JP5010174B2 - 回転電機用鉄心片の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、積層して回転電機の固定子積層鉄心や回転子積層鉄心を組立てる部品である磁性鋼板製の鉄心片を製造するための回転電機用鉄心片の製造装置に関する。
回転電機の固定子には、例えば図11の(a)に示すような、環状ヨーク部2から中心に向け突出した複数の磁極歯3を有する固定子用鉄心片1を、図11の(b)に示すように複数枚積層し、積層方向にかしめて組立てた固定子積層鉄心4が用いられる。また、図11の(a)に示した固定子用鉄心片1を磁極数分に分割展開した図12の(a)に示すような展開鉄心片5を製作し、それを積層後に筒状に塑性変形させ両端を溶接接合して図12の(b)に示すように組立てた固定子積層鉄心6も用いられる。
ところで、例えばHEV用モータや分散型ガスタービン用高速発電機等においては、回転電機の小型化を進めるために、回転数を上げることが必要となってくる。回転電機の回転数を上げると、鉄心内で発生する鉄損、とりわけ渦電流損が増大し、モータの効率を低下させることになり、また、発熱防止の観点からも、鉄損の低減が必要である。鉄損を低減させるには、鉄心の材料である磁性鋼板を薄くすることが最も有効である。
従来、この固定子積層鉄心、回転子積層鉄心を組立てる部品である薄い鉄心片(例えば厚み寸法が0.1〜0.5mm)は、図13に示すように、帯状磁性鋼板のコイル11をアンコイルしてロールフィーダ12にて送り出し、プレス装置13を用いて型抜きする方法で製造されていた。しかし、図13に示した従来の鉄心片の製造装置では、プレス装置13を使用した型抜き作業であるため素材供給をタクト送りにせざるを得ない。そのため、材料送り速度の限界から、生産能率が低くなる問題があった。
また、磁性鋼板の板厚が薄くなると型抜きの際に生ずるバリ(返り)が板厚に対して相対的に大きくなり、ひいては積層した場合に鉄心片端面の短絡による鉄損増加、積み精度低下などを招来して製品性能が低下するという問題もあった。さらに、プレス荷重が大きくなることに伴うプレス装置13の大型化により、設備コストのアップや、設置面積の大型化による製造ラインの固定費アップを招いていた。
そこで、近年では、ロータリーダイカッターと称される、外周面に刃型が設けられた円柱状(ローラ状)のダイと、円柱状(ローラ状)のアンビルとの間で、加工物を挟んで切断する切断装置が供されてきている(例えば特許文献1参照)。このロータリーダイカッターによれば、加工物を連続的に送りながら、切断(切抜き)することができる。従って、この特許文献1に記載されたロータリーダイカッターを、上記した回転電機用の鉄心片1,5の製造に適用するようにすれば、生産効率を高めることができる。
特許第3147671号公報
ところで、上記した特許文献1のロータリーダイカッターにあっては、ダイの外周面に設けられる刃型の刃先部形状は、両側に比較的緩やかな傾斜面を有する山形をなすと共に、その先端に刃先フラットを有した形状とされている。このような刃先部形状とすることにより、切断時において圧力を受ける面積を大きくすることができ、切刃面圧を低くして、刃型の寿命を長くすることができる。
しかしながら、そのような刃型の刃先部形状を、磁性鋼板(素材鋼板)から鉄心片を切抜く場合に適用すると、次のような不具合が生ずる。即ち、刃型の刃先部の傾斜の傾きが緩やかであると、切断時に刃先部が素材鋼板を面方向に押込むようになり、鉄心片5の切断縁部にその押込み量に応じた曲げ変形が生じ、鉄心片5にたわみ5aが生ずるようになる(図4(b)参照)。その変形が素材鋼板の弾性限度を越えて塑性領域に達すると、たわみ5aが元に戻らず、鉄心片5の寸法精度を悪化させることになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、薄い鉄心片を能率良く製造することができ、しかも、切断時の鉄心片の変形を抑えて寸法精度を高めることができる回転電機用鉄心片の製造装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の回転電機用鉄心片の製造装置は、積層して回転電機の固定子積層鉄心あるいは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、前記鉄心片の素材たる厚み寸法が0.1〜0.5mmの帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出可能に設けられる送り出し装置と、円柱形状のベース部とその外周表面に突出し製造すべき前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃とを備えたカッターローラと、円柱形状で平滑な外周表面を有する受けローラとを互いに周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送り出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置とを備え、前記凸状切刃は、その刃先部が、稜線の両側に傾斜面を有する山形形状に形成されると共に、前記傾斜面のうち前記鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θが、5°以下とされており、更に、前記凸状切刃には、その刃先部の内側傾斜面の底縁部からベース部側に延びる逃げ面が形成されていると共に、該逃げ面とベース部との間に段差部が形成されており、前記逃げ面は、傾斜角度が、5°以下であり、且つ、深さ寸法hが、前記素材鋼板の厚み寸法の1倍以上、2倍以下とされているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
本発明によれば、素材鋼板を連続送りしながら、回転する凸状切刃により鉄心片を高速連続切抜きすることができるため、生産性が非常に高くなる効果を奏する。また、鉄心片を押切って切抜くのでバリ(返り)の少ない鉄心片を製造することができる。従って、その鉄心片を積層して固定子積層鉄心あるいは回転子積層鉄心とした場合、鉄心片の体積占有率は高くなり、積層鉄心としての鉄損も少なくなる効果を奏する。大形のプレス装置も必要ないので、設備コスト、設置面積の低減等を図ることができる。
ここで、上記凸状切刃においては、その刃先部を、稜線の両側に傾斜面を有する山形形状とすることにより、刃先部の寿命を向上させることができるのであるが、傾斜面の角度が比較的大きいもの(緩やか)であると、上記した切断時の鉄心片の変形の問題が生ずる。本発明者らは、鉄心片の素材である厚み寸法が0.1〜0.5mmの磁性鋼板を切断する場合の、凸状切刃の刃先部の傾斜面の角度について、様々な実験を行った。その結果、傾斜面のうち鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θを、0°以上、5°以下と鋭角的にすることにより、素材鋼板の切抜き部分の内側に対する面方向の押込み量が少なく、切り抜かれる鉄心片の変形が弾性限度内に止まり、切断後の鉄心片のたわみ変形を防止できることを確認したのである。
更に、凸状切刃に、刃先部の内側傾斜面の底縁部からベース部側に延びる逃げ面を形成すると共に、該逃げ面とベース部との間に段差部を形成し、逃げ面の傾斜角度を、5°以下とし、且つ、逃げ面の深さ寸法hを、素材鋼板の厚み寸法の1倍以上、2倍以下とすることにより、鉄心片側の内側傾斜面の長さが小さくても、逃げ面によって、素材鋼板の切断が可能になる。そして、切断時に素材鋼板(鉄心片)が段差部に接触することにより、凸状切刃の根元部分にそれ以上深く押込まれないようにすることができ、ひいては、素材鋼板の切断時に、凸状切刃が、受けローラに対して余分に食い込んでダメージを与えることを防止することができる。この場合、逃げ面の深さ(高さ)寸法は、素材鋼板の厚み寸法の2倍以下とすることが望ましく、適度なクリアランスを得ることができる。逃げ面の深さが大きすぎる(素材鋼板の厚み寸法の2倍を越える)と、上記した作用が得られなくなる。一方、逃げ面の深さ(高さ)寸法が小さすぎる(素材鋼板の厚み寸法に満たない)と、切断時に素材鋼板の裏面側まで刃先が届かなくなる虞があって切抜きの確実性に劣るものとなる。
また、同じ目的を達成するために、本発明の第2の回転電機用鉄心片の製造装置は、鉄心片の素材たる厚み寸法が0.1〜0.5mmの帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出可能に設けられる送り出し装置と、円柱形状のベース部とその外周表面に突出し製造すべき鉄心片の形状に合せた凸状切刃とを備えたカッターローラと、円柱形状で平滑な外周表面を有する受けローラとを互いに周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送り出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置とを備え、前記凸状切刃は、その刃先部が、稜線の両側に傾斜面を有する山形形状に形成され、且つ、それら傾斜面のうち鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θが、素材鋼板の残材側となる外側傾斜面の傾斜角度φ以下とされていると共に、前記内側傾斜面構成部分の厚み寸法Wが、前記素材鋼板の厚み寸法の2倍以下とされているところに特徴を有する(請求項2の発明)。
このとき、刃先部を山形形状とした場合、鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θを、残材側となる外側傾斜面の傾斜角度φよりも大きくすることは避けなければならない。なぜならば、内側傾斜面の傾斜角度θが外側傾斜面の傾斜角度φよりも大きくなると、鉄心片側への局所的な刃先荷重が残材側よりも早く加わり、且つ大きくなるから、切抜かれた鉄心片の変形がひどくなり、破断面がいびつになる虞がある。従って、鉄心片の変形防止のためには、少なくとも、内側傾斜面の傾斜角度θを、外側傾斜面の傾斜角度φを越えないようにする必要がある。
そして、本発明者らの研究によれば、内側傾斜面構成部分の厚み寸法Wを、素材鋼板の厚み寸法の2倍以下とすることにより、仮に内側傾斜面の傾斜角度θが外側傾斜面の傾斜角度φとほぼ同等であっても、凸状切刃の内側傾斜面側の刃の厚み自体が薄くなり、内側傾斜面により素材鋼板に対して面方向に押付ける範囲が小さくなる。この結果、鉄心片の変形を弾性変形内に止め、塑性変形を防止することができる。これに対し、厚み寸法Wが、素材鋼板の厚み寸法の2倍を越えてしまうと、鉄心片の変形が塑性領域に入ってしまい、鉄心片のたわみ変形が発生し元に戻らなくなる。
上記した請求項2の回転電機用鉄心片の製造装置において、更に、凸状切刃に、刃先部の内側傾斜面の底縁部からベース部側に延びる逃げ面を形成すると共に、該逃げ面とベース部との間に段差部を形成することができ、前記逃げ面の傾斜角度を、5°以下とし、且つ、逃げ面の深さ寸法hを、素材鋼板の厚み寸法の1倍以上、2倍以下とすることができる(請求項3の発明)。
これによれば、鉄心片側の内側傾斜面の長さが小さくても、逃げ面によって、素材鋼板の切断が可能になる。そして、切断時に素材鋼板(鉄心片)が段差部に接触することにより、凸状切刃の根元部分にそれ以上深く押込まれないようにすることができ、ひいては、素材鋼板の切断時に、凸状切刃が、受けローラに対して余分に食い込んでダメージを与えることを防止することができる。この場合、逃げ面の深さ(高さ)寸法は、素材鋼板の厚み寸法の2倍以下とすることが望ましく、適度なクリアランスを得ることができる。逃げ面の深さが大きすぎる(素材鋼板の厚み寸法の2倍を越える)と、上記した作用が得られなくなる。一方、逃げ面の深さ(高さ)寸法が小さすぎる(素材鋼板の厚み寸法に満たない)と、切断時に素材鋼板の裏面側まで刃先が届かなくなる虞があって切抜きの確実性に劣るものとなる。
尚、段差部を設けないで、カッターローラのベース部の面から直接逃げ面が立上るように凸状切刃を形成することも考えられるが、凸状切刃は、使用に伴い刃先部が磨耗するといった事情から、凸状切刃全体の高さを余分に取った上で、段差部を設けることによって、刃先部を再研磨して使用することが可能となり、経済的となる。また、段差部の幅寸法は、鉄心片の変形防止の観点からは、広ければ広いほど良いが、素材鋼板の厚み寸法の3倍程度あれば十分であることが確認されている。
また、このように凸状切刃に逃げ面と段差部とを設ける場合、逃げ面と段差部との境界部分に対し、刃先荷重による圧縮応力、材料(素材鋼板)を排出する接線応力、材料から受ける応力、凸状切刃の位置のアンバランスに起因する曲げモーメントなどの応力が作用する。そこで、それらの境界部を円弧面状とし、その円弧面の曲率半径Rを、前記素材鋼板の厚み寸法以上とすることができる(請求項4の発明)。これによれば、逃げ面と段差部との境界部分に対する応力集中を緩和することができ、凸状切刃の寿命を向上させることができる。また、切断された素材鋼板が円弧面に沿って弾性変形することにより、素材鋼板が凸状切刃から容易に引き離され、素材鋼板が凸状切刃に接触し続けることを防止することができる。
本発明においては、カッターローラの凸状切刃を、超硬合金製とすると共に、その外面を研削砥石による研削面仕上げとすることができる(請求項5の発明)。これによれば、凸状切刃を高硬度として、切断性能が高く、且つ大きな荷重に耐え得て寿命の長いものとすることができる。また、焼結体からなり細かい形状を得ることが困難な超硬合金であっても、研削面仕上げとすることにより、上記した細かな刃先形状を得ることが可能となる。再研磨を含めた刃先加工を、低コストで容易に行うことができる。
あるいは、前記凸状切刃を、台座部の先端に超硬合金製のブロックを取付けて構成し、そのブロックの稜部によって刃先部が形成されるように構成することもできる(請求項6の発明)。又は、凸状切刃を、台座部の先端に直方体或いは稜面体形状をなす超硬合金製のブロックを取付けて構成し、そのブロックの角部によって刃先部が形成されるように構成することもできる(請求項7の発明)。
これらによれば、超硬合金製のブロックから刃先部を構成することにより、高硬度な切断性能の高い刃先部を得ることができる。このとき、超硬合金は、焼結体であるため予め複雑形状に加工することが困難な事情があるが、ブロック(直方体或いは稜面体形状)を構成するものであるから、製造が容易で高い寸法精度が得られる。台座部については、比較的軟らかい材料から構成することができるので、加工が容易となる。刃先部を構成するブロックが磨耗した場合には、刃先部を台座部から取外して容易に再研磨したり、ブロック全体を容易に交換したりすることができる。
上記ブロックの角部を刃先部とした凸状切刃は、例えばかしめ用の穴の形成に用いたり、位置決め用のガイドピンとして利用したりすることができる。尚、上記台座部の材質としては、比較的硬い工具鋼、それよりも軟らかいステンレスや炭素鋼等、様々なものを採用することができる。また、台座部とブロックとの接合は、ろう付け、接着、スポット溶接、かしめなどの方法を採用することができる。
本発明の回転電機用鉄心片の製造装置によれば、積層して回転電機の固定子積層鉄心あるいは回転子積層鉄心とした場合に、その製品性能を低下させることのない鉄心片、とりわけ薄い鉄心片を能率良く製造することができ、しかも、切断時の鉄心片の変形を抑えて寸法精度を高めることができるという優れた効果を得ることができる。
以下、本発明を具体化したいくつかの実施例について、図1ないし図12を参照しながら説明する。尚、以下の実施例においても、本発明を、図11及び図12に示したような、固定子用の鉄心片1又は展開鉄心片5を製造する場合に適用したものである。従って、それらについては、新たな図示及び詳しい説明を省略し、符号も共通して使用するものとする。
(1)第1の実施例
まず、図1ないし図4を参照しながら、本発明の第1の実施例について述べる。図2は、本実施例に係る鉄心片の製造装置(製造ライン)の構成を概略的に示している。回転電機の固定子に使用する積層鉄心あるいは回転子に使用する積層鉄心を組立てる部品である鉄心片(例えば展開鉄心片5)は、電磁鋼板などの磁性鋼板で製作される。素材である磁性鋼板としては、厚み寸法t(図3参照)が、例えば0.1〜0.5mmの薄板帯状の鋼板(以下、素材鋼板22という)をコイル状に巻いたコイル材20が使用される。
前記コイル材20は、アンコイラー装置21に水平軸を中心に回転可能にセットされる。このコイル材20から素材鋼板22の一端が引出されてレベラフィーダ23に引入れられる。レベラフィーダ23はアンコイルした素材鋼板22の巻き癖を矯正し一定速度で矢印F方向に送り出すようになっている。これらアンコイラー装置21及びレベラフィーダ23から送り出し装置が構成される。本実施例の製造方法では、鉄心片5を従来のようなダイとパンチを使用した型抜きではなく、回転ロールの外周表面に形成した凸状切刃を使用した連続切抜きにより製造する。このため、素材鋼板22はタクト送りでなく一定速度で連続的に送り出される。
レベラフィーダ23から送り出された素材鋼板22は、次に鉄心片切抜装置25に送り込まれる。鉄心片切抜装置25は、製造する固定子積層鉄心6(あるいは回転子積層鉄心)に応じた所望形状の鉄心片5を、素材鋼板22から切抜く装置である。図3にも示すように、その主要部はカッターローラ26と受けローラ27とを組合せて構成される。また、鉄心片切抜装置25の下流には、鉄心片5が打抜かれた後の素材鋼板22(残材)を回収するための巻取ローラ28が設けられている。
図3に示すように、前記カッターローラ26は、外観ほぼ円柱状に形成されたロールであり、ロール両端部には幅狭の大径部29が形成され、その両端大径部29間には小径なベース部30が形成されている。尚、ベース部30の幅寸法は、素材鋼板22の幅寸法よりやや大きく構成されている。他方の受けローラ27は平滑な外周表面をもつ円柱状ロールである。カッターローラ26と受けローラ27とは、それぞれの軸線X1、X2を互いに平行として回転可能に設けられている。このとき、カッターローラ26の大径部29を受けローラ27の外周表面に突合せた状態で、カッターローラ26を上側にして対向配置されている。
両ローラ26、27の軸方向両端面には、回転軸32、33が突設して設けられている。その片側(図3で右側)の回転軸32a、33aには、互いに噛合する歯車35、36が取付けられている。また、カッターローラ26の反対側回転軸32bには駆動モータ39が取付けられている。この駆動モータ39によりカッターローラ26が回転駆動され、これに伴い、歯車35、36により受けローラ27がカッターローラ26とは反対方向に同期回転駆動され、両ローラ26、27は周速をほぼ同一にして回転する。尚、受けローラ27はフリー状態であっても、両ローラ26、27間の圧力によりほぼ同期して回転する。フリー状態であれば、後述する凸状切刃40と受けローラ27面の当接する部位が少しずつずれることにより、受けローラ27面の寿命を延ばす効果がある。
カッターローラ26のベース部30の外面中央部分には、素材鋼板22から鉄心片5を打ち抜くための先端部断面が三角形状の凸状切刃40が形成されている。この凸状切刃40は先端が大径部29より数μm程度突出する高さで、平面展開した形状が両ローラ26、27間に送り込まれた素材鋼板22から切抜く鉄心片5の形状と同一となるように形成されている。この凸状切刃40の形状の詳細については、後述する。
両ローラ26、27間に素材鋼板22が送り込まれ両ローラ26、27が駆動モータ39により回転駆動され、受けローラ27上を移動する素材鋼板22上にカッターローラ26の凸状切刃40が回転押圧される。そして、凸状切刃40と受けローラ27の周面との間で素材鋼板22が押切られ、凸状切刃40を平面展開した形状と同一形状の鉄心片5が切抜かれて落下する。
切抜かれた鉄心片5の落下を容易にするためカッターローラ26は上側に、受けローラ27はその下側に配置されている。落下した鉄心片5は、受けローラ27の下に配置された集積箱44(図2参照)に集積される。鉄心片5が打ち抜かれた素材鋼板22の残材は、巻取ローラ28により巻取られて回収される。
さて、本実施例では、前記凸状切刃40は、次のような形状を備えている。即ち、図1は、カッターローラ26の外周部(ベース部30)の要部を、凸状切刃40の一部を破断して示している。この凸状切刃40の先端の刃先部は、稜線の両側に傾斜面40a,40bを有した山形形状に構成されている。そして、それら傾斜面のうち、切抜かれる鉄心片5側を向く内側傾斜面40aの傾斜角度θが、0°以上5°以下の範囲内、例えば5°とされている。また、傾斜面のうち、素材鋼板22の残材側を向く外側傾斜面40bの傾斜角度は、それよりも緩やか(例えば30°〜60°)に構成されている。
ここで、従来例で述べたように、仮に、刃先部の両側の傾斜面の傾きが共に緩やかであると、切断時に刃先部が素材鋼板22を面方向に押込むようになり、鉄心片5の切断縁部にその押込み量に応じた曲げ変形が生じ、図4(b)に示すように、素材鋼板22の弾性限度を越えた変形により、鉄心片5に元に戻らないたわみ5aが生ずる虞がある。
これに対し、本発明者らの実験によれば、本実施例の凸状切刃40の刃先部の構成では、厚み寸法tが0.1〜0.5mmの素材鋼板22を切り抜くに際し、内側傾斜面40aの傾斜角度θを、0°以上、5°以下と鋭角的にしたことにより、素材鋼板22の切抜き部分の内側に対する面方向の押込み量が少なく、切り抜かれる鉄心片5の変形が弾性限度内に止まり、切断後の鉄心片5のたわみ変形を防止できることが確認されたのである。ちなみに、本実施例の凸状切刃40においては、図4(a)に示すように、素材鋼板22から切り抜かれた鉄心片5に、切断後の変形は見られず、寸法精度の高い切抜き作業を行うことができたのである。
また、凸状切刃40の刃先部の外側傾斜面40bは、傾斜角度が比較的緩やかに構成されているので、切断時に刃先部に作用する圧力を比較的広い面積で受けることができ、刃先部の寿命を向上させることができる。しかも、外側傾斜面40bの方が傾斜角度が十分に緩やかなので、素材鋼板22に対し、切込みから外側、つまり鉄心片5から残材を離す方向に押す力を得ることができ、鉄心片5と残材との切離しがより良好に行われるようになる作用も期待できる。
このような本実施例の製造装置によれば、カッターローラ26の凸状切刃40を平面展開した形状と同一形状の鉄心片5を素材鋼板22から切抜くことができる。従って、凸状切刃40の平面展開形状を図11の(a)又は図12の(a)に示した形状に形成しておけば、それぞれ図11の(b)又は図12の(b)に示した形状の固定子積層鉄心4、6を組立てる鉄心片1、5を製作することができる。
このような凸状切刃40と受けローラ27の周面との間で素材鋼板22を押切る本実施例の製造法で製作した鉄心片5は、従来のダイとパンチを使用した型抜きにより製造した鉄心片に比べてバリ(返り)が非常に少なくなる特徴がある。これは鉄心片5の切抜きがダイとパンチという2つの刃による切断ではなく、凸状切刃40と受けローラ27との間で素材鋼板22を凸状切刃40の形状に押切って切抜く方法であるため、押切りの際に受けローラ27がバリの発生を防止しているためと考えられる。従って、本製造方法で製作した鉄心片5を積層鉄心6を組立てる部品として使用すれば、バリが少ないため鉄心片端面の短絡による鉄損が少なくなる効果を奏する。また、バリが少ないため積み精度が向上し、積層した場合の鉄心片の体積占有率も高くなる。
さらに、本実施例においては、従来のように素材鋼板をタクト送りしながらプレス装置13で型抜きするのと違って、素材鋼板22を連続送りしながら回転する凸状切刃40により高速連続切抜きすることができ、生産性が非常に高くなる効果を奏する。さらに切抜きは線接触で行なわれるため凸状切刃40に加える圧力が少なくて済む。従って、従来のような大きなプレス機を必要とせず、設備コスト及び設備面積が少なくて済む効果も奏する。
そして、本実施例では、凸状切刃40の刃先部を、稜線の両側に傾斜面40a、40bを有する山形形状に形成すると共に、そののうち前記鉄心片5側となる内側傾斜面40aの傾斜角度θを、0°以上、5°以下と鋭角的に構成したことにより、切断時の鉄心片5の変形を抑えて寸法精度を高めることができるという優れた効果を得ることができるのである。
尚、回転電機は固定子積層鉄心と回転子積層鉄心の2種類の積層鉄心を必要とするため、鉄心片も2種類製作する必要がある。図示は省略するが、この2種類の鉄心片を製作するには、カッターローラのベース部に、固定子積層鉄心用の鉄心片に合せた形状の第1の凸状切刃と、回転子積層鉄心用の鉄心片に合せた形状の第2の凸状切刃の2種類の凸状切刃をそれぞれ1乃至複数個形成しておくと良い。そのようにしておけば、1個のカッターローラが1回転する間に固定子積層鉄心用の鉄心片と回転子積層鉄心用の鉄心片とを同時に切抜くことができ便利である。
(2)第2、第3の実施例
図5及び図6は、夫々、本発明の第2及び第3の実施例を示すものである。尚、以下に述べる各実施例(第2の実施例以降の実施例)は、上記第1の実施例の一部を変更したものであり、特に、凸状切刃の構成(形状)が上記第1の実施例と異なっている。従って、以下に述べる各実施例においては、上記第1の実施例と同一部分については、同一符号を付して新たな図示や詳しい説明を省略し、以下、異なる点についてのみ説明する。
図5は、本発明の第2の実施例に係る凸状切刃51の構成を示している。この凸状切刃51は、やはり、その刃先部が、稜線の両側に傾斜面51a,51bを有する山形形状に形成されている。このとき、凸状切刃51の刃先部の傾斜面のうち鉄心片5側となる内側傾斜面51aの傾斜角度θは、上記第1の実施例の内側傾斜面40aのような鋭角的なものではなく、素材鋼板22の残材側となる外側傾斜面51bの傾斜角度φ以下、つまりθ≦φである比較的緩やかな傾斜面とされている。そして、これに加えて、凸状切刃51の内側傾斜面51a構成部分の厚み寸法Wが、素材鋼板22の厚み寸法tの2倍以下とされている。つまり、内側傾斜面51aの長さが、外側傾斜面51bの長さよりも十分に短く構成されている。
このとき、凸状切刃51の刃先部を山形形状とした場合、内側傾斜面51aの傾斜角度θを、外側傾斜面51bの傾斜角度φよりも大きくすることは避けなければならない。なぜならば、内側傾斜面51aの傾斜角度θが外側傾斜面51bの傾斜角度φよりも大きくなると、鉄心片5側への局所的な刃先荷重が残材側よりも早く加わり、且つ大きくなるから、切抜かれた鉄心片5の変形がひどくなり、破断面がいびつになる虞がある。従って、鉄心片5の変形防止のためには、少なくとも、内側傾斜面51aの傾斜角度θを、外側傾斜面51bの傾斜角度φを越えないようにする必要がある。
そして、本発明者らの研究によれば、内側傾斜面51a構成部分の厚み寸法Wを、素材鋼板22の厚み寸法tの2倍以下とすることにより、仮に内側傾斜面51aの傾斜角度θが外側傾斜面51bの傾斜角度φとほぼ同等であっても、凸状切刃51の内側傾斜面51a側の刃の厚み自体が薄くなり、内側傾斜面51aにより素材鋼板22に対して面方向に押付ける範囲が小さくなる。この結果、鉄心片5の変形を弾性変形内に止め、塑性変形を防止することができる。これに対し、厚み寸法Wが、素材鋼板22の厚み寸法tの2倍を越えてしまうと、鉄心片5の変形が塑性領域に入ってしまい、鉄心片5のたわみ変形が発生し元に戻らなくなる。
従って、この第2の実施例における凸状切刃51によっても、上記第1の実施例と同様に、薄い鉄心片5を能率良く製造することができ、しかも、切断時の鉄心片5の変形を抑えて寸法精度を高めることができるという優れた効果を奏するものである。
図6は、本発明の第3の実施例に係る凸状切刃52の構成を示している。この凸状切刃52においても、上記第2の実施例の凸状切刃51と同様に、その刃先部は、稜線の両側に比較的緩やかな傾斜面52a,52bを有する山形形状に形成され、そのうち鉄心片5側となる内側傾斜面52aの傾斜角度θは、素材鋼板22の残材側となる外側傾斜面52bの傾斜角度φ以下とされている。
そして、本実施例の凸状切刃52は、刃先部の内側傾斜面52aの底縁部からベース部30側に延びる逃げ面52cを有すると共に、該逃げ面52cとベース部30との間に段差部52dを有して構成されている。このとき、前記逃げ面52cの傾斜角度が、0°以上、5°以下の範囲内、例えば0°の垂直壁とされており、且つ、逃げ面52cの深さ寸法hが、素材鋼板22の厚み寸法tの1倍以上、2倍以下、この場合約2倍とされている。さらに、前記段差部52dの幅寸法dは、例えば、素材鋼板22の厚み寸法tの3倍程度とされている。
本実施例の凸状切刃52によれば、鉄心片5側の内側傾斜面52aの長さが小さくても、逃げ面52cによって、素材鋼板22の切断を良好に行うことができる。そして、切断時に素材鋼板22(鉄心片5)が段差部52dに接触することにより、凸状切刃52の根元部分にそれ以上深く押込まれないようにすることができ、ひいては、素材鋼板22の切断時に、凸状切刃52が、受けローラ27に対して余分に食い込んでダメージを与えることを防止することができる。
この場合、本発明者らの研究によれば、逃げ面52cの深さ(高さ)寸法hは、素材鋼板22の厚み寸法tの2倍以下とすることが望ましく、適度なクリアランスを得ることができる。逃げ面52cの深さが大きすぎる(素材鋼板22の厚み寸法tの2倍を越える)と、上記した作用が得られなくなる。一方、逃げ面52cの深さ寸法hが小さすぎる(素材鋼板22の厚み寸法tに満たない)と、切断時に素材鋼板22の裏面側まで刃先が届かなくなる虞があって切抜きの確実性に劣るものとなる。
尚、段差部52dを設けないで、カッターローラ26のベース部30の面から直接逃げ面が立上るように凸状切刃を形成することも考えられるが、凸状切刃は、使用に伴い刃先部が磨耗するといった事情から、凸状切刃52全体の高さを余分に取った上で、段差部52dを設けることによって、刃先部を再研磨して使用することが可能となり、経済的となる。また、段差部52dの幅寸法dは、鉄心片5の変形防止の観点からは、広ければ広いほど良いが、素材鋼板22の厚み寸法tの3倍程度あれば十分であることが確認されている。
(3)第4の実施例
図7及び図8は、本発明の第4の実施例を示している。図7は、本実施例に係る凸状切刃53の形状を示しており、この凸状切刃53は、上記第3の実施例の凸状切刃52と同様に、その刃先部が、稜線の両側に比較的緩やかな傾斜面53a,53bを有する山形形状に形成され、内側傾斜面53aの底縁部からベース部30側に延びる逃げ面53cを有すると共に、該逃げ面53cとベース部30との間に段差部53dを有して構成されている。
この場合も、内側傾斜面53aの傾斜角度θは、外側傾斜面53bの傾斜角度φ以下とされており、また、逃げ面53cの傾斜角度が、0°以上、5°以下の範囲内、例えば0°の垂直壁とされており、且つ、逃げ面53cの深さ寸法hが、素材鋼板22の厚み寸法tの1倍以上、2倍以下、この場合約2倍とされている。さらに、段差部53dの幅寸法dは、例えば、素材鋼板22の厚み寸法tの3倍程度とされている。
そして、本実施例では、前記逃げ53cと段差部53dとの境界部が円弧面状(いわゆるアール状)とされており、また、その円弧面53eの曲率半径Rは、素材鋼板22の厚み寸法t以上とされている。
ここで、このように凸状切刃53に逃げ面53cと段差部53dとを設ける場合、逃げ面53cと段差部53dとの境界部分に対し、刃先荷重による圧縮応力、材料(素材鋼板22)を排出する接線応力、材料から受ける応力、凸状切刃53全体の位置のアンバランスに起因する曲げモーメントなどの応力が作用する。
これに対し、逃げ53cと段差部53dとの境界部を円弧面53eとしたことにより、その境界部分に対する応力集中を緩和することができ、凸状切刃53の寿命を向上させることができる。また、切断された素材鋼板22が円弧面53eに沿って弾性変形することにより、素材鋼板22が凸状切刃53から容易に引き離され、素材鋼板22が凸状切刃53に接触し続けることを防止することができる。この結果、切れ味の向上、刃先磨耗の軽減を図ることができ、さらには、鉄心片5の変形を抑え、切断面も直角面に近付けることができる。
図8は、上記凸状切刃53の形状を得るための形成方法を示すものである。この場合、凸状切刃53は、ダイアモンドに次ぐ硬度の高い材料である超硬合金製とされるのであるが、超硬合金は焼結体からなるため、最初から凸状切刃53の細かい形状を得ることが困難な事情がある。そこで、ここでは、凸状切刃53の基材となる超硬合金の焼結体54を大まかな形状で製造し、例えばダイアモンド砥石からなる研削砥石55,56,57による研削面仕上げによって、凸状切刃53の細かな刃先形状を得るようにしている。
即ち、図8(a)に示すように、凸状切刃53の基材となる超硬合金の焼結体54は、凸状切刃53の最終形状(高さや全体の幅)に近い直方体のブロック状に形成される。そして、図8(b)に示すように、例えば円錐形状の研削砥石55を用いて、焼結体54の先端部を研削することにより、刃先部を構成する所定角度の傾斜面53a,53bを形成することができる。
また、図8(c)に示すように、例えば円柱形状の研削砥石56を用いて、焼結体54の内側面(鉄心片5側を向く面)に対する研削を行うことにより、逃げ面53c及び段差部53dを形成することができる。図8(d)に示すように、例えば球形状の研削砥石57を用いて、逃げ面53cと段差部53dとの境界部分に対する研削を行うことにより、円弧面53eを形成することができる。
これによれば、凸状切刃53を高硬度として、切断性能が高く、且つ大きな荷重に耐え得て寿命の長いものとすることができる。また、焼結体からなり細かい形状を得ることが困難な超硬合金であっても、研削面仕上げとすることにより、上記した細かな刃先形状を得ることが可能となる。再研磨を含めた刃先加工を、低コストで容易に行うことができる。尚、説明は省略するが、上記に準じた方法により、上記した第1〜第3の実施例に係る凸状切刃40,51,52を形成することができることは勿論である。
(4)第5、第6の実施例、その他の実施例
図9は、本発明の第5の実施例に係る凸状切刃61の構成を示している。この凸状切刃61は、ベース部30から一体的に立上る台座部62と、その先端に取付けられた超硬合金(焼結体)製のブロック63とから構成されている。前記ブロック63は、直方体形状をなし、傾いて取付けられることにより、その一つの稜部によって凸状切刃61の刃先部が形成されるようになっている。この場合、ブロック63のその稜部の両側の面が、内側傾斜面63a及び外側傾斜面63bを構成し、上記図6の凸状切刃52(あるいは図7の凸状切刃53)と同様に、そのうち内側傾斜面63aの方が、傾斜角度が小さく且つ幅寸法(厚み寸法)も小さいものとされている。
そして、前記台座部62は、前記ブロック63の刃先部とは反対側の稜部部分を受ける形状の受け面を有して構成されており、ブロック63を、切断加圧力に耐える広い面積で受けるように構成されている。この台座部62の材質としては、例えば比較的硬い工具鋼が採用される。切断加圧力に耐え得るものであれば、それよりも軟らかいステンレスや炭素鋼等、様々なものを採用することも可能である。また、台座部62に対するブロック63の取付け(接合)は、ろう付け、接着、スポット溶接、かしめなどの方法を採用することができる。
これによれば、超硬合金製のブロック63から凸状切刃61の刃先部を構成することにより、高硬度な切断性能の高い刃先部を得ることができる。このとき、超硬合金は、焼結体であるため予め複雑形状に加工することが困難な事情があるが、直方体のブロック63としたので、製造が容易で高い寸法精度が得られる。台座部62については、比較的軟らかい材料から構成することができるので、加工が容易となる。刃先部を構成するブロック63が磨耗した場合には、ブロック63を台座部62から取外して容易に再研磨したり、ブロック63を容易に交換したりすることができる。
図10は、本発明の第6の実施例に係る凸状切刃64の構成を示している。図10(a)に示すように、この凸状切刃64は、ベース部30から一体的に立上る台座部65と、その先端に取付けられた超硬合金製のブロック66とから構成されている。前記ブロック66は、上下両端の角部が鋭角的に尖った稜面体(八面体)形状をなしており、前記台座部65は、ほぼ円柱状をなすと共に、その先端面にブロック66のほぼ半分が埋まるような取付穴を有している。ブロック66は、台座部65の取付穴に差込まれるようにして、ろう付け等により取付けられる。
このように構成された凸状切刃64は、例えば図10(b)に示すように、ブロック66の先端の角部を刃先部として、鉄心片5に対してかしめ用の穴(ハーフカット状の切起し部)5bを形成するために用いることができる。あるいは、図示はしないが、切断工程における素材鋼板22の位置決め用のガイドピンとして利用したりすることができる。この場合も、高硬度な切断性能の高い刃先部を容易に得ることができる。
尚、本発明は、上記し図面に示した各実施例に限定されるものではなく、例えば、切抜装置の構成としては、カッターローラと受けローラとを横に並べて、素材鋼板を上下方向に送るように構成しても良く、また、上記した各部の角度や寸法などについても、1つの例を示したに過ぎず、さらには、製造すべき鉄心片ひいては積層鉄心の形状についても、様々な変形が可能であるなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の第1の実施例を示すもので、カッターローラの凸状切刃部分を示す斜視図 鉄心片の製造装置の構成を概略的に示す側面図 切抜装置の要部の送り方向下流側からの斜視図 切抜かれた鉄心片を示す平面図であり、実施例の凸状切刃を用いた場合(a)と従来の凸状切刃を用いた場合(b)とを並べて示す図 本発明の第2の実施例を示す凸状切刃部分の拡大斜視図 本発明の第3の実施例を示す図5相当図 本発明の第4の実施例を示すもので、図5相当図 研削砥石を用いた研削により凸状切刃を形成する様子を示す図 本発明の第5の実施例を示す図5相当図 本発明の第6の実施例を示すもので、凸状切刃部分の拡大斜視図(a)及びかしめ用の穴を形成する様子を示す断面図(b) 固定子積層鉄心用の鉄心片の平面図(a)及び固定子積層鉄心の斜視図(b) 異なる形状の固定子積層鉄心用の鉄心片の平面図(a)及び固定子積層鉄心の斜視図(b) 従来の製造装置を示す側面図
符号の説明
図面中、1、5は鉄心片、4、6は固定子積層鉄心、20はコイル材、22は素材鋼板、25は鉄心片切抜装置、26はカッターローラ、27は受けローラ、28はベース部、40,51,52,53,61,64は凸状切刃、40a,51a,52a,53a,63aは内側傾斜面、40b,51b,52b,53b,63bは外側傾斜面、44は集積箱、52c、53cは逃げ面、52d,53dは段差部、53eは円弧面、54は焼結体、55,56,57は研削砥石、62,65は台座部、63,66はブロックを示す。

Claims (7)

  1. 積層して回転電機の固定子積層鉄心あるいは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、
    前記鉄心片の素材たる厚み寸法が0.1〜0.5mmの帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出可能に設けられる送り出し装置と、
    円柱形状のベース部とその外周表面に突出し製造すべき前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃とを備えたカッターローラと、円柱形状で平滑な外周表面を有する受けローラとを互いに周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送り出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置とを備え、
    前記凸状切刃は、その刃先部が、稜線の両側に傾斜面を有する山形形状に形成されると共に、
    前記傾斜面のうち前記鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θが、5°以下とされており、
    更に、前記凸状切刃には、その刃先部の内側傾斜面の底縁部からベース部側に延びる逃げ面が形成されていると共に、該逃げ面とベース部との間に段差部が形成されており、前記逃げ面は、傾斜角度が、5°以下であり、且つ、深さ寸法hが、前記素材鋼板の厚み寸法の1倍以上、2倍以下とされていることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造装置。
  2. 積層して回転電機の固定子積層鉄心あるいは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、
    前記鉄心片の素材たる厚み寸法が0.1〜0.5mmの帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出可能に設けられる送り出し装置と、
    円柱形状のベース部とその外周表面に突出し製造すべき前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃とを備えたカッターローラと、円柱形状で平滑な外周表面を有する受けローラとを互いに周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送り出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置とを備え、
    前記凸状切刃は、その刃先部が、稜線の両側に傾斜面を有する山形形状に形成され、且つ、それら傾斜面のうち前記鉄心片側となる内側傾斜面の傾斜角度θが、前記素材鋼板の残材側となる外側傾斜面の傾斜角度φ以下とされていると共に、
    前記内側傾斜面構成部分の厚み寸法Wが、前記素材鋼板の厚み寸法の2倍以下とされていることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造装置。
  3. 前記凸状切刃には、その刃先部の内側傾斜面の底縁部からベース部側に延びる逃げ面が形成されていると共に、該逃げ面とベース部との間に段差部が形成されており、前記逃げ面は、傾斜角度が、5°以下であり、且つ、深さ寸法hが、前記素材鋼板の厚み寸法の1倍以上、2倍以下とされていることを特徴とする請求項2記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  4. 前記凸状切刃には、前記逃げ面と段差部との境界部は円弧面状とされ、その円弧面の曲率半径Rは前記素材鋼板の厚み寸法以上とされていることを特徴とする請求項1又は3記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  5. 前記凸状切刃は、超硬合金製であり、その外面が研削砥石による研削面仕上げとされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  6. 前記凸状切刃は、台座部の先端に超硬合金製のブロックを取付けて構成され、そのブロックの稜部によって刃先部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  7. 前記凸状切刃は、台座部の先端に直方体或いは稜面体形状をなす超硬合金製のブロックを取付けて構成され、そのブロックの角部によって刃先部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
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