JP6004569B2 - ロータリ刃とその製造方法、これを用いたロータリカッタ - Google Patents

ロータリ刃とその製造方法、これを用いたロータリカッタ Download PDF

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Description

本発明は、ロータリ刃に関し、主としてシート材切断に用いられ、複写機やプリンタなどの事務機器や券売機などの各種機器において、例えば、帯状やロール状または定形の紙類、フィルム、シールやラベルなどの各種シート材を任意の長さに切断するために使用されるロータリ刃に関する。また、このロータリ刃を用いたロータリカッタに関する。
従来、ロータリ刃(回転刃)と固定刃との噛み合いにより上述した各種シート材を切断するロータリカッタ(シート材切断装置)において、シャンクと切刃を削り出し加工によって一体に形成したロータリ刃(特許文献1)や、個別に形成しておいたシャンクと切刃とを一体に固着して形成したロータリ刃(特許文献2、3)が多く見受けられる。
例えば特許文献2に開示されるロータリ刃は、回転駆動されるシャンクの長手方向の外周に形成された一定の傾斜角をもつ真直の溝に、切刃となる真直な角材が差し込まれて固着されている。また、例えば特許文献3に開示されるロータリ刃は、特許文献2のような真直な溝ではなく、長手方向にスパイラル状(螺旋状に類似した形状)に形成された溝に、単体では平坦である板材を差し込んで接着することにより、切刃がスパイラル状に維持されている。シャンクと切刃とを個別に形成した後に一体に形成してなるロータリ刃は、シャンクと切刃との組み立て工程を要するものの、各部材が簡易な形状にできて加工工数が低減でき、また各部材に異なる材料を適用できるため、生産性向上や材料コスト低減などの利点がある。
また、特許文献3に開示されるロータリ刃のように、切刃をスパイラル状に維持することにより、ロータリ刃と固定刃との噛み合いでなす剪断角がより大きくなるため、切断に要する荷重(切断荷重)を低減できる利点がある。シャンクと切刃からなるロータリ刃において、切断荷重を低減すると、その低減分だけシャンクに必要な機械的強度が低減される。したがって、シャンクには必要な機械的強度を確保し、切断荷重の低減によってもたらされた機械的強度の余裕分だけ、シャンクは小径化や軽量化を図ることが可能となる。よって、特許文献3のように切刃がスパイラル状に維持されていることは好ましい。
上述した特許文献3に開示されるように、板材をシャンクに形成した溝によって塑性変形もしくは弾性変形してスパイラル状に形成するのではなく、板材自体を変形する手段もある。例えば特許文献4には、平坦かつ真直な板材(長板状回転刃2a)を、この板材の長手方向の両端部を支持した状態で一定のねじれ角でねじり塑性変形し、スパイラル状に形成する手段が開示される。また、例えば特許文献5には、2つの型11、12のそれぞれに加工穴11a、12aを設け、後方の加工穴12aのみを前方の加工穴11aに対して横にずらした位置および回転した姿勢とし、平坦かつ真直な板材(平板9)を加熱して軟化させながら加工穴11a、12aを通過させることでねじり塑性変形し、スパイラル状に形成する手段が開示される。
米国特許第5001953号明細書 特開平09−323292号公報 特開2003−260688号公報 特開昭59−115197号公報 特開昭60−206522号公報
上述した特許文献3に開示されるロータリ刃は、明細書0010段および図1を参照すれば、切刃となる板材は単体では平坦で曲りのない薄い直方体状に形成され、シャンクに設けられた溝はスパイラル形状に形成されており、前記溝の深さに関する記載はない。単体では平坦である板材をスパイラル形状を有する溝に差し込む場合、この板材の長手方向の両辺の長さが変わる程度に、この板材を幅方向に湾曲させなければならない。なぜならば、板材を湾曲させなければ、この板材の長手方向の一辺における例えば中央をスパイラル形状の溝の底部に密着させたところで、この板材の前記一辺の両端部はスパイラル形状の溝の底部から大きく浮き上がってしまうからである。そして、溝のスパイラル形状をなすねじれ角が大きくなるほど、また、溝のスパイラル形状をなすねじれ半径が小さくなるほど、この板材の前記一辺の両端部の浮き上がりの程度は大きくなる。
一般に、刃物に好適な刃物鋼などを切刃に適用する場合、その切刃の刃先に欠けや摩耗を起こり難くするため、その切刃となる素材(板材)を熱処理して硬質にする。このような硬質の素材(板材)を幅方向に湾曲しようとすれば、この板材を厚さ方向に湾曲したり長手方向を中心としてねじり変形したりする場合に比べ、かなり大きな力が必要となる。そうすると、シャンクのスパイラル形状の溝のねじれ角を大きくしようとしたり、ねじれ半径を小さくしようとしたりすると、従来技術ではロータリ刃の組み立ての際に大きな力が必要となるため、シャンクへの切刃となる板材の組み立てが困難になったり、板材が自らの弾性力によってシャンクの溝から外れたり、組み立ての精度が低下したりするという不具合を生じやすい。
また、たとえ平坦な板材をシャンクのスパイラル形状の溝に強制的に差し込むことができたとしても、板材が溝の底から浮き上がった状態で接着されていたり、板材が溝から離脱する方向に力を蓄えた状態で接着されたりすることにより、切刃に必要な固定刃との噛み合いや切断荷重に耐え得る程度の機械的強度をもつことができないなどの不具合を生じやすい。加えて、板材がシャンクから適正な姿勢で起立することができずに倒れた姿勢のまま接着されたり、実際に切刃に形成すべき板材の他辺が波を打ったように変形したりする不具合を生じやすい。
上述した理由により、シャンクに対して切刃となる板材を組み合わせて該切刃をスパイラル形状に維持する構成の場合、スパイラル形状をなすねじれ角を大きくし、および/または、ねじれ半径を小さくし、これにより小型化や軽量化を図ってコンパクトなシート材切断用のロータリ刃を実現することが困難であった。
また、真直な板材の両端部を支持した状態でねじり塑性変形する特許文献4に開示される手段では、板材をねじり変形するときのねじれ半径が実質的に零(ゼロ)の状態でねじることになる。したがって、ねじり変形した板材はこれを組み合わせるシャンクの形状に適合するようなスパイラル形状に形成されず、ロータリ刃の切刃としてシャンクに組み合わせる際に、ねじり変形した板材をさらに大きく変形して組み合わせる必要があるなど、上述した特許文献3の場合と同様な問題を生じることがわかった。
また、一方を横にずらした位置および回転した姿勢とした2つの加工穴に真直な板材を通してねじり塑性変形する特許文献5に開示される手段では、ねじり変形する際に加熱して軟化させることから刃物としての特性を損ねる可能性があり、特に硬さは確実に低下してしまう。加えて、本発明者らの検討によれば、この手段により、真直な板材をシャンクとの組み合わせの容易化および高精度化が期待できる程度に好適なスパイラル形状に形成しようとすると、素材(板材)の加熱前後の機械的特性の変化量、素材ロットによるばらつき、加工穴の寸法精度や位置決め精度、押し込みまたは引き抜き条件など、幾多の制御条件があり、当業者に期待し得る程度を超える繰り返しの試行錯誤を要することがわかった。
このように、所望の構成や機能並びに切断性能を有するロータリ刃を実現するには、当業者に期待し得る程度を超える繰り返しの試行錯誤を要する上述した課題がある。
本発明の目的は、高性能なロータリ刃を実現するに当たり、切刃のスパイラル形状をなすねじれ角を大きくしやすく、および/または、ねじれ半径を小さくしやすく、シャンクとの組み立て時に切刃となる板材を幅方向へ変形する必要がなく、高精度かつ容易に切刃をスパイラル形状にできる形状を有する部材により形成された、ロータリ刃を提案することを目的とする。
本発明者らは、従来のロータリ刃において、シャンクに組み合わせる切刃となる板材について鋭意検討した。そして、帯状材の特殊性すなわち可撓性および加工容易性を利用し、ロータリ刃の切刃に特定の形状を有する帯状材を適用することにより、上述した課題が解決できることを見出して本発明に到達した。
すなわち本発明は、回転軸を備える棒状のシャンクと、前記シャンクの外周の長手方向に延在する帯状材からなる切刃とを有し、前記帯状材は、前記シャンクの長手方向に対してスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには幅方向に曲がる弓なり形状に形成され、前記帯状材の前記弓なり形状の一辺が前記シャンクに組み合わされ、前記帯状材の他辺が前記切刃に形成されており、前記切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の一端から他端までの前記回転軸周りの旋回角(φ)が80〜130度である、ロータリ刃である。
また、前記帯状材は、前記シャンクの長手方向に対して所定のねじれ半径(Rt)と所定のねじれ角(θt)とをもったスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成され、前記帯状材の前記弓なり形状の曲率または平均曲率の大きい一辺が前記シャンクに組み合わされている、ことが好ましい。
本発明においては、前記シャンクは、前記帯状材のスパイラル形状に対応する溝形状をもって前記外周の長手方向に延在するスパイラル溝を有し、前記スパイラル溝に前記帯状材の前記一辺が挿入されて組み合わされている、ことが好ましい。
また、本発明においては前記切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の前記シャンクと組み合わせる前記一辺において、前記ねじれ角(θt)が3〜10度で、前記ねじれ半径(Rt)と前記刃幅(W)との比(Rt/W)が0.7〜1.6である、ことが好ましい。
上述した本発明のロータリ刃は、幅Dで厚さTの帯状材を幅方向に曲げ塑性変形することにより、前記帯状材を所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成する工程を含み、前記帯状材からなる切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の一端から他端までの前記回転軸りの旋回角(φ)を80〜130度に形成する、製造方法によって製造することができる。
上述した本発明のロータリ刃を用いてロータリカッタを得ることができる。すなわち、本発明のロータリカッタは、上述した本発明のロータリ刃と、直線状の刃先を有する固定刃とが、所定の剪断角をもって順次噛み合うことでシート材の切断を営むものである。
本発明は、ロータリ刃の切刃に特定の形状を有する帯状材を適用するため、切刃に形成する帯状材をシャンクの外周の長手方向に容易に延在して組み合わせることができる。このため、切刃のスパイラル形状を形成するためのねじれ角を大きくしやすくなり、および/または、ねじれ半径を小さくしやすくなり、シャンクとの組み立て時に帯状材を幅方向へ塑性変形させる必要がなくなる上に、弾性変形させる必要も実質的になくなる。したがって、スパイラル形状の切刃を高精度かつ容易に形成でき、切刃として必要かつ十分な機械的強度を有することができるため、小型化や軽量化を図ることでコンパクトなロータリ刃を得ることができる。
また、本発明のロータリ刃を用いて、従来よりもコンパクトかつ安価なロータリカッタを得ることができる。さらには、本発明のロータリカッタの搭載により、例えばプリンタや券売機といった機械装置や事務機器のコンパクト化や安価化、さらには軽量化への寄与も期待できる。
本発明のロータリ刃の一例を示す構成図である。 図1に示すロータリ刃の構成部材の位置関係を示す図である。 図1に示すロータリ刃の線分QQにおける断面図である。 図1に示す緩衝リング5とは別構成の緩衝リング5’を用いたロータリ刃の一例を示す構成図である。 図1とは別の視点からみた緩衝リング5’側を示す構成図である。 図3に示す断面形状とは異なる断面形状を有するシャンクを適用した構成であって、図1に示す線分QQと同等箇所における断面図である。 図1に示すシャンク2と組み合わされた状態の切刃3について、(a)切り始め付近、(b)中央付近、(c)切り終り付近の各所において、切り始め側(軸部2c側)から切り終り側(軸部2d側)に向かって見える切刃3の断面を含む形状を示す図である。 図2に示す切刃3を平坦に展開したときの所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状を模した弓なり形状材100を示す図である。 本発明に係るロータリカッタの一例を示す構成図である。 図9に示すロータリカッタの線分PPにおける断面図である。 図9に示すロータリカッタの構成部材の位置関係を示す図である。 複数の帯状の薄板材(帯状素材101)をパンチ110とダイス111とで加圧して図11に示す弓なり形状に形成する手段の一例を示す図である。
本発明に係るロータリ刃は、帯状材からなる切刃が、回転軸を備える棒状のシャンクの外周の長手方向に延在する、シート材切断に好適なロータリ刃である。
従来技術のように板材をロータリ刃の切刃に適用する場合、シャンクとの組み合わせの容易化および高精度化、並びに、切刃として必要かつ十分な機械的強度をもち、その切刃の姿勢を適正に維持して高品位な切断を営めるように構成する必要がある。そのためには、板材をシャンクから浮き上がり難くすることや、シャンクに組み合わせるときに板材を塑性変形させないだけでなく弾性変形をもさせないようにすることが重要になる。
こうした要点を十分に考慮し、本発明に係るロータリ刃は、上述した特殊性すなわち優れた可撓性および加工容易性をもつ帯状材を適用し、この帯状材を、シャンクの長手方向に対してスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには幅方向に曲がる弓なり形状に形成されたものとする。そして、この帯状材の弓なり形状の一辺がシャンクに組み合わされ、この帯状材の他辺が切刃に形成されている。
上述した本発明における「帯状材」は、従来から用いられてきた単なる板材に比べ、上述した特殊性が得られる程度に厚さが薄く幅が狭い大きな可撓性をもった帯形状の材料であって、技術思想としては大きくねじり変形することが容易な材料を意図する。同様に、本発明における「スパイラル」は、日本語では“螺旋”や“弦巻”(つるまき)と称され、英語では“spiral”や“herix”と称される3次元曲線の一種であって、技術思想としては回転しながら回転面に垂直成分のある方向へ進んでいく3次元曲線を意図する。
本発明において、上述した帯状材のスパイラル形状は、具体的にはシャンクの外周の長手方向に延在する切刃として所望される形状に対応し、シャンクの長手方向に対する所定のねじれ半径(Rt)と所定のねじれ角(θt)とを用いて表すことができる。切刃のねじれ半径(Rt)やねじれ角(θt)は、切刃の切断に有効な刃幅(W)において、切刃のシャンクに組み合わせる一辺を対象として設定できる。また、前記刃幅(W)の途中で、その値を大きくも小さくも所定に変えて設定でき、この場合には代表的な各所の曲率を平均して平均曲率として表すこともできる。なお、切刃のねじれ角は単一に設定される場合が多い。この場合、ねじれ半径(Rt)とねじれ角(θt)は、当業者が所望する一定値に設定すればよい。なお、ねじれ角が単一に設定された切刃を有するロータリ刃を、刃先が真直な固定刃を有するロータリカッタに適用した場合、この切刃が固定刃となす剪断角もまた単一に設定されることになる。
また、上述した単一のねじれ角をもつスパイラル形状は、例えば、円筒座標を用いて、円筒の半径r、ねじれの進み方向におけるねじれ角θ、ねじれにより前記円筒の外周を進む軌跡の長さx、ねじれ角1単位あたりの軌跡の長さの変化量hとし、前記軌跡の長さxが式「x=θ・SQR(r+h)」で数学的に示すことができるスパイラル曲線と、実質的に同等あるいは近似の形状に形成できる。ただし、SQRはこれに続く括弧内の式または数値の平方根を意図する。
本発明において、切刃となる帯状材は、上述したようなスパイラル形状に形成されているが、同時に、このスパイラル形状を解いて平坦に展開したときには幅方向に曲がる弓なり形状に形成されている。この平坦に展開したときの帯状材の平面形状が前記弓なり形状であることが、本発明において最も重要な特徴である。帯状材をスパイラル形状に形成した後にシャンクに組み合わせる場合、帯状材を上述した特定の弓なり形状に形成して幅方向にゆるやかに湾曲させておくことにより、たとえ形状の修正のために幅方向にさらに曲げたり伸ばしたりする必要があるとしてもその変形量をごく僅かに抑制できる。したがって、帯状材をシャンクから浮き上がり難くすることや、シャンクに組み合わせるときに帯状材を塑性変形させないだけでなく弾性変形をもさせないようにでき、切刃が適正な姿勢および好適な機械的強度をもつように容易に形成できることから、発明の解決しようとする課題を解決することができる。
上述した帯状材の幅方向に曲がる弓なり形状は、具体的には切刃として帯状材を組み合わせるシャンクの外周に沿う形状に対応し、この外周の形状を平坦に展開したときには所定の曲率(Rc)を用いて近似的に表すことができる。そして、この帯状材の弓なり形状の曲率または平均曲率の大きい一辺がシャンクに組み合わされる。このような「所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状」は、例えば弓なり形状のもつ曲率(Rc)が単一の値である場合は円周の一部分すなわち円弧が投影される形状に対応するが、技術思想としては円弧である場合を含めて幅方向にゆるやかに湾曲することで弓なりにつながった曲線が投影される形状を意図する。この弓なり形状の曲率(Rc)は、1つの曲率または複数の曲率を組み合わせることによって帯状材の前記一辺の曲率として設定し、上述したようにシャンクの帯状材を組み合わせる外周に沿う形状に適合するように設定する。
上述した特定の弓なり形状に形成した帯状材の両端部を支持した状態でねじれ角(θt)に対応してねじり塑性変形された帯状材は、前記所定の曲率(Rc)に対応するねじれ半径をもつスパイラル形状に形成することが容易にできることから、組み合わせるシャンクの形状に適合するように所定の曲率(Rc)を設定すれば済む。したがって、帯状材とシャンクとの組み合わせが容易化かつ高精度化できるスパイラル形状を有する帯状材を、容易に形成することができる。
例えば、シャンクの帯状材を組み合わせる外周に沿う形状が上述したスパイラル曲線で表すことができる場合は、弓なり形状の曲率(Rc)を単一の値として設定できる。また、シャンクの帯状材を組み合わせる外周の形状が複数の異なるスパイラル曲線で表される場合は、それぞれのスパイラル曲線に対応するように曲率(Rc)を変えて設定することが好ましく、この場合も上述した平均曲率で表すことができる。また、シャンクに組み合わせる帯状材の一辺を対象として、弓なり形状の曲率(Rc)を設定することが好ましい。これは、帯状材の一辺が組み合わせるシャンクに最も近接する部分に該当することから、この一辺に所定の曲率(Rc)を設定することにより、帯状材の形状をシャンクの形状に最も適合させることができるからである。なお、この場合の当該一辺が弓なり形状において最大の曲率または平均曲率を有することになる。
上述した帯状材を弓なり形状に形成するときの所定の曲率(Rc)は、例えば以下の手順で設定できる。まず、ロータリ刃の所望寸法に基づいてシャンクと切刃の各部寸法を決定する。切刃がなす回転軌跡円径、切刃を組み合わせるシャンクの外径、切刃の切断に有効な刃幅や旋回角やシャンクから起立する高さ(刃丈)、並びに、相手刃との関係で剪断角となる切刃のねじれ角などである。これらに基づき、帯状材をスパイラル形状に形成するためのねじれ半径(Rt)とねじれ角(θt)並びに有効な刃幅における切刃の長さなどを算定する。そして、このスパイラル形状を平面に展開することにより、弓なり形状の幅方向の曲がりを決める前記曲率(Rc)を算定できる。なお、弓なり形状が円弧である場合、その曲率は円弧の長さを求める数学的な式を用いて容易に設定できる。
以下、本発明に係るロータリ刃において、好ましいと考える構成について説明する。
本発明では、上述したスパイラル形状を有する帯状材をシャンクの外周の長手方向に延在させて組み合わせる場合、帯状材を組み合わせるシャンクの外周に配置して溶接や接着などにより固着する手段が適用できる。また、シャンクに対して帯状材のスパイラル形状に対応する溝形状をもって外周の長手方向に延在するスパイラル溝を形成することは好ましく、このスパイラル溝に帯状材の一辺を挿入して組み合わせることにより、帯状材をシャンクの外周の長手方向に適正な位置と姿勢をもって容易に配置できる。このとき、たとえ互いの形状の適合が不十分であったとしても、可撓性の大きな帯状材であればこそ柔軟に弾性変形することができるため、帯状材をシャンクのスパイラル溝に挿入する作業は容易にできる。
また、本発明では、切刃の切断に有効な刃幅(W)において、切刃の一端から他端までの回転軸周りの旋回角(φ)が80〜130度であることは好ましい。ロータリ刃において、切刃の旋回角が80度未満になると、切刃の有効な刃幅すなわち切刃の刃渡りとの関係で、好ましいねじれ角を確保し難く、相手刃との関係でいえば好ましい剪断角を確保し難くなる。また、旋回角が130度を超えると、ロータリ刃と相手刃との間にシート材を挿入するための空間を確保し難くなる。本発明における「旋回角」は、ロータリ刃の回転軸心周りの角度であって、ロータリ刃の回転軸心に直行する平面上に切刃の刃幅(W)の両端点と前記回転軸心を投影したときに、この投影された両端点を回転軸心と結んで形成される角度に対応する。
また、本発明では、切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の一端から他端までの前記回転軸周りの旋回角(φ)が80〜130度である、ことが好ましい。また、前記切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の前記シャンクと組み合わせる前記一辺において、前記ねじれ角(θt)が3〜10度で、前記ねじれ半径(Rt)と前記刃幅(W)との比(Rt/W)が0.7〜1.6である、ことが好ましい。ロータリ刃において、切刃が3度未満のねじれ角であると、これを適用するロータリカッタにおける相手刃との噛み合いでなす剪断角も実質的に3度未満になり、所要の切断力を得る駆動源が大きくなってしまう。また、切刃が10度を超えるねじれ角であると、上述した剪断角も実質的に10度を超えてしまい、噛み合い点に大きな負荷が生じてしまう。
また、切刃の切断に有効な刃幅(W)が同じ場合、前記比(Rt/W)が小さい程コンパクトなロータリ刃といえる。しかし、前記比(Rt/W)が0.7未満であると、帯状材を組み合わせるシャンクが小径になって機械的強度が低下するため、シャンクの撓みが切断品位を損ねる程に大きくなりやすい。また、前記比(Rt/W)が0.1を超えると、切刃の回転軌跡円が必要を超えて大径になるため、コンパクト化が望まれるロータリ刃には不利である。
次に、上述した本発明に係るロータリ刃に関し、具体例を挙げ、適宜図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明に係るロータリ刃は、以下に説明する具体例に限定されるものではない。
図1に示すロータリ刃Aは、幅が6インチ以下のシート材を切断対象とし、シート材切断に好適な本発明に係るロータリ刃の一例である。このロータリ刃Aは、シャンク2の外周に対して切刃3がスパイラル状に配置され、切刃3の両端側には案内リング部材4と緩衝リング部材5を有する。このロータリ刃Aを構成する各部材の位置関係を図2に、線分QQにおけるラジアル方向の断面を図3に示す。
ロータリ刃Aのシャンク2は、長尺丸棒状の金属材を機械加工し、長手方向に延在して外周2aと軸部2c、2dを形成してある。なお、軸部2c、2dは、ロータリ刃Aに回転軸の機能をもたすためのものである。また、シャンク2の外周2aのラジアル方向の断面外形は直径14mmの円形状に形成してある。また、軸部2c、2dには案内リング部材4、緩衝リング部材5をそれぞれ回転止めするためのDカット状の係止面2f、2hを有する取付部2e、2gを形成した。そして、シャンク2の外周2aには、図2に示すように、所定のねじれ角をもつ深さ1.4mmのスパイラル溝2bを外周2aの長手方向に延在して形成してある。
図3に示すシャンク2は、その断面形状を円形状に形成してあるが、本発明に係るロータリ刃の構成はこれに限定されない。例えば、シート材を挿入する空間を広く確保するため、図6に示すように一部を切欠いて外観がD字状となる断面形状(Dカット状断面2a’)を有するシャンク2’であってよく、スパイラル溝2b’も該断面形状に適するように形成することができる。
ロータリ刃Aの切刃3には、焼入帯鋼材を素材に用いて加工した厚さ0.7mm、幅4.6mmの帯状材を使用してある。焼入帯鋼材は、焼入処理などにより刃物に適する硬質性を有するため、切刃の素材には好適である。また、この帯状材の厚さと幅の比(厚さ/幅)は0.15である。なお、シャンク2に金属材を用いる場合は、機能性や材料コストを考慮し、硬質性よりも切断時の曲げ荷重に抗する靭性を優先することが好ましい。
この切刃3は、シャンク2の長手方向に対して所定のねじれ半径(Rt)と所定のねじれ角(θt)とをもったスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成された、帯状材からなる。具体的には、幅が6インチ以下のロータリ刃Aの刃先線3aの切断を営む有効長さ(刃渡り)を162mmに設定し、帯状材のシャンク2に組み合わせる一辺について、Rt=5.6mmとθt=5.6度(相手刃となす剪断角に対応)に設定し、計算上ではRc=0.7×10−3/mm(曲率半径で表すと1450mm相当)となった。
この帯状材の弓なり形状は、幅D=4.6mm、厚さT=0.7mmの帯状材を幅方向に曲げ塑性変形することにより、所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成する工程を含む製造方法で形成した。この他にも、例えば、平坦で薄肉の板材をプレスなどで打抜くなどの製造方法であってもよい。なお、この後に弓なり形状に形成した帯状材をスパイラル形状にねじり塑性変形したとき、この帯状材は変形しながら伸びて実寸が長くなる。この帯状材の伸びを考慮し、帯状材を弓なり形状に形成する曲率(Rc)は所望する切刃の形状が表す曲線がもつ曲率よりも大きく(曲率半径ならば小さく)設定することが好ましい。ロータリ刃Aの場合は、後述するねじり塑性変形を適用することを考慮し、上述した計算上のRc=0.7×10−3/mmよりも大きな1.0×10−3/mm(曲率半径で表すと1000mm相当)に設定した。
例えば、図12は、上述した幅Dで厚さTの帯状材を幅方向に曲げ塑性変形する手段の一例であり、板材をプレスなどで打抜くよりも材料歩留がよい。この手段は、素材である帯状材を、矢印で示す方向に移動したパンチ110とダイス111の間で加圧して塑性変形し、所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状の帯状材101に形成できる。このパンチ面110aとダイス面111aを、素材の弾性的戻り(スプリングバック)を考慮した上で所定の曲率(Rc)に対応する形状に形成することにより、少ない回数の加圧で所望の弓なり形状に形成できる。こうして形成した弓なり形状の帯状材100の一例を図8に示すが、この弓なり形状の帯状材100は、切刃として組み合わせるシャンクの外周に配置するエッジ100aが最も大きな曲率をもっている。
この後、2つの金型のそれぞれに加工穴を設け、後方の加工穴のみを前方の加工穴に対してねじれ角(θt)に対応して回転した姿勢とし、常温において、前記所定の曲率(Rc)をもつ弓なり形状の帯状材を2つの加工穴に通すことによりねじり塑性変形し、前記所定の曲率(Rc)に対応するねじれ半径(Rt)をもつスパイラル形状の帯状材に形成した。こうして形成した帯状材は、シャンク2の長手方向に対して所定のねじれ半径(Rt)と所定のねじれ角(θt)とをもったスパイラル形状であって、かつ、平坦に展開したときには所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状を有する部材になる。
こうして形成した帯状材からなる切刃3の形状を図7に示す。図7は、ロータリ刃Aの切刃3の各所について、切り始め側(軸部2c側)から切り終り側(軸部2d側)に向かって見える切刃3の断面を含む形状を示している。なお、切刃3の明確化のため、シャンク2は外周2aと回転軸の中心Pのみを示す。切刃3は、図示しないシャンク2のスパイラル溝2bに対して挿入部3b部分が挿入されており、刃先線3aが切り始め付近から中央部付近を経て切り終り付近へとスパイラル状にねじり変形しながら旋回している。この切刃3の形状こそが、帯状材の上述したスパイラル形状かつ平坦に展開したときには弓なり形状という特定の形状であり、この特定の形状が切刃3をシャンク2に対して容易かつ高精度に組み合わすために重要である。
こうした特定の形状を有する帯状材を、図7に示すように、切刃3に適用する。切刃3となる帯状材とシャンク2との組み合わせは、切刃3の刃先線3aの刃渡りを上述したように162mmとし、シャンク2の外周2aに形成したスパイラル溝2bに、この帯状材を挿入することによっている。シャンク2の外周2aに形成するスパイラル溝2bの幅は、切刃3の挿入部3bの厚さと同等に形成してある。これにより、嵌め合いを利用して互いを一体に固定することができる。また、さらに、レーザー溶接を施してより強固に一体化することもできる。なお、スパイラル溝の溝幅が挿入する帯状材の厚さと同等以上であったとしても、接着剤や溶接などの手段により互いを固定することができる。
切刃3のスパイラル形状は、旋回角が120度となるに形成してある。また、ねじれの内径(ねじれ半径)がスパイラル溝2bの底軌跡に対する内接円の直径と同等となるように目標値を設定し、切刃3のスパイラル形状がスパイラル溝2bと同等のねじれ角を持つように形成してある。このように切刃をスパイラル形状に形成しておくと、スパイラル溝への挿入作業が容易にできる。帯状材自らの弾性変形によりスパイラル溝2bに挿入できる程度のねじれ角を有する形状に形成するのであってもよい。また、ロータリ刃Aの切刃3は、全長に渡って同一のねじれ角でスパイラル形状に形成してある。この他、例えば途中から切り終りに向かってねじれ角が次第に大きくなるように形成することもできる。
この後に、案内リング部材4と緩衝リング部材5のそれぞれの側面に対して突き合わせた状態で、切刃3となる帯状材の長手方向の両端側が固定してある。ロータリ刃に案内リング部材や緩衝リング部材を設けることは、回転するロータリ刃と相手刃との接点を、切り始め側ではロータリ刃の刃先線に円滑に導き、切り終り側ではロータリ刃の刃先線から円滑に離間させ、そして再び切り始め側に移行させる、といった一連の動作が円滑になるため有効である。
図1、図2に示すロータリ刃Aの場合、案内リング部材4は切り始め側に位置する。そして、ロータリ刃Aの切刃3の回転軌跡円と同径の外周面を有する輪状部4aと、シャンク2の係止面2fを含み取付部2eに対応する孔形状をもつ貫通孔4bを有する。一方、緩衝リング部材5は切り終り側に位置する。そして、ロータリ刃Aの切刃3の回転軌跡円と同径である箇所が外周面における最大径となり、該外周面の半径が渦巻状に次第に減少するように形成された誘導部5aと、シャンク2の係止面2hを含み取付部2gに対応する孔形状をもつ貫通孔5bを有する。
これら案内リング部材4や緩衝リング部材5はいずれも、切刃3と同等の特性を有する金属平板材の打抜き片を4〜5枚重ね、輪状部4aや誘導部5aの外周面の接合部4c、5cの箇所で溶接により一体に形成した。こうした簡易な手段であれば、例えば単一の金属材から一体物として削り出すよりも、製造コストや材料コストの点で有利である。
ここで、刃先となる帯状材と緩衝リングとの接合の方法に関して述べておく。
図1、図2に示すロータリ刃Aの場合は緩衝リング部材5の側面に対して帯状材の端部を突き当てる状態で接合している。これとは別の好ましいと考える方法を図4、図E5に示しておく。図5では緩衝リング部材5’側を図4とは別の視点からみている。緩衝リング部材5’が図1、図2に示す緩衝リング部材5と異なる点は、誘導部5’aに形成された隙間5’dにある。緩衝リング部材5’の隙間5’dを、外周面の最大径となる切刃の回転軌跡円と同径である箇所と、該外周面の半径が渦巻状に次第に減少して最小径に到る箇所との間に形成している。
切刃である帯状材の一端を固定する場合、図4、図5に示す構成によれば、隙間5’dに対して切刃3’を挿入するだけの簡易な仕方で切刃3’の一端を保持することができる。この場合、切刃3’の長さが、隙間5’dの奥行分すなわち緩衝リング5’の厚み分だけ、図1、図2に示す切刃3よりも延長されるものの、材料コストへの影響は無視できるといってよい。
また、切刃3’を挿入する隙間5’dの幅は、切刃3’の厚さと少なくとも同等以上であればよく、広くても構わない。例えば、隙間5’dの幅が切刃3’の厚さと同等の場合は嵌め合いによる固定ができるし、切刃3’の厚さよりも広い場合は、切断時の回転方向の後方に当たる切刃3’の側面が隙間5’dの壁面に当接するように、ねじれの向きを考慮して切刃3’を挿入しておくことで、切断時に反力を受ける切刃3’を隙間5’dの壁面で支持できるからである。
以上のように、ロータリ刃Aでは、シャンク2に対してスパイラル状に形成した切刃3を組み合わせて固着した後に、シャンク2を回転しながら切刃3の外周を研磨した。そして、切刃3の最外部がなす回転軌跡円径が15mmとなるように切刃3の突出端を鋭利化し、切断を営む刃として仕上げた。これにより、刃渡りが162mm、切刃3の回転軌跡円径が15mmである、ロータリ刃Aを得た。
次に、上述した本発明に係るロータリカッタについて、上述したロータリ刃Aを用いた一例を挙げ、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明に係るロータリカッタは、以下に説明する具体例に限定されるものではない。
図9に外観を示し、図10に線分PPにおけるラジアル方向の断面を示す、ロータリカッタBは、幅が6インチ以下のシート材を切断対象にしたロータリ刃Aを用いて構成した、本発明に係るロータリカッタである。
ロータリカッタBは、スパイラル状の刃先線3aを有するロータリ刃Aと、直線状の刃先線1aを有する固定刃1とが、所定の剪断角をもって順次噛み合うことでシート材(図示せず)を切断することができ、図11に示す各種の部材によって構成される。具体的には、ロータリ刃Aと固定刃1の他、固定刃1を取り付ける固定刃ホルダ6と、ロータリ刃Aの軸部2c、2dや固定刃ホルダ6を支持する側板7、8と、側板7、8に連結する下フレーム9、上フレーム10などを有する。また、ロータリカッタBとしての装置全体の枠組みをなす、側板7、8と、下フレーム9と、上フレーム10とは、ネジ15〜18を用いて、それぞれに設けられた貫通孔7a、7b、8a、8bとタップ孔9a、9b、10a、10bの箇所で締結される。これにより、切断時の側板7、8の倒れなどが防止できる。
ロータリ刃Aは、両端側の軸部2c、2dを軸受13の貫通孔13aに挿入し、さらに軸受13の外輪を側板7、8の貫通孔7c、8cに挿入することで、回転可能に軸支されている。そして、ロータリ刃Aを回転するための駆動源などの駆動手段(図示せず)は、切断の切り終り側となる軸部2d側に設けられている。
ロータリ刃Aの相手刃となる固定刃1には、固定刃ホルダ6の取付面6aに密着可能な平面1bを有する平板状を用い、その長手方向の辺縁が直線状の刃先線1aに形成されている。また、固定刃1は、平面1bに設けた貫通孔1c、1dに取付面6aに設けた凸部6b、6cを挿入し、凸部6bの箇所で位置決めを行い、凸部6cの箇所で機械的にかしめることにより、固定刃ホルダ6に取り付けられている。
また、固定刃1は、自らの刃先線1aがロータリ刃Aの刃先線3aと一点で接触して噛み合うように、ロータリ刃Aの回転軸心に対して噛込角と称する0.18度の角度を付けて配置されている。これは、シート材の通紙方向に対してロータリ刃Aの回転軸心を直行して配置し、固定刃1を取り付けた固定刃ホルダ6を前記噛込角に対応する分だけ移動する方法で行った。具体的には、側板7、8の貫通孔7d、8dに対して、貫通孔6d、6eで軸支するピン11、12を挿入するとき、その位置を相当分だけ偏らすことによる。なお、噛込角が0.08度以上であると刃先同士の一点での接触が安定化しやすい。また、噛込角が2.0度以下であると接触点の移行の円滑性が得やすい。
固定刃ホルダ6においては、固定刃ホルダ6の一方側を軸支するピン12の軸部12aに対して所定の弾性力をもつコイルバネ14のコイル部が連通されている。そして、コイルバネ14の一方の足14aが側板8の切欠部8eに係留され、他方の足14bが固定刃ホルダ6に掛けられている。この構成により、コイルバネ14の弾性力を足14bから固定刃ホルダ6すなわち固定刃1へ伝達し、固定刃1をロータリ刃Aに対して適正な圧接力で付勢できるようになる。
また、固定刃ホルダ6の長手方向の中央付近には、突当部6fを設けている。これは、シート材の切断時に、異常な負荷が固定刃1に作用し、固定刃ホルダ6がコイルバネ14の弾性力に抗して後退した場合に対処するためである。この場合、固定刃ホルダ6の突当部6fが上フレーム10の受け面10cに当接することになり、上述の異常な負荷を上フレーム10で受け止めることができる。これにより固定刃1に異常な撓み変形が発生することがない。
上述の構成を有するロータリカッタBは、固定刃1の直線状の刃先線1aとロータリ刃Aのスパイラル状の刃先線3aとが、5.6度の剪断角を保ちながら切断の開始から終了まで一点で接触する。この接触により互いの刃先が適正な圧接力で噛み合う切断点を形成する。そして、この切断点が切断の進行とともに順次移動することにより、ロータリ刃Aと固定刃1との間の通紙用の空間30に挿入されたシート材(図示せず)が、挿入方向と直交方向に任意の長さで切断される。
また、上述したロータリカッタBは、シート材の搬送速度に対応してロータリ刃Aの回転制御を行うことができる。これにより、ロータリ刃Aと固定刃1の間の空間30内を通紙方向に移動しつつあるあるシート材を、搬送と同時に切断できるロータリカッタにできる。このようなロータリカッタBは、空間30内で静止状態にあるシート材も切断することができる。
次いで、上述したロータリカッタBにより静止状態にあるシート材を切断する一連の動作について、適宜図面を用いて詳細に説明する。
図10に示す待機状態にあるロータリカッタBにおいて、切断対象となるシート材は図示していないが、空間30内の所定位置で静止状態にある。このとき、ロータリ刃Aは静止状態にある。また、固定刃1の刃先線1aは、ロータリ刃Aの切り始め側に位置する案内リング部材4の外周面となる輪状部4aに対して接している。
ロータリ刃Aが矢印で示す方向へ回転すると、固定刃1の刃先線1aは案内リング部材4の輪状部4aの外周面を摺動し、ロータリ刃Aの刃先線3aに連なる箇所へ近づいていく。やがて、固定刃1の刃先線1aは、案内リング部材4の輪状部4aから離間し、ロータリ刃Aの刃先線3aに移行する。そして、互いの刃先線1a、3aが一点で接触する噛み合い点が形成される。さらにロータリ刃Aが回転すると、噛み合い点が互いの刃先線1a、3aに沿ってシート材の一端まで移行していく。やがて、噛み合い点がシート材の一端に達すると、この噛み合い点が切断点となってシート材を切断していく。この噛み合い点がシート材の幅方向に移行してシート材の他端まで達したとき、シート材は幅方向に完全に切断される。
上述のようにシート材が切断された後、さらにロータリ刃Aが回転し続けると、固定刃1の刃先線1aがロータリ刃Aの刃先線3aから離間する。この離間とほぼ同時に、固定刃1の刃先線1aは緩衝リング部材5の外周面となる誘導部5aに接する。この動作により、互いの刃先線1a、3aが非接触状態となって噛み合いが解消される。噛み合いが解消されたとき、固定刃1の刃先線1aは緩衝リング部材5の誘導部5aの最大径の位置に接した状態になっている。この位置は、ロータリ刃Aの半径方向においては、案内リング部材4の輪状部4aと同径相当の位置に該当するものの、固定刃1の刃先線1aは案内リング部材4の輪状部4aからは離間した状態になっている。これは、ロータリ刃Aの回転軸心に対して付与されている噛込角による。
上述の緩衝リング部材5に接し、かつ案内リング部材4に接しない状態にある固定刃1の刃先線1aは、ロータリ刃Aの回転に従って、切り終り側では緩衝リング部材5の誘導部5aを摺動しながらも、切り始め側では案内リング部材4の輪状部4aに近づいていく。これは、回転方向に沿って渦巻状に小径になる緩衝リング部材5の誘導部5aによる。この後、固定刃1の刃先線1aは、案内リング部材4の輪状部4aに対して滑らかに接触し、同時に緩衝リング部材5の誘導部5aからは離間する。このように、緩衝リング部材5の特段の効果により、コイルバネ14で付勢された固定刃1の刃先線1aは、緩衝リング部材5の誘導部4aから案内リング部材4の輪状部4aへと、機械的に衝突するようなこともなく円滑に移行することができる。
この後は、ロータリ刃Aが当初の位置に戻ったとき、固定刃1の刃先線1aもまた当初の位置に戻り、ロータリカッタBは当初の待機状態に戻る。
上述した一連の切断動作により、ロータリカッタBは、ロータリ刃Aと固定刃1の間の空間30内に挿入され静止状態にあるシート材を幅方向に切断することができる。こうして得られた切断後のシート材は、切断端に毛羽立ちや皺折れなどを有さない良好なものになっている。なお、上述したロータリカッタBによる一連のシート材切断動作は、図6に示すDカット状断面2a’を有するシャンク部材2’でなるロータリ刃を用いたロータリカッタであっても同様である。
A.ロータリ刃、B.ロータリカッタ、1.固定刃、1a.刃先線、1b.平面、1c,1d.貫通孔、2,2’.シャンク、2a.外周、2a’.Dカット状断面、2b,2b’.スパイラル溝、2c,2d.軸部、2e,2g.取付部、2f,2h.係止面、3.切刃、3a.刃先線、3b.挿入部、4.案内リング部材、4a.輪状部、4b.貫通孔、4c.接合部、5,5’.緩衝リング部材、5a,5’a.誘導部、5b.貫通孔、5c.接合部、5’d.隙間、6.固定刃ホルダ、6a.取付面、6b,6c.凸部、6d,6e.貫通孔、6f.突当部、7.側板、7a,7b,7c,7d.貫通孔、8.側板、8a,8b,8c,8d.貫通孔、9.下フレーム、9a,9b.タップ孔、10.上フレーム、10a,10b.タップ孔、10c.受け面、11.ピン、12.ピン、12a.軸部、13.軸受、13a.貫通孔、14.コイルバネ、14a,14b.足、15,16,17,18.ネジ、30.空間、100.弓なり形状の帯状材、100a.エッジ、101.帯状素材、110.パンチ、110a.パンチ面、111.ダイス、111a.ダイス面

Claims (6)

  1. 回転軸を備える棒状のシャンクと、前記シャンクの外周の長手方向に延在する帯状材からなる切刃とを有し、前記帯状材は、前記シャンクの長手方向に対してスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには幅方向に曲がる弓なり形状に形成され、前記帯状材の前記弓なり形状の一辺が前記シャンクに組み合わされ、前記帯状材の他辺が前記切刃に形成されており、前記切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の一端から他端までの前記回転軸周りの旋回角(φ)が80〜130度である、ことを特徴とするロータリ刃。
  2. 前記帯状材は、前記シャンクの長手方向に対して所定のねじれ半径(Rt)と所定のねじれ角(θt)とをもったスパイラル形状に形成され、かつ、平坦に展開したときには所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成され、前記帯状材の前記弓なり形状の曲率または平均曲率の大きい一辺が前記シャンクに組み合わされている、ことを特徴とする請求項1に記載のロータリ刃。
  3. 前記シャンクは、前記帯状材のスパイラル形状に対応する溝形状をもって前記外周の長手方向に延在するスパイラル溝を有し、前記スパイラル溝に前記帯状材の前記一辺が挿入されて組み合わされている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のロータリ刃。
  4. 前記切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の前記シャンクと組み合わせる前記一辺において、前記ねじれ角(θt)が3〜10度で、前記ねじれ半径(Rt)と前記刃幅(W)との比(Rt/W)が0.7〜1.6である、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のロータリ刃。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のロータリ刃の製造方法であって、幅Dで厚さTの帯状材を幅方向に曲げ塑性変形することにより、前記帯状材を所定の曲率(Rc)をもって幅方向に曲がる弓なり形状に形成する工程を含み、前記帯状材からなる切刃の切断に有効な刃幅(W)において、前記切刃の一端から他端までの前記回転軸りの旋回角(φ)を80〜130度に形成する、ことを特徴とするロータリ刃の製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のロータリ刃と、直線状の刃先を有する固定刃とが、所定の剪断角をもって順次噛み合うことでシート材の切断を営む、ことを特徴とするロータリカッタ。
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