3−X3矢視断面図、(D)は(A)のY1−Y1矢視断面図である。 (A)は糸通し部材が上方位置に存在したときの本発明の要部の側面図、(B)は(A)のY2―Y2矢視断面図、(C)は(A)の図面から固定ガイド部材を外した状態の一部断面にした正面図、(D)は(A)の(ウ)部拡大図、(E)は(B)の(エ)部拡大図、(F)は(D)のX4−X4矢視断面図である。 (A)は糸通し部材が下方位置に存在したときの本発明の要部の側面図、(B)は(A)の図面から固定ガイド部材を外した状態の一部断面にした正面図、(C)は(A)の(オ)部拡大図、(D)は(C)のX5−X5矢視断面図である。 (A)は糸通し部材が上方位置に存在したときの本発明の主要部材の背面側からの主要斜視図、(B)は糸通し部材が下方位置に存在したときの本発明の主要部材の背面側からの主要斜視図、(C)は(B)の主要部材の分解斜視図。 (A)は自己保持の状態における要部拡大図、(B)は自己保持状態における作用ばねの作用状態を示す要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の構成は、主に、針棒支持枠本体1と、軸部2と糸通し具4とからなる糸通し部材Aと、該糸通し部材Aの軸部2に対する回転運動規制手段及び移動規制手段とから構成される。まず、前記針棒支持枠本体1は、ミシン本体内に縫い目形成のため針の上下運動と左右への揺動運動を行うため装着されたものである。該針棒支持枠本体1は、その先端(下端)に針孔16aを有する針16が装着される針棒15,糸通し部材A及び固定ガイド部材7等が装着される。前記針棒支持枠本体1には、糸通し部材Aの軸部2を上下方向に摺動自在に軸支するための上側軸受部11及び下側軸受部12が上下に2つ形成されている(図1,図2等参照)。前記上側軸受部11及び下側軸受部12には、軸部2が摺動自在となる軸支孔11a,12aがそれぞれ形成されている。さらに、針棒15を摺動自在に軸支する上針棒支持部13及び下針棒支持部14が形成されており、針棒15が上下方向に摺動自在に支持されている。
前記糸通し部材Aは、図2(A)に示すように、軸部2,ガイドピン3及び糸通し具4とから構成されている。前記ガイドピン3は、軸部2の軸方向における適宜の箇所に略直角状に貫通して固着され、該ガイドピン3の両軸端が軸部2の直径方向に突出している〔図2(B),図3(E),(F)参照〕。具体的には、軸部2の上方から前記針16の針孔16aと、前記糸通し具4の相対的な位置関係を確定させる位置に装着されている〔図2(A)、図3(A),図4(A)等参照〕。該ガイドピン3は、後述する可動ガイド部材Bに挿通される〔図2(B),図3(D)乃至(F)等参照〕。そして、可動ガイド部材Bが操作レバー83の操作によって上下方向に移動されることにより、ガイドピン3が固着された軸部2が上下方向に移動するものである〔図1(A),(B)参照〕。
前記糸通し具4は、揺動板4aとフック4bとからなり、揺動板4aが軸部2の下端に固着され、該軸部2を回動中心として揺動板4aが軸部2の軸周方向の回動とともに回動し、揺動板4aの自由端側に形成されたフック4bも、前記軸部2を回動中心として回転する〔図1(D)乃至(G)参照〕。前記ガイドピン3と、前記糸通し具4の揺動板4aとは、所定の角度をなしてそれぞれ装着される。前記ガイドピン3と揺動板4aとのなす角度は、前記固定ガイド部材7のガイド溝72とガイドピン3とにより決定される軸部2の回動角度により決定される〔図1(D)乃至(G)参照〕。
軸部2には、前記ガイドピン3の装着箇所よりも軸方向下方側に適宜の間隔をおいてストッパ片2aが装着される。該ストッパ片2aは、具体的にはストップリング等が使用され、軸部2に対して不動状態となるように強固に固定されるものである。軸部2には、前述したように、針棒支持枠本体1の上側軸受部11と下側軸受部12とによって、軸支されたものであり、前記軸部2に設けたガイドピン3は、前記上側軸受部11の下面側に位置し、該上側軸受部11に近接して停止するように設けられる。また、ストッパ片2aは針棒支持枠本体1の下側軸受部12の上面側に位置している。すなわち、前記ガイドピン3とストッパ片2aは、上側軸受部11と下側軸受部12との間に存在するように構成される。
軸部2には、戻しばね51と作用ばね52とが装着される。戻しばね51及び作用ばね52は、共に圧縮コイルスプリングとして構成され、伸縮方向が同一となるようにして軸部2に装着されている〔図1(B),図3(C),図4(B)参照〕。戻しばね51は、前記ストッパ片2aと、前記下側軸受部12の上面側との間に圧縮された状態で配置され、前記軸部2を挿通するようにして前記戻しばね51が装着される。戻しばね51の下端は、下側軸受部12の上端に当接しており、戻しばね51の上端がストッパ片2aに当接する。軸部2のストッパ片2aには、戻しばね51による弾性力がかかり、軸部2は常時上方に弾性的に付勢される。このような弾性付勢力にて前記軸部2の下端に固着された糸通し具4は、常時は上方の収納位置に保持されようとする構造となる。
また、作用ばね52は、前記ガイドピン3の下方と、前記上側軸受部11の上面側と、後述する可動ガイド8の軸支部82の上面側との間に圧縮された状態で配置されることになる〔図1(B)参照〕。可動ガイド8の軸支部82は、軸部2の軸方向に沿って上下方向に摺動自在に装着されたものである。また、前記ストッパ片2aは、軸支部82よりも下方に位置するように構成されている〔図1(A)参照〕。戻しばね51と作用ばね52とは、前記ストッパ片2aによって仕切られており、直接には接触することがなく、その弾性力も相互に干渉しない構造となっている。
前記針棒支持枠本体1には、前記固定ガイド部材7が固定される〔図1(A),(C),図2(A)等参照〕。固定ガイド部材7は、固定板71にガイド溝72が形成されたものである〔図2(A)参照〕。該ガイド溝72は、前記糸通し部材Aの軸部2に固定装着されたガイドピン3の長手方向一端が挿通され、ガイド溝72内を上下移動自在となるように構成されている〔図3(A),(E),(F)参照〕。そして、ガイドピン3は、軸部2とともに上下方向に移動する際には、前記ガイド溝72に沿って案内され、水平面上を回動しながら上下方向に移動することができるものである。
前記ガイド溝72は、上方から垂直状溝72a,角度変移溝72b及びセット溝72cの構成になって連続的に形成されている。垂直状溝72aは略垂直状の溝であり、ガイドピン3が水平方向で且つ非回動状態を維持しながら上下方向にのみ移動させる役目をなすものである。これによって、軸部2も軸周方向に非回動状態で上下方向にのみ移動する〔図1(A),図3(A)参照〕。次に、角度変移溝72bは、傾斜状に形成された溝であり、ガイドピン3が水平方向に僅かの角度で回動させながら、上下方向に移動させる役目をなす〔図1(C),図4(A)参照〕。これによって、軸部2も同様に僅かに軸周方向に回動しつつ、上下方向に移動する。前記角度変移溝72bは、略垂直寄りで且つ前記垂直状溝72aに対して僅かの傾斜角度をなしている。
軸部2に固定されたガイドピン3は、ガイド溝72に挿通され、該ガイド溝72に案内されて、軸部2が降下し、該軸部2に装着された糸通し具4のフック4bが針棒15に装着されている針16の針孔16aに向かって移動する〔図1(D),(E)参照〕。特に、ガイド溝72の角度変移溝72bでは、ガイドピン3が降下と共に水平方向の回動を開始するものであり、該ガイドピン3が角度変移溝72bからセット溝72cに位置が変わるときに、糸通し具4の前記フック4bが針孔16aに挿通される〔図1(F),(G)参照〕。
前述したように角度変移溝72bは、垂直状溝72aに対して僅かに傾斜状態に形成されており、軸部2に装着されたガイドピン3は、その傾斜状に角度変移溝72bに沿って上下方向に移動する過程で、ガイドピン3は水平面状を回動する。該ガイドピン3の回動は、軸部2に伝達され、該軸部2が軸周方向に回動し、該軸部2とともに糸通し具4の揺動板4aが回動する。前記セット溝72cは、角度変移溝72bの下端に位置して形成されており、角度変移溝72bの下端に該角度変移溝72bよりも溝幅が広くなるように拡開された略長方形状の開口の垂直溝として形成されたものである〔図(A),図2(A)等参照〕。
さらに、前記固定ガイド部材7には、可動ガイド部材Bが上下方向に移動自在に装着されている。該可動ガイド部材Bは、可動ガイド8,カム部9と操作レバー83とから一体的に構成されている〔図2(A),(C),(D)等参照〕。前記可動ガイド8は、前記固定ガイド部材7の固定板71の上下方向に沿って移動するもので、可動ガイド8は、ガイド片81と軸支部82とを有している。そして、ガイド片81と軸支部82とによって前記固定ガイド部材7の固定板71に対して上下移動自在となるように挟持する構成となっている。
具体的には、ガイド片81が前記固定板71の前面側に位置し、軸支部82が前記固定板71の背面側に位置する。前記ガイド片81の長手方向端部は、係止端縁81aが形成されており、該係止端縁81aが固定板71の幅方向の一方の端部に係止され、可動ガイド部材Bが、固定ガイド部材7に対して安定した状態で上下動することができるようになっている〔図2(C),図3(F)等参照〕。前記軸支部82には、軸支孔82aが形成され、前記軸部2が摺動可能に挿通される。ガイド片81の上方には適宜の間隔をおいてカム部9が形成されている。前記軸支部82は、ガイド片81とカム部9との略中間に位置して形成されている。さらに、前記可動ガイド8の軸支部82より下方に向かって前記操作レバー83が一体的に形成され、該操作レバー83を介して前記可動ガイド部材Bを降下させることにより、該可動ガイド部材Bのカム部9及びガイドピン3を介して糸通し部材Aを降下させるものである。前記操作レバー83は、操作撮み部83aと、レバー部83bとから構成されている〔図1(A)乃至(C),図2(A)等参照〕。
カム部9は、カムベース91にカム溝92が形成されたものであり、該カム溝92は、傾斜長溝92aと、該傾斜長溝92aの上端に連続して設けられた垂直溝92bとから形成されている。前記ガイドピン3は、カム溝92に遊挿されており、前記傾斜長溝92aと垂直溝92bとの間を移動するものである。前記傾斜長溝92aは、側面より見て傾斜形成されたものである〔図1(C),図3(D)等参照〕。該傾斜長溝92aの傾斜角度は、具体的には略45度程度であるが種々の条件等により適宜に設定されても構わない。
また、該傾斜長溝92aの傾斜方向は、前記ガイド溝72の角度変移溝72bの傾斜方向と反対方向となっている。傾斜長溝92aが角度変移溝72bの傾斜方向と反対方向に傾斜して形成されることにより、傾斜長溝92aが角度変移溝72bの領域を下降するときに、ガイドピン3の水平方向における回動速度を適宜に調整する。そのガイドピン3の回動速度は、傾斜長溝92aの傾斜角αが小さければ早くなり、大きければ遅くなる。即ち、軸部2及び前記揺動板4aの回動速度は傾斜長溝92aの傾斜角度により略決定されるものといえる。前記垂直溝92bは、上下方向に沿って垂直(略垂直状も含む)に形成されたものである〔図3(D)参照〕。
カム溝92の垂直溝92bに、前記ガイドピン3が遊挿されているとき〔図4(C)参照〕には、戻り作用が発生しても、その位置を保持する作用をなす。すなわち、前記可動ガイド8を降下させる操作レバー83の降下によって、前記糸通し具4のフック4bが最下端に達して、該フック4bが針孔に挿通する状態を保持する自己保持を維持させる役目をなすものである。本発明では、糸通し具4のフック4bが針16の針孔16aに挿入された状態を保持することを自己保持と称する。そして、前記針棒支持枠本体1の針棒15の上部には、位置決め板6が固着されている〔図1(A)乃至(C),図2(A),図5参照〕。前記ガイドピン3の他端が停止するために前記位置決め板6にはストッパ溝61が形成されている〔図5(C)参照〕。このストッパ溝61が形成された位置決め板6の固着位置は、前記糸通し具4が、最下端で回転して針孔16aに通る位置に対応している〔図4(B),(D)図5(A),(B)参照〕。
前記ガイドピン3がガイド溝72の最下部のセット溝72cに達したときには、糸通し具4のフック4bは、水平面において適宜な回転をしつつ針孔16aに挿通する〔図1(D),乃至(G)等参照〕。前述した位置決め板6のストッパ溝61の下端縁に、軸部2と共に降下する前記ガイドピン3が当接し、ストッパ溝61に遊挿する〔図4(D),図5(B)等参照〕。そして、前記軸部2のガイドピン3は、回動しながら下降して前記ストッパ溝61の下端縁に前記ガイドピン3が当接して、下降が停止する。このときの前記ガイドピン3の位置はカム部9では、前記傾斜長溝92aの上端箇所で、しかも垂直溝92bの入り口にセットされる〔図4(C)点線参照〕。
このセットの状態で、前記軸部2の下端に固定された糸通し部材Aの糸通し具4は回動しながら下降して針棒15の下端に装着固定された針16の針孔16aに挿通された状態となる〔図1(C),(F),(G)参照〕。そして、さらに操作レバー83を下降させると、今度は前記ガイドピン3の位置は、そのままの位置で操作レバー83の下降とともに前記カム部9が下降してガイドピン3は垂直溝92bに挿通する〔図4(C)参照〕。
この状態で、前記作用ばね52は、伸びる方向に弾性力Fを有しており、該弾性力Fにて、ガイドピン3は、ストッパ溝61の上方終端に対して強固に当接する係止状態となり、前記ガイドピン3は垂直溝92bとの係止状態を保持する(図5参照)。このように、軸部2の回転動作が規制される手段のことを、「軸部2の回転運動規制手段」と称し、前記軸部2の昇降が規制される手段のことを、「軸部2の移動規制手段」という。さらに、「軸部2の回転運動規制手段」と、「軸部2の移動規制手段」とを総称して、単に「規制手段」という。
次に、作用について説明する。図3は、糸通し作業が行われていないときの状態で、可動ガイド部材B及び軸部2は上方に位置している。作用ばね52は、戻しばね51の弾性力より小さいので、作用ばね52は最小限に縮んだ状態である。ガイドピン3は、カム溝92の傾斜長溝92aの最下端位置にある〔図1(A),(B),図3(A),(D)参照〕。そして、操作レバー83を下降させると、該操作レバー83の上端に形成された前記カム部9に挿通された軸部2のガイドピン3の下降に伴って、前記軸部2が下降する〔図1(C),図4(A),(B)参照〕。
同時に前記ガイドピン3は、固定ガイド部材7におけるガイド溝72に挿通されており、該ガイド溝72の垂直状溝72aから角度変移溝72bに移行してゆく。そして、ガイドピン3がガイド溝72の垂直状溝72aから角度変移溝72bへの移動することによる前記ガイドピン3の回動に伴い、前記軸部2も軸周方向に回転しながら下降する〔図4(D)参照〕。このとき、軸部2の下端に固定された糸通し部材Aも回転しながら下降する〔図1(D),(F)参照〕。
回転しながら下降した軸部2は、位置決め板6に設けられたストッパ溝61に前記ガイドピン3が当接して下降が停止する〔図4(B),図5(B)参照〕。このとき、軸部2の下端に固定された糸通し部材Aの糸通し具4は針棒15の下端に装着固定された針16の針孔16aに挿通された状態となる〔図1(C),(F),(G)及び図4(A)参照〕。さらに、前記ストッパ溝61に当接して下降が停止した軸部2のガイドピン3により、針棒15に設けた針16の針孔16aと軸部2の下端に固定された糸通し部材Aの糸通し具4の高さ方向の相対的な位置関係が一致するものである。
前述したように、軸部2がストッパ溝61に当接して下降を停止した状態から、更に操作レバー83を下降させる。すると、軸部2のガイドピン3がストッパ溝61に挿入して係止してその位置に留まっているが、前記カム部9に形成された垂直溝92bに遊挿されると前記ガイドピン3はその位置に停留する。このとき作用ばね52にて前記垂直溝92bを有する前記カム部9に下方に向って作用する弾性力Fにて前記ガイドピン3は前記垂直溝92b内に保持されて回転できないようにしている(図6参照)。
これにより、ストッパ溝61に当接して軸部2の上下方向の移動も抑制されることにより、また前述したように、ガイドピン3は垂直溝92bに係止された状態であるため、前記糸通し部材Aの糸通し具4は針棒15の下端に装着固定された針16の針孔16aに挿通された状態を、両手を離しても維持することが可能になったものである。また、図4(B)及び(C)のとき、作用ばね52は、前記軸部2のガイドピン3と操作レバー83の上部の可動ガイド8の軸支部82の間に前記軸部2を通して装着され、ガイドピン3が垂直溝92bにあるとき操作レバー83が下方に弾性力Fにて付勢するように作用することで〔図6(B)参照〕、ガイドピン3と垂直溝92bとの係止状態を強固に維持することとなり〔図6(A)参照〕、前記垂直溝92bがガイドピン3から外れないようにしている。
また、解除方法は、垂直溝92bがガイドピン3から外れないようにしている作用ばね52に抗して前記操作レバー83を上方に移動する。ガイドピン3は垂直溝92bによる拘束が解除されて、前記カム部9の傾斜長溝92aに沿って前記軸部2と共に逆に回転する。前記ストッパ溝61に当接して上下方向の移動を拘束されていたが、ガイドピン3の逆方向への回転動作により拘束が解除されて、戻しばね51により軸部2は初期位置に移動する。このようにして一連の動作が行われる。
以上のように、本発明では、前記軸部2の回転運動の規制のため、糸通し部材Aを回転させるための操作レバー83の上端部に形成された可動ガイド部材Bのカム溝92の傾斜長溝92aの上方端部に続く垂直溝92bが前記軸部2と略平行に形成されている。さらに、前記軸部2の上下方向の移動規制のために、位置決め板6にストッパ溝61が形成されているものである。
これは、ガイドピン3が位置決め板6に当って下降動作が制限されたのち、カム部9とガイド溝72とガイドピン3の作用により軸部2が回転して糸通し具4のフック4bが針孔16aに挿入した位置で、位置決め板6に形成されたストッパ溝61にガイドピン3が入り込む。これによりガイドピン3が固定された軸部2の上下方向の移動が規制される。さらに、操作レバー83を押し下げると前記カム部9に設けた垂直溝92bにガイドピン3が導かれると同時に、作用ばね52の弾性力Fにてガイドピン3が固定された軸部2の回転方向の運動と共に上方への移動が停止状態に規制される。すなわち、糸通し部材の軸部の位置決めのロック機構として作用する。
1…針棒支持枠本体、15…針棒、16…針、16a…針孔、A…糸通し部材、
2…軸部、3…ガイドピン、4…糸通し具、4b…フック、7…固定ガイド部材、
72…ガイド溝、72b…角度変移溝、B…可動ガイド部材、9…カム部。

Claims (2)

  1. 針孔を有する針が装着された針棒を装着する針棒支持枠本体と、
    該針棒支持枠本体に上下方向に移動自在に軸支され常時上方に弾発支持された軸部の下端にフックを形成した糸通し具が装着され、且つ前記軸部に略直交してガイドピンが設けられた糸通し部材と、前記針棒に固着され且つ前記ガイドピンが遊挿するストッパ溝が形成された位置決め板と、
    該糸通し部材のガイドピンが挿通し前記糸通し部材が上下方向に移動するにしたがい前記軸部を軸周方向に回動させる角度変移溝を含むガイド溝を有する固定ガイド部材と、
    前記ガイド溝に沿って上下方向に移動し、且つ前記ガイドピンが挿通して該ガイドピンを水平方向に移動自在に案内し、更に前記ガイドピンの水平方向の移動を規制するカム部を有する可動ガイド部材とからなり、
    前記力ム部のカム溝は傾斜長溝と該傾斜長溝に連続して前記軸部に略平行の垂直溝形成され、前記可動ガイド部材を降下させる操作レバーの降下によって前記糸通し具のフックが最下端に達して、該フック針孔に挿通させ、前記フックを針孔に挿通した状態で前記軸部の上下方向への移動を規制する前記ストッパ溝と、
    前記フックが針孔に挿通した状態のまま操作レバーを更に降下させて前記ガイドピンを挿通し停留して前記軸部の回転を規制する前記垂直溝とにより、
    前記フックが針孔に挿通する状態を保持してなることを特徴とするミシンの糸通し装置。
  2. 請求項1において、
    前記ガイドピンの下方と前記可動ガイド部材の軸支部の間に位置するように作用バネが具備され、
    前記自己保持状態で前記作用バネを介して前記可動ガイド部材が下方に弾性付勢されて前記ガイドピンと前記垂直溝の係止状態を維持してなることを特徴とするミシンの糸通し装置。
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