JP6004477B2 - 一体型参照電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は一体型参照電極の製造方法に関し、特に軽水炉構造材料等の腐食電位(ECP)測定の際に適用して有用なものである。
軽水炉構造材料の腐食電位(ECP)測定は炉内環境モニタリングに最も適した技術である。炉内ECP測定には長期間安定に動作する参照電極が必要であるが、放射線照射下で簡便に利用できる電極は存在しない。そこで、この種の用途に、セラミックス管を酸素伝導体として用いる金属/酸化物電極が提案されている。かかる金属/酸化物電極は、化学的に安定で、酸化還元系から影響を受けない。そのため炉内用参照電極として金属/酸化物電極の適用が期待できる(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
図11は、従来技術に係る、この種の金属/酸化物電極で構成した参照電極を概念的に示す説明図である。同図に示すように、参照電極IIIは、セラミックス管01中に、金属/金属酸化物の混合物で形成するM/O電極02を固体電解質として封入したものである。ここで、セラミックス管01は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)で形成され、M/O電極02は、例えばNi/NiOで形成される。また、セラミックス管01はその上端部で構造材としての金属ケース03にロウ付けにより固着された状態で、例えば原子炉内等の所定の計測部位に設置される。M/O電極02には導線04の先端を当接させてあり、M/O電極02の電位を外部で計測し得るように構成してある。
EPRI report ,NP−7142(1991) L.W.Niedrach J.Electrochem.Soc.127,2122
上述の如き参照電極IIIは、放射線照射下ではM/O電極02を封入しているセラミックス管01と金属ケース03との接合部05で腐食が生じ、この部分が破損する場合がある。破損した場合には、環境の溶液がセラミックス管01内に流入し、またはセラミックス管01からM/O電極02を形成する粉末状の金属/金属酸化物が環境の溶液内に流出して、これを汚損する虞がある。
さらに、セラミックス管01は溶液中でのインピーダンスが低温(室温程度)で非常に高い。このためM/O電極02は専ら高温(90℃以上)で動作させるものとして使用していた。この結果、例えば軽水炉の起動停止等の低温時のECP測定には利用することができない。
また、セラミックス管01は機械的および熱的な衝撃に弱く、セラミックス管01の破損に伴う高温蒸気の外部への漏えいやM/O電極02に用いる固体電解質の環境中への漏洩が懸念される。
本発明は、上記従来技術に鑑み、環境温度の低温域から高温域の広い温度領域において安定した電位を示し、また機械的にも頑強な一体型参照電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、次の知見を基礎とするものである。すなわち、上述の如き従来技術に係る参照電極IIIの問題を解決する参照電極として、セラミックスと酸化物を金属基板上に成膜した一体型参照電極が考えられる。かかる一体型参照電極を形成することができれば、高い動作温度(例えば150℃以上)で使用することができると同時に、セラミックスの薄膜化によりインピーダンスを下げることが可能であるため、低い温度領域でも使用し得ると考えられる。
ただ、M/O電極02を薄膜化した場合、M/O電極02を構成する金属と金属酸化物との比率を制御することが困難であるため、両者の比率がどのようなものになるか予想が付かない。従来、金属と金属酸化物との比率は1対1またはその近傍であることが望ましいとされ、実際、従来のM/O電極02における金属と金属酸化物の比率は1対1またはその近傍となるように形成されていた。
そこで、本発明者等は、金属と金属酸化物の薄膜化の可能性を検証すべく、図11に示す構造の参照電極IIIにおいて、M/O電極02を構成する金属と金属酸化物の比率を種々変化させて、比率を変化させた場合の電極電位の特性を調べた。具体的には、最適な固体電解質の組成として選定したNi/NiO比とM/O電極02の電極電位との関係を調べた。
その結果を図12に示す。ここで、実験値は環境の環境温度が288℃に到達後、電極電位が安定したときの計測値を統計的に処理した値である。併せてNi/NiOの平衡反応から求めた理論値を破線で示す。
図12を参照すれば、M/O電極02の電極電位はNi/NiO比に対して顕著な影響がなく、許容できる範囲に収まることが確認できる。Niが過剰な場合、電極電位はほぼ一定である。一方、NiOの割合が増加するにつれ電極電位が貴側にシフトするが、高温水中での電位測定のばらつきと比較すると十分に許容できる。かかる結果は短期間の試験を繰り返した結果である。そのため、長期間の試験では固体電解質の継時変化で酸化物の割合が増加し、図12とは傾向が異なる可能性が考えられるが、Ni/NiO比が1:10と10:1と極端に変化した場合のM/O電極02の電極電位の差は高温での電位計測のばらつきと比較して小さく、固体電解質の継時変化による影響は少ないと推測される。
この結果より、高温水中でNi/NiO電極は理論値に近い値を示し、Ni/NiO比による電極電位への影響が少ないことから、Ni/NiOを薄膜化しても電極電位は十分許容範囲に収まると考えられる。
かかる知見を基礎とする本願発明の第1の態様は、
金属基板上に金属酸化物膜を形成し、さらに前記金属酸化物膜の表面を覆うように前記金属酸化物膜上にセラミックス膜を形成する一体型参照電極の製造方法であって、
前記金属基板がNi、前記金属酸化物膜がNiOであり、前記金属基板の表面を500℃以上の温度で熱酸化させて前記金属酸化物膜を形成したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法にある。
本態様によれば、セラミックス膜部分のインピーダンスを飛躍的に低減し得るので測定環境が低温であっても参照電極としての所定の機能を発揮させることができる。また、機械的強度の脆弱部である他の部材との接合部がないので、機械的な寿命を向上させることができ、長期に亘る所定の安定な機能を保証することができる。さらに金属基板の熱酸化による酸化膜で所定の金属酸化物膜を形成しているので、金属基板と金属酸化物膜との界面における剥離を防止することができ、長期に亘り安定した電極電位特性を得ることができる。
本発明の第の態様は、
の態様に記載する一体型参照電極の製造方法において、
記金属基板を、600℃以上に加熱して前記金属酸化物膜を形成したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法にある。
本発明の第の態様は、
第1又は第2の態様に記載する一体型参照電極の製造方法において、
前記セラミックス膜で覆われた前記金属酸化物膜の感応部を除く前記金属酸化物膜および金属基板を覆合部材で覆うことにより一体化したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法にある。
本態様によれば、当該一体型参照電極を一つの構造体として十分な機械的強度を備えたものとすることができる。
本発明の第の態様は、
第1〜第の態様の何れか一つに記載する一体型参照電極の製造方法において、
記セラミックス膜はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いたことを特徴とする一体型参照電極の製造方法にある。
本態様によれば、当該一体型参照電極を容易かつ適確に形成することができる。
本発明の第の態様は、
第1〜第の態様の何れか一つに記載する一体型参照電極の製造方法において、
測定対象の環境のpHに対する電極電位の特性であるpH特性が既知であることを特徴とする一体型参照電極の製造方法にある。
本態様によれば、別途環境のpHを計測しておくことで、容易に当該一体型参照電極の電位を適正な値に補正することができる。
本発明によれば、セラミックス膜を用いることで簡単に薄膜化が可能となり、電極のインピーダンスを低下させることができる結果、室温での電極電位の測定が可能になる。さらに、セラミックス膜により環境の構成要素である溶液と固体電解質を隔離でき、溶液中の酸化還元雰囲気に対して電極電位が影響を受けず、一体型参照電極電位は溶液中のpHのみで決定される。これらのことより、本発明に係る一体型参照電極は溶液中のpHが既知の場合、参照電極として用いることができる。
さらに、本発明に係る一体型参照電極は従来型金属/酸化物電極の主な破損原因となるセラミックス管およびその接合部が存在しない。この結果、固体電解質の溶液への漏洩を回避することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る一体型参照電極を概念的に示す説明図である。 第1の実施の形態に係る一体型参照電極においてpHに対する電極電位の特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る一体型参照電極を概念的に示す説明図である。 第2の実施の形態に係る一体型参照電極を所定の溶液に浸漬した場合の浸漬時間と電極電圧との関係を、第1の実施の形態に係る一体型参照電極との比較において示す特性図である。 第2の実施の形態に係る一体型参照電極を所定の溶液に浸漬した場合の前記溶液のpHと電極電圧の関係を、室温をパラメータとして示す特性図である。 加熱温度をパラメータとして金属基板を熱酸化させた各試料のラマンシフトに対するラマンシフトスペクトルの強度を示す特性図である。 図6に示す各試料(熱酸化させていない金属基板を含む)の外観を示す写真である。 図7に示す各試料の断面のTEM像を示す写真で、(a)が400℃で熱酸化させた場合、(b)が450℃で熱酸化させた場合である。 図7に示す各試料の断面のTEM像を示す写真で、(a)が500℃で熱酸化させた場合、(b)が550℃で熱酸化させた場合、(c)が600℃で熱酸化させた場合、(d)が800℃で熱酸化させた場合である。 図1に示す一体型参照電極と同様の構造を有する試料を室温、空気飽和のもとで、pH6.89中性リン酸標準液に50時間程度浸漬した後の試料の断面のTEM像を示す写真である。 従来技術に係る参照電極を概念的に示す説明図である。 図11に示す参照電極のM/O電極のNi/NiOの比率を変えて電極電位のばらつきを調べた場合の特性を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明の実施の形態に係る一体型参照電極を概念的に示す説明図である。同図に示すように、本形態に係る一体型参照電極Iは、金属基板2A上に金属酸化物膜2Bを形成し、さらに金属酸化物膜2Bの表面を覆うように金属酸化物膜2B上にセラミックス薄膜1を形成したものである。ここで、金属基板2Aと金属酸化物膜2BとがM/O電極2を構成している。
さらに、本形態に係る一体型参照電極Iは、セラミックス薄膜1で覆われた金属酸化物膜2Bの感応部を除く金属酸化物膜2Bおよび金属基板2Aを覆う金属等の覆合部材3で一体化してある。このように一体化することは必須ではないが、かかる構成とすることにより、一体型参照電極Iを一つの構造体として十分な機械的強度を備えたものとすることができる。
本形態においては、金属基板2AをNi、金属酸化物膜をNiO、セラミックス薄膜をイットリア安定化ジルコニア(YSZ)でそれぞれ形成した。さらに具体的には、Niの金属基板2A上に500nmのNiO薄膜からなる金属酸化物膜2Bと、100nmのYSZ薄膜からなるセラミックス薄膜1を、例えばスパッタリングによる蒸着により形成した。
かかる一体型参照電極Iにおいて、緩衝液中(室温、大気飽和)でのpH応答を調べた。同図を参照すれば、一体型参照電極Iの電極電位はpHの増加に対して−50.3mV/pHの傾きで直線的に減少し、図11に示す従来のM/O電極02では動作しない室温でpH電極としての動作が確認できた。
本形態によれば、YSZの薄膜で形成したセラミックス薄膜1は100nmとごく薄いので、この部分のインピーダンスを飛躍的に低減し得る。この結果、測定環境が低温であっても参照電極としての所定の機能を発揮させることができる。
また、Niの金属基板2A上にNiOの金属酸化物膜2Bを形成し、さらに金属酸化物膜2BをYSZの薄膜で形成したセラミックス薄膜1で覆ったので、図11に示す従来の参照電極IIIの如き、機械的強度の脆弱部である他の部材との接合部05がない。この結果、機械的な寿命を向上させることができ、長期に亘る所定の安定な機能を保証することができる。
測定対象の環境のpHに対する電極電位の特性であるpH特性が既知であるので、別途環境のpHを計測しておくことで、容易に当該一体型参照電極Iの電位を適正な値に補正することができる。
<第2の実施の形態>
図1に示す第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iによれば、上述の如き作用・効果を発揮させることができる。ところが、所定の溶液に浸漬した通常の使用態様では、時間の経過とともに電極電位が著しく減少する。これは、時間の経過とともに金属酸化物膜2Bが金属基板2Aから剥離するためであると考えられる。実際、電極電位が著しく減少した一体型参照電極Iを透過型電子顕微鏡(TEM)により分析した結果、金属基板(Ni基板)2Aと酸化物膜(NiO薄膜)2Bの界面が剥離していることが判明した。
この結果、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iは、所定の機能を発揮する一体型参照電極としての寿命が短いという問題を有している。
本形態は、かかる問題を解消し得るように第1の実施の形態をさらに改良したものである。
図3は本発明の第2の実施の形態に係る一体型参照電極を概念的に示す説明図である。なお、図3中、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示すように、本形態に係る一体型参照電極IIは、金属基板12Aの表面を熱酸化させて金属基板12A上に金属酸化物膜12Cを形成するとともに、さらに金属酸化物膜12Cの表面を覆うようにセラミックス薄膜1を形成したものである。したがって、本形態においては金属基板12Aおよび金属酸化物膜12CでM/O電極12を構成している。
さらに具体的には、本形態においては、Niの金属基板12Aを加熱手段である、例えばマッフル炉に収納して所定の高温で所定時間加熱することにより金属基板12Aの表面を熱酸化させて、例えば500nm程度の金属酸化物膜12Cを形成する。その後、金属酸化物膜12Cの表面に、例えば100nm程度のYSZ薄膜からなるセラミックス薄膜1を、例えばスパッタリングによる蒸着により形成する。このときの加熱温度は500℃以上、好ましくは600℃以上とする。
図4は、本形態に係る一体型参照電極IIを所定の溶液(例えば、pH6.89の中性リン酸標準液)に浸漬した場合の浸漬時間と電極電圧との関係を、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iとの比較において示す特性図である。同図において、Aは本形態に係る一体型参照電極IIの特性、Bは第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iの特性、Cは溶液の温度特性をそれぞれ示している。同図を参照すれば、本形態に係る一体型参照電極IIの場合、浸漬時間が経過してもほぼ一定の電極電位を維持しているのに対し、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iは浸漬時間の経過とともに急激に電極電位が低下している。すなわち、本形態に係る一体型参照電極IIの電位の変動は、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iに比較してドリフトが1/10〜1/100程度に収まる。このとき、溶液温度は25℃程度で一定である。
図5は、第2の実施の形態に係る一体型参照電極IIを所定の溶液に浸漬した場合の前記溶液のpHと電極電圧の関係を、室温をパラメータとして示す特性図である。同図を参照すれば、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iと同様にpHの変化に対して電極電位が変化することが分かる。この場合の傾きは、理論値と比較して5%程度小さい。ちなみに、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iは15%である。
上述の如き一体型参照電極IIにおいて適正な加熱温度、すなわち良好な金属酸化物膜12Cが形成される加熱温度を調べた。さらに詳言すると、Niの金属基板12Aをマッフル炉で1時間程度加熱して得られた金属基板12A上に500nmのNiO薄膜からなる金属酸化物膜12Cが形成された試料のラマンスペクトル強度を調べた。その結果を図6に示す。
図6は、加熱温度(400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、800℃)をパラメータとして熱酸化させた各試料のラマンシフトに対するラマンスペクトルの強度を示す特性図、図7は各試料の外観を示す写真である。
金属酸化物膜12Cが形成されると、図6中に点線で示すラマンシフトの位置には、ラマンスペクトル強度のピークが形成される。図6を参照すれば、加熱温度が500℃以上の場合に、NiOに対応するラマンシフトの位置で、良好な金属酸化物膜12Cが形成されていることを示すピークが認められる。
これは、図7に示す試料の外観を表す写真でも確認することができる。すなわち、図7の上列の最も左側に示す加熱前の試料は、Niの色である銀色であるが、加熱による酸化が進むにつれ赤褐色(400℃)、青味がかった赤褐色(450℃)、薄い緑(500℃、550℃)および濃い緑(600℃、800℃)と変化している。試料の色は緑が濃くなるにつれ良好な金属酸化物膜12Cが形成されていることを表す。
図8および図9は、図7に示す各試料の断面のTEM像を示す写真で、図8(a)が400℃で熱酸化させた場合、同図(b)が450℃で熱酸化させた場合、図9(a)が500℃で熱酸化させた場合、同図(b)が550℃で熱酸化させた場合、同図(c)が600℃で熱酸化させた場合、同図(d)が800℃で熱酸化させた場合をそれぞれ示している。
これらの図を参照すれば、400℃および450℃で加熱した図8(a)および同図(b)では20〜30nmの薄い金属酸化物膜(NiO膜)12Cしか形成されず、酸化が不十分な部位が認められる。ちなみに、金属酸化物膜(NiO膜)12Cがぼやけた画像となり、金属基板12Aとの界面が明瞭な金属酸化物膜12Cとはなっていない。
一方、図9(a)〜図9(d)においては、比較的厚い(100nm以上)の安定した金属酸化物膜12Cが認められた。そして、金属酸化物膜12Cは温度が高くなるほど厚い良好な酸化膜となっている。
これらの実験結果より、本形態における金属酸化物膜12Cの形成に際しては、500℃以上、好ましくは600℃以上で加熱すれば良いことが分かる。
図10は、第1の実施の形態に係る一体型参照電極Iと同様に、Niの金属基板2Aの表面にNiOの金属酸化物膜2Bを形成した試料を室温、空気飽和のもとで、pH6.89中性リン酸標準液に50時間程度浸漬した後におけるその断面のTEM像を示す写真である。同図に示す状態では、金属酸化物膜(NiO薄膜)2Bが金属基板(Ni基板)2Aから剥離していることが分かる。
なお、上述の如く上記第1および第2の実施の形態では、一体型参照電極I、IIの固体電解質としてNi/NiOを用いたが、他にもCu/CuO、Fe/Fe等が考えられる。
本発明は密閉された原子炉構造物の健全性を検出する必要がある原子力産業等の産業分野において有効に利用することができる。
I、II 一体型参照電極
1 セラミックス薄膜
2 M/O電極
2A 金属基板
2B 金属酸化物膜
3 覆合部材
4 導線
12 M/O電極
12A 金属基板
12C 金属酸化物膜

Claims (5)

  1. 金属基板上に金属酸化物膜を形成し、さらに前記金属酸化物膜の表面を覆うように前記金属酸化物膜上にセラミックス膜を形成する一体型参照電極の製造方法であって、
    前記金属基板がNi、前記金属酸化物膜がNiOであり、前記金属基板の表面を500℃以上の温度で熱酸化させて前記金属酸化物膜を形成したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法
  2. 請求項に記載する一体型参照電極の製造方法において、
    記金属基板を、600℃以上に加熱して前記金属酸化物膜を形成したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法
  3. 請求項1又は2に記載する一体型参照電極の製造方法において、
    前記セラミックス膜で覆われた前記金属酸化物膜の感応部を除く前記金属酸化物膜および金属基板を覆合部材で覆うことにより一体化したことを特徴とする一体型参照電極の製造方法
  4. 請求項1〜請求項の何れか一つに記載する一体型参照電極の製造方法において、
    記セラミックス膜はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いたことを特徴とする一体型参照電極の製造方法
  5. 請求項1〜請求項の何れか一つに記載する一体型参照電極の製造方法において、
    測定対象の環境のpHに対する電極電位の特性であるpH特性が既知であることを特徴とする一体型参照電極の製造方法
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